JPH08272130A - 静電潜像現像剤及びその製造方法 - Google Patents

静電潜像現像剤及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08272130A
JPH08272130A JP7075782A JP7578295A JPH08272130A JP H08272130 A JPH08272130 A JP H08272130A JP 7075782 A JP7075782 A JP 7075782A JP 7578295 A JP7578295 A JP 7578295A JP H08272130 A JPH08272130 A JP H08272130A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
latent image
electrostatic latent
image developer
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7075782A
Other languages
English (en)
Inventor
Kisho Sato
紀章 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP7075782A priority Critical patent/JPH08272130A/ja
Publication of JPH08272130A publication Critical patent/JPH08272130A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 どんな条件においても記録媒体への転写効率
が良く、中抜け現象を引き起こさない静電潜像現像剤を
提供すること。 【構成】 平均粒子径が5〜15μmのトナーに対し
て、疎水性シリカと炭化珪素とを添加して攪拌した後、
それらの攪拌時間の1/2から同一の時間をかけて攪拌
しながら酸化チタンを添加することにより、中抜けの防
止とかぶりの防止の双方にきわめて効果的な静電潜像現
像剤を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電潜像現像剤に係
り、主としてプリンタやファクシミリ等の電子写真、静
電記録に適用される新規な静電潜像現像剤及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、電子写真現像方式としては、1成
分現像方式と2成分現像方式とが一般に知られている。
1成分現像方式は、現像剤が感光体上に形成されている
静電潜像に現像されるトナーだけから構成される方式で
ある。また、2成分現像方式は、現像剤が、現像される
トナーとトナーを効率よく帯電させるためのキャリアと
から構成される方式である。2成分現像方式におけるキ
ャリアとトナーの混合比は、通常、重量比でキャリア9
5〜98%、トナー2〜5%である。このときのトナー
としては、非磁性トナーを使用する。ただし、このトナ
ーの混合比を5%以上にすると、感光体上の非印字部に
トナーが付着するという、いわゆるかぶり現象が生じて
画質を低下させる結果となる。そこで、このようなかぶ
りを防止するために、トナーとして磁性トナーを使用
し、トナーの混合比率を高める方法が提案されている。
この方式は、1成分現像方式と2成分現像方式の中間で
あるということから、1.5成分現像方式とも呼ばれて
いる。この1.5成分現像方式では、通常、キャリア3
0〜80%、トナー20〜70%の混合比で現像剤を構
成している。
【0003】なお、1成分現像方式としては、現像剤と
して磁性トナーを使用するタイプと非磁性トナーを使用
するタイプとがある。そして、これらの1成分現像方
式、2成分現像方式、1.5成分現像方式は、いずれも
現像剤を感光体の表面へ搬送するための担持体上に薄い
現像剤層を形成するものである。特に、2成分現像方式
あるいは1.5成分現像方式においては、磁石ロールを
内蔵したスリーブを担持体として、その担持体上に1成
分現像方式における層の厚さよりも厚い現像剤層を形成
している。
【0004】そして、磁性トナーを用いた現像方式の一
つとして導電性現像方式が知られている。これは、カー
ボンブラック等の導電性物質をトナーに混合することに
よりトナーに導電性を持たせ、静電潜像の形成された感
光体とトナーを担持しているスリーブ表面との間の電界
の影響により、トナーを静電潜像へと導いて現像する方
法である。この現像方式は、トナーへの摩擦帯電を必要
とせず機器の小型化に貢献できるものの、感光体に現像
されたトナーを記録媒体に転写するときに十分な静電気
力がトナーに残っていないため、記録媒体に転写される
トナーの効率が非常に悪く、本来記録媒体に転写される
べきトナーが感光体上に残ってしまい、記録媒体上にト
ナーが付着しないという、中抜けなる現象を引き起こ
し、画質が劣化するという問題があった。
【0005】一方、同様に磁性トナーを使った現像方式
として、絶縁性現像方式と呼ばれるものがある。これ
は、トナーに含まれる磁性顔料だけで磁気束縛力と黒さ
を満足させる方式であるが、磁性粉とともに含有される
結着樹脂の方が体積抵抗は高く、絶縁性磁性トナーとは
いえ、トナー中に含まれる磁性粉の量によってトナーの
体積抵抗は異なってくる。そのため、絶縁性磁性トナー
を用いてもトナーの体積抵抗あるいは転写の条件によっ
ては、記録媒体への転写において導電性磁性トナーを使
用した場合と同様の中抜け現象が発生する場合がある。
【0006】なお、一般にトナーに含まれる磁性粉の含
有量を減らしてトナーの体積抵抗を高めることにより中
抜けを防止することができることが知られているが、絶
縁性磁性トナーにおいて磁性粉の含有量を少なくする
と、その磁性粉の顔料としての機能を損なわせることに
なるため、磁性粉の含有量を極端に減らすことはでき
ず、結果として中抜けが発生することとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような中抜け
