JPH08275938A - X線ct装置 - Google Patents

X線ct装置

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JPH08275938A
JPH08275938A JP7077834A JP7783495A JPH08275938A JP H08275938 A JPH08275938 A JP H08275938A JP 7077834 A JP7077834 A JP 7077834A JP 7783495 A JP7783495 A JP 7783495A JP H08275938 A JPH08275938 A JP H08275938A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 IVR治療下において、患者が治療のために
種々の器具を取り付けた状態でもX線CT画像の取得が
可能であるX線CT装置を提供すること。 【構成】 半円弧状の検出器4は、X線源3とは機械的
に分離され支持機構6により天井吊り下げになっていて
支持機構6を伸縮させることにより、患者1の上方から
所定の撮像位置に位置付けることができる。X線源3は
患者1を中心とする円軌道上を支持機構5によって移動
させながら駆動し、これにより所望の走査範囲でX線7
を走査する。X線源3を円軌道に沿って移動させる機構
5としてはCアームやリンク機構を採用することができ
る。これにより治療に必要な位置精度を向上させること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、X線CT装置に係わ
り、特に術者が患者のカテーテル操作等を行うとき等
に、患者を移動することなく断層像の撮像を可能とした
X線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のX線CT装置は図24に示すよう
に、X線管とX線検出器とを対向配置したX線スキャナ
を組込んだガントリ70と、患者1を搭載する寝台2
と、図示しないデータ処理系とを備え、患者1は専用の
寝台2にのり、体軸方向にX線CT装置のガントリ70
開口部に入ることで診断を行っていた。スキャナ方式と
しては第1世代〜第4世代、さらには第5世代のものが
提案されているが、第2世代以降の方式ではX線は30
゜〜50゜の広がりをもつファンビームとして用いら
れ、投影データを画像再構成するためにはX線管と検出
器の両者の幾何学構成が変動しないことが要求される。
例えば第3世代方式のものは、X線管と複数の検出素子
を配列したX線検出器とを一体として被検体の周りで回
転させる。また第4世代方式のものは、被検体の周りに
検出器を円形に配置し、その内側又は外側においてX線
管を回転させる。X線管の回転軌道が検出器リングの外
側である場合には、検出器とX線源が干渉しないように
検出器をずらす動作をさせるN/R方式(ニューテート
/ローテート)が採用される。更に第5世代のものとし
て、電子銃より発生した電子線を偏向させて、円環状に
配置したターゲットに当ててX線を発生させるX線CT
装置や更にこのようなターゲットに複数の電子銃と偏向
手段とを配置したX線CT装置(特開昭60−9274
1号)などがある。
【0003】ところで、近年カテーテル等の手術を伴い
ながら画像診断するインターベンショナルラジオロジー
(以下、IVRと呼ぶ)という治療法が取入れられてい
る。しかし、上述した従来のX線CT装置はいずれも円
環状の構造をしており、患者がその円環の開口部を通る
ことによって撮像しているため治療のためにさまざまな
器具を取り付けた状態では撮像が難しかった。
【0004】これに対しIVRを目的としたX線透視撮
影装置が開発されている。図25はカテーテルを利用し
た治療法を目的としたX線透視撮影装置の一例を示すも
ので、X線管と検出器とから成る撮影系を2組備えてお
り、これらは検出器であるイメージインテンシファイヤ
ー(以下I.Iと呼ぶ)63とX線管64とそれらを支
持している支持機構62及びI.I66とX線管67及
びそれらを支持する支持機構65とから成る。更にX線
像を観察するためのX線テレビモニター61が備えられ
ている。
【0005】IVRを行うには、例えば、心臓環動脈の
中に梗塞がある患者に対してカテーテルを挿入し、それ
をX線透視によりその進み具合を、X線テレビモニター
61で確認しながら進めて行く。目的とする血管までカ
テーテルを進め、目的の部位において、バルーンカテー
テルやアテレクトミーカテーテルを使用し、狭窄部の開
大を行う。このようなIVR手技では、X線透視下で目
的の血管を見つけ、カテーテルを早く目的の血管に挿入
する必要がある。また、特に心臓や頭において、カテー
テルを進める血管を選択し、進めていくために、一方向
による透視だけでは複雑な血管走行の様子がわかりずら
い。そこで透視方向を変え、別の角度で見ることによ
り、血管の走行を確認する。
【0006】しかしながら、血管や病巣部の3次元的な
位置関係はX線CT装置によって断層像を取得したほう
が判別しやすい場合がある。従来ではこのとき患者を移
動し、改めての寝台に載せ変えてX線CTによる診断を
行うという方法がとられてきた。しかしこの場合、X線
CT装置によって撮像した場合と、IVRの術中とでは
血管や病巣部の位置がずれてしまうという欠点があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は、このよ
うなIVR治療下において、患者が治療のためにさまざ
まな器具を取り付けた状態でもX線CT画像を撮像でき
るX線CT装置を提供することを目的とし、特に治療に
必要な位置精度を向上させたX線CT装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のX線CT装置は、X線発生手段と、X線発生手段か
