JPH0827354A - クリ−プ特性の優れたエラストマ−組成物 - Google Patents

クリ−プ特性の優れたエラストマ−組成物

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JPH0827354A
JPH0827354A JP18790894A JP18790894A JPH0827354A JP H0827354 A JPH0827354 A JP H0827354A JP 18790894 A JP18790894 A JP 18790894A JP 18790894 A JP18790894 A JP 18790894A JP H0827354 A JPH0827354 A JP H0827354A
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徹夫 増渕
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物
を主体とする重量ブロックAと、少なくとも1個の共役
ジェン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなる
ブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合
体:100重量部、(b)曲弾性率が20000kgf
/cm2 以上の高結晶性プロピレン系樹脂:10〜80
重量部、からなる柔軟でクリ−プ特性の優れたエラスト
マ−組成物。 【効果】 柔軟性、耐熱性、強度、透明性、成形性およ
びクリ−プ性に優れ、かつ無毒のエラストマ−組成物が
得られる。この組成物は一般産業資材、家庭用品等の分
野に使用されるほか、特に高温滅菌の必要な食品包装
材、医療器具等の用途に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性エラストマー組
成物に関し、特に柔軟性、耐熱性、強度、透明性及び成
形性及びクリープ特性に優れ、且つ無毒・無臭のエラス
トマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品包装材、医療機器の分野にお
いて、柔軟で透明な成形物を得る組成物として数々のも
のが提案され実用化されている。例えば、LDPE、エ
チレン−アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体またはメタク
リル酸共重合体の金属塩等は柔軟で透明な成形品として
使用されるが、耐熱性が不十分であり、100℃以下の
温度で軟化してしまうという問題点がある。従って得ら
れた成形品は高温加熱滅菌ができないという欠点を有し
ている。
【0003】また、軟質塩化ビニルを基材とする組成物
を用いた成形品は、柔軟性、透明性に優れ、且つ100
℃以上の高温下でも形状を維持できるため高温殺菌が可
能であり、食品包装材、医療器具等に広く用いられてい
る。しかし、軟質塩化ビニルを基材とする組成物は通常
可塑剤を多量に含有しているため、可塑剤が溶出し衛生
上の問題を生じる恐れがある。また、軟質塩化ビニルを
基材とする組成物は、低温特性が十分ではなく、0℃以
下の温度において柔軟性が著しく低下してしまう。従っ
て冷凍保存等に供された場合、成形品の衝撃による破損
等の問題を生ずる恐れがある。一方、スチレン・ブタジ
エンブロック共重合体、スチレン・イソプレンブロック
共重合体等のスチレン系エラストマーは、柔軟性、透明
性、強度に優れ、また優れた低温特性を有するが、耐熱
性は十分ではなく、100℃以下でも軟化して形状を維
持できなくなるという問題点を有する。
【0004】そこで、上記スチレン系エラストマーを改
良した水素添加誘導体(以下水添ブロック共重合体と略
記する)を用いたエラストマー組成物に関し、いくつか
の提案がなされている。例えば、特開昭50−1474
2号公報、特開昭52−65501号公報には、水添ブ
ロック共重合体にオレフィン系重合体および炭化水素油
を配合したエラストマー組成物が開示されている。これ
らのエラストマー組成物は120℃程度の高温下でも形
状を維持し、また、−40℃程度の低温においても良好
な柔軟性を有し、しかも耐熱老化性、耐オゾン性、耐光
安定性に優れるという特徴を有している。
【0005】しかしながらこれらの組成物は炭化水素油
を多量に含有しているため、食品包装材、医療器具等の
分野においては炭化水素油の溶出が問題となることがあ
る。そこで上記問題を解決する目的で、炭化水素油を含
有しない水添ブロック共重合体の組成物が提案されてい
る。例えば特開昭54−88950号公報にはABA型
の水添ブロック共重合体とポリプロピレン系樹脂との組
成物に加工性を助けるための軟化剤またはメルトフロー
助剤としてポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体から選ばれた軟化剤
を配合してなる組成物が提案されている。
【0006】しかしながらこれらの軟化剤はそれ自体耐
熱性が十分でないため、特定の構造の水添ブロック共重
合体との組み合わせにおいてのみ耐熱性が得られるにす
