JPH08275176A - 量子化装置および量子化方法 - Google Patents

量子化装置および量子化方法

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JPH08275176A
JPH08275176A JP9955895A JP9955895A JPH08275176A JP H08275176 A JPH08275176 A JP H08275176A JP 9955895 A JP9955895 A JP 9955895A JP 9955895 A JP9955895 A JP 9955895A JP H08275176 A JPH08275176 A JP H08275176A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 量子化装置を使用することによる画質劣化を
防止する。 【構成】 動き量検出部15では、ブロック毎に動き量
が検出され、動き履歴検出部16において、その動き量
の履歴が生成される。重み決定部17では、動き履歴に
応じて評価値に対する重みが決定される。基本的に動き
履歴が大きいほど、時間変動評価値に対する重みγが単
調増加するように変化する。判定部18では、入力信号
値と量子化復号値の量子化誤差であるS/N評価値と、
入力信号値の空間変動と量子化復号値の空間変動の差分
である空間変動評価値と、入力信号値の時間変動と量子
化復号値の時間変動の差分である時間変動評価値とが決
定された重みを使用して重み付け加算され、それによっ
て、新規範評価値が算出される。新規範評価値を最小と
する量子化候補が選択的に出力端子14に取り出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばディジタル画
像信号を量子化する場合に入力信号値と量子化復号値と
で定義される量子化誤差最小規範に対して、さらに視覚
特性を考慮した空間変動規範および/または時間変動規
範を加味するようにした量子化装置および量子化方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、各画素が8ビットで表されるデ
ィジタル画像信号が入力され、各画素を8ビットより少
ないビット数で量子化(再量子化)することによって、
データ量を圧縮することが行われる。従来、この量子化
としては、入力信号値と量子化復号値との量子化誤差が
最小となるように量子化値が選択されていた。この量子
化装置において、入力信号レベルの分布に極端な偏りが
ない場合、その量子化誤差の積算値は最小となりS/N
(Signal/Noise)比は、最良となる。そのため、従来の
量子化装置は、S/N規範に基づいて量子化値が決定さ
れている。この規範とは、のっとるべき規則を言い、す
なわちS/N規範とは、量子化誤差を最小とする量子化
値を選択する規則を意味する。
【0003】ここで、S/N規範Q1は式(1)で表さ
れる。L(i)は入力信号値を表し、L(i)^は量子
化復号値を表し、q(i)は量子化値を表し、nは量子
化ビット数を表す。また、一般的な8ビット量子化の入
力ディジタル画像信号に対する量子化式と復号式を式
(2)、(3)に示す。
【0004】 Q1=MIN〔|L(i)^−L(i)|〕 (1) q(i)=L(i)/(255/2n ) (2) L(i)^=q(i)・255/2n (3)
【0005】式(1)におけるMIN〔 〕は、〔 〕
内の値が最小値となる量子化値を選択することを意味す
る。入力信号値に対する各量子化値の量子化復号値の量
子化誤差を比較し、S/N規範Q1に基づいて量子化値
が選択される。図13に3ビット量子化の例を示す。従
来のS/N規範量子化装置は、入力信号を8階調に量子
化し、各量子化区間の中央値を量子化復号値として出力
する。
【0006】図13によると、入力信号の変化が小さく
なる平坦領域において画質劣化が認められる。つまり、
入力信号が領域境界レベルを挟み僅かに変動しているに
も拘らず、量子化復号値においては、量子化ステップ幅
に相当する信号変動に拡大されることになる。このよう
な画質劣化は空間方向と時間方向の両者に発生し、画像
のエッジ部分がザラザラと見える、すなわちエッジビジ
ネスや時間的劣化の原因となる。このように、人間の視
覚特性を考慮すると、必ずしもS/N規範による量子化
が最適とは言えない。特に人間の視覚特性は、入力信号
の空間的、あるいは時間的な信号変化に対する感度が高
いと考えられるにも拘らず、従来の量子化装置は、入力
信号値そのものを基準として量子化を行うため、信号変
化に伴う画質劣化が目立つという欠点があった。
【0007】このような従来のS/N規範のみに基づく
量子化装置の欠点を克服するため、本出願人は、上述の
ような人間の視覚特性を考慮した新規範Q2を用いた量
子化装置を先に提案している(特開平6−169257
号公報参照)。新規範Q2を式(4)に示す。 Q2=MIN〔α〔S/N〕+β〔ΔS〕+γ〔ΔT〕〕 (4)
【0008】ここで、〔S/N〕はS/N評価値を表
し、〔ΔS〕は空間変動評価値を表し、〔ΔT〕は時間
変動評価値を表し、さらにα、β、γはそれぞれの重み
を表している。この式(4)で表される新規範Q2は、
複数の量子化値候補に関して、S/N評価値、空間変動
評価値および時間変動評価値を重み付け加算した新規範
評価値を求め、この評価値を最小とする量子化値候補を
