JPH08279231A - ディスク自動演奏装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスクをトレイに対して正規な位置に戻
す。 【構成】 ディスク外周部押圧レバー８２がディスク把
持解除レバー８０Ｂの回動と連動してディスク２の外周
部２ａ側に進出するように設けられている。また、ディ
スク演奏機構部６０には、ディスク外周部位置規制部６
１ｂが箱体６１の上部に突出形成されている。そして、
ディスク２をターンテーブル６３から元のトレイ３（〜
５）に戻す際、ディスク２のトレイ３（〜５）への把持
解除中にディスク外周部押圧レバー８２に回動自在に設
けた押圧棒８４でディスク２の外周部２ａを押圧してト
レイ３（〜５）に対して正規な位置に戻す一方、ディス
ク２のトレイ３（〜５）への把持解除中にディスク２の
外周部２ａがディスク外周部位置規制部６１ｂのテーパ
部６１ｂ_１に沿って当接しながら下降して、ディスク２
の中心孔２ｂがターンテーブル６３のスピンドル部６３
ａと略合致するように正規な位置まで戻す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスクを装着したト
レイを複数密に積層したディスク収納マガジンを用い、
このディスク収納マガジンをディスク自動演奏装置内に
挿入し、所定のマガジン載置位置で所望のディスクを装
着したトレイを選択及び分離し、且つ、トレイを分離し
た位置にディスク演奏機構部を臨ませて所望のディスク
を自動的に演奏できるよう構成したディスク自動演奏装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ディスクを装着したトレイを複数積層し
たディスク収納マガジンをディスク自動演奏装置内に挿
入し、このうち所望のディスクを選択してディスク演奏
機構部により自動演奏できるよう構成したディスク自動
演奏装置は各種の形態構造が採用されているものの、本
出願人は特開平６−２３１５２６号公報にて、ディスク
を装着したトレイをトレイ載置台上に複数密に積層した
ディスク収納マガジンを用い、このディスク収納マガジ
ンをディスク自動演奏装置内に挿入し、所定のマガジン
載置位置で所望のディスクを装着した一つのトレイを選
択及び分離し、トレイを分離した位置にディスク演奏機
構部を臨ませて所望のディスクを自動的に演奏できるよ
う構成したディスク自動演奏装置を提案している。

【０００３】図２３は従来のディスク自動演奏装置の一
例を示した図である。

【０００４】図２３に示した従来のディスク自動演奏装
置は、特開平６−２３１５２６号公報に開示されてお
り、ここでは簡略に説明する。

【０００５】図２３（Ａ），（Ｂ）に示した如く、ディ
スク２を装着したトレイ３〜５をトレイ載置台６上に複
数密に積層したディスク収納マガジン１をディスク自動
演奏装置内の所定のマガジン載置位置となるマガジン載
置部底板４１とマガジン載置部上板４２との間に載置
し、ここでリフター板４５の矢印Ｘ_２方向への移動に伴
ってマガジン載置部上板４２を矢印Ｚ_１方向に上動させ
て、例えば所望のディスク２を装着したトレイ５を選択
し、且つ、選択したトレイ５（又はトレイ３，４）と、
トレイ載置台６との間（又は選択したトレイ３，４に隣
り合うトレイ４，５との間）に所定の間隔Ｋを維持する
ようトレイ５（又はトレイ３，４）を分離した後、この
所定の間隔Ｋ内に揺動支持したディスク演奏機構部６０
のターンテーブル６３及び光ピックアップ６５を臨ま
せ、ディスク２のディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂに
よるトレイ５（又はトレイ３，４）への把持を解除して
所望のディスク２のみをターンテーブル６３上にチャッ
キングし、光ピックアップ６５により所望のディスク２
を自動演奏するよう構成されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来のディスク自動演奏装置では、マガジン１を分離した
位置でディスク演奏機構部６０を揺動して臨ませている
ので、装置内にディスク２の演奏場所を別に設ける必要
がなくなり、装置側の占有面積を小さく設定でき、装置
の小型化に寄与できる。

【０００７】この際、図２３（Ａ），（Ｂ）において、
所望のディスク２がトレイ５に対して実線で示したよう
な正規な位置にディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂによ
って把持されている場合には、ディスク２の中央孔２ｂ
がターンテーブル６３のスピンドル部６３ａの略真上に
いるため、ディスク２をターンテーブル６３上に確実に
搭載することができる。

【０００８】一方、ディスク２をターンテーブル６３か
ら外して再び元のトレイ５に戻す場合に、図２３
（Ａ），（Ｃ）に示した如く、所望のディスク２が二点
鎖線で示したように斜めな状態でアンチャキングされた
場合には、ディスク２がトレイ５に対して正規な位置か
ら変位した状態で元のトレイ５に戻されてしまうので、
次回のディスク演奏動作ではディスク２をターンテーブ
ル６３上に確実に搭載することができない場合が起こ
る。この場合に、高価なディスク２を傷めてしまった
り、あるいは装置にダメージを与えるなどの問題が生じ
ていた。

【０００９】そこで、ディスク２をトレイ３（〜５）に
戻す場合に、トレイ３（〜５）に対して正規な位置に戻
す手段を備えたディスク自動演奏装置が望まれている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、ディスクの外周部をディスク把
持レバーで把持しながら該ディスクを装着したトレイを
トレイ載置台上に複数密に積層したディスク収納マガジ
ンを用い、このディスク収納マガジンをディスク自動演
奏装置内に挿入し、所定のマガジン載置位置で所望のデ
ィスクを装着した一つの前記トレイを選択及び分離し、
且つ、分離した該トレイと、分離した該トレイに隣り合
うトレイ又は前記トレイ載置台との間に所定の間隔を維
持してディスク演奏機構部のターンテーブル及び光ピッ
クアップを前記所定の間隔内に臨ませて、ディスク把持
解除レバーにより前記ディスク把持レバーの前記ディス
クへの把持を解除した後に、前記ディスクを前記ターン
テーブルに搭載して前記光ピックアップにより前記ディ
スクを自動的に演奏できるよう構成したディスク自動演
奏装置において、前記ディスク把持解除レバーと連動し
て前記ディスクの外周部に進出するよう設けられ、前記
ディスクの前記一つのトレイへの把持解除中に該ディス
クの位置を該トレイに対して正規な位置となるよう該デ
ィスクの外周部を押圧するディスク外周部押圧手段と、
前記ディスク演奏機構部に設けられ、前記ディスクの前
記一つのトレイへの把持解除中に該ディスクの中心孔が
前記ターンテーブルのスピンドル部と略合致するように
該ディスクの外周部の位置を規制するディスク外周部位
置規制手段とを具備したことを特徴とするディスク自動
演奏装置を提供するものである。

【００１１】

【実施例】以下に本発明に係わるディスク自動演奏装置
の一実施例を図１乃至図２２を参照して｛ディスク収納
マガジンの構成｝，｛ディスク収納マガジンの使用形
態｝，｛ディスク収納マガジンを採用したディスク自動
演奏装置の構成｝，｛ディスク自動演奏装置のトレイ分
離動作及びディスク演奏動作｝について項目順に詳細に
説明する。

【００１２】｛ディスク収納マガジンの構成｝まず始め
に、本発明に係わるディスク自動演奏装置に適用される
ディスク収納マガジンの構成について図１乃至図５を用
いて説明する。

【００１３】図１は本発明に係わるディスク自動演奏装
置に適用されるディスク収納マガジンの外観を示した斜
視図、図２はディスク収納マガジンの構成部材を分解し
て示した分解斜視図、図３は一例の下段トレイを示した
平面図、図４（Ａ），（Ｂ）はディスク把持レバー及び
ロックレバーの動作を説明するための図、図５（Ａ）〜
（Ｃ）はディスク排出レバーを説明するための図であ
る。

【００１４】図１に示したディスク収納マガジン１（以
下、マガジン１とも記す）は、後述するように例えばコ
ンパクトディスク（ＣＤ）などのディスク（光ディス
ク）２を選択的に自動演奏するディスク自動演奏装置３
０（図１１）に適用できるよう構成したものである。

【００１５】上記マガジン１は、ディスク２の外周部２
ａを把持しながらディスク２を装着したトレイ３〜５が
複数枚用意され、図１に示した携帯可能な初期状態で
は、上段トレイ３，中段トレイ４，下段トレイ５がマガ
ジン１の基台として設けたトレイ載置台６上に密に積層
され、且つ、トレイ載置台６の裏面をマガジン挿脱方向
（矢印Ｘ_１，Ｘ_２方向）に摺動可能に支持されたマガジ
ンスライド板７を介して複数のトレイ３〜５及びトレイ
載置台６の外周部を一部囲いながら携帯できる状態に枠
組みされてマガジン１として組み立てられている。更
に、マガジン１は、後述するように、マガジンスライド
板７の摺動位置に対応して２つの使用形態を取ることが
できるよう構成されており、即ち、マガジンスライド板
７が矢印Ｘ_１方向に摺動して図１及び図６〜図８に示し
た第１位置に至った時には、マガジン１が携帯可能な初
期状態であり、且つ、ディスク２を挿脱することを許容
されている。

【００１６】一方、マガジン１をディスク自動演奏装置
３０（図１１）内に挿入し、挿入動作に伴ってマガジン
スライド板７が矢印Ｘ_２方向に摺動して図９に示した第
２位置に至った時には、トレイ分離可能な状態となり、
その後図１０に示したようにトレイ載置台６上に密に積
層したトレイ３〜５のうちで所望のトレイ（３〜５）を
選択し、この所望のトレイの下方に所定の間隔Ｋを維持
するよう所望のトレイを分離し、この所定の間隔Ｋ内に
ディスク演奏機構部６０を臨ませる形態を取っている。
尚、以下の説明において、“トレイ３〜５を密に積層し
た状態”とは、隣り合うトレイがお互いに隙間なく接触
し、且つ、下段トレイ５もトレイ載置台６に隙間なく接
触して積層した状態である。

【００１７】また、マガジン１が携帯可能な初期状態で
は、マガジン１内にディスク２を装着したトレイ３〜５
と、ディスク２を装着してないトレイ３〜５とが混在可
能となっている。そして、例えば周知のコンパクトディ
スクを３枚のトレイ３〜５にそれぞれ組ごとに収納し、
トレイ３〜５を密に積層して構成した場合には、マガジ
ン１の外形寸法のうち縦×横寸法がコンパクトディスク
の外形寸法（直径１２０ｍｍ）より僅かに大きく１２５
×１２５ｍｍ程度に形成され、高さ寸法は１０ｍｍ程度
と超薄形に形成され、携帯性能が良好となっている。
尚、実施例ではディスク２を装着したトレイ３〜５を３
枚積層しているが、ディスク２の装着枚数に応じてトレ
イ数を適宜設定すれば良い。

【００１８】次に、図２を用いてマガジン１の上記構成
部材を更に詳しく説明する。

【００１９】図２において、トレイ３〜５を密に積層す
るためのトレイ載置台６は、樹脂材を用いてＬ字状に形
成され、薄肉平坦で一部矩形状に形成された上面６ａの
端部から側板部６ｂを直角上方に一体的に突出してい
る。また、上面６ａ側の各側面は、側板部６ｂに直角で
間隔を離して互いに平行に対向する側面６ｃ，６ｄと、
側板部６ｂと間隔を離して平行に対向する側面６ｅとが
形成され、更に、側面６ｄと側面６ｅとが交差するコー
ナにはディスク２の外形寸法より一回り大きなＲ径に形
成されたＲ部６ｆが形成されている。

【００２０】また、トレイ載置台６の側板部６ｂの内側
には係止部６ｂ_１がトレイ３〜５の厚みと略対応して段
状に形成されており、後述するように所望のトレイ（３
〜５）を選択及び分離後、図１０〜図１２に示したター
ンテーブル６３及び光ピックアップ６５を一体に有する
箱体６１を備えたディスク演奏機構部６０が所望のトレ
イの下方に臨む際、箱体６１を揺動自在に支持するアー
ム体６９の被係止部６９ａが係止部６ｂ_１の段内に進入
することにより、選択したトレイのディスク２の中心孔
２ｂとターンテーブル６３とを位置合わせできるように
なっている。また、トレイ載置台６のＲ部６ｆからは下
段トレイ５に装着したディスク２を最短距離で容易に挿
脱でき、しかも、選択及び分離した下段トレイ５の下方
にディスク演奏機構部６０（図１０〜図１２）が最短移
動（揺動）距離で入り込めるようになっている。

