JPH08278395A - 使用済み原子燃料の再処理方法 - Google Patents

使用済み原子燃料の再処理方法

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JPH08278395A
JPH08278395A JP7899795A JP7899795A JPH08278395A JP H08278395 A JPH08278395 A JP H08278395A JP 7899795 A JP7899795 A JP 7899795A JP 7899795 A JP7899795 A JP 7899795A JP H08278395 A JPH08278395 A JP H08278395A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プルトニウムの単独抽出を避け取扱上の負担を
軽減しつつ、かつワンストリーム化で処理工程の十分な
簡素化を図りつつ、ネプツニウム・アメリシウムを回収
できる使用済み原子燃料の再処理方法を提供する。 【構成】脱硝後の使用済み原子燃料の溶解液は、脱硝・
原子価調整槽8でペルオキソ二硫酸アンモニウム19が
添加され、ウラン・アメリシウム・ネプツニウム・プル
トニウムをVI価に調整する。そして抽出器11内でTB
P21が加えられ、希土類元素を含む核分裂生成核種が
高レベル廃液26として排出され、ウラン・プルトニウ
ム・ネプツニウム・アメリシウムは溶媒抽出される。こ
れら有機相は、分配器13内で還元剤含有硝酸水溶液2
3が供給され、ウランをVI価に保持し、プルトニウムを
III価、ネプツニウムをV価、アメリシウムをIII価に還
元し、プルトニウム・アメリシウム・ネプツニウムの混
合物25を逆抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電所から発生
する使用済み原子燃料の再処理方法に係わり、特に、ネ
プツニウム・アメリシウム等のマイナーアクチノイドを
含む使用済み原子燃料の再処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所から発生する使用済み原子
燃料には、核分裂生成核種(以下適宜、FPという)、
未反応のウラン、及びプルトニウムをはじめとする超ウ
ラン元素が含まれる。このうち、ウランとプルトニウム
とは原子燃料として利用できることから、核分裂生成核
種や他の超ウラン元素から化学的に分離・回収する。こ
の化学プロセスが使用済み燃料再処理であり、例えばN
uclear Chemical Engineerin
g 第2版 第466頁〜514頁(M.Benedic
t他2名、McGraw−Hill社発行)に記載のピ
ュレックス法が現在の主流である。このピュレックス法
においては、使用済み原子燃料が硝酸で溶解された後、
VI価のウランとIV価のプルトニウムとが、硝酸水溶液か
らトリブチルリン酸(TBP)とよばれる有機抽出剤中へ
と移行(抽出)し、これによって核分裂生成核種から分
離(共除染)される。この後、プルトニウムがIII価に
還元されて抽出剤から硝酸水溶液へと再度移行(逆抽
出)することで、プルトニウムがウランから分離(分
配)される。
【0003】このとき、このピュレックス法では、純粋
なウランとプルトニウムとを得ることが主たる目的であ
ることから、ネプツニウムおよびアメリシウムといった
他の超ウラン元素は回収されず、核分裂生成核種と共
に、再処理高レベル廃液とよばれる抽残液へ移行する。
このようにピュレックス法において回収対象外となり抽
残液に残留する超ウラン元素がマイナーアクチノイドで
あり、代表的なものとしてネプツニウムとアメリシウム
とがある。水溶液中においてネプツニウムはV価、アメ
リシウムはIII価で存在し、この原子価状態ではTBP
によっては抽出されない。そして、これらマイナーアク
チノイドは、例えば、ネプツニウム−237が214万
年、アメリシウム−241が432.6年、アメリシウ
ム−243が7370年と非常に長い半減期をもち、か
つ、α放射体であることから、再処理高レベル廃液中に
含まれる他の短半減期の核分裂生成核種からさらに分離
して別途処理・処分することで放射性廃棄物の管理負担
の軽減が図られており、これに関する公知技術として例
えば以下のものがある。
【0004】(1)群分離 短半減期の核分裂生成核種の群と長半減期のマイナーア
クチノイド群とを分離するものであり、例えば、以下の
公知技術がある。 Proc.GLOBAL’93,vol.1,p58
8−594(1993;M.Kubota et al) この公知技術は、いったん高レベル廃液側に移行したマ
イナーアクチノイドを、抽出剤を用いて大部分の核分裂
生成核種から分離するものである。なおこのときアメリ
シウムは、最も安定なIII価の原子価において同族元素
の希土類元素とともに核分裂生成核種から分離され、そ
の後この希土類元素からさらに別途分離されることとな
る。
【0005】(2)再処理プロセス内群分離 いわば燃料再処理に上記(1)の群分離を組み合わせた
ものであり、例えば以下の公知技術がある。 Proc. GLOBAL’93,vol.2,p1
008−1014(1993;J.M.Adnet e
t al) この公知技術は、ウラン、プルトニウム、ネプツニウム
(VI)、及びアメリシウム(III)を大部分の核分裂生
成核種から分離した後、アメリシウムとこれに同伴する
希土類元素をウラン、プルトニウム及びネプツニウムか
ら分離し、さらに最終的にはアメリシウムをIV価あるい
はVI価に原子価調整し、III価の希土類元素から分離す
るものである。
【0006】特開平6−186389号公報 この公知技術は、ウラン、プルトニウムの共除染工程の
高レベル廃液側にネプツニウム(V)をネプツニウム
(VI)に酸化する工程を設け、かつ共除染工程とウラン
・プルトニウム分配工程の間に、ネプツニウム(VI)の
みを選択的にネプツニウム(V)に還元する工程を設け
ることにより、使用済み原子燃料からウラン、プルトニ
ウム、及びネプツニウムを相互に分離するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術には以下の課題が存在する。すなわち、公知技術
のように、いったん高レベル廃液側に移行したマイナ
ーアクチノイドを分離すると、長期的な廃棄物管理の負
担は軽減できるものの、核分裂生成核種からマイナーア
クチノイドを分離する他の処理システムが別途必要とな
り、処理工程が複雑となる。また、上記公知技術に
おいては、アメリシウムをストロンチウム及びセシウム
等の核分裂生成核種からは分離可能であるが、アメリシ
ウムをIII価で分離する場合には特殊な溶媒を用いるこ
とから、上記公知技術記載のようにIII価の希土類
元素はアメリシウムに同伴する。したがって、核分裂生
成核種から分離さえれたアメリシウムと希土類元素と
を、さらに互いに分離する工程が必要であり、処理工程
が複雑となる。さらに、上記公知技術においては、マ
イナーアクチノイドであるネプツニウム(V)をネプツ
ニウム(VI)に酸化する工程において、ウランやプルト
ニウムは共存していない。すなわち、いったん廃液側に
取りだしたものを戻しており、処理工程の簡素化(例え
ばワンストリーム化)が十分でない。またネプツニウム
以外の例えばアメリシウムに適用するのが不可能であ
る。また、上記公知技術においては、ネプツニウム酸
化工程の前の原子価調整工程においてプルトニウム(I
V)に調整し、最終的にはプルトニウムをウランととも
に単独で精製する。したがって、核拡散防止への配慮の
点から、特に純粋プルトニウムの取り扱いには極めて厳
重な注意が必要となるという課題がある。また公知技術
においても、プルトニウムの単独精製を行うことから
同様の課題がある。
【0008】本発明の目的は、プルトニウムの単独抽出
を避け取扱上の負担を軽減しつつ、かつワンストリーム
化で処理工程の十分な簡素化を図りつつ、ネプツニウム
・アメリシウムを含むマイナーアクチノイドを回収する
ことができる使用済み原子燃料の再処理方法を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、使用済み原子燃料を溶解してウラ
ン、プルトニウム、マイナーアクチノイド、及び核分裂
生成核種を含む溶解液とする溶解工程と、前記溶解液に
含まれているウラン及びプルトニウムの原子価を調整す
る原子価調整工程と、原子価調整されたウラン及びプル
トニウムを前記核分裂生成核種から分離する共除染工程
と、前記核分裂生成核種から分離されたウラン及びプル
トニウムを含む元素を、マイナーアクチノイドを含む元
素とウランを含む元素とに分配する分配工程とを有する
使用済み原子燃料の再処理方法において、前記原子価調
整工程で、前記ウラン及びプルトニウムの原子価をVI価
に調整するとともに、前記マイナーアクチノイドの原子
価をIV価・VI価の少なくとも一方に調整し、前記共除染
工程で、VI価のウラン及びVI価のプルトニウムと、IV価
・VI価の少なくとも一方であるマイナーアクチノイドと