ぎづ、また耐熱性が低下してしまうため軟化剤の使用で
きる量も制限され、結果として硬い成形物しか得られな
いという問題点を有する。また、特開昭59−7415
2号公報には、ABA型の水添ブロック共重合体とポリ
プロピレン系樹脂を配合し、さらにエチレン−アクリレ
ート共重合体より成る組成物が提案されている。エチレ
ン−アクリレート共重合体は、それ自体耐熱性、柔軟性
が良好なため、柔軟で耐熱性の優れた組成物が得られ
る。しかしながら、エチレン−アクリレート共重合体を
用いた場合、エチレン−アクリレート共重合体の臭気の
ため、食品包装材料、医療器具等の分野においては使用
が制限されるばかりでなく、熱水による白化や吸湿の問
題も生ずる。
【0007】また、特開平4−220449号公報には
上記問題を解決したエラストマー組成物が提案されてい
るが、クリープ特性(材料に応力が加わった時に経時的
に変形する性質)と柔軟性のバランスが十分とはいえ
ず、高荷重時に変形が起こり、特に食品包装材料、医療
容器等に使用された場合、内容物の重量により経時的に
変形していしまうという問題点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記従来技術
の問題点を改良し、柔軟性、耐熱性、強度、透明性、成
形性およびクリープ特性に優れ、且つ無毒のエラストマ
ー組成物の開発が望まれているのが実情であった。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明は、上記の技術課
題を解決した新規なエラストマー組成物を提供するもの
である。本発明は、前記した水添ブロック共重合体と特
定の高結晶性ポリプロピレン系樹脂を配合し、さらに特
定のエチレンとα−オレフィンとの共重合体を組み合わ
せることにより、柔軟性、耐熱性、強度、透明性、成形
性およびクリープ特性に優れ、且つ無毒、無臭のエラス
トマー組成物が得られるという驚くべき事実に基づきな
されたものである。
【0010】即ち本発明は、(a)少なくとも2個のビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少
なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブ
ロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してな
るブロック共重合体:100重量部、(b)曲弾性率が
20000kgf/cm2 以上、密度が0.95g/c
3 以下の高結晶性プロピレン系樹脂:10〜80重量
部、からなる柔軟で耐熱性の優れたエラストマー組成物
を提供するものである。
【0011】本発明で(a)成分として用いられる水添
ブロック共重合体は、少なくとも2個のビニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個
の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとか
ら成るブロック共重合体を水素添加して得られるブロッ
ク共重合体であり、例えばA−B−A、B−A−B−
A、A−B−A−B−A、B−A−B−A−B、(A−
B)4 Si、(B−A−B)4 Si、(B−A−B)4
Sn等の構造を有する。
【0012】本明細書中で使用される「主体とする」と
いう表現は、該当モノマー単位が重合体ブロックの少な
くとも50重量%以上、好ましくは70重量%以上を占
めることを意味する。
【0013】また、これらのビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにお
けるビニル芳香族化合物または共役ジエン化合物の分布
がランダムまたはテーパード(分子鎖に沿ってモノマー
成分が増加または減少するもの)または一部ブロック状
またはこれらの任意組み合わせであってもよく、また重
合体ブロックA、重合体ブロックBがそれぞれ2個以上
ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造で
あってもよく、異なる構造であってもよい。
【0014】一般に、各重合体ブロックAは4000〜
50000の範囲の、同一または異なる数平均分子量を
有し、さらに好ましくは5000〜40000の範囲の
同一または異なる数平均分子量を有する。また、各重合
体ブロックBは3000〜100000の範囲の、同一
または異なる数平均分子量を有し、さらに好ましくは4
000〜70000の範囲の同一または異なる数平均分
子量を有する。このブロック共重合体は、ビニル芳香族
化合物を10〜50重量%、好ましくは15〜40重量
%含有する。
【0015】水添ブロック共重合体を構成するビニル芳
香族化合物としては、例えばスチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン、p−第三ブチルスチレン等の
うちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレ
ンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種ま
