JPH08269757A - アルミニウム合金部材の電解前処理方法 - Google Patents

アルミニウム合金部材の電解前処理方法

Info

Publication number
JPH08269757A
JPH08269757A JP7072027A JP7202795A JPH08269757A JP H08269757 A JPH08269757 A JP H08269757A JP 7072027 A JP7072027 A JP 7072027A JP 7202795 A JP7202795 A JP 7202795A JP H08269757 A JPH08269757 A JP H08269757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sodium
aqueous solution
aluminum alloy
electrolytic
ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7072027A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3276042B2 (ja
Inventor
Katsuya Yamamoto
本 勝 也 山
Shinji Matsuda
田 慎 二 松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP07202795A priority Critical patent/JP3276042B2/ja
Publication of JPH08269757A publication Critical patent/JPH08269757A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3276042B2 publication Critical patent/JP3276042B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 陰極電解処理によって形成されるクロメート
皮膜を安定した密着性の優れたものとすることができ、
塗装後の耐食性を向上させることができるアルミニウム
合金部材の電解前処理方法を提供する。 【構成】 陰極電解処理に先だって、けい酸ソーダ,ほ
う酸ソーダおよび炭酸ソーダから選ばれる少なくとも1
種と、必要に応じて所定量以下のりん酸ソーダからなる
アルカリビルダーの水溶液にてアルミニウム合金部材を
洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム合金から
なる部材の表面に陰極電解処理を施すことによって、ク
ロメート皮膜を形成させる際の前処理として、当該部材
の表面に付着した汚れや油脂などを除去するのに利用さ
れる電解前処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用アルミホイールにおい
ては、素材アルミニウム合金特有の金属光沢を活かした
表面外観を得るために、クリヤー塗装を施したものがあ
り、このような塗装に際しては、耐食性および塗料の密
着性を向上させるための塗装前処理として、塗装に先立
って、表面研削を施したアルミホイール素材に陰極電解
処理を施すことによって、クロメート皮膜を形成させる
ことが知られている(例えば、特開平5−179486
号公報参照)。
【0003】そして、このような陰極電解処理に際して
は、その前処理として、アルミホイール素材を脱脂液に
より洗浄し、素材表面に付着した切削油などの油脂系の
汚れを除去する必要があり、このような脱脂液として
は、例えばりん酸ソーダを主成分とするアルカリ脱脂液
が用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、脱脂液
として、上記したりん酸ソーダを主成分とするアルカリ
脱脂液を用いて脱脂・洗浄した場合には、塗装後の耐食
性がばらつく現象が認められ、とりわけ安定した耐糸錆
性が得られないという問題点があり、このような問題点
を解決することが電解処理および塗装を施して使用する
アルミニウム合金製品の品質上の課題となっていた。
なお、上記した糸錆とは、塗料皮膜を通して金属表面に
侵入した水による局部的な電解腐食と考えられ、幅0.
1〜0.5mm程度のみみずが這ったような糸状の錆が
時間の経過と共に進展して行く現象を言う。
【0005】
【発明の目的】本発明は、塗装処理を施して使用するア
ルミニウム合金製品における上記課題に着目してなされ
たものであって、アルミニウム合金素材表面に付着した
汚れや油脂などを容易に除去することができると共に、
陰極電解処理によって形成されるクロメート皮膜を安定
した密着性の優れたものとすることができ、塗装製品の
耐食性を向上させることができるアルミニウム合金部材
