JPH0826966A - 皮膚化粧料 - Google Patents

皮膚化粧料

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JPH0826966A
JPH0826966A JP18399594A JP18399594A JPH0826966A JP H0826966 A JPH0826966 A JP H0826966A JP 18399594 A JP18399594 A JP 18399594A JP 18399594 A JP18399594 A JP 18399594A JP H0826966 A JPH0826966 A JP H0826966A
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昌勝 大田
Hiroyuki Nishio
裕幸 西尾
Yoshimichi Iwamoto
佳倫 岩本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エモリエント効果、官能特性、安全性および安
定性に優れた皮膚化粧料を提供する。 【構成】下記構造式 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚化粧料に関し、さ
らに詳しくはエモリエント効果、使用時の官能特性、安
全性および安定性に優れた皮膚化粧料に関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】皮膚化
粧料にはエモリエント効果を目的に種々の油性基剤が配
合されている。従来より用いられていた油性基剤として
は、流動パラフィンおよびスクワランに代表される炭化
水素、オリブ油およびヒマシ油に代表されるトリグリセ
ライド、高級脂肪酸エステル、脂肪酸および高級アルコ
ール等が挙げられる。これらの中で、常温で液状の油性
基剤は、皮膚化粧料に相当量用いられ、効能・効果およ
び官能特性を決定する一因であることから重要視されて
いる。皮膚化粧料に応用される油性基剤の必要条件とし
て、上記のエモリエント効果および官能特性の他に、安
全性および安定性が挙げられる。
【0003】しかしながら、代表的な油性基剤である流
動パラフィンは、安定性および安全性には優れているも
のの、使用時の油性感が強く官能特性上好ましくない。
これを改善するため、分岐構造の炭化水素であるスクア
ランが用いられている。スクアランは流動パラフィンに
比較して官能特性上は優れているものの、十分とは言え
ず、また親水基を有していないので乳液およびクリーム
等の乳化型製剤以外への配合は困難である。
【0004】オリブ油およびヒマシ油に代表されるトリ
グリセライドは、肌なじみ等の使用感には優れているも
のの、天然品は不飽和結合を有するものや不純物を含む
ために安定性が悪い。そこで、飽和高級脂肪酸を用いた
トリグリセライドやエステル類が合成されているが、安
定性には優れているものの、皮膚刺激性を示すものが少
なくなく問題視されている。
【0005】高級脂肪酸および高級アルコールは常温で
固体のものが多く配合量に制限がある。不飽和の高級ア
ルコールおよび脂肪酸、または分岐の高級アルコールお
よび脂肪酸は常温で液状のものがあり、近年注目されて
いるが、前者は天然のトリグリセライドと同様に安定性
が悪く、後者は天然に存在しないものが多く、高価であ
る。
【0006】以上のように、従来の油性基剤にはそれぞ
れ問題点があり、これらの問題を解決するために、上記
の油性基剤を適宜混合し用いることや、新規の天然由来
トリグリセライドや合成エステル等の開発が行われてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】係る状況に鑑み鋭意検討
した結果、分岐構造を有するものが官能特性上優れてお
り、さらに水酸基に代表される親水基を有するものが各
種製剤への配合が容易であると考え、ビサボロールの水
素添加体である構造式化2で示される化合物を配合した
皮膚化粧料がエモリエント効果、使用時の官能特性、安
全性および安定性に優れていることを見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0008】
【化2】
【0009】すなわち、本発明は前記構造式化2で示さ
れる化合物を配合することを特徴とする皮膚化粧料であ
る。
【0010】さらに、本発明の皮膚化粧料に従来より用
いられている油性基剤を合わせて用いると、従来の基剤
に起因するヌルつき感および油性感等の官能特性上の欠
点が解消される。また、本発明の皮膚化粧料に用いられ
る前記構造式化2で示される化合物は、水酸基を有する
ために、ローションへの配合も容易であり、エモリエン
ト効果の高いローションを提供することが可能となる。
【0011】以下、本発明の構成の詳細について説明す
る。本発明に用いられる化合物は、前記構造式化2で示
され、抽出法、製法等は特に問わない。また、該化合物
には立体異性体が存在するが、何れか単独または2種以
上の混合物でも差し支えない。
【0012】本発明に用いられる化合物は、例えば、α
