JPH08280383A - 細胞核の増殖関連抗原に対するモノクローナル抗体の作製方法 - Google Patents

細胞核の増殖関連抗原に対するモノクローナル抗体の作製方法

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JPH08280383A
JPH08280383A JP8082892A JP8289296A JPH08280383A JP H08280383 A JPH08280383 A JP H08280383A JP 8082892 A JP8082892 A JP 8082892A JP 8289296 A JP8289296 A JP 8289296A JP H08280383 A JPH08280383 A JP H08280383A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞核の増殖関連抗原に対するモノクローナ
ル抗体を効率的に作製する方法、該方法により得られた
抗体、増殖関連核酸のヌクレオチド配列ならびに増殖関
連タンパク質のアミノ酸配列を提供する。 【解決手段】 増殖性細胞の細胞核の調製物をその細胞
核成分と結合しうる沈降抗体と接触させて、沈降抗体と
細胞核成分を含む免疫複合体を形成させ、この免疫複合
体を単離し、そして該複合体またはそこに含まれる細胞
核成分を免疫原として用いることにより増殖関連抗原を
認識するモノクローナル抗体を作製する。 【効果】 本発明の抗体は細胞質成分または非増殖性細
胞の核成分とは本質的に交差反応せず、細胞の増殖活性
を判定するためのマーカーとして用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞核由来の増殖
関連抗原と反応するモノクローナル抗体の作製方法なら
びに該方法により得られる抗体に関するものである。さ
らに、本発明は、増殖関連核酸のヌクレオチド配列およ
び増殖関連タンパク質のアミノ酸配列に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】腫瘍検索の分野における細胞生物学の研
究は久しくカテコールアミンやホルモンといった腫瘍細
胞産物に集中してきた。また、酵素細胞化学の採用およ
び検出方法の改良に伴って、膜に結合したまたは細胞質
のタンパク質、脂質およびムコ多糖類も次第に関心をも
たれるようになってきた。モノクローナル抗体がこの種
の分子の同定に大きく貢献してきた。その間に達成され
た分子遺伝学的方法の改良は、これに対応して各種細胞
タンパク質の遺伝子のクローニングを可能にした。そう
しているうちに、細胞表現型の多様化は遺伝子群の示差
発現によって、とりわけ、メチル化のような細胞特異的
DNA修飾によって引き起こされ、維持されていること
が明らかになった。
【0003】現在、大部分の分析プロジェクトは、機能
的に適合された細胞表現型を発現するように働く遺伝子
調節の複雑な作用機序の解明に集中している。これらは
分化、代謝排泄および細胞増殖の全過程をも包含する。
最近の研究によれば、細胞死も相互に作用する反応カス
ケードによって調節されている。
【0004】しかしながら、遺伝子−調節性のタンパク
質の発見および同定の道筋には重大な問題が横たわって
いる。特に、タンパク質分析の免疫学的方法は、細胞生
物学において最も重要な実験方法であるにもかかわら
ず、困難なくしては使用することができない。細胞核の
中に存在するDNA結合タンパク質の大部分は系統発生
的に高度に保存された種間相同性の高い構造を有し、こ
の相同性がそれらの免疫原性を完全寛容性の位置に制限
している。それゆえ、このようなタンパク質に対する抗
体の作製には相当の困難が伴う。
【0005】Kreipeら (Am. J. Pathol. 142 (1993), 3
-9) は、Ki−S1と呼ばれるモノクローナル抗体によ
ってパラフィン包埋組織切片中に検出され得る、細胞核
由来の分子量約160kDの増殖関連抗原を記述してい
る。この抗体Ki−S1は溶解したU−937腫瘍細胞
を免疫原として用いて作製されたものである。しかし、
溶解細胞または細胞核の調製物を免疫原として用いるこ
との欠点は、増殖関連抗原に特異的な抗体をごくわずか
しか作製できない点にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かくして、本発明の課
題は、従来技術の欠点を少なくとも部分的に回避し、特
に既知の方法よりも効率よく増殖関連抗原に対する抗体
を作製する新規な方法ならびに該方法により得られる抗
体を提供することにある。本発明の更なる課題は、増殖
関連核酸のヌクレオチド配列および増殖関連タンパク質
のアミノ酸配列を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、(a)増
殖性細胞から細胞核の調製物をつくり、(b)上記細胞
核の調製物と、増殖性細胞の細胞核成分と結合しうる沈
降抗体1種または数種とを、沈降抗体および該抗体に結
合しうる核成分を含む免疫複合体を形成させる条件下で
接触させ、(c)上記の免疫複合体を単離し、場合によ
り、単離した該複合体を精製し、(d)工程(c)から
得られた免疫複合体またはその中に含まれる細胞核成分
を用いて実験動物を免疫化し、(e)免疫化した実験動
物より得られた抗体産生細胞と不死化細胞とを融合させ
てハイブリドーマ細胞を作製し、(f)増殖性細胞の核
成分と特異的に結合しうる抗体を産生するハイブリドー
マ細胞を選択し、そして(g)選択したハイブリドーマ
細胞から上記の抗体を単離する、ことを特徴とする細胞
核由来の増殖関連抗原と反応するモノクローナル抗体の
作製方法によって達成される。
【0008】驚いたことに、本発明の方法によると、増
殖性細胞の細胞核由来の抗原と反応するモノクローナル
抗体を比較的多数作製することができた。このようなモ
ノクローナル抗体の例として、Mascheroder Weg 1b, 38
124 Braunschweig, GER 所在の“Deutsche Sammlung fu
r Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSM) ”に
寄託されて受託番号 DSM ACC 2200 、DSM ACC 2205、DS
M ACC 2206およびDSMACC 2199を有するハイブリドーマ
細胞系により産生される抗体S2、S3、S4および抗
p28/24がある。
【0009】抗体S3(DSM ACC 2205)はIgG1イソ
タイプを有し、Ki67抗原(p395/345)のエ
ピトープを認識する。この抗原に対する別の抗体Ki−
S5は Kreipe ら (Am. J. Pathol. 142 (1993), 1689-
1694) によってすでに記述されている。Ki67抗原は
正常細胞および腫瘍細胞の増殖活性のためのマーカーで
ある。抗体S3は細胞周期がM期、G2期、S期および
G1期にあるヒト細胞の細胞核と反応する。この抗体は
本質的に他の抗原との交差反応性を示さない。
【0010】抗体S4(DSM ACC 2206)はIgG1イソ
タイプを有し、ヒト・トポイソメラーゼαII(p17
0)のエピトープを認識する。従って、この抗体S4は
既知の抗体Ki−S1 (Kreipeら, Am. J. Pathol. 142
(1993), 3-9) と同じ抗原に対して誘導されたものであ
る。ヒト・トポイソメラーゼIIαもヒト細胞の増殖活性
のためのマーカーである。抗体S4は細胞周期がS期、
G2期、M期およびG1期にあるヒト細胞の細胞核と反
応する。この抗体は抗体Ki−S1とは異なるトポイソ
メラーゼのエピトープを認識し、抗体Ki−S1と対照
的に、膵臓の上皮細胞とは交差反応しない。
【0011】抗体S2(DSM ACC 2200)はIgG1イソ
タイプを有し、細胞核に由来する分子量約100kD
(SDS−PAGE)の増殖関連抗原を認識する。この
抗原は比較的少数(約20〜40%)の増殖性細胞、特
に細胞周期がM期、G2期およびS期にある細胞におい
て発現されるにすぎない。
【0012】抗p28/24(DSM ACC 2199)はIgG
1イソタイプを有し、細胞核に由来する分子量約24k
Dおよび28kD(SDS−PAGE)の増殖関連抗原
を認識する。これらの抗原は特に精原細胞およびヒト腫
瘍細胞の細胞核において検出され得る。
【0013】本発明の方法の工程(a)により、細胞核
の調製物が増殖性細胞からつくられる。原料として永久
ヒト細胞系またはヒト腫瘍組織を用いることが好まし
い。適当な永久ヒト細胞系の例として、U−937 (Su
ndstrom and Nilsson, Int. J.Cancer 17 (1976), 565-
577) 、L−428およびL−580 (Diehl ら, J. Ca
ncer Res. Clin. Oncol. 101 (1981), 111-124)、NI
H:OVCAR/3 (Hamiltonら, Cancer Res. 43 (19
83), 5379-5389; ATCC H TB-61) 、He−La (Puck
ら, J. Exp. Med. 103 (1956), 273-284; ATCC CCL-2)
