JPH08277431A - 高温特性に優れたTiAl金属間化合物基合金材料とその製造方法 - Google Patents

高温特性に優れたTiAl金属間化合物基合金材料とその製造方法

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JPH08277431A
JPH08277431A JP7959695A JP7959695A JPH08277431A JP H08277431 A JPH08277431 A JP H08277431A JP 7959695 A JP7959695 A JP 7959695A JP 7959695 A JP7959695 A JP 7959695A JP H08277431 A JPH08277431 A JP H08277431A
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村 年 裕 花
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高温強度特性を保持したままでさらに常温延性
を向上。 【構成】微細アルミナ(Al)をO濃度が10
00〜5000重量ppmで、粒径200〜500nm
のサイズで分散し、Ti50〜53at%、およびAl
47〜50at%からなるTiAlを含む、高温強度特
性に優れたTiAl金属間化合物基合金材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温引張強度および高
温・室温延性に優れたTiAl金属間化合物基合金およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐環境性構造材として、材料開発が進め
られている材料にTiAl金属間化合物基合金材料があ
る。この材料は、優れた高温強度特性をもつため、将来
の高温構造用材料としての開発が期待されている。この
材料が注目されているのはその高温強度であり、従来の
Ni基およびCo基超合金の特性値に匹敵するものであ
る。さらに、TiAl金属間化合物基合金材料の比重が
3.8であり、これら超合金の比重が10近いことを考
慮すれば、TiAl金属間化合物基合金材料は、高温の
比強度では超合金に勝るものである。このため、軽量性
を必要とする次世代航空機用材料として有望である。
【0003】しかし、TiAl金属間化合物基合金材料
を含め、これら超合金等の合金系高温強度材料の使用温
度は900℃が限界であり、900〜1100℃におい
て充分強度のある金属系材料は今までなかった。むし
ろ、1000℃以上の温度域においてはセラミックス、
C/C(カーボン・カーボンファイバー)等の非金属系
材料が使用されている。しかし、これらの材料は高温強
度は高いが、殆どの場合、破壊は弾性応力内で起こり、
延性がゼロである。このため、安全性を考慮すれば延性
を有する合金系材料が望まれている。
【0004】従来技術として、金属間化合物系薄板を製
造するニア・ネット・シェイプの鋳造技術がある。ニア
ネット・シェイプの薄板製造技術は最近急速に進展して
おり、特に金属材料系ではステンレス・薄板製造などへ
の応用が進んでいる。その薄板製造技術としては、種々
の鋳造方法が提案されているが、その中で双ロール法は
厚みの一様な連続した薄板を作製するのに適している。
【0005】上記技術の金属間化合物材料への適応例と
しては、微量のボロンを添加することにより延性が改善
されたニッケル・アルミニウム金属間化合物(Ni
l)の例が知られている。これは1988年11月に開
催された「ニア・ネット・シェイプ製品の鋳造」(“Ca
sting ofNeare Net Shape Products”)に関する国際会
議に報告されている(Proceedings of an Internationa
l Sympo-sium of NearNet Shape Products,315 〜333
ページ、The Metallurgical Society 発行)。また、T
iAl金属間化合物薄板の製造方法は、特願平3−50
1367号に記載されている。
【0006】さらに、ボロンを添加したTiAl金属間
化合物材料についてはプラズマ溶製、恒温鍛造による製
造法が開示された米国特許第4,842,820号明細
書およびメカニカル・アロイングによる製造法が開示さ
れた米国特許第4,751,048号明細書がある。
【0007】クロムを添加したTiAl金属間化合物材
料については、プラズマ溶製、恒温鍛造による製造法が
米国特許第4,842,819号明細書および米国特許
第4,879,092号明細書に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温強度特
性を高めたTiAl基金属間化合物材料を得ると共に、
この高温強度特性を保持したままでさらに常温延性を向
上させることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の事項を
その要旨としている。すなわち、 微細アルミナ(Al)をO濃度が1000
