JPH08280791A

JPH08280791A - 血液成分分離装置

Info

Publication number: JPH08280791A
Application number: JP7090777A
Authority: JP
Inventors: Takemi Uemura; 剛巳植村; Akio Shirasu; 昭雄白数; Nobutoshi Doi; 伸年土居
Original assignee: Nissho Corp
Current assignee: Nissho Corp
Priority date: 1995-04-17
Filing date: 1995-04-17
Publication date: 1996-10-29

Abstract

(57)【要約】【目的】現在普及している上部にチューブが取り付け
られる血液バッグを使用し、遠心分離操作などは従来と
同様に簡単なままで、成分の分離を装置により完全に自
動化することができ、誰にでも簡単に正確な成分の分離
を行なうことができる血液成分分離装置を提供する。【構成】その内部に遠心分離により区画された上層
Ｕ、中間層Ｍおよび下層Ｌを有する血液バッグ１を加圧
し、上層Ｕと下層Ｌの各成分を分離させる加圧ユニット
２を備えてなる血液成分分離装置であって、前記加圧ユ
ニット２が、短辺部２１と長辺部２２とからなり断面が
ヘの字形状にされている加圧部材２３と、前記短辺部２
１を押圧する第１の加圧手段２４と、前記短辺部２１と
長辺部２２との境界部２５を押圧する第２の加圧手段２
６とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は血液成分分離装置に関す
る。さらに詳しくは、血液バッグ内に区画された血液成
分を分離して取り出す血液成分分離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、全血輸血の代わりに、血液中の必
要な成分のみを患者に輸血する成分輸血が行なわれた
り、また血漿製剤作成のために血液中から血漿のみを採
取することも行なわれている。このような成分輸血や血
漿製剤作成のための血液は、供血者から採取され、血液
バッグ（親バッグ）に収容される。そして、遠心分離に
より、上層、中間層および下層の３つの成分層に区画さ
れる。この上層には血漿層、中間層には白血球および血
小板を含む軟膜層と呼ばれる薄い層、下層には赤血球層
がそれぞれ分離されている。前記血液バッグには、通
常、血液バッグの上部にチューブが取り付けられている
もの、血液バッグの上部と下部にチューブが取り付けら
れているもの、血液バッグの内部に上方からの取り出し
用の通路を形成させるために、底部まで伸びる隔壁が設
けられているものがある。前記上部にチューブが取り付
けられている血液バッグを使用するばあいには、簡易な
スタンドに該バッグを固定し、バネの力により加圧板で
該バッグの腹面を加圧し、目視により成分の界面を監視
しつつ、チューブをコッヘルなどを用いて手で閉鎖して
望みの成分を血液バッグに連結される無菌の分離バッグ
（子バッグ）に採取している。また前記上下部にチュー
ブを設けた血液バッグや、内部に隔壁を設けた血液バッ
グを使用するばあいには、自動装置に取り付け、中間層
の成分位置を界面センサーにより検出しつつ加圧し、前
述と同様に血液成分を子バッグに採取している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記上
部にチューブが取り付けられている血液バッグを用いる
ばあいは、手作業が複雑であるため経験を要し成分の分
離操作を簡単に行なうことができない問題がある。一
方、前記自動装置を用いるばあいは、分離操作は簡単に
行なうことができるが、この装置に取り付けられる上下
部にチューブを設けた血液バッグでは、上部および下部
にそれぞれチューブがあるために、遠心分離操作時や前
記装置にバッグを取り付けるときなどに、チューブが邪
魔になり血液バッグの取り扱いが煩雑になる問題があ
る。また内部に隔壁を設けた血液バッグでは、血液の遠
心分離操作中にバックが隔壁部分から折れてしまい、血
液を３層の成分に完全に分離することができない問題が
あり、また遠心分離操作中に、遠心分離機のカップの中
でバックが折れるので、最悪のばあいはバックが破裂す
る問題がある。