、およびSK−OV−3 (Fogh and Trempe in: Fogh
I. 編集, Human tumor cells in vitro, pp.155-195 (1
975), Plenum Press, New York) が挙げられる。U−9
37は未熟な単球の性質を保持する組織球細胞系であ
る。L−428およびL−580は M.Hodgkin を有す
る患者の胸膜滲出液から得られた細胞系である。NI
H:OVCAR/3はヒトの卵巣癌細胞系である。He
−La細胞系は子宮頸部の扁平上皮細胞癌に由来するも
のである。細胞系SK−OV−3は卵巣の腺癌から樹立
されたものであった。
【0014】また、細胞核調製物の原料として腫瘍組織
を用いてもよい。この腫瘍組織は治療または診断目的の
外科手術中に採取することができる。細胞核の調製物を
つくるにあたって、アプロチニン、ペプスタチン、ロイ
ペプチンなどのプロテアーゼ阻害剤を場合により添加し
たトリトンX−100またはNP40のような非イオン
性界面活性剤で処理して、細胞の細胞質成分を少なくと
も部分的に溶解することが好ましい。無傷の細胞核は遠
心分離により単離することができる。
【0015】本発明の方法の工程(b)により、細胞核
の調製物を1種または数種の沈降抗体と接触させて増殖
関連核抗原に富んだ免疫複合体を形成させる。その場
合、増殖性細胞の核成分と結合することができる沈降抗
体を用いる。適当な沈降抗体の例として、ヒト・トポイ
ソメラーゼII、Ki67抗原、p100抗原および/ま
たは抗原p24またはp28と結合しうる抗体が挙げら
れる。特定の例としては上記の抗体S2、S3、S4お
よび抗p24/28がある。すなわち、本発明の方法に
より作製された抗体は、新しい抗体を単離するための別
の方法サイクルにおいて沈降抗体として個々にまたは組
合せて使用することができる。
【0016】これに関連して、驚いたことに、所定の特
異性を有する沈降抗体を用いることによって、その沈降
抗体とは直接反応しない成分をも含む免疫複合体を形成
し得ることが判明した。こうして、例えば、沈降抗体と
して抗Ki67抗体S3(DSM ACC 2205)を用いた場合
は、免疫原として使用するとき、ヒト・トポイソメラー
ゼIIαに対する抗体S4(DSM ACC 2206)を得ることを
可能にする免疫複合体が単離された。沈降抗体としてS
4を用いた場合は、p100抗原に対する抗体S2(DS
M ACC 2200)を得ることができ、最後に、沈降抗体とし
てS2を用いた場合は、抗p28/24(DSM ACC 219
9)を得ることができた。
【0017】沈降抗体と細胞核成分からなる免疫複合体
を単離しやすくするために、沈降抗体のほかに該沈降抗
体との結合能を有する固相、例えば粒状の固相をさらに
添加することが好ましい。沈降抗体との結合能を有する
粒状固相の例として、(沈降抗体がマウス抗体であるな
らば)抗マウスIgと組み合わせた連鎖球菌プロテイン
A被覆セファロースまたは抗マウスIgを被覆したアガ
ロースがある。さらに、沈降抗体のほかに該沈降抗体と
特異的に結合する抗血清を添加することもできる。この
ような抗血清は、例えば、ニワトリを沈降抗体で免疫化
し、免疫化したニワトリの卵黄から沈降抗体結合性の抗
血清成分を単離することによって得られる。
【0018】沈降抗体と細胞核成分を含む免疫複合体を
単離するにあたって、沈降抗体を固相に結合させ、続い
て、固相と上清を例えば遠心分離によって分離すること
が好ましい。その後、必要ならば、免疫原調製物から固
相粒状物を取り除くために更なる精製工程を行ってもよ
い。しかし、この工程は必須の工程というわけではな
い。
【0019】本発明の方法の工程(d)に従って、実験
動物を免疫複合体またはそれに含まれる細胞核成分によ
り免疫化する。この免疫化は普通のやり方で、場合によ
りアジュバントを用いて行われる。実験動物としてはげ
っ歯類、特にマウス、例えばBalb/cマウスを使う
ことが好ましい。
【0020】免疫化が終了した後、本発明の方法の工程
(e)に従って、免疫化した実験動物より得られた抗体
産生細胞と適当な不死化細胞とを融合させてハイブリド
ーマ細胞を作製する。好ましくは、免疫化した実験動物
由来の脾細胞を用いて、これを骨髄腫細胞、例えばモノ
クローナル抗体を得るための一般的な融合相手であるプ
ラズマ細胞腫細胞系 X63-AG8.653と融合させる。
【0021】本発明の方法の工程(f)により、増殖性
細胞の核成分と特異的に結合しうる抗体を産生するハイ
ブリドーマ細胞を選択する。この選択を行うには、ハイ
ブリドーマ上清と増殖性細胞を含む組織、例えば腫瘍組
織および/またはヒト扁桃腺とを接触させ、続いて免疫
学的反応を測定することが好ましい。そのために、ヒト
組織のショック凍結小片のクリオスタット切片を用いる
ことが有利である。1回目の試験で所望の免疫組織化学
的パターンを与えたハイブリドーマ上清はその後それら
の特異性についてさらに試験する。得られた抗体の免疫
反応性および特異性についての試験は酵素染色法、例え
ばイムノアルカリホスファターゼ (Cordell ら, J. His
tochem. Cytochem. 32 (1984), 219-229) またはイムノ
ペルオキシダーゼの技法を用いて行うことが好ましい。
所望の特異性を示す抗体を産生するハイブリドーマ細胞
を同定した後で、例えば Cotton の寒天法 (Eur. J. Im
munol. 3 (1973), 135-140) を用いて最後のモノクロー
ナル化(monoclonalization) を実施する。
【0022】本発明のもう一つの課題は、本発明の方法
により作製されたモノクローナル抗体またはこのような
モノクローナル抗体の断片、例えばFab、F(ab)
2 もしくはFab’断片を提供することである。こうし
た抗体断片は公知の方法、例えばペプシンやパパインな
どのプロテアーゼによるモノクローナル抗体の酵素処理
により得ることができる。本発明の抗体および抗体断片
は細胞質成分または非増殖性細胞の核成分とは本質的に
交差反応しない。「本質的に交差反応しない」とは、好
ましくは非増殖性細胞の核の10%以下、より好ましく
は5%以下、最も好ましくは2%以下が標識されること
を意味する。
【0023】本発明の方法により、細胞核に由来する分
子量約100kD(SDS−PAGE)の増殖関連抗原
を認識するモノクローナル抗体が得られる。この抗体は
S期、G2期およびM期の細胞周期にあるヒト増殖性細
胞の細胞核と反応することが好ましい。しかし、それは
好ましくはG1期の細胞周期にあるヒト増殖性細胞とは
本質的に反応しないものである。上記の特異性を有する
抗体の例は、ハイブリドーマ細胞系 DSM ACC 2200 によ
り産生されるモノクローナル抗体S2または同等の結合
特異性を有するモノクローナル抗体、すなわち同一の抗
原(好ましくはその抗原の同一エピトープ)と反応する
抗体である。
【0024】さらに、本発明の方法により、細胞核に由
来する分子量約24kDおよび28kD(SDS−PA
GE)の増殖関連抗原を認識するモノクローナル抗体が
得られる。この種の抗体はヒト腫瘍細胞の細胞核、特に
精上皮腫や未分化胚細胞腫のような生殖器腫瘍の細胞と
反応することが好ましい。また、この抗体は精原細胞の
細胞核と反応することが好ましい。しかし、それは非増
殖性細胞または体細胞の増殖性細胞のごとき他のヒト細
胞の細胞核とは本質的に反応しないことが好ましい。上
記のような特異性を有する抗体の例は、ハイブリドーマ
細胞系 DSM ACC2199 により産生されるモノクローナル
抗体の抗p28/24または同等の結合特異性を有する
モノクローナル抗体、すなわち同一の抗原(好ましくは
その抗原の同一エピトープ)と反応する抗体である。ま
た、ハイブリドーマ細胞系 DSM ACC 2205 および DSM A
CC 2206 により産生されるモノクローナル抗体S3およ
びS4ならびに同一のエピトープを認識するモノクロー
ナル抗体も本発明の方法によって得ることができる。
【0025】本発明の更なる課題は、抗体または抗体断
片とマーカーグループ(marker group)または薬理活性物
質(例えば毒素)との結合体を提供することである。か
かる物質に抗体を共有結合させることは当業者に周知で
ある(例えば、Monoclonal Antibodies, J.H. Peters a
nd H. Baumgarten (編集), Springer Verlag (1992),特
に第9章を参照のこと)。抗体、抗体断片および結合体
は診断または治療目的のために個々にもしくは組合せ
て、または医薬組成物において使用される。有効成分の
ほかに、該組成物は慣用の製剤上の担体、希釈剤および
補助剤を含んでいてもよい。
【0026】本発明はまた、本発明の抗体と反応する抗
原に関するものである。こうした抗原は、本発明の抗体
とそれらの特異的反応により、例えばゲル電気泳動分離
後に適当なバンドをゲルから切り出すか、または本発明
による固定化抗体を含む免疫吸着カラムを通してその後
溶出することにより、細胞の核抽出物から純粋な形態で
単離することができる。かくして、本発明は、ハイブリ
ドーマ細胞系 DSM ACC 2200 により産生されるモノクロ