の電解前処理方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、アルミニウ
ム合金製品の塗装後の耐食性に係わる上記課題を解決す
るために、陰極電解処理の前処理としての脱脂処理に注
目し、とくに脱脂液成分について鋭意検討を重ねた結
果、りん酸ソーダを主成分とする従来の脱脂液を用いて
脱脂・洗浄した場合には、アルミニウム合金素材の表面
がわずかにエッチングされるのに対し、りん酸ソーダの
一部あるいは全部をけい酸ソーダ,ほう酸ソーダおよび
炭酸ソーダのうちの少なくとも1種に置き換えた水溶液
を用いて脱脂処理した場合にはエッチングの程度が軽
く、このような処理液によって脱脂・洗浄したのちに陰
極電解処理を施すことによって、耐食性および密着性に
優れた電解クロメート皮膜を得ることができ、塗装後の
耐蝕性のばらつきを解消することができることを見出す
に至った。 なお、このメカニズムについては、まだ充
分に解明されていないが、りん酸ソーダを多く含む脱脂
液によって処理した場合にはエッチングによって素材表
面のアルミニウムが優先的に溶出し、表面に濃化したア
ルミニウム以外の成分元素が電解クロメート皮膜の析出
を阻害する結果、耐食性(耐糸錆性)が低下し、りん酸
ソーダを含まない、あるいは多少含まれていても、けい
酸ソーダ,ほう酸ソーダ,炭酸ソーダが共存する脱脂液
によって処理した場合には、このエッチング反応が抑制
されて、安定なクロメート皮膜が形成され、耐食性が向
上するものと考えられる。
【0007】本発明に係わるアルミニウム合金部材の電
解前処理方法は、上記知見に基づくものであって、請求
項1に係わる脱脂方法は、アルミニウム合金部材に、6
価クロムイオンと、硫酸イオンと、ふっ素あるいは錯ふ
っ化物を含有する酸性水溶液中において、陰極電解処理
を施すに際して、当該電解処理に先立って、けい酸ソー
ダ,ほう酸ソーダおよび炭酸ソーダから選ばれる少なく
とも1種からなるアルカリビルダーの水溶液にて前記ア
ルミニウム合金部材を洗浄する構成、請求項2に係わる
電解前処理方法は、同様の陰極電解処理に先立って、け
い酸ソーダ,ほう酸ソーダおよび炭酸ソーダから選ばれ
る少なくとも1種と、りん酸イオンとして8g/L以下
のりん酸ソーダからなるアルカリビルダーの水溶液にて
洗浄する構成としたことを特徴としており、このような
アルミニウム合金部材の電解前処理方法の構成を前述し
た従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】また、本発明に係わる電解前処理方法の実
施態様として請求項3に係わる前処理方法においては、
陰極電解処理が6価クロムイオンを2g/L以上、硫酸
イオンを20〜2000ppm、ふっ素あるいは錯ふっ
化物を5〜400ppm含有するpH0.6〜1.7の
酸性水溶液中において、0.5〜15A/dm2 の電流
密度で行われる構成とし、同じく実施態様として請求項
4に係わる前処理方法においては、けい酸イオン,ほう
酸イオンおよび炭酸イオンとして、それぞれ1〜20g
/Lのけい酸ソーダ,ほう酸ソーダおよび炭酸ソーダを
含有する水溶液にて洗浄する構成とし、さらに請求項5
に係わる前処理方法においては、ポリエチレングリコー
ルなどの界面活性剤をさらに添加した水溶液にて洗浄す
る構成とし、アルミニウム合金部材の電解前処理方法に
おけるこのような構成を前述した従来の課題を解決する
ための手段としたことを特徴としている。
【0009】本発明に係わるアルミニウム合金部材の電
解前処理方法において使用する処理液(脱脂液)を構成
する成分として、けい酸ソーダについては、オルソけい
酸ソーダ(Na4 SiO4 )の他に、メタけい酸ソーダ
(Na2 SiO3 ・5H2 O),二けい酸ソーダ(Na
2 Si2 5 )などを使用することができ、その有効性
および経済性の観点から、けい酸イオンとして1〜20
g/Lの範囲で添加することが望ましい。 なお、本発
明において、けい酸ソーダとは、これらけい酸ソーダの
総称であって、けい酸イオンとはオルソけい酸イオン
(SiO4 -4)のみならず、これらすべてのけい酸イオ
ンを意味する。
【0010】また、ほう酸ソーダとしては、メタほう酸
ソーダ(NaBO2 ),四ほう酸ソーダ(Na2 4
7 ),五ほう酸ソーダ(NaB5 8 )などを使用する
ことができ、同じく有効性および経済性の観点から、ほ
う酸イオンとして1〜20g/Lの範囲で添加すること
が望ましい。 なお、本発明においては、ほう酸ソーダ
についてもこれらほう酸ソーダの総称であって、ほう酸
イオンについてもこれらほう酸イオンのすべてを意味す
る。
【0011】炭酸ソーダとしては、ソーダ灰(Na2
3 ),結晶ソーダ(Na2 CO3・10H2 O)など
を用いることができ、有効性および経済性の観点から、
炭酸イオンとして1〜20g/Lの範囲で添加すること
が望ましい。
【0012】りん酸ソーダとしては、第3りん酸ソーダ