【００２１】また、トレイ載置台６の裏面６ｇには、下
記するマガジンスライド板７を矢印Ｘ_１，Ｘ_２方向に案
内する台形凹部６ｇ_１がほぼ台形状に極浅く形成され、
この台形凹部６ｇ_１の右端でマガジンスライド板７の矢
印Ｘ_１方向の移動を規制してマガジンスライド板７を第
１位置に至らし、左端でマガジンスライド板７の矢印Ｘ
_２方向の移動を規制してマガジンスライド板７を第２位
置に至らすようになっている。また、台形凹部６ｇ_１と
連接して側板部６ｂ側に矩形孔６ｈが貫通して穿設さ
れ。側面６ｃ，６ｄ側に大矩形孔と小矩形孔とをＬ字状
に連接した段付き摺動孔６ｉ_１〜６ｉ_３が夫々貫通して
穿設されており、更に台形凹部６ｇ_１内にも矩形孔６ｊ
が貫通して穿設されている。

【００２２】次に、トレイ載置台６の裏面６ｇ側をマガ
ジン挿脱方向（矢印Ｘ_１，Ｘ_２方向）に摺動するマガジ
ンスライド板７は、薄いステンレス板材などを用いて一
体的に折り曲げ形成されている。このマガジンスライド
板７は後述するように、トレイ３〜５を携帯可能に枠組
みしたり、装置３０内で所望のトレイ（３〜５）を分離
可能な状態にする重要な機能を備えている。即ち、マガ
ジンスライド板７は、上面７ａがほぼ台形状に平坦に形
成されており、トレイ載置台６の側板部６ｂ及側面６ｃ
〜６ｅに対応して側面７ｂ〜７ｅが形成され、トレイ載
置台６のＲ部６ｆに対応して傾斜部７ｆが形成されてい
る。また、マガジンスライド板７の側面７ｂには当接部
７ｂ_１が上面７ａに対して上方に垂直に折り曲げ形成さ
れており、側面７ｃ，７ｄにはトレイ載置台６の段付き
摺動孔６ｉ_１〜６ｉ_３と対応して係止部（以下、折曲部
と記す）７ｃ_１，７ｃ_２，７ｄ_１が上面７ａに対して上
方に低い高さで垂直に折り曲げ形成された後、折曲部７
ｃ_１，７ｃ_２，７ｄ_１の上端が互いに外方に向かって水
平に逆向きＬ字状に折り曲げ形成され、更に上面７ａ内
には切り起こし片７ａ_１が上方に垂直に折り曲げ形成さ
れている。

【００２３】上記マガジンスライド板７の当接部７ｂ_１
は後述のロックレバー１５を装置３０（図１１）内でロ
ックを解除するための機能を備え、折曲部（係止部）７
ｃ_１，７ｃ_２，７ｄ_１は後述の上段トレイ３に形成した
被係止部（以下、Ｌ字状垂下部と記す）３ｉ_１〜３ｉ_３
を内側上方から対向して挟み込んで上段トレイ３の上動
を係止することによりマガジン１を枠組みする機能を備
え、更に、切り起こし片７ａ_１は下記するフック部材９
を係止してマガジンスライド板７を第１位置に係止する
機能を備えている。この際、後述するように、上段トレ
イ３のＬ字状垂下部３ｉ_１〜３ｉ_３はトレイ載置台６側
に垂下して上段トレイ３より下方のトレイ４，５を内側
に積層状態で囲い込むよう形成されているので、マガジ
ンスライド板７の折曲部７ｃ_１，７ｃ_２，７ｄ_１を上段
トレイ３側まで延出する必要がなく、これによりマガジ
ンスライド板７として例えば薄いステンレス板材などを
用いても変形することがないなどの利点がある。そし
て、マガジンスライド板７は、当接部７ｂ_１がトレイ載
置台６に形成した矩形孔６ｈ内に裏面６ｇ側から上面６
ａ側に突出して入り込み、折曲部７ｃ_１，７ｃ_２，７ｄ
_１がトレイ載置台６に形成した段付き摺動孔６ｉ_１〜６
ｉ_３内に裏面６ｇ側から上面６ａ側に突出して入り込
み、更に切り起こし片７ａ_１が矩形孔６ｊ内に裏面６ｇ
側から上面６ａ側に突出することなく入り込むことによ
って、マガジンスライド板７は側面７ｂ側に設けたネジ
リバネ８Ａ，８Ｂを介してトレイ載置台６の台形凹部６
ｇ_１内を矢印Ｘ_１方向に摺動付勢されている。

【００２４】また、トレイ載置台６の裏面６ｇ側に形成
した台形凹部６ｇ_１内には、フック部材９が軸１０を中
心としてネジリバネ１１によって時計方向に付勢されて
回動支持されている。このフック部材９は、トレイ載置
台６の矩形孔６ｊ内に入り込んだマガジンスライド板７
の切り起こし片７ａ_１を係止することにより、マガジン
スライド板７を第１位置に係止している。上記マガジン
スライド板７の切り起こし片７ａ_１，フック部材９，ネ
ジリバネ１１などがマガジンスライド板移動規制手段と
なる。

【００２５】また、トレイ載置台６の側面６ｅから裏面
６ｇ側にガイド溝６ｋが台形凹部６ｇ_１内まで連接して
形成され、このガイド溝６ｋに後述する装置３０側のマ
ガジン載置部底板４１に形成した係止解除片４１ａ
_１（図９，図１１，図１３）がマガジン１の挿入動作に
伴って入り込み、係止解除片４１ａ_１がガイド溝６ｋ内
に臨んだフック部材９を押すので、フック部材９はネジ
リバネ１１に抗して軸１０を中心として図示反時計方向
に回動し、フック部材９と切り起こし片７ａ_１との係止
が解除されると共に、係止解除片４１ａ_１に押されてマ
ガジンスライド板７が第２位置に至るようになってい
る。上記係止解除片４１ａ_１は、マガジンスライド板移
動規制解除手段となっている。

【００２６】また、トレイ載置台６の側面６ｃ，６ｄ側
で段付き摺動孔６ｉ_１〜６ｉ_３より外側の上面６ａに
は、マガジン１の装置３０への挿入動作に伴って、装置
３０側のマガジン載置部底板４１（図１０，図１３）の
トレイ載置台支持部４１ｃ_４，４１ｃ_５，４１ｄ_３が入
り込めるようになっている。

【００２７】また、トレイ載置台６の裏面６ｇ側にマガ
ジン位置決め用孔６ｍが浅く形成され、このマガジン位
置決め用孔６ｍ内に装置３０側のマガジン係止手段とな
る摺動部材４８に形成した突出部４８ｂ（図１１，図１
３）が入り込むことにより、マガジン１がトレイ分離可
能な状態で装置３０内に位置決め係止されるようになっ
ている。

【００２８】次に、トレイ載置台６の上面６ａに密に積
層される複数のトレイ３〜５は、樹脂材を用いて薄肉平
坦に形成され、トレイ載置台６の上面６ａと外形形状が
ほぼ同等に形成されており、トレイ載置台６の上面６ａ
と対応するトレイ３〜５の各部所に夫々上面３ａ〜５
ａ，側面３ｂ〜３ｅ，４ｂ〜４ｅ，５ｂ〜５ｅ，Ｒ部３
ｆ〜５ｆ，裏面３ｇ〜５ｇと必要に応じて適宜付す。こ
のうち、側面３ｂ〜５ｂはトレイ載置台６の側板部６ｂ
の内側に対応して積層状態を位置決めすると共に保護し
ている。

【００２９】まず、複数のトレイ３〜５は、実施例では
上段トレイ３，中段トレイ４，下段トレイ５から構成さ
れており、これらのトレイ３〜５は一部外観形状が異な
っている。

【００３０】即ち、上段トレイ３は側面３ｃ，３ｄに沿
って選択用係合部（以下、鍔部と記す）３ｃ_１，３ｄ_１
が内側に向かって段付き薄肉に形成されており、これら
の鍔部３ｃ_１，３ｄ_１の裏面に装置３０側のマガジン載
置部上板４２（図１０，図１３）の上段トレイ支持部４
２ｃ_１，４２ｃ_２，４２ｄ_１が入り込めるようになって
いる。

【００３１】また、上段トレイ３の側面３ｃ，３ｄに形
成した鍔部３ｃ_１，３ｄ_１の内側には、Ｌ字状垂下部
（被係止部）３ｉ_１〜３ｉ_３が裏面３ｇから下方のトレ
イ載置台６側に垂下して上段トレイ３より下方の中段ト
レイ４及び下段トレイ５を内側に積層状態で囲い込むよ
う形成されており、Ｌ字状垂下部３ｉ_１〜３ｉ_３の下端
は夫々内側に水平にＬ字状に曲げ形成されている。ま
た、これらのＬ字状垂下部３ｉ_１〜３ｉ_３は、下方のト
レイ載置台６に形成した段付き摺動孔６ｉ_１〜６ｉ_３内
を上下方向に進退自在となっており、且つ、トレイ載置
台６の裏面６ｇ側に突出しない長さに形成されており、
段付き摺動孔６ｉ_１〜６ｉ_３に入り込んだ際に上段トレ
イ３はトレイ載置台６に対して水平及び垂直方向に位置
決めされている。即ち、後述するように、上段トレイ３
のＬ字状垂下部３ｉ_１〜３ｉ_３がトレイ載置台６の段付
き摺動孔６ｉ_１〜６ｉ_３内に入り込み、且つ、マガジン
スライド板７が第１位置に至っている時には、Ｌ字状垂
下部３ｉ_１〜３ｉ_３がマガジンスライド板７の折曲部７
ｃ_１，７ｃ_２，７ｄ_１によって内側上方から対向して挟
まれて覆われ上段トレイ３の上動を係止されているた
め、Ｌ字状垂下部３ｉ_１〜３ｉ_３は段付き摺動孔６ｉ_１
〜６ｉ_３内から上方へ抜けでることができず、一方、マ
ガジンスライド板７が第２位置に至っている時には、Ｌ
字状垂下部３ｉ_１〜３ｉ_３が折曲部７ｃ_１，７ｃ_２，７
ｄ_１から係止を解除されているので段付き摺動孔６ｉ_１
〜６ｉ_３内から上方に抜けでることができるようになっ
ている。

【００３２】次に、中段トレイ４の側面４ｃ，４ｄに
は、上段トレイ３のＬ字状垂下部３ｉ_１〜３ｉ_３を逃げ
るための凹部４ｃ_１，４ｃ_２，４ｄ_１が側面４ｃ，４ｄ
の内側に向かって形成され、且つ、下記する下段トレイ
５の選択用係合部（以下、部分鍔部と記す）５ｃ_３，５
ｃ_４，（５ｄ_２）を逃げるための凹部４ｃ_３，４ｃ_４，
４ｄ_２が側面４ｃ，４ｄの内側に向かって形成され、更
に、選択用係合部（以下、部分鍔部と記す）４ｃ_５，４
ｃ_６，４ｄ_３が上段トレイ３の鍔部３ｃ_１，３ｄ_１と同
一突出位置まで側面４ｃ，４ｄより外側に部分的に突出
して段付き薄肉に形成されている。上記中段トレイ４の
部分鍔部４ｃ_５，４ｃ_６，４ｄ_３には、装置３０側の第
１トレイ選択板４３（図１３）のトレイ選択部４３
ｃ_１，４３ｃ_２，４３ｄ_１及び第２トレイ選択板４４
（図１３）のトレイ選択部４４ｃ_１，４４ｃ_２，４４ｄ
_１が選択的に入り込めるようになっている。

【００３３】次に、下段トレイ５の側面５ｃ，（５ｄ）
には、上段トレイ３のＬ字状垂下部３ｉ_１〜３ｉ_３を逃
げるための凹部５ｃ_１，５ｃ_２，（５ｄ_１）が側面５
ｃ，（５ｄ）の内側に向かって形成され、且つ、部分鍔
部５ｃ_３，５ｃ_４，（５ｄ_２）が下段トレイ５に積層し
た中段トレイ４側に立ち上がって中段トレイ４の凹部４
ｃ_３，４ｃ_４，４ｄ_２内に入り込んだ後、中段トレイ４
の部分鍔部４ｃ_５，４ｃ_６，４ｄ_３と同一高さ位置で、
且つ、部分鍔部４ｃ_５，４ｃ_６，４ｄ_３と同一突出位置
まで側面５ｃ，（５ｄ）より外側に部分的に突出して段
付き薄肉に形成されている。上記下段トレイ５の部分鍔
部５ｃ_３，５ｃ_４，（５ｄ_２）にも、装置３０側の第１
トレイ選択板４３（図１３）のトレイ選択部４３ｃ_１，
４３ｃ_２，４３ｄ_１及び第２トレイ選択板４４（図１
３）のトレイ選択部４４ｃ_１，４４ｃ_２，４４ｄ_１が選
択的に入り込めるようになっている。