ら照射され被検体を透過したX線を検出する検出器とを
備えたX線CT装置において、検出器とX線発生手段と
の相対位置を変更する手段及びそれぞれを独立に位置制
御する駆動機構を備えたものである。本発明の好適な態
様において検出器は複数の検出要素を円弧状に配列した
検出器から成り、検出器の駆動機構は、検出器を被検体
に対しその体軸にほぼ直交する方向に近接或いは離反す
る機構を含むものであり、好適には、検出器は天井つり
下げとし、被検体に対し上方から所定位置に設置可能と
する。
【0009】また本発明のX線CT装置の1態様におい
て、X線発生手段は1又は2以上のX線源を備え、X線
発生手段の駆動機構は、1又は2以上のX線源を所定の
円軌道に沿って円弧状に移動する機構を備えたものであ
る。また本発明の別の態様においては、X線発生手段は
円弧状に配列した複数のX線源を備え、X線発生手段の
駆動機構は、複数のX線源を順次動作させる制御手段を
備えたものである。更に別の本発明の別の態様におい
て、X線発生手段は、円弧状のX線ターゲットと、該X
線ターゲットに対し電子を放出する電子銃と、該電子銃
から放出される電子を偏向させる偏向手段とをたものを
採用することができ、この場合にはX線ターゲット上で
電子線を走査するようにX線発生手段を制御するもので
ある。
【0010】
【作用】IVR治療下において、必要に応じ両者の相対
的位置を移動させてX線発生手段と検出器を位置制御す
ることにより、IVR手技の間にも所望のX線CT画像
を得ることができる。特に円弧状の検出器を被検体(患
者)の体軸とほぼ直交する方向に近接或いは離反するこ
とにより、患者が治療のためにさまざまな器具を取り付
けた状態でもX線CT画像を撮像できる。またX線発生
手段のX線源を半円弧状に移動させることにより、或い
は円弧状に配列した複数のX線源を順次動作させ、撮像
することにより、治療に必要な位置精度を確保すること
ができる。X線発生手段が、円弧状に配列したX線ター
ゲットと、該X線ターゲットに対し電子を放出する電子
銃と、該電子銃から放出される電子を偏向させる偏向手
段とを備えたものである場合にも、X線ターゲット上で
電子線を走査し、撮像することにより治療に必要な位置
精度を確保できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明のX線CT装置の実施例を図面
を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例によ
るX線CT装置を示すもので、患者1の置かれる寝台2
の下側に設けられ、患者1を中心にX線源の位置を変え
ることができる可動式のX線発生装置3と、寝台2の上
方に設けられた天井つり下げ式の検出器4とを備えてい
る。これらX線発生装置3及び検出器4はそれぞれ機械
的には結合されておらず、駆動機構(支持機構)5、6
によってそれぞれ独立して駆動されるとともに位置を制
御される。
【0012】検出器4は、検出要素として例えばシンチ
レータと半導体光検出素子とを或いは電離箱を略半円弧
上に多数配列したC字型の構造で、支持機構6により支
持されている。X線CT装置は本来はX線発生源3が患
者1周囲を360度全周を回転する必要はなく、図2に
示すように180度回転するだけで十分である。そのた
め検出器4は患者1の下側があいたC字型の構造にする
ことができる。
【0013】支持機構6にはエアシリンダ、油圧シリン
ダ或いはボールねじ等の図示しない上下移動機構が備え
られており、検出器4を患者1に対し上方から近づける
方向及び離反する方向に移動することが可能であるとと
もに、天井に固定されたレール(図示せず)に沿って水
平方向に移動することができる。これにより不要のとき
は退避することができる。この検出器4の位置は、上下
移動機構及び水平移動機構の移動量により、或いは位置
センサによって検出することができ、撮像に入る前にX
線源3に対する検出器4自体の位置の調整を行う。即
ち、本実施例のX線CT装置ではX線源3の位置が決っ
ている場合に、その走査中心が検出器4の円弧の中心と
一致し且つX線の走査範囲をカバーする位置に調整され
る。CT画像撮像中は検出器4を動かす必要はなく静止
したままX線源の向き(角度データ)に応じてデータを
取得すればよい。
【0014】一方、X線発生装置3はケーブルを介して
図示しない高電圧電源回路に接続され、本実施例では単
一のX線管から成り、支持機構5によって支持されてい
る。支持機構5は、図2に示すように患者1を中心とす
る所定の円軌道の円弧上を回転するように駆動される。
X線源を円軌道に沿って移動させる機構としては種々の
ものが採用されるが、図3にこのような支持機構5の1
例を示す。この支持機構は、床又は寝台に固定された支
持台51と、支持台51内に設けられた駆動輪52によ
って駆動され支持台51上を円弧状の軌跡を描いて往復
運動するCアーム53と、Cアーム53に軸支された複
数の滑車54に巻回され、X線源3を固定するX線源台
車55及び支持台51に固定されたベルト56とを備え
ている。
【0015】図4は特に図3に示すCアーム自体の構造
をより詳しく説明した断面図で、Cアーム53とX線源
台車55との結合状態及びCアーム53と支持台51と
の結合状態を示したものである。図からもわかるように
Cアーム53は1対のCアーム53aと53bとを平行
に2本並べ、支持材で締結したH型様の断面形状を有
し、これによりCアームのねじれを防止するとともにC
アーム自体の強度を高め、位置精度の要求されるX線C
T装置に適用できるようにしている。そして一方のCア
ーム53aの下端外周には、支持台51内の駆動輪52
と係合する駆動用ギアが固定され、他方のCアーム53
bの下端外周には、やはり支持台51内に設けられたC
アームの位置検出手段58と係合するギアが固定されて
いる。
【0016】またX線源台車55はその両下端部が断面