(Na3 PO4 ・12H2 O)の他に、ピロりん酸ソー
ダ(Na4 2 7 ・10H2 O)などをりん酸イオン
として8g/L以下の範囲で使用することができる。
なお、本発明においては、りん酸ソーダについてもこれ
ら各種りん酸ソーダの総称を意味し、りん酸イオンにつ
いても、オルソりん酸イオン(PO4 -3)のみならず、
りん酸イオンのすべてが含まれる。 なお、りん酸ソー
ダの上限値をりん酸イオンとして8g/L以下に限定し
たのは、りん酸イオンが8g/Lを超えた場合には、け
い酸ソーダ,ほう酸ソーダ,炭酸ソーダを共存させたと
しても、アルミニウム合金素材のエッチングが抑制する
ことができず、耐食性,密着性に優れたクロメート皮膜
を安定に形成させることができず、塗装後の耐蝕性のば
らつきを解消することができなくなることによる。
【0013】また、電解液に用いられる6価クロムイオ
ンは、クロメート皮膜を形成するクロム源であって、無
水クロム酸,重クロム酸、あるいは重クロム酸のアルカ
リ金属塩などを使用することができ、十分な耐食性を備
えたクロメート皮膜を得るためには6価クロムイオンと
して2g/L以上とすることが望ましい。 なお、6価
クロムイオンの上限についてはとくに設定する必要はな
いが、排水処理などを考慮すれば、50g/L以下とす
ることが望ましい。
【0014】また、硫酸イオンとしては、硫酸あるいは
硫酸のアルカリ金属塩などを使用することができ、その
濃度が20ppm未満の場合には無色のクロメート皮膜
が形成されず、2000ppmを超えるとクロム付着量
が減少して皮膜の耐食性が低下する傾向がある。
【0015】ふっ素あるいは錯ふっ化物としては、ふっ
化水素酸,けいふっ化水素酸,ジルコンふっ化水素酸,
ほうふっ化水素酸などを使用することができ、その濃度
が5ppm未満の場合には、塗装後の耐食性に優れたク
ロメート皮膜が形成され難く、400ppmを超える
と、クロメート皮膜形成が抑制され、所期のクロム付着
量が得難くなり、比較的少ないクロム付着量でも皮膜が
着色されてしまう傾向があるので、クリヤー塗装には好
ましくない。
【0016】そして、このような成分を含有する水溶液
は、例えば水酸化アンモニウム,アルカリ金属水酸化
物,アルカリ金属炭酸化物,クロム酸,硫酸,硝酸など
によって、そのpH値が0.6〜1.7の範囲となるよ
うに調整されたのち、電解液として使用することが望ま
しい。 すなわち電解液のpHが1.7を超えるとクロ
メート皮膜付着量が急激に減少し、適正なクロム付着量
を得るのが困難となる。また、pHが0.6未満でも、
電解液としての性能上はとくに問題はないが、陰極電解
処理を続けることにより電解液のpHが上昇するため、
常時pH調整が必要となって電解液のコントロールが困
難となる。
【0017】また、陰極電解処理時の電流密度が0.5
A/dm2 よりも低いときには、クロメート皮膜が形成
され難く、逆に15A/dm2 よりも高いときには、皮
膜が着色するばかりでなく、皮膜の再溶解が生じ、目的
とする無色のクロメート皮膜が得難くなることから、陰
極電解処理の電流密度範囲については、0.5〜15A
/dm2 とすることが望ましい。
【0018】
【発明の作用】本発明の請求項1あるいは請求項2に係
わるアルミニウム合金部材の電解前処理方法において
は、例えば請求項3において規定されるような数値範囲
の6価クロムイオンと、硫酸イオンと、ふっ素あるいは
錯ふっ化物を含有するpH0.6〜1.7の酸性水溶液
中において、例えば0.5〜15A/dm2 の電流密度
で行う陰極電解処理に先だって、けい酸ソーダ,ほう酸
ソーダおよび炭酸ソーダから選ばれる少なくとも1種か
らなるアルカリビルダーの水溶液、あるいはこれに所定
量以下のりん酸ソーダを添加した水溶液を用いてアルミ
ニウム合金部材を洗浄処理するものであるから、クロメ
ート皮膜が安定に形成され、塗装後の耐蝕性が向上す
る。
【0019】本発明に係わるアルミニウム合金部材の電
解前処理方法の実施態様として請求項4に係わる処理方
法においては、けい酸イオン,ほう酸イオン,炭酸イオ
ンとして、それぞれ1〜20g/Lのけい酸ソーダ,ほ
う酸ソーダ,炭酸ソーダを含む水溶液を用いて洗浄する
ようにしているので、電解前処理が有効かつ無駄のない
ものとなり、同じく実施態様として請求項5に係わる処
理方法においては、さらにポリエチレングリコールのよ
うな界面活性剤を含む水溶液を用いて洗浄するようにし
ているので、洗浄力がより向上することになる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0021】まず、表1に示すような各種アルカリビル
ダーの水溶液からなる9種類の処理液(脱脂液)を調整
し、これら脱脂液を用いて洗浄処理を施したアルミニウ
ム合金製試験板に、それぞれ後述する条件により陰極電
解処理およびクリヤー塗装を施したのち、当該塗装試験