出力量子化値として選択する規則である。図14には、
空間的に対応するkフレームと(k−1)フレームの画
素配置図を示す。kフレームのLx(k)の値を有する
画素の量子化を行う場合、新量子化規範Q2で用いられ
る各評価値は次式で表される。
【0009】 〔S/N〕=|Lx(k)^−Lx(k)| (5) 〔ΔS〕=〔ΔS1 〕+〔ΔS2 〕+〔ΔS3 〕+〔ΔS4 〕 (6) 〔ΔT〕=|(Lx(k)^−Lx(k−1)^)−(Lx(k)−Lx(k −1))| (7) 但し、〔ΔS1 〕、〔ΔS2 〕、〔ΔS3 〕、〔ΔS
4 〕は、次式で定義される。
【0010】 〔ΔS1 〕=|(Lx(k)^−La(k)^)−(Lx(k)−La(k) )| (8) 〔ΔS2 〕=|(Lx(k)^−Lb(k)^)−(Lx(k)−Lb(k) )| (9) 〔ΔS3 〕=|(Lx(k)^−Lc(k)^)−(Lx(k)−Lc(k) )| (10) 〔ΔS4 〕=|(Lx(k)^−Ld(k)^)−(Lx(k)−Ld(k) )| (11)
【0011】S/N評価値〔S/N〕は、従来の量子化
装置で評価されるのと同様の量子化誤差である。空間変
動評価値〔ΔS〕は、空間内の量子化復号値の信号変化
量(すなわち、空間内の量子化復号値の傾き)と入力信
号の信号変化量(すなわち、空間内の入力信号値の傾
き)との比較を行うものである。量子化復号値の信号変
化量を算出する場合、既に新規範Q2により決定済み
の、過去の画素の量子化値を使用して比較するという処
理上の制約がある。図14においては、量子化対象画素
Lx(k)に関し、処理済み画素は近傍4画素La
(k)、Lb(k)、Lc(k)、Ld(k)であり、
これらを使用して〔ΔS1 〕、〔ΔS2 〕、〔ΔS
3 〕、〔ΔS4 〕がそれぞれ求められる。
【0012】時間変動評価値〔ΔT〕は、量子化対象画
素Lx(k)と同一位置にある前フレームの画素Lx
(k−1)とに関し、入力信号のフレーム間の変化量と
量子化復号値のフレーム間の信号変化量とを比較するも
のである。上述のように式(4)のMIN〔 〕は、
〔 〕内の評価値を最小とする量子化値候補が最終的な
量子化値として選択されることを意味する。その結果、
従来の量子化装置で問題となる画質劣化が低減される。
【0013】その様子を図13に示す。すなわち、従来
の量子化装置では、入力信号が量子化境界レベル近傍で
僅かに変動している場合、量子化復号値においては量子
化ステップ幅に相当する信号変動に拡大されていたが、
上述の式(4)に基づく新規範量子化装置においては、
この信号変動は抑圧され安定した量子化復号化値が得ら
れる。こうして新規範量子化装置によって、意図した画
質改善が達成できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の新規範量子化装
置と従来の量子化装置とを比較すると、画質劣化はかな
り低減される。しかしながら、新規範量子化の構造に起
因する独特な画質劣化が発生する。そのひとつに『時間
へばりつき』パターンが挙げられる。この画質劣化は、
式(4)における時間変動評価値の寄与率が高すぎる場
合に発生する。
【0015】すなわち、物体輪郭部のような空間内信号
変化が大きい対象が動く場合には、評価値の中で時間変
動評価値が大きくなり、入力信号値の時間変化に追従し
た量子化値が選択される。一方、空間内の信号変化が小
さい平坦部分が動いたときでは、時間変動評価値も小さ
くなる。この平坦部分が動く時には、時間変動評価値の
全体の評価値に対する寄与率が適切でないと、動き部分
であっても、過去と同じ量子化値が選択され、時間的に
変化しない、『時間へばりつき』パターンが発生するこ
とになる。より具体的には、画面内の比較的大きな面積
の物体が動いた時に、量子化復号値の画像では、その輪
郭部は動くが、物体内の平坦部分が動かない現象が生
じ、見る者が違和感を持つことになる。
【0016】従って、この発明の目的は、新規範による
量子化に独特な画質劣化である、上述の『時間へばりつ
き』現象を防止できる量子化装置および量子化方法を提
供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、所定の量子化ビット数の入力信号値が供給され、量
子化ビット数と異なるnビットの量子化値を出力する量
子化装置において、量子化値の複数の量子化値候補に関
して、入力信号値と量子化値候補の復号値の差であるS
/N評価値と、入力信号値の空間変動と量子化値候補の
復号値の空間変動の差である空間変動評価値および/ま
たは入力信号値の時間変動と量子化値候補の復号値の時
間変動の差である時間変動評価値とを重み付け加算した
評価値をそれぞれ求め、評価値を最小とする量子化候補
を出力すべき量子化値として選択的に出力すると共に、
入力信号の局所的な動き量の履歴に応じて、S/N評価
値、空間変動評価値および/または時間変動評価値に対
する重みを適応的に変化させることを特徴とする量子化
装置である。
【0018】さらに、請求項9に記載の発明は、所定の
量子化ビット数の入力信号値が供給され、量子化ビット
数と異なるnビットの量子化値を出力する量子化装置に
おいて、量子化値の複数の量子化値候補に関して、入力
信号値と量子化値候補の復号値の差であるS/N評価値
と、入力信号値の空間変動と量子化値候補の復号値の空
間変動の差である空間変動評価値および/または入力信