コの字形に形成されており、このコの字状の部分がCア
ーム53のかぎ状の上端部と係合することによりX線源
台車55及びX線源3がCアーム53から脱落すること
を防止している。同様に支持台51の両上端部は断面コ
の字形に形成されており、このコの字状の部分がCアー
ム53のかぎ状の下端部と係合することにより、Cアー
ム53が支持台51から脱落することを防止している。
支持台51とCアーム53の間及びCアーム53とX線
源台車55の間にはローラーベアリングが介在し、これ
によりCアーム53及びX線源台車55がなめらかに所
定の軌道をはずれることなく動くことができる。X線源
3の電源供給ケーブル60は支持台51とX線源3を結
んでいるベルト56に沿って、支持台51とX線源3を
繋いでいる。こうすることにより、支持台51とX線源
3を繋いでいる電源供給ケーブル60は一定の長さを保
つことができる。
【0017】このような構成において、支持台51に組
み込まれた駆動輪52によってCアーム53が例えば図
5(a)中矢印方向(図中、左方向)に支持台51上を
動くと、支持台51からCアーム53左端までの距離が
長くなることにより、支持台51とX線源台車55の左
端とを結ぶベルト56が支持台51側に引っ張られ、こ
れによりX線源台車55をCアーム53の左へと移動す
る(同図(b))。即ち、Cアーム53が左方向に移動
するにつれ、X線源台車55及びX線源3はCアーム5
3上を左方向に移動し、Cアーム53の左方への移動終
点において左端に達する(同図(c))。同様にCアー
ム53が図中右方向が動くときには、支持台51とX線
源台車55の右端とを結ぶベルト56が支持台51側に
引張られ、これによりX線源台車55及びX線源3を右
方向に引っ張る。結果的にX線源3は図5に示すように
Cアーム53が動く方向に、Cアーム53上を動くこと
になる。この支持機構5では、上述のようにCアーム5
3が支持台51上を動くのに合わせて、X線源3がCア
ーム53上を動くように構成されているので、Cアーム
53自体をX線源3が移動する行程(距離)よりも約半
分程度まで短くすることができ、治療時に邪魔になら
ず、X線源3とCアーム53とが干渉することもない。
【0018】このように支持機構5によりX線源3は常
に一定の円軌道上を、中心方向にX線を照射できる状態
で移動でき、Cアーム53の円弧の中心に患者を位置付
けることにより、X線源3を患者の周囲を円軌道に沿っ
て動かすことができる。このX線源3の移動は、支持台
51に取付けた位置検出手段58によって、或いはX線
源の向きをX線源台車55に取り付けた角度検出手段に
よって検出することによって検出することができる。
【0019】図6〜図8は、支持機構5の別な構成を示
すもので、この例では複数の短いCアーム53c、53
dを組み合わせて伸縮するCアームを構成している。図
6(b)及び図7に示すようにX線源3を固定するX線
源台車55及び支持台51の構成は図4に示す支持機構
5と同様であり、またCアーム53c及び53dは図4
に示すCアーム53と同様に2つの部材を支持材で締結
しH型の断面形状を有している。Cアーム53cはその
下端部において支持台51の上端部と係合するととも
に、支持台51に設けられた駆動輪52によって支持台
51上を移動することができる。Cアーム53dは上端
部においてX線源台車55の下端部と係合するととも
に、下端部がコの字状に形成されたCアーム53c上端
部と係合し、Cアーム53c上を移動することができ
る。更にCアーム53cの滑車54aに巻回されたベル
ト56aは支持台51の固定部A及びCアーム53dの
固定部Bに固定されており、Cアーム53dの滑車54
bに巻回されたベルト56bはCアーム53cの固定部
C及びX線源台車55の固定部Dに固定されている。
尚、図6(b)では説明のために各Cアーム53c、5
3dを直線状のものとして示しているが、実際には円弧
状の形状をしている。
【0020】この支持機構5は、図8(a)に示すよう
にCアーム53cが支持台51に対し最も左の位置にあ
るときには、X線源3も最も左に位置し、Cアーム53
c、53dが円弧状であることからその照射方向は右方
を向いている。この状態でCアーム53cが右方へ移動
するとベルト56aが右方に引張られることにより、固
定部Bを介してCアーム53dを右方へ移動させる(同
図(b))。このCアーム53dの右方への移動に伴い
ベルト56bが右方に引張られ、固定部Dを介してX線
源3を右方へ移動させる。その結果、Cアーム53cが
支持台51の中央にきたときには、図8(c)に示すよ
うにCアーム53d及びX線源3も中央に位置する。こ
のときX線の照射方向は真上を向くことになる。そして
更にCアーム53cが右方へ移動することにより(同図
(d))、最終的にはX線源3は図8(e)に示すよう
に最右端に移動し、ここではその照射方向は左方を向く
ことになる。
【0021】このようにCアーム53cが支持台51を
往復移動することにより、X線源3をその回転中心の周
りに約180度の範囲にわたって移動させることがで
き、しかもCアーム53自体が伸縮することにより、C
アームが治療時に邪魔になることがない。尚、図6〜図
8では、Cアームとして2つのCアームを組合せた機構
を説明したが、それより多い数のCアームを組合せるこ
とも可能である。
【0022】以上、X線源3を所定の円軌道上を移動さ
せる機構としてCアームを用いた例を示したが、このよ
うな機構としてリンク機構や伸縮機構等を利用すること
も可能である。図9はリンク機構を採用した例を示すも
ので、支持台51に軸500を介して連結された第1のリ
ンクアーム501と、X線源3が固定される第2のリンク
アーム502と、これら第1及び第2のリンクアーム501、
502を連結する第3及び第4のリンクアーム503、504と
から成っている。第1のリンクアーム501は図示しない
