JPH08276117A - ガドリニウム同位体分離方法 - Google Patents

ガドリニウム同位体分離方法

Info

Publication number
JPH08276117A
JPH08276117A JP7925395A JP7925395A JPH08276117A JP H08276117 A JPH08276117 A JP H08276117A JP 7925395 A JP7925395 A JP 7925395A JP 7925395 A JP7925395 A JP 7925395A JP H08276117 A JPH08276117 A JP H08276117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gadolinium
metal
alloy
recovered
concentrated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7925395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3457415B2 (ja
Inventor
Hajime Adachi
肇 足立
Akira Kuwako
彰 桑子
Yoshio Araki
義雄 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP07925395A priority Critical patent/JP3457415B2/ja
Publication of JPH08276117A publication Critical patent/JPH08276117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3457415B2 publication Critical patent/JP3457415B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】原子レーザー法によるガドリニウム同位体分離
において、製品および廃品の金属の回収を低電力消費で
可能とし、経済性を向上させる。 【構成】原料にガドリニウム金属とニッケル金属との二
元合金を用い、この二元合金をるつぼ15上で加熱,蒸
発させ、この蒸発した金属蒸気原子に複数波長のレーザ
ー光14を照射し、特定のガドリニウム同位体を励起し
て電離させ、電場を印加し、かつ加熱した製品回収装置
4により電離イオンおよび一部中性原子を回収し、得ら
れた濃縮ガドリニウムとニッケルとの合金を液状で回収
後、化学分離により濃縮ガドリニウムを製品として分離
回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉に用いられる燃料
集合体を構成する燃料棒の一部に可燃性毒物として含有
されるガドリニウム元素の特定の同位体原子を原子レー
ザー法により分離するガドリニウム同位体分離方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軽水型原子炉に用いられる燃料
集合体を構成する燃料棒の一部には、原子炉の初期反応
度を制御するために可燃性毒物としてガドリニア(ガド
リニウムの酸化物)がウランの酸化物に混合されて使用
されている。従来、このようなガドリニアとしては、天
然のガドリニウムが用いられている。天然のガドリニウ
ム元素の同位体組成と熱中性子吸収断面積を表1に示
す。
【0003】
【表1】
【0004】表1に示すように、天然のガドリニウムに
は、7種類の同位体が含まれており、このうち熱中性子
吸収断面積の大きいGd155とGd157が中性子吸
収材として反応度制御の役割を果している。
【0005】この可燃性毒物として特性を向上するため
には、熱中性子吸収断面積の特に大きなGd157同位
体、またはGd157とGd155の同位体の組成比を
高めた濃縮ガドリニウムを用いたり、あるいは熱中性子
吸収断面積の小さなGd156などの同位体の組成比を
減少させることにより、Gd157などの組成比を相対
的に高めたガドリニウムを用いることが考えられ、原子
レーザー法により、それらの同位体を分離する試みがな
されている。
【0006】この原子レーザー法による同位体分離プロ
セスは、同位体分離用金属原料を供給する金属原料供給
工程と、この供給工程により供給された金属原料を加熱
して溶解し、金属蒸気を生じさせる金属蒸気発生工程
と、この金属蒸気にレーザーを照射して特定の同位体を
選択的に励起させる選択励起工程と、この選択励起され
た特定同位体の金属原子をレーザー照射により光電離
(イオン化)させ、イオン化同位体を回収する分離回収
工程とに大別される。
【0007】また、同位体分離の対象となる金属原子を
レーザーにより多段階励起させる際、この励起波長が同
位体により微少に異なる同位体シフトがあることを利用
して、同位体分離プロセスにおいては、注目する特定の
同位体の励起波長に同調した選択励起用レーザー光を照