号値の時間変動と量子化値候補の復号値の時間変動の差
である時間変動評価値とを重み付け加算した評価値をそ
れぞれ求め、評価値を最小とする量子化候補を出力すべ
き量子化値として選択的に出力すると共に、入力信号の
大局的な動き量の履歴に応じて、S/N評価値、空間変
動評価値および/または時間変動評価値に対する重みを
適応的に変化させることを特徴とする量子化装置であ
る。
【0019】そして、請求項17に記載の発明は、所定
の量子化ビット数の入力信号値が供給され、量子化ビッ
ト数と異なるnビットの量子化値を出力する量子化方法
において、入力信号の動き量の履歴に応じて、S/N評
価値、空間変動評価値および/または時間変動評価値に
対する重みを適応的に変化させるステップと、量子化値
の複数の量子化値候補に関して、入力信号値と量子化値
候補の復号値の差であるS/N評価値と、入力信号値の
空間変動と量子化値候補の復号値の空間変動の差である
空間変動評価値および/または入力信号値の時間変動と
量子化値候補の復号値の時間変動の差である時間変動評
価値とを、重みによって重み付け加算した評価値をそれ
ぞれ求めるステップと、評価値を最小とする量子化値候
補を出力すべき量子化値として選択的に出力するステッ
プとからなることを特徴とする量子化方法である。
【0020】
【作用】入力画像から検出される動き量の履歴に応じ
て、各規範の重みを変更することで、『時間へばりつ
き』パターンの発生を防止する。
【0021】
【実施例】以下、この発明に係る量子化装置の一実施例
について説明する。この発明は、動き量を検出し、S/
N評価値、空間変動評価値および/または時間変動評価
値に対する重みを適切に制御するものである。そこで、
動画像系列において過去から現在までの動き量の履歴
(以下、動き履歴と称する)に基づき式(4)の新量子
化規範Q2での各規範の重みを変更することで上述の画
質劣化の発生を防止する。以下、動き量の幾つかの検出
方法について述べる。
【0022】動き量検出方法の第1の例は、時間差分絶
対値の積算値により動き量を決定する手段である。kフ
レームの座標(x,y)における入力信号値Lx ,y
(k)、k−1フレームの入力信号値をLx ,y (k-1)とす
ると、時間差分絶対値が式(12)で定義され、対象ブ
ロックの画素平均時間差分絶対値Mが式(13)で定義
される。勿論、必ずしも画素平均化を行う必要はない。
【0023】 ΔTx,y =Lx,y (k) −Lx,y (k-1) (12)
【0024】
【数1】
【0025】動き量検出方法の第2の例は、各画素の空
間傾斜で正規化した時間差分絶対値を用いた動き量の決
定法である。一般に、空間変動の大きい部分(輪郭部の
ような空間傾斜の大きい部分)での時間差分絶対値は大
きくなる。一方、空間変動の小さい部分(平坦部のよう
な空間傾斜の小さい部分)での時間差分絶対値は小さく
なる。そこで、適正な動き量を算出するために、空間傾
斜で正規化された時間差分絶対値を使用する。図14の
画素配置図における空間傾斜の算出例を式(14)〜式
(18)に示す。
【0026】 ΔS=(|ΔS1 |+|ΔS2 |+|ΔS3 |+|ΔS4 |)/4 (14) 但し、|ΔS1 |、|ΔS2 |、|ΔS3 |、|ΔS4
|は、次式で定義されるもので、斜め方向、垂直方向お
よび水平方向の空間傾斜を表す。
【0027】 |ΔS1 |={(La(k)−Lx(k))+(Lx(k)−Lh(k))} /2 (15) |ΔS2 |={(Lb(k)−Lx(k))+(Lx(k)−Lg(k))} /2 (16) |ΔS3 |={(Lc(k)−Lx(k))+(Lx(k)−Lf(k))} /2 (17) |ΔS4 |={(Ld(k)−Lx(k))+(Lx(k)−Le(k))} /2 (18)
【0028】このように、算出された座標(x,y)に
おける空間傾斜ΔSx,y により正規化された画素平均動
き量は、式(19)で得られる。
【0029】
【数2】
【0030】また、空間傾斜が極端に小さい画素におい
ては正規化値が小さくなるため、動き量の感度が敏感に
なり過ぎる傾向がある。そこで、式(20)のしきい値
処理を導入する。すなわち、 ΔSx,y <しきい値TH : ΔSx,y =1.0 (20) (ΔSx,y ≧しきい値TH : ΔSx,y を変更しな
い。) このしきい値処理により適正な動き量を算出することが
可能となる。
【0031】第3の動き量検出法として、所謂、動きベ
クトルを使用することも可能である。その例を以下に説
明する。一般的に、動きベクトル検出法には大きく分類
して次の3種類が挙げられる。 (1)ブロックマッチング法 (2)勾配法 (3)位相相関法
【0032】ブロックマッチング法は、パターンマッチ
ングと同じ発想で、現画像のブロック化された領域が、
過去の画像中の何処に存在したか、現画像と過去画像の
比較を行う。具体例としては、ブロック内対応画素毎の
差分絶対値を加算し、ブロック毎の差分絶対値和(ある
いは差分の二乗和)が最小となる位置を動きベクトルと
するものである。
【0033】ブロックマッチング法を用いるブロックデ
ータの構造例を図5に示す。隣接フレーム間での動きベ
クトルを検出する場合、空間的に対応する位置にブロッ
ク(M画素×Nライン)が設定される。kフレーム(現
フレーム)とk−1フレーム(前フレーム)で探索座標
分ずらし、すなわち、水平方向で(X+M)画素、垂直
方向で(Y+N)ラインずらし、各座標位置においてパ
