JPH08268558A - 粉粒体圧送用テーブルフィーダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 原料を連続的に定量供給でき、圧送する際に
も脈動を生じにくいテーブルフィーダ。 【構成】 テーブルは、粉粒体が供給されるチャンバ１
の底部に固定され、その中心に回転軸部材３が上下方向
に延びるように配設されている。スクレーパ７は、テー
ブルの外周端からテーブルの中心に向けて延びると共に
周方向に間隔を置いて多数配設され、その内方端を回転
軸部材３に固定されて回転軸部材３と共にテーブル上を
水平方向に回転する。また排出口９は外方端部９ａが内
方端部９ｂよりも幅広に形成されている。スクレーパ７
によって払われるテーブル領域の内周端から外周端にか
けて延びる排出口の２つの側縁は、回転するスクレーパ
７と斜めに交差し、常時複数のスクレーパ間空間にまた
がる長さを持っている。そして、排出口の上方はスクレ
ーパ７が回転する高さ部分を残して遮蔽部材によって覆
われている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、粉粒体の連続排出装置
として使用されるテーブルフィーダに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】粉粒体が供給されるサイロやチャンバな
どの底部に装備されて粉粒体を連続排出するテーブルフ
ィーダは、一般に、図９に示すようにチャンバＡの底部
に水平方向に回転するテーブルＢを設け、このテーブル
上の粉粒体をスクレーパＣによってテーブルＢの排出口
Ｄから下方に払い落として外部に排出する。排出量は、
通常、スクレーパＣの押込み深さや角度を変えることで
調整される。

【０００３】また、図１０に見られるように粉体貯留ビ
ンａの底部から安息角分だけはみ出した原料を固定テー
ブルｂ上を回転する払い出し用の多数の外周羽根ｃによ
って排出口ｄに運ぶ一方、貯留ビン底部の原料を回転す
る中央羽根ｅによって周方向に導き、これを同様に外周
羽根ｃによって排出口ｄに運ぶようにしたテーブルフィ
ーダも提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】ところが、こうした
従来のテーブルフィーダは、いずれも基本的には粉粒体
の安息角を利用して排出するものであるから、粉粒体の
粒度組成変化や湿分などの変化によって取出量が異なっ
てしまい、定量性に欠ける。

【０００５】また、後者のフィーダでは、原料を単純な
矩形状をした排出口ｄから外周羽根間の空間に位置する
ものごとに排出するものであるから、排出口ｄの下方に
圧送管を配して離れた所に粉粒体を圧送する場合など、
脈動を生じ易い。

【０００６】本発明の目的は、原料を連続的に定量供給
でき、圧送する際にも脈動を生じにくいテーブルフィー
ダを提供することにある。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】本発明は、上記した目
的を達成するために、テーブル上に供給された粉粒体を
スクレーパによってテーブルの排出口からテーブル下方
の圧送管に払い落とし、この圧送管を介して粉粒体を空
気圧によって所定の箇所に移送する、粉粒体圧送用テー
ブルフィーダにおいて、次の構成を具備させた点に特徴
がある。先ず、上記テーブルは、粉粒体が供給されるチ
ャンバの底部に固定され、その中心に回転軸部材が上下
方向に延びるように配設されている。スクレーパは、テ
ーブルの外周端からテーブルの中心に向けて延びると共
に周方向に間隔を置いて多数配設され、その内方端を上
記回転軸部材に固定されて回転軸部材と共にテーブル上
を水平方向に回転する。また排出口は外方端部が内方端
部よりも幅広に形成されている。スクレーパによって払
われるテーブル領域の内周端から外周端にかけて延びる
排出口の２つの側縁は、回転するスクレーパと斜めに交
差し、常時複数のスクレーパ間空間にまたがる長さを持
っている。そして、排出口の上方はスクレーパが回転す
る高さ部分を残して遮蔽部材によって覆われている。

【０００８】

【作用】このテーブルフィーダは、上方から流下した粉
粒体をスクレーパが回転しつつスクレーパ間空間に保持
し、これを遮蔽部材下方の排出口へと運ぶ。

【０００９】排出口は、側縁が複数のスクレーパ間空間
にわたる長さをもってスクレーパと斜めに交差するの
で、回転方向手前側の側縁に沿って複数のスクレーパ間
空間から常時等量の粉粒体が排出口内に払い落とされ
る。

【００１０】スクレーパは、その回転中、上記回転方向
手前の側縁と一致する位置にくることないので、粉粒体
の落下をとぎれさせることがなく、圧送管を介して定量
の粉粒体が連続的に移送される。