【００３４】次に、トレイ３〜５の上面３ａ（〜５ａ）
のほぼ中央部には、ディスク２の中央孔２ｂより一回り
大きな中央孔３ａ_１（〜５ａ_１）が裏面３ｇ（〜５ｇ）
に貫通して穿設されており、且つ、これらの中央孔３ａ
_１（〜５ａ_１）を中心として裏面３ｇ（〜５ｇ側）にＲ
部３ｆ〜５ｆのディスク挿脱口（図３に５ｆ_１のみ図
示）から挿入されるディスク２を収納する円形凹部３ｇ
_１（〜５ｇ_１）がディスク２の外形寸法より一回り大き
く、且つ、ディスク２の厚み程度に凹状に形成されてい
る。とくに、トレイ３〜５のＲ部３ｆ〜５ｆに形成した
ディスク挿脱口は、トレイ３〜５を密に積層した場合で
もディスク２の挿脱ができるよう、この部分は他の周辺
よりも薄い厚みに形成され、ディスク２を傷つけること
なく、且つ、塵埃などが入り込まない程度に形成されて
いる。

【００３５】また、トレイ３〜５の裏面３ｇ（〜５ｇ
側）で、トレイ３〜５の側面３ｄ，３ｅ，（４ｄ，４
ｅ），（５ｄ，５ｅ）近傍には、ディスク２の外周部２
ａを把持するディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂがディ
スク２の中央孔２ｂを介して一対回動支持されている。
これらのディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂは、図３に
一例として下段トレイ５を拡大して示した如く、下段ト
レイ５の側面５ｂと側面５ｄとが交差するコーナ近傍，
側面５ｃと側面５ｅとが交差するコーナ近傍に設けられ
ており、ディスク把持レバー１２Ａは軸１３Ａを中心に
ネジリバネ１４Ａにより時計方向に付勢されてディスク
２を把持し、一方、ディスク把持レバー１２Ｂは軸１３
Ｂを中心にネジリバネ１４Ｂにより反時計方向に付勢さ
れてディスク２を把持している。この際、ディスク把持
レバー１２Ａ，１２Ｂの一端部に形成したディスク把持
部１２ａ_１，１２ｂ_１がディスク２の外周部２ａを把持
し、軸１３Ａ，１３Ｂを介した他端部に形成した押圧部
１２ａ_２，１２ｂ_２は側面５ｄ，５ｅに形成した凹部５
ｄ_３，５ｅ_１に臨んでいる。そして、これらの押圧部１
２ａ_２，１２ｂ_２に装置３０側のディスク把持解除レバ
ー８０Ａ，８０Ｂ（図１４，図２０）が当接するできる
ようになっている。

【００３６】また、ディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂ
のディスク把持部１２ａ_１，１２ｂ_１の配設位置は、例
えば下段トレイ５を例にすると、下段トレイ５のＲ部５
ｆから挿脱されるディスク２の挿脱方向にほぼ直角でデ
ィスク２の中央孔２ｂの中心を通る直線に対してディス
ク２の挿脱側にほぼ平行に僅かな寸法δｍｍほどオフセ
ットした直線と、ディスク２の外周部２ａとが交わる位
置近傍にほぼ対向して配設されており、即ち、ディスク
２の挿脱側に設定されている。従って、ディスク２を下
段トレイ５に挿入する時には、ディスク把持レバー１２
Ａ，１２Ｂをネジリバネ１４Ａ，１４Ｂによって付勢し
たまま、Ｒ部５ｆからネジリバネ１４Ａ，１４Ｂに抗し
ながらディスク２を挿入すると、ネジリバネ１４Ａ，１
４Ｂによるディスク把持部１２ａ_１，１２ｂ_１からのデ
ィスク２の外周部２ａへの分力がディスク２を下段トレ
イ５内に引き込む力として作用するのでディスク２を下
段トレイ５内に確実に挿入できる一方、マガジン１の携
帯時にはディスク２が下段トレイ５から離脱できにくく
なる利点がある。勿論、上段トレイ３及び中段トレイ４
に設けたディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂのディスク
把持部１２ａ_１，１２ｂ_１の配設位置も上記と同様にデ
ィスク２の挿脱側にオフセットされている。尚、ディス
ク把持レバー１２Ａ，１２Ｂは、トレイ３〜５を積層し
た時に積層側に突出しないよう設けられているものであ
る。

【００３７】図２に戻り、トレイ載置台６の側板部６ｂ
の内側の上面６ａには、トレイ３〜５に回動支持したデ
ィスク把持レバー１２Ａをロックするためのロックレバ
ー１５が軸１６を中心にネジリバネ１７により時計方向
に付勢されて回動支持されている。このロックレバー１
５は、ディスク把持レバー１２Ａをロックすることによ
りディスク２の挿脱を禁止する機能を備え、ロック解除
動作によってディスク把持レバー１２Ａへのロックを解
除するとディスク２の挿脱を許容されるものである。ま
た、ロックレバー１５は、下段トレイ５及び中段トレイ
４の側面５ｂ，４ｂから内側に向かって形成した凹部
（５ｂ_１），４ｂ_１内を通り抜けて、上方の操作部１５
ａが上段トレイ３に穿設した貫通楕円孔３ａ_２内に臨ん
でいる。そして、図４（Ａ）に拡大して示した如く、ト
レイ３〜５の積層時にロックレバー１５によってトレイ
３〜５に回動支持したディスク把持レバー１２Ａをロッ
クするには、ロックレバー１５の一端に形成した係止部
１５ｂがトレイ３〜５に回動支持したディスク把持レバ
ー１２Ａの被係止部１２ａ_３近傍まで軸１６を中心にネ
ジリバネ１７により時計方向に回動しているため、ディ
スク把持レバー１２Ａの押圧部１２ａ_２を押圧しても被
係止部１２ａ_３がロックレバー１５の係止部１５ｂに当
接してしまい、ディスク把持レバー１２Ａは軸１３Ａを
中心に反時計方向に回動することができない状態とな
る。この時、ロックレバー１５の係止部１５ｂは、トレ
イ３〜５に回動支持した複数のディスク把持レバー１２
Ａを同時にロックしている。従って、ロックレバー１５
がディスク把持レバー１２Ａをロックしている時には、
ディスク把持レバー１２Ａのディスク把持部１２ａ_１が
ディスク２を確実に把持しているので、マガジン１の携
帯時に、ディスク２が振動などによりトレイ３〜５から
不用意に離脱することがなくなり、マガジン１の品質及
び信頼性を向上できる。また、ディスク把持レバー１２
Ａはロックレバー１５を介して間接的にロックされてい
るので、ネジリバネ１４Ａの付勢力のみがディスク２の
外周部２ａに加わるため、ディスク２を傷つけることも
ない。

【００３８】また、図４（Ｂ）に拡大して示した如く、
手動によってディスク把持レバー１２Ａをロックレバー
１５からロック解除するには、上段トレイ３に穿設した
貫通楕円孔３ａ_２（図２）内に臨んでいるロックレバー
１５の操作部１５ａをトレイ載置台６の側板部６ｂ（図
２）側に移動すると、ロックレバー１５の係止部１５ｂ
が軸１６を中心にネジリバネ１７に抗して反時計方向に
回動することにより、係止部１５ｂはディスク把持レバ
ー１２Ａの被係止部１２ａ_３近傍から離間するので、デ
ィスク把持レバー１２Ａの押圧部１２ａ_２を押圧して
も、被係止部１２ａ_３が回動できる隙間があり、ディス
ク把持レバー１２Ａは軸１３Ａを中心に反時計方向に回
動することができるのでロック解除状態となる。このよ
うに、ロックレバー１５の操作部１５ａは上段トレイ３
の上面３ａ側に設けられているので操作性が良く、後述
するように、ディスク２の挿脱時にロックレバー１５の
操作部１５ａを行うことができるようになっている。一
方、マガジン１を装置３０（図１１）に挿入した時に
は、マガジン１の挿入動作に伴ってマガジンスライド板
７が第２位置に至り、この際、前述したようにマガジン
スライド板７に形成した当接部７ｂ_１（図２）がトレイ
載置台６に形成した矩形孔６ｈ内からロックレバー１５
の被当接部１５ｃ（図２，図９）側に当接することによ
り、ロックレバー１５の係止部１５ｂが軸１６を中心に
ネジリバネ１７に抗して反時計方向に回動するので、上
記と同様にディスク把持レバー１２Ａをロックレバー１
５からロック解除することができるようになっている。

【００３９】再び図２に戻り、上段トレイ３の裏面３ｇ
側には、ディスク２を排出するためのディスク排出レバ
ー１８が軸１９を中心にネジリバネ２０により反時計方
向に付勢されてディスク２の外周部２ａから退避した状
態で回動支持されている。また、上段トレイ３の上面３
ａには、扇形状の溝付ガイド凹部３ａ_３が極浅く形成さ
れており、この溝付ガイド凹部３ａ_３に扇形状の操作レ
バー２１が矢印Ｗ_１，Ｗ_２方向に摺動自在となってい
る。上記操作レバー２１は、溝付ガイド凹部３ａ_３の溝
３ａ_３１から裏面３ｇ側のディスク排出レバー１８に嵌
め込まれて一体に連結されており、操作レバー２１を矢
印Ｗ_１，Ｗ_２方向に操作することによりディスク排出レ
バー１８が回動自在となっている。このように、ディス
ク排出レバー１８と連結した操作レバー２１が上段トレ
イ３の上面３ａ側に設けられているので、ディスク排出
レバー１８の操作が平面的となり、ディスク排出レバー
１８の操作性が良好となっている。また、ディスク排出
レバー１８は、中段トレイ４及び下段トレイ５の上面４
ａ，（５ａ）に形成した貫通孔４ａ_２，（５ａ_２）内を
通り抜けている。このように、ロックレバー１５の操作
部１５ａは上段トレイ３の上面３ａ側に設けられている
ので操作性が良く、また、図３及び図５（Ａ）〜（Ｃ）
に拡大して示した如く、ディスク排出レバー１８の一端
側に形成したディスク押し出し部１８ａ〜１８ｃは、積
層したトレイ３〜５に装着されたディスク２に応じて長
さ及び高さを順次違えて階段状に形成されている。即
ち、ディスク排出レバー１８のディスク押し出し部１８
ａ〜１８ｃと、ディスク排出レバー１８の回動支点と間
の腕の長さＬ_１〜Ｌ_３は、高さを違えて順次延出されて
いる。ここでは、ディスク押し出し部１８ａは上段トレ
イ用として短く形成され、ディスク押し出し部１８ｂは
中段トレイ用として上段トレイ用より長く形成され、デ
ィスク押し出し部１８ｃは下段トレイ用として中段トレ
イ用より更に長く形成されている。また、ディスク排出
レバー１８のディスク押し出し部１８ａ〜１８ｃは、デ
ィスク２をトレイ３〜５から離脱（排出）する時以外
は、ディスク２の外周部２ａから退避している。これに
より、後述するように、ディスク２をトレイ３〜５から
離脱（排出）する時のみディスク押し出し部１８ａ〜１
８ｃをディスク２の外周部２ａに当接して、ディスク把
持レバー１２Ａ，１２Ｂを付勢するネジリバネ１４Ａ，
１４Ｂに抗しながらディスク２をディスク挿脱口側とな
るトレイ３〜５のＲ部３ｆ〜５ｆ側から押し出すので、
Ｒ部３ｆ〜５ｆから押しだしディスク２は押し出し量及
び高さを夫々違えて階段状に押し出され、即ち、ここで
はディスク押し出し部１８ａ〜１８ｃが上記長さ設定に
より上段から下段に向かって順次押し出し量が大きくな
っているので、ディスク２の取り出しが容易となる。

