JPH0827071A - 4−ニトロジフェニルエーテル類の製造方法 - Google Patents

4−ニトロジフェニルエーテル類の製造方法

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JPH0827071A
JPH0827071A JP15725794A JP15725794A JPH0827071A JP H0827071 A JPH0827071 A JP H0827071A JP 15725794 A JP15725794 A JP 15725794A JP 15725794 A JP15725794 A JP 15725794A JP H0827071 A JPH0827071 A JP H0827071A
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JP
Japan
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chloronitrobenzene
dimethylformamide
purity
ether
isomer
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Pending
Application number
JP15725794A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Horiuchi
裕志 堀内
Koji Sumitani
浩二 隅谷
Hisashi Shono
壽 庄野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い純度の4−ニトロジフェニルエーテル類
を製造する方法の開発。 【構成】 ジメチルホルムアミド・水の混合液を用いて
4−クロロニトロベンゼンを再結晶化し、その液の一部
を除いたスラリーを用いて、3−アミノフェニル又は3
−ニトロフェノールとエーテル化反応をジメチルホルム
アシド中で行い、異性体の少ない3−アミノ−4’−ニ
トロジフェニルエーテルを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異性体の少ない高純度
な3−アミノ−4’−ニトロジフェニルエーテル又は
3,4’−ジニトロジフェニルエーテルの製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術とその問題点】上記化合物は、高性能な合成
繊維の製造原料である3,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテルの製造原料として重要である。3,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテルは上記化合物を水添することによ
って収率よく得ることができる。
【0003】3−アミノ−4’−ニトロジフェニルエー
テル又は3,4’−ジニトロジフェニルエーテルの製造
方法としては、3−アミノフェノール又は3−ニトロフ
ェノールと4−クロロニトロベンゼンとを溶媒中にて塩
基性化合物を用いて縮合反応させる方法が開示されてい
る(特公昭47−18101号公報およびJ.J.ラン
ドールら、ジヤーナル・オブ・オルガニック・ケミスト
リ、27巻、4098〜4101頁(1962))。溶
媒としては非プロトン性極性有機溶媒がよく、その中で
も安価なジメチルホルムアミドが工業的な製造方法に適
しているとされている。
【0004】しかしながら、高性能合成繊維原料として
使用するために極めて純度の高い3,4’−ジアミノジ
フェニルエーテルが要求されており、その純度は99.
95%が目安とされている。高純度の3,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテルを得るためには異性体の少ない高
純度の3−アミノ−4’−ニトロジフェニルエーテル又
は3,4’−ジニトロジフェニルエーテルが必要であ
る。
【0005】一方、原料の4−クロロニトロベンゼンに
は通常の工業製品で2−クロロニトロベンゼンおよび3
−クロロニトロベンゼン(以下クロロニトロベンゼン異
性体と称する)が0.3〜3%程度含有されており、特
に2−クロロニトロベンゼンは3−アミノフェノール又
は3−ニトロフェノールとの縮合反応において3−アミ