を含む分配対象元素を、前記核分裂生成核種から分離
し、前記分配工程で、前記分配対象元素のうちのウラン
をVI価に保持しつつ、マイナーアクチノイドをIII価・
V価の少なくとも一方に還元しかつプルトニウムをIII
価に還元することによって、該分配対象元素を、III価
・V価の少なくとも一方であるマイナーアクチノイド及
びIII価のプルトニウムの混合物と、VI価のウランとに
分離することを特徴とする原子燃料の再処理方法が提供
される。
【0010】好ましくは、前記使用済み原子燃料の再処
理方法において、前記原子価調整工程で、前記ウラン及
びプルトニウムの原子価をVI価に調整するとともに、ネ
プツニウム及びアメリシウムの原子価をともにVI価に調
整することを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法
が提供される。
【0011】また好ましくは、前記使用済み原子燃料の
再処理方法において、前記原子価調整工程で、原子価調
整剤としてペルオキソ二硫酸塩、キセノン酸塩、ビスマ
ス(V)酸塩、フルオロキシ硫酸塩、及び、オゾンのう
ち少なくとも1つを用いることを特徴とする原子燃料の
再処理方法が提供される。
【0012】さらに好ましくは、前記使用済み原子燃料
の再処理方法において、前記原子価調整工程で、電気化
学的方法を用いてウラン、プルトニウム及びマイナーア
クチノイドのすべてをVI価に調整することを特徴とする
使用済み原子燃料の再処理方法が提供される。
【0013】また好ましくは、前記使用済み原子燃料の
再処理方法において、前記共除染工程で、VI価のアクチ
ノイドイオンの安定化剤が共存している状態で共除染を
行うことを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法が
提供される。
【0014】さらに好ましくは、前記使用済み原子燃料
の再処理方法において、前記安定化剤として、硫酸イオ
ンを共存させることを特徴とする使用済み原子燃料の再
処理方法が提供される。
【0015】また好ましくは、前記使用済み原子燃料の
再処理方法において、前記原子価調整工程で、前記ウラ
ン及びプルトニウムの原子価をVI価に調整するととも
に、ネプツニウムの原子価をVI価に調整しアメリシウム
の原子価をIV価に調整することを特徴とする使用済み原
子燃料の再処理方法が提供される。
【0016】さらに好ましくは、前記使用済み原子燃料
の再処理方法において、前記原子価調整工程で、原子価
調整剤としてペルオキソ二硫酸塩、キセノン酸塩、ビス
マス(V)酸塩、フルオロキシ硫酸塩、オゾン、過ヨウ
素酸塩、過マンガン酸塩、及びセリウム(IV)化合物の
うち少なくとも1つを用い、イオン安定化剤としてヘテ
ロポリ酸化合物及びリン酸塩の少なくとも一方を用いる
ことを特徴とする原子燃料の再処理方法が提供される。
【0017】また好ましくは、前記使用済み原子燃料の
再処理方法において、前記原子価調整工程で、電気化学
的方法を用いてウラン、プルトニウム、ネプツニウムを
VI価に調整するとともにアメリシウムの原子価をIV価に
調整し、イオン安定化剤としてヘテロポリ酸化合物及び
リン酸塩の少なくとも一方を用いることを特徴とする原
子燃料の再処理方法が提供される。
【0018】さらに好ましくは、前記使用済み原子燃料
の再処理方法において、前記原子価調整工程で、原子価
調整のための酸化を促進する酸化助剤として、原子価が
I価、II価及びIII価のうち少なくとも1つである溶解
性の銀と酸との化合物を用いることを特徴とする使用済
み原子燃料の再処理方法が提供される。
【0019】また好ましくは、前記使用済み原子燃料の
再処理方法において、前記銀と酸との化合物は、硝酸
銀、硫酸銀、リン酸銀、及び酸化銀のうち少なくとも1
つであることを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方
法が提供される。
【0020】さらに好ましくは、前記使用済み原子燃料
の再処理方法において、前記共除染工程で、溶媒抽出
法、イオン交換法、沈殿分離法のうち少なくとも1つに
よって、前記分配対象元素を前記核分裂生成核種から分
離することを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法
が提供される。
【0021】また好ましくは、前記使用済み原子燃料の
再処理方法において、前記共除染工程で、抽出剤として
トリブチルリン酸、トリオクチルアミン、ジ−イソデル
シルリン酸、及びn−オクチル−N,N−ジイソブチル
カルバモイルメチレンフォスフォリックアシッドのうち
少なくとも1つを用いることを特徴とする使用済み原子
燃料の再処理方法が提供される。
【0022】さらに好ましくは、前記使用済み原子燃料
の再処理方法において、前記分配工程で、溶媒抽出法、
イオン交換法、沈殿分離法のうち少なくとも1つによっ
て、前記分配対象元素のうちのウランをVI価に保持しつ
つ、マイナーアクチノイドをIII価・V価の少なくとも
一方に還元しかつプルトニウムをIII価に還元すること
を特徴とする原子燃料の再処理方法が提供される。
【0023】また好ましくは、前記使用済み原子燃料の
再処理方法において、前記分配工程で、分配のための原
子価調整剤として、硝酸ヒドロキシルアミン、ヒドラジ
ン、亜硝酸、及びイソ−ブチルアルデヒドのうち少なく
とも1つを用いることを特徴とする原子燃料の再処理方
法が提供される。
【0024】さらに上記目的を達成するために、本発明
によれば、使用済み原子燃料を溶解してウラン、プルト
ニウム、マイナーアクチノイド、及び核分裂生成核種を
含む溶解液とする溶解工程と、前記溶解液に含まれてい
るウラン及びプルトニウムの原子価を調整する原子価調
整工程と、原子価調整されたウラン及びプルトニウムを
前記核分裂生成核種から分離する共除染工程と、前記核
分裂生成核種から分離されたウラン及びプルトニウムを
含む元素を、マイナーアクチノイドを含む元素とウラン
を含む元素とに分配する分配工程とを有する使用済み原
子燃料の再処理方法において、前記原子価調整工程で、
前記マイナーアクチノイドとプルトニウムとを同一の原
子価に調整することを特徴とする使用済み原子燃料の再
処理方法が提供される。
【0025】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、使用済み原子燃料を溶解してウラン、プルトニ
ウム、マイナーアクチノイド、及び核分裂生成核種を含
む溶解液とする溶解工程と、前記溶解液に含まれる元素
の原子価を調整する原子価調整工程と、分離対象元素を
前記核分裂生成核種から分離する共除染工程とを有する
使用済み原子燃料の再処理方法において、前記溶解工程
の後にかつ前記原子価調整工程の前に設けられ、前記ウ
ランの原子価をVI価に保持し前記マイナーアクチノイド
の原子価をIII価・V価の少なくとも一方に保持すると
ともに、前記プルトニウムの原子価をIII価に還元する
ことにより、該プルトニウム及びマイナーアクチノイド
の混合物から該VI価のウランを分離・回収するウラン回
収工程をさらに有し、前記原子価調整工程において、前
記プルトニウムの原子価をVI価に調整するとともに、前
記マイナーアクチノイドの原子価をIV価・VI価の少なく
とも一方に調整し、前記共除染工程において、前記VI価
のプルトニウムと、前記IV価・VI価の少なくとも一方で
あるマイナーアクチノイドとを含む分配対象元素を、前
記核分裂生成核種から分離することを特徴とする使用済
み原子燃料の再処理方法が提供される。
【0026】
【作用】一般に、ウラン、プルトニウム、ネプツニウム
及びアメリシウムのようなアクチノイドは、一般にIV価
とVI価では錯形成し易いのに対して、III価とV価では
錯形成しにくい。このため、IV価とVI価では溶媒抽出や
イオン交換で分離しやすく、III価とV価は低い原子価
をもつイオンから分離しにくい。本発明においては、こ
の性質を利用するために、まず原子価調整工程で、ウラ
ン及びプルトニウムの原子価をVI価に調整するととも
に、マイナーアクチノイドの原子価をIV価又はVI価に調
整することにより、ウラン及びプルトニウムが共存した
状態でマイナーアクチノイドを酸化する、すなわちネプ
ツニウムをV価→VI価、アメリシウムをIII価→IV価又
はVI価にする。したがって、一旦廃液側に取り出したマ
イナーアクチノイドを酸化して戻す場合に比し、ワンス
トリーム化が可能となって処理工程を簡素化することが
できる。そして、共除染工程で、VI価のウラン、VI価の
プルトニウム、IV価又はVI価のマイナーアクチノイド等
の分配対象元素を核分裂生成核種から分離する。すなわ
ち例えば、溶媒抽出では、IV価又はVI価のアクチノイド
イオンは、一般に分配係数が大きく水溶液から有機溶媒
中に移行し易いが、核分裂生成核種は一般的な抽出剤、
例えばトリブチルリン酸では分配係数は小さく非抽出性
であるので、ウラン、プルトニウム及びマイナーアクチ
ノイドを核分裂生成核種から共除染することができる。
このとき、希土類は核分裂生成核種に同伴するか、若し