ターンマッチングを行ない、ブロック毎の差分絶対値和
(あるいは差分の二乗和)が最小となる座標位置を検出
する。
【0034】kフレームの座標(i,j) の画素レベルをL
k (i,j) 、k-1 フレームの座標(i,j) の画素レベルをL
k-1 (i,j)とすると、座標(x,y)における評価式の
例として式(21)が挙げられる。
【0035】
【数3】
【0036】図5の例においては、サーチ領域内の各座
標についての評価式(式21)の評価値Eを演算する。
サーチ点の数はX・Y点となる。その中で、評価値Eが
最小となる座標(x,y)が動きベクトルに対応する。
求められた動きベクトルをv=(vx , vy )とする
と、vx =−x、vy =−yで与えられる。この手法は
演算量が膨大となる欠点があるが、検出精度は良いので
広く一般的に用いられている。
【0037】勾配法は、ある空間傾斜を持つ画素がある
位置まで動くと、動き量に応じた時間差分が発生すると
いうモデルに基づく。よって、時間差分を空間傾斜で割
算すれば動きベクトルが得られる。勾配法の基本処理を
次に示す。
【0038】座標(x,y)における画素値をg(x,
y)とする。動きベクトルをv=(vx ,vy )とする
と、次の時刻の画素値は、g(x−vx ,y−vy )と
なる。これをテーラー展開すると式(22)になる。
【0039】
【数4】
【0040】ここで時間差分を式(23)で表す。 d(x,y)=g(x−vx ,y−vy )−g(x,y) (23) これにより式(24)が得られる。 v・gradg(x,y) 〜 −d(x,y) (24) この式(24)により時間差分と空間勾配から動きベク
トルを求めることが出来る。
【0041】あるブロック内の画素に対し、最小自乗法
を式(24)に適用し動きベクトルvについて解くと、
式(25)、式(26)が得られる。 vx =−(ΣΔt Δx )/(ΣΔx 2 ) (25) vy =−(ΣΔt Δy )/(ΣΔy 2 ) (26) Δt は時間差分、Δx は水平勾配、Δy は垂直勾配を表
す。
【0042】更に簡略化することで式(27)、式(2
8)が得られる。 vx =−{ΣΔt sign(Δx )}/(Σ|Δx |) (27) vy =−{ΣΔt sign(Δy )}/(Σ|Δy |) (28) sign( )は符号を表す。
【0043】一般的に勾配法による動き量検出には、式
(27)、式(28)が用いられる。勾配法の演算量は
少ないが、動き量が大きくなると検出される動きベクト
ルの精度が落ちるという欠点がある。それは前述のモデ
ルが成り立たなくなるからである。しかしながら、実用
上は、反復的に動きベクトルを順次検出していくなど、
様々な工夫により精度を得るようにしている。
【0044】さらに、位相相関法は、現画像と過去画像
の同一位置のブロックデータに対し、各々フーリエ変換
を施し、周波数領域で位相のずれ量を検出し、その位相
項を逆フリーエ変換を用いて動きベクトル値を検出する
手法である。この手法の特徴として、精度を確保するた
めには、ある程度以上の大きいブロックサイズが要求さ
れる。そのためフーリエ変換により演算量が膨大とな
る。また、一般的に大きいブロックの中には複数の動き
が存在し、その識別判定が難しくなるという欠点があ
る。
【0045】以上述べた動きベクトル検出法の何れかを
適用し、図1の各ブロック毎に動きベクトルv=
(vx ,vy ) を検出する。こうして決定された画面全
体の動きベクトルに対し、例えば、式(29)で定義さ
れる動きベクトルノルムMを動き量とする。
【0046】
【数5】
【0047】この動き量は、上述の時間差分絶対値を使
用する手法と比較すると、回路の負担は大きいが、精度
は高い。
【0048】この実施例では、以上の手法に基づき検出
された対象画素の動き量を過去から現在まで記憶し、そ
の動き履歴により式(4)の各規範重みを制御すること
で、視覚特性に合致した量子化を実行するものである。
規範重み特性の例としては、激しい動き画像ではS/N
規範重みαの寄与率を上げることが考えられる。また、
背景部などの静止領域においては、シーンチェンジ後な
どの静止画像開始時にはS/N規範重みα、空間変動規
範重みβ、時間変動規範重みγも寄与させるが、静止連
続時間が長くなるにつれて、空間変動規範重みβの寄与
率を下げ、時間変動規範重みγの寄与率を大きくする。
この制御により背景部などの静止領域において、エッジ
ビジネスなどの空間内画質劣化が排除された量子化パタ
ーンを安定的に保持することが可能となる。
【0049】以上の手法により動き履歴に基づき決定さ
れるS/N規範重みα、空間変動規範重みβ、時間変動
規範重みγの特性例を図2、図3および図4に示す。図
2の例ではS/N規範重みαは、常に一定としている。
本来、S/N規範は新規範量子化の暴走を防止するため
に用いられる。他の規範重みとの関係で寄与率は変化す
るので、この例においては一定としている。図3の例
は、空間変動規範重みβの特性を示している。この空間
変動規範重みβは、上述のように静止連続時間により寄
与率を減衰させる。
【0050】これは、『斜め流れ現象』と呼ばれる決定
済み量子化値伝播問題を防止するためである。式(4)
の判定においては過去の決定済み量子化値を使用してお
り、空間変動規範の寄与率が大き過ぎると判定順序に依
存した特異な『斜め縞パターン』が発生することがあ