−ビサボロールをZ.Naturforsch.、C:
Biosci.、46(5−6)、349−356
(1991)に記載されている、Hashidokoら
の方法を用いて調製できる。本発明に用いられるビサボ
ロールの水素添加体を、以下水添ビサボロールという。
水素添加する前のビサボロールは、構造中に不飽和結合
を有するため、経時で変臭・変色する。
【0013】本発明に用いられる水添ビサボロールの配
合量は、特に限定されるものではないが、本発明の目的
である、エモリエント効果、使用時の官能特性、安全性
および安定性を示す範囲を検討した結果、最終組成物の
総量を基準に0.01〜20重量%が好ましい。
【0014】本発明が適用される製剤としては、ローシ
ョン、クリーム、乳液、パックおよび入浴剤等が挙げら
れる。
【0015】本発明の皮膚化粧料には、必須構成成分の
他に、上記製剤を形成するため、本発明の効果を損なわ
ない範囲で該製剤に応じた基剤、保存剤、香料および色
剤等を適宜配合することができる。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。なお、以下における%表示は、特に指定しない限
り、重量%を示す。
【0017】実施例中の官能試験、安全性試験および保
存安定性試験は以下の通りである。
【0018】(官能試験および安全性試験)20名の女
性パネラーによる実用テストを実施し、「感触」、「エ
モリエント効果」、「皮膚刺激性」について、「感触が
良い」、「エモリエント効果が高い」、「皮膚刺激性が
無い」と答えた人数で評価した。
【0019】(保存安定性試験)5℃および40℃の恒
温槽に試料を1か月間保存し、両者の着色および匂いの
変化を比較し、変化の無いものを○、若干変化のあるも
のを△、著しい変化のあるものを×とした。
【0020】実施例1 ローション剤
【0021】
【表1】
【0022】表1の組成の通り、本発明のローションを
常法に従って調製し、上記の試験を実施した。
【0023】比較例1 ローション剤
【0024】
【表2】
【0025】表2の組成の通り、比較用のローションを
常法に従って調製し、上記の試験を実施した。
【0026】実施例2 クリーム
【0027】
【表3】
【0028】表3の組成の通り本発明の水添ビサボロー
ルを配合したクリームを常法に従って調製し、上記試験
を実施した。
【0029】比較例2 クリーム
【0030】
【表4】
【0031】表4の組成の通り比較用のクリームを常法
に従って調製し、上記試験を実施した。
【0032】実施例3 乳液
【0033】
【表5】
【0034】表5の組成の通り本発明の水添ビサボロー
ルを配合した乳液を常法に従って調製し、上記試験を実
施した。
【0035】比較例3 乳液
【0036】
【表6】
【0037】表6の組成の通り比較用のクリームを常法
に従って調製し、上記試験を実施した。
【0038】実施例1〜3および比較例1〜3の、上記
官能試験および安定性試験結果を表7に示す。
【0039】
【表7】
【0040】表7に示した如く、本発明の実施例1〜3
は、官能特性、安全性および安定性に優れており、水添
ビサボロールを応用した本発明の皮膚化粧料が各種製剤
形態で優れていることは明かである。水添ビサボロール
の替わりにスクワランを用いた比較例1は感触がやや劣
り、安定性が著しく悪くスクワランが分離してしまっ
た。水添ビサボロールの替わりに流動パラフィンを用い
た比較例2は、安定性には優れているものの、感触が著
しく悪かった。水添ビサボロールの替わりにミリスチン
酸イソセチルを用いた比較例3は、感触およびエモリエ
ント効果に著しく劣り、刺激を感じるパネラーもあり安
全性上も問題視される。
【0041】実施例4 化粧水
【0042】
【表8】
【0043】表8の組成の通り常法に従い本発明の水添
ビサボロールを配合したローションを調製した。
【0044】実施例5 乳液
【0045】
【表9】
【0046】表9の組成の通り常法に従い本発明の水添
ビサボロールを配合した乳液を調製した。
【0047】実施例6 パック
【0048】
【表10】
【0049】表10の組成の通り常法に従い本発明の水
添ビサボロールを配合したパックを調製した。
【0050】実施例7 ヘアートニック
【0051】
【表11】
【0052】表11の組成の通り常法に従い本発明の水
添ビサボロールを配合したヘアートニックを調製した。
【0053】実施例4〜7は上記の官能特性試験、安全
性および安定性の各項目において何れも優れていた。
【0054】
【発明の効果】以上記載の如く、本発明は、エモリエン
ト効果、官能特性、安全性および安定性に優れた皮膚化
粧料を提供することは明かである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式 【化1】 で示される化合物を配合することを特徴とする皮膚化粧
    料。
JP18399594A 1994-07-12 1994-07-12 皮膚化粧料 Expired - Fee Related JP2731353B2 (ja)

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