駆動機構により、支持台51に固定された軸500を中心
として回転することができる。また第1のリンクアーム
501と第2のリンクアーム502とを連結する第2のリンク
アーム503は、ベルト505又はギアによって軸500に連結
され、第1のリンクアーム501が回転することにより軸5
00が相対的に回転するとき、その回転量と同じだけ第2
のリンクアーム502に対して第3のリンクアーム503を回
転させる。これによりX線源3を固定する第2のリンク
アーム502は常に第1のリンクアーム501と平行となる。
従って第1のリンクアーム501を回転させることによ
り、X線源3を一定の回転中心を向いて回転させること
ができる。
【0023】図10は、リンク機構の別な例を示すもの
で、リンク機構をなす3つのアーム511、512、513から
成る。アーム511は支持台51に固定された軸500に対し
回転可能に支持され、支持台51に設けられた駆動輪5
2と係合するギアが固定されている。アーム512はアー
ム511に固定された軸514に対し回転可能に支持されてい
る。またアーム513にはX線源3が固定されるととも
に、軸515によりアーム512と連結されている。更に支持
台51に固定された軸500とアーム511に固定された軸51
4とはベルト516で、アーム511に固定された軸514とアー
ム513に固定された軸515とはベルト517でそれぞれ結合
されている。これにより軸500に対するアーム511の相対
的回転量は、ベルト516、軸514及びベルト517を介して
軸515に伝達される。
【0024】従って駆動輪52に駆動されてアーム511
が回転すると、その回転はベルト516、軸514及びベルト
517を介してアーム513に伝達され、アーム513は常にア
ーム511に平行になる。従って、図9で示したリンク機
構の場合と同様に、X線源3は常に一定の回転中心を向
くことになる。図11は更に支持機構5として水平移動
および垂直方向伸縮の2軸の動きとX線源方向を可変に
する機能を組み合わせた例を示すものである。この例で
は支持台520はXレール521に沿って水平(X)方向に移
動可能に構成され、このような支持台520に垂直(Y)
方向に伸縮可能なアーム522が固定され、さらにアーム5
22の先端にジョイント523を介してX線源3が固定され
る。アーム522の伸縮機構としては、油圧、空気圧或い
はラックピニオン、ボールねじ等が採用される。またジ
ョイント523はX線源3を任意の方向に回転させること
ができる。
【0025】このような構成においては、X線源3を所
定の回転中心に向けて回転させるために支持台520のX
方向の移動、アーム522のY方向の伸縮及びジョイント5
23の回転量が制御ユニット524により制御される。制御
ユニット524には、X線源3の回転中心Oを中心とする
回転角度θを入力するためのパラメータ記憶手段525が
接続されている。尚、パラメータ記憶手段525には角度
θの数列が適当な間隔で離散的に記憶されているものと
する。この角度θから支持台520のX方向の移動量、ア
ーム522の伸び量及びジョイント523の回転量を決める方
法を説明する。
【0026】X線源3の回転する回転中心Oから、ジョ
イント523までの距離をRとし、X線源3が回転中心O
の鉛直線上にある場合(X線源3が上を向いている状
態)を基準としてX線源3の鉛直軸に対する角度をθと
すると、水平方向の支持台520の位置(x)はRsin
θである。一方、垂直方向の伸縮するアーム522の位置
(y)は、y=ymax−cosθで表せる。ここでyの
最大値ymaxは、yの最小値をyminとするときR+ymi
nであり、R及びyminは装置によって決まる定数であ
る。したがって、制御ユニット524は、パラメータ記憶
手段からパラメータとして回転中心に対するX線源3の
照射角度θが与えられると、Rsinθ及びy=ymax
−cosθから、水平方向の支持台520の位置(X座
標)および、垂直方向の伸縮するアーム522の位置(Y
座標)を求めるとともにX線源3を角度θだけ傾ける。
次いで演算されたX座標の値に基づき支持台520をXレ
ール521に沿って移動するとともにアーム522をδy(=
y−ymin)だけ伸す。角度、位置を確認後X線源3を
駆動してX線を照射し、次のパラメータを読み込む。こ
うしてX線源3を仮想的な円軌道に沿って動かしながら
X線を照射することが可能となる。
【0027】以上、図3〜図11を参照してX線源3を
可動式としたX線CT装置の詳細について説明したが、
以上のように構成されるX線CT装置では、患者1を寝
台に載せた状態で所望のIVRのための手技を行い、こ
の際検出器4はIVR操作の邪魔にならない位置に退避
させておく。そして撮像時には検出器4の水平移動機構
を駆動し、検出器4が患者1の所望の撮像位置の真上に
位置するようにする。次いで上下移動機構を駆動し、検
出器4を下降させて、その中心がX線源3の回転中心と
一致するように位置合せする。既に述べたようにX線源
3自体は可動式であるが、その回転中心は装置に対し固
定的であるので、水平移動機構及び上下移動機構の移動
量から一義的に所定の位置を決定することができる。し
かる後にX線源3を上述した支持機構5によって略半円
弧状に動かしながら駆動し、撮像する。X線源3の向き
は位置検出手段58(図4)等によって角度データとし
て検出されるので、検出器4はこの角度データに応じて
順次データを取得する。このようにして取得されたデー
タは従来の第4世代のX線CT装置において、ハーフス
キャンを行った場合と同様のデータであり、同様の画像
再構成方法が適用できる。すなわち、X線発生源3の位
置(角度)および回転半径を、位置検出手段によって検
出し、検出器4との幾何学的関係から、取得されたデー
タを2次元画像(断層像)の画素値に変換する。
【0028】以上説明した本発明の第1の実施例による