くは、一旦VI価のウラン、VI価のプルトニウム、IV価・
VI価のマイナーアクチノイドの混合物に同伴したとして
も、その後容易にこの混合物から希土類を分離すること
ができる。ここで従来のようにネプツニウムをIII価の
状態で分離する場合は、III価のアメリシウム及び希土
類の混合物を他のものから分離した後、さらにこれらII
I価のアメリシウム及び希土類を互いに分離する最終分
離工程が必要となるが、上記によってこの最終分離工程
が不要となるので、その分工程を1つ減少することがで
き、工程を簡素化することができる。また、一旦核分裂
生成核種の廃液側に移行したマイナーアクチノイドを分
離する場合のように、マイナーアクチノイドを核分裂生
成核種から分離する他の処理システムが別途必要となる
ことがない。すなわち、工程を簡素化することができ
る。そして分配工程で、分配対象元素のうちのウランを
VI価(抽出性原子価)に保持しつつ、マイナーアクチノ
イドをIII価又はV価(=非抽出性原子価)に還元しか
つプルトニウムをIII価(=非抽出性原子価)に還元す
ることによって、分配対象元素を、III価又はV価であ
るマイナーアクチノイド及びIII価のプルトニウムの混
合物とVI価のウランとに分離する。これにより、マイナ
ーアクチノイドをプルトニウムとともに回収できるの
で、プルトニウムの単独精製を避けつつマイナーアクチ
ノイドの回収を行うことができ、純粋プルトニウムが単
独精製される場合に比し取扱いの負担を軽減することが
できる。
【0027】また、原子価調整工程で、ペルオキソ二硫
酸塩、キセノン酸塩、ビスマス(V)酸塩、フルオロキ
シ硫酸塩、オゾン等の原子価調整剤を用いるか、電気化
学的方法を用いることにより、ウラン、プルトニウム及
びマイナーアクチノイドのすべてをVI価に調整すること
ができる。このとき、VI価のアクチノイドイオンの安定
化剤、例えば硫酸イオンが共存している状態で共除染を
行うことにより、確実・安定的に共除染を行うことがで
きる。また、原子価調整工程で、ペルオキソ二硫酸塩、
キセノン酸塩、ビスマス(V)酸塩、フルオロキシ硫酸
塩、オゾン、過ヨウ素酸塩、過マンガン酸塩、及びセリ
ウム(IV)化合物等の原子価調整剤を用いるとともにヘ
テロポリ酸化合物及びリン酸塩等のイオン安定化剤を用
いるか、若しくは、電気化学的方法を用いることによ
り、ウラン及びプルトニウムの原子価をVI価に調整する
とともに、ネプツニウムの原子価をVI価に調整しアメリ
シウムの原子価をIV価に調整することができる。さら
に、原子価調整工程で、原子価調整のための酸化を促進
する酸化助剤として、I価・II価・III価の溶解性の銀
と酸との化合物、例えば、硝酸銀、硫酸銀、リン酸銀、
酸化銀等を用いることにより、プルトニウムをIV価から
VI価へ、ネプツニウムをV価からVI価へ、アメリシウム
をIII価からIV価又はVI価へと酸化する原子価調整剤の
はたらきを助けることができる。また、共除染工程で、
トリブチルリン酸(TBP)、トリオクチルアミン(T
OA)、ジ−イソデルシルリン酸(DIDPA)、又は
n−オクチル−N,N−ジイソブチルカルバモイルメチ
レンフォスフォリックアシッド(CMPO)等を抽出剤
とする溶媒抽出法、イオン交換法、沈殿分離法等を用い
て分配対象元素を核分裂生成核種から分離することによ
り、VI価のウラン及びVI価のプルトニウムと、IV価又は
VI価のマイナーアクチノイドとを含む分配対象元素を、
核分裂生成核種から分離する工程を実現することができ
る。さらに、分配工程で、硝酸ヒドロキシルアミン、ヒ
ドラジン、亜硝酸、又はイソ−ブチルアルデヒド等を分
配のための原子価調整剤とする溶媒抽出法や、イオン交
換法、沈殿分離法等を用いることにより、ウランをVI価
に保持しつつ、マイナーアクチノイドをIII価又はV価
に還元しかつプルトニウムをIII価に還元する工程を実
現することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しつつ説明
する。本発明の第1の実施例を図1及び図3により説明
する。本実施例は、ペルオキソ二硫酸アンモニウムを酸
化剤、硝酸銀を酸化助剤として用いてウラン、プルトニ
ウム、ネプツニウム及びアメリシウムをVI価に原子価調
整した後、TBPを用いた溶媒抽出法によって共除染を
行うものである。
【0029】図1は、本実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。以下、この手
順を、せん断工程1、溶解工程2、原子価調整工程3、
共除染工程4、分配工程5の順を追って説明する。ウラ
ン、プルトニウム、及びネプツニウム・アメリシウム等
のマイナーアクチノイドを含んだ使用済み原子燃料は、
まず、せん断工程1においてせん断器6で所定の長さに
切断される。その後、溶解工程2に移って溶解槽7中で
約3モル/l程度の硝酸41が加えられて溶解される。
なお、このとき、これらの工程で発生する放射性気体廃
棄物は、オフガス処理系15を介して主排気塔から放出
される。またこれらせん断工程1及び溶解工程2におけ
るせん断・溶解・オフガス処理の方法及び装置構成等
は、現行の使用済み燃料再処理プロセスで採用されてい
る公知の方法・構成を利用することができる。
【0030】次に、原子価調整工程3に移り、溶解液
は、脱硝・原子価調整槽8に供給される。そして、バッ
チ操作によってギ酸18が添加された後、図示しない加
熱手段で加熱され、硝酸濃度が約0.2モル/lになる
まで脱硝される。これにより、IV価のプルトニウムの局
所的な重合を避けるとともに、溶解液の体積や廃棄物発
生量を増加させずに硝酸濃度を下げることができる。こ
のような脱硝によって、核分裂生成核種として溶解液中
に含まれるモリブデンとジルコニウムとが、モリブデン
酸ジルコニウムと呼ばれる化合物として脱硝・原子価調
整槽8内において沈殿する。またIV価のプルトニウムの
一部はこれに共沈するかあるいは加水分解重合を起こし
て沈殿する。なお、ここまでの工程は、既に群分離法の
一種であるTalspeak法で過去に実績があること
から、特に実用上の問題はない。また、このとき沈殿し
たプルトニウムが後に溶液中に回収されることから、特
に溶解液と沈殿との分離を行なわない。さらに、溶解工
程2で溶解液中に発生した不溶解残渣は、脱硝により生
成した他の沈殿とともに後述する沈殿除去装置14で除
去されることから、現行の再処理法のように溶媒抽出に
よる分離操作が行なわれる前に不溶解残渣の除去は行わ
ない。
【0031】次に、沈殿を含む脱硝・原子価調整槽8内
の溶解液に、バッチ操作で原子価調整剤としてペルオキ
ソ二硫酸アンモニウム19を添加し、図示しない加熱手
段で加熱する。このときのペルオキソ二硫酸アンモニウ
ムの濃度は、酸化還元電位の高いアメリシウムを酸化す
るのに必要な量と、共存する物質がペルオキソ二硫酸ア
ンモニウムを消費する分とを合計して、0.35モル/
lが必要量となる。これらを約20分間約70度に保
ち、ウラン、プルトニウム、ネプツニウム、アメリシウ
ムをVI価に調整する。
【0032】ここで、このVI価への原子価調整の原理に
ついて説明する。一般に、水溶液中ではウランはVI価、
プルトニウムはIV価、ネプツニウムはV価、アメリシウ
ムはIII価がそれぞれ最も安定であり、積極的な原子価
調整を行わない場合はこれらの原子価状態で存在する。
硝酸溶液中でウラン、プルトニウム、及びネプツニウム
・アメリシウム等のマイナーアクチノイドをVI価に原子
価調整しようとする際には、酸化還元電位の比較から、
アメリシウムをIII価からVI価に調整するのが最も困難
である。言い換えれば、アメリシウムをIII価からVI価
にすれば、このとき同時に他の元素の原子価調整も達成
できる。そこで、本願発明者等は、硝酸溶液中における
アメリシウムの原子価調整の難易度を確認するために、
各種濃度の硝酸に0.1M、1M、1.5M、2Mのペ
ルオキソ二硫酸アンモニウム((NH4+)228)を添
加し、アメリシウム(VI)の収率を測定する実験を行っ
た。その結果を図2に示す。図2に示されるように、低
硝酸濃度ほど、また、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの
添加量が多いほど、高い収率でVI価のアメリシウムを得
られる傾向がある。すなわち、例えば硝酸濃度が0.2
モル/l以下の硝酸中では、高々0.1モル/lのペル
オキソ二硫酸アンモニウムによって100%の収率でア
メリシウムをVI価に調整する。そして硝酸濃度が0.2
モル/lから増加するに従って収率が低下することがわ
かる。
【0033】しかしまた、図示されるように、このよう
な高い濃度の硝酸中であっても、ペルオキソ二硫酸アン
モニウムの濃度を増加させることによって、収率を増加
させることができる。例えば、濃度が1モル/lである
硝酸中に1.5モル/lのペルオキソ二硫酸アンモニウ
ムを加えることで、約90%のアメリシウムをVI価に調
整できる。なお、このとき銀イオンの濃度はVI価の収率
に影響しないことから、核分裂生成核種として得られる
銀を、酸化助剤として用いることができることがわか
る。