【００４０】尚、上記構成において、ディスク把持レバ
ー１２Ａをロックするためのロックレバー１５と、階段
状のディスク押し出し部１８ａ〜１８ｃを有するディス
ク排出レバー１８とは、実施例ではトレイ分離可能なマ
ガジン１に適用して説明したが、これに限ることなく、
携帯可能時にディスクをトレイに挿脱でき、且つ、ディ
スクを装着したトレイを複数積層した従来例のような形
態構造にも適用できることは明白である。

【００４１】｛ディスク収納マガジンの使用形態｝ここ
で、上記構成によるマガジン１の使用形態を説明する。

【００４２】図６乃至図１０はディスク収納マガジンの
使用形態を説明するための図である。尚、装置３０との
関連動作についてはここでは簡略に説明し、詳細は後述
するディスク自動演奏装置３０にて詳述する。

【００４３】まず、図６（Ａ）〜（Ｃ）に示したマガジ
ン１の使用形態では、図１と同様にディスク２を装着し
たトレイ３〜５がトレイ載置台６上に密に積層されてお
り、第１位置に至ったマガジンスライド板７により携帯
可能に一体的に枠組みされている状態である。即ち、マ
ガジン１を携帯可能に一体的に枠組みする際には、まず
トレイ載置台６の裏面６ｇ側からマガジンスライド板７
の折曲部７ｃ_１，７ｃ_２，７ｄ_１をトレイ載置台６の段
付き摺動孔６ｉ_１〜６ｉ_３内に挿入し、マガジンスライ
ド板７をネジリバネ８Ａ，８Ｂに抵して矢印Ｘ_２方向に
摺動して第２位置に寄せておく。その後、トレイ３〜５
の側面３ｂ〜５ｂをトレイ載置台６の側板部６ｂの内側
に位置させて、上方から上段トレイ３のＬ字状垂下部３
ｉ_１〜３ｉ_３をトレイ載置台６の段付き摺動孔６ｉ_１〜
６ｉ_３内に入り込ませると、トレイ３〜５がトレイ載置
台６上に密に積層される。ここで、マガジンスライド板
７をネジリバネ８Ａ，８Ｂの付勢力によって矢印Ｘ_１方
向に摺動して第１位置に移動すると、フック部材９がネ
ジリバネ１１の付勢力によって時計方向に回動してマガ
ジンスライド板７の切り起こし片７ａ_１を係止し、即
ち、マガジンスライド板７が第１位置に係止される。ま
た、マガジンスライド板７が第１位置に至った際、マガ
ジンスライド板７の折曲部（係止部）７ｃ_１，７ｃ_２，
７ｄ_１がトレイ載置台６の段付き摺動孔６ｉ_１〜６ｉ_３
内に入り込んだ上段トレイ３のＬ字状垂下部（被係止
部）３ｉ_１〜３ｉ_３を内側上方から対向して挟み込んで
覆って上段トレイ３の上動を係止する係止しているた
め、Ｌ字状垂下部３ｉ_１〜３ｉ_３は段付き摺動孔６ｉ_１
〜６ｉ_３内にから上方に抜け出ることができない。例え
ば、図６（Ｃ）に一部拡大したように、上段トレイ３の
Ｌ字状垂下部３ｉ_１は下端をＬ字状に曲げ形成されて段
付き摺動孔６ｉ_１の大矩形孔６ｉ_１１内に入り込み、一
方、マガジンスライド板７の折曲部７ｃ_１は垂直曲げ部
７ｃ_１１と連接して逆向きＬ字状に折り曲げ形成した水
平曲げ部７ｃ_１２がＬ字状垂下部３ｉ_１を内側上方から
対向して覆いながら係止すると共に、水平曲げ部７ｃ
_１２の一部はトレイ載置台６の上面６ａに当接している
ので、上段トレイ３は上方に移動できず、且つ、マガジ
ンスライド板７もトレイ載置台６から下方に落下でき
ず、これにらによりトレイ３〜５がトレイ載置台６上に
密に積層されて枠組みされている。

【００４４】次に、図７はマガジン１が携帯可能に枠組
みされた状態でトレイ３〜５のＲ部３ｆ〜５ｆからディ
スク２をトレイ３〜５内に挿入する状態を示している。
この状態は、マガジンスライド板７が第１位置に係止さ
れている。ここで、手動により上段トレイ３の上面３ａ
側からロックレバー１５の操作部１５ａをトレイ載置台
６の側板部６ｂ側に移動し、ディスク把持レバー１２Ａ
をロックレバー１５からロック解除しておく。その後、
トレイ３〜５のＲ部３ｆ〜５ｆからディスク２を挿入す
ると、ディスク２は各トレイ３〜５に支持されたディス
ク把持レバー１２Ａ，（１２Ｂ）に把持される。この
際、ディスク２はディスク把持レバー１２Ａ，（１２
Ｂ）を付勢するネジリバネ１４Ａ，（１４Ｂ）に抗しな
がら挿入される。また、前述したようにディスク把持レ
バー１２Ａ，（１２Ｂ）のディスク把持部１２ａ_１，
（１２ｂ_１）はディスク２の挿脱側に設定されているの
で、ディスク２がトレイ３〜５内に確実に引き込まれ
る。

【００４５】次に、図８はマガジン１が携帯可能に枠組
みされた状態でトレイ３〜５のＲ部３ｆ〜５ｆからディ
スク２をトレイ３〜５外に離脱する状態を示している。
この状態も、マガジンスライド板７が第１位置に係止さ
れていると共に、ディスク把持レバー１２Ａがロックレ
バー１５からロック解除されている。ここで、上段トレ
イ３の上面３ａ側からディスク排出レバー１８と連結し
た操作レバー２１を矢印Ｗ_２方向に操作すると、ディス
ク排出レバー１８のディスク押し出し部１８ａ〜１８ｃ
も軸１９を中心に矢印Ｗ_２方向に回動し、高さを違えて
て階段状に形成されたディスク押し出し部１８ａ〜１８
ｃがトレイ３〜５に把持されたディスク２の外周部２ａ
に同時に当接し、ディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂを
付勢するネジリバネ１４Ａ，（１４Ｂ）に抗しながら各
ディスク２をＲ部３ｆ〜５ｆの外に同時に押し出す。こ
の時、Ｒ部３ｆ〜５ｆから押し出された各ディスク２は
押し出し量及び高さを夫々違えて階段状に押し出される
ので、ディスク２が取り出し易くなる。尚、ロックレバ
ー１５によってディスク把持レバー１２Ａをロックして
おけば、ディスク２の挿脱が禁止されると共に、携帯
時、振動などが加わってもディスク２がトレイ３〜５か
ら不用意に離脱しない。

【００４６】次に、図９（Ａ）〜（Ｃ）に示したマガジ
ン１の使用形態では、マガジン１を装置３０（図１１）
内に挿入することにより、挿入動作に伴ってトレイ載置
台６のマガジン位置決め用孔６ｍにマガジン係止手段と
なる摺動部材４８（図１１）に形成した突出部４８ｂが
入り込み、摺動部材４８と一体にトレイ載置台６が装置
３０の奥方に移動することにより、トレイ分離可能な状
態でマガジン１が装置３０内に位置決め係止される。ま
た、前述したように、挿入動作に伴ってトレイ載置台６
のガイド溝６ｋに装置３０側のマガジン載置部底板４１
（図１１）に形成した係止解除片４１ａ_１が矢印Ｘ_２方
向から入り込み、係止解除片４１ａ_１がフック部材９に
当接してフック部材９とマガジンスライド板７の切り起
こし片７ａ_１との係止を解除すると共に、係止解除片４
１ａ_１が更にマガジンスライド板７を矢印Ｘ_２方向に押
すので、マガジンスライド板７が第１位置から第２位置
に至る。また、マガジンスライド板７が第２位置に至っ
た際、マガジンスライド板７の折曲部７ｃ_１，７ｃ_２，
７ｄ_１がトレイ載置台６の段付き摺動孔６ｉ_１〜６ｉ_３
内に入り込んだ上段トレイ３のＬ字状垂下部３ｉ_１〜３
ｉ_３への係止を解除して左方に退避するので、Ｌ字状垂
下部３ｉ_１〜３ｉ_３は段付き摺動孔６ｉ_１〜６ｉ_３内に
から上方に抜け出ることができる。例えば、図９（Ｃ）
に一部拡大したように、上段トレイ３のＬ字状垂下部３
ｉ_１は段付き摺動孔６ｉ_１の大矩形孔６ｉ_１１内に入り
込んでいるものの、一方、マガジンスライド板７の折曲
部７ｃ_１の垂直曲げ部７ｃ_１１が段付き摺動孔６ｉ_１の
小矩形孔６ｉ_１２内に入り込み、且つ、水平曲げ部７ｃ
_１２がＬ字状垂下部３ｉ_１から退避してトレイ載置台６
の上面６ａに当接しているので、上段トレイ３のＬ字状
垂下部３ｉ_１は大矩形孔６ｉ_１１内から上方に移動でき
る状態に至り、トレイ３〜５が分離可能な状態となる。

【００４７】次に、図１０（Ａ）〜（Ｃ）に示した如
く、装置３０内でマガジンスライド板７が第２位置に至
った状態で所望のトレイを選択して所望のトレイを分離
する状態を示し、（Ａ）は下段トレイを分離した場合を
示し、（Ｂ）は中段トレイを分離した場合を示し、
（Ｃ）は上段トレイを分離した場合を示している。尚、
ここでは、トレイ３〜５の側面３ｃ〜５ｃ側，トレイ載
置台６の側面６ｃ側について述べる。まず、（Ａ）〜
（Ｃ）のトレイ選択及び分離時の共通動作は、マガジン
１の挿入動作に伴って、トレイ載置台６の段付き摺動孔
６ｉ_１，６ｉ_２より外側の上面６ａに、装置３０側のマ
ガジン載置部底板４１（図１３）のトレイ載置台支持部
４１ｃ_４，４１ｃ_５が入り込み、トレイ載置台６をマガ
ジン載置部底板４１上に押つける一方、上段トレイ３の
鍔部３ｃ_１に装置３０側のマガジン載置部上板４２（図
１３）の上段トレイ支持部４２ｃ_１，４２ｃ_２が入り込
み、上段トレイ３をマガジン載置部上板４２に支持す
る。また、リフター板４５（図１３）を介して上方に移
動するマガジン載置部上板４２によって上段トレイ３が
一体に上方に持ち上げられる。この際、選択するトレイ
３〜５に関係なく、上段トレイ３はトレイ載置台６に対
して常に所定の一定の高さＨ位置まで持ち上げられてい
る。

【００４８】次に、各段のトレイ３〜５を選択する個々
の動作について説明する。図１０（Ａ）に示したよう
に、下段トレイ５を選択する場合は、マガジン載置部上
板４２に支持された上段トレイ３及び中段トレイ４を下
段トレイ５に積層したまま、下段トレイ５の部分鍔部５
ｃ_３，５ｃ_４をマガジン載置部上板４２側の第２トレイ
選択板４４（図１３）のトレイ選択部４４ｃ_１，４４ｃ
_２により上方に支持する。この際、図示を省略するもの
の、マガジン載置部底板４１側の第１トレイ選択板４３
（図１３）のトレイ選択部４３ｃ_１，４３ｃ_２は右下方
に退避している。一方、トレイ載置台６はマガジン載置
部底板４１上に保持されているので、下段トレイ５とト
レイ載置台６との間に所定の間隔Ｋが維持される。この
所定の間隔Ｋ内にはディスク演奏機構部６０が入り込む
ことができるようになる。この際、ターンテーブル６３
及び光ピックアップ６５を有するディスク演奏機構部６
０を支持したアーム体６９の被係止部６９ａが、トレイ
載置台６の側板部６ｂの内側に形成した係止部６ｂ_１に
係止されることにより、ディスク２の中心孔２ｂとター
ンテーブル６３とを確実に位置合わせできるようになっ
ている。従って、マガジン１を載置した場所でディスク
２を演奏することができるので、ディスク２の演奏場所
を別に設ける必要がなくなり、装置３０側の占有面積を
小さく設定でき、装置３０の小型化に寄与できる。