射して、その特定の同位体原子だけを励起させるととも
に、この選択励起用レーザー光とは別の電離用レーザー
光を照射して、励起された特定の同位体原子のエネルギ
ー準位をさらに高め、その同位体のみを電離してイオン
化させている。
【0008】光電離された特定の同位体イオンは、高電
圧を印加したイオン回収電極の負電極板に捕集される。
このイオン回収電極板には、光電離されない中性の金属
原子も一部付着し、特定の同位体が濃縮されたガドリニ
ウム金属が付着している。この特定の同位体が濃縮され
たガドリニウム金属は、上記イオン回収電極板の温度を
金属の融点以上に加熱して、溶融され液状で還流して製
品回収容器に回収される。
【0009】また、レーザー照射により光電離されない
多くのガドリニウム金属蒸気原子は、イオン回収電極板
の間を素通りして上方に設置された廃品回収板に特定の
同位体が減損した劣化ガドリニウム金属として付着回収
される。この廃品ガドリニウム金属も、上記廃品回収板
の温度を金属の融点以上に加熱して、液状に流動させ廃
品回収容器に回収される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ガドリニウ
ム基礎の融点は1313℃と非常に高いため、製品およ
び廃品のガドリニウム金属を液状にして還流して回収す
るためには、イオン回収電極板(製品回収板)および廃
品回収板の温度を約1400℃以上に加熱する必要があ
り、加熱方法としては抵抗通電加熱などが考えられる
が、多量のガドリニウムの同位体分離を行う実用機では
回収板の面積も広いため、加熱のために多大の電力を必
要とし、経済的に望ましくない。
【0011】そこで、本発明は上記の事情を考慮してな
されたもので、その目的は原子レーザー法によるガドリ
ニウム同位体分離において、製品および廃品の金属の回
収を低電力消費で可能とし、経済性を向上させることに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、原料にガドリ
ニウム金属と、ニッケル金属,インジウム金属,マグネ
シウム金属,マンガン金属,パラジウム金属,またはタ
リウム金属との二元合金を用い、図3〜図8に示す二元
合金のフェーズダイアグラムから明らかなように、ガド
リニウム金属に上記合金元素を所定の割合で混入させる
ことにより、合金の融点を大幅に低下させることがで
き、本発明の目的を達成することができる。一方、上記
所定の割合の範囲外の場合には、合金の融点が上昇し、
本発明の目的を達成することが不可能である。したがっ
て、本発明は次のように構成されている。
【0013】請求項1は、原料にガドリニウム金属とニ
ッケル金属との二元合金を用い、この二元合金をるつぼ
上で加熱,蒸発させ、この蒸発した金属蒸気原子に複数
波長のレーザー光を照射し、特定のガドリニウム同位体
を励起して電離させ、電場を印加し、かつ加熱した製品
回収装置により電離イオンおよび一部中性原子を回収
し、得られた濃縮ガドリニウムとニッケルとの合金を液
状で回収後、化学分離により濃縮ガドリニウムを製品と
して分離回収することを特徴とする。
【0014】請求項2は、ガドリニウム金属にニッケル
金属を15〜40重量%で混入した合金を原料として用
い、製品回収装置でニッケル金属が約15重量%混入し
た濃縮ガドリニウム合金を回収することを特徴とする。
【0015】請求項3は、請求項1のニッケル金属の代
わりに、原料にインジウム金属との二元合金を用い、得
られた濃縮ガドリニウムとインジウムとの合金を液状で
回収後、化学分離により濃縮ガドリニウムを製品として
分離回収することを特徴とする。
【0016】請求項4は、ガドリニウム金属にインジウ
ム金属を15〜40重量%で混入した合金を原料として
用い、製品回収装置でインジウム金属が約15重量%混
入した濃縮ガドリニウム合金を回収することを特徴とす
る。
【0017】請求項5は、請求項1のニッケル金属の代
わりに、原料にマグネシウム金属との二元合金を用い、
得られた濃縮ガドリニウムとマグネシウムとの合金を液
状で回収後、化学分離により濃縮ガドリニウムを製品と
して分離回収することを特徴とする。
【0018】請求項6は、ガドリニウム金属にマグネシ
ウム金属を15〜60重量%で混入した合金を原料とし
て用い、製品回収装置でマグネシウム金属が約15重量
%混入した濃縮ガドリニウム合金を回収することを特徴
とする。
【0019】請求項7は、請求項1のニッケル金属の代
わりに、原料にマンガン金属との二元合金を用い、得ら
れた濃縮ガドリニウムとマンガンとの合金を液状で回収
後、化学分離により濃縮ガドリニウムを製品として分離
回収することを特徴とする。
【0020】請求項8は、ガドリニウム金属にマンガン
金属を16〜60重量%で混入した合金を原料として用
い、製品回収装置でマンガン金属が約16重量%混入し
た濃縮ガドリニウム合金を回収することを特徴とする。
【0021】請求項9は、請求項1のニッケル金属の代
わりに、原料にパラジウム金属との二元合金を用い、得
られた濃縮ガドリニウムとパラジウムとの合金を液状で