〜5000重量ppmで、粒径200〜500nmのサ
イズで分散し、Ti50〜53at%、およびAl47
〜50at%からなるTiAlを含むことを特徴とす
る、高温強度特性に優れたTiAl金属間化合物基合金
材料。 さらに、Cr、MnおよびVの1種又は2種以上を
1〜3at%含有していることを特徴とする、前項に
記載のTiAl金属間化合物基合金材料。 微細アルミナ(Al)をO濃度が1000
〜5000重量ppmで、粒径200〜500nmのサ
イズで分散し、かつボライド(TiB)をB濃度が
0.1〜10at%で粒径500nm以下のサイズで分
散し、Ti50〜53at%およびAl47〜50at
%からなるTiAlを含むことを特徴とする、高温強度
と延性に優れたTiAl金属間化合物基合金材料。 さらに、Cr、MnおよびVの1種又は2種以上を
1〜3at%含有していることを特徴とする、前項に
記載のTiAl金属間化合物基合金材料。 微細アルミナ(Al)をO濃度が1000
〜5000重量ppmで、粒径200〜500nmのサ
イズで分散し、かつボライド(TiB)をB濃度が
0.1〜10at%で粒径500nm以下のサイズで分
散し、Cr、MnおよびVの1種又は2種以上を1〜3
at%含有し、Ti50〜53at%およびAl47〜
50at%からなり、10〜10℃/秒の冷却速度
で直接鋳造されたことを特徴とする、高温強度と延性に
優れたTiAl金属間化合物基合金材料。 母合金溶製時に500nm径以下の微細TiB
分散させておき、母合金の溶解に際し、高周波溶解に使
用する坩堝をカルシア坩堝またはカルシア(CaO)粉
末をコーティングしたアルミナ(Al)坩堝を用
いるとともに、双ロール鋳造設備の容器内においてTi
板を800〜1100℃に加熱し、容器内部の酸素をゲ
ッタリングすることにより雰囲気中の酸素濃度を0.2
%以下に低減させて双ロール鋳造法にて製造したことを
特徴とする、室温強度、室温延性、高温強度、および高
温延性に優れたTiAl金属間化合物基合金材料の製造
方法。 母合金溶製時に500nm径以下の微細TiB
分散させておき、母合金の溶解に際し、高周波溶解に使
用する坩堝をカルシア坩堝またはカルシア(CaO)粉
末をコーティングしたアルミナ(Al)坩堝を用
いるとともに、VIM容器内においてTi板を800〜
1100℃に加熱し、容器内部の酸素をゲッタリングす
ることにより雰囲気中の酸素濃度を0.2%以下に低減
させて鋳造したインゴットを粉砕したものを原料とし
て、メカニカル・アロイングにて製造した粉末を焼結し
て成形したことを特徴とする、室温強度、室温延性、高
温強度、および高温延性に優れたTiAl金属間化合物
基合金材料の製造方法。 鋳造したインゴットを恒温鍛造にて微細粒組織化し
たことを特徴とする、前項に記載の金属間化合物基合
金材料の製造方法。
【0010】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
者らは、従来のTiAl金属間化合物基合金のマトリッ
クスに加え、マトリックス中に粒径500nm以下のA
微細酸化物を10μm以下の間隔で分散させる
ことにより高温高強度が得られることを見い出した。
【0011】また、本発明者らは、TiAl金属間化合
物基合金のマトリックスにさらにボライド(TiB
を複合分散させることにより、Alを単独に分散
させることにより達成される高温高強度を保持したまま
の状態でさらに常温延性が確保できることを見い出し
た。すなわち、微細化により常温延性が向上したにもか
かわらず、高温において細粒化で予想される粒界すべり
の助長による強度低下はみられず、高温強度を飛躍的に
向上することができたのである。
【0012】ここで、この高温強度が発現する機構につ
いて述べる。一般に合金材料における強度発現温度域
は、その材料の絶対温度で表示した場合の融点の0.6
倍の温度までとされている。これ以上の温度においては
拡散が支配的となり、材料が降伏点よりも低い応力でず
るずると粘性的に変形してしまうからである。すなわ
ち、クリープ変形が主体となる。
【0013】TiAlの場合、二元系においては融点が
1470℃であるから絶対温度では1743K、その
0.6倍は1046Kである。すなわち、772℃が強
度発現の限界であると考えられる。これ以上の温度にな
ると粒界すべり、粒内での転位によるすべりが活性化さ
れ、降伏応力の低下、強度の低下がみられる。従来の熱
処理または恒温鍛造処理を行ったTiAl金属間化合物
基合金においては、800℃での強度は180〜300
MPa、1000℃での強度は80〜150MPa、さ
らに1100℃での強度は40MPa以下であった。
【0014】これに対し、本発明材料のように、Al
微細酸化物およびTiBの複合分散を行ったマト
リックスは、その降伏応力、強度が向上する。これは下
記の理由によるものと考えられる。
【0015】まず、粒界すべりについては粒界上の微細
酸化物の存在により、高温における結晶粒の安定性が増
し、粒界がピン止めされることにより強度が向上する。
また、粒内の転位がすべる場合、粒内の微細酸化物に転
位が集積し、それ以上の転位の運動が妨げられ、強度が
