JPH08276173A - 地中埋設貯留槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 下水本管に生活排水を送出するための地中埋
設貯留槽を、既設の単独又は合併式の家庭用の浄化槽本
体を利用して、安価に製造する。 【構成】 家庭等の個別箇所に設置されている既設の浄
化槽本体内に別に設けられる地中埋設貯留槽であって、
その地中埋設貯留槽は、ブロー成形樹脂からなる袋状物
で形成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、家庭等の個別
箇所から排出される生活排水を地中に埋設された貯留槽
内に受入れた後、下水道施設へ送出するようにした生活
排水送出装置に用いられるような地中埋設貯留槽に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】本出願人は、先に、特開平６−１５８７
０５号において、地中に埋設されている曝気装置や沈澱
設備等を備えた単独又は合併式の家庭用の浄化槽本体を
地中埋設貯留槽（以下、貯留槽という）に転用し、生活
排水を公共の下水道本管に送出することのできる生活排
水送出装置を提案している。

【０００３】上記提案に係る貯留槽は、既設の浄化槽本
体を埋め戻すことなく、しかもその浄化槽本体を利用で
きるので、低コストに実施できる特長がある。

【０００４】また、本出願人は、特願平６−６６６５８
号で、上記貯留槽を、ゴムからなる袋状物で構成するこ
とを提案している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先願に
係るゴムからなる袋状物の貯留槽は、軟質体であるの
で、直径４５０ｍｍ程度のマンホールの開口部から挿入
できるので極めて便利であるが、袋状物のゴムを作るの
にコストがかさむ欠点があった。

【０００６】すなわち、ゴムからなる袋状物は、シート
状のゴムを裁断及び接着して袋状物を作らなければなら
ないので、製造コストがかさむ欠点があった。

【０００７】そこで、本発明は、上記欠点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、低コストの袋
状物を有する貯留槽を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る貯留槽は、
上記目的を達成するために、家庭等の個別箇所に設置さ
れている既設の浄化槽本体内に別に設けられる貯留槽で
あって、前記貯留槽は、ブロー成形樹脂からなる袋状物
で形成されていることを特徴としている。また、前記貯
留槽と前記浄化槽本体との間には充填材が充填されるこ
とを特徴としている。

【０００９】

【作用】上記構成において、貯留槽はブロー成形樹脂か
らなる袋状物で構成される。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本発明に係る貯留槽１を用いた下水道シ
ステムの概略図である。この貯留槽１は、路面（地面）
Ｇの地下に埋設され、流入管２を介して家庭から排出さ
れる生活排水を受入れ、その受入れた生活排水をポンプ
Ｐ及び流出管３を介して貯留槽１よりも高所に埋設され
ている下水本管４に排出できるように構成されている。

【００１１】貯留槽１は、合成樹脂製からなり、後述す
るブロー成形により袋状物に構成されていて、既設の単
独又は合併式の家庭用の浄化槽本体ａ内に設けられてい
る。

【００１２】すなわち、貯留槽１は、図２に示されるよ
うに、浄化槽本体（曝気装置等の内部機器を除去するこ
とが好ましいが、浄化槽本体内に貯留槽１を収納できる
一定容量を確保できれば必ずしも全ての内部機器を除去
する必要はない。）ａ内に設けられ、さらに浄化槽本体
ａと貯留槽１との空間にモルタル、砂利、あるいは発泡
樹脂等の充填材が充填されている。なお、図２でａ′は
モルタルを示している。また、充填材は、浄化槽本体ａ
の沈殿分離室部分ａ1 にも充填することが望ましく、こ
の沈殿分離室部分ａ1 への充填は、上部のマンホールか
ら砂利等の充填材を挿入することにより容易に行うこと
ができる。

【００１３】浄化槽本体ａのマンホールに当る開口部５
から、ポンプＰが挿入されて設置される。ここで用いら
れるポンプＰはグラインダーポンプからなり、例えば、
生活排水中に夾雑物を含んでいても、その夾雑物を破砕
でき、かつ所定の圧力で生活排水を流出管３を介して下
水本管４まで送出できる機能を有している。

【００１４】なお、このポンプＰは、レベルスイッチＳ
1 ，Ｓ2 により、流入管２から流入した貯留槽１内の水
位がレベルスイッチＳ1 の高位置に達したときにＯＮ
し、また、その水位がレベルスイッチＳ2 の低位置に達
したときにＯＦＦするように制御される。

【００１５】このように、貯留槽１は、既設の浄化槽本
体ａを利用できるので、既設の浄化槽本体の埋め戻しを
行う必要がないため、極めて安価に実施することができ
る。なお、貯留槽１内の生活排水はポンプＰで下水本管
４へ圧送するようにしたが、真空式で生活排水を貯留槽
１から汲上げるときは、ポンプＰは省略されるととも
に、真空設備が設けられ、貯留槽１内には真空弁が取付
けられる。

【００１６】次に、図３を用いて貯留槽１を浄化槽本体
ａ内に設置する方法について説明する。

【００１７】先ず、浄化槽本体ａが空の状態で、すなわ
ち浄化槽本体ａ内に充填材を充填しない状態で、開口部
５から貯留槽１の元となるブロー成形樹脂からなる袋状
物１ａが挿入される。この挿入は、袋状物１の外側を押
して変形させて開口部５から挿入することができる。

【００１８】次いで、袋状物１ａをハンガーＨで吊し、
袋状物１ａに水又は温水からなる液体ｂを注入して袋状
物１ａを貯留槽１の形状にした後、袋状物１ａと浄化槽
本体ａとの間にモルタルａ′が注入される。

【００１９】モルタルａ′の固化後、袋状物１ａの上部
の余分な部分が切り取られて貯留槽１が完成する。そし
て、完成した貯留槽１内にレベルスイッチｓ1 ，ｓ2 が
取付付けられるとともに、ポンプＰが取付けられる。

【００２０】図２，３中、１′，１′…は、貯留槽１
（袋状物１ａ）の外側に設けられたフィンで、貯留槽１
を充填材ａ′に安定して固定させるために設けられてい
る。

【００２１】

【発明の効果】本発明に係る貯留槽は、家庭等の個別箇
所に設置されている既設の浄化槽本体内に別に設けられ
る貯留槽であって、その貯留槽は、ブロー成形樹脂から
なる袋状物で形成されているので、ゴムの袋状物に比べ
て極めて簡単に製造することができる。また、貯留槽と
浄化槽本体との間には充填材が充填されたときは、土圧
に耐えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る貯留槽を用いた下水道システムの
概略図である。

【図２】浄化槽本体部分の拡大縦断面図である。

【図３】貯留槽の製造方法を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 地中埋設貯留槽（貯留槽） １ａ 袋状物 ２ 流入管 ３ 流出管 ａ 浄化槽本体 ａ′ 充填材 Ｐ ポンプ Ｓ1 ，Ｓ2 レベルスイッチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 家庭等の個別箇所に設置されている既設
   の浄化槽本体内に別に設けられる地中埋設貯留槽であっ
   て、 前記地中埋設貯留槽は、ブロー成形樹脂からなる袋状物
   で形成されていることを特徴とする地中埋設貯留槽。
2. 【請求項２】 地中埋設貯留槽と浄化槽本体との間には
   充填材が充填されることを特徴とする請求項１記載の地
   中埋設貯留槽。