る。この画質劣化を防止するために空間変動規範重みβ
を制御する。図4は、時間変動規範重みγの特性例であ
る。この例では静止連続時間が長くなるにつれ、重みγ
を大きくすることで量子化値の時間変動を抑制し、信号
安定性を高めた制御を実現する。以上のような規範重み
の制御を行うことで所望の処理を実現する。
【0051】上述の検出法により得られた動き履歴に応
じ、各規範の重みを変更する新規範量子化器の量子化値
決定のフローチャートを図6に示す。基本的には、設定
された量子化ビット数nで生成可能な全ての線形量子化
値q(i)に関し、式(4)で定義される新規範評価値
を算出し、その最小値を有する量子化値を出力値とす
る。
【0052】ステップ1では、上述したような方法を使
用して、検出された対象画素の過去から現在までの動き
検出結果から対象画素の動き履歴が生成される。次のス
テップ2において、生成された動き履歴からその対象画
素の重みα、β、γが決定される。例として挙げた図
2、図3および図4にそれぞれ示される特性に従って、
これらの重みが決定される。そして、ステップ3におい
て、カウンタqに0が設定される。カウンタqは、量子
化値候補と対応している。次のステップ4では、qと対
応する量子化値候補について、式(4)を使用した評価
値の算出がなされる。その算出された新規範評価値が登
録される。
【0053】ステップ5のインクリメントでは、カウン
タqに `+1' が加算され、ステップ6へ制御が移る。
ステップ6のq=Nでは、ステップ5(インクリメン
ト)において、加算されたカウンタqがNと等しいか否
かが判別され、q≠Nの場合、ステップ4(評価値の算
出および登録)へ制御が戻り、q=Nの場合、ステップ
7へ制御が移る。すなわち、評価対象の量子化値の最大
値が(N−1)の場合には、この(N−1)で設定され
る回数、ステップ4およびステップ5の処理が繰り返さ
れ、カウンタqがNに等しくなるとき、ループは終了す
る。
【0054】次に、ステップ7の評価値の最小値検出に
おいて、量子化値候補の内で最小の新規範評価値を生じ
させる量子化値qが最終結果として選択される。ステッ
プ8の量子化値q登録において、選択された量子化値q
が登録され、このフローチャートは終了する。
【0055】次に、この発明の量子化装置の処理を実現
する一実施例のブロック図を図7に示す。入力端子11
から供給される入力信号値L(i)、例えば各画素が8
ビットに量子化されたディジタル画像信号は、量子化器
12、新規範処理部13へ供給される。この新規範処理
部13は、動き量検出部15、動き履歴検出部16、重
み決定部17、判定部18、メモリ部19から構成さ
れ、入力端子11から供給された入力信号値L(i)
は、動き量検出部15、判定部18およびメモリ部19
へ供給される。量子化器12において、供給された入力
信号値L(i)は、8ビットより少ないnビットへ量子
化される。この量子化器12からは、2n の数の量子化
値候補が発生する。
【0056】量子化器12により生成された線形量子化
値q(i)は、d3として判定部18へ供給される。ま
た、線形量子化値の上下の量子化値も生成され、判定部
18へ供給される。動き量検出部15により検出された
対象画素の動き判定フラグd0は、動き履歴検出部16
へ供給され、動き履歴検出部16において、動き履歴が
生成される。その動き履歴はd1として、重み決定部1
7へ供給され、重み決定部17では、動き履歴d1に応
答して、対象画素の重みが決定される。この重み決定部
17からの重みα、β、γがd2として判定部18へ供
給される。
【0057】新規範量子化においては、式(4)で定義
される新規範Q2が用いられるため、入力信号値L
(i)と決定済み量子化値d4を記憶しておく必要があ
る。メモリ部19からは、必要に応じて記憶データd4
(すなわち、決定済み量子化値)が、判定部18へ供給
される。判定部18では、上述した図6に示すフローチ
ャートの処理が行われる。すなわち、供給された入力信
号値L(i)、重みd2、線形量子化値d3、記憶デー
タd4から式(4)の判定が実行された後、最終的な量
子化値q(i)が選択され、出力端子14を介して取り
出される。
【0058】ここで、上述の動き量検出部15の一例を
図8に示す。この実施例は、局所的な動き量、すなわち
画素毎の動き量を検出する手法である。入力信号値L
(i)が入力端子11から供給され、その入力信号値L
(i)は、減算器21およびメモリ部22へ供給され
る。減算器21では、入力信号値L(i)と過去データ
であるメモリ部22の出力値i1との間で、例えば画素
毎の時間差分値i2が生成され、ROM23へ供給され
る。ROM23の処理の例としては、時間差分値i2の
絶対値化および静止判定などが行われる。その結果、出
力d0は局所的な動き量の動き判定フラグとなる。例え
ば、局所的な動き量は、動き判定フラグd0が `0' の
場合は静止となり、 `1' の場合は動きとなる。この動
き判定フラグd0が動き量検出部15から出力端子24
を介して動き履歴検出部16へ供給される。
【0059】ここで、動き履歴検出部16の一例を図9
のブロック図に示す。動き判定フラグd0は、各画素毎
に独立アドレスを持つ動き履歴メモリの対応アドレスを
アクセスする。そして、動き判定フラグd0が静止であ
る場合は、動き履歴メモリに記憶されている過去の静止
連続数をROM31により+1インクリメントし、その