【０００４】本発明は、叙上の事情に鑑み、現在普及し
ている上部にチューブが取り付けられる血液バッグを使
用し、遠心分離操作などは従来と同様に簡単なままで、
成分の分離を装置により完全に自動化することができ、
誰にでも簡単に正確な成分の分離を行なうことができる
血液成分分離装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の血液成分分離装
置は、その内部に遠心分離により区画された上層、中間
層および下層を有する血液バッグを加圧し、上層と下層
の各成分を分離させる加圧ユニットを備えてなる血液成
分分離装置であって、前記加圧ユニットが、短辺部と長
辺部とからなり断面がヘの字形状にされている加圧部材
と、前記短辺部を押圧する第１の加圧手段と、前記短辺
部と長辺部との境界部を押圧する第２の加圧手段とから
なることを特徴としている。

【０００６】

【作用】本発明の血液成分分離装置によれば、１枚のヘ
の字形状の加圧部材における短辺部を血液バッグの側部
に加圧させたのち、境界部を支点として揺動させること
により、下層の成分のみを血液バッグの上部へ通過させ
る流路が形成される。そのため、血液バッグの上部に取
り付けられるチューブから上層、下層の成分を分離し
て、分離バッグに収容させることができる。

【０００７】

【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の血液成分
分離装置を説明する。

【０００８】図１は本発明の血液成分分離装置の一実施
例を示す一部切欠斜視図、図２〜３は図１の血液成分分
離装置における押圧動作を示す平面断面図、図４は図２
〜３における血液バッグの側面図である。

【０００９】図１に示すように、本発明の血液成分分離
装置は、その内部に遠心分離により区画された上層Ｕ、
中間層Ｍおよび下層Ｌを有する血液バッグ１を加圧し、
上層Ｕと下層Ｌの各成分を分離させる加圧ユニット２が
備えられている。

【００１０】前記血液バッグ１は、塩化ビニル樹脂、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ウレタンなどの
柔軟な合成樹脂により作製されており、その内部には供
血者から採取した血液が収納されている。そして上層Ｕ
には血漿層（血漿成分）、中間層Ｍには白血球や血小板
などの薄層および下層Ｌには赤血球層（赤血球成分）が
それぞれ分離されている。血液バッグ１は、装置前面部
の扉３を解放したのち、加圧ユニット２の前面に吊り下
げられるようにしている。血液バッグ１の上部には、上
層Ｕの血漿層と下層Ｌの赤血球層を図４に示すような分
離バッグ４、５に流入させるためのチューブ６、７が取
り付けられており、また各チューブ６、７には、流路を
遮断するクランプ部材８、９が配置されている。このク
ランプ部材８、９は、たとえばソレノイドなどにより作
動させることができる。なお、１０は採血針用のチュー
ブである。

【００１１】前記加圧ユニット２は、短辺部２１と長辺
部２２とからなり断面がヘの字形状にされている加圧部
材２３と、前記短辺部２１を押圧する第１の加圧手段２
４と、前記短辺部２１と長辺部２２との境界部２５を押
圧する第２の加圧手段２６とから構成されている。

【００１２】前記短辺部２１と第１の加圧手段２４は、
ロッド２７先端に固定されるコ字状部材２８と短辺部２
１に固定される回転支持部材２９とにより連結されてお
り、また前記長辺部２２と第２の加圧手段２６も同様
に、コ字状部材２８と回転支持部材２９とにより連結さ
れている。前記第１の加圧手段２４と第２の加圧手段２
６としては、本実施例では、エアーシリンダが用いられ
ているが、本発明においては、エアーシリンダに限定さ
れるものではなく、油圧シリンダ、ボールねじおよびソ
レノイドバルブなどの直動運動可能な装置を用いること
もできる。

【００１３】前記長辺部２２には、中間層Ｍの上端およ
び下端の界面位置を検出するための界面検出部３０が取
り付けられている。この界面検出部３０としては、たと
えば光学センサーが用いられ、各層Ｕ、Ｍ、Ｌごとに異
なる透過量を算出して界面位置を検出している。なお、
界面検出部３０は、前記扉３の内面に取り付けるように
してもよい。