【0034】以上の実験結果に基づき考察すると、本実
施例においては、前述したように、硝酸濃度が0.2モ
ル/lであることから、100%のアメリシウムを完全
にIII価からVI価に移行可能であることがわかる。そし
てこれと同時に、もともとVI価であるウランはそのまま
のVI価で保持され、ネプツニウムはVI価に酸化される。
また、沈殿中に含まれていたIV価のプルトニウムは、VI
価に酸化されて溶解液中に浸出される。なお上述したよ
うに、原子燃料に含有され溶解液中に核分裂生成核種と
して存在していた銀イオンが、このときの酸化助剤とし
て作用し酸化反応を促進している。反応終了後、バッチ
操作で濃硝酸20を添加し、硝酸濃度を再び増加させて
1モル/l以上に調整する。
【0035】なお、この原子価調整工程においては、核
分裂生成核種のうちルテニウムがVIII価に酸化されて揮
発されており、オフガス処理系15において接触・還元
法等によってオフガス中から除去される。
【0036】以上のようにして原子価調整工程3を終え
た溶解液は、濾過処理装置14に送られて沈殿が除去さ
れた後、計量槽9へ送られる。そして計量槽9で計量さ
れた後に、断続的に供給槽10に供給されて供給槽10
において所定量になるまで一旦貯留される。
【0037】所定量に達した溶解液は共除染工程4に送
られて抽出器11に供給される。そしてこの抽出器11
内で、溶媒洗浄系17を介し100%のトリブチルリン
酸(TBP)21が加えられ、ウラン、プルトニウム、
ネプツニウム、アメリシウムが溶媒抽出される。
【0038】ここで、このトリブチルリン酸(TBP)
による溶媒抽出の原理について説明する。本願発明者等
は、トリブチルリン酸(TBP)中における溶媒抽出の
難易度を確認するために、上記の手順で原子価調整した
ネプツニウム(VI)、アメリシウム(VI)、及び、核分
裂生成核種の代表であるネオジムの分配係数の、トリブ
チルリン酸(TBP)濃度への依存性を測定する実験を
行った。一般に、トリブチルリン酸(TBP)を用いて
VI価のアクチノイドを溶媒抽出する際、分配係数は、硝
酸の濃度及びトリブチルリン酸(TBP)濃度と共に増
加する傾向がある。ここでは特に、硝酸濃度がほぼ一定
(=1モル/l)に固定されることから、トリブチルリ
ン酸(TBP)のみの濃度を変えて実験を行った。その
結果を図3に示す。
【0039】図3に示されるように、ネプツニウム(V
I)、アメリシウム(VI)、ネオジム(III)のいずれ
も、トリブチルリン酸(TBP)濃度が高いほど高い分
配係数を示すことがわかる。そして例えば、100%の
トリブチルリン酸(=3.65モル/l)においてネプ
ツニウムとアメリシウムの分配係数はともに1を越え、
ネオジムの分配係数がネプツニウム(VI)の1/100
以下、アメリシウム(VI)の1/50程度である。した
がって、このようなトリブチルリン酸(TBP)で抽出
を行えば、本来最も分離が困難とされていた希土類元素
の一つであるネオジムから、目的とするマイナーアクチ
ノイドを分離することができ、しかも大きな分配係数を
得ることができることがわかる。
【0040】以上の実験結果に基づき考察すると、本実
施例においては、前述したように100%のトリブチル
リン酸(TBP)が加えられることから、希土類元素を
含む核分裂生成核種から、ウラン、プルトニウム、ネプ
ツニウム、アメリシウムが良好に分離できることがわか
る。
【0041】なお、上記抽出器11内での抽出時におい
て、先の脱硝・原子価調整槽8で加えられたペルオキソ
二硫酸アンモニウムの硫酸イオンが溶液中に残存してお
り、これがVI価のアクチノイドイオン(ウラン・プルト
ニウム・ネプツニウム・アメリシウム)の安定化剤とし
て作用している。また、トリブチルリン酸(TBP)の
比重が0.9724(25℃)と水に近いことから、ト
リブチルリン酸(TBP)を希釈せず100%のまま使
用すると相分離が悪くなることが懸念されるが、本実施
例の対象となる溶解液は主としてウランを含み比重が大
きいので、この問題はほとんどなく健全に相分離でき
る。さらに抽出器11や、後述する洗浄器12及び分配
器13のセトラ部を遠心式にすれば相分離がさらに健全
となるので、実用上の問題はない。
【0042】以上のようにして、抽出器11内で溶媒抽
出を行い、希土類元素を含む核分裂生成核種の抽残液は
高レベル廃液26として排出されて図示しない高レベル
廃液処理系に送られ、最終的にはガラス固化等の処理が
なされる。有機相中に抽出されたウラン、プルトニウ
ム、ネプツニウム、アメリシウムは、洗浄器12に送ら
れる。そして洗浄器12内において硝酸22が加えられ
て洗浄された後、分配器13に供給されて分配工程5へ
移る。
【0043】分配工程5において、分配器13中の溶解
液に、還元剤(例えば、硝酸ヒドロキシルアミン、ヒド
ラジン、亜硝酸、イソ−ブチルアルデヒド等)を含んだ
硝酸水溶液23を供給して接触させる。これにより、ウ
ランをVI価に保持しつつ、プルトニウムをVI価からIII
価に、ネプツニウムをVI価からV価に、アメリシウムを
VI価からIII価に還元することができるので、溶液の有
機相にウラン24を残したまま、プルトニウム、アメリ
シウム、及びネプツニウムの混合物25を逆抽出するこ
とができる。
【0044】以上のように構成した本実施例によれば、
原子価調整工程3でウラン及びプルトニウムが共存した
状態で、現行再処理法であるピュレックス法で使用され
その性質が良く知られたトリブチルリン酸(TBP)を
使用してアメリシウムやネプツニウムを酸化できるの
で、一旦廃液側に取り出したマイナーアクチノイドを酸
化して戻す場合に比し、ワンストリーム化が可能となっ
て処理工程を簡素化することができる。そして、共除染
工程4で、希土類が核分裂生成核種に同伴して分離され
るので、その分分離工程を1つ減少することができ、こ
れによっても工程を簡素化することができる。また一旦
核分裂生成核種の廃液側に移行したマイナーアクチノイ
ドを分離する場合に比し工程を簡素化することができ
る。そして、分配工程5で、長半減期のマイナーアクチ
ノイド(ネプツニウム・アメリシウム)をプルトニウム
とともに回収できるので、プルトニウムの単独精製を避
けつつマイナーアクチノイドの回収を行うことができ、
純粋プルトニウムが単独精製される場合に比し取扱いの
負担を軽減することができ、かつ核拡散の危険性を回避
できる。また、原子燃料として有用なウランおよびプル
トニウムの回収と長半減期のマイナーアクチノイドの短
半減期の核分裂生成核種からの分離が、同じプロセスで
可能となるので、廃棄物処理が簡略化できる。また、後
述する第3の実施例に比し、酸化剤(=ペルオキソ二硫
酸アンモニウム)中に含まれる不揮発性成分が少なくて
すむという効果もある。
【0045】なお、上記第1の実施例では、溶解液の硝
酸濃度を下げる方法として脱硝を用いたが、希釈により
硝酸濃度を下げることもできる。また、上記第1の実施
例では、原子価調整剤としてペルオキソ二硫酸アンモニ
ウムを用いたが、これに限られず、他のペルオキソ二硫
酸塩や、キセノン酸塩、ビスマス(V)酸塩、フルオロ
キシ硫酸塩、オゾン等を用いて、ウラン・プルトニウム
・ネプツニウム・アメリシウムをVI価に調整してもよ
い。これらの場合も同様の効果を得る。また、公知であ
る電気化学的方法によってウラン・プルトニウム・ネプ
ツニウム・アメリシウムをVI価に調整してもよく、この
場合も同様の効果を得る。さらに、上記の実施例におい
ては、硝酸の溶解液中にもともと含まれる銀イオン(す
なわち硝酸銀)を酸化助剤として利用したが、これに限
られず、例えば硫酸銀・リン酸銀・酸化銀等の酸と銀と
の化合物を用いてもよい。これらの場合も同様の効果を
得る。
【0046】本発明の第2の実施例を図4により説明す
る。本実施例は、共除染工程において、他のタイプの抽
出剤を用いた実施例である。第1の実施例と同等の部材
・工程等には同一の符号を付す。
【0047】一般に、マイナーアクチノイドのうちアメ
リシウム・キュリウム等を原子価調整せずIII価の原子
価状態のまま抽出できる抽出剤は、同じ条件で、IV価及
びVI価のアクチノイドイオンを抽出できる。しかしこの
場合、核分裂生成核種の1つである希土類元素もIII価
のアメリシウムと同時に抽出してしまうことから、III
価のアメリシウムと希土類元素とを分離する分離工程が
別途必要になる。本実施例は、溶解工程後にアメリシウ
ムの原子価をVI価に調整することでこの課題を解決する
ものである。
【0048】図4は、本実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。せん断工程
1、溶解工程2、及び原子価調整工程3のうち脱硝・原
子価調整槽8内において銀イオンを酸化助剤として硝酸
濃度0.2モル/lでウラン・プルトニウム・アメリシ
ウム・ネプツニウムをVI価に調整する手順までは第1の
実施例と同様であるので説明を省略する。
【0049】上記原子価のVI価への調整の後、第1の実
施例では硝酸20(図1参照)を添加して硝酸濃度を増
大させたが、本実施例ではこれを行わず、硝酸濃度0.