回収後、化学分離により濃縮ガドリニウムを製品として
分離回収することを特徴とする。
【0022】請求項10は、ガドリニウム金属にパラジ
ウム金属を18〜30重量%で混入した合金を原料とし
て用い、製品回収装置でパラジウム金属が約18重量%
混入した濃縮ガドリニウム合金を回収することを特徴と
する。
【0023】請求項11は、請求項1のニッケル金属の
代わりに、原料にタリウム金属との二元合金を用い、得
られた濃縮ガドリニウムとタリウムとの合金を液状で回
収後、化学分離により濃縮ガドリニウムを製品として分
離回収することを特徴とする。
【0024】請求項12は、ガドリニウム金属にタリウ
ム金属を28〜40重量%で混入した合金を原料として
用い、製品回収装置でタリウム金属が約28重量%混入
した濃縮ガドリニウム合金を回収することを特徴とす
る。
【0025】
【作用】請求項1〜12においては、原料にガドリニウ
ム金属と、ニッケル金属,インジウム金属,マグネシウ
ム金属,マンガン金属,パラジウム金属,またはタリウ
ム金属との二元合金を用い、ガドリニウム金属とニッケ
ル金属,インジウム金属,マグネシウム金属,マンガン
金属,パラジウム金属,またはタリウム金属の二元合金
の混合比を変化させた場合の温度と化学組成および結晶
型との関係のフェーズダイアグラムを図3〜図8に示
す。この図3〜図8はT.B.Massalski et al.; Binary A
lloy Phase Diagram.,American Society for Metals(19
88) からの引用である。
【0026】ガドリニウム単体金属では融点は1313
℃であるのに対し、例えば図3に示すように重量比でニ
ッケルを約15%、ガドリニウム85%の合金の場合の
融点は約700℃になることが判る。
【0027】したがって、タングステン等の高融点の金
属板に付着した上記合金金属を液化して流動させ回収し
ようとする場合、付着合金の融点以上に金属板を加熱す
る必要があるが、上記組成比の合金として付着させた場
合には、ガドリニウム単体金属を付着させた場合に比べ
て約600℃も低い温度の金属板の加熱で溶融、流動さ
せ回収することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1および図2に
基づいて説明する。図1は本発明の一実施例の原子レー
ザー法ガドリニウム同位体分離プロセスを示すフローチ
ャート図である。また、図2は本発明の一実施例の原子
レーザー法によるガドリニウム同位体分離システムを示
す構成図である。
【0029】図2において、分離セル1は真空容器内
に、原料供給装置2、蒸気発生源である金属蒸気発生装
置3、光電離イオン捕集電極板(以下、製品回収装置と
もいう。)4、製品回収容器5、廃品回収装置6、廃品
回収容器7、蒸気封入器8などを収納しており、油拡散
ポンプ,ターボ分子ポンプまたは油回転ポンプなどから
なる真空排気装置9によって、分離セル1内が10-4
スカル程度の高真空度に保たれる。
【0030】レーザーシステム10は、銅蒸気レーザー
11,色素レーザー12および光合成器13から構成さ
れ、色素レーザー光14はガドリニウム蒸気原子を3段
階励起法により電離させるに必要な波長、強度、波長幅
などを有する。
【0031】蒸気発生源である金属蒸気発生装置3は、
るつぼ15および電子銃16から構成され、るつぼ15
内に装架したガドリニウム合金原料(原料金属)20の
表面に電子銃16から放出された高速の電子ビーム17
を照射することにより、ガドリニウム合金原料20を加
熱溶融し、蒸発させる。るつぼ15は水冷却された銅製
でイットリア・タングステン合金などの断熱製のハース
ライナーから構成される。
【0032】原料供給装置2は、るつぼ15上の溶融金
属液位と連動して金属の蒸発中の液位がほぼ一定に保た
れるように加熱された原料導入管を通して連続的または
断続的にるつぼライナー中に供給する。
【0033】本実施例では、原料としてガドリニウム単
体金属の代わりに、ガドリニウム金属とニッケル金属と
の二元合金を用いる。このときニッケルを15〜40重
量%程度の比率で混合したガドリニウム合金を用いるこ
とにより、電子ビーム加熱により700〜1200℃程
度で溶融し、2000℃程度に加熱することにより、所
要の蒸気密度のガドリニウムおよびニッケルの原子蒸気
ビームを得ることができる。
【0034】なお、原料は原料供給装置2において、ガ
ドリニウムとニッケルの金属が加熱溶融され、液状の合
金としてるつぼライナー中に供給される。蒸発したガド
リニウムおよびニッケルの原子蒸気ビーム18は、蒸気
整流器19を通過した後、上方のイオン捕集電極板4で
挟まれた光反応部に導かれる。分離セル1内の光反応部
においては、上記色素レーザー光14により天然のガド
リニウム蒸気原子に約15%含まれるGd157同位体
のうち、熱励起されていない基底レベルの原子のみを3
段階励起法により励起し、電離させる。光電離したGd
157イオンは高電場を印加したイオン捕集電極板4の