を解消する手段としては、絶縁性非磁性トナーにおいて
の磁性粉の含有量を減らしてトナーの体積抵抗を高くす
る方法以外に、従来からステアリン酸亜鉛等の金属石鹸
をトナーに含有する方法が知られている。
【0008】この金属石鹸をトナーに混合することによ
りトナーの帯電量が上昇するので、転写時の記録媒体へ
のトナーの転写効率が高くなり、中抜けの防止に有効で
ある。
【0009】しかし、中抜け現象防止策として金属石鹸
のみに頼ってしまうと中抜けは解消できるものの、その
一方で、トナーの帯電量分布が広がるために逆極性のト
ナーが増加し、感光体の静電潜像の存在しない部分にも
トナーが付着するという、かぶりと呼ばれる現象が増加
するため、結局、画質の改善策としては作用しないこと
があった。
【0010】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、環境の変化、耐久使用時にもか
ぶりがなく濃度が十分に安定した画像出力を提供するこ
とを目的とするものであり、さらに、どんな条件におい
ても記録媒体への転写効率が良く、中抜け現象を引き起
こさない静電潜像現像剤及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1の静電潜像現像剤は、静電潜像を保
持した感光体上にトナーを現像して、前記静電潜像を顕
像化する現像装置において使用する静電潜像現像剤であ
って、この静電潜像現像剤は、平均粒子径が5〜15μ
mのトナーと、そのトナーの性能を向上させるために添
加される複数種の外添剤とから構成されるものであり、
前記外添剤のうち、前記トナーの帯電量を増加させるた
めの中抜け防止剤は、その他の外添剤を添加した後に添
加され、且つ、その中抜け防止剤の添加に要する時間を
その他の外添剤の添加に要する時間に比して1/2〜同
一の範囲内としたものである。
【0012】また、請求項2の静電潜像現像剤は、前記
中抜け防止剤として、疎水化度5%以上の酸化チタンを
使用したものである。
【0013】また、請求項3の静電潜像現像剤は、前記
トナーの前記感光体からの離型性を高めるために、前記
酸化チタンに対して、シリコンオイル、ステアリン酸亜
鉛、シランカップリング剤のいずれかを用いて表面処理
を施したものである。
【0014】また、請求項4の静電潜像現像剤は、静電
潜像を保持した感光体上にトナーを現像して、前記静電
潜像を顕像化する現像装置において使用する静電潜像現
像剤の製造方法であって、平均粒子径が5〜15μmの
トナーに対して、そのトナーの性能を向上させるための
複数種の外添剤を添加する工程を有し、その外添剤を添
加するに際して、前記トナーの帯電量を増加させるため
の中抜け防止剤をその他の外添剤を添加した後に添加
し、且つ、その中抜け防止剤の添加に要する時間をその
他の外添剤の添加に要する時間に比して1/2〜同一の
範囲内とする方法である。
【0015】
【作用】上記の構成を有する本発明の請求項1の静電潜
像現像剤では、トナーの平均粒子径は5〜15μmであ
り、そのトナーに複数種の外添剤が添加されることによ
り構成されている。そして、その外添剤のうち、トナー
の帯電量を増加させるための中抜け防止剤は、その他の
外添剤を添加した後に添加され、且つ、その中抜け防止
剤の添加に要する時間は、その他の外添剤の添加に要す
る時間に比して1/2〜同一の範囲内としてある。その
ため、中抜け防止剤による効果が損なわれることなく、
鮮明な画像が形成される。
【0016】請求項2の静電潜像現像剤では、上記中抜
け防止剤として、疎水化度5%以上の酸化チタンを使用
しており、画像の中抜け防止と共にかぶりの防止にもよ
り好適である。
【0017】請求項3の静電潜像現像剤では、トナーの
感光体からの離型性を高めるために、酸化チタンに対し
て表面処理を施しているので、上述した中抜けの防止に
一層の効果を得ることができ、画質の向上に寄与するも
のである。
【0018】請求項4の静電潜像現像剤の製造方法で
は、まず、平均粒子径が5〜15μmのトナーに中抜け
防止剤以外の外添剤を添加し、その後、中抜け防止剤を
添加する。このとき、中抜け防止剤の添加に要する時間
を、その他の外添剤の添加に要する時間に比して1/2
〜同一の範囲内としている。このようにして製造された
静電潜像現像剤は、中抜け防止剤の効果が損なわれるこ
とがなく、画質の向上に貢献するものである。
【0019】
【実施例】本発明に従う静電潜像現像剤は、電子写真方
式、静電記録方式等の静電潜像を現像する印刷方法に適
用されることになるが、その現像原理について本発明の
静電潜像現像剤をレーザビームプリンタに充填した場合
を示す図1に基づいて説明する。
【0020】なお、本実施例における実施形態では、ト
ナーとキャリアを混合した1.5成分現像剤を磁石ロー
ル26を内包したスリーブ28の表面に担持している。
この1.5成分現像方式は、上述した通り、磁性トナー
と磁性キャリアを混合した静電潜像現像剤を用い、キャ
リアの作用によって十分な摩擦帯電をトナーに与えるも
のである。
【0021】まず、図1に示すレーザビームプリンタ
は、アルミニウム製の導電性を有する円筒に光導電層を
塗布して形成された感光体10の周囲に、該感光体10
に表面電位を与える帯電器12と、画像情報に基づいた
静電潜像を感光体10に形成するために半導体レーザ
(図示せず)を選択的に点灯して感光体10の表面を照
射するレーザスキャナ14と、感光体10上の静電潜像
にトナーを現像するための現像器16と、該感光体10
上に形成されたトナーの顕像を、紙等の記録媒体18に
転写する転写器20と、該転写器20で転写されずに感
光体10上に残留したトナーを除去するクリーニングブ
レード22とを有しており、さらに記録媒体18上に転
写されたトナー像を熱溶融によって固定化する熱定着器
24が設けられている。
【0022】そして、現像器16においては、N極とS
極とを交互に円柱状に配置した磁石ロール26の周り
に、後述する静電潜像現像剤30を担持するための非磁
性のスリーブ28が配置され、それらが相対的に逆方向