2モル/lのまま、沈殿除去装置14、計量槽9、供給
槽10を介して共除染工程4へ送られる。そして、共除
染工程4における抽出器11には、III価のアクチノイ
ドイオンを硝酸水溶液から大きな分配係数で抽出できる
代表的な酸性有機リン系抽出剤であるジ−イソデシルリ
ン酸(DIDPA)221が供給される。このジ−イソ
デシルリン酸(DIDPA)221は陽イオン交換機構
を備えており、VI価及びIV価の原子価をもつアクチノイ
ドイオンはジ−イソデシルリン酸(DIDPA)中にお
いては広い酸濃度範囲で大きな分配係数をもつ。よって
抽出前に第1の実施例のような酸濃度調整を不要とする
ことができる。これにより、ウラン(VI)、プルトニウ
ム(VI)、ネプツニウム(VI)、アメリシウム(VI)
が、核分裂生成核種と分離されて有機相へ抽出される
が、このとき、核分裂生成核種の1つである希土類元素
も有機相へ抽出される。
【0050】しかしここにおいて、III価のイオン、例
えば原子価調整前のアメリシウム、キュリウム及び希土
類元素の分配係数は、硝酸濃度0.1モル/l程度の硝
酸で大きい値を示すが、酸濃度の増加と共に値が小さく
なる性質を有する。よって、この有機相を洗浄器12中
で3〜6モル/lの硝酸水溶液222で洗浄することに
より、一旦有機相に抽出されたこの希土類元素を水相中
に逆抽出することができる。以降の分配工程5は、第1
の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0051】以上のように構成した本実施例によれば、
共除染工程4で、一旦、希土類がウラン・プルトニウム
・ネプツニウム・アメリシウムとともに有機相側に抽出
されるものの、その後これらから容易に希土類のみを逆
抽出して分離できる。従来は、III価のアメリシウム及
び希土類の混合物を他のものから分離した後、さらにこ
れらIII価のアメリシウム及び希土類を互いに分離する
最終分離工程が必要となっていたが、上記によってこの
最終分離工程が不要となる分、工程を1つ減少すること
ができ、工程を簡素化することができる。またその他に
ついても第1の実施例と同様の効果を得られる。またこ
れに加え、脱硝・原子価調整槽8においてペルオキソ二
硫酸アンモニウム19で原子価調整した後、酸濃度を再
度調整する必要がないので、酸化剤に起因する廃棄物発
生量が少なくてすむという効果がある。さらに、マイナ
ーアクチノイドのうちキュリウムを希土類元素と共に他
の核分裂生成核種から分離できる効果もある。
【0052】本発明の第3の実施例を図5により説明す
る。本実施例は、原子価調整工程における脱硝・原子価
調整槽8内の硝酸濃度が異なる実施例である。すなわ
ち、比較的高濃度の硝酸中で原子価調整したウラン、プ
ルトニウム、ネプツニウム及びアメリシウムを、硝酸濃
度を調整せずそのままの濃度で抽出分離を行うものであ
る。第1及び第2の実施例と同等の部材・工程等には同
一の符号を付す。
【0053】図5は、本実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。せん断工程
1、及び溶解工程2のうち使用済み原子燃料を溶解槽7
中で3モル/l程度の硝酸で溶解する手順までは、第1
の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0054】使用済み燃料を溶解した後、第1の実施例
では直ちに原子価調整工程3に移って溶解液を脱硝・原
子価調整槽8に供給したが、本実施例では清澄器327
で不溶解残渣を除去した後に脱硝・原子価調整槽8に送
る。これは、後述する原子価調整工程3における硝酸モ
ル濃度が比較的高くて脱硝・原子価調整槽8において沈
殿が生じず、第1の実施例のように脱硝・原子価調整槽
8の下流側に沈殿除去装置14が設けられないことか
ら、不溶解残渣を独自に除去する必要があるからであ
る。
【0055】脱硝・原子価調整槽8内の溶解液には、第
1の実施例と同様バッチ操作によってギ酸18が添加さ
れ、硝酸濃度が第1の実施例より高い約1モル/lにな
るように脱硝される。
【0056】次に、この脱硝された溶解液の温度を約7
0℃に調整し、第1の実施例と同様、バッチ操作で原子
価調整剤としてのペルオキソ二硫酸アンモニウム19を
添加し、ウラン、プルトニウム、ネプツニウム、及びア
メリシウムをVI価に原子価調整する。このときのペルオ
キソ二硫酸アンモニウムの必要量は第1の実施例より多
い1.75モル/lとなる。約20分間約70℃に保つ
ことにより、ウラン、プルトニウム、ネプツニウム及び
アメリシウムはVI価に調整される。このとき、硝酸濃度
が1モル/lであることから、前述した図2に示される
ように、アメリシウム(VI)の収率は約90%となって
おり、約10%のアメリシウムはIII価のままで溶解液
中に含まれている。その後、溶解液は、第1の実施例の
ように硝酸20(図1参照)が加えられて硝酸濃度が増
大されることなく、そのままの濃度(1モル/l)で第
1の実施例と同様の計量槽9を経て、供給槽10に一旦
貯留される。
【0057】供給槽10内で所定量に達した溶解液は、
共除染工程4に送られて抽出器11に供給される。そし
て、この抽出器11内で、第1の実施例と同様に、溶媒
洗浄系17を介して100%のトリブチルリン酸(TB
P)21が加えられ、ウラン、プルトニウム、ネプツニ
ウム、アメリシウムが溶媒抽出される。しかしながら、
このときの溶媒抽出挙動は、第1の実施例と若干異な
る。これを図6を用いて説明する。
【0058】図6は、第1の実施例において図3に結果
を示した本願発明者等による実験と同様、上記の手順に
よって原子価調整されたネプツニウム(VI)、アメリシ
ウム(VI)、及び、核分裂生成核種の代表であるネオジ
ムの分配係数の、トリブチルリン酸(TBP)濃度への
依存性を測定する実験を、本願発明者等が行った実験結
果を示す図である。
【0059】図6に示されるように、図3と同様、ネプ
ツニウム(VI)及びアメリシウム(VI)ともに、トリブ
チルリン酸(TBP)濃度が高いほど高い分配係数を示
す。100%のトリブチルリン酸(3.65モル/l)
ではネプツニウムとアメリシウムの分配係数はともに1
を越えている。そしてこのときネオジムの分配係数はネ
プツニウム(VI)の1/100以下、アメリシウム(V
I)の1/100程度であるので、第1の実施例と同
様、希土類元素の1つであるネオジムから目的とするマ
イナーアクチノイドを分離することができ、しかも大き
な分配係数を得ることができることがわかる。
【0060】以上の実験結果に基づき考察すると、本実
施例においても、第1の実施例と同様100%のトリブ
チルリン酸(TBP)が加えられることから、希土類元
素を含む核分裂生成核種から、ウラン、プルトニウム、
ネプツニウムを良好に分離でき、定量的に抽出回収する
ことができる。しかしながらアメリシウムについては、
前述したように、約90%はVI価に移行しているもの
の、残りの約10%のアメリシウムはIII価の状態で存
在している。そしてこのIII価のアメリシウムの分配係
数は図6中に示したネオジムの分配係数と同程度である
ことから、VI価のアメリシウムのように有機相に抽出さ
れず、希土類元素を含む核分裂生成核種と挙動を共にす
ることになる。
【0061】従って、以上のような抽出器11内での抽
出では、希土類元素を含む核分裂生成核種とIII価のア
メリシウムとを含む抽残液42が排出される。そこで、
この抽残液42内に残存するアメリシウムを定量的に回
収するために、第1回目の抽出操作が終了した抽残液4
2を再度脱硝・原子価調整槽8に戻して循環させ、原子
価調整及び抽出を繰り返す。このとき、抽出器11から
の抽残液42には、有機相からトリブチルリン酸(TB
P)21が溶解混入するので、現行の再処理でも行なわ
れている希釈剤洗浄によってこれの除去を行う。すなわ
ち、水に対する溶解度が低くトリブチルリン酸(TB
P)を溶解する有機物の洗浄溶媒(例えばn−ドデカ
ン)30を洗浄溶媒処理系29を介して溶解液洗浄器2
8に供給し、この溶媒液洗浄器28に抽残液42を供給
して接触させ、トリブチルリン酸(TBP)を抽残液4
2から除去する。これにより、脱硝・原子価調整槽8に
戻って再び原子価調整される際に酸化反応を阻害しない
ようにする。洗浄された抽残液43は、脱硝・原子価調
整槽8に送られ、再度上述した方法を繰り返し、最終的
には、未回収のIII価のアメリシウムがすべてVI価に調
整されて抽出器11内で有機相中に回収され、抽残液4
2内には希土類元素を含む核分裂生成核種のみが含まれ
る形で抽出器11から排出される。この排出された抽残
液42は、さらに溶解液洗浄器28から高レベル廃液2
6として排出されて、図示しない高レベル廃液処理系に
送られ、最終的にはガラス固化等の処理がなされる。
【0062】以上のようにして最終的に有機相中にすべ
て抽出されたウラン・プルトニウム・ネプツニウム・ア
メリシウムは洗浄器12に送られ、第1の実施例と同様
に硝酸22が加えられて洗浄された後、分配器13に供
給されて分配工程5へ移る。なおこのとき、前述したよ
うに、原子価調整効率の関係から、抽出器11内の1回
目の抽出後の有機相と、それ以降の抽出後の有機相とで
は含まれる元素の割合が異なり、後になるほどアメリシ
ウムの割合が大きくなるので、共除染工程4が終了した
洗浄器12からの有機相は、次の分配工程の分配器13
へ送られる前に、貯留槽331で所定量になるまで貯留
される。
