JPH08276579A - インク噴射装置 - Google Patents

インク噴射装置

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JPH08276579A
JPH08276579A JP8011995A JP8011995A JPH08276579A JP H08276579 A JPH08276579 A JP H08276579A JP 8011995 A JP8011995 A JP 8011995A JP 8011995 A JP8011995 A JP 8011995A JP H08276579 A JPH08276579 A JP H08276579A
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JP
Japan
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ink
side wall
ink liquid
liquid chamber
width
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Application number
JP8011995A
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English (en)
Inventor
Hiroto Sugawara
宏人 菅原
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い駆動電圧で文字や画像を形成するのに十
分な速度及び体積のインク液滴を噴射すること。 【構成】 インク181が供給され、圧電材料からなる
アクチュエータプレート102及び103で構成された
側壁111及び116を有するインク液室112と、前
記圧電材料に電界を発生させる電極113とを有し、前
記電極113への電圧の印加により前記圧電材料を変位
させ、前記インク液室112内のインク181に圧力を
与えてインク液滴を噴射するインク噴射装置であって、
前記側壁111と側壁116とのずれ量δと、インク液
室112の幅Wとの比δ/Wが、0.5以下の範囲であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置の中で、原理が最も単純
で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとして、
インクジェット方式の印字装置が上げられる。中でも印
字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・オン・
デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコストの安
さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】以上のような欠陥を同時に解決する新たな
方式として提案されたのが、特開昭63−247051
号公報、特開昭63−252750号公報及び特開平2
−150355号公報に開示されているせん断モード型
である。図3、図4、図5、図6、図7及び図8に、そ
れら従来例の概略図を示す。
【0005】以下、インク噴射装置の断面図を示す図3
によって、従来例の構成を具体的に説明する。インク噴
射装置1は、アクチュエータプレート2とカバープレー
ト3とノズルプレート31(図5)とから構成されてい
る。アクチュエータプレート2は、強誘電性を有する圧
電材料、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセ
ラミックス材料等で形成され、矢印5方向に分極処理が
施されており、複数の溝15及び該溝15を隔てる側壁
11を有する。カバープレート3はセラミックス材料ま
たは樹脂材料等で形成される。前記アクチュエータプレ
ート2とカバープレート3とを、接着剤、例えばエポキ
シ系接着剤等からなる接合層4を介して接合すること
で、溝15は横方向に互いに間隔を有する複数のインク
液室12となる。インク液室12は長方形断面の細長い
形状であり、側壁11はインク液室12の全長にわたっ
て伸びている。側壁11の接合層4付近の側壁11上部
から側壁11中央部までの両表面には、駆動電圧印加用