X線CT装置では、単一のX線源をCアーム或いはリン
ク機構により移動させることにより、X線を一定の円軌
道上に沿って走査することができ、しかも高い空間分解
能を得ることができる。またCアームの場合、走査角度
より小さいCアームを採用することができ、特にIVR
等において術者の邪魔にならず、装置を小型化できる。
【0029】また以上のような構成にすることによって
患者1の体軸と垂直方向にX線CT装置を移動して患者
1の断層像を撮像することが可能となる。従って患者1
の体軸と平行方向にX線CT装置を移動して患者1の断
層像を撮像する従来の方法では、撮像部位のみならずそ
の前後にもX線CT装置の開口径以上のものを患者1に
取り付けることはできなかったが、本発明のX線CT装
置では、撮像部位だけ撮像に邪魔なものが無ければよ
く、患者1が治療のためにさまざまな器具(酸素マスク
や種々のセンサー、固定および治療具等)を取り付けた
状態でもX線CT装置の画像を撮像できる。
【0030】次に本発明の第2の実施例として、X線源
として複数のX線源を備えたX線CT装置について説明
する。図12は複数のX線源を備えたX線CT装置の1
例を示すもので、患者1が載せられた寝台2の下側に配
置される複数のX線源3を備えたX線発生装置30と、
寝台2の上側にあって天井つり下げの検出器4と備えて
いる。検出器4とX線発生装置30とが機構的に分離さ
れていること、及び検出器4を水平移動および上下移動
させる支持機構6の構成は図3の実施例と同様である。
即ち、検出器4はIVR手技等を行う場合には水平移動
機構及び上下移動機構により退避位置に退避させ、撮像
時にはX線発生装置30に対向する所定の位置に位置合
せする。
【0031】X線発生装置30は、図13に示すように
複数のX線源3を円弧状の支持機構5に等間隔で並べ、
患者1を中心とする円弧上に配列するようにしたもの
で、支持機構5は床もしくは寝台2に固定される。また
X線発生装置30は、高圧電源回路31及びスイッチ3
2を含む制御ユニット8に接続されており、スイッチ1
0を切り替えることにより複数のX線源3のいずれかを
駆動し、結果としてX線の発生位置を順次走査し、X線
の方向を変化させることができる。制御ユニット8はX
線の照射方向をパラメータとして持つ記憶手段から入力
されるデータに基づきスイッチ10を制御し、X線源3
を駆動する。このX線源駆動の情報は角度データとし
て、検出器4でデータが取得される際に用いられ画像再
構成される。図示する実施例では、X線源3を図13の
ように20度おきに9個ならべ、毎秒9個の割合で順次
X線の発生位置を切り換えて行くことにより、1秒で断
層像が得られる。
【0032】このように複数個のX線源を順次切り換え
ることでX線源1個当りの負荷は、一つのX線源だけの
場合よりも軽減できる。尚、並べるX線発生源の数が多
ければ多いほど、空間分解能が向上するのは言うまでも
ない。しかしX線源3と検出器との距離はある有限の大
きさをもち、かつX線源3は通常大きさが無視できない
程度大きいため、X線源3の数はある有限の個数までし
か増やすことはできない。X線源3の数が有限の数であ
るということは、X線発生源の並んでいる円弧に沿って
連続してX線源がX線を照射する場合に比べて隣り合っ
たX線源3同士の間隔分だけ空間分解能が落ちることを
意味する。従って、X線源を複数個並べるとともにこれ
らを円弧に沿って隣り合ったX線源3同士の焦点の間隔
分だけ動かすことによって空間分解能の低下を防止する
ことができる。
【0033】図14(a)及び(b)は、このように複
数個ならべたX線源を、X線発生源の並んでいる円弧に
沿って動かす場合の実施例を示すものである。図示する
X線発生装置30は支持台21と、支持台21上を往復
移動可能な約135度の円弧状のCアーム20と、Cア
ーム20に45度の角度をもって配置された4つのX線
源3(3a〜3d)とから成り、Cアーム20は同図
(b)に示すようにその側面に形成された凹部に支持台
21の上端のカギ型の部分が係合し、凹部とカギ型部分
との間にはローラベアリング24が介装されている。ま
たCアーム20の下端には、支持台21内に取付けられ
た駆動輪22及び位置検出器23と噛み合うギアが形成
されている。このような構成において駆動輪22を回転
させることにより、Cアーム20は支持台21上を支持
台21から外れることなく移動することができ、その移
動は位置検出器23により検出することができる。
【0034】このような構成のX線源を動かしてX線を
所定範囲、例えば180度走査するためには、図示する
例では45度おきに135度までX線源3を並べてある
ので、Cアーム20を少なくとも45度動かせばよい。
135度+45度で180度の走査ができ、断層像が撮
像できる。Cアーム20を動かす角度は45度以上であ
ってもよく、例えばCアーム20を動かす角度を90度
とすれば135度+90度の225度の走査ができ、ビ
ュー数が増えるためより画質を向上できる。
【0035】一般に180度走査するためには、X線源
3を動かす角度をα度とし、X線源3の間隔をθ度、X
線源3の個数をN、β={180−(N−1)θ}と定
義すると、断層像を再構成するためには、α≧θかつα
≧βであればよい。図14(a)の例ではN=4
(個)、θ=45(度)、β=45(度)であるので、
α≧45度以上動かせば断層像が撮像できる。また、動
かす範囲が少なければそれだけ高速で撮像ができる。
【0036】次に上記構成におけるX線源の駆動方法を
図15〜図17を参照して説明する。図15に示すシー
ケンスでは、X線源を45度の振角で2往復振動させ
て、撮像する例である。図16(a)に示すようにX線
源3aが左端にあるとき(水平線に対する角度θ=0
度)を初期位置として、最初の往路で、X線源3aが照
射する。これにより円弧Iで示す45度が走査される。
次いで復路でX線源3bが照射する。最初の往路におい