【0063】以降の分配工程5は、第1の実施例と同様
であるので説明を省略する。
【0064】本実施例によっても、第1の実施例と同様
の効果を得る。
【0065】本発明の第4の実施例を図7により説明す
る。本実施例は、第3の実施例における共除染工程にお
いて、他のタイプの抽出剤を用いた実施例である。第1
〜3の実施例と同等の部材・工程等には同一の符号を付
す。
【0066】図7は、本実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。せん断工程
1、溶解工程2、原子価調整工程3、及びこれに続く計
量槽9での計量、供給槽10での貯留までの手順は第3
の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0067】供給槽10からの溶解液は、共除染工程4
へ送られて抽出器11に供給される。抽出器11には、
前述したDIDPAと同様にIII価のアクチノイドイオ
ンを硝酸水溶液から大きな分配係数で抽出できるn−オ
クチル−N,N−ジイソブチルカルバモイルメチレン フ
ォスフォリック アシッド(CMPO)421が供給さ
れる。これにより、原子価調整されたウラン(VI)、プ
ルトニウム(VI)、ネプツニウム(VI)、アメリシウム
(VI)が、高レベル廃液26となる核分裂生成核種と分
離されて有機相へ抽出される。但し、このとき有機相中
には、原子価調整されないアメリシウム(III)がアメ
リシウム全体のうち約10%含まれており、また希土類
元素も有機相中に抽出されている。そこで、この有機相
を希土類除染器412中に供給して希薄硝酸422で洗
浄することにより、一旦有機相に抽出された希土類元素
をアメリシウム(III)とともに水相44中に逆抽出す
る。そしてこれを、第3の実施例と同様に溶媒液洗浄器
28に導いて洗浄溶媒に接触させて洗浄後、脱硝・原子
価調整槽8に送り、再度上述した方法を繰り返す。
【0068】これにより、最終的には、未回収のIII価
のアメリシウムがすべてVI価に調整される形で抽出器1
1内で有機相中に回収され、希土類除染器412からの
水相44内には希土類元素のみが含まれる形で溶解液洗
浄器28から希土類廃液45として排出される。この抽
出操作と原子価調整を繰り返してアメリシウムを定量的
にVI価として抽出することができる。
【0069】こうして、VI価のウラン・プルトニウム・
アメリシウム・ネプツニウムを含む希土類除染器412
からの有機相は、貯留槽331に送られる。以降、分配
工程5は、第3の実施例と同様であるので説明を省略す
る。
【0070】本実施例によっても、第3の実施例と同様
の効果を得ることができる。またこれに加え、マイナー
アクチノイドのうちキュリウムを希土類元素と共に他の
核分裂生成核種から分離できる効果もある。
【0071】本発明の第5の実施例を図8により説明す
る。本実施例は、原子価調整工程において、オゾンを酸
化剤、硝酸銀を酸化助剤、リンタングステン酸カリウム
をイオン安定化剤(=錯化剤)として用い、ウラン、プ
ルトニウム、ネプツニウムをVI価にする一方でアメリシ
ウムをIV価に調整し、その後の共除染工程において、ア
ミン系の抽出剤を用いた溶媒抽出法によって共除染を行
うものである。第1〜第4の実施例と同等の部材・工程
等には同一の符号を付す。
【0072】図8は、本実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。せん断工程
1、及び溶解工程2のうち使用済み原子燃料を溶解槽7
中で3モル/l程度の硝酸で溶解する手順までは、第1
の実施例と同様であるので説明を省略する。使用済み燃
料を溶解して溶解液とした後、第3の実施例と同様、清
澄器327で不溶解残渣を除去した後に、溶解液は原子
価調整槽532に送られる。
【0073】原子価調整槽532内においては溶解液に
オゾン33がを吹き込まれ、ウラン、プルトニウム及び
ネプツニウムが予めVI価に原子価調整される。そしてこ
れにリンタングステン酸カリウム(K1021761
34が添加された後、再度オゾン33が吹き込まれ、こ
れによってアメリシウムをIV価に調整する。
【0074】ここで一般に、アメリシウムをIII価からI
V価に調整する場合、このための標準酸化還元電位(=
式量電位)が2.34Vと非常に高いことから、アメリ
シウム(IV)を安定化する錯化剤を共存させる必要があ
る。すなわち例えば、IV価のイオンに選択的な錯化剤で
ありIV価を安定化する性質を有する、種々のヘテロポリ
リン酸やリン酸イオンを代表とする錯化剤を添加する
と、アメリシウムと錯形成を行って式量電位が低下する
ので原子価調整しやすくなる。そして特にリンタングス
テン酸カリウムを用いた場合には、アメリシウムが定量
的にリンタングステン酸イオンと錯形成するような条件
での式量電位を1.52Vまで低下させることができる
ので、オゾンによるIV価への調整が可能となる。そして
またこの電位はネプツニウムをV価からVI価に調整する
のに充分な電位である。なお、この場合の原子価調整と
しては、オゾンのほかに過ヨウ素酸塩、過マンガン酸
塩、セリウム(IV)化合物、ペルオキソ二硫酸塩、キセ
ノン酸塩、ビスマス(V)酸塩、フルオロキシ硫酸塩等
によっても達成でき、さらに、公知である電気化学的方
法を用いてもよい。
【0075】なお、アメリシウムが定量的に錯形成する
条件、すなわちリンタングステン酸イオンとアメリシウ
ムの比は酸濃度によって異なっており、酸濃度が高くな
るのにともなって過剰のリンタングステン酸イオンが必
要となる傾向を示す。本実施例では、溶解液を酸濃度調
整せず3モル/lのまま原子価調整を行うことから、リ
ンタングステン酸イオンの濃度はアメリシウムの4倍以
上が必要量となっている。また本実施例では、アメリシ
ウムの原子価調整に先だってオゾン33を吹き込み、プ
ルトニウムの原子価をIV価からVI価に原子価調整してお
くことにより、リンタングステン酸イオンがアメリシウ
ム以外で消費される分を低減し、その後に添加するリン
タングステン酸カリウム34の添加量を極力低減するよ
うにしている。
【0076】原子価調整された溶解液は、第1の実施例
のような硝酸濃度調整を行わず、溶解時の3モル/lの
まま、計量槽9を経て供給槽10に一旦貯留される。
【0077】供給槽10内で所定量に達した溶解液は、
共除染工程4に送られて抽出器11に供給される。そし
てこの抽出器11内で、溶媒洗浄系17を介し、陰イオ
ン交換機構を備えIV価及びVI価のアクチノイドイオンを
抽出するアミン系抽出剤であるトリオクチルアミン(T
OA)35と接触させる。これによって、VI価のウラ
ン、プルトニウム、及びネプツニウムは、硝酸イオンが
配位した陰イオン錯体となり、IV価のアメリシウムはリ
ンタングステン酸イオンが配位した陰イオン錯体とな
る。そしてこのとき、希土類を含む核分裂生成核種は、
陰イオン錯体として存在することができないので、ウラ
ン、プルトニウム、ネプツニウム、及びアメリシウムの
みが有機相側に抽出され、希土類を含む核分裂生成核種
は高レベル廃液26として排出されることとなる。
【0078】なお、このような陰イオン交換体を備えた
抽出剤を用いる理由は、IV価の原子価状態で存在する
アメリシウムがリンタングステン酸イオンとマイナスの
電荷をもつ陰イオン錯体を形成していること、及びVI
価の原子価状態で存在するウラン・プルトニウム・ネプ
ツニウムは、硝酸イオンと錯形成すること、により、陰
イオン交換体による抽出が望ましいと考えられるからで
ある。
【0079】上記のようにして抽出器11で有機相中に
抽出されたウラン、プルトニウム、ネプツニウム、アメ
リシウムは、洗浄器12に送られる。そして、洗浄器1
2内において硝酸22が加えられて洗浄された後、分配
器13に供給されて分配工程5へ移る。
【0080】分配工程5において、分配器13中の溶液
に、還元剤(例えば、硝酸ヒドロキシルアミン、ヒドラ
ジン、亜硝酸、イソ−ブチルアルデヒド等)を含んだ硝
酸水溶液23を供給して接触させる。これにより、ウラ
ンをVI価に保持しつつ、プルトニウムをVI価からIII価
に、ネプツニウムをVI価からV価に、アメリシウムをIV
価からIII価に還元することができるので、溶液の有機
相にウラン24を残したまま、プルトニウム、アメリシ
ウム、及びネプツニウムの混合物25を逆抽出すること
ができる。
【0081】以上のように構成した本実施例によって
も、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。ま
た、これに加え、使用済み原子燃料の溶解液の硝酸濃度
を一切調整することなく、再処理を行うことができると
いう効果もある。
【0082】なお、上記実施例においては、錯化剤とし
てリンタングステン酸カリウムを用いたが、これに限ら
れず、その他のリン酸塩や、ヘテロポリ酸化合物等を用
いてもよい。これらの場合も同様の効果を得る。また、
原子価調整工程3で添加するリンタングステン酸塩の量
がアメリシウムに対して不充分であるとき、IV価のアメ
リシウムは不均化反応によってVI価を生成するが、この
場合でも本実施例で説明した方法で回収できる。そして
この場合、第1の実施例及び第3の実施例で記載したト
リブチルリン酸(TBP)を使用することも可能であ
り、これによって錯化剤に起因する廃棄物の発生量を低
減できる効果がある。
【0083】本発明の第6の実施例を図9により説明す
る。本実施例は、共除染工程及び分配工程において、陰
イオン交換法を適用し、数段のイオン交換カラムに連続
的に溶解液・共除染液・溶離液を通す実施例である。第
1〜第5の実施例と同等の部材・工程等には同一の符号
を付す。
【0084】図9は、本実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。せん断器6に
よるせん断、溶解槽7における溶解、脱硝・原子価調整
槽8における脱硝・原子価調整、沈殿除去装置14にお
ける不溶解残渣・沈殿除去の手順までは、第2の実施例
と同様であるので説明を省略する。
【0085】沈殿除去装置14において、モリブデン酸
ジルコニウムの沈殿と分離された溶解液は、供給槽64
6へと送られる。そして、供給槽646から、弁操作に
より溶解液を一定量づつイオン交換カラム639−1,
639−2,639−3の順に通じる。
【0086】そしてイオン交換カラム639−1,63
9−2,639−3のうち、溶解液を通じ終わったもの
から順に、共除染液貯槽637内に貯留されていた共除
染液としての4〜8モル/l硝酸を弁操作によって通じ
る。これによって、共除染操作が行われて核分裂生成核
種が溶離される。すなわち、希土類を含む核分裂生成核
種のうち、硝酸水溶液から陰イオン交換体に吸着するも
のはほとんどないことから、イオン交換体に吸着性をも
つVI価のアクチノイド、すなわちウラン(VI)・プルト
ニウム(VI)・アメリシウム(VI)・ネプツニウム(V
I)から核分裂生成核種を分離して溶出させることがで
きる。この溶出液は高レベル廃液受槽640から、高レ
ベル廃液626として処理系へ送られ、ガラス固化等の
処理が行われる。
【0087】その後、イオン交換カラム639−1,6
39−2,639−3のうち、上記共除染操作が終わっ
たものから順に、マイナーアクチノイド溶離液貯槽63
8に貯留されていた還元剤を含んだ数モル/lの硝酸水
溶液を弁操作によって通じる。これにより、プルトニウ
ム及びアメリシウムをIII価に、ネプツニウムをV価に
還元してイオン交換カラム639−1,639−2,6
39−3から溶離して、VI価のまま保持されイオン交換
カラム639−1,639−2,639−3に吸着され
ているウランから分離し、プルトニウム・ネプツニウム
・アメリシウム貯槽625内に導入することができる。
【0088】そして、イオン交換カラム639−1,6
39−2,639−3のうち、上記分離が終わったもの
から順に、ウラン溶離液貯槽647に貯留されていた希
薄硝酸を弁操作によって通じることにより、イオン交換
カラム639−1,639−2,639−3に吸着して
いるVI価のウランを溶離してウラン受槽624に回収す
る。
【0089】そしてさらに、上記ウラン回収操作が終わ
ったイオン交換カラム639−1,639−2,639
−3から順に、再び供給槽646から溶解液を受け入れ
て上記操作を繰り返すことによって溶解液を連続的に再
処理する。
【0090】以上のように構成した本実施例によって
も、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。ま
たこれに加え、一つのカラムで共除染と分配との両方の
工程が可能であるという効果と、原子価調整後の溶解液
の酸濃度を再調整する必要がないという効果がある。
【0091】なお、上記第1〜第6の実施例において
は、共除染工程4において、溶媒抽出法か若しくはイオ
ン交換法を用いて共除染を行ったが、これに限られず、
公知の沈殿分離法を適用して共除染を行ってもよい。こ
の場合も、同様の効果を得ることができる。また、上記
第1〜第6の実施例においては、溶解工程2で溶解させ
た使用済み原子燃料の溶解液を、原子価調整工程3で、
ウラン、プルトニウム、ネプツニウムの原子価をVI価
に、アメリシウムの原子価をIV価又はVI価に調整した
後、共除染工程4で、ウラン、プルトニウム、ネプツニ
ウム、及びアメリシウムを、希土類を含む核分裂生成核
種から分離し、そして最後に、分配工程で、ウランをVI
価に保持しつつプルトニウム及びアメリシウムをIII価
に、ネプツニウムをV価に還元することによって、アメ
リシウム・ネプツニウム・プルトニウムの混合物と、ウ
ランとに分離した。これに対して、上記の思想をさらに
応用し、溶解工程2で溶解させた使用済み原子燃料の溶
解液を、上記分配工程のように、まず、ウランをVI価に
保持しつつプルトニウム及びアメリシウムをIII価に、
ネプツニウムをV価に還元することによって、アメリシ
ウム・ネプツニウム・プルトニウムの混合物とウランと
に分離してウランを先に回収し、その後、原子価調整工
程3で、プルトニウム、ネプツニウムの原子価をVI価
に、アメリシウムの原子価をIV価又はVI価に調整し、さ
らにその後、共除染工程4で、プルトニウム、ネプツニ
ウム、及びアメリシウムを、希土類を含む核分裂生成核
種から分離する方法も考えられる。この場合も、上記第
1〜第6の実施例と同様の効果を得る。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、原子価調整工程でウラ
ン及びプルトニウムが共存した状態でマイナーアクチノ
イドを酸化するので、一旦廃液側に取り出したマイナー
アクチノイドを酸化して戻す場合に比し、ワンストリー
ム化が可能となって処理工程を簡素化することができ
る。そして共除染工程で希土類が核分裂生成核種に同伴
するか、一旦ウラン・プルトニウム・マイナーアクチノ
イドの混合物に同伴してもその後容易に分離できる。よ
ってその分分離工程を1つ減少することができ、工程を
簡素化することができる。また一旦核分裂生成核種の廃
液側に移行したマイナーアクチノイドを分離する場合に
比し工程を簡素化することができる。そして分配工程で
長半減期のマイナーアクチノイドをプルトニウムととも
に回収できるので、プルトニウムの単独精製を避けつつ
マイナーアクチノイドの回収を行うことができ、純粋プ
ルトニウムが単独精製される場合に比し取扱いの負担を
軽減することができ、かつ核拡散の危険性を回避でき
る。また、原子燃料として有用なウランおよびプルトニ
ウムの回収と長半減期のマイナーアクチノイドの短半減
期の核分裂生成核種からの分離が、同じプロセスで可能
となるので、廃棄物処理が簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。
【図2】アメリシウムの収率の、硝酸溶液濃度及びペル
オキソ二硫酸アンモニウム濃度への依存性を示す図であ
る。
【図3】ネプツニウム(VI)、アメリシウム(VI)、ネ
オジム(III)の分配係数の、トリブチルリン酸(TB
P)濃度への依存性を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。
【図5】本発明の第3の実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。
【図6】ネプツニウム(VI)、アメリシウム(VI)、ネ
オジム(III)の分配係数の、トリブチルリン酸(TB
P)濃度への依存性を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。
【図8】本発明の第5の実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。
【図9】本発明の第6の実施例による使用済み燃料の回
収方法の手順を表している概念図である。
【符号の説明】
1 せん断工程 2 溶解工程 3 原子価調整工程 4 共除染工程 5 分配工程 6 せん断器 7 溶解槽 8 脱硝・原子価調整槽 9 計量槽 10 供給槽 11 抽出器 12 洗浄器 13 分配器 14 濾過処理装置 15 オフガス処理系 16 主排気塔 17 溶媒洗浄系 18 ギ酸 19 ペルオキソ二硫酸アンモニウム 20 濃硝酸 21 トリブチルリン酸 22 洗浄液としての硝酸 23 還元剤を含んだ硝酸水溶液 24 ウラン 25 プルトニウム、ネプツニウム、アメリシ
ウムの混合物 26 高レベル廃液 28 溶解液洗浄器 29 洗浄溶媒処理系 30 洗浄溶媒 33 オゾン 34 リンタングステン酸カリウム 35 トリオクチルアミン 41 3モル/l程度の硝酸 42 抽残液 43 洗浄された抽残液 44 水相 45 希土類廃液 221 ジ−イソデシルリン酸 222 3〜6モル/lの硝酸水溶液 327 清澄器 331 貯留槽 412 希土類除染器 421 n−オクチル−N,N−ジイソブチルカ
ルバモイルメチレン フォスフォリック アシッド 422 希薄硝酸 532 原子価調整槽 624 ウラン受槽 625 プルトニウム・ネプツニウム・アメリシ
ウム受槽 626 高レベル廃液 637 共除染液貯槽 638 マイナーアクチノイド溶離液貯槽 639−1 陰イオン交換カラム 639−2 陰イオン交換カラム 639−3 陰イオン交換カラム 640 高レベル廃液受槽 646 供給槽 647 ウラン溶離液貯槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 文雄 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済み原子燃料を溶解してウラン、プ
    ルトニウム、マイナーアクチノイド、及び核分裂生成核
    種を含む溶解液とする溶解工程と、前記溶解液に含まれ
    ているウラン及びプルトニウムの原子価を調整する原子