ーナル抗体S2との反応の結果として細胞周期のS期、
G2期およびM期にあるヒト増殖性細胞の細胞核から得
ることのできる、分子量約100kD(SDS−PAG
E)の抗原に関する。
【0027】さらに、本発明は、ハイブリドーマ細胞系
DSM ACC 2199 により産生されるモノクローナル抗体の
抗p28/24との反応の結果としてヒト増殖性細胞の
細胞核から、特に腫瘍細胞または精原細胞から得ること
のできる、分子量約24kDまたは28kD(SDS−
PAGE)の抗原に関する。これらの抗原はさらに、配
列(TTAGGG)n またはその並び換え配列、例えば
(GGGTTA)n を有する核酸(ここでnは3以上の
自然数である)と結合する点に特徴がある。これらの配
列はヒト・テロメラーゼのプライマー配列に相当する。
抗p28/24抗体と反応するタンパク質は配列表の配
列番号1〜3に示されるアミノ酸部分配列を1個または
数個もつことが好ましい。
【0028】本発明の更なる課題は、(a)図6、7、
8、9または10に示されるヌクレオチド配列、(b)
少なくとも12ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1
5ヌクレオチドの鎖長を有するその部分配列、または
(c)ストリンジェント条件下で(a)および/または
(b)からの配列とハイブリダイズするヌクレオチド配
列、を含む核酸を提供することである。図6、7、8、
9および10ならびに配列番号4、5、6および7に示
されるヌクレオチド配列は増殖関連タンパク質またはそ
の一部をコードしており、細胞(特にヒト細胞)の増殖
活性を調べるために、例えばノーザンブロット法により
遺伝子発現を測定するためにプローブとして使用するこ
とができる。
【0029】本発明の概念の範囲内でストリンジェント
のハイブリダイゼーション条件とは、水性の低塩バッフ
ァー(例:0.2×SSC)中55℃、好ましくは62
℃、特に好ましくは68℃で洗浄した後でさえもハイブ
リダイゼーションがまだ起こることを意味する(さらに
Sambrook ら, (1989), Molecular Cloning, A Laborat
ory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press を
参照のこと)。本発明の核酸は図6、7、8、9または
10に示されるヌクレオチド配列に対して好ましくは7
0%以上、特に好ましくは80%以上、最も好ましくは
90%以上の相同性を有するものである。
【0030】本発明はさらに、本発明の核酸を含むベク
ターおよび少なくとも1コピー数の本発明の核酸または
ベクターで形質転換された細胞に関する。ベクターは本
発明のDNA配列が好ましくは発現シグナル(プロモー
ター、オペレーター、エンハンサーなど)の制御下に配
置されている所望の原核または真核生物のベクターであ
りうる。原核生物のベクターの例としては、バクテリオ
ファージ(例:バクテリオファージλ)のような染色体
ベクターおよび環状プラスミドのような染色体外ベクタ
ーがあり、プラスミドベクターが特に好ましいものであ
る。適当な原核生物のベクターは Sambrook ら, Molecu
lar Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harb
or Laboratory Press (1989), chap. 1-4 に記述されて
いる。一方、本発明のベクターは真核生物のベクター
(例:酵母ベクター)、より高等な細胞に適するベクタ
ー(例:プラスミドベクター、ウイルスベクター)であ
ってもよい。こうしたベクターは分子生物学の分野にお
いて公知であり、例えばSambrookら, 前掲, 第16章に記
述されている。
【0031】本発明のDNA配列またはベクターで形質
転換される細胞は原核細胞または真核細胞でありうる。
原核細胞の好ましい例はグラム陰性原核細胞、例えば腸
内細菌細胞、特に大腸菌細胞である。外因性の核酸配列
による原核細胞の形質転換は分子生物学の分野において
公知である(例えば Sambrook ら, 前掲, 第1-4 章を参
照のこと)。しかし、本発明の細胞は真菌細胞(例:酵
母)、動物または植物細胞のような真核細胞であっても
よい。外因性の核酸配列による真核細胞の形質転換また
はトランスフェクションの方法も分子生物学の分野にお
いて公知であり、ここに詳述する必要はない(例えば S
ambrook ら, 前掲, 第16章を参照のこと)。
【0032】本発明の抗体または抗体断片は細胞の増殖
活性を判定するためのマーカーとして有利に用いられ
る。例えば、抗体S2、S3およびS4ならびに同等の
特異性を有する抗体が乳癌の予後マーカーとして、子宮
内膜周期の判定に、良性および悪性のメラノサイト皮膚
腫瘍の識別に、悪性リンパ腫の予後マーカーとして、お
よび/またはリンパ球の抗原刺激増殖の測定に使用され
得る。
【0033】かくして、乳癌の場合には、S抗体(S
2、S3、S4)に対する腫瘍細胞の陽性度 (positivi
ty) と試験細胞のS期画分との間には強い相関関係が見
られた。腫瘍細胞の30%以上の増殖活性が再発頻度の
増加および悪い予後と有意に相関していた。S抗体陽性
度の高いグループでは累積生存確率が大いに減少した。
腫瘍細胞のS抗体陽性度、リンパ節転移、腫瘍サイズお
よびエストロゲン/プロゲステロン受容体発現のパラメ
ーターを用いる多変量モデルにおいて、S抗体陽性腫瘍
細胞のパーセンテージは最も信頼できる独立した予後マ
ーカーを表すことが分かった。一変量分析において、腫
瘍細胞の30%以下のS抗体陽性度を示した女性患者に
は15%の再発率が観察された。これに対して、腫瘍細
胞の30%以上のS抗体陽性度を示した患者は再発率が
58%であった。
【0034】さらに、S抗体は子宮内膜周期を評価する
ために使用することができる。なんとなれば、それらは
月経周期の増殖期にある子宮内膜上皮細胞の増殖活性を
呈示するからである。月経周期の開始時には子宮内膜に
おいて増殖活性の増加が観察される。最高値は排卵期に
観察され、そして最低値は分泌期に観察される。また、
マクロファージやリンパ球を含むストロマ細胞の増殖活
性が分泌期の間維持される。
【0035】314症例のメラノサイト腫瘍のS抗体と
の反応性を試験した際に、良性母斑は3%以下の増殖活
性を示すことが見いだされた。S陽性腫瘍細胞のパーセ
ンテージとして測定された増殖活性が3%より高い値は
悪性疾患、すなわち in situメラノーマ(黒色腫)、
0.8mm未満の侵入性メラノーマ、0.8mm以上の
侵入性メラノーマおよび転移性の悪性メラノーマの症例
においてのみ観察された。それゆえ、抗体S2、S3お
よびS4は良性と悪性のメラノサイト皮膚腫瘍の境界を
定め、それらを識別するのに特にすぐれている。
【0036】また、S抗体は悪性リンパ腫の予後マーカ
ーとしても適している。すなわち、慢性リンパ性白血
病、リンパ芽球性免疫細胞腫、中心芽球/中心細胞性リ
ンパ腫などのいわゆる悪性度の低いリンパ腫は腫瘍細胞
の30%未満がS抗体陽性であることが判明した。対照
的に、バーキットリンパ腫のような高度に攻撃的なリン
パ腫は60〜95%の増殖活性を示した。
【0037】その上に、本発明のS抗体は、例えば免疫
状態を調べるために実施されるような、リンパ球の抗原
刺激増殖を測定するためにも使用できる。驚いたこと
に、本発明の抗体はそのような低い増殖活性の系で使用
するに足るだけの高い感受性を有していた。抗p28/
24抗体および同様に結合する抗体は腫瘍、特に精上皮
腫や未分化胚細胞腫のような生殖器腫瘍の予後マーカー
としても使用できる。
【0038】本発明の抗体は免疫学的増殖アッセイ、特
にELISA増殖アッセイにおいて特に有利に使用され
る。かくして、本発明の課題は、必要に応じて予備処理
された細胞を少なくとも1種の本発明の抗体、抗体断片
または結合体とインキュベートし、該細胞への抗体、抗
体断片または結合体の結合を測定することを含んでなる
細胞の増殖活性の測定方法を提供することである。予備
処理は細胞を固定化しかつ/または透過しうるようにす
る工程を含むことが好ましい。かかる方法は当業者によ
く知られており、ここに詳述する必要はない。
【0039】細胞は通常生体から、例えば血液、血清、
血漿または他の生体材料から分離して、適当な媒体中
に、例えば培地または生理学的バッファー中に入れる。
試験は細胞の採取後直接行うか、または細胞をin vitro
で培養してから行う。媒体には必要に応じて増殖または
生育に影響を及ぼす媒介物質を補給してもよい。
【0040】細胞の増殖活性を測定するにあたって、直
接もしくは間接標識をもつ抗体または抗体断片が使用さ
れる。直接標識抗体は抗体を適当なマーカーグループと
共有結合で連結することにより作製しうる。間接標識抗
体は検出用の抗体を標識レセプター(例:特異的抗体)
に結合させることによって作製される。非放射性のマー
カーグループ、特にペルオキシダーゼ、アルカリホスフ
ァターゼまたはβ−ガラクトシダーゼ、蛍光化学マーカ
ーグループまたは発光マーカーグループを用いることが
好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】図1〜10および配列表の配列番
