JPH08269678A - Zn被覆アルミニウム材の製造方法 - Google Patents

Zn被覆アルミニウム材の製造方法

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JPH08269678A
JPH08269678A JP6807695A JP6807695A JPH08269678A JP H08269678 A JPH08269678 A JP H08269678A JP 6807695 A JP6807695 A JP 6807695A JP 6807695 A JP6807695 A JP 6807695A JP H08269678 A JPH08269678 A JP H08269678A
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JP
Japan
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aluminum material
temperature
air
air blow
water
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Pending
Application number
JP6807695A
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English (en)
Inventor
Ichiro Iwai
一郎 岩井
Hiroyuki Eda
浩之 江田
Shuichi Murooka
秀一 室岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Altemira Co Ltd
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Zn皮膜の腐食を防ぎ、もって耐食性および
ろう付性に優れたZn被覆アルミニウム材の製造方法を
目的とする。 【構成】 アルミニウム材の表面に溶射によりZn皮膜
を形成した後、水冷し、続いてエアブローにより付着水
分を除去するZn被覆アルミニウム材の製造方法におい
て、前記エアブロー後のアルミニウム材表面の付着水分
量を100μg/cm以下とする。この方法におい
て、前記エアブロー後のアルミニウム材温度を室温より
も5〜50℃高くすること、前記冷却水は温度が20〜
70℃であること、前記エアブローのエア温度は20〜
80℃であること、あるいは前記エアブローの風速は1
0〜60m/secであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面にZn皮膜が形
成されたZn被覆アルミニウム材の製造方法に関するも
のである。
【0002】なお、この明細書において、アルミニウム
の語はその合金を含む意味で用いる。
【0003】
【従来の技術】アルミニウムは、軽量性、加工性、高熱
伝導性等の特徴を有しかつろう付も容易であることか
ら、熱交換器を始め各種製品の材料として広く使用され
る。また、アルミニウム材の用途に応じて、機能向上の
ために様々な表面処理を施したのちに使用される。
【0004】例えば、熱交換器に用いられるアルミニウ
ムチューブは、表面をZn皮膜で被覆し、該Zn皮膜の
陰極防食効果によりチューブの耐食性を高めている。こ
のようなアルミニウムチューブは、従来より図1に示す
工程を経て製造されている。即ち、押出されてくる押出
材に連続的にZnを溶射してZn皮膜を形成したのち、
冷却槽で常温近くまで水冷し、続いてエアブローにより
付着した冷却水を除去する。そして、保管の便宜上、防
錆油を塗布してコイルに巻き取るというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記エアブロ
ーでは冷却水が完全に除去されないことがあり、コイル
に巻き取った状態で長期間保管すると、残留水分により
Zn皮膜が腐食してその後の加熱時等にZnが十分に拡
散されずチューブの耐食性向上が認められないという問
題点があった。また、防食のために塗布する防錆油も、
残留水分量が多い場合には防食効果がない。またさら
に、Zn皮膜の腐食が激しい場合はフィン等とのろう付
を阻害するという問題さえも発生している。
【0006】この発明は、前記問題点を解消することを
目的として、Zn皮膜の腐食を防ぎ、ひいては耐食性お
よびろう付性に優れたZn被覆アルミニウム材の製造方
法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、実験と研究
を重ねた結果、Zn溶射後に使用する冷却水の残留付着
量を一定以下とすることにより、確実にZn皮膜の腐食
を防ぎ得ることを知見し、この発明の完成に至った。即
ち、この発明のZn被覆アルミニウム材の製造方法は、
アルミニウム材の表面に溶射によりZn皮膜を形成した
後、水冷し、続いてエアブローにより付着水分を除去す
るZn被覆アルミニウム材の製造方法において、前記エ
アブロー後のアルミニウム材表面の付着水分量を100
μg/cm以下とすることを特徴とするものである。
また、この方法において、前記エアブロー後のアルミニ
ウム材温度を室温よりも5〜50℃高くすること、前記
冷却水は温度が20〜70℃であること、前記エアブロ
ーのエア温度は20〜80℃であること、あるいは前記
エアブローの風速は10〜60m/secであることが