【００４９】次に図１０（Ｂ）に示したように、中段ト
レイ４を選択する場合は、マガジン載置部上板４２に支
持された上段トレイ３を中段トレイ４に積層したまま、
中段トレイ４の部分鍔部４ｃ_５，４ｃ_６を第２トレイ選
択板４４（図１３）のトレイ選択部４４ｃ_１，４４ｃ_２
により上方に支持する。一方、下段トレイ５の部分鍔部
５ｃ_３，５ｃ_４を第１トレイ選択板４３（図１３）のト
レイ選択部４３ｃ_１，４３ｃ_２によりトレイ載置台６上
に押さえ付ける。これにより、中段トレイ４と下段トレ
イ５との間に所定の間隔Ｋが維持される。次に図１０
（Ｃ）に示したように、上段トレイ３を選択する場合
は、上段トレイ３が既にマガジン載置部上板４２（図１
３）によって上方に支持されており、一方、中段トレイ
４の部分鍔部４ｃ_５，４ｃ_６及び下段トレイ５の部分鍔
部５ｃ_３，５ｃ_４を第１トレイ選択板４３（図１３）の
トレイ選択部４３ｃ_１，４３ｃ_２によりトレイ載置台６
上に押さえ付ける。これにより、上段トレイ３と中段ト
レイ４との間に所定の間隔Ｋが維持される。この際、図
示を省略するものの、第２トレイ選択板４４（図１３）
のトレイ選択部４４ｃ_１，４４ｃは第１トレイ選択板４
３（図１３）と位相を合わせて上方左方に退避してい
る。

【００５０】尚、選択するトレイ３〜５に応じてトレイ
載置台６を基準として所定の間隔Ｋの高さ位置が異なる
ももの、ディスク演奏機構部６０が適宜上下（矢印
Ｚ_１，Ｚ _２方向）動して所定の間隔Ｋ内に臨むようにな
っている。

【００５１】｛ディスク自動演奏装置の構成｝ここで、
上記構成によるディスク収納マガジン１を採用した本発
明に係わるディスク自動演奏装置３０の全体構成につい
て図１１乃至図１６を用いて説明する。

【００５２】図１１は本発明に係わるディスク自動演奏
装置の全体構成を示し、且つ初期状態を示した斜視図、
図１２は同ディスク自動演奏装置内でディスク収納マガ
ジンを分離した状態を示した斜視図、図１３は同ディス
ク自動演奏装置内のマガジン載置機構部の分解斜視図、
図１４は同ディスク自動演奏装置において、トレイに装
着したディスクの中心孔とターンテーブルのスピンドル
部とを略合致させるためのディスク外周部押圧手段及び
ディスク外周部位置規制手段を説明するための平面図、
図１５（Ａ）〜（Ｃ）は図１４に示したディスク外周部
押圧手段を拡大して示した上面図，側面図，動作図、図
１６（Ａ），（Ｂ）は図１４に示したディスク外周部位
置規制手段を拡大して示した斜視図及び動作図である。

【００５３】図１１及び図１２に示した本発明に係わる
ディスク自動演奏装置３０（以下、装置３０とも記す）
では、先に説明したディスク収納マガジン１を用い、こ
のマガジン１を装置３０の基台となるシャーシ３１上に
設けたマガジン載置機構部４０内に挿入し、マガジン１
の挿入動作に伴ってマガジン１を図９に示したトレイ分
離可能な枠組み状態でマガジン載置機構部４０内に位置
決め係止し、この位置でトレイ載置台６に密に積層され
たトレイ３〜５のうちで所望のトレイを選択し、この所
望のトレイの下方に所定の間隔Ｋを維持するよう所望の
トレイを分離すると共に、揺動支持されたディスク演奏
機構部６０を所望のトレイの下方に臨ませて、所望のト
レイに装着したディスク２のみをターンテーブル６３上
にチャッキングし、光ピックアップ６５により演奏する
よう構成したことを特徴とするものである。

【００５４】また、上記ディスク自動演奏装置３０で
は、コンパクトディスクを収納した超薄形のマガジン１
を採用した場合、装置３０の外形寸法が周知のＤＩＮ規
格サイズ（巾×奥行き×高さ＝１８０×１５０×５０ｍ
ｍ）内にコンパクトに収められ、例えば車載用に最適と
なる。

【００５５】まず、図１１において、マガジン載置機構
部４０は、シャーシ３１上に間隔を離して固定したマガ
ジン載置部底板４１と、マガジン載置部底板４１と間隔
を離して対向しながらマガジン載置部底板４１に上下動
自在に支持されたマガジン載置部上板４２とで箱状に枠
組みされている。また、マガジン載置部底板４１とマガ
ジン載置部上板４２と間にはマガジン挿脱口Ｍが前面側
に開口されており、このマガジン挿脱口Ｍは枠組みした
マガジン１の略高さまでマガジン載置部上板４２が下降
した際に形成されている。

【００５６】また、マガジン載置部底板４１の裏面４１
ｇには、マガジン１を構成するトレイ３〜５から所望の
トレイを選択するための第１トレイ選択板４３が、図示
しない駆動源と連結されてマガジン挿脱方向と対応して
矢印Ｘ_１，Ｘ_２方向に摺動自在に支持されている。一
方、マガジン載置部上板４２の上面４２ａには、所望の
トレイを選択するための第２トレイ選択板４４が、マガ
ジン１の分離前に第１トレイ選択板４３と連結されて一
体に上面４２ａを矢印Ｘ_１，Ｘ_２方向に摺動し、且つ、
マガジン１を分離した後にはマガジン載置部上板４２と
一体に上動して移動した位置で保持されている。上記第
１，第２トレイ選択板４３，４４は、実施例では両者位
相を合わせて選択する所望のトレイに応じて夫々所定の
距離だけ矢印Ｘ_１方向に摺動するようになっているがこ
れに限定されることなく、夫々を独立して駆動する方法
も考えられる。

【００５７】また、第１トレイ選択板４３の裏面４１ｇ
側には、マガジン載置部上板４２を上下動させるための
リフター板４５が図示しない駆動源と連結されてマガジ
ン載置部底板４１に矢印Ｘ_１，Ｘ_２方向に摺動自在に支
持されている。そして、リフター板４５を矢印Ｘ_２方向
に摺動すると、マガジン載置部上板４２が上動するよう
になっている。

【００５８】次に、図２を併用しながら上記構成による
マガジン載置機構部４０を図１３に分解して更に詳細に
説明する。上記したマガジン載置部底板４１，マガジン
載置部上板４２，第１トレイ選択板４３，第２トレイ選
択板４４，リフター板４５は、板金部材を用いて折り曲
げ形成されている。尚、マガジン載置部底板４１及びマ
ガジン載置部上板４２は、マガジン１の形状と対応して
形成されているので、マガジン１と対応してマガジン載
置部底板４１側を上面４１ａ，側面４１ｂ〜４１ｅ，Ｒ
部４１ｆ，裏面４１ｇと付すと共に、マガジン載置部上
板４２も同様に付す。

【００５９】即ち、固定設置されるマガジン載置部底板
４１の側面４１ｂはマガジン１の挿脱のため開口され、
側面４１ｃ，４１ｄが垂直に上方に折り曲げられてい
る。また、側面４１ｃ，４１ｄから連接して側面４１ｂ
の上方に折り曲げて上方案内部４１ｃ_１，４１ｄ_１が形
成されており、これらの上方案内部４１ｃ_１，４１ｄ_１
は上方に移動したマガジン載置部上板４２及び分離した
トレイ３〜５を上方に案内すると共に、これらを上方で
しっかりと位置決めするようになっている。また、マガ
ジン載置部底板４１の側面４１ｃ，４１ｄには、マガジ
ン載置部上板４２を上下に案内する垂直ガイド溝４１ｃ
_２，４１ｃ_３，４１ｄ_２が垂直に形成されている。更
に、マガジン載置部底板４１の側面４１ｃ，４１ｄに
は、マガジン１の基台となるトレイ載置台６をマガジン
載置部底板４１の上面４１ａ上に押しつけるトレイ載置
台支持部４１ｃ_４，４１ｃ_５，４１ｄ_３が夫々内側に向
かってコ字状に折り曲げ形成されている。これらのトレ
イ載置台支持部４１ｃ_４，４１ｃ_５，４１ｄ_３は、マガ
ジン１の挿入動作に伴ってトレイ載置台６の側面６ｃ，
６ｄ側の上面６ａに入り込んでトレイ載置台６をマガジ
ン載置部底板４１に押し付けて支持するようになってい
る。

【００６０】また、マガジン載置部底板４１の上面４１
ａの奥方には、挿入したマガジン１のマガジンスライド
板７を係止解除する係止解除片４１ａ_１が上方に切り起
こし形成されている。即ち、枠組みしたマガジン１をマ
ガジン載置部底板４１の側面４１ｂ側から挿入した際、
マガジン１の挿入動作に伴って係止解除片４１ａ_１がト
レイ載置台６の裏面６ｇに形成したガイド溝６ｋに入り
込み、第１位置に至ったマガジンスライド板７を係止し
ているフック部材９を係止解除すると共に、この係止解
除片４１ａ_１はマガジンスライド板７を第２位置（図
９）まで矢印Ｘ_２方向に移動する機能を備えている。

【００６１】また、マガジン載置部底板４１の上面４１
ａの奥方には、長尺矩形状の摺動孔４１ａ_２が穿設され
ている。更に、裏面４１ｇ側から軸４６を中心として回
動するレバー４７が設けられ、このレバー４７の先端部
に懸架されたマガジン係止手段となる摺動部材４８が摺
動孔４１ａ_２に嵌合している。ここで、摺動部材４８
は、トレイ載置台６の挿入方向前方を位置規制する先端
規制部４８ａが上方に突出形成され、手前側にトレイ載
置台６の裏面６ｇに形成したマガジン位置決め用孔６ｍ
に嵌合する突出部４８ｂが板バネ（図示せず）に付勢さ
れて摺動孔４１ａ_２内を出没できるよう形成されてい
る。そして、マガジン１を手動により挿入した時、トレ
イ載置台６の挿入方向前方が先端規制部４８ａに当接し
て位置規制され、且つ、マガジン位置決め用孔６ｍにに
突出部４８ｂが板バネ（図示せず）の付勢力によって嵌
合すると、マガジン１と一体に摺動部材４８が矢印Ｘ_１
方向に移動し、且つ、レバー４７が軸４６を中心として
時計方向に回動する。この後、レバー４７に連結された
図示しない駆動源によって、レバー４７の先端部に懸架
された摺動部材４８を介してマガジン１が自動的に奥方
まで挿入される。ここで、奥方まで挿入されたマガジン
１は、マガジン載置部上板４１の挿入方向奥方で側面４
１ｅから上方に折り曲げ形成した位置決め用ストッパ部
４１ｅ_１に当接し、所定の載置位置に位置決め載置され
る。

【００６２】また、マガジン載置部底板４１の側面４１
ｄ側のＲ部４１ｆの端には誤挿入防止用ストッパ部４１
ｆ_１が上方に折り曲げ形成されている。ここでは、誤挿
入防止用ストッパ部４１ｆ_１がＲ部４１ｆの端に形成さ
れているので、マガジン１を誤った方向から挿入した場
合、トレイ３〜５のＲ部３ｆ〜５ｆ又はトレイ載置台６
のＲ部６ｆと合致しないため、マガジン１の誤挿入を確
実に検出できる。更に、マガジン載置部底板４１のＲ部
４１ｆは、揺動支持された後述のディスク演奏機構部６
０が臨めるように開口されている。

【００６３】次に、マガジン載置部底板４１と間隔を離
して対向し、且つ、マガジン載置部底板４１に上下動自
在に支持されるマガジン載置部上板４２は、側面４２ｂ
がマガジン１の挿脱のため開口されており、且つ、側面
４２ｃ，４２ｄが部分的に下方に折り曲げられており、
これらの側面４２ｃ，４２ｄに固着したピン５０Ａ〜５
０Ｃをマガジン載置部底板４１の側面４１ｃ，４１ｄの
内側から垂直ガイド溝４１ｃ_２，４１ｃ_３，４１ｄ_２に
嵌合させている。従って、マガジン載置部上板４２はマ
ガジン載置部底板４１に対して上下動自在に箱状に枠組
みされている。また、マガジン載置部上板４２の側面４
２ｃ，４２ｄには、上段トレイ３の鍔部（選択用係合
部）３ｃ_１，３ｄ_１を支持するための上段トレイ支持部
４２ｃ_１，４２ｃ_２，４２ｄ_１が夫々内側に向かってコ
字状に折り曲げ形成されている。これらの上段トレイ支
持部４２ｃ_１，４２ｃ_２，４２ｄ_１は、マガジン１の挿
入動作に伴って上段トレイ３の鍔部３ｃ_１，３ｄ_１の裏
面に入り込んで上段トレイ３を上動するマガジン載置部
上板４２に支持するようになっている。また、マガジン
載置部上板４２の側面４２ｃ，４２ｄには、逃げ用の切
り欠き部が適宜形成されており、挿入方向奥方で側面４
２ｅには分離したトレイ３〜５を位置決めするストッパ
部４２ｅ_１が下方に折り曲げ形成されている。更に、マ
ガジン載置部上板４２のＲ部４２ｆは、揺動支持された
後述のディスク演奏機構部６０が臨めるように開口され
ている。

【００６４】次に、マガジン載置部底板４１の裏面４１
ｇを矢印Ｘ_１，Ｘ_２方向に摺動する第１トレイ選択板４
３は、図示しない駆動源と連結されており、即ち、上面
４３ａに形成したガイド内溝４３ａ_１，４３ａ_２をマガ
ジン載置部底板４１の裏面４１ｇに固着したピン４９
Ａ，４９Ｂに嵌合させている。また、第１トレイ選択板
４３の側面４３ｃ，４３ｄから部分的に上方に立ち上が
って夫々内側に向かってコ字状に折り曲げ形成したトレ
イ選択部４３ｃ_１，４３ｃ_２，４３ｄ_１をマガジン載置
部底板４１の側面４１ｃ，４１ｄに形成した切り欠き部
４１ｃ_５，４１ｄ_４内に挿入している。従って、第１ト
レイ選択板４３のトレイ選択部４３ｃ_１，４３ｃ_２，４
３ｄ_１は、マガジン載置部底板４１の側面４１ｃ，４１
ｄの内側を選択的に移動して、中段トレイ４の部分鍔部
（選択用係合部）４ｃ_５，４ｃ_６，４ｄ_３及び／又は下
段トレイ５の部分鍔部（選択用係合部）５ｃ_３，５
ｃ_４，（５ｄ_２）に選択的に入り込めるようになってい
る。この際、例えば第１トレイ選択板４３のトレイ選択
部４３ｃ_１は、中段トレイ４の部分鍔部４ｃ_５及び下段
トレイ５の部分鍔部５ｃ_３に同時に入り込める巾に形成
されており、即ち、トレイ選択部４３ｃ_１の長さは上段
トレイ３を除いた下方のトレイ４，５の数と対応して下
方のトレイ４，５の部分鍔部４ｃ_５，５ｃ_３に同時に入
り込める巾に設定されている。

【００６５】また、第１トレイ選択板４３の側面４３ｃ
の中間には、下記する第２トレイ選択板４４の垂下部４
４ｃ_３と連結する連結部４３ｃ_３が形成されている。こ
の連結部４３ｃ_３は上面４３ａを切り欠いて、左右を下
方に折り曲げ形成しており、左右の折り曲げ間に第２ト
レイ選択板４４の垂下部４４ｃ_３が進退自在に嵌合する
ようになっている。

【００６６】従って、第１トレイ選択板４３は、トレイ
分離可能な状態から所望のトレイを選択して分離する
際、選択するトレイより下方のトレイの部分鍔部（選択
用係合部）４ｃ_５，４ｃ_６，４ｄ_３及び／又は５ｃ_３，
５ｃ_４，（５ｄ_２）と係合する位置まで移動して選択的
に係合し、選択したトレイより下方のトレイを前記トレ
イ載置台に積層しながらマガジン載置部底板４１側に支
持する機能を備えることができる。尚、実施例では、所
望のトレイとして上段トレイ３を選択する場合は、後述
するようにマガジン１の挿入動作に伴って、第１トレイ
選択板４３のトレイ選択部４３ｃ_１，４３ｃ_２，４３ｄ
_１はが上段トレイ３より下方のトレイ４，５の鍔部部４
ｃ_５，４ｃ_６，４ｄ_３及び５ｃ_３，５ｃ_４，（５ｄ_２）
に入り込むようになっているが、これに限定されるもの
ではない。

【００６７】次に、マガジン載置部上板４２の上面４２
ａを矢印Ｘ_１，Ｘ_２方向に摺動する第２トレイ選択板４
４は、上面４４ａに形成したガイド内溝４４ａ_１〜４４
ａ_３をマガジン載置部上板４２の上面４２ａに固着した
ピン５１Ａ，５１Ｂに嵌合させ、且つ、側面４４ｃ，４
４ｄから部分的に夫々下方内側に向かってコ字状に折り
曲げ形成したトレイ選択部４４ｃ_１，４４ｃ_２，４４ｄ
_１をマガジン載置部上板４２の側面４２ｃ，４２ｄに適
宜形成した切り欠き部内に挿入している。従って、第２
トレイ選択板４４のトレイ選択部４４ｃ_１，４４ｃ_２，
４４ｄ_１は、中段トレイ４の部分鍔部４ｃ_５，４ｃ_６，
４ｄ_３又は下段トレイ５の部分鍔部５ｃ_３，５ｃ_４，
（５ｄ_２）に選択的に入り込めるようになっている。こ
の際、例えば第２トレイ選択板４４のトレイ選択部４４
ｃ_１は、中段トレイ４の部分鍔部４ｃ_５又は下段トレイ
５の部分鍔部５ｃ_３とほぼ同等程度の巾に形成されてい
る。

【００６８】また、第２トレイ選択板４４の側面４４ｃ
の中間には垂下部４４ｃ_３が下方に向かって垂下されて
おり、この垂下部４４ｃ_３は上記した第１トレイ選択板
４３の連結部４３ｃ_３に進退自在となっている。そし
て、マガジン１を分離する前では第２トレイ選択板４４
の垂下部４４ｃ_３が第１トレイ選択板４３の連結部４３
ｃ_３内に入り込み、第１トレイ選択板４３の矢印Ｘ_１方
向の移動と位相を合わせて第２トレイ選択板４４も一体
に矢印Ｘ_１方向に移動し、一方、マガジン１を分離した
後、第２トレイ選択板４４はマガジン載置部上板４２と
一体に上動し、移動した位置をそのまま保持している。
尚、実施例では第２トレイ選択板４４を第１トレイ選択
板４３と連結して駆動しているが、独立して駆動する方
法も考えられる。

【００６９】従って、第２トレイ選択板４４は、トレイ
分離可能な状態から所望のトレイを選択して分離する
際、上段トレイ３を除いて選択するトレイの部分鍔部
（選択用係合部）４ｃ_５，４ｃ_６，４ｄ_３／又は５
ｃ_３，５ｃ_４，（５ｄ_２）と係合する位置まで移動して
選択的に係合し、選択したトレイを含めて上方のトレイ
を上動した上段トレイ３に積層しながらマガジン載置部
上板４２側に支持する機能を備えることができる。

【００７０】次に、マガジン載置部底板４１の裏面４１
ｇ側及び第１トレイ選択板４３の裏面４３ｇ側を矢印Ｘ
_１，Ｘ_２方向を摺動するリフター板４５は、上面４５ａ
に形成したガイド内溝４５ａ_１，４５ａ_２をマガジン載
置部底板４１の裏面４２ｇに固着したピン４９Ａ，４９
Ｂに嵌合させている。上記ピン４９Ａ，４９Ｂは第１ト
レイ選択板４３と共用している。また、リフター板４５
の側面４５ｃ，４５ｄは垂直に上方に折り曲げられてお
り、これらの側面４５ｃ，４５ｄにマガジン載置部上板
４２を上下に案内する傾斜ガイド溝４５ｃ_１，４５
ｃ_２，４５ｄ_１が形成されている。そして、リフター板
４５の側面４５ｃ，４５ｄは、マガジン載置部底板４１
の側面４１ｃ，４１ｄの外側から夫々対向するよう入り
込み、且つ、傾斜ガイド溝４５ｃ_１，４５ｃ_２，４５ｄ
_１にマガジン載置部底板４１の垂直ガイド溝４１ｃ_２，
４１ｃ_３，４１ｄ_２内を摺動するピン５０Ａ〜５０Ｃを
嵌合させている。そして、ピン５０Ａ〜５０Ｃがマガジ
ン載置部底板４１の垂直ガイド溝４１ｃ_２，４１ｃ_３，
４１ｄ及びリフター板４５の傾斜ガイド溝４５ｃ_１，４
５ｃ_２，４５ｄ_１の最下方に至っている時には、マガジ
ン載置部上板４２がマガジン１の挿入を許容するよう下
方に位置し、一方、マガジン載置部上板４２を矢印Ｘ_２
方向に移動し、ピン５０Ａ〜５０Ｃが垂直ガイド溝４１
ｃ_２，４１ｃ_３，４１ｄ及び傾斜ガイド溝４５ｃ_１，４
５ｃ_２，４５ｄ_１の最上方に至っているとマガジン載置
部上板４２を上方に移動するようになっている。

【００７１】従って、上記構成部材４１〜４５がトレイ
３〜５から所望のトレイを選択して分離するためにのも
のであり、構成部材４１〜４５が少なく簡単な構造とな
るので装置３０の組立性が良好となり、且つ、所望のト
レイを選択して分離する動作を信頼性良く確実に行うこ
とができる。

【００７２】再び図１１に戻り、ディスク演奏機構部６
０は、初期状態時にはマガジン載置部底板４１のＲ部４
１ｆ及びマガジン載置部上板４２のＲ部４２ｆの外側に
退避している。このディスク演奏機構部６０は、箱体６
１の内部に回転自在なターンテーブル６３及びディスク
２の径方向に移動自在な光ピックアップ６５を備え、こ
の箱体６１が防振部材６８を介してアーム体６９に防振
支持されている。また、アーム体６９の一端にはブッシ
ング７０が圧入されており、且つ、アーム体６９は図示
しない駆動源と連結されてブッシング７０を軸支した軸
７１を中心に矢印Ｖ_１，Ｖ_２方向に揺動自在に支持さ
れ、且つ、矢印Ｚ_１，Ｚ_２方向に上下動自在に支持され
ている。即ち、ディスク演奏機構部６０の基台となる箱
体６１は、ダイキャスト材，樹脂材などを用いて箱状に
形成され、内部６１ａにモータ６２の軸に固着したター
ンテーブル６３が回転自在に取り付けられている。この
ターンテーブル６３は、ディスク２の中央孔２ｂ（図
２）と嵌合するスピンドル部６３ａが上方に突出形成さ
れ、このスピンドル部６３ａと連接して下方にディスク
２を載置するディスク載置部６３ｂが円板状に形成され
ている。また、ゴムなどの弾性部材（図示せず）に付勢
されたチャッキング爪６４がスピンドル部６３ａの外周
部に対して進退自在に３か所設けられている。

【００７３】また、箱体６１の内部６１ａには、ターン
テーブル６３にチャッキングしたディスク２を再生（又
は記録）する光ピックアップ６５がディスク２の径方向
に移動自在に取り付けられている。上記光ピックアップ
６５は、片側をガイドレール６６に案内され、このガイ
ドレール６６と間隔を離して対向する側をモータ（図示
せず）から減速されて回転駆動するネジ棒６７に螺合さ
せることにより、ディスク２の径方向に移動自在となっ
ている。

【００７４】更に、アーム体６９の一端と軸７１を介し
た他端には被係止部６９ａが形成されており、この被係
止部６９ａはターンテーブル６３の中心から離れた位置
まで延出されている。そして、後述するように装置３０
内に位置決め係止されたトレイ載置台６上のトレイ３〜
５が分離された後、選択したトレイの下方にディスク演
奏機構部６０が臨んだ時、アーム体６９の被係止部６９
ａがトレイ載置台６の側板部６ｂの内側に形成した係止
部６ｂ_１に当接することにより、選択したトレイのディ
スク２の中心孔２ｂとターンテーブル６３のスピンドル
部６３ａとを確実に位置合わせするようになっている。

【００７５】次に、ディスク２の演奏を終了した後にデ
ィスク２をトレイ３（〜５）に戻す際、ディスク２をト
レイ３（〜５）に対して正規な位置な位置に装着するよ
うに、トレイ３（〜５）に装着したディスク２の中心孔
２ｂとターンテーブル６３のスピンドル部６３ａとを略
合致させるためのディスク外周部押圧手段及びディスク
外周部位置規制手段について、図１４乃至図１６を用い
て説明する。

【００７６】まず、図１４において、ディスク自動演奏
装置３０内でディスク２がディスク把持レバー１２Ａ，
１２Ｂによって把持されてトレイ３（〜５）に装着され
ている。

【００７７】また、装置３０内には、ディスク把持解除
レバー８０Ａ，８０Ｂがディスク把持レバー１２Ａ，１
２Ｂと対向して設けられている。上記ディスク把持解除
レバー８０Ａ，８０Ｂは図示しないカムギアと連動し
て、軸８１Ａ，８１Ｂを中心に回動自在となっていると
共に、図示しない上下動手段により分離した一つのトレ
イ３（〜５）と対応できるよう上下動自在となってい
る。

【００７８】また、ディスク把持解除レバー８０Ｂ側に
は、ディスク外周部押圧手段となるディスク外周部押圧
レバー８２がディスク把持解除レバー８０Ｂと同一な軸
８１Ｂにディスク把持解除レバー８０Ｂの回動と連動し
て進退自在に回動するように設けられている。このディ
スク外周部押圧レバー８２も分離した一つのトレイ３
（〜５）と対応できるようディスク把持解除レバー８０
Ｂと一体に上下動自在となっている。また、ディスク外
周部押圧レバー８２の先端には、下記する押圧棒８４が
ディスク２の外周部２ａを押圧するように回動自在に支
持されている。即ち、図１５（Ａ），（Ｂ）に示した如
く、ディスク外周部押圧レバー８２は、軸８１Ｂを中心
に回動自在に支持され、且つ、軸８１Ｂに嵌着したネジ
リバネ８３をディスク把持解除レバー８０Ｂとディスク
外周部押圧レバー８２とに掛止させており、ディスク外
周部押圧レバー８２はネジリバネ８３の付勢力によりデ
ィスク把持解除レバー８０Ｂに形成した係合部８０ｂと
係合するように図示の反時計方向に付勢されている。従
って、ディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂのディスク２
への把持を解除する際に、ディスク把持解除レバー８０
Ｂの反時計方向への回動に連動して、ディスク外周部押
圧レバー８２がネジリバネ８３の付勢力により反時計方
向に回動するようになっている。また、ディスク外周部
押圧レバー８２の先端部８２ａには、押圧棒８４が実線
で示した直立位置と二点鎖線で示した傾斜位置と間を回
動自在に支持されている。この際、押圧棒８４の下端部
８４ａと、ディスク外周部押圧レバー８２の先端部下方
に形成したバネ支持部８２ｂとの間に圧縮バネ８５が挟
装されている。

【００７９】そして、図１５（Ｃ）に示した如く、後述
する動作時にディスク２をトレイ３（〜５）に戻す際、
ディスク２がトレイ３（〜５）に対して正規な位置から
δだけトレイ３（〜５）の側面３ｅ（〜５ｅ）側に向か
って変位している場合には、ディスク把持解除レバー８
０Ｂと連動して、ディスク外周部押圧レバー８２の先端
部８２ａに回動自在に支持した押圧棒８４をディスク２
の外周部２ａ側に進出させる。ここで、ディスク２のト
レイ３（〜５）への把持解除中に、ディスク２の回収動
作に伴ってトレイ３（〜５）が下降すると、トレイ３
（〜５）で押圧棒８４の上端を押して、押圧棒８４が圧
縮バネ８５の付勢力に抗しながら直立位置から傾斜位置
へ回動するので、押圧棒８４の側壁に当接したディスク
２の外周部２ａをトレイ３（〜５）の内側に向かって押
圧し、ディスク２をトレイ３（〜５）に対して正規な位
置まで戻すことにより、ディスク２の中心孔２ｂがター
ンテーブル６３のスピンドル部６３ａと略合致する位置
に至る。従って、ディスク２をトレイ３（〜５）に対し
て正規な位置に装着して回収することができる。勿論、
押圧棒８４の上端からトレイ３（〜５）が退避すれば、
圧縮バネ８５の付勢力により押圧棒８４は傾斜位置から
直立位置に戻る。

【００８０】図１４に戻りディスク演奏機構部６０に
は、ディスク外周部位置規制手段となるディスク外周部
位置規制部６１ｂがターンテーブル６３及び光ピックア
ップ６５を支持した箱体６１の上部に突出形成されてい
る。

【００８１】箱体６１の上部に突出形成したディスク外
周部位置規制部６１ｂは、トレイ３（〜５）のＲ部３ｆ
（〜５ｆ）の外側から内側に向かって設けられている。
また、図１６（Ａ），（Ｂ）に拡大して示したように、
箱体６１の上部に突出形成したディスク外周部位置規制
部６１ｂには、ディスク２の外周部２ａが当接しながら
下降するテーパ部６１ｂ_１がディスク２の外周部２ａ側
に対向して形成されている。

【００８２】そして、図１６（Ｃ）に示した如く、所望
のディスク２がトレイ３（〜５）に対して正規な位置か
らγだけトレイ３（〜５）のＲ部３ｆ（〜５ｆ）側に向
かって変位した場合で、且つ、ディスク２のトレイ３
（〜５）への把持解除中に、ディスク２の外周部２ａが
ディスク外周部位置規制部６１ｂのテーパ部６１ｂ_１に
沿って当接しながらターンテーブル６３側に下降して、
ディスク２をトレイ３（〜５）に対して正規な位置まで
戻すことにより、ディスク２の中心孔２ｂがターンテー
ブル６３のスピンドル部６３ａと略合致する位置に至
る。従って、ディスク２をトレイ３（〜５）に対して正
規な位置に装着して回収することができる。

【００８３】｛ディスク自動演奏装置のトレイ分離動作
及びディスク演奏動作｝図１７（Ａ）〜（Ｄ）はディス
ク自動演奏装置のトレイ分離動作を説明するための模式
図であり、図１８乃至図２２はディスク自動演奏装置の
ディスク演奏動作を説明するための模式図である。

【００８４】まず、図１７（Ａ）〜（Ｄ）を用いてディ
スク自動演奏装置３０のトレイ分離動作について説明す
る。尚、説明の都合上、マガジン１を構成するマガジン
スライド板７が装置３０内で既に図９に示した第２位置
に達して位置決め載置されているものとして、以下説明
する。また、ここでは、トレイ３〜５の側面３ｃ〜５ｃ
側，トレイ載置台６の側面６ｃ側について述べると共
に、図１７（Ｂ）〜（Ｄ）は先に説明した図１０（Ａ）
〜（Ｃ）と対応している。

【００８５】図１７（Ａ）に示した状態は、マガジン載
置部底板４１とマガジン載置部上板４２との間に挿入さ
れたマガジン１を構成するトレイ３〜５が分離可能な状
態となって装置３０内に位置決めされている。即ち、ト
レイ３〜５のうちで所望のトレイを選択する前の状態で
ある。また、マガジン載置部上板４２に固着したピン５
０Ａ，５０Ｂがマガジン載置部底板４１の垂直ガイド溝
４１ｃ_２，４１ｃ_３及びリフター板４５の傾斜ガイド溝
４５ｃ_１，４５ｃ_２の最下方に至っているので、マガジ
ン載置部上板４２は下方に位置しているマガジン１の挿
入を許容している。また、マガジン１の挿入動作に伴っ
て、マガジン載置部底板４１のトレイ載置台支持部４１
ｃ_４，４１ｃ_５にトレイ載置台６が入り込み、これによ
りトレイ載置台６をマガジン載置部底板４１上に押つけ
て支持する一方、マガジン載置部上板４２の上段トレイ
支持部４２ｃ_１，４２ｃ_２に上段トレイ３の鍔部３ｃ_１
が入り込み、これにより上段トレイ３をマガジン載置部
上板４２に支持している。また、マガジン１の挿入動作
に伴って、マガジン載置部底板４１の裏面側に位置した
第１トレイ選択板４３のトレイ選択部４３ｃ_１，４３ｃ
_２に中段トレイ４の部分鍔部４ｃ_５，４ｃ_６及び下段ト
レイ５の部分鍔部５ｃ_３，５ｃ_４が同時に上方から入り
込み、これにより中段トレイ４及び下段トレイ５をトレ
イ載置台６上に押つける一方、マガジン載置部上板４２
の上面側に位置した第２トレイ選択板４４のトレイ選択
部４４ｃ_１，４４ｃ_２は中段トレイ４の部分鍔部４
ｃ_５，４ｃ_６の左方に退避している。更に、第１トレイ
選択板４３の連結部４３ｃ_３に第２トレイ選択板４４の
垂下部４４ｃ_３が入り込んで連結されている。

【００８６】次に、図１７（Ａ）に示したマガジン１が
分離可能な状態から図１７（Ｂ）に示したように下段ト
レイ５を選択する場合は、マガジン１が分離可能な状態
のまま、第１トレイ選択板４３及びこれと連結した第２
トレイ選択板４４を矢印Ｘ_１方向に移動する。この移動
時、第１トレイ選択板４３のトレイ選択部４３ｃ_１，４
３ｃ_２を下段トレイ５の部分鍔部５ｃ_３，５ｃ_４より右
方に退避させ、且つ、第２トレイ選択板４４のトレイ選
択部４４ｃ_１，４４ｃ_２に下段トレイ５の部分鍔部５ｃ
_３，５ｃ_４を下方より入り込ませる。その後、リフター
板４５を矢印Ｘ_２方向に移動させ、マガジン載置部上板
４２に固着したピン５０Ａ，５０Ｂがマガジン載置部底
板４１の垂直ガイド溝４１ｃ_２，４１ｃ_３及びリフター
板４５の傾斜ガイド溝４５ｃ_１，４５ｃ_２の最上方に至
るので、マガジン載置部上板４２は上段トレイ３と一体
に上方に持ち上げられ、且つ、第２トレイ選択板４４の
トレイ選択部４４ｃ_１，４４ｃ_２に入り込んだ下段トレ
イ５及び下段トレイ５に積層した中段トレイ４が上段ト
レイ３に積層しながらマガジン載置部上板４２に支持さ
れて上方に持ち上げられるので、下段トレイ５が選択及
び分離される。更に、マガジン載置部上板４２の上方移
動に伴って、第２トレイ選択板４４の垂下部４４ｃ_３は
第１トレイ選択板４３の連結部４３ｃ_３から連結を解除
されて解除された位置のままマガジン載置部上板４２の
上面側に位置している。

【００８７】次に、図１７（Ｃ）に示したように、中段
トレイ４を選択する場合は、図１７（Ａ）に示した分離
可能な状態のまま、第１トレイ選択板４３及びこれと連
結した第２トレイ選択板４４を上記した図１７（Ｂ）よ
り矢印Ｘ_１方向の移動量を少なくし、第１トレイ選択板
４３のトレイ選択部４３ｃ_１，４３ｃ_２に下段トレイ５
の部分鍔部５ｃ_３，５ｃ_４のみを入り込ませ、下段トレ
イ５をトレイ載置台６上に押つける一方、第２トレイ選
択板４４のトレイ選択部４４ｃ_１，４４ｃ_２に中トレイ
４の部分鍔部４ｃ_５，４ｃ_６を下方より入り込ませてい
る。その後、リフター板４５を矢印Ｘ_２方向に移動さ
せ、マガジン載置部上板４２と一体に第２トレイ選択板
４４トのレイ選択部４４ｃ_１，４４ｃ_２に入り込んだ中
段トレイ４及び中段トレイ４に積層した上段トレイ３も
上方に持ち上げられるので、中段トレイ４が選択及び分
離される。

【００８８】次に、図１７（Ｄ）に示したように、上段
トレイ４を選択する場合は、図１７（Ａ）で説明したよ
うに、第１トレイ選択板４３のトレイ選択部４３ｃ_１，
４３ｃ_２が中段トレイ４及び下段トレイ５をトレイ載置
台６に押し付けているので、ここではリフター板４５の
みを矢印Ｘ_２方向に移動させると、マガジン載置部上板
４２と一体に上段トレイ３が上方に持ち上げられるの
で、上段トレイ３が選択及び分離される。

【００８９】尚、分離したトレイ３〜５を元の密な積層
状態に戻す動作は、上記トレイ分離動作の逆の順序で行
えば良く、説明を省略する。

【００９０】次に、図１８乃至図２２を用いてディスク
自動演奏装置３０のディスク演奏動作について説明す
る。尚、ここでは下段トレイ５を選択して分離した場合
を中心に説明する。また、ディスク把持レバー１２Ａは
マガジンン１の挿入動作に伴ってロックレバー１５から
ロック解除されている。まず、図１８（Ａ），（Ｂ）に
示した如く、下段トレイ５が上方に分離されると、タン
テーブル６３及び光ピックアップ６５を有するディスク
演奏機構部６０を支持したアーム体６９が軸７１を中心
に図示しない駆動源によって下段トレイ５のＲ部５ｆと
トレイ載置台６のＲ部６ｆとの間から下段トレイ５の下
方に形成された所定の間隔Ｋ内に臨む。この際、ディス
ク演奏機構部６０を支持したアーム体６９の被係止部６
９ａは、既に位置決め載置されたトレイ載置台６の係止
部６ｂ_１に当接して係止されるので、選択した下段トレ
イ５に装着されたディスク２の中央孔２ｂと、ターンテ
ーブル６３のスピンドル部６３ａとが位置合わせした状
態で対向する。また、ここではディスク演奏機構部６０
の基台となる箱体６１はアーム体６９に防振しながら支
持されている。

【００９１】次に、図１９（Ａ），（Ｂ）に示した如
く、リフター板４５を矢印Ｘ_１方向に僅かに移動する
と、マガジン載置部上板４２及びトレイ３〜５が僅かに
矢印Ｚ_２方向に一体に下降する。ここでは、図２２
（Ａ）〜（Ｃ）で後述するようにディスク２が下段トレ
イ５に対して正規な位置に装着された状態であり、選択
した下段トレイ５に装着されたディスク２がターンテー
ブル６３のスピンドル部６３ａに設けたチャッキング爪
６４に確実にチャッキングされて、ターンテーブル６３
上に確実に搭載される。この際、ディスク２は下段トレ
イ５にディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂを介して把持
されたまま、ターンテーブル６３にチャッキングされる
ので、チャッキング動作を確実に行うことができる。

【００９２】次に、図２０（Ａ），（Ｂ）に示した如
く、ディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂの押圧部１２ａ
_２，１２ｂ_２に装置３０側のディスク把持解除レバー８
０Ａ，８０Ｂを当接させて、ディスク把持部１２ａ_１，
１２ｂ_１のディスク２の外周部２ａへの把持を解除する
ので、ターンテーブル６３にチャッキングされたディス
ク２は下段トレイ５から把持解除される。この際、ディ
スク把持解除レバー８０Ｂの回動と連動して、ディスク
外周部押圧レバー８２の先端部に回動自在に設けた押圧
棒８４がディスク２の外周部２ａ側に進出しようとする
が、押圧棒８４が下降中の下段トレイ５に当たり、ディ
スク外周部押圧レバー８２を付勢しているネジリバネ８
３が撓むことになる。

【００９３】次に、図２１（Ａ），（Ｂ）に示した如
く、リフター板４５を再び矢印Ｘ_２方向に僅かに移動す
ると、マガジン載置部上板４２及びトレイ３〜５が僅か
に矢印Ｚ_１方向に一体に上動して、下段トレイ５がター
ンテーブル６３から退避する。従って、ディスク２のみ
がターンテーブル６３にチャッキングされ、且つ、上方
に再度移動した下段トレイ５とトレイ載置台６との間に
は所定の間隔Ｋが再び形成される。この後、ターンテー
ブル６３にチャッキングされたディスク２を回転し、光
ピックアップ６５をディスク２の径方向に移動して再生
（又は記録）を行っている。尚、例えば上段トレイ３，
中段トレイ４を選択した場合は、図１０（Ｂ），（Ｃ）
に示した所定の間隔Ｋ内にディスク演奏機構部６０を臨
ませれば良い。

【００９４】次に、図２２（Ａ），（Ｂ）に示した如
く、ディスク２の演奏を終了した後、ディスク２をター
ンテーブル６３から元の下段トレイ５に戻す場合には、
マガジン載置部上板４２及びトレイ３〜５を矢印Ｚ_２方
向に一体に下降させて、ターンテーブル６３にチャッキ
ングされたディスク２をアンチャッキング状態にしてデ
ィスク２を元の下段トレイ５に把持させている。ここ
で、ディスク２が元の下段トレイ５に対して実線で示し
た正規な位置に装着されて回収されると、次回のディス
ク演奏時には図１９（Ａ），（Ｂ）で説明したようにデ
ィスク２をターンテーブル６３のスピンドル部６３ａに
確実にチャッキングできる。

【００９５】ところで、ディスク２が元の下段トレイ５
にディスク把持レバー１２Ａ，１２Ｂで確実に把持でき
ないで二点鎖線で示したように正規な位置から変位した
状態で回収される場合がある。この場合には、図２２
（Ｃ）に示した如く、ディスク２がターンテーブル６３
のスピンドル部６３ａに対してミスチャッキングした状
態となるので、装置３０側ではマガジン載置部上板４２
及びトレイ３〜５を矢印Ｚ_２方向に再度下降させて、デ
ィスク２の回収動作を再度行う。ここで、先に図１４乃
至図１６を用いて説明したディスク外周部押圧手段及び
ディスク外周部位置規制手段によりディスク２を元の下
段トレイ５に対して正規な位置に装着する動作が行われ
る。即ち、ここでは簡略に説明すると、ディスク外周部
押圧レバー８２がディスク把持解除レバー８０Ｂの回動
と連動してネジリバネ８３の付勢力によりディスク２の
外周部２ａ側に進出する。そして、ディスク２の下段ト
レイ５への把持解除中にディスク外周部押圧レバー８２
の先端部に回動自在に設けた押圧棒８４でディスク２の
外周部２ａを押圧して下段トレイ５に対して正規な位置
に戻す一方、ディスク２の下段トレイ５への把持解除中
にディスク２の外周部２ａがディスク外周部位置規制部
６１ｂのテーパ部６１ｂ_１に沿って当接しながら下降し
て、ディスク２の中心孔２ｂがターンテーブル６３のス
ピンドル部６３ａと略合致するように正規な位置まで戻
している。従って、ディスク２が元の下段トレイに対し
て正規な位置に確実に装着され、次回のディスク演奏時
にはディスク２をターンテーブル６３上に確実に搭載で
き、高価なディスク２を傷めることがなくなり、且つ、
装置３０にダメージを与えるなどの問題も発生しないの
で、装置３０の品質及び信頼性の向上に寄与できる。

【００９６】以上詳述したように、上記ディスク自動演
奏装置３０では、使用者がマカジン１を装置３０に挿入
すると、所定の載置位置で所望のトレイ３〜５をランダ
ムに選択でき、所望のディスク２を大変楽しみに演奏で
きる利点を有すると共に、装置３０内に従来のようなデ
ィスクの演奏場所を別に設ける必要がなくなり、装置３
０側の占有面積を小さく設定でき、装置３０の小型化に
寄与できる。従って、上記ディスク自動演奏装置３０を
例えば車載用に適用することが可能となる。

【００９７】

【発明の効果】以上詳述した本発明に係わるディスク自
動演奏装置によると、ディスクの演奏を終了した後、デ
ィスクをターンテーブルから元のトレイに戻す際、ディ
スクのトレイへの把持解除中にディスク外周部押圧手段
によりディスクの位置をトレイに対して正規な位置とな
るようディスクの外周部を押圧する一方、ディスクのト
レイへの把持解除中にディスク外周部位置規制手段によ
りディスクの中心孔がターンテーブルのスピンドル部と
略合致するようにディスクの外周部の位置を規制してい
るので、ディスクがトレイに対して正規な位置に確実に
装着され、次回のディスク演奏時にはディスクをターン
テーブル上に確実に搭載でき、高価なディスクを傷める
ことがなくなり、且つ、装置にダメージを与えるなどの
問題も発生しないので、装置の品質及び信頼性の向上に
寄与できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わるディスク自動演奏装置に適用さ
れるディスク収納マガジンの外観を示した斜視図であ
る。

【図２】ディスク収納マガジンの構成部材を分解して示
した分解斜視図である。

【図３】一例の下段トレイを示した平面図である。

【図４】（Ａ），（Ｂ）はディスク把持レバー及びロッ
クレバーの動作を説明するための図である。

【図５】（Ａ）〜（Ｃ）はディスク排出レバーを説明す
るための図である。

【図６】ディスク収納マガジンの使用形態を説明するた
めの図である。

【図７】ディスク収納マガジンの使用形態を説明するた
めの図である。

【図８】ディスク収納マガジンの使用形態を説明するた
めの図である。

【図９】ディスク収納マガジンの使用形態を説明するた
めの図である。

【図１０】ディスク収納マガジンの使用形態を説明する
ための図である。

【図１１】本発明に係わるディスク自動演奏装置の全体
構成を示し、且つ初期状態を示した斜視図である。

【図１２】本発明に係わるディスク自動演奏装置内でデ
ィスク収納マガジンを分離した状態を示した斜視図であ
る。

【図１３】本発明に係わるディスク自動演奏装置内のマ
ガジン載置機構部の分解斜視図である。

【図１４】本発明に係わるディスク自動演奏装置におい
て、トレイに装着したディスクの中心孔とターンテーブ
ルのスピンドル部とを略合致させるためのディスク外周
部押圧手段及びディスク外周部位置規制手段を説明する
ための平面図である。

【図１５】（Ａ）〜（Ｃ）は図１４に示したディスク外
周部押圧手段を拡大して示した上面図，側面図，動作図
である。

【図１６】（Ａ），（Ｂ）は図１４に示したディスク外
周部位置規制手段を拡大して示した斜視図及び動作図で
ある。

【図１７】（Ａ）〜（Ｄ）はディスク自動演奏装置のト
レイ分離動作を説明するための模式図である。

【図１８】ディスク自動演奏装置のディスク演奏動作を
説明するための模式図である。

【図１９】ディスク自動演奏装置のディスク演奏動作を
説明するための模式図である。

【図２０】ディスク自動演奏装置のディスク演奏動作を
説明するための模式図である。

【図２１】ディスク自動演奏装置のディスク演奏動作を
説明するための模式図である。

【図２２】ディスク自動演奏装置のディスク演奏動作を
説明するための模式図である。

【図２３】従来のディスク自動演奏装置を説明するため
の斜視図である。

【符号の説明】

１…ディスク収納マガジン（マガジン）、 ２…ディスク、２ａ…外周部、２ｂ…中心孔、 ３〜５…トレイ、 ６…トレイ載置台、 ７…マガジンスライド板、 １２Ａ，１２Ｂ…ディスク把持レバー、 ３０…ディスク自動演奏装置（装置）、 ６０…ディスク演奏機構部、 ６１…箱体、６１ｂ…ディスク外周部位置規制部、６１
ｂ_１…テーパ部、 ６３…ターンテーブル、６３ａ…スピンドル部、 ６５…光ピックアップ、 ８０Ａ，８０Ｂ…ディスク把持解除レバー、 ８２…ディスク外周部押圧レバー、８４…押圧棒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクの外周部をディスク把持レバーで
   把持しながら該ディスクを装着したトレイをトレイ載置
   台上に複数密に積層したディスク収納マガジンを用い、
   このディスク収納マガジンをディスク自動演奏装置内に
   挿入し、所定のマガジン載置位置で所望のディスクを装
   着した一つの前記トレイを選択及び分離し、且つ、分離
   した該トレイと、分離した該トレイに隣り合うトレイ又
   は前記トレイ載置台との間に所定の間隔を維持してディ
   スク演奏機構部のターンテーブル及び光ピックアップを
   前記所定の間隔内に臨ませて、ディスク把持解除レバー
   により前記ディスク把持レバーの前記ディスクへの把持
   を解除した後に、前記ディスクを前記ターンテーブルに
   搭載して前記光ピックアップにより前記ディスクを自動
   的に演奏できるよう構成したディスク自動演奏装置にお
   いて、 前記ディスク把持解除レバーと連動して前記ディスクの
   外周部に進出するよう設けられ、前記ディスクの前記一
   つのトレイへの把持解除中に該ディスクの位置を該トレ
   イに対して正規な位置となるよう該ディスクの外周部を
   押圧するディスク外周部押圧手段と、 前記ディスク演奏機構部に設けられ、前記ディスクの前
   記一つのトレイへの把持解除中に該ディスクの中心孔が
   前記ターンテーブルのスピンドル部と略合致するように
   該ディスクの外周部の位置を規制するディスク外周部位
   置規制手段とを具備したことを特徴とするディスク自動
   演奏装置。