負の電極板に捕集される。レーザーにより電離されない
残りのGd157原子、他のGd同位体原子およびニッ
ケル原子の一部は中性原子のままイオン捕集電極板4に
付着捕集されるが、他の大部分の原子はイオン捕集電極
板4間を素通りし、さらに上方に設置された廃品回収装
置6に付着回収される。
【0035】また、イオン捕集電極板4および蒸気整流
器19に到達しないガドリニウムおよびニッケルの蒸気
原子は、蒸気封入器8によって捕獲される。そして、負
のイオン捕集電極板4に捕集されたGd157同位体が
60%以上に濃縮されたガドリニウムと、ニッケルとの
合金は、イオン捕集電極板4が合金の融点約700℃以
上に加熱されることにより、液状になり流路に沿って下
方に流動し、分離セル1外部に設置された製品廃品容器
5に集められる。
【0036】なお、ここで蒸発時の合金元素の混合比お
よびイオン捕集電極板4に付着する合金元素の付着率を
電極板の向きや構造を変えることにより予め調整して、
イオン捕集電極板4に捕集されるガドリニウムとニッケ
ルとの合金のニッケルの重量比が約15%となるように
しておく。
【0037】また、中性原子のまま廃品回収装置6に付
着したGd157同位体組成の劣化したガドリニウムと
ニッケルとの合金も、廃品回収装置6をガドリニウム合
金の融点約700℃以上に加熱することにより液化さ
れ、流動して分離セル1外部に設置された廃品回収容器
7に回収される。さらに、蒸気封入器8に付着したガド
リニウムとニッケルとの合金も合金の融点以上に加熱さ
れることにより液化流動し、下方のるつぼ15内に還流
される。
【0038】この時、製品回収装置4、廃品回収装置
6、蒸気封入器8の加熱は、原料のガドリニウムとニッ
ケルとの合金の蒸発用の電子ビーム加熱の輻射熱により
主に行うことができるが、製品回収容器5および廃品回
収容器7までの間の流動管の加熱を含めて補助的に設け
た抵抗通電加熱装置を併用して加熱する。製品回収容器
5および廃品回収容器7では、冷却水により外部から冷
却され固体金属合金として一時保管され、分離セル1の
外部に取り出される。
【0039】製品回収容器5に回収された濃縮ガドリニ
アとニッケルとの合金は、容器より取り出された後、化
学分離法により溶融分離され、製品の濃縮ガドリニウム
が得られる。なお、化学分離法によるガドリニウムとニ
ッケルとの分離は、沈殿法,イオン交換法または溶媒抽
出法により容易に行うことができる。例えば、アルカリ
性溶液にジメチルグリオキシムを加えると、ニッケルと
反応して沈殿をつくるため、沈殿しないガドリニウムを
濾過して分離することができる。
【0040】次に、本実施例の作用について説明する。
原料にガドリニウム単体金属の代わりに、ニッケルとガ
ドリニウムとの二元合金を用いることにより、融点を大
幅に低下させることができ、るつぼ15、ハースライナ
ー内への原料供給を低い加熱で液状で容易に行うことが
できる。また、るつぼ15上での電子ビームによる加熱
蒸発の際も低温度で液体となるため、安定した蒸発が可
能となる。
【0041】製品回収装置4に付着した金属を液化回収
する場合、ガドリニウム単体金属の場合は、融点の13
13℃以上に加熱する必要があり、この場合は所要電力
が大きく、また材料的にも長時間高温に晒され耐久性の
問題があったが、本実施例ではニッケルとの合金を用い
ることにより、加熱温度を600℃近く下げることがで
き、大幅に省エネルギー化が図れるとともに、材料の耐
食性の問題も回避される。
【0042】廃品回収装置6に付着した廃品についても
上記と同様、ガドリニウムとニッケルとの合金の場合、
低温度で液化でき、容易に流動回収が可能となった。蒸
気封入器8に付着した原料金属についても、本実施例の
合金を用いることにより、約700℃強程度の温度で液
化可能なため、るつぼ15への還流、再蒸発利用が容易
に行えるようになった。
【0043】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
となく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施例
では金属蒸気発生装置3のるつぼ15中への原料の供給
の際、ガドリニウムとニッケルとの合金化を予め行って
供給したが、それぞれの金属を独立にるつぼ15に供給
して、るつぼ15内で合金化してもよい。
【0044】また、上記実施例ではガドリニウムとニッ
ケルとの合金を用いたが、ニッケルの代わりに、インジ
ウム,マグネシウム,マンガン,パラジウムまたはタリ
ウムを用いてもニッケルとの合金の場合と同様の効果が
得られる。
【0045】すなわち、ニッケル金属の代わりに、原料
にインジウム金属との二元合金を用い、得られた濃縮ガ
ドリニウムとインジウムとの合金を液状で回収後、化学
分離により濃縮ガドリニウムを製品として分離回収する
ようにしてもよい。この場合には、図4に示すように、
ガドリニウム金属にインジウム金属を15〜40重量%
で混入した合金を原料として用い、製品回収装置4でイ
ンジウム金属が約15重量%混入した濃縮ガドリニウム