に回転できるように構成されている。本発明に従う静電
潜像現像剤30は、この現像機16内に充填され、適当
な攪拌手段で攪拌されて、スリーブ28に接触せしめら
れるようになっている。なお、静電潜像現像剤30を感
光体10の表面へ搬送するためには、少なくともスリー
ブ28だけは必ず回転させなければならないが、磁石ロ
ール26は必ずしも回転させる必要はなく、静止させて
おいても良い。
【0023】また、静電潜像現像剤30は、かかるスリ
ーブ28の位置するキャリア閉じこめ室32において混
合せしめられるようになっている。このキャリア閉じこ
め室32には、現像の開始に先だって、予め混合された
静電潜像現像剤30、即ち少なくともキャリアとトナー
とが混合されてなる本発明に従う静電潜像現像剤30が
充填されている。このうち、トナーは感光体10上へ搬
送されて静電潜像の顕像化により消費されるため、キャ
リア閉じこめ室32に連通したトナーボックス(図示せ
ず)より、消費された量に応じたトナーがキャリア閉じ
こめ室32へ供給されるようになっている。
【0024】さらにかかる現像器16においては、スリ
ーブ28上に形成される静電潜像現像剤30の層を均一
にするために、スリーブ28から静電潜像現像剤30の
層が形成される所定の間隔を空けてブレード34が設け
られている。このスリーブ28とブレード34との間隔
は画質に影響を与えるので、一般に感光体10とスリー
ブ28との間隔(通常、250〜450μm)よりも狭
く設定されている。例えば、感光体10とスリーブ28
との間隔が350μmであれば、ブレード34とスリー
ブ28との間隔は200〜300μmの間で設定されれ
ばよい。
【0025】また、帯電器12においては、3〜5kV
程度の電圧が印加されてコロナ放電せしめられ、感光体
10上に+700V程度の表面電位を形成するようにな
っている。なお、この帯電器12としては、コロナ放電
で感光体10に所定の表面電位を与えるスコロトロン、
感光体10に接触して表面電位を与える半導電性のブラ
シ、ローラー、ブレード等の部材をも用いることができ
る。
【0026】帯電器12によって表面電位を与えられた
感光体10には、電気信号に変換された画像情報がレー
ザスキャナ14から光信号として供給され、光導電層の
作用によって感光体10上の光の露光された部分の表面
電位が低下して、感光体10上の電位分布を異ならせ
る。すなわち、この電位の低下した部分が画像情報に対
応した静電潜像となるのである。
【0027】現像器16におけるスリーブ28にて搬送
された静電潜像現像剤30は、かかるスリーブ28の表
面においてブレード34の作用により所定厚さの現像剤
層を形成し、その現像剤層が感光体10に接触して、該
感光体10上に形成された静電潜像に静電潜像現像時3
0のうちのトナーだけが付着して現像される。現像され
なかったキャリアとトナーは、再びキャリア閉じこめ室
32内に搬送されて、トナーの摩擦帯電のために使用さ
れる。感光体10上の静電潜像は、帯電器12から与え
られた表面電位が700Vである状態下において、レー
ザスキャナ14による露光によって、その露光された部
分の電位が100Vに低下していることにより形成され
ている。一方、スリーブ28には、バイアス電位として
600Vの電位が与えられているので、そのバイアス電
位により正に帯電したトナーが感光体10上の100V
の電位部分に現像されることになる。なお、使用される
トナーの帯電性は、本実施例では正帯電であるが、負帯
電であっても各部材に与える電位を逆極性にすれば適用
できる。
【0028】こうして感光体10上に形成されたトナー
の顕像は、転写器20を用いて紙等の記録媒体18上に
転写され、熱定着器24によって記録媒体18上にトナ
ーが定着せしめられ、目的とする記録画像を得ることが
できる。
【0029】次に、本実施例のレーザビームプリンタに
て用いる静電潜像現像剤30についての説明をする。こ
の静電潜像現像剤30を構成しているのは、磁性キャリ
アと磁性トナーである。
【0030】磁性キャリアとしての原料は、鉄、ニッケ
ル、コバルト、フェライト等の磁性を示す粉末であれば
使用できる。このキャリアは、適当な混合比で混合され
た原料を仮焼きして平均粒子径2μm以下に粉砕し、所
定の粒度に造粒してから1250〜1350℃の温度で
3〜5時間焼成して、解砕或いは分級して製造すること
ができる。このようにして製造されたキャリアの保磁力
は5Oe(エルステッド)以下、残留磁化は5emu/
g以下であって、磁束飽和密度だけが80〜100em
u/gの範囲にあるキャリアを使用する。キャリアはそ
の粒子径が小さければ小さいほどトナーとの接触機会が
増えて、トナーの帯電立ち上がりを早くすることができ
るものの、その一方で感光体10へキャリアが付着する
という、いわゆるキャリア現像が起こるため、キャリア
の平均粒子径は30〜100μm程度とすることが望ま
しい。
【0031】キャリアは、解砕あるいは分級したままの
状態でも使用できるが、適当な樹脂で被覆しても構わな
い。その樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアルキレン樹脂があげら
れ、これらの樹脂を単独或いは混合して、キャリアの表
面を被覆することも可能である。
【0032】また、本実施例の磁性トナーは、結着樹
脂、磁性粉、離型剤、荷電制御剤から構成される。
【0033】このうち、結着樹脂としては、ポリスチレ
ン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ビニル系
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリエー
テル、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、ポリアミ
ド及びこれら樹脂を形成するモノマーの共重合体を使用
できる。中でもスチレンモノマーとアクリル系モノマー
の共重合体を使用することが好ましい。
【0034】磁性粉としては、それ自身が磁性を示すか
あるいは磁化可能な材料であればよく、例えば鉄、マン