ノ−2’−ニトロジフェニルエーテル又は2,3’−ジ
ニトロジフェニルエーテルを副生させる。副生した異性
体化合物は再結晶精製で除きにくく、純度の高い3−ア
ミノ−4’−ニトロジフェニルエーテル又は3,4’−
ジニトロジフェニルエーテルを得るには何回も再結晶精
製する必要があるため操作が煩雑となり収率も大幅に低
下するという問題があった。
【0006】上記問題を解決する手段として、精製して
クロロニトロベンゼン異性体を減少させた4−クロロニ
トロベンゼンを使用する方法が有効であることが知られ
ている。
【0007】4−クロロニトロベンゼンを精製する方法
としては、熱水で洗浄する方法、圧力をかけて晶析する
方法が開示されているが(特開昭58−29746号公
報および特開昭60−233039号公報)、いずれも
精製4−クロロニトロベンゼンの回収率は充分とはいえ
ない。また特開昭61−225155号公報には、共沸
組成のイソプロパノール水溶液で再結晶精製した4−ク
ロロニトロベンゼンを縮合反応に使用する方法が開示さ
れ、また特開平−163210号公報にはメタノールを
用いて高純度の4−クロロニトロベンゼンを得る方法が
開示されている。しかしこれらの方法では、使用するメ
タノールやイソプロパノールが縮合反応に悪影響を及ぼ
すため、晶析混合物から液を濾過や遠心分離等の手段で
除いたのみでは縮合反応には使用できず、その後さらに
蒸留等の方法でメタノールやイソプロピルアルコールを
ほぼ完全に除去する工程を必要とし、煩雑である欠点を
有する。
【0008】
【発明の目的】そこで本発明者らは高純度の4−クロロ
ニトロベンゼンが高い回収率で得られ、かつ再結晶後の
処理工程が少ない方法で異性体の少ない3−アミノ−
4’−ニトロジフェニルエーテル又は3,4’−ジニト
ロジフェニルエーテルを得る方法について鋭意検討を重
ねた結果、ジメチルホルムアミドと水の混合液で粗4−
クロロニトロベンゼンを再結晶させた後少なくとも50
%の液を除去して得られる精製4−クロロニトロベンゼ
ンを使用することにより上記目的が達成できることを見
いだし、本発明に至ったものである。
【0009】
【発明の構成】即ち、本発明は、3−アミノフェノール
又は3−ニトロフェノールと4−クロロニトロベンゼン
とをジメチルホルムアミド中にて塩基性化合物の存在下
で縮合反応させ3−アミノ−4’−ニトロジフェニルエ
ーテル又は3,4’−ジニトロジフェニルエーテルを製
造する方法において、異性体純度が99.9%未満の4
−クロロニトロベンゼンをジメチルホルムアミドと水の
混合液を用いて再結晶させた後少なくとも50%の液を
除去して得られる異性体純度99.9%以上の精製4−
クロロニトロベンゼンを含むスラリーを使用することを
特徴とする製造方法である。
【0010】本発明の方法は、工業用として入手できる
4−クロロニトロベンゼンをジメチルホルムアミドと水
の混合液で再結晶させ、液の一部を分離除去して精製4
−クロロニトベンゼンを含むスラリーを得る工程と、前
記スラリーを3−アミノフェノール又は3−ニトロフェ
ノールとジメチルホルムアミド中にて塩基性化合物の存
在下で縮合反応させる工程から成る。
【0011】工業用として入手できる4−クロロニトロ
ベンゼンは通常0.3〜3%のクロロニトロベンゼン異
性体を含有しているが、本発明の方法ではジメチルホル
ムアミドと水の混合液で上記4−クロロニトロベンゼン
を再結晶し、その後液の少なくとも一部を除去すること
によって異性体純度が99.9%以上の4−クロロニト
ロベンゼンを含むスラリーを得ることができる。また本
発明の方法によれば、高い回収率で異性体純度の高い4
−クロロニトロベンゼンが得られるのみならず、晶析混
合物からの液を50%以上除去すれば充分であるため液
除去の負担が少ない利点を有する。液除去を完全に行わ
ずに済む理由は、ジメチルホルムアミドは続く縮合反応
工程で使用する溶媒であり、また水は縮合反応工程で発
生する物質であり、縮合反応工程に両者が混入しても反
応に与える影響は微小であるためである。
【0012】ジメチルホルムアミドと水の混合液で4−
クロロニトロベンゼンを再結晶する方法は、4−クロロ
ニトロベンゼンをジメチルホルムアミド中に溶解させ、
次いで水を加えて析出させる方法が好ましい。精製のた
めに使用するジメチルホルムアミドの量は4−クロロニ
トロベンゼンに対して0.1〜10倍、水の使用量はジ
メチルホルムアミドに対して0.3倍〜3倍が好まし
い。
【0013】4−クロロニトベンゼンを析出させた後、
異性体を除くために晶析混合物中の液の少なくとも50
%を除去する。除去する方法としては、一般に固液分離
法として知られている方法であれば、液の少なくとも5
0%を除去可能ならばいずれも用いることができる。
【0014】次の縮合工程では、上記のような精製4−
クロロニトベンゼンを含むスラリーと、3−アミノフェ
ノール又は3−ニトロフェノールとをジメチルホルムア
ミド中にて塩基性化合物を添加し反応させる。4−クロ
ロニトベンゼンに対する3−アミノフェノール又は3−
ニトロフェノールの使用割合は任意であるが、化学量論
量から計算される割合あるいはその近傍の割合で使用す
るのが有利である。ジメチルホルムアミドの使用量は特
に限定されないが、4−クロロニトロベンゼンに対して
1〜10重量倍が好ましい。塩基としてはアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物
等が挙げられるが、特に炭酸カリウムが好ましい。
【0015】縮合反応における反応温度は常温から16
0℃の範囲が好ましく、圧力は特に限定されないが常圧
が好ましい。
【0016】
【発明の効果】以上述べた本発明の方法によれば、製造
工程を複雑化させることなく、最低限度の工程数の増加
で異性体含有量の少ない高純度の3−アミノ−4’−ニ
トロジフェニルエーテル又は3,4’−ジニトロジフェ
ニルエーテルを得ることができる利点を有する。
【0017】
【実施例】次に実施例を掲げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はそれに何等限定されるものではない。
【0018】[実施例1]工業用4−クロロニトロベン
ゼン(三井東圧製)300gにジメチルホルムアミド
(和光純薬製)300gを加え、撹拌して溶解させた。
次いで撹拌しながら30℃で純水300gを加えて4−
クロロニトロベンゼンを析出させた後、グラスフィルタ
ー上で吸引濾過させてスラリー522gを得た。このス
ラリー中にはクロロニトロベンゼンが293g含まれて
おり、回収率は98%であった。異性体純度は表1のよ
うになり、純度の高い4−クロロニトロベンゼンを含む
スラリーが得られていた。
【0019】
【表1】
【0020】[実施例2]回転攪拌機、温度計及び還流
管を備えた100mlの4口フラスコに、3−アミノフ
ェノール(関東化学製)10.6g、実施例1で得られ
たスラリー28.1g(うち4−クロロニトロベンゼン
15.8g)、無水炭酸カリウム(和光純薬製)8.1
g及びジメチルホルムアミド36gを仕込み、常圧下マ
ントルヒーターにて6時間加熱還流させた。得られたア
ミノニトロジフェニルエーテルの異性体比は、3−アミ
ノ−4’−ニトロジフェニルエーテルが99.98%
で、3−アミノ−2’−ニトロジフェニルエーテルが
0.02%であった。
【0021】[比較例1]実施例1に用いた三井東圧製
の工業用4−クロロニトロベンゼン15.8gを再結晶
化処理をせずに、そのまま用いた以外は実施例1と同様
の反応を行った。得られたアミノニトロジフェニルエー
テルの異性体比は、3−アミノ−4’−ニトロジフェニ
ルエーテルが99.70%で、3−アミノ−2’−ニト
ロジフェニルエーテルが0.30%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−アミノフェノール又は3−ニトロフ
    ェノールと4−クロロニトロベンゼンとをジメチルホル
    ムアミド中にて塩基性化合物の存在下で縮合反応させ3
    −アミノ−4’−ニトロジフェニルエーテル又は3,
    4’−ジニトロジフェニルエーテルを製造する方法にお
    いて、クロロニトロベンゼンの異性体純度が99.9%
    未満の4−クロロニトロベンゼンをジメチルホルムアミ
    ドと水との混合液を用いて再結晶させた後、少なくとも
    50%の液を除去して得られる、異性体純度99.9%
    以上の精製4−クロロニトロベンゼンを含むスラリーと
    して使用することを特徴とする4−ニトロジフェニルエ
    ーテル類の製造方法。
JP15725794A 1994-07-08 1994-07-08 4−ニトロジフェニルエーテル類の製造方法 Pending JPH0827071A (ja)

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