増加する。さらに、このように転位の増殖が抑制されて
いるため再結晶化の駆動力である集中した転位密度の増
加が低減するために動的再結晶による強度の低下を妨げ
ることができる。これらの機構は、Al微細酸化
物およびTiBの複合分散そのものが微細介在物とし
て働くことにより説明される。
【0016】もうひとつの重要な機構としては、TiA
lのラメラ構造の構成相であるα相の酸素の固溶によ
る強化機構が挙げられる。このα相がTiAl中の酸
素のゲッターとして働いているのである。TiAl中の
γ相とα相から構成されるラメラ構造はその相間隔
が、特に第二相のαにおいて細かく、10nm程度で
ある。このため、通常の分析手法ではこの相中に含まれ
る酸素濃度の定量が困難であった。しかし、1.5wt
%の高酸素濃度の材料を用い、さらに酸素同定を容易に
し、かつ分析手段として原子オーダーの面積および定量
分析が可能なAP−FIM解析を用いることにより酸素
濃度の定量化が可能となった。その結果、殆どの酸素は
α相に吸収され、α相の酸素固溶は5原子%レベル
であることが明らかとなった(R.Uemori,T.Hanamura an
d H.Morikawa,Sc-ripta Metall.Mater., 26(1992),96
9.)。
【0017】その後、フランスの研究者によりAP−F
IMによる追試がなされ、ppmレベルでの酸素濃度の
定量が可能となった(A.Huguet and A.Menand,Applied
Science,76/77(1994),191.)。これによると、γ相中の
酸素固溶限は300wt.ppmであり、殆どの酸素は
α相に固溶され、α相中の固溶限は5原子%である
と推定される。
【0018】これらのことから、Al以外の酸素
はα相に存在し、α相を固溶強化していると考えら
れる。また、Ti合金においては酸素は一般にα相安定
化元素として知られていることから、酸素がα相に固
溶することによって高温におけるα相の安定性を高
め、高温強度に寄与していることも考えられる。これは
動的再結晶の抑制につながるものである。
【0019】以上述べたように、粒界すべりの抑制、粒
内すべりの抑制、動的再結晶の抑制の相乗効果により高
温強度が達成できると考えらる。
【0020】次に、本発明における、これら微細酸化物
のみによる微細粒子分散強化機構について、Ashby の式
を用いて考察してみる。
【0021】まず、パラメータを以下のように設定す
る。
【0022】R:微細酸化物の半径 μ:γTiAlの弾性定数 l:微細酸化物の平均粒子間距離 f:微細酸化物の体積占有率 b:γTiAl中の転位のバーガース・ベクトル M:ポアッソン定数 σ:強度(応力) τ:強度(せん断応力) まず、微細酸化物の体積を考慮すると、次の関係式が成
り立つ。
【数1】 これにより
【数2】 せん断応力は、以下で表せる。
【数3】 よって、微細酸化物分散によるせん断応力は
【数4】 これから微細酸化物分散による強度(応力)は
【数5】
【0023】次に、各パラメータを下記の数値に設定す
る。 M=3、μ=5×1010Pa、b=0.25nm、R=
200nm、f=0.1%〜10-3 これを上記の(6)式に代入すると
【数6】
【0024】以上により、Ashby の論理式からの概算に
よると微細酸化物分散のみの寄与による強度上昇は高々
4MPaのレベルでしかないことが結論づけられる。こ
の計算結果から、実際の1100℃での高温強度が従来
の40MPaから220MPaレベルまで向上した理由
としては、単に微細酸化物の分散のみの説明では不十分
であるということがいえる。やはり、微細酸化物分散、
微細ラメラ中のα相中の酸素の固溶強化、ラメラと微
細酸化物の整合性の相乗効果によるものと考えられる。
この相乗効果を考えた場合、特に微細ラメラの間隔が小
さければ小さい程、さらに微細酸化物のサイズと微細ラ
メラの間隔が一致する程、ラメラ界面整合性の寄与が高
くなり、さらなる高温強度が得られると推定される。
【0025】ラメラ間隔の微細化による強度上昇の根拠
としては、ひとつには馬越らによるTiAlpolysynthe
tic-twin結果を用いた実験結果がある(Y.Umakoshi,T.N
akano and T.Yamane,Mat.Sci.and Eng.,A152(1992),8
1.)。この論文ではラメラ間隔が強度に対し、Hall Pet
chの関係を呈することが立証されている。
【0026】本発明においては、高温強度を達成するた
めに、微細に分散されたAlの粒径が500nm
以下である必要がある。下限は粒径が100nm、好ま
しくは200nmである。その理由は、100nm以下
では転位との相互作用が弱く、粒内すべりの抑制等が不
十分であるからである。また、500nm以上では粒径
が大きすぎて、かえって割れ発生の起点として作用し、
材料の延性を落とすからである。
【0027】この粒径範囲を有するAlを得るた
めには、酸素濃度が1000〜5000重量ppm、好
ましくは1000〜4000重量ppm、さらに好まし
くは1000〜2500重量ppmである。その理由