号1〜7とともに以下の実施例を用いて本発明をさらに
詳しく説明することにする。実施例1 細胞系または腫瘍組織からの核抽出物の調製 実施例1.1〜1.3に記載した方法を用いて、細胞系
や腫瘍細胞といった増殖性細胞から核タンパク質を単離
することができる。
【0042】1.1 核タンパク質の調製(方法I) 5×108 個の細胞を氷浴中で50mlの0.1Mリン酸バッファ
ー(PBS), pH7.4を用いて2回洗浄し、最終容量を50mlと
した後で遠心(300xg, 4℃, 10分) した。50mlの細胞浮
遊液に0.1%(v/v) の非イオン性界面活性剤NP40を加
えた。10分後、細胞質の完全破壊を確実にするために顕
微鏡操縦装置を使用した。無傷の核を遠心(300xg, 4
℃, 10分) し、上清を除去し、ペレットを氷上の溶解バ
ッファー中でインキュベートした。次に、サンプルを遠
心(300xg, 4℃, 10分) し、各上清を後続の実験に使用
した。溶解バッファーとして2%(v/v) トリトン-X 100お
よび1mM Na2EDTA と混合したPBS を用いた。さらに、プ
ロテアーゼ阻害剤としての0.1μM PMSF、1μM アプロ
チニン、10μM ペプスタチンおよび1μM ロイペプチン
を加えた。
【0043】1.2 核タンパク質の調製(方法II) 5×108 個の細胞を氷浴中で50mlの0.15M PBS, pH7.4を
用いて2回洗浄し、遠心(300xg, 4℃, 10分) により沈
殿させた。ペレットの上に溶解バッファーを重層した。
その際、2%(v/v) トリトン-X 100および1mM Na2EDTA と
混合した0.15MPBS も溶解バッファーとして用いた。さ
らに、プロテアーゼ阻害剤(1μM PMSF、1μM アプロ
チニン、10μM ペプスタチンおよび1μM ロイペプチ
ン)を加えた。5分後、サンプルを遠心(10,000xg, 5
℃, 20秒) した。上清は細胞質画分を含んでおり、除去
した。ペレットは1μM PMSFを補給した0.35M NaClとと
もに氷上で30分間インキュベートした。サンプルを遠心
(15,000xg, 4℃, 10分) して沈殿物中にDNAを、上清
中に核タンパク質を分離した。分離した全画分をPBS で
少なくとも3回洗浄し、遠心した。
【0044】1.3 核タンパク質の抽出 (方法III) 5×108 個の細胞を遠心(300xg, 4℃, 5分) により沈
殿させた。ペレットを1mlの溶解バッファー中に取り、
再度遠心(300xg, 4℃, 5分) した。このペレットを75
0 μl の溶解バッファー中に取り、2%(v/v) トリトン-X
100と混合した。5分のインキュベーション時間の間に
混合物をボルテックス(Vortex)上で5回振動させ、遠心
(600xg, 4℃, 5分) した。上清は細胞質溶解液として
貯蔵した。ペレットは500 μl の抽出バッファー(100m
M リン酸Kバッファー pH7.5, 1MNaCl)中に取り、5分
のインキュベーション時間後に遠心(600xg, 4℃, 5
分)した。ペレットの重さを量り、同重量または同容量
の抽出バッファーを加えた。15μl の5M NaCl 溶液を加
え、5分のインキュベーション時間の間にボルテックス
上で5回振動させ、遠心(30,000xg, 4℃, 5分) した。
【0045】溶解バッファーとして次の組成物を使用し
た。 溶解バッファーの組成: 最終濃度 スクロース 0.3 M EDTA 0.5 mM KCl 60 mM NaCl 15 mM スペルミン 0.15 mM スペルミジン 0.5 mM HEPES 15 mM pH 7.5 β−メルカプトエタノール(14mM)、使用前に新たに加え
る。トリトン-X100 0.5%(v/v) 、使用前に新たに加え
る。
【0046】実施例2 増殖に関連した核タンパク質を単離するための免疫沈降 実施例1で調製した核抽出物から増殖に関連した細胞核
タンパク質を免疫沈降させるために実施例2.1〜2.
2に記載した方法を用いることができる。 2.1 増殖関連核タンパク質を単離するための免疫沈
降法:方法I (SPA-セファロース4B法) 実施例1からの核タンパク質調製物をタンパク質源とし
て使用することができる。1.5ml の連鎖球菌プロテイン
A(streptococci protein A: SPA)−セファロース(Sig
ma) を20mlのPBS またはTBS で5回洗浄し、遠心(300x
g, 4℃, 10分)した。1.5ml のSPA-セファロースを25μ
l のウサギ抗マウスIg(Dianova, Z259) とともに氷上
で1時間インキュベートした。次にSPA-セファロースを
PBS で5回洗浄し、同容量のタンパク質調製物中に懸濁
させた。100 μl のこの懸濁液を10μl の沈降抗体溶液
(濃度5μg/μl)と混合し、この混合物に500 μl のPB
Sを加えた。このサンプルを少なくとも1時間、しばし
ば4時間、ときに4℃で8時間インキュベートした。そ
の後、この混合物を0.05%(v/v)トリトン-X100 を加えた
0.15M PBS, pH7.4で5回洗浄し、遠心(300xg, 4℃, 10
分) し、免疫沈降物を500 μl のPBS 中に懸濁させた。
このサンプルを免疫原として使用した。
【0047】2.2 増殖関連核タンパク質を単離する
ための免疫沈降法:方法II (アガロース+ニワトリ抗体法) 実施例1からの核タンパク質調製物をタンパク質源とし
て使用することができる。また、沈降を行うにあたって
次の調製物を使用することもできる。5×108個の細胞
を、50μl のNP40を添加した50mlの0.15M PBS (0.1%溶
液に相当)の懸濁液中で2回洗浄する。その後NP40の効
果を5〜10分間発現させる必要がある。続いて細胞の破
壊を顕微鏡で監視する。上清を除去する。ペレットが核
タンパク質を豊富に含むものである。サンプルを5mlの
沈降抗体溶液(1μg/μl)と混合し、氷上で2時間振と
うし、それをニワトリの卵黄から得られた沈降抗体結合
性の抗血清の溶液(1μg/ml)1mlと混合し、30分間振
とうした。続いてサンプルを4℃で8時間インキュベー
トした。
【0048】沈降抗体に結合する抗血清を調製するため
に、各回 500μl の沈降抗体溶液(10μg/ml)を250 μ
l の完全フロインドアジュバントとともに用いて1週間
おきに合計8回、12週齢のニワトリを免疫化し、このニ
ワトリの卵黄から抗血清(IgG 画分)を単離した。
【0049】その後、サンプルを複合アガロースと混合
した。この場合の複合アガロースはアガロースとマウス
IgG に対するウサギIgG(Sigma)との複合体である。0.6m
l の複合アガロースを1mlのPBS で2回洗い、上清を捨
て、そしてアガロース複合体を上記の混合物(核タンパ
ク質調製物+沈降抗体+該沈降抗体に結合する抗血清)
に加えた。
【0050】サンプルを室温で2時間振とうし、4℃で
8時間インキュベートした。遠心(10,000xg, 4℃, 10
分)後、振動装置を使って10mlのPBS にペレットを溶解
し、免疫化に使用した。その免疫原を調べるためにSDS-
PAGEを実施することができる。そのために、1μM ジチ
オトレイトール(DTT) または5%(w/v) メルカプトエタノ
ール(MCE) を添加した電極バッファー中の6%(w/v) SDS
の中でサンプルを95℃、5分間煮沸し、遠心(10,000xg,
4℃, 10分)してセファロースまたはアガロースを除去
した。しかし、セファロースやアガロースの除去は必ず
しも必要ではない。BALB/cマウスを免疫化するために、
濃縮DNA結合調節タンパク質を新たに用いた。
【0051】実施例3 実験動物の免疫化ならびにモノクローナル抗体S2、S
3およびS4の作製 3.1 免疫化 6週齢の雌BALB/cマウスを免疫化に使用した。250 μl
の完全フロインドアジュバントを補充した最高250 μl
のPBS 中に溶解した20μg のタンパク質に相当する免疫
原を1週間に1回腹腔内に注射した。免疫化の期間は約
50週とした。
【0052】3.2 モノクローナル抗体(mAB) を作製
するための細胞融合 最後の免疫化の1週間後に無菌条件下でマウスの脾臓を
摘出し、Kohler and Milstein の方法 (Nature 256 (19
75), 495-497) に従ってモノクローナル抗体を作製する
ために細胞融合を行った。融合相手としてプラズマ細胞
腫の細胞系 X63-AG8.653を使用した。細胞融合はウシ胎
児血清を添加したRPMI 1640 培地中で35%(v/v)のポリエ
チレングリコール(Serva) と5%(v/v) のジメチルスルホ
キシド(Merck) を用いて遠心チューブを穏やかに旋回し
ながら90秒間実施した。次の10分間、10mlのRPMIを添加
し、続いて20mlのRPMIを添加してポリエチレングリコー
ルを希釈した。選択培地を通過させた後、一次上清のサ
ンプルを集め、腫瘍組織および正常なヒト扁桃腺との免
疫反応性を試験した。そのために、ヒト組織のショック
凍結小片の厚さ4μm のクリオスタット切片を用いた。
最後のモノクローナル化は寒天法 (Cottonら, Eur. J.
Immunol. 3 (1973), 135-140) で行った。
【0053】3.3 得られたモノクローナル抗体の特
異性の試験 続いて、ヒト組織および正常扁桃腺の新鮮なクリオスタ
ット切片に対して所望の免疫組織化学的パターンを示し
たモノクローナル抗体は特異性についてさらに試験し
た。特異性試験は、主にイムノアルカリホスファターゼ
(L6)法およびCordellらのAPAAP 法 (J. Histochem.
Cytochem. 32 (1984), 219-229)を用いる免疫組織化
学的手法により実施した。抗原Ki−67(Gerdes ら,
Int. J. Cancer 31 (1983), 13-20)を認識するが細胞質
構造と強く交差反応する沈降抗体を用いて免疫原調製物
を調製した。BALB/cマウスの免疫化(実施例3.1)と
その後の細胞融合(実施例3.2)によりモノクローナ
ル抗体S3 (DSM ACC 2205) を作製した。この抗体はK
i−67抗原と反応するが、細胞質共反応性 (cytoplas
mic co-reactivity)を有していなかった(表1)。
【0054】新たな工程サイクルにおいて、沈降抗体と
してS3を用いてモノクローナル抗体S4 (DSM ACC 22
06) を作製した。この抗体はヒト・トポイソメラーゼII
αと反応し、そして表2に示した特異性を有する。別の
新たな工程サイクルにおいて、沈降抗体としてS4を用
いてモノクローナル抗体S2 (DSM ACC 2200) を作製し
た。この抗体は細胞周期のS期、G2期およびM期にあ
る細胞において発現される約100kD(SDS−PA
GE)の抗原と反応し、そして表3に示した特異性を有
する。
【0055】表1:mAB S3 (DSM ACC 2205) の免疫組織化学的特異性 組織 増殖性細胞 核または細胞質 核における反応 共反応性1 皮膚 基底上の表皮 − CNS/神経/ 神経節 − − 中咽頭 基底上の上皮、 − リンパ胚中心 (lymphatic germinal centres) 心臓+血管 内皮 − 気管支肺系 基底上の上皮、リンパ胚中心 − 胃腸管 陰窩底(crypt base) − リンパ胚中心 肝臓/胆管 個々の肝細胞および管上皮 − 膵臓 個々の上皮 − 腎臓 個々の上皮 − 輸出尿路、膀胱 および尿道 基底上の上皮 脾臓 リンパ胚中心、中心芽球、 − 免疫芽球 胸腺 皮質胸腺細胞 − リンパ節 胚中心、中心芽球、免疫芽球 − 内分泌腺 個々の上皮 − 外分泌腺 個々の上皮 − 精巣 精原細胞 − 卵巣 − − 子宮 周期の第3〜7日目の上皮 − 分泌期のストロマ細胞
【0056】表2:mAB S4 (DSM ACC 2206) の免疫組織化学的特異性 組織 増殖性細胞 核または細胞質 核における反応 共反応性1 皮膚 基底上の表皮 − CNS/神経/ 神経節 − − 中咽頭 基底上の上皮、リンパ胚中心 − 心臓+血管 内皮 − 気管支肺系 基底上の上皮、リンパ胚中心 − 胃腸管 陰窩底、リンパ胚中心 − 肝臓/胆管 個々の肝細胞および管上皮 − 膵臓 個々の上皮 − 腎臓 個々の上皮 − 輸出尿路、膀胱 および尿道 基底上の上皮 脾臓 リンパ胚中心、中心芽球、 線維洞 免疫芽球 胸腺 皮質胸腺細胞 − リンパ節 胚中心、中心芽球、免疫芽球 − 内分泌腺 個々の上皮 − 外分泌腺 個々の上皮 − 精巣 精原細胞 − 卵巣 − − 子宮 周期の第3〜7日目の上皮 − 分泌期のストロマ細胞1 =非標的抗原との共反応性
【0057】表3:mAB S2 (DSM ACC 2200) の免疫組織化学的特異性 組織 増殖性細胞 核または細胞質 核における反応1 共反応性 皮膚 基底上の表皮 − CNS/神経/ 神経節 − − 中咽頭 基底上の上皮、リンパ胚中心 − 心臓+血管 内皮 − 気管支肺系 基底上の上皮、リンパ胚中心 − 胃腸管 陰窩底、リンパ胚中心 − 肝臓/胆管 個々の肝細胞および管上皮 − 膵臓 個々の上皮 − 腎臓 個々の上皮 − 輸出尿路、膀胱 および尿道 基底上の上皮 脾臓 リンパ胚中心、中心芽球、 − 免疫芽球 胸腺 皮質胸腺細胞 − リンパ節 胚中心、中心芽球、免疫芽球 − 内分泌腺 個々の上皮 − 外分泌腺 個々の上皮 − 精巣 精原細胞 − 卵巣 − − 子宮 周期の第3〜7日目の上皮 − 分泌期のストロマ細胞 1 =確実に増殖する細胞の約20〜40%のみがS2によって認識される。
【0058】実施例4 ELISA増殖アッセイ in vitro細胞増殖は、3H−チミジンのような放射能標識
したDNA前駆体の取込み率を測定することによって伝
統的にアッセイされている。この方法の主な欠点は精巧
な設備が必要であったり、放射性同位元素の取扱いが厄
介であったりすることである。3H−チミジンの代わりに
ブロモデオキシウリジン(BrdU) の取込みを利用し、そ
れをモノクローナル抗体で検出する方法 (Magaudら, J.
Immunol. Methods 106 (1988), 95-100) がin vitro細
胞増殖測定のために繰り返し利用されてきた。細胞培養
の時間のかかる予備処理が欠点であると見なされる。
【0059】腫瘍検索にはKi67/MiB1または抗
PCNAのような増殖関連核タンパク質に対するモノク
ローナル抗体がよく利用されているが、Ki67/Mi
B1は上皮細胞の細胞質構造と共反応し (Gerdesら, (1
983), 前掲) 、また、PCNAも非増殖性細胞やDNA
修復中の細胞において発現されるので、それらをin vit
ro細胞増殖の測定に用いる場合は問題が生じる。さら
に、PCNAを発現しない高増殖性細胞も知られてい
る。
【0060】抗体S3 (DSM ACC 2205) はKi67抗原
P395/345のエピトープを認識する。この反応は
厳格であって、例外なしにG1期、S期、G2期および
M期の細胞周期にある細胞の核と結合する。休止状態の
非増殖性G0細胞は常に陰性である。非標的抗原との共
反応または交差反応は知られていない。S3を用いて細
胞の増殖活性のin vitro測定のための細胞ELISA系
を開発することが可能であることを以下の実験において
示す。ここで96ウェルのマイクロタイタープレートで
実施されるELISA増殖アッセイ(EPA)を標準3H
−チミジンマーカー法と平行させて実施し、両方の結果
の有意な相関関係を実証することにする。
【0061】男女両方の自発的な提供者から採血された
新鮮な血液サンプルをヘパリン処理し、密度勾配 (Lymp
hofloot-Biotest, Dreieich)によって分離した。細胞を
RPMI1640 (Gibco, Egenstein)に浮遊させ、10%(v/w)ウ
シ胎児血清 (FCS, Gibco) 、5%(w/v) L-グルタミン (Gi
bco)および2%(w/v) ゲンタマイシン (Gibco)と混合し
た。細胞の最終濃度を5×105 個/mlとした。サンプル
を200 μl のアリコートとして96ウェルの平底ポリス
チレン製マイクロタイタープレート (Greiner, Fricken
hausen) に分注した。5μg/ml培地の最終濃度のフィト
ヘマグルチニン (PHA, Biochrome, Berlin) を用いてマ
イトジェン刺激を行った。培養物を37℃、大気中 5% CO
2 で4日間インキュベートした。陰性対照ではPHAを
省いた。
【0062】マイクロタイタープレートは刺激の1、2
および3日後に遠心(300xg, 4℃,10分)し、上清を完
全に取り除いた。その後、マイクロタイタープレートを
37℃で0.5 〜2時間十分に乾燥させた。50μl の0.1%(v
/v) トリトン-X100 溶液 (Serva, Heidelberg)を加え、
10分後取り除いた。続いて0.05%(v/v) Tween 20 (Merc
k, Darmstadt)と10%(v/v) FCSを添加した0.1M PBS, pH
7.4 (洗液)でプレートを洗った。洗浄工程はすべて自
動装置 (ELISA processor II, Behring, Marburg) を使
って行った。各ウェルに抗体S3(0.1M PBS, pH7.4 で
1:10に希釈)を産生するハイブリドーマの上清 50 μ
l を分注した。マイクロタイタープレートを室温で30分
インキュベートし、次いで自動洗浄を3回行った。PBS
中の4%(v/v) パラホルムアルデヒド溶液100 μl を加
え、10分のインキュベーション後、洗液で3回洗った。
血液型ABの5%(v/v) 熱不活性化ヒト血清を補給した0.