好ましい。
【0008】この発明において、Zn溶射法そのものは
特に限定されるものではなく、ガス、アーク、プラズマ
ジェット、レーザなどいかなる溶射方法も採用できる。
また、溶射材料もワイヤ、棒、粉末など何でも使用でき
る。
【0009】上記のような溶射は、アルミニウム材の製
造工程を完全に終了した後に、別ラインで行っても良い
が、特にアルミニウム材が押出材である場合には、押出
されてくる押出材に連続的に溶射を行うのが好ましい。
これは、押出工程と溶射工程とを同時的に実施し得て、
作業効率や生産性を向上し得るのみならず、押出直後の
押出材の表面は高温で活性であるため、付着したZn粒
子の母材への拡散浸透が容易かつスムーズに行われ、陰
極防食効果が大となるためである。
【0010】Zn溶射後、冷却水により常温近くまで冷
却され、エアブローにより水分除去されたアルミニウム
材は、Zn皮膜の腐食を抑制するために、付着水分量が
100μg/cm以下となるように十分に水分を除去
する必要がある。このように付着水分量を規定すること
により、Zn皮膜で被覆されたアルミニウム材を適宜切
断して保管する場合はもとより、コイルに巻き取って保
管する場合のような付着水分が蒸発しにくい場合にもZ
n皮膜の腐食を防止し、その後の加熱時において母材に
Znを十分に拡散させることができる。好ましい付着水
分量は20μg/cm以下である。
【0011】エアブロー後の付着水分量は、次に示す溶
射後の工程のうち少なくとも1つの工程条件を採用する
ことにより、確実に上記以下にすることができる。
【0012】第1の条件は、エアブロー後のアルミニウ
ム材温度を室温より5〜50℃高くなるようにすること
ある。エアブロー後においてもこの温度差があれば、エ
アブロー時にはさらに温度差が大きくなっており、付着
水分が蒸発しやすい状態になっている。エアブロー時の
蒸発促進のためには、前記温度差は5℃以上は必要であ
り、50℃あれば十分である。特に好ましい温度差は、
20℃以上である。
【0013】第2の条件は、冷却水として温水を用いて
溶射後のアルミニウム材を冷却し過ぎないようにするこ
とである。これは、冷却後のアルミニウム材温度を高目
に保つことにより、エアブローによる付着水除去を助長
するためである。冷却水温度が20℃未満では、アルミ
ニウム材が冷却され過ぎてエアブローによる付着水除去
が助長されない。一方、70℃を超えるとアルミニウム
材およびZn皮膜表面に水和酸化膜が成長してろう付の
阻害要因となる。また、押出工程と溶射工程とを連続し
て行う場合には、押出後の焼き入れ効果が小さくなる。
従って、冷却水温度は20〜70℃が好ましく、特に好
ましい冷却水温度の下限値は30℃であり、特に好まし
い上限値は50℃である。
【0014】エアブロー工程においては、エア温度が高
いほど、あるいは風速が速いほど付着水の除去が促進さ
れる。従って、第3の条件ではエアブロー時のエア温度
を定め、第4の条件では風速を定める。
【0015】第3の条件において、エアブロー時のエア
温度は20〜80℃の範囲とする。これは、エア温度が
20℃未満では付着水の除去が不十分であり、一方80
℃を超えるとアルミニウム材の冷却が緩やかになり過ぎ
て、Zn皮膜の完全な凝固が遅れるからである。エア温
度の特に好ましい下限値は40℃であり、特に好ましい
上限値は70℃である。
【0016】第4の条件において、エアブロー時の風速
を10〜60m/secの範囲とする。これは,10m
/sec未満では付着水を吹き飛ばす力が乏しく、一方
60m/secであれば付着水は十分に除去されるた
め、これ以上の風速とする格別の意味がないからであ
る。風速の特に好ましい下限値は20m/secであ
り、特に好ましい上限値は50m/secである。
【0017】以上の工程を経て製造したZn被覆アルミ
ニウム材は、必要に応じて防錆油を塗布し、さらに適当
な長さに切断し、あるいは切断することなくコイルに巻
き取る。
【0018】
【作用】Zn溶射、水冷、エアブローの各工程を経て製
造されるZn被覆アルミニウム材において、エアブロー
後の付着水分が100μg/cm以下に十分に除去さ
れているために、該アルミニウム材を長期間保管しても
Zn皮膜が腐食しない。
【0019】また、前記方法において、前記エアブロー
後のアルミニウム材温度を、室温よりも5〜50℃高く
することにより、前記付着水分量を確実に100μg/
cm以下に除去することができる。また、前記冷却水
の温度を20〜70℃に設定することによっても、前記
付着水分量を確実に上記以下に除去することができる。
さらに、前記エアブローのエア温度を20〜80℃に設
定する、あるいは風速を10〜60m/secに設定す
ることによっても確実に前記付着水分量を上記以下に除
去することができる。
【0020】
【実施例】次に、この発明にかかるZn被覆アルミニウ
ム材の製造方法の具体的一実施例について、図面を参照
しつつ説明する。
【0021】図1に示すように、押出機(1)から、J
IS1070Al合金からなり、図2に示す幅16mm
×高さ3mmの多孔偏平押出材(2)を押出したのち、
Zn溶射、冷却、エアブロー、防錆油塗布の順に各工程
を経て、コイル(3)に連続的に巻き取った。なお、前
記押出材(2)は、熱交換器用チューブとして用いられ
るアルミニウム材である。
【0022】前記Zn溶射は、粉末Znを溶射材料とす
るフレーム式溶射装置を用いて行い、押出機(1)の出