は、1000重量ppm以下では酸化物の量が少な過ぎ
て充分な高温強度が得られず、一方5000重量ppm
以上ではAlが粗大化して亀裂の発生サイトとし
て働き、材料の延性、靭性を低下させるからである。
【0028】本発明のTiAl金属間化合物基合金材料
には添加元素としてCr、Mn、Vの1種または2種以
上の総計が3原子%以下含有することができる。Cr、
Mn、Vは、恒温鍛造を付加することにより組織を微細
化すると共に、γ粒界にβ相を析出させるので高温での
超塑性能を高め、高温延性を向上させる効果を有する。
【0029】一般には、組織を微細化すると常温の強
度、延性は向上するが、細粒のために粒界すべりが助長
され、高温の強度は低下する。しかし、本発明材料は、
微細酸化物を分散させるとともに、TiBの添加によ
り高温強度を急激に低下させずに高温延性、さらには常
温延性を2%以上向上できる。
【0030】TiAl金属間化合物基合金材料の常温延
性を高めるには組織を均一微細化することが重要であ
る。従来、そのためには、1200℃近くの高温領域に
て低歪速度で恒温鍛造を行うプロセスが必要であった。
通常の鋳造組織、例えばTi:50原子%、Al:50
原子%の組成の二成分系においては、鋳造ままの組織の
結晶粒径は、2mm程度にも粗大化する。また、薄板直
接鋳造によるTiAl金属間化合物基合金薄板では、鋳
造ままで板厚が1.5mmと薄いため組織制御に必要な
恒温鍛造による80%程度の圧下がかけられない等の問
題がある。
【0031】本発明においては、鋳造ままの状態におい
て20μmの均一微細粒が得られた。以下に、この室温
延性の発現機構について説明する。まず、アルミナ微細
粒を結晶粒微細化のための結晶核の発生サイトとする。
しかし、アルミナ単独ではこれを核とした結晶粒成長が
容易ではないため、アルミナに複合的に析出するもうひ
とつの析出相を用いる。この析出相は、TiAl金属間
化合物基合金の溶湯中には溶融状態として存在し、Ti
Al金属間化合物基合金の凝固の際にアルミナ上に整合
析出することが望ましい。この析出に伴いアルミナ周囲
のこの析出物の構成元素が低減することにより、アルミ
ナ周囲の局所領域において結晶核発生の潜伏時間が縮小
され、核発生が起こる。アルミナが予め微細に多数分散
されていれば、結晶核発生が多くの領域で同時に起こる
ために微細粒組織が得られることになる。
【0032】アルミナ、およびマトリックス相であるγ
TiAl相の両者に整合する析出物としてTiBを選
び、実験を行った。その結果、通常の高周波溶解(VI
M溶解)、通常のインゴット鋳造で100μmの均一微
細粒組織を得ることができた。
【0033】さらに組織を微細化するためには、過冷却
による効果を合わせることがより効果的である。これに
は急冷を利用することができる。TiBを分散させた
TiAl母合金を双ロール直接鋳造を行うことで、結晶
粒径を20μmまでコントロールできた。この微細均一
組織により双ロール鋳造まま+HIP(高温静水圧圧
縮)処理+1000℃の歪取り焼鈍により室温引張延性
2.12%を得ることができた。
【0034】本発明においては、合金の溶解に際し、高
周波溶解に使用する坩堝をカルシア(CaO)粉末をコ
ーティングしたアルミナ(Al)坩堝を用い、坩
堝からの酸素等のコンタミの混入を抑える。この理由
は、アルミナと比較してカルシアは熱力学的に安定であ
り、アルミナが原料であるTiと反応して還元されるの
に対し、カルシアはTiとの反応が殆ど無いことによ
る。
【0035】本発明においては、双ロール鋳造設備の容
器内においてTi板を1000℃近くに加熱し、容器内
部の酸素をゲッタリングすることにより雰囲気中の酸素
濃度を低減させる。この際、酸素濃度は雰囲気中200
ppm以下にすることが必要であるが、100ppm以
下に下げることが望ましい。この雰囲気中の酸素濃度を
100ppm以下にすると坩堝コーティングの併用によ
り直接鋳造材中の酸素濃度を0.25wt%以下に低減
できる。これにより、マトリックス中のアルミナ酸化物
を最適状態にコントロールできる。また、雰囲気中の酸
素濃度が200ppm以下であっても酸化物のコントロ
ールは可能である。
【0036】本発明においては、アルミナ酸化物を50
0nm以下の微細粒として分散させることが可能であ
る。その理由は、高周波溶解によって母材の溶解中、常
に溶湯が高周波によって引き起こされる強い対流中で攪
拌されており、双ロールの直接鋳造によりそれをそのま
ま凍結するからである。ここでいう凍結とは、高温にお
ける酸化物の分散を保ったまま固体化した状態をいい、
これにより酸化物の凝集による粗大化を抑制することが
できる。
【0037】一般に、アルミナ酸化物は凝集して粗大化
しやすく、酸素濃度1.5wt%においては通常のイン
ゴットに鋳込んだ状態で50μm径に粗大化してしま
う。双ロールを用いて凍結しても2〜3μmになってし
まうが、本発明によれば、0.25wt%の低酸素濃度
と双ロール法との組み合わせによって500nm径以下
の微細酸化物の分散が達成できる。
【0038】本発明において、組織微細化に必要なTi
の添加は、母合金のVIM溶製の際、モールドへの
注湯の2〜3分前に溶湯中にTi箔にくるんだ状態で挿
入する。これは溶湯中の滞在時間を少なくすることによ
り、TiBの凝集を防止するのがねらいである。
【0039】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例によ
り、さらに説明する。
【0040】まず、本発明に使用される直接鋳造薄板製
造機の一例について、図1に基づいて説明する。図1に
おいて、金属間化合物を溶解する坩堝1の下方に溶湯を
均一に供給するためのタンディシュ2を配置し、その直
下に冷却ドラム3とサイド・ダム4で構成する湯溜り部
5(鋳型)を設け、これらを雰囲気調整器7内に配設す
る。8は不活性ガス導入機構、9は排気機構である。
【0041】実施例1 アルミニウム地金とスポンジチタンをTi:50原子
%、Al:50原子%の組成で配合し、これをカルシア
(CaO)粉末をコーティングしたアルミナ(Al
)坩堝を用い高周波溶解(VIM)にて溶解して母合
金を溶製した。坩堝のサイズは、110(内径)×12
5(外径)×180(高さ)mmである。高周波溶解の
条件は、最初の10分間は電圧:62V、電流:76
A、電力:10kWで、また後半の20分は電圧:75
V、電流:80A、電力:20kWで行った。
【0042】母合金を2000〜3500gの重量範囲
で切り出し、上記坩堝に投入し、容器を密閉して、真空
にひいた後、Arガス雰囲気に置換した。Ar雰囲気
中、双ロール鋳造設備の容器内において、Ti板を10
00℃近くに加熱し、容器内部の酸素をゲッタリングす
ることにより雰囲気中の酸素濃度を低減させた。この
際、双ロール鋳造機の容器内部の酸素濃度を酸素濃度計
により連続的にモニターした。ゲッタリング前の酸素濃
度は1%であったが、ゲッタリングにより0.2%以下
に低減できた。ゲッターの1000℃加熱は、双ロール
板製造完了まで継続した。
【0043】次に、上記のAr雰囲気中において母合金
を加熱溶解し、1600℃の温度に調整した後、幅4m
m、長さ95mmの開口部をもつタンディシュを介し
て、湯溜り部5に注入した。該湯溜り部5を構成する冷
却ドラム3は、直径300mm、幅100mmの一対の
銅合金製であって、内部冷却されている。溶湯を一定の
ドラム支持力でかつ、10℃/secの冷却速度によ
り急冷凝固し、連続板状鋳片を作製した。この際板厚
は、双ロール間隔(1.5mm)、ロール回転速度
(0.44m/s)、溶湯傾注の際の溶湯温度(160
0℃)の設定により、1.5mmに統一した。
【0044】冷却ドラム3から送り出された鋳片6は、
雰囲気調整容器7内で1℃/secの冷却速度で徐冷さ
れながら搬送容器に挿入された。得られた鋳片の鋳造方
向における断面組織では、鋳造のまま凝固組織は鋳片の
両表面から中心部に向かう柱状晶のみか、あるいは前記
柱状晶と鋳片中心部付近に存在する等軸晶との混合組織
から構成されている。
【0045】図2〜図5に示す如く、本発明で得られた
鋳片のミクロ組織は、500nm径以下のAl
微細分散している。図2は酸素濃度1.5wt%材中の
アルミナの結晶構造であり、図3はその拡大図である。
また、図4は酸素濃度0.25wt%材中のアルミナの
結晶構造であり、図5はその拡大図である。
【0046】実施例2 アルミナ地金とスポンジチタンをカルシア(CaO)粉
末をコーティングしたアルミナ坩堝を用いて高周波溶解
(VIM)し、添加元素としてCrを加えて、Ti−4
7Al−3Crの母合金を溶製した。これを実施例1と
同様の製造法、すなわち双ロール薄板鋳造し、高温静水
圧圧縮(HIP)により鋳片を得た。
【0047】このようにして得られた鋳片の高温におけ
る機械的性質を、表1に示す。機械的性質試験は、試験
雰囲気真空5×10-5torr、歪速度:7.2×10
-4sec-1の条件で行った。
【0048】
【表1】 また、Ti−47Al−3Cr材の1000℃における
引張強度に及ぼす酸素濃度の影響を、図6に示す。この
結果から、本発明において、酸素濃度の上限は5000
重量ppm、好ましくは4000重量ppm以下であ
る。
【0049】比較例1〜5 比較例として、表2に示すような従来のTiAl合金材
料、すなわちプラズマ溶解した焼鈍材、恒温鍛造材並び
に市販の超合金を取り上げた。
【0050】
【表2】 次に、本発明のTiAl金属間化合物基合金材料と従来
材との高温特性について比較した。図7に、両材料の比
強度‐温度の関係をそれぞれ示す。図7のデータから、
本発明材料は、高温比強度特性において合金系として最
高強度を有すると言える。
【0051】本発明によれば、得られた鋳片または処理
薄板の機械的性質は、著しく改善された。これは主に、
不純物混入の低減により材料中の酸素濃度が低減した結
果、最適値の酸素量が得られ、さらに高周波による攪拌
によって酸化物が微細に分断され、その状態を双ロール
直接鋳造によって凍結できたためと考えられる。
【0052】実施例3〜5 アルミニウム地金とスポンジチタンをTi:50原子
%、Al:50原子%の組成で配合し、これを高周波溶
解(VIM)にて溶解して母合金を溶製した。その際、
最終的な溶湯の注湯の段階で、1原子%相当のTiB
粉末をAl箔にくるんだものを溶湯に添加した。これに
より、γTiAlマトリックス中へのTiB粉末の分
散を行った。
【0053】次に、溶解前に高周波溶解に使用する坩堝
をカルシア(CaO)粉末をコーティングしたアルミナ
(Al)坩堝を用意した。母合金を2000〜3
500gの重量範囲で切り出した物を上記坩堝に投入
し、容器を密閉し、真空にひいた後、Arガス雰囲気に
置換した。
【0054】Ar雰囲気中、双ロール鋳造設備の容器内
において、Ti板を1000℃近くに加熱し、容器内部
の酸素をゲッタリングすることにより雰囲気中の酸素濃
度を低減させた。この際、双ロール鋳造機の容器内部の
酸素濃度を酸素濃度計により連続的にモニターした。ゲ
ッタリング前の酸素濃度は1%であったが、ゲッタリン
グにより0.2%以下に低減できた。ゲッターの100
0℃の加熱は、双ロール板製造完了まで継続した。
【0055】次に、Ar雰囲気中において母合金を加熱
溶解し、1700℃の温度に調整した後、幅4mm、長
さ95mmの開口部をもつタンディシュを介して、湯溜
り部5に注入した。該湯溜り部5を構成する冷却ドラム
3は、直径300mm、幅100mmの一対の同合金製
であって内部冷却されている。溶湯を一定のドラム支持
力でかつ、10℃/secの冷却速度により急冷凝固
し、連続板状鋳片を作製した。この際、板厚は双ロール
間隔(1.5mm)、ロール回転速度(0.44m/
s)、溶湯傾注の際の溶湯温度(1600℃)の設定に
より、1.5mmに統一した。
【0056】冷却ドラム3から送り出された鋳片6は、
雰囲気調整容器7内で1℃/secの冷却速度で徐冷さ
れながら搬送容器に挿入された。実施例として使用した
試料・組成および加工・熱処理条件を、表3に示す。
【0057】
【表3】 TiB添加による組織微細化に及ぼす影響について観
察した。図8はTiB無添加の比較材(比較例10) 、
図9は0.1原子%TiB添加の本発明材(実施例
3)および図10は1原子%TiB添加の本発明材
(実施例4)の板厚断面の光学顕微鏡金属組織写真であ
る。
【0058】なお、図8〜図10の写真はいずれも5枚
組となっている。写真の左側は:断面の全体写真、中
央上部は:板厚表面の拡大写真、中央下部は:板厚
中心の拡大写真、さらに右側上部は:の拡大写真、
右側下部は:の拡大写真である。
【0059】図8〜図10から分るように、TiB
添加により組織の微細化が顕著におこり、1原子%の添
加では10μmレベルになる。また、双ロールによる急
冷を行わないTiB無添加の300ppm酸素材(5
0原子%Ti−50原子%Al)では結晶粒径は2mm
にも粗大化する。
【0060】TiB添加による機械的性質に及ぼす影
響について調査した。TiB無添加の比較材(比較例
13)、TiB0.1原子%添加の本発明材(実施例
3)、およびTiB1原子%添加の本発明材(実施例
4)の高温における引張強度を図11に、また延性を図
12に、それぞれ示す。
【0061】また、本発明材料(実施例4)の室温およ
び高温における引張強度特性を、表4に示す。また、比
較材としてTiBを添加しない直接鋳造TiAl材
(比較例13)の室温および高温における引張強度特性
を、表5に示す。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】これらの結果から分るように、本発明材は
TiBの添加により高温強度を低下せずに高温延性が
増し、さらに常温延性は0%から2.12%へと向上す
る。
【0065】次に、本発明法と従来法により製造したT
iAl金属間化合物基合金材の高温強度特性について比
較した。本発明法は双ロール鋳造、酸素濃度2500p
pm、従来法はプラズマ溶製、恒温鍛造、酸素濃度50
0ppmの製造条件とした。
【0066】本発明法(実施例3)および従来法(比較
例6)で製造したTi−50Al−0.1TiB薄板
の降伏応力‐温度の関係を、図13に示す。また、本発
明法(実施例4)および従来法(比較例7)で製造した
Ti−50Al−1TiB薄板の降伏応力‐温度の関
係を、図14に示す。
【0067】図13および図14に示す結果から分るよ
うに、本発明方法により製造されたTiAl金属間化合
物基合金材は著しい高温強度の向上が認められる。ま
た、図15に示す従来のTiAl材との比較、および図
16に示す超合金の特性との比較例に見られる様に、本
発明材料は従来の高温強度合金を大きく上回る特性を有
する。また、本発明材は比重が3.8とセラミックス並
みに低いために比強度も高くなる。
【0068】比較例6〜13 比較例として、表3に示すような従来のTiAl合金材
料、すなわち本発明材料の組成範囲に含まれない材料あ
るいは本発明方法以外で製造された材料並びに市販の超
合金を取り上げた。
【0069】実施例6 アルミニウム地金とスポンジチタンをTi:50原子
%、Al:50原子%の組成で配合し、これを高周波溶
解(VIM)にて溶解して母合金を溶製した。その際、
最終的な溶湯の注湯の段階で1原子%相当のTiB
末をAl箔にくるんだものを溶湯に添加した。これによ
り、γTiAlマトリックス中へのTiB粉末の分散
を行った。
【0070】これによって得られたインゴットを10×
10×10mm程度の小片に切り出し、ボール・ミルに
入れ、一緒に瑪瑙の球を入れた。容器内部を一旦真空引
きした後、Arで置換してボール・ミリングを24時間
行った。このようにして作られたTiAl粉末をステン
レス容器内に入れ、蓋をして真空引きした後、蓋と容器
との境を電子ビーム溶接した。この容器にくるんだTi
Alを1200℃の高温でホット・プレスにより80%
圧下して板を製造した。
【0071】このようにして、微細アルミナ(Al
)を酸素濃度で1000〜5000wtppmの範囲
で粒径200〜500nmのサイズで分散させた。さら
に500nm径以下のボライドをB濃度0.1〜10原
子%分散させた添加元素(Cr、Mn、Vの1種又は2
種以上:1〜3原子%)を含有するTiAl(Ti:5
0〜53原子%、Al:47〜50原子%)を成分とす
る金属間化合物基合金材料を製造した。
【0072】実施例7 アルミニウム地金とスポンジチタンをTi:50原子
%、Al:50原子%の組成で配合し、これを高周波溶
解(VIM)にて溶解して母合金を溶製した。その際、
最終的な溶湯の注湯の段階で1原子%相当のTiB
末をAl箔にくるんだものを溶湯に添加した。これによ
り、γTiAlマトリックス中へのTiB粉末の分散
を行った。これによって得られたインゴットを600φ
×600mmの円柱に放電加工で加工し、ホット・プレ
スにて10-6torrの真空下で、1200℃、5×1
-4sec-1の歪速度で80%圧下した。
【0073】このようにして、微細アルミナ(Al
)を酸素濃度で1000〜5000wtppmの範囲
で粒径200〜500nmのサイズで分散させ、かつ5
00nm径以下のボライドをB濃度0.1〜10原子%
分散させた添加元素(Cr、Mn、Vの1種又は2種以
上:1〜3原子%)を含有するTiAl(Ti:50〜
53原子%、Al:47〜50原子%)を成分とする金
属間化合物基合金材料を製造した。
【0074】以上各実施例に示したように、本発明によ
れば、得られた鋳片または処理薄板の機械的性質は、著
しく改善されている。これは主に、不純物混入の低減に
より材料中の酸素濃度が低減した結果、最適値の酸素量
が得られ、さらに高周波による攪拌によって酸化物が微
細に分断され、その状態を双ロール直接鋳造によって凍
結できたためと考えられる。また、アルミナ/ボライド
複合析出効果による均一微細組織達成により、この高温
強度を保った状態で室温における2.12%の延性が得
られた。
【0075】
【発明の効果】本発明により製造されたTiAl金属間
化合物基合金材料は、高温引張強度および高温・室温延
性に優れており、自動車用の排気バルブ、ターボ・チャ
ージャー、ジェット機のエンジンのタービン・ブレード
等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに使用する直接鋳造薄板製
造機の概略を示す断面側面図である。
【図2】本発明の酸素濃度1.5wt%材中のアルミナ
の結晶構造を示した写真である。
【図3】図2の写真の拡大図である。
【図4】本発明の酸素濃度0.25wt%材中のアルミ
ナの結晶構造を示した写真である。
【図5】図4の写真の拡大図である。
【図6】本発明材料であるTi−47Al−3Cr材
(原子%)についての酸素濃度(ppm)と1000℃
における引張強度(MPa)との関係について示したグ
ラフである。
【図7】本発明材料であるTi−47Al−3Cr材と
純Ti、Ti合金、従来のTiAl合金の比強度を比較
したグラフである。
【図8】TiB無添加TiAl金属間化合物基合金材
料の板厚断面の金属組織写真である。
【図9】0.1原子%TiB添加したTiAl金属間
化合物基合金材料の板厚断面の金属組織写真である。
【図10】1原子%TiB添加したTiAl金属間化
合物基合金材料の板厚断面の金属組織写真である。
【図11】TiB添加量(0、0.1および1原子
%)を変えたときの直接鋳造TiAl金属間化合物基合
金材料の引張強度を示したグラフである。
【図12】TiB添加量(0、0.1および1原子
%)を変えたときの直接鋳造TiAl金属間化合物基合
金材料の延性を示したグラフである。
【図13】本発明法(双ロール鋳造、酸素濃度2500
ppm)と従来法(VIM溶製、恒温鍛造、酸素濃度1
000ppm)により製造したTi−50Al−0.1
TiB薄板についての降伏応力‐温度特性を比較して
示したグラフである。
【図14】本発明法(双ロール鋳造、酸素濃度2500
ppm)と従来法(VIM溶製、恒温鍛造、酸素濃度1
000ppm)により製造したTi−50Al−1Ti
薄板についての降伏応力‐温度特性を比較して示し
たグラフである。
【図15】本発明Ti−Al金属間化合物基合金材料と
従来のTi−Al材との特性を比較したグラフである。
【図16】本発明Ti−Al金属間化合物基合金材料と
超合金との特性を比較したグラフである。
【符号の説明】
1 坩堝 2 タンディッシュ 3 冷却ドラム 4 サイド・ダム 5 湯溜り部 6 鋳片 7 雰囲気調製器 8 不活性ガス導入機構 9 排気機構
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 1/10 C22C 1/10 H 32/00 32/00 H Q

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細アルミナ(Al)をO濃度が
    1000〜5000重量ppmで、粒径200〜500
    nmのサイズで分散し、Ti50〜53at%、および
    Al47〜50at%からなるTiAlを含むことを特
    徴とする、高温強度特性に優れたTiAl金属間化合物
    基合金材料。
  2. 【請求項2】微細アルミナ(Al)をO濃度が
    1000〜5000重量ppmで、粒径200〜500
    nmのサイズで分散し、Cr、MnおよびVの1種又は
    2種以上を1〜3at%含有し、Ti50〜53at%
    およびAl47〜50at%からなるTiAlを含むこ
    とを特徴とする、高温強度特性に優れたTiAl金属間
    化合物基合金材料。
  3. 【請求項3】微細アルミナ(Al)をO濃度が
    1000〜5000重量ppmで、粒径200〜500
    nmのサイズで分散し、かつボライド(TiB)をB
    濃度が0.1〜10at%で粒径500nm以下のサイ
    ズで分散し、Ti50〜53at%およびAl47〜5
    0at%からなるTiAlを含むことを特徴とする、高
    温強度と延性に優れたTiAl金属間化合物基合金材
    料。
  4. 【請求項4】微細アルミナ(Al)をO濃度が
    1000〜5000重量ppmで、粒径200〜500
    nmのサイズで分散し、かつボライド(TiB)をB
    濃度が0.1〜10at%で粒径500nm以下のサイ
    ズで分散し、Cr、MnおよびVの1種又は2種以上を
    1〜3at%含有し、Ti50〜53at%およびAl
    47〜50at%からなるTiAlを含むことを特徴と
    する、高温強度と延性に優れたTiAl金属間化合物基
    合金材料。
  5. 【請求項5】微細アルミナ(Al)をO濃度が
    1000〜5000重量ppmで、粒径200〜500
    nmのサイズで分散し、かつボライド(TiB)をB
    濃度が0.1〜10at%で粒径500nm以下のサイ
    ズで分散し、Cr、MnおよびVの1種又は2種以上を
    1〜3at%含有し、Ti50〜53at%およびAl
    47〜50at%からなり、10〜10℃/秒の冷
    却速度で直接鋳造されたことを特徴とする、高温強度と
    延性に優れたTiAl金属間化合物基合金材料。
  6. 【請求項6】母合金溶製時に500nm径以下の微細T
    iBを分散させておき、母合金の溶解に際し、高周波
    溶解に使用する坩堝をカルシア坩堝またはカルシア(C
    aO)粉末をコーティングしたアルミナ(Al
    坩堝を用いるとともに、双ロール鋳造設備の容器内にお
    いてTi板を800〜1100℃に加熱し、容器内部の
    酸素をゲッタリングすることにより雰囲気中の酸素濃度
    を0.2%以下に低減させて双ロール鋳造法にて製造し
    たことを特徴とする、室温強度、室温延性、高温強度、
    および高温延性に優れたTiAl金属間化合物基合金材
    料の製造方法。
  7. 【請求項7】母合金溶製時に500nm径以下の微細T
    iBを分散させておき、母合金の溶解に際し、高周波
    溶解に使用する坩堝をカルシア坩堝またはカルシア(C
    aO)粉末をコーティングしたアルミナ(Al
    坩堝を用いるとともに、VIM容器内においてTi板を
    800〜1100℃に加熱し、容器内部の酸素をゲッタ
    リングすることにより雰囲気中の酸素濃度を0.2%以
    下に低減させて鋳造したインゴットを粉砕したものを原
    料として、メカニカル・アロイングにて製造した粉末を
    焼結して成形したことを特徴とする、室温強度、室温延
    性、高温強度、および高温延性に優れたTiAl金属間
    化合物基合金材料の製造方法。
  8. 【請求項8】母合金溶製時に500nm径以下の微細T
    iBを分散させておき、母合金の溶解に際し、高周波
    溶解に使用する坩堝をカルシア坩堝またはカルシア(C
    aO)粉末をコーティングしたアルミナ(Al
    坩堝を用いるとともに、VIM容器内においてTi板を
    800〜1100℃に加熱し、容器内部の酸素をゲッタ
    リングすることにより雰囲気中の酸素濃度を0.2%以
    下に低減させて鋳造したインゴットを恒温鍛造にて微細
    粒組織化したことを特徴とする、室温強度、室温延性、
    高温強度、および高温延性に優れた金属間化合物基合金
    材料の製造方法。
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