てX線源3bは水平線に対する角度θが90度の位置に
移動しているので、この復路では円弧IIで示す45度が
走査されることになる。更に次の往路で、X線源3cが
照射することにより円弧IIIに対応する45度が走査さ
れ、その復路でX線源3dが照射することにより円弧IV
に対応する45度が走査される。従って以上の2往復で
180度走査ができ、断層像が得られる。
【0037】このようにして、X線の発生位置に対しデ
ータの配列(一次元の透視像)が最低1セット得られる
ため、X線の発生位置が180度以上の範囲であれば従
来の第4世代のCT装置でハーフスキャンをする場合と
同様の方法で画像再構成ができる。尚、従来のCT装置
ではX線の発生位置が円弧に沿って順番に並んでいるの
に対し、このシーケンスではX線源を往復移動させるた
めX線の発生位置が順番に並ばないという点が異なる
が、X線の発生位置の順番は駆動方法によって一義的に
決定しているため、X線の発生位置の順にデータの配列
の先頭アドレスを決めるテーブルを予め作成しておけ
ば、容易に従来と同様のデータ形式に変換することがで
きる。
【0038】図17はX線源3の駆動方法の別の例を示
すもので、この方法ではCアーム20を図16(a)に
示す状態から図16(b)に示す状態まで45度の振角
で一回だけ動かして撮像し、この間にX線源を多数回切
り換える。この方法では、X線源3aは初期位置(水平
線に対する角度0度)からδ度移動する間に照射し、X
線源3bは初期位置(水平線に対する角度45度)より
δ度進んだ位置から更にδ度移動する間に照射し、X線
源3cは初期位置(水平線に対する角度90度)より2
δ度進んだ位置から更にδ度移動する間に照射し、X線
源3dは初期位置(水平線に対する角度135度)より
3δ度進んだ位置から更にδ度移動する間に照射する。
次の切替サイクルにおいてX線源3a〜3dが照射する
のはそれぞれ最初の照射開始位置より4δ進んだ位置か
らとなる。従ってこの方法による空間分解能の限界は4
δであり、空間分解能を上げるためには、Cアーム20
の移動速度に比べX線源の切り替え速度を速くすること
が必要である。即ち、単位時間当りのCアーム20の移
動角度をω、単位時間当りの切り替え回数をkとすると
き、δ=ω/kで表されるので、4δを小さくするため
にはωが小さく、kが大きくすればよいことになる。
尚、このような高速のX線源の切り替えはグリッド制御
回路によりグリッド電圧をパルス状に制御することによ
り実現できる。
【0039】このようにX線源3を切り替えながら図1
6(b)に示す位置までCアームを移動することによ
り、180度走査ができ、画像再構成に必要なデータを
得ることができる。この場合にもX線の発生位置は順番
に並ばないことになるが、図15のシーケンスの場合と
同様にX線の発生位置の順にデータの配列の先頭アドレ
スを決めるテーブルを予め作成しておけば、容易に従来
と同様のデータ形式に変換することができる。尚、各X
線源についてのX線発生位置は4δで等間隔であるが、
スキャンの終点におけるX線源3a(3b、3c)の照
射位置と、スキャンの始点におけるX線源3b(3c、
3d)の照射位置との間隔を等間隔4δとするために
は、δの値を予め移動角度θに対し、θ=n4δ+3δ
(式中、nは1つのX線源がθ度移動の間に照射する回
数)となるように決めておけばよい。
【0040】尚、この例ではCアーム上に45度の間隔
で4個のX線源が配置されている場合について説明した
が、X線源の間隔及び個数は上記例に限定されるもので
はなく、その場合には間隔及び個数に応じてCアームの
移動角度を変更すればよい。例えば60度の間隔で3個
のX線源を設けた場合には、Cアームを60度移動させ
ればよい。
【0041】以上説明した本発明の第2の実施例による
X線CT装置によれば、X線源として複数のX線源を用
い、これらを順次切り替え駆動することにより1個のX
線源に対する負荷を軽減することができる。特に複数個
のX線源をCアーム上に配置し、これを可動式とするこ
とにより、上記効果に加え、空間分解能を向上させるこ
とができ、しかもX線源が固定されるCアームをX線走
査角度に比べ小さくすることができるので、スペースフ
ァクタを向上させることができる。
【0042】次に本発明の第3の実施例として、X線発
生装置として電子銃、電子線を偏向させる偏向手段及び
電子によりX線を発生する半円形のターゲットを備えた
X線発生装置を用いたX線CT装置について説明する。
図18はこのようなX線CT装置の一例を示す概略側面
図で、患者1が寝かせられる寝台2の下側から側方を囲
むように設置されたX線発生装置(X線源)30と、こ
のX線発生装置30に対向して寝台2の上方に支持機構
6により設置された検出器4とを備えている。検出器4
とX線発生装置30とが機構的に分離されていること、
及び検出器4を水平移動および上下移動させる支持機構
6の構成は図4の実施例と同様である。即ち、検出器4
はIVR手技等を行う場合には水平移動機構及び上下移
動機構により退避位置に退避させ、撮像時にはX線源に
対向する所定の位置に位置合せする。
【0043】X線発生装置30は、患者1を中心とした
円弧状に配列したX線ターゲット11と、電子銃9と、
電子銃9より放出される電子を電場によって偏向し走査
する偏向電極12とから成り、これらは真空容器10内
に収められている。偏向電極12は、図19に示すよう
に、電子線を水平方向に偏向させる一対の偏向電極12
aと、電子線を垂直方向に偏向させる一対の偏向電極1
2bとからなり、偏向電極12a及び偏向電極12bに
印加される電圧は図20に示す制御ユニット15によっ
て制御され、電子線をX線ターゲット11上で走査する
ことによってX線7を走査する。またターゲット11は
図20に示すように多数に分割し電極を付けておくこと
により、電子は負の電荷をもつため、電流として検出で
きる。各電極によって検出された各ブロックごとの電流
はビーム位置検出手段14に入力され、ビーム位置検出
手段14は電流値の最大値を示すブロックを電子線の到
達位置として検出する。
【0044】以上のような構成におけるX線発生装置3
0の制御方法について図20を参照して説明する。まず
目標とするターゲット位置を鉛直線に対する角度θを用
いて表すと、水平方向に偏向する偏向電極12aに印加
される電圧はcosθに比例し、垂直方向に偏向する偏
向電極12bに印加される電圧はsinθに比例する。
比例定数は電子銃のパワー、装置のサイズ等により定め
られた値であるので、制御ユニットは角度データ(θ)
が与えられると、各偏向電極12に印加する電圧を決定
し、偏向電極12を制御する。これにより電子銃より放
出された電子線は所定の偏向を受け、ターゲット11に
達する。ターゲット11上での電子線の到着位置はビー
ム位置検出手段14によりモニタされる。即ち、ビーム
位置検出手段14はターゲット11の分割された各ブロ
ックに到達した電流を比較し、最も多くの電流の到達し
た部分を電子線の到達した位置として検出する。検出さ
れた位置の情報は例えば角度情報として制御ユニット1
5に入力される。制御ユニット15は電子線の目標位置
データを角度データとして予め持っているので、ビーム
位置検出手段14によってモニタした到着位置データと
目標位置データとの差を求め、この差がゼロとなるよう
に偏向電極12をフィードバック制御する。これにより
何等かの外因等による到達位置と目標位置とのずれをな
くし、常に電子線をX線ターゲット11上で走査してX
線7を走査することができる。
【0045】ところで、図19に示すX線CT装置では
X線源自体は動かないので、180度スキャンであって
も検出器とX線源(ターゲット)が干渉することが考え
られる。以下、検出器とX線源の干渉を防止する方法に
ついて説明する。図21(a)は、X線を走査する方向
に検出器4を回転させる方法を示すものである。この場
合、検出器4を支持する支持機構6に検出器4を回転さ
せる回転機構を設けるとともに、検出器4とX線源とは
機構的に分離しているので、制御ユニット15からの位
置情報を、回転機構を制御する検出器側の制御ユニット
に送出し、この位置情報に基づき検出器4を回転される
ことが必要となる。このように例えばX線源(ターゲッ
ト)の左端からX線照射されるとき、検出器4は図中実
線で示す位置にあって、その右端側でX線を検出するこ
とができ、しかも左端がX線と干渉することはない。そ
してX線照射位置が右側に移動するにつれ、検出器4が
回転し、X線照射位置が右端にきたときには、検出器4
はその左端側がX線照射位置に対向する位置に移動し、
右端がX線と干渉することはない。
【0046】図21(b)はX線を走査する方向と垂直
な方向に検出器4を退避させる方法を示すものである。
即ち、この場合は左側からX線を照射する場合には、検
出器4は右端を中心として回動し、検出器4の左側が走
査面から後退して、X線と干渉しないようにする。また
右側からX線を照射する場合には、検出器4は左端を中
心として回動し、その右側が走査面から後退して、X線
と干渉しないようにする。このような検出器4の動き
は、第4世代CTのN/R(ニューテート/ローテー
ト)方式の動作として知られているものであり、N/R
方式と同様に制御することができる。
【0047】図22(a)は最初に設定する検出器4の
位置をX線源(ターゲット)の位置に対し垂直方向にず
らす方法を示すもので、この場合X線の照射方向が垂直
方向に対し所定の角度を持つようにターゲット11が設
計されていることが必要である。またこの方法では、ス
キャンされる断面は平面とはならず図22(b)に示す
ように2つの半円錐状の曲面となる。2つの曲面の端部
におけるずれは、検出器4とX線源3の垂直方向のずれ
に対応している。従って、1つの断面についての断層像
を得るためには図22(c)に示すように少なくともこ
のずれ幅に対応する幅だけ寝台2を相対的に移動しなが
ら、複数回のスキャンを行い3次元のデータ16を収集
すればよい。この3次元データから平面の断層像17を
構成することができる。
【0048】以上、X線源として電子銃、電子線を偏向
させる偏向手段及び電子によりX線を発生する半円形の
ターゲットを備えたX線発生装置を用いたX線CT装置
について説明したが、本発明は電子銃及び偏向手段をタ
ーゲットの周りに複数配置したX線発生装置を用いたX
線CT装置についても適用できる。図23はこのような
X線CT装置のX線源の部分を示す図である。このX線
発生装置30では各電子銃9から放出される電子線を、
それぞれに備えられた偏向電極12により偏向させてタ
ーゲット11の所定の範囲を走査するとともに、電子銃
9を順次切り換えながら、円弧状のX線ターゲット11
の全体にわたって電子線を走査する。これにより所定の
円軌道に沿ってX線を走査することが可能となる。また
この場合には電子銃9からターゲット11までのパスを
短くすることができ、電子銃9、偏向電極12及びター
ゲット11を収容する真空容器10を小型化することが
できる。
【0049】以上説明した本発明の第3の実施例による
X線CT装置によれば、X線源として電子銃及びターゲ
ットを用いたX線発生装置を用いた場合にも、X線源と
検出器とを機構的に分離することにより、IVRに適し
たX線CT装置とすることができ、検出器とX線の干渉
を防止することができる。また複数の電子銃を備えたX
線源を用いた場合には、装置を小型化することができ
る。
【0050】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のX線CT装置によれば、検出器とX線発生手段とを
機械的に分離し、両者を独立に位置制御することによ
り、必要に応じ両者の相対的位置を移動させることによ