ガン、ニッケル、コバルト、クロム等のような金属の微
粉末や、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのよう
な金属酸化物の微粉末を磁性粉の材料として使用すれば
よい。
【0035】離型剤としては、ポリアルキレン或いは天
然系のワックスを混合したものを使用することができ、
その具体的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライス
ワックス等が挙げられる。
【0036】荷電制御剤の例としては、ニグロシン系染
料、4級アンモニウム塩、アルコキシ化アミン、アルキ
ルアミド、アゾ系染料の金属錯体、高級脂肪酸の金属塩
があげられる。
【0037】なお、これらトナー構成成分の配合割合に
関して説明すると、磁性粉は重量基準にして35〜55
%の含有量となるように配合される。なぜならば、トナ
ー中の磁性粉含有量が55%を超えると、スリーブ28
側への磁気拘束力が強くなって、スリーブ28の回転数
やスリーブ28と感光体10との間のギャップを厳密に
調整しないと、十分な濃度の画像が得られないという問
題があり、また、トナー中の磁性粉含有量が35%より
も少なくなると、スリーブ28への十分な磁気拘束力が
得られず、帯電されていないトナーはかぶりとなって感
光体10上に付着するという問題を惹起する。また、離
型剤は、一般に重量基準にして0.5〜10%程度、荷
電抑制剤は重量基準で0.1〜5%程度の割合にてそれ
ぞれ配合され、そして、残余の割合が結着樹脂とされ
る。
【0038】また、かかるトナーの平均粒子径は、5〜
15μmの範囲内で適宜に選択されることが望ましい。
すなわち、5μmよりも小さな粒子径では、粉体として
のトナーの取扱いが難しく流動性が低下して、摩擦帯電
が均一に行われ難くなる。一方、15μmを超える大き
な平均粒子径のトナーでは、現像された画像の解像度が
悪くなり、現状のプリンタでは一般的である300dp
iの解像度を得ることが困難となる。
【0039】そして、本発明の静電潜像現像剤30で
は、上記のような磁性キャリア及び磁性トナーを配合し
てなる現像剤に対して、さらに外添剤として、BET比
表面積が50〜300m2/gの範囲にあるシリカと、
後に述べる無機微粉体とを添加している。
【0040】このシリカは、トナーの流動性を付与する
ために好適であり、シリカ表面をアミノシラン、トリメ
チルシラン、ジメチルシラン、オクチルシラン等のシリ
ル基を有したシリコンで表面処理することが望ましい。
これらの表面処理剤により表面処理されたシリカは、温
度・湿度等の環境が変化した際の安定性にも効果があ
る。この外添剤としてのシリカはトナー表面に付着する
ことにより、その流動性等の効果を発揮する。すなわ
ち、シリカがトナー表面に付着することにより、トナー
同士が直接接触して摩擦するのを妨げており、トナーの
間に摩擦、接触が起ころうとしたときにシリカがコロの
役目をして、トナーにストレスがかからないようにして
いるのである。ただし、シリカの比表面積が50m2
gよりも小さいとトナー中への分散が十分でなく、トナ
ー表面に付着することがないために、流動性を与えるほ
どの効果はなくなる。
【0041】一方、比表面積が300m2/gよりも大
きいシリカをトナーに混合した場合は、上述したような
シリカのコロとしての役割を得ることができない。なぜ
なら、比表面積の大きなシリカを使用した場合にトナー
同士の接触を防ぐためには、シリカをトナー表面に何層
にもわたって付着させる必要がある。ところが、シリカ
が何層にもわたってトナー表面に付着した場合、コロと
しての役割は得られずシリカを使用する効果が得られな
くなるのである。
【0042】そして、シリカの粒子形状は球形であるこ
とが望ましい。これは、シリカの粒子形状が不定形であ
ると、トナー間でシリカ粒子がコロの役目として働く効
果が少なくなるからである。
【0043】また、上述した無機微粉体としては、酸化
物系、非酸化物系のいずれでも良く、クリーニング不良
の解消を目的とする微粒子と、中抜けを解消することを
目的とする微粒子とを外添することが好ましい。
【0044】クリーニング不良を解消するためには、い
わゆる研磨剤と呼ばれる微粒子が有効に働き、炭化珪
素、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ等が挙げ
られる。
【0045】感光体10に現像されたトナーは、転写器
20において記録媒体18に転写されるが、感光体10
上のトナーが全て記録媒体18に転写されるわけではな
く、一部は感光体10上に残存してしまう。従って、こ
の残存したトナーをクリーニングブレード22でかきと
って感光体10の表面をクリーニングする必要がある。
【0046】クリーニングブレード22は感光体10の
表面に押しつけられているので、粒子径1μm程度の大
きさまでの粒子ならばクリーニングブレード22でかき
とることも可能であるが、1μm以下の粒子径のトナー
はかきとることができない。かきとられないトナーは、
クリーニングブレード22によって感光体10に押しつ
けられ、感光体10にトナーが付着する。一旦トナーが
感光体10に付着すると、さらにその上にトナーが付着
して大きなトナー付着に成長するため、記録媒体18上
に形成される画像上で黒い斑点が発生し、さらに印字を
続けるうちに大きな黒斑となって画質に悪影響を与えて
しまう。
【0047】そこで、本実施例において静電潜像現像剤
30を構成する無機微粉体としての研磨剤が、感光体1
0上に付着したトナーが成長する前に感光体10上から
削り取る役目を果たしているのである。なお、上述した
シリカのような比表面積を持った粒子でも研磨剤として
の役割を果たすことは可能であるが、シリカだけでは十
分な効果が得られないことが多いので、BET比表面積
が50m2/g以下の小さな硬質粒子、例えば、炭化珪
素、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ等を研磨
剤として混合することにより、上述のようなクリーニン