値を書き込むことにより、そのアドレスの動き履歴メモ
リ32の内容を更新する。その処理が図9中に示す動き
履歴メモリ32の出力d1からROM31へのループで
ある。また、動き判定フラグd0が静止でない場合は、
ROM31によりi6として0が発生し、その値を書き
込むことにより動き履歴メモリ32の内容をクリアす
る。このような処理により、対象範囲の過去から現在ま
での動き履歴を生成することができる。この例における
動き履歴とは、対象範囲の過去から現在までの静止連続
時間に対応する。この動き履歴検出部16の出力とし
て、動き履歴d1が重み決定部17へ伝送される。
【0060】そして、重み決定部17の一例を図10の
ブロック図に示す。動き履歴検出部16から動き履歴d
1が入力端子33を介して供給され、その動き履歴d1
に基づき上述した図2、図3および図4に示すような特
性の各規範の重みが決定される。動き履歴d1は、RO
M41、42、43へ供給され、ROM41は、S/N
規範重みαの特性が記憶され、動き履歴d1に応じて重
みαがd2として、出力端子44を介して判定部18へ
供給される。ROM42は、空間変動規範重みβの特性
が記憶され、動き履歴d1に応じて重みβがd2とし
て、出力端子45を介して判定部18へ供給される。同
様に、ROM43は、空間変動規範重みγの特性が記憶
され、動き履歴d1に応じて重みγがd2として、出力
端子46を介して判定部18へ供給される。すなわち、
動き履歴d1に対応する各重みα、β、γは、d2とし
て、次の判定部18へ供給される。
【0061】次に、判定部18の一例を図11のブロッ
ク図に示す。先ず、新規範評価部53において、上述し
た式(4)の新規範評価値を最小化する量子化値の検出
が行われる。ハードワイヤによる検出も可能であるが、
CPU等を用いた演算による検出でも実行される。この
検出のためには、式(4)に必要な様々な信号が要求さ
れる。そこで、入力端子11から入力信号値L(i)、
入力端子52を介して量子化器12からの線形量子化値
q(i)がd3として、入力端子51を介してメモリ部
19からの記憶データ(すなわち、決定済み量子化値)
d4、入力端子44、45、46から規範重みα、β、
γがd2として新規範評価部53へ供給される。
【0062】新規範評価部53で用いられる式(4)に
よると、メモリ部19には、上述したように入力信号値
L(i)と決定済み量子化値q(i)を記憶しておく必
要があり、新規範評価部53における処理に応じてメモ
リ部19からも必要な信号が記憶データd4として供給
される。新規範評価部53で検出された新規範最小化量
子化値の選択コードi11は、選択器57へ供給され
る。量子化器12からの線形量子化値d3は、線形量子
化値と上下の量子化値も伝送されるので、その3つの量
子化値は、最終量子化値候補としてレジスタ54、5
5、56に保持される。これらの量子化値i12、i1
3、i14は、選択器57に入力され、上述の選択コー
ドi11により適切な値が選択され、判定部18の決定
済み量子化値q(i)として、出力端子14から取り出
される。
【0063】ここで、上述の動き量検出部15の他の例
を図12に示す。この例は、大局的な動き量、すなわち
ブロック毎あるいは1画面毎の動き量を検出する方式で
ある。入力信号値L(i)が入力端子11から供給さ
れ、その入力信号値L(i)は、減算器61およびメモ
リ部62へ供給される。メモリ部62では、入力信号値
L(i)に対して、例えば1フレームの遅延がなされ、
その出力i21と入力信号値L(i)は、減算器61に
おいて、上述の式(12)で示されるような画素毎の時
間差分i22が生成される。時間差分i21は、ROM
63により適切なデータi23へ変換され、加算器64
へ供給される。一例として、時間差分i22は、このR
OM63において、差分値の絶対値化などが施され、デ
ータi23として出力される。
【0064】加算器64では、データi23とレジスタ
65から供給される積算値i25との加算が行われ、そ
の値i24は、レジスタ65へ供給される。レジスタ6
5では、積算値i25がROM66および加算器64へ
供給され、1ブロック毎に絶対値差分の積算がなされ
る。このレジスタ65から出力される絶対値差分の積算
値は、1ブロックに限らず、1画面の絶対値差分の積算
値を出力することも可能である。ROM66の処理の例
としては、積算値i25の静止判定が行われ、その結
果、出力d0は対象範囲の動き判定フラグとなる。例え
ば、大局的な動き量は、動き判定フラグd0が `0' の
場合、静止となり、 `1' の場合、動きとなる。この動
き判定フラグd0が動き量検出部15から出力端子67
を介して動き履歴検出部16へ供給される。
【0065】この新規範量子化装置により、従来の量子
化装置の画質劣化を低減し、視覚特性に合致する量子化
画像を得ることができる。
【0066】図7中の量子化器12において、全ての量
子化値を発生するのと異なり、S/N規範に基づいて選
択された基準の量子化値を生成し、この量子化値と、そ
の上下の量子化値の3種類の量子化値候補について、判
定部18が新規範評価値をそれぞれ求め、この3個の新
規範評価値の中で最小のものと対応する量子化値候補を
選択的に出力する構成としても良い。
【0067】なお、この発明は、空間変動評価値と時間
変動評価値との一方のみを使用して新規範評価値を構成
するようにしても良い。例えば、ディジタルオーディオ