の電極13が形成されている。インク液室12には、イ
ンク供給口21(図5)からマニホールド22(図5)
を通してインク81が導入される。
【0006】次に、インク噴射装置1の断面図を示す図
4によって、従来例の動作を説明する。該インク噴射装
置1において、所望の印字データに従って例えばインク
液室12bが選択されると、電極13cと13dに急速
に正の駆動電圧が印加され、電極13bと13eは接地
される。これにより側壁11aには矢印14aの方向の
駆動電界が、側壁11bには矢印14bの方向の駆動電
界が作用する。このとき駆動電界方向14a及び14b
と分極方向5とが直交しているため、側壁11a及び1
1bは、圧電厚みすべり効果によってインク液室12b
の内部方向に急速に変形する。この変形によってインク
液室12bの容積が減少してインク液室12b内部のイ
ンク81の圧力が急速に増大し、圧力波が発生して、イ
ンク液室12bに連通するノズル32(図5)からイン
ク81の一部がインク液滴となって噴射される。また、
駆動電圧の印加を停止すると、側壁11a及び11bが
変形前の位置(図3参照)に戻るため、インク液室12
b内部のインク81の圧力が低下し、インク供給口21
(図5)からマニホールド22(図5)を通してインク
液室12b内にインク81が供給される。
【0007】但し、上記の動作は従来例の基本動作に過
ぎず、製品として具体化される場合には、まず駆動電圧
をインク液室12bの容積が増加する方向に印加し、先
にインク液室12bにインクを供給させた後に駆動電圧
の印加を停止して、側壁11a及び11bを変形前の位
置(図3参照)に戻してインクを噴射させることもあ
る。
【0008】該インク噴射装置1では、隣接する2つの
インク液室に連通する2つのノズルから同時にインク液
滴を噴射することができないため、例えば、インク液室
12b及び12dに連通するノズルからインク液滴を噴
射した後、インク液室12cに連通するノズルからイン
ク液滴を噴射し、次に再びインク液室12b及び12d
に連通するノズルからインク液滴を噴射するというよう
に、インク液室12及びノズル32を複数のグループに
分割してインク液滴の噴射を行う。
【0009】次に、インク噴射装置1の斜視図を示す図
5によって、従来例の構成及び製造法を説明する。分極
処理を施したアクチュエータプレート2に、薄い円板状
のダイヤモンドブレードを使用した研削加工等によっ
て、前記の形状のインク液室12を形成する平行な溝1
5を作製する。溝15はアクチュエータプレート2のほ
ぼ全域で同じ深さの平行な溝であるが、端面17に近づ
くにつれて徐々に浅くなり、端面17付近では浅く平行
な浅溝18となるよう作製される。この溝15及び浅溝
18の内面には、電極が真空蒸着やスパッタリング等に
よって形成される。この電極形成時には、側壁11の天
頂部にも電極が形成されるため、側壁11の両側の電極
を分離する必要があり、そのために側壁11の天頂部の
電極をラッピング等により除去している。それにより、
溝15の内面にはその側面の上半分のみに電極13が形
成され、浅溝18の内面にはその側面及び底面全体に電
極19が形成される。この電極19によって、溝15の
両側の側壁11に形成された電極13は電気的に接続さ
れている。
【0010】また、セラミックス材料または樹脂材料等
からなるカバープレート3に、研削または切削加工等に
よって、インク導入口21及びマニホールド22を作成
する。
【0011】次に、アクチュエータプレート2の溝15
加工側の面とカバープレート3のマニホールド22加工
側の面とを、エポキシ系接着剤等からなる接合層4(図
3)によって、各々の溝15が前記の形状のインク液室
12を形成するように接着する。次に、アクチュエータ
プレート2及びカバープレート3の端面16に、各イン
ク液室12の位置に対応した位置にノズル32が設けら
れたノズルプレート31を接着する。アクチュエータプ
レート2の溝15加工側と反対側の面には、各浅溝18
の位置に対応した位置に導電層のパターン42が設けら
れた基板41を、エポキシ系接着剤等によって接着す
る。
【0012】そして、浅溝18の底面の電極19と導電
層のパターン42とを導線43で接続する。通常、この
ような接続には、周知のワイヤボンディングという手法
が用いられている。この導線43の直径は通常非常に小
さく機械的強度が小さいため、隣接する導線43どうし
の接触や断線、また大気中の水分や粉塵による腐食を防
ぐために、一般的にはエポキシ系などの樹脂を用いて保
護膜(図示せず)の形成(ポッティング)を行なう。そ
の保護膜は加熱硬化される。
【0013】次に、制御部のブロック図を示す図6によ
って、従来例の制御部の構成を説明する。基板41に設
けられた導電層のパターン42は各々個々にLSIチッ
プ51に接続され、クロックライン52、データライン
53、電圧ライン54及びアースライン55もLSIチ
ップ51に接続されている。LSIチップ51は、クロ
ックライン52から供給された連続するクロックパルス
に基づいて、データライン53上に現れるデータから、
どのノズル32からインク液滴の噴射を行うべきかを判
断する。そして、LSIチップ51は、インクを噴射す
るインク液室12内の電極13に導通する導電層のパタ
ーン42に、電圧ライン54の電圧Vを印加する。ま
た、LSIチップ51は、前記インク液室12以外の電
極13に導通する導電層のパターン42にアースライン
55を接続する。
【0014】次に、プリンタの斜視図を示す図7によっ
て、従来例の構成及び動作を説明する。インク噴射装置
1及びノズルプレート31は、図3、図4、図5及び図
6で説明した構成、動作をもつものである。インク噴射
装置1はキャリッジ62上に固定され、インク供給チュ
ーブ63はインク供給口21(図5)に連通し、LSI
チップ51(図6)はキャリッジ62に内蔵され、フレ
キシブルケーブル64は図6に示したクロックライン5
2、データライン53、電圧ライン54及びアースライ
ン55に対応している。キャリッジ62はスライダ66
に沿って矢印65方向に記録紙71の全幅にわたって往
復移動し、インク噴射装置61はキャリッジ62が移動
している時にプラテンローラ72に保持された記録紙7
1に対して、ノズルプレート31に設けられたノズル3
2(図5)からインク液滴を噴射し、記録紙71上にイ
ンク液滴を付着させる。
【0015】また、記録紙71はインク噴射装置1がイ
ンク液滴を噴射しているときは静止しているが、キャリ
ッジ62が所定動作を行う度に紙送りローラ73及び7
4によって矢印75方向に一定量ずつ移送される。これ
によって、インク噴射装置1は記録紙71の全面に所望
の文字や画像を形成することが可能となる。
【0016】次に、特開平5−92561号公報に開示
されている他の従来例のインク噴射装置を図8を用いて
説明する。インク噴射装置101は、アクチュエータプ
レート102及び103とノズルプレート(図示せず)
とから構成されている。アクチュエータプレート102
は、強誘電性を有する圧電材料で形成され、矢印105
方向に分極処理が施されており、複数の溝115及び該
溝115を隔てる側壁111を有する。また、アクチュ
エータプレート103は、強誘電性を有する圧電材料で
形成され、矢印106方向に分極処理が施されており、
複数の溝117及び該溝117を隔てる側壁116を有
する。
【0017】前記アクチュエータプレート102の側壁
11の天頂部とアクチュエータプレート103の側壁1
16の天頂部とを、接着剤からなる接合層104を介し
て接合することで、溝115及び117は横方向に互い
に間隔を有する複数のインク液室112となる。インク
液室112は長方形断面の細長い形状であり、側壁11
1及び116はインク液室112の全長にわたって伸び
ている。側壁111及び116の両表面には、駆動電圧
印加用の電極113が形成されている。インク液室11
2には、インク供給口(図示せず)からマニホールド
(図示せず)を通してインク181が導入される。電極
113と駆動回路との電気的接続については説明を省略
する。
【0018】該インク噴射装置101において、噴射す
るインク液室112の両側の側壁111及び116の表
面の電極113に駆動電圧を印加することにより、側壁
111及び116に駆動電界が作用する。このとき駆動
電界方向と分極方向105及び106とが直交している
ため、側壁111及び116は、圧電厚みすべり効果に
よってインク液室112の内部方向に急速に変形する。
この変形によってインク液室112の容積が減少してイ
ンク液室112内部のインク181の圧力が急速に増大
し、圧力波が発生して、インク液室112に連通するノ
ズル(図示せず)からインク181の一部がインク液滴
となって噴射される。また、駆動電圧の印加を停止する
と、側壁111及び116が変形前の位置に戻るため、
インク液室112内部のインク181の圧力が低下し、
インク供給口(図示せず)からマニホールド(図示せ
ず)を通してインク液室112内にインク181が供給
される。
【0019】但し、上記の動作は従来例の基本動作に過
ぎず、製品として具体化される場合には、まず駆動電圧
をインク液室112の容積が増加する方向に印加し、先
にインク液室112にインクを供給させた後に駆動電圧
の印加を停止して、側壁111及び116を変形前の位
置に戻してインクを噴射させることもある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のインク噴射装置1では、電極13に印加さ
れた駆動電圧により側壁11の上半分のみが圧電厚みす
べり変形し、下半分は上半分の変形により変位されるの
で、電極13に印加された電気エネルギーと比較して側
壁11の変形量が小さく、インク液室12の容積の減少
量が少ない。このため、噴射されるインク液滴の速度及
び体積がインク噴射装置1と対向する紙面上等に文字や
画像を形成するには、駆動電圧を高くしなければならな
かった。このため、駆動回路が複雑化、大型化するた
め、装置の低コスト化、小型化に限界があった。
【0021】そして、上記のような従来のインク噴射装
置101では、電極113に印加された駆動電圧により
側壁111及び116の両方が駆動されるので、インク
噴射装置1の半分の駆動電圧でインク噴射装置1と同じ
インクの圧力を発生することができる。よって、駆動電
圧を噴射装置1より低くすることができる。
【0022】しかし、前記アクチュエータプレート10
2の側壁11の天頂部とアクチュエータプレート103
の側壁116の天頂部と接合において、側壁111と側
壁116とがずれることがある。そのずれ量と、インク
液室12の容積との関係によっては、噴射されるインク
液滴の速度及び体積が、紙面上等に文字や画像を形成す
るのに不十分であることがあった。
【0023】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、低い駆動電圧で文字や画像を形
成するのに十分な速度及び体積のインク液滴を噴射する
ことが可能なインク噴射装置を提供することを目的とす
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、インクが供給されるインク液
室を構成し、互いにほぼ反転した方向に分極された2個
の圧電部材を、分極方向とほぼ直交する方向に積層した
側壁と、前記側壁に形成され、前記圧電部材に前記分極
方向とほぼ直交する電界を発生させるための電極とを有
し、前記電極への電圧の印加により前記側壁の前記圧電
部材を変位させ、前記インク液室内のインクに圧力を与
えてインクを噴射するインク噴射装置であって、前記側
壁の一方の圧電部材と他方の圧電部材のとのずれ量δ
と、前記インク液室の幅Wとの比δ/Wが、0.5以下
であることを特徴とする。
【0025】請求項2では、側壁の一方の圧電部材と他
方の圧電部材のとのずれ量δと、前記インク液室の幅W
との比δ/Wが、0.3以下であることを特徴とする。
【0026】請求項3では、前記一方の側壁の高さは、
前記他方の側壁の高さとほぼ同一であることを特徴とす
る。
【0027】請求項4では、前記一方の側壁の幅は、前
記他方の側壁の幅とほぼ同一であることを特徴とする。
【0028】
【作用】上記の構成を有する本発明のインク噴射装置で
は、前記側壁の一方の圧電部材と他方の圧電部材のとの
ずれ量δと、前記インク液室の幅Wとの比δ/Wを、
0.5以下とすることによって、文字や画像を形成する
のに十分な速度及び体積のインク液滴が噴射される。
【0029】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。尚、本実施例のインク噴射装置の構
成は、図8に示す従来技術と同様であるので、その説明
を省略する。
【0030】まず、インク噴射装置の一部の断面図を示
す図1によって、側壁111及び側壁116、インク液
室112の形状を表すパラメータを説明する。側壁11
1及び側壁116の幅をB、側壁111及び側壁116
の高さをH、インク液室112の幅をW、側壁111と
側壁116とのインク液室112の幅方向のずれ量をδ
とする。
【0031】次に、側壁111と側壁116とのずれ量
δとインク液室112の幅Wとの比δ/Wと、インク液
滴の速度との関係を図2に示す。比δ/Wが異なる複数
のインク噴射装置を製作し、電極113に一定の駆動電
圧を印加して、ノズルから噴射されるインク液滴の速度
及び体積を測定した。製作したインク噴射装置の側壁1
11及び側壁116の幅Bは70μm、側壁111及び
側壁116の高さHは200μm、インク液室112の
幅Wは40μmから100μmの範囲である。アクチュ
エータプレート102及び103の材料にはチタン酸バ
リウム系圧電セラミックス、接合層104には高温硬化
型エポキシ系接着剤、電極113には無電解メッキによ
って形成した厚さ1μm程度のニッケル層を使用した。
インクは水をベースとした染料インクで、電極113に
印加する駆動電圧は24ボルトである。
【0032】インク液滴の速度vは以下に示す方法で測
定した。電極113に駆動電圧を印加するタイミングか
ら時間Δt経過後にストロボを発光させ、飛行するイン
ク液滴に光線を照射することにより、インク液滴の静止
像が得られる。このインク液滴の静止像の位置とノズル
との距離Δxを計測すると、インク液滴の速度vはΔx
/Δtで計算できる。また、インク液滴の体積Oは以下
に示す方法で測定した。飛行するインク液滴を一定時間
電子天秤上で集めて質量を計測することにより、液滴1
個の重量Δwを計算する。インクの密度ρを測定する
と、インク液滴の体積Oは、Δw/ρで計算できる。
【0033】図2に示すように、インク液滴の速度v
は、側壁111と側壁116とのずれ量δとインク液室
112の幅Wとの比δ/Wが0のとき最大で、比δ/W
が大きくなるにつれて減少していき、比δ/Wが0.3
以下の範囲ではほとんど変化なく、比δ/W/が0.5
以下の範囲では最大値の70%以上であり、比δ/Wが
0.5を超えると急激に速度vが遅くなった。インク液
滴の体積Oは、図示はしないが、ほぼ速度vと比例し、
比δ/Wが0のとき最大80plになり、比δ/Wが大
きくなるにつれて減少していき、比δ/W0.3以下の
範囲ではほとんど変化なく、比δ/Wが0.5以下の範
囲で最大値の70%以上であり、比δ/Wが0.5を超
えると急激に減少していく。
【0034】図2は駆動電圧が24ボルトの場合の結果
であるが、駆動電圧を他の値に設定した場合も、速度v
の値は変化するものの、比δ/Wを変化させたときの速
度vの最大の位置や曲線の形状は図2と同様であり、イ
ンク液滴の体積Oについても同様の傾向であった。ま
た、図2は側壁111、116の幅Bが70μmの場合
の結果であるが、側壁111、116の幅Bが40μm
から100μmの範囲で、比δ/Wを変化させたときの
速度vの最大の位置や曲線の形状は図2と同様であり、
インク液滴の体積Oについても側壁111、116幅B
が70μmの場合と同様の傾向であった。また、図2は
側壁111及び116の高さHが200μmの場合の結
果であるが、高さHが100μmから400μmの範囲
で、比δ/Wを変化させたときの速度vの最大の位置や
曲線の形状は図2と同様であり、インク液滴の体積Oに
ついても同様の傾向であった。
【0035】以上の結果から、本実施例のインク噴射装
置101は、側壁111と側壁116とのずれ量δと、
インク液室112の幅Wとの比δ/Wが、0.5以下の
範囲となるよう構成した。ここで仮に、前述の範囲以外
の値を採る場合を考えると、電極113に印加する駆動
電圧に対して、噴射されるインク液滴の速度及び体積
が、インク噴射装置と対向する紙面上等に文字や画像を
形成するのに不十分となる。従って、高い駆動電圧を得
るために、駆動回路の複雑化、大型化を招くことにな
る。これに対し、本実施例によれば、低い駆動電圧で文
字や画像を形成するのに十分な速度及び体積のインク液
滴を噴射することができる。このインク噴射装置による
と、18〜28ボルト程度の低い駆動電圧において、イ
ンク液滴の速度は3〜8m/s、体積は30〜80pl
程度とすることができ、駆動回路を簡素化、小型化で
き、インク噴射装置全体を低コスト化、小型化すること
ができる。
【0036】尚、本実施例では、インク液室112が隣
接していたが、各インク液室の間に空気が充填された空
気室を設けてもよい。この場合、全てのインク液室に連
通する2つのノズルから同時にインク液滴を噴射するこ
とができる。また、空気室を設けた場合においても、比
δ/Wを変化させたときの速度vやインク液滴の体積O
の最大の位置や曲線の形状は、空気室が無い場合と同様
であるので、比δ/Wを、0.5以下の範囲となるよう
構成すれば、上述した効果を得ることができる。
【0037】また、本実施例では、側壁111及び11
6がそれぞれ1つの圧電材料の部材(アクチュエータプ
レート102及び103)で形成されていたが、分極方
向に平行に積層された複数の圧電材料の部材や、非圧電
材料と圧電材料とが分極方向に平行に積層された部材で
形成されていてもよい。
【0038】また、本実施例では、インク液室112を
2個示していたが、50個、100個等いくつであって
もよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のインク噴射装置によれば、側壁の一方の圧電部材
と他方の圧電部材のとのずれ量δと、インク液室の幅W
との比δ/Wが、0.5以下であるので、低い駆動電圧
で文字や画像を形成するのに十分な速度及び体積のイン
ク液滴を噴射することができる。このため、駆動回路を
簡素化、小型化でき、装置を低コスト化、小型化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインク噴射装置の一部の断
面図である。
【図2】側壁111と側壁116のずれ量δとインク液
室112の幅Wとの比δ/Wと、インク液滴の速度vと
の関係を示す説明図である。
【図3】従来例のインク噴射装置を示す断面図である。
【図4】従来例のインク噴射装置の動作を示す説明図で
ある。
【図5】従来例のインク噴射装置を示す斜視図である。
【図6】従来例の制御部を示すブロック図である。
【図7】従来例のプリンタを示す斜視図である。
【図8】従来例のインク噴射装置を示す断面図である。
【符号の説明】
101 インク噴射装置 102 アクチュエータプレート 103 アクチュエータプレート 111 側壁 112 インク液室 113 電極 116 側壁 181 インク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが供給されるインク液室を構成
    し、互いにほぼ反転した方向に分極された2個の圧電部
    材を、分極方向とほぼ直交する方向に積層した側壁と、
    前記側壁に形成され、前記圧電部材に前記分極方向とほ
    ぼ直交する電界を発生させるための電極とを有し、前記
    電極への電圧の印加により前記側壁の前記圧電部材を変
    位させ、前記インク液室内のインクに圧力を与えてイン
    クを噴射するインク噴射装置であって、 前記側壁の一方の圧電部材と他方の圧電部材のとのずれ
    量δと、前記インク液室の幅Wとの比δ/Wが、0.5
    以下であることを特徴とするインク噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記側壁の一方の圧電部材と他方の圧電
    部材のとのずれ量δと、前記インク液室の幅Wとの比δ
    /Wが、0.3以下であることを特徴とする請求項1に
    記載のインク噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記一方の側壁の高さは、前記他方の側
    壁の高さとほぼ同一であることを特徴とする請求項1及
    び2に記載のインク噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記一方の側壁の幅は、前記他方の側壁
    の幅とほぼ同一であることを特徴とする請求項1及び2
    に記載のインク噴射装置。
JP8011995A 1995-03-27 1995-04-05 インク噴射装置 Pending JPH08276579A (ja)

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DE69633357T DE69633357D1 (de) 1995-03-27 1996-03-27 Tintenstrahldruckkopf
EP96302127A EP0734865B1 (en) 1995-03-27 1996-03-27 Ink jet print head

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