グ不良に伴う画質悪化を防止することができる。
【0048】一方、中抜けを解消するためには、金属石
鹸、酸化チタン、酸化ストロンチウム、チタン酸ストロ
ンチウム等が好適に使用される。
【0049】中抜けは、感光体10に現像されたトナー
が転写器20で記録媒体18に転写されるとき、転写電
界の影響でトナーの一部が記録媒体18へ転写されずに
感光体10の表面に残留する部分が発生することが原因
である。この中抜けは転写器20として使用される転写
ローラの感光体10に対する押圧力や送り速度、転写ロ
ーラの転写電流等によっても変化があるが、その他にも
記録媒体18の種類によって中抜けの起こる場合と起こ
らない場合とがある。特に、用紙の厚さによって中抜け
の発生、非発生に関する大きな差が見られ、XEROX
社製の4024の20ポンド用紙では全く見られない中
抜けも、同じ4024の28ポンド用紙では発生するこ
とがある。
【0050】そこで、このような中抜けを解消するため
に、中抜け防止剤として金属石鹸を使用すると、金属石
鹸が感光体10の表面に付着して感光体10とトナーと
の離型性を良くする滑材としての役割を果たし、感光体
10上のトナーが記録媒体18に転写される効率が向上
する。しかし、上記従来技術の項で述べたように、金属
石鹸をトナーに混合することによりトナーの帯電量は上
昇し、トナーの帯電量分布が広がるために逆極性のトナ
ーが増加し、感光体10の静電潜像の存在しない部分に
もトナーが付着し、記録媒体18に転写されるので記録
媒体10上に不要なトナーが付着してかぶりが増えてし
まう。よって、かぶりを防ぐためには、金属石鹸の使用
量を極力抑える必要がある。
【0051】また、中抜け防止剤として酸化チタンを使
用する場合、酸化チタンを単独で用いても中抜けの防止
にはならないが、酸化チタンの表面をシリコンオイル、
ステアリン酸亜鉛、シランカップリング剤等で処理する
ことによって、感光体10とトナーとの離型性効果が現
れ、中抜けの防止には好適である。特に、表面処理をし
た疎水化度5%以上の酸化チタンを用いたときが最も効
果的であり、その中でもシリコンオイルで表面処理した
酸化チタンを用いたときは最も効果が大きかった。
【0052】シリコンオイル等の表面処理剤の量は、酸
化チタンの表面積の1〜50%の範囲にあるのが良い。
なぜなら、1%以下の表面処理剤量ではトナーの感光体
10からの離型効果が得られず、50%以上の表面処理
剤量ではシリコンオイルとしての特性が大きくなり酸化
チタンの粉体特性を損なうために、酸化チタンがトナー
の周りに均一に分散されなくなってしまうからである。
【0053】そして、本出願人は、上述した各材料を混
合して静電潜像現像剤30を作成する際の混合方法に工
夫を加えることにより、中抜けとかぶりの双方をより効
果的に防止することができることを見いだした。
【0054】以下に、上述した各材料を用いて本実施例
の静電潜像現像剤30を作成し、それをレーザビームプ
リンタに使用したときの中抜け及びかぶりの状況につい
ての実験例を説明する。
【0055】実験例1 スチレンアクリルレジン(三洋化成工業(株)UNI3000)100重量部 マグネタイト(戸田工業(株) MAT305) 70重量部 荷電制御剤(オリエント化学(株) N−01) 4重量部 以上の材料を粉体の状態で混合し、混練押出機で加熱し
ながらレジン中にマグネタイト、荷電制御剤を分散す
る。加熱混練した材料を冷やした後、粗粉砕、微粉砕を
して数μmオーダーの微粒子とする。さらに風力分級機
で3〜20μmの粒子径をもつ粉体のトナー粒子とし
た。
【0056】このトナー粒子100重量部に対して、外
添剤として 疎水性シリカ微粉体(粒子径 10〜20nm) 1重量部 (日本アエロジル(株) HVK2150) 炭化珪素微粉末(比重 5g/cm3) 0.5重量部 (ワッカーケミカル(株) WA#4000) を混合し、ヘンシェルミキサーを用いて2000rpm
で3分間攪伴した後、さらに 酸化チタン微粉末(シリコン表面処理済) 0.3重量部 (チタン工業(株) STT−60) を混合して、ヘンシェルミキサーを用いて2000rp
mで2分間攪伴することにより、嵩密度0.520g/
ccの乾式トナーを得た。
【0057】このトナー10重量部と上述したキャリア
50重量部を混合して本実施例の静電潜像現像剤30と
した。この静電潜像現像剤30を現像装置16中のキャ
リア閉じこめ室32に充填し、図示しないトナーカート
リッジに乾式トナー150gを充填して画像出力を行っ
た。画像出力は、感光体10に帯電器12、レーザスキ
ャナ14、現像装置16を用いて画像を現像した後、転
写ローラからなる転写器20で記録媒体18に転写して
熱定着ローラにより記録媒体18上にトナーを固着し
た。このとき、記録媒体18として、厚紙(XEROX
社 4024 28ポンド紙)を使用して2000枚の
連続印字を行ったが、中抜けがなくかぶりのない画像サ
ンプルを得ることができた。なお、2000枚印字後の
かぶりを測定したところ2.0であった。
【0058】つまり、上記実験例1では、トナー粒子に
対して、まず、トナーの流動性を向上させるための疎水
性シリカと、研磨剤としての炭化珪素とを外添した後
で、酸化チタンを外添したので、疎水性シリカによりト
ナーに与えられた流動性を損なうことなく、且つ酸化チ
タンを添加することによる中抜け防止の効果をも合わせ
持つことが可能となるのである。
【0059】ところで、かぶりの測定に際しては、以下
に1〜3で示す手順で行った。
【0060】1.何も印字していない用紙の白色度をス
ガ試験器測色計を用いて測定する。 2.2000枚印字後の用紙の非印字部の白色度を同様
に測定する。
【0061】3.2で測定した白色度と1で測定した白
色度の差を求めてかぶりの指標とする。
【0062】すなわち、3で得られた数値が小さいほど
かぶりが少なく、画質がよいと判断することができる。
【0063】次に、トナーに外添剤を添加する際の条件
を変えて実験を行った。その結果について、以下の比較
例1〜5に示す。
【0064】比較例1 実験例1と同様のトナー粒子100重量部に対して、外