側直後の押出材(2)の上下に溶射ガン(4)(4)を
配置して全周面に15g/mのZn皮膜を形成した。
【0023】前記冷却は、冷却用水槽(5)において、
所定温度に設定した冷却水中にZn皮膜で被覆した押出
材(2)を浸漬することにより行った。
【0024】前記エアブローは、前記押出材(2)の上
下にエアノズル(6)(6)を配置して、温度制御した
エアを所定の風速にて送給することにより行った。
【0025】また、防錆油は、ローラ(7)(7)によ
り前記押出材(2)の全周面に塗布した。
【0026】上記のような製造ラインにおいて、押出速
度、冷却水温度、エアブローのエア温度および風速を変
えてZn被覆押出材を製造するとともに、エアブロー後
防錆油塗布前の位置(A)で、押出材(2)の表面温度
および付着水分量を測定した。これらの製造条件および
測定値を表1に示す。なお、室温は20℃であり、前記
押出材温度は実測値および室温との温度差の両方を示
す。
【0027】上記の方法で製造してコイルに巻き取った
各押出材を室温で10日間保管した後、肉眼で腐食状態
を調べるとともに、次に示す方法によりろう付性を試験
した。
【0028】(ろう付性試験)図2に示すように、適宜
切断して防錆油を洗浄除去した前記多孔偏平押出材
(2)の両面に、Alブレージングシート(8)をフィ
ン状にロール加工したものを組付けた。このAlブレー
ジングシート(8)は、JIS1050Al合金からな
る厚さ0.15mmの芯材の両面に、10wt%Si−A
lからなる厚さ15μm皮材をクラッドして製作された
ものである。次いで、前記組立物に弗化物系フラックス
懸濁液を塗布し乾燥した後、窒素ガス雰囲気中で580
℃×5分間加熱し、押出材(2)とブレージングシート
(8)とをろう付した。そして、接合部を肉眼で観察し
てろう付性を評価した。
【0029】これらの評価結果を表1に併せて示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果から明らかなように、この発明
の方法で製造したZn被覆アルミニウム材は、コイル状
態で長期間保管しても、Zn皮膜が腐食することなく、
良好にろう付できることを確認しえた。また、上記工程
条件のうち2つ以上を採用したものについては、特に良
好な結果が得られた。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のZn被
覆アルミニウム材の製造方法は、アルミニウム材の表面
に溶射によりZn皮膜を形成した後、水冷し、続いてエ
アブローにより付着水分を除去するZn被覆アルミニウ
ム材の製造方法において、前記エアブロー後のアルミニ
ウム材表面の付着水分量を100μg/cm以下とさ
れているために、該アルミニウム材を長期間保管しても
Zn皮膜が腐食せず、その後の加熱時等においてZnの
アルミニウム材への拡散を十分に行わせることができ
る。その結果、Znによる陰極防食効果が有効に発揮さ
れて耐食性に優れるとともに、ろう付性に優れたアルミ
ニウム材を製造できる。
【0033】また、前記方法において、前記エアブロー
後のアルミニウム材温度を室温よりも5〜50℃高くす
る、前記冷却水の温度を20〜70℃に設定する、前記
エアブローのエア温度を20〜80℃に設定する、ある
いは風速を10〜60m/secに設定するという工程
条件のうち、いずれか一つを採用することにより、前記
付着水分量を確実に100μg/cm以下とすること
ができ、二つ以上を採用することにより、一層確実に付
着水分を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる実施例において、押出工程と
同時的に溶射を行う場合の概略構成図である。
【図2】ろう付性試験に用いた供試材の斜視図である。
【符号の説明】
2…アルミニウム材(押出材) 4…溶射ガン 5…冷却用水槽 6…エアノズル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材の表面に溶射によりZn
    皮膜を形成した後、水冷し、続いてエアブローにより付
    着水分を除去するZn被覆アルミニウム材の製造方法に
    おいて、前記エアブロー後のアルミニウム材表面の付着
    水分量を100μg/cm以下とすることを特徴とす
    るZn被覆アルミニウム材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記エアブロー後のアルミニウム材温度
    は、室温よりも5〜50℃高い請求項1に記載のZn被
    覆アルミニウム材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却水は温度が20〜70℃である
    請求項1または2に記載のZn被覆アルミニウム材の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記エアブローのエア温度は20〜80
    ℃である請求項1乃至3のいずれかに記載のZn被覆ア
    ルミニウム材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エアブローの風速は10〜60m/
    secである請求項1乃至4のいずれかに記載のZn被
    覆アルミニウム材の製造方法。
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