信号のような場合には、S/N評価値と時間変動評価値
とを使用した評価値を使用することができる。
【0068】
【発明の効果】この発明によれば、視覚特性を考慮した
量子化が行えることで、量子化境界レベル近傍の入力信
号値の変化が拡大されることによる空間方向、あるいは
時間方向の画質劣化を低減することができる。
【0069】また、この発明によれば、動き量が大きい
場合、時間変動評価値に対する重みγを減少させること
によって、重みγの値を適切なものとすることができ、
冒頭に述べたような画質劣化を防止することが可能とな
る。
【0070】さらに、この発明によれば、元の量子化ビ
ット数より少ないビット数でも良好な画像を得ることが
でき、例えばディジタル入力信号の圧縮を良好に得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る動き量検出のための画面分割の
一例を示す略線図である。
【図2】時間変動評価値に対する重みの動き量に応じた
変化の特性例を示す略線図である。
【図3】空間変動評価値に対する重みの動き量に応じた
変化の特性例を示す略線図である。
【図4】S/N評価値に対する重みの動き量に応じた変
化の特性例を示す略線図である。
【図5】動きベクトル検出方法の一例を説明するための
略線図である。
【図6】この発明に係る可変重みの新規範量子化装置の
判定部の一例を示すフローチャートである。
【図7】この発明に係る新規範量子化装置の一実施例を
示すブロック図である。
【図8】この発明に係る動き量検出部の一例を示すブロ
ック図である。
【図9】この発明に係る動き履歴検出部の一例を示すブ
ロック図である。
【図10】この発明に係る重み決定部の一例を示すブロ
ック図である。
【図11】この発明に係る判定部の一例を示すブロック
図である。
【図12】この発明に係る動き量検出部の他の例を示す
ブロック図である。
【図13】入力信号に対して3ビット量子化が行われた
一例を示す略線図である。
【図14】画素の配置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
12 量子化器 13 新規範処理部 15 動き量検出部 16 動き履歴検出部 17 重み決定部 18 判定部 19 メモリ部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の量子化ビット数の入力信号値が供
    給され、上記量子化ビット数と異なるnビットの量子化
    値を出力する量子化装置において、 上記量子化値の複数の量子化値候補に関して、上記入力
    信号値と上記量子化値候補の復号値の差であるS/N評
    価値と、上記入力信号値の空間変動と上記量子化値候補
    の復号値の空間変動の差である空間変動評価値および/
    または上記入力信号値の時間変動と上記量子化値候補の
    復号値の時間変動の差である時間変動評価値とを重み付
    け加算した評価値をそれぞれ求め、上記評価値を最小と
    する上記量子化候補を上記出力すべき量子化値として選
    択的に出力すると共に、 入力信号の局所的な動き量の履歴に応じて、上記S/N
    評価値、上記空間変動評価値および/または上記時間変
    動評価値に対する重みを適応的に変化させることを特徴
    とする量子化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の量子化装置において、 入力信号の時間差分量に基づいて検出された局所的な動
    き量の履歴に応じて、上記S/N評価値、上記空間変動
    評価値および/または上記時間変動評価値に対する重み
    を適応的に変化させることを特徴とする量子化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の量子化装置において、 空間傾斜で正規化された入力信号の時間差分量に基づい
    て検出された局所的な動き量の履歴に応じて、上記S/
    N評価値、上記空間変動評価値および/または上記時間
    変動評価値に対する重みを適応的に変化させることを特
    徴とする量子化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の量子化装置において、 しきい値処理を介された、空間傾斜で正規化された入力
    信号の時間差分量に基づいて検出された局所的な動き量
    の履歴に応じて、上記S/N評価値、上記空間変動評価
    値および/または上記時間変動評価値に対する重みを適
    応的に変化させることを特徴とする量子化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の量子化装置において、 局所的に検出された動きベクトルに基づいて検出された
    局所的な動き量の履歴に応じて、上記S/N評価値、上
    記空間変動評価値および/または上記時間変動評価値に
    対する重みを適応的に変化させることを特徴とする量子
    化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の量子化装置において、 空間変動評価値および時間変動評価値は、入力信号値
    と、決定済みの量子化値の復号値とを使用して求められ