1M PBS, pH7.4 で1:1000に希釈したビオチン化ウサギ
抗マウスIg (E354, Dako, Hamburg) 50 μl を加え、
室温で30分インキュベートした。これを3回洗い、50μ
l のストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ
複合体 (K377, Dako, Hamburg)を加えた。この複合体は
0.1M PBS, pH7.4 で1:100 に希釈して用いた。室温で
30分のインキュベーション後、マイクロタイタープレー
トを3回洗い、100 μl の1-2-フェニレンジアミン溶液
(OPD, S2000, Dako, Hamburg)と混合した。そのため
に、錠剤4個(1個が 2mgのOPD を含む)を12mlの0.1M
クエン酸リン酸バッファー, pH5.0 に溶解した。15分
後、ウェルあたり 150μl の1M H2SO4を加えて反応を停
止させた。自動 ELISAプロセッサー(ELISA processor I
I, Behring, Marburg)を使って492nm で吸光度を測定し
た。全てのインキュベーション工程は室温で実施した。
【0063】対照実験は各培養期間の終わりに細胞浮遊
液から調製された細胞遠心調製物の免疫組織化学的対照
(Cordell ら, (1984), 前掲) を含んでいた。この調製
物を室温で24時間乾燥させ、アセトン中で5分間固定
し、S3で染色した。1000個の細胞中に含まれるS抗体
陽性細胞の割合を調べた。さらに、各培養期間が終了す
る3時間前に平行培養物に0.2mCiのメチル-3H-チミジン
(Amersham, Braunschweig) を加えた。ハーベスター
(Scatron Combi, Scatron Lier, Norway)を使って細胞
を収穫した。LS-5000 td装置 (Beckmann, Hanover)を使
ってシンチレーション液中でフィルターを測定した。
【0064】全ての実験には少なくとも5人の健康な提
供者が含まれていた。培養は全て6個のアリコートサン
プルで行った。陰性対照も同様のやり方で行ったが、P
HAを含まなかった。さらに、一次抗体を同じイソタイ
プのモノクローナル非特異的抗体で置き換えた。有意差
については不対合Tテスト (unpaired T test)を用いて
試験した。Mann-Whitneyによるランク合計テスト (rank
sum test)をパラメーターフリーテストとして選択し
た。相関関係は標準直線回帰で表した。
【0065】刺激1日後の培養物から得られた免疫組織
化学的に染色した細胞遠心調製物中の陽性細胞の比率は
0.1%であった。48時間後、この値は 23.1%±3.86% に達
していた。72時間後では平均値 51%±4.85% を示した。
刺激後4日目の終わりには陽性細胞の平均値が 72.5%±
3.2%となった。この時点でほぼ全部のリンパ球が陽性で
あった。陰性細胞の大部分は単球とマクロファージであ
った。非刺激培養物においては増殖率が4日目まで1%
以下に保たれた。PHA-刺激細胞では、培養期間と陽性細
胞数との間に正の相関関係が見られ、相関係数は p<0.0
001 でr=0.98であった。
【0066】免疫組織化学的結果に対応して、培養期間
中の吸光度の増加がEPAにおいて毎日観察された。こ
の増加は直線的で、回帰係数は p<0.0001 でr=0.98であ
った(図1)。また、免疫組織化学的陽性細胞のパーセ
ンテージとELISA吸光度とを比較したところ、p<0.
0001でr=0.91の正の相関が見られた(図2)。
【0067】3H−チミジン測定の結果(図3)を比較し
た際に非常に有益な知見が得られた。刺激培養物では両
方法とも24時間後にはすでにわずかな増加が観察された
が、非刺激対照培養物では観察されなかった。48時間後
の測定では両測定法とも相当の増加を示した。この傾向
は3日目にまだ認めることができた。
【0068】この方法の感度を調べるために、3日後の
刺激培養物を非刺激細胞浮遊液と混合した。混合する前
に細胞カウント数をそれぞれの場合に5×105 個/mlに
調整した。全ての測定を6つのサンプルで繰り返し、平
均値として表した。図4は非刺激細胞との混合比に対す
る吸光度の依存性を示すものである。有意なシグナルに
必要とされる陽性細胞の最小数は1:16の希釈率で得ら
れる。換言すれば、試験ノイズおよび陰性対照より高い
有意シグナルを記録するためには各ウェルにおいて少な
くとも4,500 個の陽性細胞が必要となる。この感度限界
は測定シグナルを化学発光またはレーザーを用いて増強
させることにより相当に低減せしめることができる。
【0069】実施例5 モノクローナル抗体抗p28/24 (DSM ACC 2199) の
作製および特性付け 5.1 抗p28/24 (DSM ACC 2199) の作製 実施例3による工程サイクルにおいて沈降抗体としてS
2を用いて抗p28/24を作製した。抗p28/24
はイソタイプウサギ抗マウス抗体に対する二重免疫拡散
試験でIgG1であることが判明した。
【0070】5.2 正常組織との免疫組織化学的反応 表4は、ヒト器官からの新鮮な正常組織サンプルのクリ
オスタット切片に対する特異性の免疫組織化学的試験の
結果を示すものである。抗p28/24との反応性は皮
膚、中咽頭、心臓の各部、動脈および静脈からの新鮮な
ショック凍結組織サンプルには全く見られなかった。膵
臓、肝臓および胆管を含む胃腸領域からの組織サンプル
も陰性反応をもたらした。中枢神経系、神経節および末
梢神経からの試験サンプルにも何の反応性も観察されな
かった。対照的に、約10の毛細管または細静脈の内皮に
おいて悪性脳腫瘍(グリア芽細胞腫多形)の主として健
康な近隣領域で2例に強い核反応が見られた。正常な脳
の他のすべての組織型は陰性であった。気管および喉頭
を含む肺気管支系の組織は常に陰性であった。さらに、
腎臓および輸出尿路(膀胱と尿道を含む)においても陽
性細胞は全く観察されなかった。腺系は常に陰性であっ
た。このことは内分泌腺にも外分泌腺にも当てはまっ
た。
【0071】リンパ器官、例えば胸腺、扁桃腺、脾臓、
リンパ節および Payer斑、その他の粘膜関連リンパ組織
の試験した全ての細胞型の核は陰性であった。少数のマ
クロファージとプラズマ細胞に、恒常的でない弱い細胞
質共反応性が見られたにすぎない。これらの細胞の全て
において核は何の反応も示さなかった。リンパB小胞の
500以上の胚中心のうち、2例において核に局在する
合計5個の中心芽球に反応が観察された。
【0072】前立腺、精嚢、精巣上体、間質細胞、精
管、子宮、膣、管、線毛、卵巣の中皮、卵巣の間質(包
膜および顆粒膜細胞層を含む)、および成熟卵胞の上皮
は常に陰性であった。少数の原始卵胞に弱い核反応が見
られた。精巣の間質および細管上皮は陰性であった。一
次および二次の精原細胞は核に限られた非常に強い反応
を示した。細胞質は常に陰性であった。成熟精子も陰性
であった。
【0073】表4:モノクローナル抗体抗p28/24 (DSM ACC 2199) の 免疫組織化学的特異性 組織 反応 共反応性 皮膚 − − CNS 、神経、神経節 − −1 中咽頭 − − 心臓、静脈、動脈、毛細管 − − 胃腸管 − − 肺、気管支 − − 肝臓、胆管 − − 膵臓 − − 腎臓 − − 尿路、膀胱 − − 外分泌腺 − − 内分泌腺 − − 脾臓 − − 胸腺 − −2 子宮 − − 卵巣 未熟卵母細胞+/- − 精巣 精原細胞+ − 精母細胞- 1 =核共反応性が脳の毛細管のいくつかの内皮に稀に観察される。2 =500のうち2つのリンパ節がそれぞれの場合に2〜3個の中心芽球におい て核陽性を示した。少数のプラズマ細胞には細胞質共反応性が観察される。
【0074】5.3 抗p28/24と生殖細胞腫との
免疫組織化学的反応 健康な組織において精原細胞が陽性であったことから、
15〜50才の男性に最も多発する悪性腫瘍である精巣
の生殖細胞腫について試験した。検査した全ての精上皮
腫、未分化胚細胞腫および生殖腺芽細胞腫において核に
局在する強い反応が見られた。卵黄嚢腫は一様でない反
応を示した。このグループでは、99例の生殖細胞腫を
検査した。これらは28例の精上皮腫、5例のリンパ節
への精上皮腫の転移、17例の卵黄嚢腫および3例の胚
性癌腫、そして4例の未分化胚細胞腫、2例の生殖腺芽
細胞腫および2例の絨毛癌であった。さらに、4例の成
熟奇形腫および3例の未熟奇形腫、そして31例の、卵
黄嚢腫、胚性癌腫および絨毛癌成分を含む組織学的成分
を1より多く有する悪性生殖細胞腫が存在した。加え
て、7例のセルトリ細胞腫、3例のライディヒ細胞腫お
よび1例の類腺腫瘍が免疫組織化学的に分析された。
【0075】検査した全ての精上皮腫(これら腫瘍のリ
ンパ節転移を含む)は強い核免疫反応を示した。少数の
場合に、陽性度が弱かったり、数個の腫瘍細胞にのみ見
られた。未分化胚細胞腫は完全にまたは部分的に陽性で
あった。この場合にも反応は腫瘍細胞の核に限られてい
た。生殖細胞腫に対する抗p28/24の免疫反応性を
表5に示す。
【0076】表5:生殖細胞腫に対する抗p28/24の反応性 単一タイプの生殖細胞腫〔数〕 +++ ++ 精上皮腫〔28〕 13 10 5 0 精上皮腫転移〔5〕 1 4 0 0 未分化胚細胞腫〔4〕 1 2 1 0 生殖腺芽細胞腫〔2〕 2 0 0 0 卵黄嚢腫〔17〕 1 5 2 9 絨毛癌〔2〕 0 1 0 1 胚性癌腫〔3〕 0 0 0 3 奇形腫(成熟)〔4〕 0 0 0 4 奇形腫(未熟)〔2〕 0 0 0 2 混合生殖細胞腫〔31〕(成分) 精上皮腫
〔9〕 4 4 1 0 未分化胚細胞腫〔5〕 3 2 0 0 卵黄嚢腫〔2〕 0 6 5 11 絨毛癌〔4〕 0 0 1 3 胚性癌腫〔13〕 0 0 0 13 奇形腫(成熟)〔13〕 0 0 0 11 奇形腫(未熟)〔3〕 0 0 0 2
【0077】実施例6 抗原p24およびp28の単離 6.1 抗p28/24の固定化 モノクローナル抗体の抗p28/24を次のようにアフ
ィニティーカラムで精製し、CNBr活性化セファロース4B
(Sigma)に共有結合させた。1mgの精製抗体を0.5mg の
CNBr活性化セファロース4Bに結合させた。抗体を含まな