たは2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イソプレ
ンおよびこれらの組み合わせが好ましい。そして、水添
される前の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クBは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶ
ことができ、例えばポリブタジエンブロックにおいて
は、1,2−ミクロ構造が20〜50重量%、好ましく
は25〜45重量%である。
【0016】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては上記した構造を有するものであればどのような製造
方法で得られるものであってもよい。例えば、特公昭4
0−23798号公報に記載された方法によりリチウム
触媒等を用いて不活性有機溶媒中でビニル芳香族化合
物、共役ジエン化合物のブロック共重合体を重合し、次
いで特開昭60−220147号公報、特開昭61−3
3132号公報あるいは特開昭62−207303号公
報等に記載された方法により、不活性有機溶媒中で水素
添加触媒の存在下に水素添加して、本発明に供する水添
ブロック共重合体を合成することができる。
【0017】本発明で有用なブロック共重合体を水素添
加するために使用される条件は、共役ジエン化合物の少
なくとも80%、好ましくは90%以上が水素添加さ
れ、一方ビニル芳香族化合物の20%未満、好ましくは
10%未満が水素添加されるように選択される。
【0018】また、上記した構造を有する本発明に供す
る水添ブロック共重合体の数平均分子量は20000〜
300000、好ましくは25000〜250000、
さらに好ましくは30000〜200000の範囲であ
り、分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)]は10以下、好まし
くは5以下、さらに好ましくは2以下である。数平均分
子量が20000未満ではエラストマー組成物の強度、
耐熱性が十分ではなく、300000を超えるとエラス
トマー組成物の成形性が悪化するので好ましくない。ま
た、分子量分布が10を超えるとエラストマー組成物の
強度、耐熱性が十分でなく好ましくない。
【0019】次に本発明の(b)成分として用いられる
高結晶性ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン単独
重合体またはプロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィ
ンとの共重合体である。共重合体の場合、共重合体中の
α−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1等があげられ、これらのα−オ
レフィンの割合は10重量%以下のものが用いられる。
【0020】一般に、本発明の高結晶性ポリプロピレン
系樹脂は、通常チーグラーナッタ型触媒と呼ばれる三塩
化チタン及び/又はチタン化合物とマグネシウム化合物
等との複合化合物で代表される固体触媒およびアルキル
アルミニウム化合物とを組み合わせた触媒の存在下、1
00℃以下の比較的低い温度にて重合することにより製
造することができる。また第三成分として、フォスフェ
ート系化合物、エステル化合物、シラン化合物、アルコ
キシシラン化合物の1種または2種以上を使用すること
ができる。
【0021】本発明で用いられる高結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂は高度なアイソタクチック性を有しており、沸
騰ヘプタン不溶分の13C−NMRにより求めたアイソタ
クチック分率が0.95以上、さらに好ましくは0.9
7以上である。また沸騰ヘプタン可溶分が5重量%以下
であることが望ましい。ここでいう13C−NMRにより
求めたアイソタクチック分率とはA.Zambelli
らによりMacromolecules,8,687
(1975)の方法に基づいて測定したものである。
【0022】また本発明で用いられる高結晶性ポリプロ
ピレン系樹脂のメルトフローレイト(JIS K675
8、230℃、2.16Kgf荷重に従って測定した
値、以下MFRと略記する)は0.1〜50g/10m
in、好ましくは1〜30g/10minのものが用い
られる。MFRが0.1g/10min未満ではエラス
トマー組成物の成形性が悪化するので好ましくない。ま
たMFRが50g/10minを超えるとエラストマー
組成物の強度、耐熱性が十分でなく好ましくない。ま
た、本発明で用いられる高結晶性ポリプロピレン系樹脂
の曲弾性率(ASTM D790に従って測定した値)
は20000kgf/cm2 以上、好ましくは2200
0以上である。曲弾性率が20000kgf/cm2
満では、エラストマー組成物のクリープ特性が低下し好
ましくない。
【0023】また、本発明の組成物は熱可塑性樹脂、好
ましくはポリオレフィン樹脂を添加することができる。
ポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン、エチレンと
α−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ア
クリレート共重合体、ポリブテン等があげられるが、特
にエラストマー組成物のクリープ特性を損なうことな
く、柔軟性および成形性を向上させるためには、本発明
の(c)成分として用いられる特定のエチレンとα−オ
レフィンとの共重合体が好適に用いられる。本発明の
(c)成分として用いられるエチレンとα−オレフィン
との共重合体とは、エチレンと炭素数3〜12のα−オ
レフィンとの共重合体である(以下エチレン−α−オレ
フィン共重合体と略記する)。炭素数3〜12のα−オ
レフィンとしては直鎖のものも分岐鎖のものも使用する
ことができる。α−オレフィンの例としては、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等があ
げられる。また、これらの混合物も使用することができ
る。
【0024】該エチレン−α−オレフィン共重合体中の
エチレンの割合は50〜90重量%、好ましくは55〜
85重量%である。また、該エチレン−α−オレフィン
共重合体の密度は0.860〜0.910g/cm、好
ましくは0.870〜0.905g/cmである。密度
が0.860g/cm未満では、エラストマー組成物の
強度が低下し、また成形品の表面にベタツキが発生し外
観を損ねるので好ましくない。また密度が0.910g
/cmを超えると柔軟性が低下するので好ましくない。
【0025】また、該エチレン−α−オレフィン共重合
体のメルトインデックス(JISK6720、190
℃、2.16kgf荷重に従って測定した値。以下MI
と略記する)は0.01〜100g/10min、好ま
しくは0.1〜50g/10minのものが用いられ
る。MIが0.01g/10min未満ではエラストマ
ー組成物の成形性が悪化するので好ましくない。またM
Iが100g/10minを超えるとエラストマー組成
物の強度、耐熱性が十分でなく好ましくない。
【0026】また、該エチレン−α−オレフィン共重合
体の示差走査熱量測定法(DSC)による最大融解ピー
ク温度は100℃以上、好ましくは110℃以上であ
る。ここで最大融解ピーク温度とは、示差走査熱量計を
用いて、4℃/minの速度で昇温した時に得られるサ
ーモグラムの最高ピーク温度である。本発明のエラスト
マー組成物の耐熱性を得るためには、該エチレン−α−
オレフィン共重合体の示差走査熱量測定法(DSC)に
よる最大融解ピーク温度は100℃以上、好ましくは1
10℃以上であることが必要である。
【0027】該エチレン−α−オレフィン共重合体の曲
げ剛性率(ASTM D747に従って測定した値)は
1200kg/cm2 以下、好ましくは1000kg/
cm2 以下である。曲げ剛性率が1200kg/cm2
を超えるとエラストマー組成物の柔軟性が低下するので
好ましくない。
【0028】該エチレン−α−オレフィン共重合体は、
エチレンおよびα−オレフィンを、例えばチーグラー型
触媒系の存在下で共重合することによって合成すること
ができるが、チーグラー型触媒系は、一つは有機金属活
性化成分(周期律表のI〜III 族金属の水酸化物または
アルキル化合物)および他方はハロゲン化された遷移金
属化合物より成り、場合によってはマグネシウムまたは
マンガン等の無機化合物を含有してもよい。好適な組合
わせとしては、アルミニウムの水酸化物及び/又はアル
キル化合物とチタンのハロゲン化合物等があげられる。
なお、本発明に用いるエチレン−α−オレフィン共重合
体は、一般に超低密度ポリエチレン(VLDPE)と総
称される。
【0029】本発明において、各成分の配合量は水添ブ
ロック共重合体の配合量を100重量部とした場合、成
分(b)の高結晶プロピレン系樹脂の配合量は10〜8
0重量部、好ましくは20〜60重量部である。また、
成分(c)のエチレン−α−オレフィン共重合体を配合
する場合、成分(c)の配合量は10〜90重量部、さ
らに好ましくは20〜80重量部である。ここで成分
(b)の高結晶プロピレン系樹脂の配合量が10重量部
未満では、エラストマー組成物のクリープ特性、耐熱性
が不十分となり、80重量部を超えるとエラストマー組
成物の柔軟性、透明性が低下するので好ましくない。ま
た、成分(c)のエチレン−α−オレフィン共重合体の
配合量が10重量部未満では、エラストマー組成物の柔
軟性、成形性が低下してしまい、90重量部を超えると
エラストマー組成物のクリープ特性、強度、透明性が低
下するので好ましくない。
【0030】一般に、本発明のエラストマー組成物を製
造する方法としては、重合体成分をブレンドするために
従来技術で知られているいかなる方法を使用してもよ
い。最も均質なブレンド物を得るためには、通常使われ
ているミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサ
ーおよび押出機のような各種の混練機を使用して溶融混
練する方法が好ましい。溶融混練する前に、これらの配