板の耐食性を糸錆試験および塩水噴霧試験によって調査
し、同じく表1に示すりん酸ソーダを主成分とする従来
タイプの比較用脱脂液によって洗浄処理を行った塗装試
験板の耐食性と比較した。 なお、これら耐食性試験の
繰り返し数はそれぞれ5回とした。
【0022】すなわち、Al−Si−Mg系アルミニウ
ム合金(JIS AC4CH相当)からなる鋳造材を機
械切削することにより70×150×7mmの寸法に仕
上げた試験板を用意し、当該試験板を50℃に保持した
それぞれの脱脂液中に2分間浸漬することにより洗浄を
行った。
【0023】水洗ののち、無水クロム酸により6価クロ
ムイオンを40g/L、硫酸により硫酸イオンを400
ppm、ジルコニウムふっ化水素酸を100ppm添加
した水溶液のpHを水酸化アンモニウムを用いてpH1
に調整すると共に、液温40℃に保持した電解液中に試
験板を浸漬し、2A/dm2 の電流密度で30秒間、陰
極電解処理を行った。 次いで、試験板を水洗および脱
イオン水洗したのち、100℃の乾燥炉中で5分間乾燥
した。
【0024】そして、当該試験板に、熱硬化型アクリル
樹脂クリヤー塗料を膜厚30μmとなるように塗装し、
140℃に保持したオーブン中で30分間焼付け乾燥し
たのち、糸錆試験および塩水噴霧試験を実施し、塗装試
験板の耐食性をそれぞれ評価した。
【0025】なお、糸錆試験および塩水噴霧試験の実施
要領および耐食性の判定基準については、それぞれ以下
のとおりである。
【0026】糸錆試験 塗装試験板の表面に、事務用のカッターナイフにより素
地まで達するカット傷をつけ、該試験板を1規定塩酸と
5%過酸化水素水の混合液に1分間浸漬したのち、24
時間室温に放置し、温度50℃,湿度80%の湿潤試験
を1000時間行い、このときのカット傷からの糸錆の
進展長さを測定した。 そして、最大糸錆長さが2mm
未満のものを◎、2mm以上3mm未満のものを○、3
mm以上5mm未満のものを△、5mm以上のものを×
とそれぞれ評価した。
【0027】塩水噴霧試験 糸錆試験と同様に、塗装試験板の表面に事務用のカッタ
ーナイフにより素地まで達するカット傷をつけたのち、
JIS Z 2371に規定された方法に基づいて、当
該試験板を塩水噴霧室内に1000時間暴露し、このと
きのカット傷から発生した錆やふくれの最大幅を測定し
た。 そして、最大ふくれ錆幅が1mm未満のものを
◎、1mm以上2mm未満のものを○、2mm以上3m
m未満のものを△、3mm以上のものを×とそれぞれ評
価した。
【0028】これらの結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果から明らかなように、比較例、
すなわちりん酸ソーダを主成分とする従来タイプの脱脂
液を用いて洗浄処理を行った試験板の場合には、耐食性
にばらつきが認められるのに対し、本発明に係わる脱脂
方法の実施例、すなわちけい酸ソーダ,ほう酸ソーダお
よび炭酸ソーダのうちの1種、2種あるいはすべてから
なるアルカリビルダーの水溶液、あるいはさらにりん酸
イオンとして8g/L以下のりん酸ソーダを含む水溶液
を用いて洗浄処理した試験板の場合には、いずれもばら
つきのない、安定かつ優れた耐食性を示すことが確認さ
れた。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
あるいは請求項2に係わるアルミニウム合金部材の電解
前処理方法においては、例えば請求項3において規定さ
れるような数値範囲の6価クロムイオンと、硫酸イオン
と、ふっ素あるいは錯ふっ化物を含有するpH0.6〜
1.7の酸性水溶液中において、例えば0.5〜15A
/dm2 の電流密度で行う陰極電解処理に先だって、け
い酸ソーダ,ほう酸ソーダおよび炭酸ソーダから選ばれ
る少なくとも1種からなるアルカリビルダーの水溶液、
あるいは、けい酸ソーダ,ほう酸ソーダおよび炭酸ソー
ダから選ばれる少なくとも1種と、りん酸イオンとして
8g/L以下のりん酸ソーダからなるアルカリビルダー
の水溶液にて洗浄するようにしているので、陰極電解処
理によって形成されるクロメート皮膜を安定した密着性
の優れたものとすることができ、塗装製品の耐食性を向
上させることができるという極めて優れた効果がもたら
される。
【0032】本発明に係わるアルミニウム合金部材の電
解前処理方法の実施態様として請求項4に係わる処理方
法は、けい酸イオン,ほう酸イオン,炭酸イオンとし
て、それぞれ1〜20g/Lのけい酸ソーダ,ほう酸ソ
ーダ,炭酸ソーダを含む水溶液を用いて洗浄する構成と
したものであるから、有効かつ無駄のない電解前処理が
可能になり、同じく実施態様として請求項5に係わる処
理方法は、例えばポリエチレングリコールなどの界面活
性剤をさらに添加した水溶液を用いて洗浄する構成とし
たものであるから、脱脂洗浄力をより一層向上させるこ
とができるという優れた効果をもたらすものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 11/38 C25D 11/38 C // C09K 13/06 101 C09K 13/06 101 13/10 13/10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金部材に、6価クロムイ
    オンと、硫酸イオンと、ふっ素あるいは錯ふっ化物を含
    有する酸性水溶液中において、陰極電解処理を施すに際
    して、当該電解処理に先立って、けい酸ソーダ,ほう酸
    ソーダおよび炭酸ソーダから選ばれる少なくとも1種か
    らなるアルカリビルダーの水溶液にて前記アルミニウム
    合金部材を洗浄することを特徴とする電解前処理方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金部材に、6価クロムイ
    オンと、硫酸イオンと、ふっ素あるいは錯ふっ化物を含
    有する酸性水溶液中において、陰極電解処理を施すに際
    して、当該電解処理に先立って、けい酸ソーダ,ほう酸
    ソーダおよび炭酸ソーダから選ばれる少なくとも1種
    と、りん酸イオンとして8g/L以下のりん酸ソーダか
    らなるアルカリビルダーの水溶液にて洗浄することを特
    徴とする電解前処理方法。
  3. 【請求項3】 陰極電解処理が6価クロムイオンを2g
    /L以上、硫酸イオンを20〜2000ppm、ふっ素
    あるいは錯ふっ化物を5〜400ppm含有するpH
    0.6〜1.7の酸性水溶液中において、0.5〜15
    A/dm2 の電流密度で行われることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の電解前処理方法。
  4. 【請求項4】 けい酸イオン,ほう酸イオンおよび炭酸
    イオンとして、それぞれ1〜20g/Lのけい酸ソー
    ダ,ほう酸ソーダおよび炭酸ソーダを含有する水溶液に
    て洗浄することを特徴とする請求項1,請求項2または
    請求項3記載の電解前処理方法。
  5. 【請求項5】 さらに界面活性剤が添加された水溶液に
    て洗浄することを特徴とする請求項1ないし請求項4の
    いずれかに記載の電解前処理方法。
JP07202795A 1995-03-29 1995-03-29 アルミニウム合金部材の電解前処理方法 Expired - Fee Related JP3276042B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07202795A JP3276042B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 アルミニウム合金部材の電解前処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07202795A JP3276042B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 アルミニウム合金部材の電解前処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08269757A true JPH08269757A (ja) 1996-10-15
JP3276042B2 JP3276042B2 (ja) 2002-04-22

Family

ID=13477526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07202795A Expired - Fee Related JP3276042B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 アルミニウム合金部材の電解前処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3276042B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010026876A1 (ja) * 2008-09-03 2010-03-11 中央精機株式会社 アルミホイールの製造方法
CN102953106A (zh) * 2012-11-20 2013-03-06 无锡常安通用金属制品有限公司 一种用于金属表面的保护层及其制备
CN104099621A (zh) * 2014-06-24 2014-10-15 江门百得利包装材料有限公司 一种弱碱性环保铝材表面脱脂剂以及其制作方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010026876A1 (ja) * 2008-09-03 2010-03-11 中央精機株式会社 アルミホイールの製造方法
JP2010059464A (ja) * 2008-09-03 2010-03-18 Chuo Motor Wheel Co Ltd アルミホイールの製造方法
KR101273749B1 (ko) * 2008-09-03 2013-06-12 니혼 파커라이징 가부시키가이샤 알루미늄 휠의 제조 방법
US8491809B2 (en) 2008-09-03 2013-07-23 Central Motor Wheel Co., Ltd. Process for production of aluminum wheel
CN102953106A (zh) * 2012-11-20 2013-03-06 无锡常安通用金属制品有限公司 一种用于金属表面的保护层及其制备
CN102953106B (zh) * 2012-11-20 2016-02-24 江苏高博智融科技有限公司 一种用于金属表面的保护层及其制备
CN104099621A (zh) * 2014-06-24 2014-10-15 江门百得利包装材料有限公司 一种弱碱性环保铝材表面脱脂剂以及其制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3276042B2 (ja) 2002-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2107746C1 (ru) Покрытия для металлических поверхностей, химически взаимодействующие с подложкой
US4878963A (en) Corrosion resistant aluminum coating composition
WO2000070123A1 (en) Process for the surface treatment of magnesium alloys
JP2010106334A (ja) 金属材料用化成処理液および処理方法
CA2784150C (en) Pretreatment process for aluminum and high etch cleaner used therein
GB2179680A (en) Method of forming phosphate coatings on zinc
US2213263A (en) Process of coating metals
JPH07126858A (ja) マグネシウム含有金属用化成処理液組成物、化成処理方法、および化成処理された材料
CA1330515C (en) Process of forming phosphate coatings on metals
GB2155960A (en) Processes and compositions for coating metal surfaces
US8486491B2 (en) Process for producing surface conditioned aluminum castings
JPH11323571A (ja) 表面処理したマグネシウム又はマグネシウム合金製品並びに塗装下地処理方法及び塗装方法
US3506499A (en) Method of surface-treating zinc,aluminum and their alloys
TW200419009A (en) Chrome free treatment for aluminum
Ogle et al. Phosphate conversion coatings
JPH08269757A (ja) アルミニウム合金部材の電解前処理方法
JP3088623B2 (ja) 金属表面のリン酸亜鉛皮膜形成方法
EP0032306B1 (en) Aluminium-coating solution, process and concentrate
GB1590597A (en) Treating a1 or a1 alloy surfaces
JP3737168B2 (ja) 高白色で塗装性に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
CN102859038A (zh) 准备和处理基材的方法
CA1267062A (en) Method for activating metal surfaces prior to zinc phosphation
US3556868A (en) Chromate coating composition and method
JPWO2019069920A1 (ja) クロムフリー金属表面処理剤
JPS6123275B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090208

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees