JPH08273435A - 銀合金ペースト及びこれを用いた積層インダクタ - Google Patents

銀合金ペースト及びこれを用いた積層インダクタ

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JPH08273435A
JPH08273435A JP9799595A JP9799595A JPH08273435A JP H08273435 A JPH08273435 A JP H08273435A JP 9799595 A JP9799595 A JP 9799595A JP 9799595 A JP9799595 A JP 9799595A JP H08273435 A JPH08273435 A JP H08273435A
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JP
Japan
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silver alloy
powder
zro
paste
alloy powder
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JP9799595A
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Mitsugi Kawarai
貢 川原井
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い抵抗率を示す銀合金導体を形成するに適
したペースト及びこれを用いた積層インダクタを供す
る。 【構成】 銀合金粉末重量に対し、0.1〜10wt%
のZrO2粉末を添加し、またこのZrO2粉末の平均粒
子径の銀合金粉末の平均粒子径に対する比を0.5以下
にした銀合金粉末ペースト。前記銀合金粉末ペーストを
内部導体として使用した積層インダクタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗率の低い導体とし
ての銀合金の焼結体を得ることのできる銀合金ペース
ト、およびこの銀合金ペーストを内部導体形成用として
用いた積層インダクタに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、抵抗率の低い導体としての焼結
体を得るためには、主成分として銀合金や銅などの抵抗
率の低い材料を選定し、更に不純物の混入を抑えて作製
した導体用ペーストが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、小型軽量な表面
実装型のインダクタンス素子が要求されている。このよ
うな表面実装用部品の製造法の一つに、各構成要素の材
料の粉末を分散したスラリーまたはペーストを使用し、
印刷等の方法によって回路を構成した成形体を焼結し
て、インダクタンス素子を作製する製造方法がある。こ
の場合、インダクタンス素子の電気の導体部の電気抵抗
は電気的損失となり、インダクタンス素子の特性を低下
させる要因となるため、電気の導体部の電気抵抗はでき
るだけ小さいことが要求される。
【0004】上述の、表面実装型のインダクタンス素子
に用いられる磁性材料としては、Ni、Cu、Zn、F
eの酸化物を主成分とするスピネル型フェライトがある
が、このフェライト材料の焼結温度は、およそ850〜
900℃である。従って、上記のインダクタンス素子に
用いられる電気の導体部も、フェライトと一体焼結され
て形成されることから、850〜900℃の焼結で低い
抵抗率を示すことが必要である。
【0005】インダクタンス素子の電気の導体部とし
て、850〜900℃で緻密に焼結でき、かつ低い抵抗
率を示す材料として、一般に銀合金が用いられる。ま
た、銀合金粉末をペースト化し、印刷等の方法によって
電気の導体部を形成することから、一般に銀合金粉末
は、最大粒径がおよそ5μm以下のものが用いられる。
このような銀合金粉末をペースト化して印刷等の方法で
回路を形成し、850〜900℃の温度で焼結した場
合、焼結による急激な粉末の結着、収縮が起こり、焼結
体内部に巨大な空孔が生成する。生成した空孔は電気的
絶縁体であるから、空孔の生成した部分では、電気的導
体である銀合金の実質的な断面積が減少することにな
る。導体の抵抗は導体の実質的断面積に反比例するか
ら、その結果、電気的導体部の抵抗率が増加し、均一に
焼結した電気的導体から予測される抵抗率よりもはるか
に低い抵抗率しか得られないという致命的な欠点があっ
た。
【0006】本発明の技術的課題は、巨大な空孔を内部
に包含しない導体としての焼結体を得て、低い抵抗率を
示す銀合金の導体を形成することのできるペーストを得
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の低い抵抗率を示
す銀合金の導体を形成するためのペーストは、銀合金粉
末に対して、0.1〜10wt%のZrO2粉末を含有し
た銀合金ペーストであり、また銀合金粉末に対するZr
2粉末の平均粒子径の比が0.5以下である。
【0008】また、積層インダクタンス素子の内部導体
として、上記のZrO2粉末を添加した銀合金導体を用
いた場合、積層体を構成する磁性層(フェライト層)に
対するZrO2の反応などの影響が懸念されるが、種々
検討の結果、焼結温度が900℃以下では、フェライト
磁性層へのZrO2の拡散は極めて微量であり、したが
ってフェライト磁性層の磁気特性に与える影響は無視で
きる程度であって、優れた積層インダクタが得られる。
【0009】
【作用】銀合金粉末に、粒径比(ZrO2粉末の平均粒
子径/銀合金粉末の平均粒子径)が0.5以下のZrO2
粉末を0.1〜10wt%添加した粉末を用いて銀合金
ペーストを作製すると、焼結過程における銀合金の急激
な粒成長が抑制される。その結果、銀合金粉末の焼結時
に局所的に起こる大きな収縮が抑制されて巨大な空孔の
生成を抑え、均一な焼結体が得られる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
る。
【0011】(実施例1)平均粒子径約3μmの銀合金
粉末、及び平均粒子径約1μmのZrO2粉末を用意し
た。用意した銀合金粉末に、銀合金粉末重量に対し0〜
20wt%の範囲で選んだZrO2粉末を添加し、これ
をV型混合機で5時間、粉末の混合を行った。この混合
粉末を、バインダー、溶剤、および添加剤と表1の比率
で配合し、配合物をホモジナイザーを用いて1時間混合
してペーストを作製した。
【0012】
【0013】以上のようにして作製した銀合金ペースト
をアプリケーターを用いて、PETフィルム上に約0.
5mmの厚さに製膜した。溶剤を乾燥して除去した後、
PETフィルムから分離し、約5mm×20mmの大き
さに切断し、これを脱バインダ処理後900℃で焼結を
行った。焼結したサンプルの長尺方向の両端に幅1mm
に金を蒸着し、更に蒸着部分に金電極を圧着し、4端子
法で焼結体の抵抗率を測定した。
【0014】図1は、銀合金粉末に対するZrO2粉末
の添加量を変えた場合の抵抗率の変化を示している。図
1において、縦軸が抵抗率(単位:μΩ・cm)、横軸
がZrO2粉末の添加量(wt%)である。この図よ
り、ZrO2粉末の添加量が0.1〜10wt%の範囲
で、銀合金焼結体の抵抗率が著しく低下していることが
分かる。ZrO2粉末の添加量が0.1wt%未満では、
電流に対する断面積を減じるような巨大な空孔が生成し
ているために、銀合金の抵抗率の文献値(●で示してい
る)に対しておよそ1桁抵抗率が高くなっている。ま
た、ZrO2粉末の添加量が10wt%を超える場合に
は、電気的に絶縁体であるZrO2粉末の体積比が大き
くなるために、焼結体の抵抗率が増加している。
【0015】なお、実施例では、銀合金粉末とZrO2
粉末の混合をV型混合機を用いて行ったが、これ以外に
ポットミルやホモジナイザーを用いた湿式混合など、他
の混合方法でも同様の効果が得られる。
【0016】また、実施例では表1に示した成分及び配
合比で銀合金ペーストを作製したが、これ以外の成分及
び配合比でも、製膜可能なペーストであれば同様の効果
が得られる。
【0017】(実施例2)平均粒子径約1〜5μmの範
囲で選んだ銀合金粉末、及び平均粒子径約0.01〜1
0μmの範囲で選んだZrO2粉末とを用意した。用意
した銀合金粉末に、銀合金粉末重量に対し5wt%のZ
rO2粉末を添加し、これをV型混合機で5時間、粉末
の混合を行った。この混合粉末を、バインダー、溶剤、
および添加剤と実施例1と同様に表1に示す比率で配合
し、配合物をホモジナイザーを用いて1時間混合した。
【0018】以上のようにして作製した銀合金ペースト
を、アプリケーターを用いて、PETフィルム上に約
0.5mmの厚さに製膜した。溶剤を乾燥した後、PE
Tフィルムから分離し、約5mm×20mmの大きさに
切断し、これを脱バインダ処理して900℃で焼結を行
った。焼結したサンプルの長尺方向の両端に幅1mmに
金を蒸着し、更に蒸着部分に金電極を圧着し、4端子法
で焼結体の抵抗率を測定した。
【0019】図2は、銀合金粉末に対するZrO2粉末
の平均粒子径の比を変えた場合の、焼結体の抵抗率の変
化を銀合金粉末の粒径をパラメータとして示している。
図2において、縦軸が抵抗率(単位:μΩ・cm)、横
軸が平均粒子径の比である。図2中aは銀合金粉末の粒
径が5μm、bは銀合金粉末の粒径が3μm、およびc
は銀合金粉末の粒径が1μmの場合である。この図よ
り、ZrO2粉末と銀合金粉末の平均粒子径の比(Zr
2粉末の平均粒子径/銀合金粉末の平均粒子径)が0.
5以下の範囲で、焼結体の抵抗率が著しく低下している
ことが分かる。ZrO2粉末と銀合金粉末の平均粒子径
の比が0.5より大きい場合には、ZrO2粉末が銀合金
粉末中で均一に分散した状態とはならないため、部分的
にZrO2粉末が存在しない領域が生じ、その部分で巨
大な空孔が発生し、抵抗率を増加させている。
【0020】(実施例3)平均粒子径約3μmの銀合金
粉末、及び平均粒子径約1μmのZrO2粉末を用意し
た。用意した銀合金粉末に、銀合金粉末重量に対し0〜
20wt%のZrO2粉末を添加し、これをV型混合機
で5時間、粉末の混合を行った。
【0021】上述の粉末を、バインダー、溶剤、および
添加剤と実施例1と同様に表1の比率で配合し、配合物
をホモジナイザーを用いて1時間混合してペーストを作
製した。
【0022】一方、磁性ペーストとして、平均粒子径が
約1μmのNi−Zn−Cuフェライト粉末に、バイン
ダー、溶剤、添加剤を配合したフェライトペーストを用
意した。
【0023】次に、用意した磁性ペーストを、印刷法に
より所定の厚さ(0.5mm)に積層した。その上に、
作製した銀合金ペーストと磁性ペーストとを用いて、
5.5ターンの導体の積層巻線を形成するように、印刷
積層を行った。更にその上に、磁性ペーストを、印刷法
により所定の厚さ(0.5mm)に積層した。全体の積
層厚さは、約1.3mmである。
【0024】上述のようにして作製した積層体を所定の
大きさ(3mm×1.5mm)に切断し、これを脱バイ
ンダ後、900℃で一体焼結を行った。
【0025】上述の焼成積層体の積層巻線のリードが露
出している面に、Agを主成分とした導電性ペーストを
塗布し、約300℃で焼き付けを行い、外部電極を形成
した。
【0026】上述のようにして作製した積層インダクタ
の、周波数とインダクタンスとの関係を、YHP製イン
ピーダンスアナライザーHP4191Aを用いて、評価
した。
【0027】図3は、ZrO2粉末の添加量に対する積
層インダクタのQの最大値を、ZrO2添加量0%の積
層インダクタのQの最大値を1とした相対値で示したも
のである。図3において、縦軸がQmax(相対値)、
横軸がZrO2粉末の添加量(wt%)である。この図
によれば、ZrO2添加量0.1〜10wt%の範囲で、
積層インダクタのQ値が向上していることがわかる。こ
れは、実施例1で示したように、ZrO2を添加するこ
とにより、内部導体である銀合金焼結体の抵抗が減少
し、それによって積層インダクタの導体損失が低減した
ためである。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、銀合金
粉末に、銀合金粉末重量に対し、0.1〜10wt%の
ZrO2粉末を添加することにより、抵抗率の低い銀合
金焼結体を得ることが可能な、銀合金ペーストを得るこ
とができる。
【0029】また、ZrO2粉末に対する銀合金粉末の
平均粒子径の比(ZrO2粉末の平均粒子径/銀合金粉
末の平均粒子径)を0.5以下にすることにより、抵抗
率の低い銀合金焼結体を得ることが可能な、銀合金ペー
ストを得ることができる。
【0030】また、上記銀合金ペーストを用いて内部導
体を形成することにより、Q値の優れた積層インダクタ
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銀合金粉末重量に対してZrO2粉末の添加量
を変えた場合の、銀合金焼結体の抵抗率を示す特性図。
【図2】平均粒子径の比(ZrO2粉末の平均粒子径/
銀合金粉末の平均粒子径)を変えた場合の、銀合金焼結
体の抵抗率を示す特性図。
【図3】銀合金粉末重量に対してZrO2粉末の添加量
を変えた場合の、積層インダクタのQ値の最大値を相対
値で示す特性図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀合金粉末を樹脂及び溶剤と混合して作
    製した銀合金ペーストにおいて、ZrO2粉末を前記銀
    合金粉末に対し、0.1〜10wt%含有したことを特
    徴とする銀合金ペースト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の銀合金ペーストにおい
    て、前記銀合金粉末に対する前記ZrO2粉末の平均粒
    子径の比が0.5以下であることを特徴とする銀合金ペ
    ースト。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の銀合金ペーストを用いて
    内部導体を形成したことを特徴とする積層インダクタ。
JP9799595A 1995-03-29 1995-03-29 銀合金ペースト及びこれを用いた積層インダクタ Pending JPH08273435A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105761775A (zh) * 2014-12-18 2016-07-13 上海宝银电子材料有限公司 一种片式电感器外电极用导电银浆及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Legal Events

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A02 Decision of refusal

Effective date: 20031224

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02