合金を回収する。
【0046】また、ニッケル金属の代わりに、原料にマ
グネシウム金属との二元合金を用い、得られた濃縮ガド
リニウムとマグネシウムとの合金を液状で回収後、化学
分離により濃縮ガドリニウムを製品として分離回収する
ようにしてもよい。この場合には、図5に示すように、
ガドリニウム金属にマグネシウム金属を15〜60重量
%で混入した合金を原料として用い、製品回収装置4で
マグネシウム金属が約15重量%混入した濃縮ガドリニ
ウム合金を回収する。
【0047】さらに、ニッケル金属の代わりに、原料に
マンガン金属との二元合金を用い、得られた濃縮ガドリ
ニウムとマンガンとの合金を液状で回収後、化学分離に
より濃縮ガドリニウムを製品として分離回収する。この
場合には、図6に示すように、ガドリニウム金属にマン
ガン金属を16〜60重量%で混入した合金を原料とし
て用い、製品回収装置4でマンガン金属が約16重量%
混入した濃縮ガドリニウム合金を回収する。
【0048】ニッケル金属の代わりに、原料にパラジウ
ム金属との二元合金を用い、得られた濃縮ガドリニウム
とパラジウムとの合金を液状で回収後、化学分離により
濃縮ガドリニウムを製品として分離回収するようにして
もよい。この場合には、図7に示すように、ガドリニウ
ム金属にパラジウム金属を18〜30重量%で混入した
合金を原料として用い、製品回収装置4でパラジウム金
属が約18重量%混入した濃縮ガドリニウム合金を回収
する。
【0049】また、ニッケル金属の代わりに、原料にタ
リウム金属との二元合金を用い、得られた濃縮ガドリニ
ウムとタリウムとの合金を液状で回収後、化学分離によ
り濃縮ガドリニウムを製品として分離回収するようにし
てもよい。この場合には、図8に示すように、ガドリニ
ウム金属にタリウム金属を28〜40重量%で混入した
合金を原料として用い、製品回収装置4でタリウム金属
が約28重量%混入した濃縮ガドリニウム合金を回収す
る。これらの元素とガドリニウムとの分離は、上記実施
例と同様に沈殿法,イオン交換法または溶媒抽出法によ
り容易に行うことができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るガド
リニウム同位体分離方法の請求項1〜12によれば、ガ
ドリニウムとニッケルなどの特定の金属を特定の比率で
混合した二元合金を原料として用いることにより、低い
温度で溶融、流動させ回収することができる。その結
果、原料の供給、製品および廃品の回収を容易に行うこ
とが可能となる。そして、原子レーザー法により、ガド
リニウムの特定の同位体、例えばGd157の組成を高
めた濃縮ガドリニウムの生産を経済的に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の原子レーザー法によるガド
リニウム同位体分離プロセスを示すフローチャート図。
【図2】本発明の一実施例の原子レーザー法によるガド
リニウム同位体分離システムを示す構成図。
【図3】ガドリニウムとニッケルとの二元合金のフェー
ズダイアグラムを示す図。
【図4】ガドリニウムとインジウムとの二元合金のフェ
ーズダイアグラムを示す図。
【図5】ガドリニウムとマグネシウムとの二元合金のフ
ェーズダイアグラムを示す図。
【図6】ガドリニウムとマンガンとの二元合金のフェー
ズダイアグラムを示す図。
【図7】ガドリニウムとパラジウムとの二元合金のフェ
ーズダイアグラムを示す図。
【図8】ガドリニウムとタリウムとの二元合金のフェー
ズダイアグラムを示す図。
【符号の説明】
1 分離セル 2 原料供給装置 3 金属蒸気発生装置 4 製品回収装置(光電離イオン捕集電極板) 5 製品回収容器 6 廃品回収装置 7 廃品回収容器 8 蒸気封入器 9 真空排気装置 10 レーザーシステム 11 銅蒸気レーザー 12 色素レーザー 13 光合成器 14 レーザー光 15 るつぼ 16 電子銃 17 電子ビーム 18 蒸気原子ビーム 19 蒸気整流器 20 ガドリニウム合金原料

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料にガドリニウム金属とニッケル金属
    との二元合金を用い、この二元合金をるつぼ上で加熱,
    蒸発させ、この蒸発した金属蒸気原子に複数波長のレー
    ザー光を照射し、特定のガドリニウム同位体を励起して
    電離させ、電場を印加し、かつ加熱した製品回収装置に
    より電離イオンおよび一部中性原子を回収し、得られた
    濃縮ガドリニウムとニッケルとの合金を液状で回収後、
    化学分離により濃縮ガドリニウムを製品として分離回収
    することを特徴とするガドリニウム同位体分離方法。
  2. 【請求項2】 ガドリニウム金属にニッケル金属を15
    〜40重量%で混入した合金を原料として用い、製品回
    収装置でニッケル金属が約15重量%混入した濃縮ガド
    リニウム合金を回収することを特徴とする請求項1記載