添剤として 疎水性シリカ微粉体(粒子径 10〜20nm) 1重量部 (日本アエロジル(株) HVK2150) 炭化珪素微粉末(比重 5g/cm3) 0.5重量部 (ワッカーケミカル(株) WA#4000) 酸化チタン微粉末(シリコン表面処理済) 0.3重量部 (チタン工業(株) STT−60) を同時に混合し、ヘンシェルミキサーを用いて2000
rpmで3分間攪伴することにより、嵩密度0.524
g/ccながら、酸化チタン微粉末の誇大粒子が見られ
る乾式トナーを得た。
【0065】このトナー10重量部と上述したキャリア
50重量部を混合して本実施例の静電潜像現像剤30と
した。この静電潜像現像剤30を現像装置16中のキャ
リア閉じこめ室32に充填し、図示しないトナーカート
リッジに乾式トナー150gを充填して画像出力を行っ
た。画像出力は、感光体10に帯電器12、レーザスキ
ャナ14、現像装置16を用いて画像を現像した後、転
写ローラからなる転写器20で記録媒体18に転写して
熱定着ローラにより記録媒体18上にトナーを固着し
た。このとき、記録媒体18として、厚紙(XEROX
社 4024 28ポンド紙)を使用して2000枚の
連続印字を行ったが、50枚目から中抜けが発生し、平
均して3枚に1枚程度の中抜けが発生した。また、20
00枚印字後のかぶりは2.1であった。
【0066】この比較例1では、実験例1とは異なって
酸化チタンをその他の外添剤と同時にトナーに添加した
ので、疎水性シリカによりトナーに与えられるべき流動
性が酸化チタンにより損なわれ、中抜けが発生したもの
と考えられる。
【0067】比較例2 実験例1と同様なトナー粒子100重量部に対して、外
添剤として 疎水性シリカ微粉体(粒子径 10〜20nm) 1重量部 (日本アエロジル(株) HVK2150) 炭化珪素微粉末(比重 5g/cm3) 0.5重量部 (ワッカーケミカル(株) WA#4000) を混合し、ヘンシェルミキサーを用いて2000rpm
で3分間攪伴した後、さらに 酸化チタン微粉末(シリコン表面処理済) 0.3重量部 (チタン工業(株) STT−60) を混合して、ヘンシェルミキサーを用いて2000rp
mで1分間攪伴することにより、嵩密度0.534g/
ccながら、酸化チタン微粉末の誇大粒子が見られる乾
式トナーを得た。
【0068】このトナー10重量部と上述したキャリア
50重量部を混合して本実施例の静電潜像現像剤30と
した。この静電潜像現像剤30を現像装置16中のキャ
リア閉じこめ室32に充填し、図示しないトナーカート
リッジに乾式トナー150gを充填して画像出力を行っ
た。画像出力は、感光体10に帯電器12、レーザスキ
ャナ14、現像装置16を用いて画像を現像した後、転
写ローラからなる転写器20で記録媒体18に転写して
熱定着ローラにより記録媒体18上にトナーを固着し
た。このとき、記録媒体18として、厚紙(XEROX
社 4024 28ポンド紙)を使用して2000枚の
連続印字を行ったが、50枚目から中抜けが発生し、平
均して3枚に1枚程度の中抜けが発生した。また、20
00枚印字後のかぶりは2.4であった。
【0069】この比較例2では、酸化チタンの添加をそ
の他の外添剤を添加した後に行ったが、その酸化チタン
の外添に費やした時間がその他の外添剤の添加に費やし
た時間の1/3程度であったので、酸化チタンの添加に
よってもたらされる中抜け防止効果が少なく、結果とし
て中抜けが発生したものであると考えられる。
【0070】比較例3 実験例1と同様なトナー粒子100重量部に対して、外
添剤として 疎水性シリカ微粉体(粒子径 10〜20nm) 1重量部 (日本アエロジル(株) HVK2150) 炭化珪素微粉末(比重 5g/cm3) 0.5重量部 (ワッカーケミカル(株) WA#4000) を混合し、ヘンシェルミキサーを用いて2000rpm
で3分間攪伴した後、さらに 酸化チタン微粉末(シリコン表面処理済) 0.3重量部 (チタン工業(株) STT−60) を混合して、ヘンシェルミキサーを用いて2000rp
mで6分間攪伴することにより、嵩密度0.478g/
ccながら、酸化チタン微粉末の誇大粒子が見られる乾
式トナーを得た。
【0071】このトナー10重量部と上述したキャリア
50重量部を混合して本実施例の静電潜像現像剤30と
した。この静電潜像現像剤30を現像装置16中のキャ
リア閉じこめ室32に充填し、図示しないトナーカート
リッジに乾式トナー150gを充填して画像出力を行っ
た。画像出力は、感光体10に帯電器12、レーザスキ
ャナ14、現像装置16を用いて画像を現像した後、転
写ローラからなる転写器20で記録媒体18に転写して
熱定着ローラにより記録媒体18上にトナーを固着し
た。このとき、記録媒体18として、厚紙(XEROX
社 4024 28ポンド紙)を使用して2000枚の
連続印字を行ったが、50枚目から中抜けが発生し、平
均して3枚に1枚程度の中抜けが発生した。また、20
00枚印字後のかぶりは3.1であり、許容出来るレベ
ルにはならなかった。
【0072】この比較例3では、酸化チタンの添加をそ
の他の外添剤を添加した後に行ったが、その酸化チタン
の外添に費やした時間がその他の外添剤の添加に費やし
た時間の2倍程度であったので、疎水性シリカによりト
ナーに与えられた流動性が損なわれ、中抜けの防止効果
が少なくなったものと考えられる。
【0073】比較例4 実験例1と同様なトナー粒子100重量部に対して、外
添剤として 炭化珪素微粉末(比重 5g/cm3) 0.5重量部 (ワッカーケミカル(株) WA#4000) 酸化チタン微粉末(シリコン表面処理済) 0.3重量部 (チタン工業(株) STT−60) を混合し、ヘンシェルミキサーを用いて2000rpm
で3分間攪伴した後、さらに 疎水性シリカ微粉末(粒子径 10〜20nm) 1重量部 (日本アエロジル(株) HVK2150) を混合して、ヘンシェルミキサーを用いて2000rp
mで2分間攪伴することにより、嵩密度0.511g/
ccながら、酸化チタン微粉末の誇大粒子が見られる乾
式トナーを得た。