    ることを特徴とする量子化装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の量子化装置において、 入力信号がディジタルビデオ信号であって、空間変動評
    価値が同一フィールドまたは同一フレーム内の入力信号
    値と復号値とを用いて求められることを特徴とする量子
    化装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の量子化装置において、 入力信号がディジタルビデオ信号であって、時間変動評
    価値が現フレームの入力信号値および復号値と前フレー
    ムの入力信号値と復号値とを用いて求められることを特
    徴とする量子化装置。
  9. 【請求項9】 所定の量子化ビット数の入力信号値が供
    給され、上記量子化ビット数と異なるnビットの量子化
    値を出力する量子化装置において、 上記量子化値の複数の量子化値候補に関して、上記入力
    信号値と上記量子化値候補の復号値の差であるS/N評
    価値と、上記入力信号値の空間変動と上記量子化値候補
    の復号値の空間変動の差である空間変動評価値および/
    または上記入力信号値の時間変動と上記量子化値候補の
    復号値の時間変動の差である時間変動評価値とを重み付
    け加算した評価値をそれぞれ求め、上記評価値を最小と
    する上記量子化候補を上記出力すべき量子化値として選
    択的に出力すると共に、 入力信号の大局的な動き量の履歴に応じて、上記S/N
    評価値、上記空間変動評価値および/または上記時間変
    動評価値に対する重みを適応的に変化させることを特徴
    とする量子化装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の量子化装置におい
    て、 入力信号の時間差分量に基づいて検出された大局的な動
    き量の履歴に応じて、上記S/N評価値、上記空間変動
    評価値および/または上記時間変動評価値に対する重み
    を適応的に変化させることを特徴とする量子化装置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の量子化装置におい
    て、 空間傾斜で正規化された入力信号の時間差分量に基づい
    て検出された大局的な動き量の履歴に応じて、上記S/
    N評価値、上記空間変動評価値および/または上記時間
    変動評価値に対する重みを適応的に変化させることを特
    徴とする量子化装置。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載の量子化装置におい
    て、 しきい値処理を介された、空間傾斜で正規化された入力
    信号の時間差分量に基づいて検出された大局的な動き量
    の履歴に応じて、上記S/N評価値、上記空間変動評価
    値および/または上記時間変動評価値に対する重みを適
    応的に変化させることを特徴とする量子化装置。
  13. 【請求項13】 請求項9に記載の量子化装置におい
    て、 大局的に検出された動きベクトルに基づいて検出された
    大局的な動き量の履歴に応じて、上記S/N評価値、上
    記空間変動評価値および/または上記時間変動評価値に
    対する重みを適応的に変化させることを特徴とする量子
    化装置。
  14. 【請求項14】 請求項9に記載の量子化装置におい
    て、 空間変動評価値および時間変動評価値は、入力信号値
    と、決定済みの量子化値の復号値とを使用して求められ
    ることを特徴とする量子化装置。
  15. 【請求項15】 請求項9に記載の量子化装置におい
    て、 入力信号がディジタルビデオ信号であって、空間変動評
    価値が同一フィールドまたは同一フレーム内の入力信号
    値と復号値とを用いて求められることを特徴とする量子
    化装置。
  16. 【請求項16】 請求項9に記載の量子化装置におい
    て、 入力信号がディジタルビデオ信号であって、時間変動評
    価値が現フレームの入力信号値および復号値と前フレー
    ムの入力信号値と復号値とを用いて求められることを特
    徴とする量子化装置。
  17. 【請求項17】 所定の量子化ビット数の入力信号値が
    供給され、上記量子化ビット数と異なるnビットの量子
    化値を出力する量子化方法において、 入力信号の動き量の履歴に応じて、S/N評価値、空間
    変動評価値および/または時間変動評価値に対する重み
    を適応的に変化させるステップと、 上記量子化値の複数の量子化値候補に関して、上記入力
    信号値と上記量子化値候補の復号値の差であるS/N評
    価値と、上記入力信号値の空間変動と上記量子化値候補
    の復号値の空間変動の差である空間変動評価値および/
    または上記入力信号値の時間変動と上記量子化値候補の
    復号値の時間変動の差である時間変動評価値とを、上記
    重みによって重み付け加算した評価値をそれぞれ求める
    ステップと、 上記評価値を最小とする上記量子化値候補を上記出力す
    べき量子化値として選択的に出力するステップとからな
    ることを特徴とする量子化方法。
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