いCNBr活性化セファロース4Bを用いて予備清浄化を行っ
た。108 個のp28/24陽性細胞(L-428 、L-540 な
ど)を4℃でPBS に浮遊させ、2%(v/v) トリトン-X100,
1mM Na2EDTA, 1 μM PMSF, pH7.4 とともに30分間イン
キュベートした。溶解物を遠心(10,000xg, 10分, 4
℃)した。予備清浄化のために上清はプロテインA-セフ
ァロースC1 4B (Sigma) に結合させたウサギ抗マウスI
gとともにインキュベートした。ウサギ抗マウスIgは
DAKOから入手した。予備清浄化後、ウサギ抗マウスIg
プロテインA-セファロース複合体に結合させた抗p28
/24に溶解物上清を加え、4℃で1時間インキュベー
トした。3回洗浄した後、沈殿をサンプルバッファー
(0.125M Tris, 20%(v/v) グリセロール, 6%(w/v) SDS,
pH6.8) 中で5分間煮沸した。
【0078】5×108 個の細胞からの免疫沈降物を平行
実験で調製した。PBS を用いて4℃で5回洗浄した後、
免疫複合体をバッファー溶液(グリシン/HCl, pH2.7,
4℃)中で30分間インキュベートした。次いで複合体を
遠心 (20秒, 10,000xg, 4℃)し、pH値を7.4 に調整し
た。再度遠心 (10,000xg, 10分, 4℃)した後サンプル
を遠心し、SDS サンプルバッファー中で煮沸した。
【0079】SDS-PAGEを行った後、ゲルをポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)膜 (Millipore)上にブロットし、その膜
をクーマシー- ブリリアント- ブルー R250 (Biorad)で
染色した。互いに接近している2本の24/28kDバ
ンドを切り出し、100 μl の消化バッファー (0.1M Tri
s-HCl, pH8.5, 1 μg トリプシン (Merck)) 中で一晩消
化した。タンパク質を含まない隣接の膜領域を対照とし
て使用した。タンパク質分解フラグメントは、C4逆相カ
ラム (Vydac C4, 孔サイズ 300 A, 粒径 5μ,2.1 ×100
ml)を用いる細孔HPLC (130 A, Applied Biosystems)
で、直線勾配(50分で0-100%B; 溶媒A:水,0.1%(w/
v) トリフルオロ酢酸(TFA);溶媒B:70%(v/v)アセトニ
トリル, 0.09%(w/v) TFA)を用いて 200μl/分の流速で
溶出した。ペプチド含有画分をシリコーン処理したエッ
ペンドルフチューブ中に214nm で手動により集め、すぐ
に低温凍結させた。自動シークエンサー (473 A, Appli
ed Biosystems)を使って標準エドマン分解法によりアミ
ノ酸配列を決定した。
【0080】配列番号1と配列番号2に示したアミノ酸
部分配列がPVDF上にブロットされたサンプルに対して決
定された: 配列番号1: PGXNAPVGGNVX 配列番号1の配列情報は24kDバンドから予備知識に
したがって得られたものである。この配列は以前には知
られていない。位置5−11を用いて、512 の縮重オリゴ
ヌクレオチドプローブを合成した(オリゴヌクレオチド
プローブI)。ヒトIg軽鎖λに対する部分相同が見ら
れるようである。
【0081】配列番号2: VFRRFVEVGRVA
YVSFGP 配列番号2の配列情報は28kDバンドから予備知識に
したがって得られたものである。28kDバンドを数回
の電気泳動法で精製して、PVDF膜上にブロットした後で
直接アミノ酸配列分析にかけた。N末端のシークエンシ
ングにより図5および配列番号3に示したアミノ酸配列
が得られた。
【0082】また、抗p28/24と反応する抗原を、
テロマーオリゴヌクレオチド(TTAGGG)n または
その並び換え配列(n≧3)との反応により単離するこ
ともできる。そのために、テロマーオリゴヌクレオチド
をビオチニル化形態でストレプトアビジン被覆磁性粒子
(Dynal A/S) に結合させ、実施例1の細胞溶解物ととも
にインキュベートし、その後細胞溶解物の未結合成分か
ら分離する。
【0083】実施例7 増殖関連抗原をコードする核酸配列の単離 アミノ酸配列NAPVGGNVを用いて512 の縮重オリ
ゴヌクレオチドプローブ(オリゴヌクレオチドプローブ
I)を含む混合物を製造した。バクテリオファージλgt
11中のヒトcDNAライブラリーを培養後にニトロセル
ロースまたはナイロン膜上にブロットした。オリゴヌク
レオチドプローブIとのハイブリダイゼーションにより
同定できた陽性クローンを別々に培養し、さらに精製し
た。続いて、それらをバクテリオファージベクターから
配列決定用プラスミド Bluescript (Stratagene)に再ク
ローニングした。この方法により、増殖関連ポリペプチ
ドをコードする核酸を保有する数個の陽性クローンを同
定することができた。
【0084】クローン21.1は約1300bpのcDNA配列を
含んでいる。この挿入物の5'末端からの約900bp がすで
に配列決定を終えている。この配列を図6に示す。この
クローンの完全な配列は配列番号4に示してある。クロ
ーン22.1は1141bpのcDNA配列を含んでいる。この挿
入物はすでに完全な配列決定がなされており、図7(配
列番号5)に示してある。クローンa10は約2000bpのc
DNA配列を含んでいる。この挿入物の3'末端からの約
500bp と5'末端からの約1300bpがすでに配列決定を終え
ている。これらの配列を図8および9に示す。このクロ
ーンの完全な配列は配列番号6に示してある。この配列
のin situ ハイブリダイゼーションは精原細胞との陽性
反応をもたらした。クローン18.1は971bp のcDNA配
列を含んでいる。この挿入物はすでに完全な配列決定が
なされており、図10(配列番号7)に示してある。
【配列表】
【0085】配列番号:1 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【0086】
【化1】
【0087】配列番号:2 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【0088】
【化2】
【0089】配列番号:3 配列の長さ:224 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【0090】
【化3】
【0091】配列番号:4 配列の長さ:1276 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列
【0092】
【化4】
【0093】配列番号:5 配列の長さ:1137 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列
【0094】
【化5】
【0095】配列番号:6 配列の長さ:2032 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列
【0096】
【化6】
【0097】配列番号:7 配列の長さ:971 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列
【0098】
【化7】
【図面の簡単な説明】
【図1】抗体S3を用いる非放射性ELISA増殖アッ
セイの結果を示す図である。
【図2】非放射性ELISAリンパ球増殖アッセイで測
定された吸光度と、免疫組織化学的試験で測定された増
殖性細胞の数と、の相関関係を示す図である。
【図3】非放射性ELISAリンパ球増殖アッセイで測
定された吸光度と、試験細胞への 3H-チミジンの取込み
と、の相関関係を示す図である。
【図4】刺激細胞と非刺激細胞の混合比に対するELI
SA増殖アッセイの結果を示す図である。
【図5】抗p24/p28抗体と反応するポリペプチド
のアミノ酸部分配列を示す図である。
【図6】クローン21.1の増殖関連ポリペプチドをコード
する完全なヌクレオチド配列(配列番号4)を示す図で
ある。
【図7】クローン22.1の増殖関連ポリペプチドをコード
する完全なヌクレオチド配列(配列番号5)を示す図で
ある。
【図8】クローンa10の増殖関連ポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列の一部を示す図である。
【図9】クローンa10の増殖関連ポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列の一部を示す図である。
【図10】クローン18.1の増殖関連ポリペプチドをコー
ドする完全なヌクレオチド配列(配列番号7)を示す図
である。
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 G01N 33/577 B 33/577 A61K 39/00 H // A61K 39/00 9162−4B C12N 15/00 ZNAA (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞核由来の増殖関連抗原と反応するモ
    ノクローナル抗体の作製方法であって、 (a)増殖性細胞から細胞核の調製物をつくり、 (b)上記細胞核の調製物と、増殖性細胞の細胞核成分
    と結合しうる沈降抗体1種または数種とを、沈降抗体お
    よび該抗体に結合しうる細胞核成分を含む免疫複合体を
    形成させる条件下で接触させ、 (c)上記の免疫複合体を単離し、場合により、単離し
    た該複合体を精製し、 (d)工程(c)から得られた免疫複合体またはその中
    に含まれる細胞核成分を用いて実験動物を免疫化し、 (e)免疫化した実験動物より得られた抗体産生細胞と
    不死化細胞とを融合させてハイブリドーマ細胞を作製
    し、 (f)増殖性細胞の細胞核成分と特異的に結合しうる抗
    体を産生するハイブリドーマ細胞を選択し、そして (g)選択したハイブリドーマ細胞から上記の抗体を単
    離する、ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 細胞核調製物をつくるための原料として
    ヒト細胞系またはヒト腫瘍組織を用いることを特徴とす
    る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 細胞核調製物をつくるために、細胞の細
    胞質成分を非イオン性界面活性剤で処理して少なくとも
    部分的に溶解させることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ヒト・トポイソメラーゼII、Ki67抗
    原、p100抗原および/または抗原p24またはp2
    8と結合しうる沈降抗体を用いることを特徴とする、請
    求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 沈降抗体のほかに、該沈降抗体と結合す
    ることのできる固相を添加することを特徴とする、請求
    項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 【請求項6】 粒状の固相を用いることを特徴とする、
    請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 沈降抗体のほかに、該沈降抗体と特異的
    に結合しうる抗血清を添加することを特徴とする、請求
    項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 【請求項8】 沈降抗体およびそれに結合しうる細胞核
    成分が、固相に沈降抗体を結合させて、その後固相を分
    離することにより単離されることを特徴とする、請求項
    5〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 【請求項9】 ハイブリドーマ細胞が免疫化した実験動
    物より得られた脾細胞と骨髄腫細胞との融合により作製
    されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つ
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 増殖性細胞の細胞核成分と特異的に結
    合しうる抗体を産生するハイブリドーマ細胞が、ハイブ
    リドーマ細胞からの上清を腫瘍組織および/またはヒト
    扁桃腺と接触させて、その後これらの反応性を判定する
    ことにより選択されることを特徴とする、請求項1〜9
    のいずれか1つに記載の方法。
  11. 【請求項11】 ハイブリドーマ上清の上記反応性が酵
    素染色法によりクリオスタット切片にて判定されること
    を特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 細胞質成分または非増殖性細胞由来の
    細胞核成分とは本質的に交差反応しないことを特徴とす
    る、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法により
    作製されたモノクローナル抗体。
  13. 【請求項13】 約100kD(SDS−PAGE)の
    分子量を有する細胞核由来の増殖関連抗原を認識し、か
    つ細胞質成分または非増殖性細胞由来の細胞核成分とは
    本質的に交差反応しないことを特徴とする、モノクロー
    ナル抗体。
  14. 【請求項14】 細胞周期のS期、G2期およびM期に
    あるヒト増殖性細胞の細胞核と反応することを特徴とす
    る、請求項13に記載の抗体。
  15. 【請求項15】 細胞周期のG1期にあるヒト増殖性細
    胞とは本質的に反応しないことを特徴とする、請求項1
    3または14に記載の抗体。
  16. 【請求項16】 ハイブリドーマ細胞系 DSM ACC 2200
    により産生されるモノクローナル抗体S2または同等の
    結合特異性を有するモノクローナル抗体。
  17. 【請求項17】 約24kDおよび28kD(SDS−
    PAGE)の分子量を有する細胞核由来の増殖関連抗原
    を認識し、かつ細胞質成分または非増殖性細胞由来の細
    胞核成分とは本質的に交差反応しないことを特徴とす
    る、モノクローナル抗体。
  18. 【請求項18】 ヒト腫瘍細胞の細胞核と反応すること
    を特徴とする、請求項17に記載の抗体。
  19. 【請求項19】 精上皮腫および未分化胚細胞腫と反応
    することを特徴とする、請求項18に記載の抗体。
  20. 【請求項20】 精原細胞の細胞核と反応するが、他の
    正常ヒト細胞の細胞核とは本質的に反応しないことを特
    徴とする、請求項17〜19のいずれか1つに記載の抗
    体。
  21. 【請求項21】 ハイブリドーマ細胞系 DSM ACC 2199
    により産生されるモノクローナル抗体の抗p28/24
    または同等の結合特異性を有するモノクローナル抗体。
  22. 【請求項22】 ハイブリドーマ細胞系 DSM ACC 2205
    により産生されるモノクローナル抗体S3または同じエ
    ピトープを認識するモノクローナル抗体。
  23. 【請求項23】 ハイブリドーマ細胞系 DSM ACC 2206
    により産生されるモノクローナル抗体S4または同じエ
    ピトープを認識するモノクローナル抗体。
  24. 【請求項24】 請求項12〜23のいずれか1つに記
    載のモノクローナル抗体の断片。
  25. 【請求項25】 請求項12〜23のいずれか1つに記
    載のモノクローナル抗体または請求項24に記載の抗体
    断片とマーカーグループまたは薬理活性物質との結合
    体。
  26. 【請求項26】 有効成分としての1種または数種の請
    求項12〜23のいずれか1つに記載のモノクローナル
    抗体、請求項24に記載の抗体断片または請求項25に
    記載の結合体を、所望により慣用の製剤上の担体、希釈
    剤または補助剤とともに、含有することを特徴とする医
    薬組成物。
  27. 【請求項27】 ハイブリドーマ細胞系 DSM ACC 2200
    により産生されるモノクローナル抗体S2との反応によ
    って細胞周期のS期、G2期およびM期にあるヒト増殖
    性細胞の細胞核から得ることができ、約100kD(S
    DS−PAGE)の分子量を有することを特徴とする抗
    原。
  28. 【請求項28】 ハイブリドーマ細胞系 DSM ACC 2199
    により産生されるモノクローナル抗体である抗p28/
    24との反応によってヒト増殖性細胞の細胞核から得る
    ことができ、約24kDまたは28kD(SDS−PA
    GE)の分子量を有することを特徴とする抗原。
  29. 【請求項29】 配列(TTAGGG)n (ここでnは
    3以上の自然数である)またはその並び換え配列 (perm
    utation)を有する核酸と結合することを特徴とする、請
    求項28に記載の抗原。
  30. 【請求項30】 配列表の配列番号1〜3に示されるア
    ミノ酸配列を1以上含むことを特徴とする、請求項28
    または29に記載の抗原。
  31. 【請求項31】 (a)図6、図7、図8、図9または
    図10に示されるヌクレオチド配列、(b)少なくとも
    12ヌクレオチドの鎖長を有するその部分配列、または
    (c)ストリンジェント条件下で(a)および/または
    (b)からの配列とハイブリダイズするヌクレオチド配
    列、を含むことを特徴とする核酸。
  32. 【請求項32】 ヒト細胞の増殖活性を測定するための
    請求項31に記載の核酸の使用。
  33. 【請求項33】 請求項31に記載の核酸を少なくとも
    1コピー含むことを特徴とするベクター。
  34. 【請求項34】 少なくとも1コピーの請求項31に記
    載の核酸または請求項33に記載のベクターで形質転換
    されていることを特徴とする細胞。
  35. 【請求項35】 細胞の増殖活性を測定するためのマー
    カーとしての請求項12〜23のいずれか1つに記載の
    抗体、請求項24に記載の抗体断片または請求項25に
    記載の結合体の使用。
  36. 【請求項36】 乳癌における予後マーカーとしての請
    求項35に記載の使用。
  37. 【請求項37】 子宮内膜周期の判定における請求項3
    5に記載の使用。
  38. 【請求項38】 良性と悪性のメラノサイト皮膚腫瘍を
    識別するための請求項35に記載の使用。
  39. 【請求項39】 悪性リンパ腫における予後マーカーと
    しての請求項35に記載の使用。
  40. 【請求項40】 リンパ球の抗原刺激増殖を測定するた
    めの請求項35に記載の使用。
  41. 【請求項41】 免疫学的増殖アッセイ(特に、ELI
    SA)における請求項35〜40のいずれか1つに記載
    の使用。
  42. 【請求項42】 細胞の増殖活性を測定する方法であっ
    て、任意に予備処理した細胞を、少なくとも1種の請求
    項12〜23のいずれか1つに記載の抗体、請求項24
    に記載の抗体断片または請求項25に記載の結合体とと
    もにインキュベートし、該細胞と上記の抗体、抗体断片
    または結合体との結合を測定することを特徴とする方
    法。
  43. 【請求項43】 細胞の予備処理が固定化および/また
    は透過性化の工程を含むことを特徴とする、請求項42
    に記載の方法。
  44. 【請求項44】 上記の測定が非放射性標識、特に酵素
    標識、蛍光標識または発光標識を用いて行われることを
    特徴とする、請求項43に記載の方法。
JP8082892A 1995-04-04 1996-04-04 細胞核の増殖関連抗原に対するモノクローナル抗体の作製方法 Pending JPH08280383A (ja)

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