    のガドリニウム同位体分離方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のガドリニウム同位体分離
    方法において、ニッケル金属の代わりに、原料にインジ
    ウム金属との二元合金を用い、得られた濃縮ガドリニウ
    ムとインジウムとの合金を液状で回収後、化学分離によ
    り濃縮ガドリニウムを製品として分離回収することを特
    徴とするガドリニウム同位体分離方法。
  4. 【請求項4】 ガドリニウム金属にインジウム金属を1
    5〜40重量%で混入した合金を原料として用い、製品
    回収装置でインジウム金属が約15重量%混入した濃縮
    ガドリニウム合金を回収することを特徴とする請求項3
    記載のガドリニウム同位体分離方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のガドリニウム同位体分離
    方法において、ニッケル金属の代わりに、原料にマグネ
    シウム金属との二元合金を用い、得られた濃縮ガドリニ
    ウムとマグネシウムとの合金を液状で回収後、化学分離
    により濃縮ガドリニウムを製品として分離回収すること
    を特徴とするガドリニウム同位体分離方法。
  6. 【請求項6】 ガドリニウム金属にマグネシウム金属を
    15〜60重量%で混入した合金を原料として用い、製
    品回収装置でマグネシウム金属が約15重量%混入した
    濃縮ガドリニウム合金を回収することを特徴とする請求
    項5記載のガドリニウム同位体分離方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のガドリニウム同位体分離
    方法において、ニッケル金属の代わりに、原料にマンガ
    ン金属との二元合金を用い、得られた濃縮ガドリニウム
    とマンガンとの合金を液状で回収後、化学分離により濃
    縮ガドリニウムを製品として分離回収することを特徴と
    するガドリニウム同位体分離方法。
  8. 【請求項8】 ガドリニウム金属にマンガン金属を16
    〜60重量%で混入した合金を原料として用い、製品回
    収装置でマンガン金属が約16重量%混入した濃縮ガド
    リニウム合金を回収することを特徴とする請求項7記載
    のガドリニウム同位体分離方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のガドリニウム同位体分離
    方法において、ニッケル金属の代わりに、原料にパラジ
    ウム金属との二元合金を用い、得られた濃縮ガドリニウ
    ムとパラジウムとの合金を液状で回収後、化学分離によ
    り濃縮ガドリニウムを製品として分離回収することを特
    徴とするガドリニウム同位体分離方法。
  10. 【請求項10】 ガドリニウム金属にパラジウム金属を
    18〜30重量%で混入した合金を原料として用い、製
    品回収装置でパラジウム金属が約18重量%混入した濃
    縮ガドリニウム合金を回収することを特徴とする請求項
    9記載のガドリニウム同位体分離方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のガドリニウム同位体分
    離方法において、ニッケル金属の代わりに、原料にタリ
    ウム金属との二元合金を用い、得られた濃縮ガドリニウ
    ムとタリウムとの合金を液状で回収後、化学分離により
    濃縮ガドリニウムを製品として分離回収することを特徴
    とするガドリニウム同位体分離方法。
  12. 【請求項12】 ガドリニウム金属にタリウム金属を2
    8〜40重量%で混入した合金を原料として用い、製品
    回収装置でタリウム金属が約28重量%混入した濃縮ガ
    ドリニウム合金を回収することを特徴とする請求項11
    記載のガドリニウム同位体分離方法。
JP07925395A 1995-04-05 1995-04-05 ガドリニウム同位体分離方法 Expired - Fee Related JP3457415B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07925395A JP3457415B2 (ja) 1995-04-05 1995-04-05 ガドリニウム同位体分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07925395A JP3457415B2 (ja) 1995-04-05 1995-04-05 ガドリニウム同位体分離方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08276117A true JPH08276117A (ja) 1996-10-22
JP3457415B2 JP3457415B2 (ja) 2003-10-20

Family