【００１１】

【実施例】以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳
説する。図１は本発明の一実施例に係るテーブルフィー
ダの断面図、図２はその平面図、図３はこれを組み込ん
だ粉粒体連続定量供給装置の断面図である。

【００１２】図中符号１は、上記図３の供給装置の最下
部に位置する下部チャンバ１で、その底部にテーブル２
が固定されている。このテーブル２は、基盤２ｂの上面
に例えば粉粒体の付着しにくい表面特性と耐磨耗性とを
持つ高分子材のプレート２ａを固着して成るのが望まし
い。３は上記テーブル２の中心部に起立した回転軸部材
である。この回転軸部材３は、テーブル２を貫通する軸
本体３ａとテーブル上面に突出した軸本体３ａを覆うフ
ード３ｂとから成る。軸本体３ａとフード３ｂは、軸本
体下部がテーブル２の下方に配設したモータ４からの駆
動力を受けることにより一体的に回転する。５はフード
取付け用スリーブ、６は軸本体の軸受けである。

【００１３】また、７は上記テーブル２の上面を水平方
向に回転するスクレーパで、テーブル２の中心部から外
周端に向けて延びると共に周方向に均等の間隔を置いて
放射線状に多数配設されている。各スクレーパ２の内方
端は回転軸部材３ａのフード取付け用スリーブ５に固定
されている。符号Ｓは隣接するスクレーパ間の粉粒体保
持空間を示す（図２参照）。

【００１４】１０はテーブルの下方に配設された粉粒体
の圧送管で、この圧送管１０の上方に位置するテーブル
板面には粉粒体の排出口９が形成されている。排出口９
と圧送管１０の投入口１０ａは排出管１１を介して連通
している（図１参照）。

【００１５】排出口９は、図２に示すように外方端部９
ａが内方端部９ｂよりも幅広に形成されている。そし
て、スクレーパ７によって粉粒体が払いとられるテーブ
ル領域をその内周端から外周端にかけて延びる２つの側
縁９ｃ，９ｄは、図中スクレーパ７が反時計方向に回転
するとして、側縁外端が側縁内端よりも回転方向前方に
位置するようにスクレーパ７に対して斜めに交差し、か
つ常時複数のスクレーパ間空間Ｓにまたがる長さを持
つ。

【００１６】８は、チャンバ内で排出口９の上方を斜め
に覆うバッフルで、その下端はスクレーパ７が回転でき
る位置にある。

【００１７】図３を参照するに、図中符号１２は連続圧
送装置における粉粒体の滞留タンク、１３と１４はこの
タンク１２と本テーブルフィーダとの間にあっって粉粒
体を随時テーブルフィーダに供給する２段のリフトダン
パ、１５は上下段のリフトダンパ１３，１４によって上
下に区切られた各空間と圧送管内との圧力を対応する組
み合わせにおいて等圧に調整するための管路である。各
リフトダンパ１３，１４は円錐形を成し、エアシリンダ
によって上下方向に変位することにより、各リフトダン
パ上方空間の底部を開閉する。

【００１８】滞留タンク１２からリフトダンパ１３，１
４を経て下部チャンバ内に連続的に落下した粉粒体は、
スクレーパ間の空間Ｓに保持されてテーブル上を排出口
９に向けて運ばれる。

【００１９】スクレーパ７の保持空間内の粉粒体が排出
口９を通過する状況を図４から図８を参照しつつ説明す
る。先ず、図４において、実線で示したスクレーパ７Ａ
と７Ｂの間の保持空間Ｓ1にある粉粒体は排出口９の内
方端部９ｂの直前に位置している。この状態から軸部材
３が僅かに回転すると、図５に見られるように保持空間
Ｓ1の径方向内側の部分の一部に排出口９の内方端部９
ｂが侵入し、この部分の粉粒体は排出口９の同端部９ｂ
より落とされる。

【００２０】回転が進んで図６に示す位置にくると、排
出口９の図中下方の側縁９ｃによって左右に分断された
保持空間のうち、中心方向つまり左側の保持空間内の粉
粒体は既に排出口９より落下され、右側に位置する空間
の粉粒体が払い落とされつつある。このとき、後続の保
持空間Ｓ2が排出口９の内方端部９ｂの直前に位置し、
図１の保持空間Ｓ1と同じ状況にある。

【００２１】更に回転が進んだ図７では、先行する保持
空間Ｓ1の粉粒体の払い落とされつつある図中右側領域
が一段と狭められ、一方、後続の保持空間Ｓ2の径方向
内側の一部に排出口９の内方端部９ｂが侵入してこの部
分の粉粒体が落とされつつある。