合物をヘンシェルミキサー、タンブラーのような混合機
を用いてあらかじめドライブレンドし、該混合物を溶融
混練することにより均質なエラストマー組成物が得られ
る。なお、本発明の組成物は上記主要成分のほかに、用
途に応じて、柔軟性、耐熱性、強度、成形性および安全
性を阻害しない程度の量の各種の可塑剤、ブロッキング
防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤、無機
充填剤等を含有することも可能である。
【0031】本発明の組成物は通常の樹脂と同様の方法
で成形することができる。即ち押出機によりシート、異
形押出品、チューブ、ネット等を成形することができ
る。また、射出成形やブロー成形に供することができ、
各種成形品、瓶等を成形することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、これら実施例および比較例において、各
種の評価に用いられた試験法は以下のとうりである。 (1)硬度[−] ASTM D2240、Dタイプ。試料は3mm厚のイ
ンジェクションシートを用いた。 (2)引張強度[kgf/cm2 ]、伸び[%] JIS K6301、試料はシート押出機を用い、下記
条件により厚み0.3mmのシートを作成し、これを押
出し平行方向に3号ダンベルで打ち抜いて用いた。 押出機 ・・・・・40mmΦ スクリュー・・・・L/D25、圧縮比3.5 ダイス・・・・・・巾400mm
【0033】(3)曲げ剛性率[kgf/cm2 ] ASTM D747、試料は3mm厚のインジェクショ
ン試験片を用いた。 (4)熱変形温度[℃] 2mm厚の圧縮成形シートから試料を切り出し、熱機械
的分析装置(TMA)にセットした。1mmφの針入プ
ローブに荷重500g/cm2 を加え試料に乗せた。4
℃/minで昇温していき、針入プローブが100μm
変形した時の温度を熱変形温度とした。 (5)クリープ特性 前記、(2)の押出しシートを押出し平行方向に幅10
mm、長さ100mmで切り出した。50mmの幅で標
線を記し、23℃の雰囲気下、長さ方向に1kgfの荷
重を加えた。12時間後に荷重を除き、20分間放置
後、標線の長さを測定し、変化率を求めた。
【0034】(6)全光線透過率[%] ASTM D1003、試料は2mm厚のインジェクシ
ョンシートを用いた。また、配合した各成分は以下のと
おりである。 成分(a−1) B−A−B−Aの構造を有し、結合スチレン量31重量
%、数平均分子量52000、分子量分布1.08、水
添前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が37
%、水添率99%の水添ブロック共重合体を特開昭61
−33132号公報に記載された方法により合成し、
(a−1)成分とした。 成分(a−2) B−A−B−Aの構造を有し、結合スチレン量20重量
%、数平均分子量72000、分子量分布1.09、水
添前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が34
%、水添率99%の水添ブロック共重合体を特開昭61
−33132号公報に記載された方法により合成し、
(a−2)成分とした。 成分(a−3) B−A−B−Aの構造を有し、結合スチレン量28重量
%、数平均分子量131000、分子量分布1.12、
水添前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が4
1%、水添率98%の水添ブロック共重合体を特開昭6
1−33132号公報に記載された方法により合成し、
(a−3)成分とした。 成分(a−4) A−B−Aの構造を有し、結合スチレン量29重量%、
数平均分子量51000、分子量分布1.06、水添前
のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が35%、
水添率99%の水添ブロック共重合体を特開昭61−3
3132号公報に記載された方法により合成し、(a−
4)成分とした。 成分(a−5) A−B−Aの構造を有し、結合スチレン量29重量%、
数平均分子量53000、分子量分布1.06、水添前
のポリイソプレン部の1,4−結合量が94%、3,4
−結合量が6重量%、ポリイソプレン部の水添率99%
の水添ブロック共重合体を特開昭61−33132号公
報に記載された方法により合成し、(a−5)成分とし
た。
【0035】成分(b−1) 三井東圧化学製、高結晶性ポリプロピレン:ノーブレン
J3HS−HS(密度:0.91g/cm3 、曲弾性
率:27500kgf/cm2 、MFR:13g/10
min) 成分(b−2) 徳山曹達製、高結晶性ポリプロピレン:徳山ポリファイ
ン SH152(密度:0.91g/cm3 、曲弾性
率:23500kgf/cm2 、MFR:1.5g/1
0min) 成分(b−3) 旭化成工業製、ポリプロピレン:M1700(密度:
0.90g/cm3 、曲弾性率:18500kgf/c
2 、MFR:30g/10min) 成分(c) 住友化学工業製:エクセレンVL100(MI:0.8
g/10min、密度:0.900g/cm3 、DSC