    価調整工程と、原子価調整されたウラン及びプルトニウ
    ムを前記核分裂生成核種から分離する共除染工程と、前
    記核分裂生成核種から分離されたウラン及びプルトニウ
    ムを含む元素を、マイナーアクチノイドを含む元素とウ
    ランを含む元素とに分配する分配工程とを有する使用済
    み原子燃料の再処理方法において、 前記原子価調整工程で、前記ウラン及びプルトニウムの
    原子価をVI価に調整するとともに、前記マイナーアクチ
    ノイドの原子価をIV価・VI価の少なくとも一方に調整
    し、 前記共除染工程で、VI価のウラン及びVI価のプルトニウ
    ムと、IV価・VI価の少なくとも一方であるマイナーアク
    チノイドとを含む分配対象元素を、前記核分裂生成核種
    から分離し、 前記分配工程で、前記分配対象元素のうちのウランをVI
    価に保持しつつ、マイナーアクチノイドをIII価・V価
    の少なくとも一方に還元しかつプルトニウムをIII価に
    還元することによって、該分配対象元素を、III価・V
    価の少なくとも一方であるマイナーアクチノイド及びII
    I価のプルトニウムの混合物と、VI価のウランとに分離
    することを特徴とする原子燃料の再処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の使用済み原子燃料の再処
    理方法において、前記原子価調整工程で、前記ウラン及
    びプルトニウムの原子価をVI価に調整するとともに、ネ
    プツニウム及びアメリシウムの原子価をともにVI価に調
    整することを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の使用済み原子燃料の再処
    理方法において、前記原子価調整工程で、原子価調整剤
    としてペルオキソ二硫酸塩、キセノン酸塩、ビスマス
    (V)酸塩、フルオロキシ硫酸塩、及び、オゾンのうち
    少なくとも1つを用いることを特徴とする原子燃料の再
    処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の使用済み原子燃料の再処
    理方法において、前記原子価調整工程で、電気化学的方
    法を用いてウラン、プルトニウム及びマイナーアクチノ
    イドのすべてをVI価に調整することを特徴とする使用済
    み原子燃料の再処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の使用済み原子燃料の再処
    理方法において、前記共除染工程で、VI価のアクチノイ
    ドイオンの安定化剤が共存している状態で共除染を行う
    ことを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の使用済み原子燃料の再処
    理方法において、前記安定化剤として、硫酸イオンを共
    存させることを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の使用済み原子燃料の再処
    理方法において、前記原子価調整工程で、前記ウラン及
    びプルトニウムの原子価をVI価に調整するとともに、ネ
    プツニウムの原子価をVI価に調整しアメリシウムの原子
    価をIV価に調整することを特徴とする使用済み原子燃料
    の再処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の使用済み原子燃料の再処
    理方法において、前記原子価調整工程で、原子価調整剤
    としてペルオキソ二硫酸塩、キセノン酸塩、ビスマス
    (V)酸塩、フルオロキシ硫酸塩、オゾン、過ヨウ素酸
    塩、過マンガン酸塩、及びセリウム(IV)化合物のうち
    少なくとも1つを用い、イオン安定化剤としてヘテロポ
    リ酸化合物及びリン酸塩の少なくとも一方を用いること
    を特徴とする原子燃料の再処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の使用済み原子燃料の再処
    理方法において、前記原子価調整工程で、電気化学的方
    法を用いてウラン、プルトニウム、ネプツニウムをVI価
    に調整するとともにアメリシウムの原子価をIV価に調整
    し、イオン安定化剤としてヘテロポリ酸化合物及びリン
    酸塩の少なくとも一方を用いることを特徴とする原子燃
    料の再処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項2又は7記載の使用済み原子燃
    料の再処理方法において、前記原子価調整工程で、原子
    価調整のための酸化を促進する酸化助剤として、原子価
    がI価、II価及びIII価のうち少なくとも1つである溶
    解性の銀と酸との化合物を用いることを特徴とする使用
    済み原子燃料の再処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の使用済み原子燃料の
    再処理方法において、前記銀と酸との化合物は、硝酸
    銀、硫酸銀、リン酸銀、及び酸化銀のうち少なくとも1
    つであることを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の使用済み原子燃料の再
    処理方法において、前記共除染工程で、溶媒抽出法、イ
    オン交換法、沈殿分離法のうち少なくとも1つによっ
    て、前記分配対象元素を前記核分裂生成核種から分離す
    ることを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の使用済み原子燃料の
    再処理方法において、前記共除染工程で、抽出剤として
    トリブチルリン酸、トリオクチルアミン、ジ−イソデル
    シルリン酸、及びn−オクチル−N,N−ジイソブチル
    カルバモイルメチレンフォスフォリックアシッドのうち
    少なくとも1つを用いることを特徴とする使用済み原子
    燃料の再処理方法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の使用済み原子燃料の再
    処理方法において、前記分配工程で、溶媒抽出法、イオ
    ン交換法、沈殿分離法のうち少なくとも1つによって、
    前記分配対象元素のうちのウランをVI価に保持しつつ、
    マイナーアクチノイドをIII価・V価の少なくとも一方
    に還元しかつプルトニウムをIII価に還元することを特
    徴とする原子燃料の再処理方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の使用済み原子燃料の
    再処理方法において、前記分配工程で、分配のための原
    子価調整剤として、硝酸ヒドロキシルアミン、ヒドラジ
    ン、亜硝酸、及びイソ−ブチルアルデヒドのうち少なく
    とも1つを用いることを特徴とする原子燃料の再処理方
    法。
  16. 【請求項16】 使用済み原子燃料を溶解してウラン、
    プルトニウム、マイナーアクチノイド、及び核分裂生成
    核種を含む溶解液とする溶解工程と、前記溶解液に含ま
    れているウラン及びプルトニウムの原子価を調整する原
    子価調整工程と、原子価調整されたウラン及びプルトニ
    ウムを前記核分裂生成核種から分離する共除染工程と、
    前記核分裂生成核種から分離されたウラン及びプルトニ
    ウムを含む元素を、マイナーアクチノイドを含む元素と
    ウランを含む元素とに分配する分配工程とを有する使用
    済み原子燃料の再処理方法において、 前記原子価調整工程で、前記マイナーアクチノイドとプ
    ルトニウムとを同一の原子価に調整することを特徴とす
    る使用済み原子燃料の再処理方法。
  17. 【請求項17】 使用済み原子燃料を溶解してウラン、
    プルトニウム、マイナーアクチノイド、及び核分裂生成
    核種を含む溶解液とする溶解工程と、前記溶解液に含ま
    れる元素の原子価を調整する原子価調整工程と、分離対
    象元素を前記核分裂生成核種から分離する共除染工程と
    を有する使用済み原子燃料の再処理方法において、 前記溶解工程の後かつ前記原子価調整工程の前に設けら
    れ、前記ウランの原子価をVI価に保持し前記マイナーア
    クチノイドの原子価をIII価・V価の少なくとも一方に
    保持するとともに、前記プルトニウムの原子価をIII価
    に還元することにより、該プルトニウム及びマイナーア
    クチノイドの混合物から該VI価のウランを分離・回収す
    るウラン回収工程をさらに有し、 前記原子価調整工程で、前記プルトニウムの原子価をVI
    価に調整するとともに、前記マイナーアクチノイドの原
    子価をIV価・VI価の少なくとも一方に調整し、 前記共除染工程で、前記VI価のプルトニウムと、前記IV
    価・VI価の少なくとも一方であるマイナーアクチノイド
    とを含む分配対象元素を、前記核分裂生成核種から分離
    することを特徴とする使用済み原子燃料の再処理方法。
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