【００２２】そして、図８の状態まで回転が進むと、先
行する保持空間Ｓ1の粉粒体はほぼ払い落とされ、後続
の保持空間Ｓ2が排出口９の図中下方の側縁９ｃによっ
て左右に分断され（先行保持空間Ｓ1での図６と同じ状
況）、保持空間Ｓ2における右側の部分の粉粒体の払い
落としが進行する。このときには、更に後続の保持空間
Ｓ3が排出口９の内方端部９ｂに近接して、先行保持空
間Ｓ1,Ｓ2についてそれぞれ図４と図６に示したのと同
じ位置に来る。

【００２３】従って、このテーブルフィーダでは、スク
レーパ７の回転方向後方に位置する排出口側縁９ｃの全
体が常時２つの保持空間Ｓn，Ｓn+1に跨るようにして斜
めに交差し（図４から図８参照）、スクレーパ７の回転
に伴い上記側縁７ｃの手前にある保持空間部分の粉粒体
を排出口内に受け入れさせる。このため、スクレーパ７
によって運ばれる粉粒体をスクレーパ７の通過によって
とぎれさせたりすることなく常に均一の量だけ排出口か
ら落下させる。しかも、排出口９が内方端部９ｂよりも
外方端部９ａを幅広にしてあるので、保持空間７の外周
側の量の多い粉粒体も確実に払い落とされる。これによ
って排出口下方の圧送管によって粉粒体が連続的に定量
圧送されることになる。

【００２４】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、排出
口の開口側縁に対してスクレーパが常時複数のスクレー
パ間空間を臨ませた状態で斜めに交差するので、上記開
口側縁から常に均一の量の粉粒体をテーブル下方の圧送
管に払い落とすことができる。また、スクレーパが、回
転中に上記開口側縁からの粉粒体の落下をとぎらせるよ
うな位置にくることもないので、圧送管からの粉粒体の
移送に脈動を生じさせることもなく、一定量の粉粒体を
所望の位置に連続供給することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るテーブルフィーダの縦
断面図。

【図２】図１のテーブルフィーダの平面図。

【図３】図１と図２のテーブルフィーダを装備させた粉
粒体供給装置の全体断面図。

【図４】稼働中における排出口とスクレーパ及びスクレ
ーパ間空間の位置関係を示す説明図。

【図５】図４から更に回転が進んだ状態の排出口とスク
レーパ及びスクレーパ間空間の位置関係を示す説明図。

【図６】図５から更に回転が進んだ状態の排出口とスク
レーパ及びスクレーパ間空間の位置関係を示す説明図。

【図７】図６から更に回転が進んだ状態の排出口とスク
レーパ及びスクレーパ間空間の位置関係を示す説明図。

【図８】図７から更に回転が進んだ状態の排出口とスク
レーパ及びスクレーパ間空間の位置関係を示す説明図。

【図９】従来例の概念構成図。

【図１０】図９とは異なる従来例の要部を示す平面図。

【符号の説明】

１・・・・・・下部チャンバ ２・・・・・・固定テーブル ３・・・・・・回転軸部材 ４・・・・・・モータ ７・・・・・・スクレーパ ８・・・・・・バッフル ９・・・・・・排出口 ９ａ・・・・・排出口の外方端部 ９ｂ・・・・・排出口の内方端部 ９ｃ，９ｄ・・排出口の側縁 １０・・・・・圧送管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テーブル上に供給された粉粒体をスクレー
   パによってテーブルの排出口からテーブル下方の圧送管
   に払い落とし、この圧送管を介して粉粒体を空気圧によ
   って所定の箇所に移送する、粉粒体圧送用テーブルフィ
   ーダにおいて、 上記テーブルは、粉粒体が供給されるチャンバの底部に
   固定され、その中心に回転軸部材が上下方向に延びるよ
   うに配設され、 上記スクレーパは、テーブルの外周端からテーブルの中
   心に向けて延びると共に周方向に間隔を置いて多数配設
   され、その内方端を上記回転軸部材に固定されて回転軸
   部材と共にテーブル上を水平方向に回転し、 上記排出口は、外方端部が内方端部よりも幅広に形成さ
   れ、 排出口の対向する２つの側縁は、スクレーパによって払
   われるテーブル領域の内周端から外周端にかけてスクレ
   ーパと斜めに交差するように延び、常時複数のスクレー
   パ間空間にまたがる長さを持ち、 また、排出口の上方はスクレーパが回転する高さ部分を
   残して遮蔽部材によって覆われている、 ことを特徴とする粉粒体圧送用テーブルフィーダ。
2. 【請求項２】前記排出口の２つの側縁は、それぞれその
   外端が内端よりもスクレーパの回転方向前方に位置して
   スクレーパと斜めに交差することを特徴とする請求項１
   に記載の粉粒体圧送用テーブル。