による最大融解ピーク温度115℃、曲剛性率:650
kgf/cm2
【0036】[実験例1〜9]水添ブロック共重合体と
して(a−1)、(a−2)を用い、プロピレン系樹脂
として(b−1)を用い、またエチレン−α−オレフィ
ン共重合体として(c)を用い、表1から表3に示した
各割合にてヘンシェルミキサーでブレンドした後、50
mm径の二軸押出機にて220℃の条件で溶融混練しエ
ラストマー組成物のペレットを得た。これを上記試験法
にて評価し、結果を表1から表3に示した。この結果か
ら、本発明のエラストマー組成物は強度、柔軟性、耐熱
性、透明性、クリープ特性に優れていることが明らかで
ある。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】[比較例1〜4]水添ブロック共重合体と
して(a−2)を用い、プロピレン系樹脂として(b−
1)、(b−3)を用い、またエチレン−α−オレフィ
ン共重合体として(c)を用い、表4に示した各割合に
て実施例1から9と同様に方法で混練し、さらに成形し
て評価した。結果を表4に示した。この結果から、本発
明の範囲外の組成物は何らかの点で不満足な物性値を示
した。
【0041】
【表4】
【0042】[実施例10〜13]水添ブロック共重合
体として(a−1)から(a−5)を用い、プロピレン
系樹脂として(b−2)を用い、またエチレン−α−オ
レフィン共重合体として(c)を用い、表5に示した各
割合にて実施例1から9と同様の方法で混練し、さらに
成形して評価した。結果を表5に示した。
【0043】
【表5】
【0044】
【発明の効果】本発明の組成物は前述のごとく、特に柔
軟性と耐熱性のバランスに優れ、また他にも各種の特徴
を兼備しているため、一般産業資材、家庭用品等の分野
に使用可能であるが、特にその高いクリープ特性、耐熱
性、衛生性を利用して高温殺菌の必要な食品包装材、医
療器具等の用途に好適に使用することができる。具体的
な用途としては電子レンジ用コンテナの蓋、食品包装用
のシートまたはフィルム、血液バッグ、輸血バッグ、人
工透析用バッグ、医療用チューブ、カテーテル等があ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化
    合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個
    の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとか
    らなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共
    重合体:100重量部、(b)曲弾性率が20000k
    gf/cm2 以上の高結晶性プロピレン系樹脂:10〜
    80重量部、からなる柔軟でクリープ特性の優れたエラ
    ストマー組成物。
  2. 【請求項2】 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化
    合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個
    の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとか
    らなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共
    重合体:100重量部、(b)曲弾性率が20000k
    gf/cm2 以上、密度が0.95g/cm3 以下の高
    結晶性プロピレン系樹脂:10〜80重量部、及び
    (c)エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとを
    共重合させて得られる、密度が0.860〜0.910
    g/cm3 、メルトインデックスが0.01〜100g
    /10min、示差走査熱量測定法(DSC)による最
    大融解ピーク温度が100℃以上のエチレン−α−オレ
    フィン共重合体:10〜90重量部、からなる柔軟でク
    リープ特性の優れたエラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 ビニル芳香族化合物がスチレンであり、
    共役ジエン化合物がブタジエンまたはイソプレンもしく
    はそれらの組合わせである請求項1ないし請求項2に記
    載のエラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 ビニル芳香族化合物を主体とする重合体
    ブロックAが4000〜50000の数平均分子量を有
    し、共役ジエン化合物主体とする重合体ブロックBが3
    000〜100000の数平均分子量を有し、重合体ブ
    ロックAが共重合体の10〜50重量%を構成する請求
    項1ないし請求項3に記載のエラストマー組成物。
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