JPH08280504A - 植木鉢用カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植木鉢を包装した状態で運搬する際に植木鉢
を手で吊り下げながら容易に運搬し得るようにした植木
鉢用カバーを提供する。 【構成】 本発明の植木鉢用カバー１は、底壁部２と筒
部３とからなるカバー本体４を有する。筒部３は断面が
テーパー形状となっており、筒部３の先端からは複数の
装飾部５が突出している。装飾部５には手提げ部６の両
端が接続されており、底壁部２には受皿部７が配置され
る。したがって、植木鉢は植木鉢カバー１内に挿入され
て受皿部７に上に載置された状態で包装されるので、植
木鉢が転倒したり、傾いたりすることがなくなる。ま
た、植木鉢を持ち運ぶ際には、運搬者は手提げ部６を手
に持って運搬することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は植木鉢を収容する植木鉢
用カバーに関し、特に、植木鉢を手で吊り下げて運搬す
る際に植木鉢を安定的に運搬し得るようにした植木鉢用
カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】花屋などのように植木鉢を販売する販売
店にあっては、顧客に対して植木鉢を販売する場合に
は、ビニールやポリエチレンなどの樹脂製のシートや紙
製のシートで植木鉢を包装し、顧客に手渡すようにして
いる。

【０００３】その場合には、四辺形の樹脂などからなる
シートを予め用意しておき、植木鉢をシートで覆った後
に紐などでシートを植木鉢に巻き付けて固定している。
そのため、紐などを用いた結束作業が不可避となり、販
売店における作業者の包装作業が容易ではないという問
題点がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】植木鉢の部分に対する
シートの巻き付け作業を無くして包装作業を容易にする
ために、樹脂製のシートを用いて植木鉢に対応した形状
の植木鉢用カバーが開発されている。これまで開発され
た植木鉢用カバーは、四辺形のシートを用いて成形する
ことによって、テーパー形状の植木鉢に対応したテーパ
ー部を有する底付きのカバーとなっている。

【０００５】このような植木鉢カバーにあっては、底部
はシートのみからなり保形性を有しておらず、同一サイ
ズのカバーによって相互にサイズが相違する複数種類の
植木鉢を包装すると、植木鉢のサイズによってはカバー
の底部の中心に対してずれた位置で植木鉢が包装される
ことになるので、運搬時の植木鉢の姿勢がカバーの中で
傾いたり転倒することになり、運搬性が良好とならない
という問題点がある。

【０００６】また、カバーに包装した状態で植木鉢を容
易に搬送し得るように、紐を巻き付ける作業が容易でな
いことから、シートの角の部分をしばり付けるようにで
きるカバーとすることも考えられるが、カバーにそのよ
うな部分を設けるためには、カバーを成形するためのシ
ートのサイズを大型とするか、しばり付ける部分を予め
設けた特殊形状のシートを使用する必要がある。

【０００７】本発明の目的は、植木鉢を包装した状態で
運搬する際に植木鉢を手で吊り下げながら容易に運搬し
得るようにした植木鉢用カバーを提供することにある。

【０００８】また、本発明の他の目的は、包装された植
木鉢の姿勢を安定させることができる植木鉢用カバーを
提供することにある。

【０００９】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。

【００１１】すなわち、本発明の植木鉢用カバーは、底
壁部と断面テーパー形状の筒部とを有するカバー本体
と、前記筒部の先端から突出した複数の装飾部と、前記
装飾部に両端が接続された手提げ部と、前記底壁部に配
置された受皿部とを有し、植木鉢を前記受皿部の上に載
置した状態で包装し、前記手提げ部を持って植木鉢を運
搬し得るようにしたことを特徴とする。前記手提げ部を
前記装飾部と一体となったシート材を用いて形成するよ
うにしても良く、あるいは前記カバー本体を成形した後
に前記手提げ部を前記装飾部に取り付けるようにしても
良い。

【００１２】

【作用】本発明の植木鉢用カバーによれば、カバー本体
の底壁部には受皿部が設けられているので、植木鉢を収
容するとそれが受皿部の上に載置されることになり、植
木鉢は所定の姿勢となる。これにより、植木鉢の運搬時
に植木鉢が傾いたり、転倒することがなくなり、安定的
に植木鉢を持ち運ぶことができる。また、植木鉢を植木
鉢用カバー内に挿入するだけで、植木鉢の包装を行うこ
とができ、包装作業を迅速に行うことができる。さら
に、植木鉢を包装した状態で持ち運ぶ際には、運搬者は
手提げ部を手に持って運搬することができるので、持ち
運び操作が容易となる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

【００１４】図１は本発明の一実施例である植木鉢用カ
バーを示す斜視図であり、図２は図１に示した植木鉢用
カバー内に植木鉢を収容した状態を示す一部切り欠き斜
視図である。

【００１５】図１に示すように、本発明の植木鉢用カバ
ー１は円形の底壁部２と断面テーパー形状の筒部３とを
有するカバー本体４を有し、筒部３は上部に向かうにし
たがって内径が大きくなるように形成されている。この
カバー本体４の先端には４つの装飾部５が一体となって
いる。

【００１６】装飾部５はカバー本体４の円周方向にほぼ
９０度の位相となって設けられており、４つの装飾部５
のうち相互に対向し合う２つの装飾部５には手提げ部６
が接続されている。そして、底壁部２にはその内径にほ
ぼ対応した外径を有する受皿部７が固定されている。

【００１７】カバー本体４と装飾部５と手提げ部６は、
ビニール、ポリエチレンなどの樹脂製のシートが用いら
れており、受皿部７も同様の樹脂からなり厚手の円板状
の部材により形成されている。

【００１８】植木Ｆが植えられた植木鉢Ｐを植木鉢用カ
バー１内に収容した状態を示すと図２の通りであり、植
木鉢Ｐの底面は受皿部７の上に載置されることになるの
で、手提げ部６を手に持って植木鉢Ｐを運搬する場合に
は、植木鉢Ｐの姿勢は安定状態となり、運搬時にカバー
本体４内で傾いたり、転倒することが防止される。ま
た、受皿部７の径よりもかなり小さな植木鉢であって
も、それが受皿部７の上に載置されることから、カバー
内で所定の姿勢が維持される。

【００１９】図３は図１に示す植木鉢用カバー１を成形
するための金型を示す図であり、この金型は下型１１と
上型１２とを有している。下型１１には図１に示すカバ
ー本体４の外周形状に対応した凹部１３が形成されてお
り、上型１２はこの凹部１３にほぼ対応した形状のテー
パー形状の筒体となっている。

【００２０】カバー本体４と装飾部５とを形成するため
に、図３に示すように、四辺形の熱可塑性などの樹脂か
らなるシート材１４が用いられる。このシート材１４の
対向する２つの角部には手提げ部６が予め接着され、さ
らにシート材１４の中央部には受皿部７が予め接着され
ている。図３に示すシート材１４を下型１１の上に載置
した状態で、上型１２を下降移動させて、上型１２を下
型１１の凹部１３内に挿入させる。

【００２１】挿入が完了した状態を示すと、図４の通り
であり、下型１１内にはヒータ１５が組み込まれてお
り、シート材１４を下型１１と上型１２との間で挟み付
けた状態でシート材１４を加熱すると、図１に示す植木
鉢用カバー１が成形される。

【００２２】受皿部７をシート材１４に予め接着するこ
となく、受皿部７をシート材１４に載置した状態とし、
下型１１に組み込まれたヒータ１５の熱を利用して受皿
部７をシート材１４に熱により接着させるようにしても
良い。その場合には、受皿部７を熱可塑性の樹脂材料を
用いることが望ましい。

【００２３】筒部３はシート材１４を折り曲げて成形さ
れることになるので、折り込まれたひだが複数本形成さ
れることになり、趣を持った外表面となる。そして、図
３に示す四辺形のシート材１４の４つの角の部分が装飾
部５になり、この部分は植木鉢Ｐを収容した状態では植
木Ｆの部分を覆うことになる。

【００２４】植木鉢Ｐを収容した状態では、これの購入
者は手提げ部６を手に持って植木鉢Ｐを吊り下げて持ち
運ぶことができるので、その運搬が容易となる。しか
も、植木鉢の販売店にあっては、植木鉢用カバー１内へ
植木鉢Ｐを挿入する作業のみでよく、紐などを用いるこ
とが不要となり、包装作業を迅速に行うことが可能とな
る。

【００２５】なお、図示する実施例にあっては、手提げ
部６が予め一体となったシート材１４を用いて植木鉢カ
バー１を成形するようにしているが、カバー本体４を成
形した後に、装飾部５の先端に手提げ部６を取り付ける
ようにしても良い。また、受皿部７についても、図３に
示す場合には、予めカバー本体４の底壁部２に接着剤を
用いて接着するか、あるいはカバー本体４を成形する際
に受皿部７を底壁部２に成形用のヒータ１５の熱を利用
して接着するようにしているが、カバー本体４を成形し
た後に底壁部２に受皿部７を接着剤を用いて接着するよ
うにしても良い。

【００２６】さらには、受皿部７を接着することなく、
単に底壁部２の上に受皿部７を載置しておくのみでも良
い。その場合には、受皿部７を相互に外径が相違した複
数種類のものを用意しておけば、植木鉢のサイズに応じ
て最適なサイズの受皿部７を選択することができる。

【００２７】図示する場合には、ほぼ正方形のシート材
１４を用いてカバー本体４を成形するようにしている
が、五角形、六角形あるいはそれ以上の多角形のシート
材を用いるようにしても良く、このようにすると装飾部
５の数が増加することになり、植木Ｆを覆うことになる
部分の装飾性が良好となる。また、長方形のシート材あ
るいは円形や楕円形のシート材を用いるようにしても良
い。

【００２８】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。

【００２９】たとえば、シート材１４の材質としては、
前記したものに限定されることなく、種々の熱可塑性樹
脂を使用することが可能であり、さらに、紙製のシート
を用いることも可能である。その場合には、金型を用い
て所定の形状に型押しするのみによってカバー本体４が
形成されることになり、成形することによって発生した
ひだの部分を接着剤を用いて止めるようにしても良い。

【００３０】

【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。

【００３１】(1).植木鉢用カバーの底壁部内には受皿部
が設けられているので、植木鉢はこの上に載置されるこ
とになり、収容された植木鉢の姿勢が安定し、持ち運び
が容易となる。

【００３２】(2).手提げ部が一体となっているので、植
木鉢を持ち運ぶ際には、運搬者は手提げ部を手に持って
容易に運搬することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である植木鉢用カバーを示す
斜視図である。

【図２】図１に示した植木鉢用カバー内に植木鉢を収容
した状態を示す一部切り欠き斜視図である。

【図３】植木鉢用カバー成形用の金型を示す斜視図であ
る。

【図４】植木鉢用カバーの成形が完了した状態を示す金
型の断面図である。

【符号の説明】 １ 植木鉢用カバー ２ 底壁部 ３ 筒部 ４ カバー本体 ５ 装飾部 ６ 手提げ部 ７ 受皿部 １１ 下型 １２ 上型 １３ 凹部 １４ シート材 １５ ヒータ Ｆ 植木 Ｐ 植木鉢

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底壁部と断面テーパー形状の筒部とを有
   するカバー本体と、前記筒部の先端から突出した装飾部
   と、前記装飾部に両端が接続された手提げ部と、前記底
   壁部に配置された受皿部とを有し、植木鉢を前記受皿部
   の上に載置した状態で包装し、前記手提げ部を持って植
   木鉢を運搬し得るようにしたことを特徴とする植木鉢用
   カバー。
2. 【請求項２】 請求項１記載の植木鉢用カバーであっ
   て、前記手提げ部が前記装飾部と一体となったシート材
   を用いて前記カバー本体を形成するか、あるいは前記カ
   バー本体を成形した後に前記手提げ部を前記装飾部に取
   り付けるようにしたことを特徴とする植木鉢用カバー。