り、IVR治療下において、患者が治療のためにさまざ
まな器具を取り付けた状態でもX線CT画像を撮像でき
る。特に検出器を天井つり下げとし、上下方向に移動可
能とすることにより、患者を動かすことなく必要に応じ
てIVR手技を行ったり、断層像を撮像したりすること
ができ、更に患者1の体軸と垂直方向にX線CT装置を
移動して患者1の断層像を撮像することができるので、
撮像部位を除けば、患者1が治療のためにさまざまな器
具(酸素マスクや種々のセンサー、固定および治療具
等)を取り付けた状態でもX線CT装置の画像を撮像で
きる。
【0051】また本発明のX線CT装置によれば、X線
源を床もしくは寝台に患者を中心に位置を変えることが
できる可動式のX線発生源とすることにより、或いは円
弧状に配列した複数のX線発生源を順次動作させること
により、治療に必要な位置精度を維持し撮像できる。X
線発生源が、円弧状に配列したX線ターゲットと、該X
線ターゲットに対し電子を放出する電子銃と、該電子銃
から放出される電子を偏向させる偏向手段とを備えたも
のである場合にも、X線ターゲット上で電子線を走査す
ることにより治療に必要な位置精度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるX線CT装置の概
要を示す図。
【図2】図1のX線CT装置の動作を説明する図。
【図3】第1の実施例によるX線CT装置のX線源の1
実施例を示す図。
【図4】図3のX線源の支持機構の詳細を示す断面図。
【図5】図3のX線源の動作を示す説明図。
【図6】第1の実施例によるX線CT装置のX線源の他
の実施例を示す図で、(a)は全体構成図、(b)は機
構を説明する図。
【図7】図6のX線源の支持機構の詳細を示す断面図。
【図8】図6のX線源の動作を示す説明図。
【図9】第1の実施例によるX線CT装置のX線源の他
の実施例を示す図。
【図10】第1の実施例によるX線CT装置のX線源の
他の実施例を示す図。
【図11】第1の実施例によるX線CT装置のX線源の
他の実施例を示す図で、(a)は全体構成図、(b)は
機構及び制御を説明する図。
【図12】本発明の第2の実施例によるX線CT装置の
1実施例の概要を示す図。
【図13】図12のX線CT装置の動作を説明する図。
【図14】第2の実施例によるX線CT装置の別な実施
例を示す図、(a)はX線発生装置の全体構成図、
(b)は支持機構の詳細を示す断面図。
【図15】図14のX線発生装置の駆動方法の1実施例
を示すシーケンス図。
【図16】図14のX線発生装置の駆動方法を説明する
図。
【図17】図14のX線発生装置の駆動方法の別の実施
例を示すシーケンス図。
【図18】本発明の第3の実施例によるX線CT装置の
1実施例の概要を示す図。
【図19】図18のX線CT装置のX線発生装置の1実
施例を示す図。
【図20】図18のX線発生装置の制御方法を説明する
図。
【図21】図18のX線CT装置における検出器とX線
源との干渉を防止する方法を説明する図で、(a)は検
出器を回転させる方法を示す図、(b)は検出器の一部
を走査面から退避させる方法を示す図。
【図22】図18のX線CT装置における検出器とX線
源との干渉を防止する方法を説明する図で、(a)は検
出器とX線源の位置関係を示す側面図、(b)はこの方
法によるスキャン面及び通常のスキャン面を示す図、
(c)はこの方法による断層像データの取得方法を説明
する図。
【図23】本発明の第3の実施例によるX線CT装置の
別な実施例の要部を示す図。
【図24】従来のX線CT装置を示す図。
【図25】従来のIVRシステム例を示す図。
【符号の説明】
1・・・・・・患者(被検体) 2・・・・・・寝台 3・・・・・・X線源(X線発生手段) 4・・・・・・検出器 5・・・・・・X線源の支持機構(駆動機構) 6・・・・・・検出器の支持機構(駆動機構) 7・・・・・・X線 8・・・・・・制御ユニット(制御手段) 9・・・・・・電子銃 11・・・・・・X線ターゲット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線発生手段と、前記X線発生手段から照
    射され被検体を透過したX線を検出する検出器とを備え
    たX線CT装置において、前記検出器と前記X線発生手
    段との相対位置を変更する手段及びそれぞれを独立に位
    置制御する駆動機構を備えたことを特徴としたX線CT
    装置。
  2. 【請求項2】前記検出器は複数の検出要素を円弧状に配
    列した検出器から成り、前記検出器の駆動機構は、前記
    検出器を被検体に対しその体軸にほぼ直交する方向に近
    接或いは離反する機構を含むことを特徴とする請求項1
    記載のX線CT装置。
  3. 【請求項3】前記X線発生手段は1又は2以上のX線源
    を備え、前記X線発生手段の駆動機構は、1又は2以上
    のX線源を所定の円軌道に沿って円弧状に移動する機構
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のX線C
    T装置。
  4. 【請求項4】前記X線発生手段は円弧状に配列した複数
    のX線源を備え、前記X線発生手段の駆動機構は、複数
    のX線源を順次動作させる制御手段を備えたことを特徴
    とする請求項2又は3記載のX線CT装置。
  5. 【請求項5】前記X線発生手段は、円弧状のX線ターゲ
    ットと、該X線ターゲットに対し電子を放出する電子銃
    と、該電子銃から放出される電子を偏向させる偏向手段
    とを備え、前記X線発生手段の駆動機構は前記X線ター
    ゲット上で電子線を走査するように前記X線発生手段を
    制御することを特徴とする請求項1又は2記載のX線C
    T装置。
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