ID=13684698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07925395A Expired - Fee Related JP3457415B2 (ja) 1995-04-05 1995-04-05 ガドリニウム同位体分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3457415B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002186834A (ja) * 2000-12-20 2002-07-02 Tokyo Electric Power Co Inc:The ガドリニウム同位体分離方法および装置
US10995392B2 (en) * 2015-01-23 2021-05-04 University Of Florida Research Foundation, Inc. Radiation shielding and mitigating alloys, methods of manufacture thereof and articles comprising the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002186834A (ja) * 2000-12-20 2002-07-02 Tokyo Electric Power Co Inc:The ガドリニウム同位体分離方法および装置
JP4559618B2 (ja) * 2000-12-20 2010-10-13 東京電力株式会社 ガドリニウム同位体分離方法および装置
US10995392B2 (en) * 2015-01-23 2021-05-04 University Of Florida Research Foundation, Inc. Radiation shielding and mitigating alloys, methods of manufacture thereof and articles comprising the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP3457415B2 (ja) 2003-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3457415B2 (ja) ガドリニウム同位体分離方法
US4320300A (en) Isotope separation by solar photoionization
US5948214A (en) Isotope separation
JP4559618B2 (ja) ガドリニウム同位体分離方法および装置
CA1334091C (en) Radioactive catalyst and oxidation-reduction method and apparatus using same
JP2672152B2 (ja) 金属蒸気の生成方法と装置
JPH0812272B2 (ja) レーザ直接再処理法
CA1153986A (en) Isotope separation by solar photoionization
JPS61249530A (ja) 同位体分離装置
JPH02144126A (ja) 同位体分離方法及び装置
EP0477294A1 (en) Catalyzed nuclear fusion of heavy isotopes of hydrogen
JP2004113941A (ja) ガドリニウム同位体の分離方法および装置
JPH03232961A (ja) 金属蒸気の発生方法
JP2966598B2 (ja) ウラン同位体分離装置のウラン供給・回収方法
Russell et al. Isotope separation using metallic vapor lasers
JPH0286814A (ja) 同位体分離方法およびその分離装置
JPS63218894A (ja) 使用済核燃料の再処理方法
JPS63158120A (ja) 同位体分離方法および装置
JPH07265670A (ja) 同位体分離装置
JPS60190221A (ja) 原子炉構造材料用同位体の製造方法
JPH09194961A (ja) 高周波加熱によるレーザー法純金属製造及びウランの濃縮 製造装置
JPH01245842A (ja) 同位体分離方法及びその装置
CN110444312A (zh) 利用干馏法从铀裂变产物中分离医用同位素131i
JPS58219925A (ja) 二段階法による同位体分離方法
JPH03186321A (ja) 同位体の選択励起方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080801

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090801

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees