JPH08279304A - 光照射方法及びその装置 - Google Patents

光照射方法及びその装置

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JPH08279304A
JPH08279304A JP1962796A JP1962796A JPH08279304A JP H08279304 A JPH08279304 A JP H08279304A JP 1962796 A JP1962796 A JP 1962796A JP 1962796 A JP1962796 A JP 1962796A JP H08279304 A JPH08279304 A JP H08279304A
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JP
Japan
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light
time
dye
dark
intermediate product
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JP1962796A
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English (en)
Inventor
Shiro Otake
史郎 大竹
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の照射による感光をより明るくするには、
所定時間におけるフォトンの総量を増やす以外に方法は
なかった従来の光照射装置において、所定時間内の光の
照射によるフォトンの総量を増やすことなく、光の照射
による感光をより明るくすることができる光照射装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 連続パルス光を照射する半導体レーザー
103と、その連続パルス光のパルス幅及びパルス間隔
を入力する入力装置100と、そのパルス幅及びパルス
間隔を記憶する記憶装置101と、その記憶された値に
基づいて半導体レーザー103から連続パルス光を照射
させる制御装置102と、その照射された連続パルス光
を拡散する拡散板105と、本装置に電気エネルギーを
供給する電源回路104とで構成され、パルス幅は10
マイクロ秒以下であり、パルス間隔からパルス幅を引い
た時間は10マイクロ秒以上である光照射装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、一般照明
用光源、産業用照明用光源または表示デバイス等に用い
ることができる、光照射方法及びその装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在、様々な照明装置が開発され、そし
て利用されている。人工光源の中でも大量に使用されて
いる蛍光灯では、蛍光体・電極・封入ガスなどの設計の
最適化で高効率・長寿命が実現されている。また、光源
の分光パワー分布と色の再現性に関する研究に基づき、
色彩をより鮮やかに見せる様々なランプも開発され利用
されている。
【0003】そして、これら従来の照明は、使用状態に
おいては、定常的な光の照射を行うものである。また、
その光の照射においては、照明を明るくする場合、より
高出力の照明装置に変更するか、または、光源に供給す
る電力を大きくする等の方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】いずれにしても、光の
照射による感光(光を視覚機能により感じること)をよ
り明るくするには、所定時間におけるフォトンの総量を
増やす以外に方法はなかった。
【0005】本発明は、所定時間のフォトンの総量を増
やすことなく、光の照射による感光をより明るくするこ
とができる光照射方法及びその装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための請求項1記載の本発明は、視覚細胞に含まれる
色素が、光化学反応又は熱化学反応により中間生成物に
変成し、その中間生成物が、熱化学反応により前記色素
が分解した物質になる過程において、前記中間生成物か
ら前記色素へ戻る光化学反応を抑制するように光を照射
することを特徴とする光照射方法である。
【0007】なお、前記光は、明るい時間T1及び暗い
時間T2に基づいて決定される明暗を有するとしてもよ
い。
【0008】請求項3の本発明は、明るい時間T1及び
暗い時間T2により決定される明暗を有する光を照射す
る光照射方法であって、前記明るい時間T1及び暗い時
間T2は、視覚細胞に含まれる色素が光化学反応又は熱
化学反応により中間生成物に変成する時間と、前記中間
生成物が熱化学反応により前記色素が分解した物質にな
るまでの時間とに基づき決定されることを特徴とする光
照射方法である。
【0009】請求項4の本発明は、明るい時間T1及び
暗い時間T2に基づいて決定される明暗を有する光を照
射する光照射方法であって、前記明るい時間T1は、視
覚細胞に含まれる色素が光化学反応又は熱化学反応によ
り中間生成物に変成するのに要する時間以下に相当し、
前記暗い時間T2は、前記中間生成物が熱化学反応によ
り前記色素が分解した物質になるのに要する時間以上に
相当することを特徴とする光照射方法である。
【0010】請求項5の本発明は、10マイクロ秒以下
の明るい時間T1と10マイクロ秒以上の暗い時間T2
とに基づいて決定される明暗を有する光を照射すること
を特徴とする光照射方法である。
【0011】請求項10の本発明は、光を照射する光源
と、前記光を照射するためのエネルギーを前記光源に供
給するためのエネルギー供給手段と、前記光源から照射
される光の明暗を制御する制御手段と、前記明暗に関す
る明るい時間T1及び暗い時間T2を記憶している記憶
手段とを備え、前記明るい時間T1及び暗い時間T2
は、視覚細胞に含まれる色素が光化学反応又は熱化学反
応により中間生成物に変成する時間と、前記中間生成物
が熱化学反応により前記色素が分解した物質になるまで
の時間とに基づいて、前もって決定されたものであるこ
とを特徴とする光照射装置である。
【0012】請求項11の本発明は、光を照射する光源
と、前記光を照射するためのエネルギーを前記光源に供
給するためのエネルギー供給手段と、前記光源から照射
される光の明暗を制御する制御手段と、前記明暗に関す
る明るい時間T1及び暗い時間T2を記憶している記憶
手段とを備え、前記明るい時間T1は、視覚細胞に含ま
れる色素が光化学反応又は熱化学反応により中間生成物
に変成するのに要する時間以下に相当し、前記暗い時間
T2は、前記中間生成物が熱化学反応により前記色素が
分解した物質になるのに要する時間以上に相当すること
を特徴とする光照射装置である。
【0013】請求項12の本発明は、光を照射する光源
と、前記光を照射するためのエネルギーを前記光源に供
給するためのエネルギー供給手段と、前記光源から照射
された光の明暗を制御する制御手段と、前記明暗に関す
る明るい時間T1及び暗い時間T2を記憶している記憶
手段とを備え、前記明るい時間T1は10マイクロ秒以
下であり、前記暗い時間T2は10マイクロ秒以上であ
ることを特徴とする光照射装置である。
【0014】請求項13の本発明は、光を照射する光源
と、その光源から照射される光の明暗を制御する制御手
段とを備え、視覚細胞に含まれる色素が、光化学反応又
は熱化学反応により中間生成物に変成し、その中間生成
物が、熱化学反応により前記色素が分解した物質になる
過程において、前記光は、前記中間生成物から前記色素
へ戻る光化学反応を抑制するように照射されることを特
徴とする光照射装置である。
【0015】なお、前記視覚細胞とは、受光器細胞であ
るとしてもよい。
【0016】また、前記光の明暗は、所定時間における
フォトンの総量に基づいて決定されるとしてもよい。
【0017】また、前記色素とはロドプシンであり、前
記色素が分解した物質とは、メタロドプシンI又はメタ
ロドプシンIIであり、前記中間生成物とは、前記色素
と前記色素が分解した物質との中間の物質であるとして
もよい。
【0018】更に、前記色素とはアイオドプシンであ
り、前記色素が分解した物質とは、メタアイオドプシン
I又はメタアイオドプシンIIであり、前記中間生成物
とは、前記色素と前記色素が分解した物質との中間の物
質であるとしてもよい。
【0019】次に、本発明の作用について説明する。
【0020】その前に、定常光の照射による感光につい
て説明する。図7は、人の視覚機能の概略を示した図で
ある。人は、眼球5でとらえた映像を網膜6に投影し、
そこで前記映像が神経系電気信号に変換される。そし
て、前記神経系電気信号が、視交叉7と外側膝状体8を
経て大脳視覚領9に伝達されると、人は前記映像を認識
することができる。
【0021】網膜6の構造を更に詳しく図8に示す。網
膜6は、受光器細胞1、水平細胞10、双極細胞11、
アマクリン細胞12と神経節細胞13で構成されてい
る。受光器細胞1で行われるイオンチャンネル制御によ
り発生した明るさの信号は、水平細胞10、双極細胞1
1、そして、アクマリン細胞12を経て神経節細胞13
に伝送される。そして、その明るさの信号は、その神経
節細胞13から神経系電気信号として出力される。
【0022】受光器細胞1で行われる、明るさの信号に
関するイオンチャネル制御に至る経緯の概略を図9に示
す。受光器細胞1は色素2を有している。その色素2
は、フェムトからナノ秒単位の順方向の化学反応によ
り、中間生成物3に変成する。そして、中間生成物3
は、ミリ秒単位の熱化学反応により、色素が分解した物
質4になる。この色素が分解した物質4が、イオンチャ
ンネル制御を行い、明るさの信号である神経系電気信号
を発生させる。
【0023】ところが、定常光の場合、色素2が中間生
成物3に変成した後も光の照射が続いており、順方向の
化学反応により変成した中間生成物3のすべてが、色素
が分解した物質4にはならずに、中間生成物3の一部
が、ピコ秒単位の逆方向の光化学反応により、色素7に
戻ってしまう。この時、順方向の化学反応と逆方向の光
化学反応は平衡に達する。この逆方向の光化学反応によ
る中間生成物3の色素2への戻り分だけ、感光による明
るさの減少となる。ただし、前記定常光とは、少なくと
も色素2が中間生成物3に変成し、且つ、その中間生成
物3が色素が分解した物質4に変成するまでの時間、定
常的に光を照射するものをいう。この点、従来の光源に
よる光の照射は、定常光であると言える。
【0024】受光器細胞1に含まれる色素2のより詳細
な変成のプロセスを図10に示す。その前に、色素を含
む受光器細胞には、主として暗いところで機能する(内
節の形状が棒状の)桿状体細胞と、主として明るいとこ
ろで機能する(内節の形状が錐状の)錐状体細胞があ
る。さらに、錐状体細胞には分光感度特性の異なる3種
類の細胞がある。ここでは、化学反応メカニズムが、よ
り明確である桿状体細胞の色素であるロドプシンの変成
について説明する。錐状体細胞の色素であるアイオドプ
シンの化学反応メカニズムもこのロドプシンとほぼ同様
である。
【0025】また、図9と図10の対応関係についても
説明しておく。図9の色素2の成分が、図10に示すロ
ドプシン14である。図9の中間生成物3の成分が、図
10に示すルミロドプシン16である。そして、図9の
色素が分解した物質4の成分が、図10に示すメタロド
プシンII‐19である。
【0026】ロドプシン14は、ピコ秒単位の光化学反
応でバソロドプシン15に変成し、また、バソロドプシ
ン15の一部が、ピコ秒単位の光化学反応でロドプシン
14に戻る。バソロドプシン15は、ナノ秒単位の熱化
学反応により、ルミロドプシン16に変成すると共に、
バソロドプシン15の一部が、ピコ秒単位の光化学反応
でイソロドプシン17に変成し、また、イソロドプシン
17の一部が、ピコ秒単位の光化学反応でバソロドプシ
ン15に戻る。ルミロドプシン16は、マイクロ秒単位
の熱化学反応によって、メタロドプシンI‐18に変成
するとともに、ルミロドプシン16の一部が、ピコ秒単
位の光化学反応により、ロドプシン14又はイソロドプ
シン17に戻る。メタロドプシンI‐18は、ミリ秒単
位の熱化学反応でメタロドプシンII‐19に変成し、
また、メタロドプシンII‐19の一部が、ミリ秒単位
の熱化学反応でメタロドプシンI‐18に戻る。このメ
タロドプシンII‐19が、イオンチャンネル制御を行
い、明るさの信号である神経系電気信号を発生させる。
【0027】ここで、メタロドプシンII‐19による
イオンチャンネル制御について説明する。図11は、受
光器細胞1におけるイオンの動きを模式的に示した図で
あって、図12は、そのイオンの動きをまとめて、更に
模式的に表した図である。受光器細胞1に光が照射され
ていない場合のイオンは、図12の(a)に示す状態に
ある。第2のゲート23のイオンCa2+とNa+が、明
るさの信号である神経系電気信号に相当するものである
が、受光器細胞1の内部に取り込まれ、明るさの信号と
して使用されない状態にある。
【0028】このとき、図12の(b)に示すように、
受光器細胞1に光が照射されると、その細胞内の色素2
が、色素が分解した物質4に変成する。そして、色素が
分解した物質4が、第2のゲート23を閉じる。第2の
ゲート23が閉じられると、イオンCa2+とNa+が受
光器細胞1に流入できなくなり、その結果受光器細胞1
の細胞膜電位が変化する。この電位の変化の伝搬が神経
系信号である。これにより、受光器細胞1からの神経系
信号は、図8で示したように、水平細胞10、双極細胞
11、そして、アマクリン細胞12を経由して神経節細
胞13に達する。 その後の変成について、再度図10
に戻って説明する。メタロドプシンII‐19は、秒単
位の熱化学反応により、メタロドプシンIII‐20に
変成し、メタロドプシンIII‐20は、分単位の熱化
学反応によりオプシン+Alltrans レチナール
デハイド‐21に変成し、その後、新陳代謝により新し
くロドプシン14が生成される。
【0029】ところが、前記変成の過程において、受光
器細胞1に照射される光が定常光の場合、ルミロドプシ
ン16が、ロドプシン14に戻ってしまう。なお、定常
光の場合でも、下記の理由により、ルミロドプシン16
からロドプシン14に戻るルミロドプシンの量は、全部
ではなく一部に限られる。 ロドプシン14がルミロドプシン16に変成する順
方向の化学反応が、光化学反応だけでなく熱化学反応も
生じていること。 ルミロドプシン16からロドプシン14に戻る光化
学反応に要するピコ秒単位の時間は、フォトンが照射さ
れたルミロドプシンの個々の光化学反応に対する時間で
あること。(従って、ロドプシン14が順方向の化学反
応により変性したルミロドプシン16は、フォトンがル
ミロドプシンに照射される時刻とフォトンが照射される
ルミロドプシンの個数等に依存して、ロドプシン14に
戻る逆方向の光化学反応が発生する。) すべてのフォトンが、ルミロドプシン16からロド
プシン14に戻る逆方向の光化学反応に寄与するわけで
はない(量子効率が1にはならない)こと。
【0030】結果として、定常光の場合、ルミロドプシ
ン16からロドプシン14に戻るルミロドプシンが、感
光による明るさを低下させている。
【0031】そこで、本発明では、図9に示すように、
中間生成物3から色素2に戻る逆方向の光化学反応に着
目し、所定時間のフォトンの総量を増やすことなく、そ
の逆方向の光化学反応を抑制することによって、光の照
射による感光をより明るくするものである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0033】本発明の光照射方法及びその装置に係る第
1の実施の形態について、その光照射装置の構成図であ
る図1を参照しながら説明する。即ち、入力装置100
は、本装置から照射される連続パルス光の波形条件を入
力するためのものである。その連続パルス光のパルス幅
は、0.1〜1マイクロ秒の範囲内で設定可能であっ
て、またそのパルス間隔は、10〜1000マイクロ秒
の範囲内で設定可能である。記憶装置101は、入力装
置100で入力された連続パルス光の波形条件を記憶保
持するものである。制御回路102は、記憶装置101
で保持されているパルス幅とパルス間隔とに基づき、連
続パルス光の制御を行う回路である。半導体レーザー1
03は、制御回路102により前記連続パルス光を照射
するものであり、その発振波長は680nmである。電
源回路104は、本装置に電気エネルギーを供給するた
めのものである。拡散板105は、半導体レーザー10
3から照射された光を一様に拡散させるためのものであ
る。
【0034】次に、本実施の形態の動作を本発明の光照
射の方法とともに説明する。入力装置100により、連
続パルス光の波形条件であるパルス幅及びパルス間隔が
入力される。前記パルス幅の選択範囲は、0.1〜1マ
イクロ秒であり、また、前記パルス間隔の選択範囲は、
10〜1000マイクロ秒である。そして、その波形条
件は、記憶装置101で記憶保持される。制御装置10
2は、記憶装置101で記憶保持した波形条件に基づ
き、半導体レーザー103から連続パルス光を出力させ
る。半導体レーザー103から出力された連続パルス光
は、拡散板105で拡散される。
【0035】更にまた、本実施の形態の光照射装置から
出力された連続パルス光が、視覚細胞に照射された場
合、明るさの信号である神経系電気信号が発生するプロ
セスについて、図10を用いて説明する。但し、連続パ
ルス光の波形は、図2に示すように、光を照射する明時
間T1が前記パルス幅となり、また、光を照射しない暗
時間T2が、前記パルス間隔から明時間T1を引いた時
間となっている。また、図9と図10の対応関係につい
ては、作用の欄で説明した通りである。即ち、図9の色
素2の成分が、図10に示すロドプシン14である。図
9の中間生成物3の成分が、図10に示すルミロドプシ
ン16である。そして、図9の色素が分解した物質4の
成分が、図10に示すメタロドプシンII‐19であ
る。
【0036】前記連続パルス光は、明時間T1の間、ロ
ドプシン14に光を照射する。ロドプシン14は、ピコ
秒単位の光化学反応及びナノ秒単位の熱化学反応である
順方向の化学反応により、バソロドプシン15を経て、
ルミロドプシン16に変成する性質を持つ。したがっ
て、0.1〜1マイクロ秒の時間だけ、光が照射された
ロドプシン14は、順方向の化学反応により、ルミロド
プシン16に変成する。(この間、バソロドプシン15
からロドプシン14に戻る光化学反応が生じている。)
その後、ルミロドプシン16は、メタロドプシンI‐1
8を経て、ミリ秒単位の熱化学反応によって、メタロド
プシンII‐19に変成する。このメタロドプシンII
‐19が、イオンチャンネル制御により、明るさの信号
である神経系電気信号を発生させる。
【0037】ところで、ロドプシン14が、ルミロドプ
シン16に変成した後も、光の照射は所定時間T3の時
間だけ続く。その時間T3は、「明時間T1」から「ロ
ドプシン14が、順方向の化学反応により、ルミロドプ
シン16に変成するのに要する時間」を引いた時間とな
る。その光の照射のため、ルミロドプシン16からロド
プシン14に戻る逆方向の光化学反応が発生する。これ
は、前記逆方向の光化学反応が、時間T3に依存するこ
とを意味する。したがって、ルミロドプシン16からロ
ドプシン14に戻る逆方向の光化学反応は、明時間T1
に依存することになる。
【0038】また、明時間T1の光の照射の後、光を照
射しない暗時間T2が続く。ルミロドプシン16が、メ
タロドプシンII‐19に変成する途中で、暗時間T2
に切り替わったとしても、その変成は光化学反応ではな
く熱化学反応であるため、ルミロドプシン16は、メタ
ロドプシンII‐19に変成する。ところが、ルミロド
プシン16がメタロドプシンI‐18に変成するまで
に、暗時間T2が終了してしまい、そして、次の明時間
T1となった場合、ルミロドプシン16がロドプシン1
4に戻る逆方向の光化学反応が発生する。従って、ルミ
ロドプシン16がロドプシン14に戻る逆方向の光化学
反応は、暗時間T2にも依存することになる。
【0039】すなわち、本実施の形態による光照射装置
から出力される連続パルス光は、ルミロドプシン16か
らロドプシン14に戻る逆方向の光化学反応を、明時間
T1と暗時間T2に依存させながら抑制することができ
る。そして、逆方向の光化学反応を抑制されたルミロド
プシン16が、メタロドプシンII‐19に変成し、そ
の分が、前記神経系電気信号を大きくする。
【0040】ここで、本発明の効果を検証する為に行っ
た測定結果について説明する。図3は、本実施の形態の
光照射装置における連続パルス光の感光による明るさ
を、交照法により測定する方法を示した図であり、図4
は、図3における観測光106について説明した図であ
る。図3に示す観測光106は、図4に示すように、強
度が一定である本実施の形態の連続パルス光と強度が可
変な直流光とが、10〜20Hzの交代周波数により交
代した光である。測定は、図3に示すように、開口10
7から出力される観測光106を、観測者が見てちらつ
きを感じるか否かに基づいて行われる。すなわち、ちら
つきが最小となった際のマッチングした直流光の輝度
(単位:cd/m2)を、本実施の形態の連続パルス光
の明るさの輝度とみなす。
【0041】図5は、本実施の形態による光照射装置か
ら照射された連続パルス光のパルス幅とパルス間隔の波
形条件が変化したとき、感光による明るさがどのように
変化するかを、前記交照法により測定したグラフであ
る。横軸は、連続パルス光のパルス間隔である。縦軸
は、マッチングしたときの連続パルス光の輝度の時間平
均に対する直流光の輝度の比である。ただし、半導体レ
ーザーの発振波長が680nmである光で刺激される細
胞は、分光感度特性の異なる3種類の錐状体細胞のうち
長波長域に感度を持つ細胞であるため、このグラフは、
色素がアイオドプシンである錐状体細胞が機能している
場合の実験結果となる。
【0042】そこで、パルス幅が0.1マイクロ秒で、
パルス間隔が100マイクロ秒である時の連続パルス光
の{(マッチングした直流光の輝度)/(連続パルス光
の輝度)}の値である約1.04について説明する。例
えば、ある明るさのために、パルス幅が0.1マイクロ
秒で、パルス間隔が100マイクロ秒である連続パルス
光を用いた場合、そのフォトンの総量が100個必要で
あったとする。このとき、その明るさを直流光を用いて
実現する場合、フォトンの総量が約104個必要にな
る。これが、前記約1.04の意味するところであり、
また、これは、前記連続パルス光が、図9の中間生成物
3から色素2に戻る逆方向の光化学反応を抑制している
ことを示している。同様に、パルス間隔が100マイク
ロ秒で、パルス幅が0.5又は1マイクロ秒である連続
パルス光と、パルス間隔が500マイクロ秒で、パルス
幅が1マイクロ秒である連続パルス光も、図9の中間生
成物3から色素2に戻る逆方向の光化学反応を抑制して
いることが分かる。
【0043】なお、図10に示すように、ロドプシン1
4(図9の色素2)がバソロドプシン15に変成してし
まうと、たとえ光が照射されなくなっても、バソロドプ
シン15は、熱化学反応によりルミロドプシン16に変
成する。従って、本実施の形態では、図9に示す中間生
成物3は、図10に示すルミロドプシン16であるとし
たが、バソロドプシン15であるとしてもよい。
【0044】また、本実施の形態の明時間T1は、0.
1〜1マイクロ秒の範囲の時間であるとしたが、図10
に示すように、ロドプシン14(図9の色素2)が、光
化学反応によって、バソロドプシン15に変成するのに
要する時間以下であるとしてもよく、また、ロドプシン
14(図9の色素2)が、順方向の化学反応により、ル
ミロドプシン16(図9の中間生成物3)に変成するの
に要する時間以下であるとしてもよい。要するに、明時
間T1は、バソロドプシン15からロドプシン14(図
9の色素2)に戻る逆方向の光化学反応、及び/又は、
ルミロドプシン16(図9の中間生成物3)からロドプ
シン14(図9の色素2)に戻る逆方向の光化学反応を
抑制することができる範囲の時間であれば良い。パルス
幅が1マイクロ秒以下における本発明の効果について
は、図5に示すとおり、実験的に確認済みであり、また
パルス幅が100マイクロ秒以上では本発明の効果が得
られないことも別の実験により確認済みである。ロドプ
シン14の光分解に関する科学的知見(例えば、エルン
ストとケムプによって1979年にビジョン・リサーチ
誌の第19巻363〜365頁に発表された内容)を参
考にして、これらの実験結果を考慮すれば、数マイクロ
秒以下のフラッシュ光により、本発明の効果が得られる
ことが推考される。これにより、本発明の効果は、10
マイクロ秒以下のパルス幅により得られることが分か
る。
【0045】また、本実施の形態では、明時間T1と暗
時間T2の交代によって、断続する明時間T1は、一定
であるとしたが、必ずしも一定でなくても良い。
【0046】また、本実施の形態の明時間T1内のパル
スの強度は、一定であるとしたが、必ずしも一定でなく
てもよい。要するに、明時間T1内に、必要とされる所
定のフォトンの総量があれば良い。
【0047】また、図10に示すように、ルミロドプシ
ン16(図9の中間生成物3)が、メタロドプシンI‐
18に変成してしまうと、たとえ光が照射されたとして
も、メタロドプシンI‐18からロドプシン14(図9
の色素2)に戻ることはなくなる。したがって、本実施
の形態では、図9に示す色素が分解した物質4は、図1
0に示すメタロドプシンII‐19であるとしたが、メ
タロドプシンI‐18であるとしても良い。
【0048】また、本実施の形態の暗時間T2は、10
〜1000マイクロ秒の範囲のパルス間隔の時間から明
時間T1を引いた時間であるとしたが、図10に示す如
く、バソロドプシン15が、熱化学反応により、メタロ
ドプシンI‐18またはメタロドプシンII‐19(図
9の色素が分解した物質4)に変成するのに要する時間
以上であるとしてもよく、また、ルミロドプシン16
(図9の中間生成物3)が、熱化学反応により、メタロ
ドプシンI‐18又はメタロドプシンII‐19(図9
の色素が分解した物質4)に変成するのに要する時間以
上であるとしてもよい。要するに、暗時間T2は、バソ
ロドプシン15からロドプシン14(図9の色素2)に
戻る逆方向の光化学反応、及び/又は、ルミロドプシン
16(図9の中間生成物3)からロドプシン14(図9
の色素2)に戻る逆方向の光化学反応を抑制することが
できる範囲の時間であれば良い。本発明の効果は10マ
イクロ秒以上からの暗時間T2(=パルス間隔−パルス
幅)により得られることが、図5に示すとおり、実験的
に確認された。このようにして得た連続パルス光に対し
て、フリッカを知覚しないようにするためには、パルス
周期(明時間T1+暗時間T2)を10ミリ秒以下にす
ればよい。
【0049】また、本実施の形態では、明時間T1と暗
時間T2の交代によって、断続する暗時間T2は、一定
であるとしたが、必ずしも一定でなくても良い。
【0050】また、本実施の形態の暗時間T2の間に照
射されるフォトンの総量は、0個であるとしたが、必ず
しも0個でなくても良い。要するに、暗時間T2の間に
照射されるフォトンの総量は、図10に示すように、時
間T2の間に発生するバソロドプシン15からロドプシ
ン14(図9の色素2)に戻る逆方向の光化学反応、お
よび/または、ルミロドプシン16(図9の中間生成物
3)からロドプシン14(図9の色素2)に戻る逆方向
の光化学反応を完全に又は一部だけ抑えることができる
フォトンの個数であれば良い。
【0051】また、本実施の形態では、明時間T1は、
0.1〜1マイクロ秒の範囲の時間であるとし、また暗
時間T2は、10〜1000マイクロ秒の範囲のパルス
間隔の時間から明時間T1を引いた時間であるとした
が、図10に示すように、明時間T1は、ロドプシン1
4(図9の色素2)が、順方向の化学反応により、ルミ
ロドプシン16(図9の中間生成物3)に変成するのに
要する時間であるとし、且つ暗時間T2は、ルミロドプ
シン16(図9の中間生成物3)が、熱化学反応によ
り、メタロドプシンI‐18またはメタロドプシンII
‐19(図9の色素が分解した物質4)に変成するのに
要する時間であるとしてもよい。この時、ロドプシン1
4(図9の色素2)が、ルミロドプシン16(図9の中
間生成物3)に変成した段階で明時間T1が終了し、ル
ミロドプシン16(図9の中間生成物3)が、メタロド
プシンI‐18またはメタロドプシンII‐19(図9
の色素が分解した物質4)に変成するまで暗時間T2が
続く。従って、図6に示すように、中間生成物3(図1
0のルミロドプシン16)から色素2(図10のロドプ
シン14)へ戻る逆方向の光化学反応を見かけ上除去す
ることができる。
【0052】また、本実施の形態の視覚細胞は、人の視
覚細胞であるとしたが、人以外の動物の視覚細胞である
としてもよい。
【0053】更に、本実施の形態における図1の光照射
装置は、図10におけるルミロドプシン16に対して、
逆方向の光化学反応を抑制するように連続パルス光を照
射するものとしたが、本発明の光照射装置は、ロドプシ
ン14とメタロドプシンII‐19の間の何れかの一部
又は全部の物質に対して、逆方向の光化学反応を抑制す
るように光を照射するとしてもよい。
【0054】本発明の光照射方法及びその装置に係る第
2の実施の形態について、色素2がアイオドプシンであ
る場合の変成のプロセスを示す図である図13を参照し
ながら説明する。即ち、本実施の形態における受光器細
胞1は、第1の実施の形態における色素2の成分がロド
プシン14である(内節の形状が棒状の)桿状体細胞で
はなく、色素2の成分がアイオドプシンである(内節の
形状が錐状の)錐状体細胞である。
【0055】まず、アイオドプシンの変成のプロセスに
ついて説明する。アイオドプシン30は、光の照射によ
り10-15 秒程度で励起状態31となる。これと同様
に、イソアイオドプシン32も励起状態31となる。励
起状態31となったアイオドプシン30又はイソアイオ
ドプシン32は、熱化学反応により10-13 程度でフォ
トアイオドプシン33に変成する。
【0056】フォトアイオドプシン33は、熱化学反応
により10-12 秒程度でバソアイオドプシン34に変成
する。この時、光が照射されていれば、フォトアイオド
プシン33の一部が、逆方向の光化学反応によりアイオ
ドプシン30又はイソアイオドプシン32に戻る。
【0057】バソアイオドプシン34は、熱化学反応に
より10-9秒程度でBLアイオドプシン35に変成す
る。この時、光が照射されていれば、バソアイオドプシ
ン34の一部が、逆方向の光化学反応によりアイオドプ
シン30又はイソアイオドプシン32に戻る。
【0058】BLアイオドプシン35は、熱化学反応に
より10-7秒程度でルミアイオドプシン36に変成す
る。この時、光が照射されていれば、BLアイオドプシ
ン35の一部が、逆方向の光化学反応によりアイオドプ
シン30又はイソアイオドプシン32に戻る。
【0059】ルミアイオドプシン36は、熱化学反応に
より10-4秒程度でメタアイオドプシンI‐37に変成
する。この時、光が照射されていれば、ルミアイオドプ
シン36の一部が、逆方向の光化学反応によりアイオド
プシン30又はイソアイオドプシン32に戻る。
【0060】メタアイオドプシンI‐37は、熱化学反
応により10-3秒程度でメタアイオドプシンII‐38
に変成する。この時、光が照射されていれば、メタアイ
オドプシンI‐37の一部が、逆方向の光化学反応によ
りアイオドプシン30又はイソアイオドプシン32に戻
る。
【0061】メタアイオドプシンII‐38は、熱化学
反応により102 秒程度でレチナール+オプシン39に
変成する。この時、光が照射されていれば、メタアイオ
ドプシンII‐38の一部が、逆方向の光化学反応によ
りアイオドプシン30又はイソアイオドプシン32に戻
る。また、メタアイオドプシンII‐38の一部は、逆
方向の熱化学反応によりメタアイオドプシンI‐37に
戻る。
【0062】レチナール+オプシン39は、新陳代謝に
より103 秒程度でアイオドプシン30に戻る。
【0063】次に、図1の光照射装置による連続パルス
光が、アイオドプシン30に照射された場合について説
明する。アイオドプシン30は、上述の光化学反応及び
熱化学反応により、バソアイオドプシン34等を経て、
ルミアイオドプシン36に変成する性質を持つ。したが
って、0.1〜1マイクロ秒の時間だけ、光が照射され
たアイオドプシン30は、順方向の化学反応により、ル
ミアイオドプシン36に変成する。(この間、バソアイ
オドプシン34等からアイオドプシン30に戻る光化学
反応が生じている。) その後、ルミアイオドプシン36は、メタアイオドプシ
ンI‐37を経て、ミリ秒単位の熱化学反応によって、
メタアイオドプシンII‐38に変成する。このメタア
イオドプシンII‐38が、イオンチャンネル制御によ
り、明るさの信号である神経系電気信号を発生させる。
【0064】ところで、アイオドプシン30が、ルミア
イオドプシン36に変成した後も、光の照射は所定時間
T3の時間だけ続く。その時間T3は、「明時間T1」
から「アイオドプシン30が、順方向の化学反応によ
り、ルミアイオドプシン36に変成するのに要する時
間」を引いた時間となる。その光の照射のため、ルミア
イオドプシン36からアイオドプシン30に戻る逆方向
の光化学反応が発生する。これは、ルミアイオドプシン
36からアイオドプシン30に戻る逆方向の光化学反応
が、時間T3に依存することを意味する。したがって、
ルミアイオドプシン36からアイオドプシン30に戻る
逆方向の光化学反応は、明時間T1に依存することにな
る。
【0065】また、明時間T1の光の照射の後、光を照
射しない暗時間T2が続く。ルミアイオドプシン36
が、メタアイオドプシンII‐38に変成する途中で、
暗時間T2に切り替わったとしても、その変成は光化学
反応ではなく熱化学反応であるため、ルミアイオドプシ
ン36は、メタアイオドプシンII‐38に変成する。
ところが、ルミアイオドプシン36がメタアイオドプシ
ンI‐37に変成するまでに、暗時間T2が終了してし
まい、そして、次の明時間T1となった場合、ルミアイ
オドプシン36がアイオドプシン30に戻る逆方向の光
化学反応が発生する。従って、ルミアイオドプシン16
がアイオドプシン14に戻る逆方向の光化学反応は、暗
時間T2にも依存することになる。
【0066】すなわち、図1の光照射装置から照射され
る連続パルス光は、ルミアイオドプシン36からアイオ
ドプシン30に戻る逆方向の光化学反応を、明時間T1
と暗時間T2に依存させながら抑制することができる。
そして、逆方向の光化学反応を抑制されたルミアイオド
プシン36が、メタアイオドプシンII‐38に変成
し、その分が、前記神経系電気信号を大きくする。この
実験結果が、前述の図5に示されている。
【0067】なお、本実施の形態における図1の光照射
装置は、図13におけるルミアイオドプシン36に対し
て、逆方向の光化学反応を抑制するように連続パルス光
を照射するものとしたが、本発明の光照射装置は、アイ
オドプシン30とメタアイオドプシンII‐38の間の
何れかの一部又は全部の物質に対して、逆方向の光化学
反応を抑制するように光を照射するとしてもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明は、所定時間内の光の照射によるフォトンの総量
を増やすことなく、光の照射による感光をより明るくす
ることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光照射装置にかかる一実施の形態の構
成図
【図2】本実施の形態の光照射装置から出力される連続
パルス光の波形を示す図
【図3】本実施の形態の光照射装置に関する交照法によ
る明るさの測定方法を示した図
【図4】図3における観測光106について説明した図
【図5】本実施の形態の光照射装置から照射された連続
パルス光のパルス幅とパルス間隔の波形条件が変化した
とき、感光による明るさがどのように変化するかを、交
照法により測定したグラフ
【図6】色素2が順方向の化学反応により中間生成物3
に変成するのに要する時間を明時間T1とし、且つ、中
間生成物3が熱化学反応により色素が分解した物質4に
なるのに要する時間を暗時間T2とした場合の、色素2
の変成のプロセスの概略を示す図
【図7】人の視覚機能の概略を示した図
【図8】図7の網膜6の構造を更に詳しく示した図
【図9】受光器細胞1で行われる明るさの信号に関する
イオンチャネル制御に至る経緯の概略を示す図
【図10】色素2のより詳細な変成のプロセスを示す図
【図11】受光器細胞1におけるイオンの動きを模式的
に示した図
【図12】図11のイオンの動きをまとめて、更に模式
的に表した図
【図13】色素2がアイオドプシンである場合の変成の
プロセスを示す図
【符号の説明】
100 入力装置 101 記憶装置 102 制御装置 103 半導体レーザー 104 電源回路 105 拡散板

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 視覚細胞に含まれる色素が、光化学反応
    又は熱化学反応により中間生成物に変成し、その中間生
    成物が、熱化学反応により前記色素が分解した物質にな
    る過程において、前記中間生成物から前記色素へ戻る光
    化学反応を抑制するように光を照射することを特徴とす
    る光照射方法。
  2. 【請求項2】 前記光は、明るい時間T1及び暗い時間
    T2に基づいて決定される明暗を有することを特徴とす
    る請求項1記載の光照射方法。
  3. 【請求項3】 明るい時間T1及び暗い時間T2により
    決定される明暗を有する光を照射する光照射方法であっ
    て、 前記明るい時間T1及び暗い時間T2は、視覚細胞に含
    まれる色素が光化学反応又は熱化学反応により中間生成
    物に変成する時間と、前記中間生成物が熱化学反応によ
    り前記色素が分解した物質になるまでの時間とに基づき
    決定されることを特徴とする光照射方法。
  4. 【請求項4】 明るい時間T1及び暗い時間T2に基づ
    いて決定される明暗を有する光を照射する光照射方法で
    あって、 前記明るい時間T1は、視覚細胞に含まれる色素が光化
    学反応又は熱化学反応により中間生成物に変成するのに
    要する時間以下に相当し、 前記暗い時間T2は、前記中間生成物が熱化学反応によ
    り前記色素が分解した物質になるのに要する時間以上に
    相当することを特徴とする光照射方法。
  5. 【請求項5】 10マイクロ秒以下の明るい時間T1と
    10マイクロ秒以上の暗い時間T2とに基づいて決定さ
    れる明暗を有する光を照射することを特徴とする光照射
    方法。
  6. 【請求項6】 前記視覚細胞とは、受光器細胞であるこ
    とを特徴とする請求項1、3又は4記載の光照射方法。
  7. 【請求項7】 前記光の明暗は、所定時間におけるフォ
    トンの総量に基づいて決定されることを特徴とする請求
    項1、3、4又は5記載の光照射方法。
  8. 【請求項8】 前記色素とはロドプシンであり、 前記色素が分解した物質とは、メタロドプシンI又はメ
    タロドプシンIIであり、 前記中間生成物とは、前記色素と前記色素が分解した物
    質との中間の物質であることを特徴とする請求項1、3
    又は4記載の光照射方法。
  9. 【請求項9】 前記色素とはアイオドプシンであり、 前記色素が分解した物質とは、メタアイオドプシンI又
    はメタアイオドプシンIIであり、 前記中間生成物とは、前記色素と前記色素が分解した物
    質との中間の物質であることを特徴とする請求項1、3
    又は4記載の光照射方法。
  10. 【請求項10】 光を照射する光源と、 前記光を照射するためのエネルギーを前記光源に供給す
    るためのエネルギー供給手段と、 前記光源から照射される光の明暗を制御する制御手段
    と、 前記明暗に関する明るい時間T1及び暗い時間T2を記
    憶している記憶手段とを備え、 前記明るい時間T1及び暗い時間T2は、視覚細胞に含
    まれる色素が光化学反応又は熱化学反応により中間生成
    物に変成する時間と、前記中間生成物が熱化学反応によ
    り前記色素が分解した物質になるまでの時間とに基づい
    て、前もって決定されたものであることを特徴とする光
    照射装置。
  11. 【請求項11】 光を照射する光源と、 前記光を照射するためのエネルギーを前記光源に供給す
    るためのエネルギー供給手段と、 前記光源から照射される光の明暗を制御する制御手段
    と、 前記明暗に関する明るい時間T1及び暗い時間T2を記
    憶している記憶手段とを備え、 前記明るい時間T1は、視覚細胞に含まれる色素が光化
    学反応又は熱化学反応により中間生成物に変成するのに
    要する時間以下に相当し、 前記暗い時間T2は、前記中間生成物が熱化学反応によ
    り前記色素が分解した物質になるのに要する時間以上に
    相当することを特徴とする光照射装置。
  12. 【請求項12】 光を照射する光源と、 前記光を照射するためのエネルギーを前記光源に供給す
    るためのエネルギー供給手段と、 前記光源から照射された光の明暗を制御する制御手段
    と、 前記明暗に関する明るい時間T1及び暗い時間T2を記
    憶している記憶手段とを備え、 前記明るい時間T1は10マイクロ秒以下であり、 前記暗い時間T2は10マイクロ秒以上であることを特
    徴とする光照射装置。
  13. 【請求項13】 光を照射する光源と、 その光源から照射される光の明暗を制御する制御手段と
    を備え、 視覚細胞に含まれる色素が、光化学反応又は熱化学反応
    により中間生成物に変成し、その中間生成物が、熱化学
    反応により前記色素が分解した物質になる過程におい
    て、前記光は、前記中間生成物から前記色素へ戻る光化
    学反応を抑制するように照射されることを特徴とする光
    照射装置。
  14. 【請求項14】 前記光の明暗は、所定時間におけるフ
    ォトンの総量に基づいて決定されることを特徴とする請
    求項10、11又は12記載の光照射装置。
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