【0074】このトナー10重量部と上述したキャリア
50重量部を混合して本実施例の静電潜像現像剤30と
した。この静電潜像現像剤30を現像装置16中のキャ
リア閉じこめ室32に充填し、図示しないトナーカート
リッジに乾式トナー150gを充填して画像出力を行っ
た。画像出力は、感光体10に帯電器12、レーザスキ
ャナ14、現像装置16を用いて画像を現像した後、転
写ローラからなる転写器20で記録媒体18に転写して
熱定着ローラにより記録媒体18上にトナーを固着し
た。このとき、記録媒体18として、厚紙(XEROX
社 4024 28ポンド紙)を使用して2000枚の
連続印字を行ったが、50枚目から中抜けが発生し、平
均して3枚に1枚程度の中抜けが発生した。また、20
00枚印字後のかぶりは1.9であり、実験例1の結果
と比較しても、かぶりに関しては遜色がなかった。
【0075】この比較例4では、実験例1の場合と異な
って酸化チタンを添加した後に疎水性シリカを添加した
ので、酸化チタンによる中抜け防止効果が少なくなると
共にさらに疎水性シリカによるトナーの流動性がさほど
付与されなく、結果として中抜けの防止に効果が現れな
かったと考えられる。
【0076】比較例5 実験例1と同様なトナー粒子100重量部に対して、外
添剤として 疎水性シリカ微粉体(粒子径 10〜20nm) 1重量部 (日本アエロジル(株) HVK2150) 酸化チタン微粉末(シリコン表面処理済) 0.3重量部 (チタン工業(株) STT−60) を混合し、ヘンシェルミキサーを用いて2000rpm
で3分間攪伴した後、さらに 炭化珪素微粉末(比重 5g/cm3) 0.5重量部 (ワッカーケミカル(株) WA#4000) を混合して、ヘンシェルミキサーを用いて2000rp
mで3分間攪伴することにより、嵩密度0.507g/
ccの乾式トナーを得た。
【0077】このトナー10重量部と上述したキャリア
50重量部を混合して本実施例の静電潜像現像剤30と
した。この静電潜像現像剤30を現像装置16中のキャ
リア閉じこめ室32に充填し、図示しないトナーカート
リッジに乾式トナー150gを充填して画像出力を行っ
た。画像出力は、感光体10に帯電器12、レーザスキ
ャナ14、現像装置16を用いて画像を現像した後、転
写ローラからなる転写器20で記録媒体18に転写して
熱定着ローラにより記録媒体18上にトナーを固着し
た。このとき、記録媒体18として、厚紙(XEROX
社 4024 28ポンド紙)を使用して2000枚の
連続印字を行ったが、50枚目から中抜けが発生し、平
均して5枚に1枚程度の中抜けが発生した。なお、20
00枚印字後のかぶりは2.0であり、実験例1の結果
と比較しても、かぶりに関しては遜色がなかった。
【0078】この比較例5においては、上述した比較例
1と同様に酸化チタンをその他の外添剤と同時にトナー
に添加したので、疎水性シリカによりトナーに与えられ
るべき流動性が酸化チタンにより損なわれ、中抜けが発
生したものと考えられる。
【0079】以上、詳述した実施例から明らかな通り、
実験例1に示したように、トナーに外添剤を添加する際
に、まず疎水性シリカと炭化珪素とをトナーに添加して
攪拌した後、さらに酸化チタンを加え、その酸化チタン
の攪拌に要する時間を疎水性シリカと炭化珪素の攪拌に
要した時間に比べて60%程度としたところ、中抜けの
防止に効果的であり、且つ、かぶりに関しても実用上問
題のないレベルとすることができた。
【0080】そして、本出願人の研究によって、まずト
ナーに対して疎水性シリカと炭化珪素とを添加して攪拌
した後、それらの攪拌時間の1/2から同一の時間をか
けて攪拌しながら酸化チタンを添加することにより、中
抜けの防止とかぶりの防止の双方にきわめて効果的な静
電潜像現像剤を製造することができる点を見いだすこと
ができた。このようにして製造された静電潜像現像剤を
用いて、レーザビームプリンタにて画像を形成したとこ
ろ、きわめて鮮明で落ち度のない画像を得ることができ
た。
【0081】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
上記の構成を有する本発明の請求項1の静電潜像現像剤
では、トナーの平均粒子径は5〜15μmであり、その
トナーに複数種の外添剤が添加されることにより構成さ
れている。そして、その外添剤のうち、トナーの帯電量
を増加させるための中抜け防止剤は、その他の外添剤を
添加した後に添加され、且つ、その中抜け防止剤の添加
に要する時間は、その他の外添剤の添加に要する時間に
比して1/2〜同一の範囲内としてある。そのため、中
抜け防止剤による効果が損なわれることなく、鮮明な画
像を形成することができる。
【0082】請求項2の静電潜像現像剤では、上記中抜
け防止剤として、疎水化度5%以上の酸化チタンを使用
しており、画像の中抜け防止と共にかぶりの防止にもよ
り好適である。
【0083】請求項3の静電潜像現像剤では、トナーの
感光体からの離型性を高めるために、酸化チタンに対し
て表面処理を施しているので、上述した中抜けの防止に
一層の効果を得ることができ、画質の向上に寄与するも
のである。
【0084】請求項4の静電潜像現像剤の製造方法で
は、まず、平均粒子径が5〜15μmのトナーに中抜け
防止剤以外の外添剤を添加し、その後、中抜け防止剤を
添加する。このとき、中抜け防止剤の添加に要する時間
を、その他の外添剤の添加に要する時間に比して1/2
〜同一の範囲内としている。このようにして製造された
静電潜像現像剤は、中抜け防止剤の効果が損なわれるこ
とがなく、鮮明な画像を形成することができ、画質の向
上に貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う静電潜像現像剤が適用され得るレ
ーザビームプリンタの要部の構成の一例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
10 感光体 16 現像器 30 静電潜像現像剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像を保持した感光体上にトナーを
    現像して、前記静電潜像を顕像化する現像装置において
    使用する静電潜像現像剤であって、 この静電潜像現像剤は、平均粒子径が5〜15μmのト
    ナーと、そのトナーの性能を向上させるために添加され
    る複数種の外添剤とから構成されるものであり、 前記外添剤のうち、前記トナーの帯電量を増加させるた
    めの中抜け防止剤は、その他の外添剤を添加した後に添
    加され、且つ、その中抜け防止剤の添加に要する時間を
    その他の外添剤の添加に要する時間に比して1/2〜同
    一の範囲内としたことを特徴とする静電潜像現像剤。
  2. 【請求項2】 前記中抜け防止剤として、疎水化度5%
    以上の酸化チタンを使用することを特徴とする請求項1
    に記載の静電潜像現像剤。
  3. 【請求項3】 前記トナーの前記感光体からの離型性を
    高めるために、前記酸化チタンに対して、シリコンオイ
    ル、ステアリン酸亜鉛、シランカップリング剤のいずれ
    かを用いて表面処理を施したことを特徴とする請求項2
    に記載の静電潜像現像剤。
  4. 【請求項4】 静電潜像を保持した感光体上にトナーを
    現像して、前記静電潜像を顕像化する現像装置において
    使用する静電潜像現像剤の製造方法であって、 平均粒子径が5〜15μmのトナーに対して、そのトナ
    ーの性能を向上させるための複数種の外添剤を添加する
    工程を有し、その外添剤を添加するに際して、前記トナ
    ーの帯電量を増加させるための中抜け防止剤をその他の
    外添剤を添加した後に添加し、且つ、その中抜け防止剤
    の添加に要する時間をその他の外添剤の添加に要する時
    間に比して1/2〜同一の範囲内とすることを特徴とす
    る静電潜像現像剤の製造方法。
JP7075782A 1995-03-31 1995-03-31 静電潜像現像剤及びその製造方法 Pending JPH08272130A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7075782A JPH08272130A (ja) 1995-03-31 1995-03-31 静電潜像現像剤及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7075782A JPH08272130A (ja) 1995-03-31 1995-03-31 静電潜像現像剤及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08272130A true JPH08272130A (ja) 1996-10-18

Family

ID=13586137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7075782A Pending JPH08272130A (ja) 1995-03-31 1995-03-31 静電潜像現像剤及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08272130A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1662329A2 (en) 2004-06-03 2006-05-31 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of preparing toner

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1662329A2 (en) 2004-06-03 2006-05-31 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of preparing toner

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1156391B1 (en) Electrographic methods using developer compositions comprising hard magnetic carrier particles
EP0570886B1 (en) Developer for developing latent electrostatic images and method of forming images by using the developer
JPH08272132A (ja) 静電潜像現像剤
JP3173321B2 (ja) 現像方法
JP2784924B2 (ja) 電子写真用トナーおよび電子写真用現像剤
JPH08160671A (ja) 二成分系現像剤、現像方法及び画像形成方法
JPH04145448A (ja) 非磁性一成分現像方法
JPH08202081A (ja) 静電潜像現像剤
JPH08272130A (ja) 静電潜像現像剤及びその製造方法
JPH07295282A (ja) 磁性トナー及び電子写真方法
JPH0119580B2 (ja)
JPH07120066B2 (ja) 現像剤および現像方法
JPS5895748A (ja) 転写型磁性トナ−粒子
JPH0257302B2 (ja)
JP3950572B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH07306543A (ja) 電子写真方法
JPH0623868B2 (ja) 反転現像方法
JP2003255591A (ja) 電子写真用二成分現像剤
JP2669962B2 (ja) 現像剤
JPH07199517A (ja) 静電潜像現像剤及びそれを用いた静電潜像現像方法
JP2645500B2 (ja) トナー組成物
JPH08146646A (ja) 磁性トナー及び電子写真方法
JPS62169168A (ja) 電子写真法
JPH09127725A (ja) 静電潜像現像剤
JPH07191493A (ja) 静電潜像現像剤