【００１４】つぎに本発明の血液成分分離装置の動作を
説明する。

【００１５】まず図１および図２（ａ）に示すように、
装置の前部、すなわち扉３と加圧部材２３のあいだに供
血者から採血した血液を収納する血液バッグ１を保持さ
せる。この血液バッグ１内の血液は、予め遠心分離機に
より上層Ｕ、中間層Ｍおよび下層Ｌの３つの層に分離さ
れている。前記血液バッグ１を保持したのちに、図４に
示すように、チューブ６、７をクランプ部材８、９に内
装するとともに、分離バッグ４、５に連結する。

【００１６】ついで制御パネル１１の開始スイッチを入
れることにより、装置内の制御部（図示せず）における
一定のプログラムに従って、第１、第２の加圧手段２
４、２６を駆動し、加圧部材２３を前進させ、血液バッ
グ１の腹面をほぼ全面的に押圧する（図２（ｂ））。そ
して図２（ｃ）に示すように、短辺部２１を加圧する第
１の加圧手段２４の前進を早め、図３（ｄ）のように、
該短辺部２１を平行に加圧し、血液バッグ１の一方の側
部１２ａを密着させ、該側部１２ａ内の血液を他方の側
部１２ｂ側へ移動させる。この移動工程は、ゆるやかに
行なわれるため、血液の移動に際し、上層、中間層およ
び下層が混り合うようなことはない。

【００１７】つぎに図３（ｅ）に示すように、第１の加
圧手段２４のみ後退させ、加圧部材２３を境界部２５を
支点として揺動させる。そして、図４に示すように、加
圧部材２３の下部が下層Ｌの下端より上側に位置してい
るため、血液バッグ１の側部１２ａには、下層Ｌからチ
ューブ７に連通する流路１３が形成される。この流路１
３が形成されるのと同時に、第１の加圧手段２４がさら
に後退し、長辺部２２を血液バッグ１の腹面に押圧させ
る。これにより、中間層Ｍの位置を界面検出部３０によ
り検知しつつ、上層Ｕの血漿成分が分離バッグ４内に移
送されるとともに、下層Ｌの赤血球成分が分離バッグ５
内に移送される。この移送により血漿成分と赤血球成分
が分離バッグ４、５に収容され、中間層のみが血液バッ
グ１内に残留されると、クランプ部材８、９を閉塞し、
血液の成分分離操作を完了する。これにより、上層Ｕ、
中間層Ｍ、下層Ｌの３成分を精度良く分離させることが
できる。

【００１８】前記完了の信号が発せられると、加圧部材
２３は血液バッグ１から後退し、初期状態に復帰する
（図２（ａ））。そして、分離処理済の血液バッグ１は
装置から取り出される。

【００１９】引き続き、新たな血液バッグが装置に保持
されると、前述と同様に血液の成分分離操作が開始され
る。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の血液成分
分離装置では、従来形状のバッグを使用しているので、
遠心分離操作などは従来のままで良く簡単である。成分
の分離操作は、装置に血液バッグをセットすれば自動的
に１枚の加圧部材により下層の成分が通過する流路を形
成させるのと同時に、加圧により上層、下層の成分分離
を行なうため、簡単である。また、従来の手操作での成
分分離より、白血球除去性能があがり、より白血球混入
の少ない濃厚な赤血球をうることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の血液成分分離装置の一実施例を
示す一部切欠斜視図である。

【図２】図１の血液成分分離装置における押圧動作を示
す平面断面図である。

【図３】図１の血液成分分離装置における押圧動作を示
す平面断面図である。

【図４】図２〜３における血液バッグの側面図である。

【符号の説明】

１血液バッグ２加圧ユニット４、５分離バッグ６、７チューブ８、９クランプ部材２１短辺部２２長辺部２３加圧部材２４第１の加圧手段２５境界部２６第２の加圧手段３０界面検出部Ｕ上層Ｍ中間層Ｌ下層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】その内部に遠心分離により区画された上
層、中間層および下層を有する血液バッグを加圧し、上
層と下層の各成分を分離させる加圧ユニットを備えてな
る血液成分分離装置であって、前記加圧ユニットが、短
辺部と長辺部とからなり断面がヘの字形状にされている
加圧部材と、前記短辺部を押圧する第１の加圧手段と、
前記短辺部と長辺部との境界部を押圧する第２の加圧手
段とからなることを特徴とする血液成分分離装置。