JPH08267053A - 電解二酸化マンガン吸着剤によるヒ素の除去方法及びヒ素除去用吸着剤 - Google Patents

電解二酸化マンガン吸着剤によるヒ素の除去方法及びヒ素除去用吸着剤

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JPH08267053A
JPH08267053A JP9769595A JP9769595A JPH08267053A JP H08267053 A JPH08267053 A JP H08267053A JP 9769595 A JP9769595 A JP 9769595A JP 9769595 A JP9769595 A JP 9769595A JP H08267053 A JPH08267053 A JP H08267053A
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Takahiko Saito
隆彦 斉藤
Masaru Kato
勝 加藤
Masatoshi Ogawa
正俊 小川
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Suido Kiko Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒ素を含む原水を水源とする浄水処理及びヒ
素を含む産業廃水処理に関する。 【構成】 ヒ素を含む表流水、地下水、湧水、伏流水、
湖沼水等を水源とする原水の浄水処理及びヒ素を含む産
業排水処理において、ヒ素の除去方法の1つである吸着
法の吸着剤として、電解二酸化マンガンを造粒して生成
した吸着剤を使用し、3価のヒ素を5価のヒ素に酸化す
るための酸化剤として、塩素、次亜塩素酸ソ−ダ、オゾ
ン等を使用し、鉄、マンガン等が含有する原水では凝集
剤を使用する方法であり、かつ電解二酸化マンガンの形
態が、β型二酸化マンガン単独或いはβ型二酸化マンガ
ンとγ型二酸化マンガンとが混在した、又はγ型二酸化
マンガン単独でマクロ的にポ−ラスでしかも表面が活性
な塊状二酸化マンガンからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ヒ素を含む原水を水
源とする浄水処理及びヒ素を含む産業廃水処理に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】平成5年12月から、水道法の水質規準
の改正により、ヒ素の基準値が0.05mg/lから0.01mg/lへ
強化された。従来、ヒ素を含む水の処理方法としては、
共沈法、イオン交換法、逆浸透膜法、吸着法(活性アル
ミナ、活性炭等)等があるが、上記基準値以下に低減す
る実用的な技法は、目下のところ確立されていないのが
現状である。
【0003】上記各種処理方法のうち、共沈法は、地下
水のように濁質が極めて低い原水に対しても原水中のヒ
素を除去するには多量の凝集剤(PAC等の水酸化アル
ミニウムフロツクを形成する凝集剤)を注入しなければ
ならない。このため、発生する凝集汚泥の濃縮性が非常
に悪い。したがつて通常の浄水汚泥処理では、汚泥濃度
を高める目的で行なわれる「アルミニウム回収処理(酸
処理とも言われ、アルミニウムを酸処理して溶解回収す
る。)」 この方法では、凝集汚泥中に濃縮されているヒ素も再溶
出してしまう。
【0004】ヒ素水質は汚濁防止法において有害物質に
指定されており、排水許容濃度が0.1mg/lと低いことか
ら、その排水基準を満たすために汚泥からの再溶出を防
止しなければならず、アルミニウム回収処理は適用でき
ない。このため、濃縮性を犠牲にして処理するか、凝集
助剤などの添加処理等、汚泥量が増加する方法で処理を
行なわなければならない(日本水道協会編平成5年版第
44回全国水道研究発表会講演集P129〜131 凝集沈殿に
おけるヒ素除去及び水道協会雑誌No.672,P2〜15(1990)
小林 三樹;浄水スラツジ処理におけるアルミニウム回
収参照)。
【0005】イオン交換法や逆浸透膜法では、再生工程
や洗浄工程からの排水中に含まれるヒ素について共沈法
と同様に排水基準を満たすために排水処理をしなければ
ならない(水道浄水プロセス協会、P96〜100、高度浄水
処理技術の技術指針参照)。
【0006】吸着法では、ヒ素を吸着剤に捕捉するため
ヒ素を含む排水を系外に排出させないことも可能である
が、吸着剤として活性アルミナを使用する場合には、ヒ
素の吸着力を保持するため、pH調整(pH5〜6)を行
なわなければならない。また、活性炭は、ヒ素の吸着量
が極めて小さい(日本水道協会;平成6年第45回全国
水道研究発表会講演集P244〜245 活性アルミナによる原
水中ヒ素除去方法の検討参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した従
来方法の欠点を補い、水中のヒ素を効果的に除去する方
法並びにそのために使用される吸着剤を提供しようとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記の課題
を解決するために、ヒ素除去方法として吸着法、吸着剤
としては前記の電解二酸化マンガンより造粒した吸着剤
を使用するものである。この発明によりヒ素を含む排水
が排出させないことも可能であり、活性アルミナで必要
となるpH調整を行なわずに良好にヒ素が除去され、ま
た、活性炭より優れた吸着性が得られる。ヒ素を吸着・
飽和した吸着剤は、従来から行なわれている粒状活性炭
吸着処理法と同様に系外に搬出再生又は処分される。
【0009】この発明は、ヒ素を含む表流水、地下水、
湧水、伏流水、湖沼水等を水源とする原水の浄水処理及
びヒ素を含む産業排水処理において、ヒ素の除去方法の
1つである吸着法の吸着剤として、電解二酸化マンガン
を造粒して生成した吸着剤を使用することを特徴とした
ヒ素の除去方法を提案し、かつその実施にあたつて、前
記電解二酸化マンガンを造粒した吸着剤を使用するヒ素
除去方法において、3価のヒ素を5価のヒ素に酸化する
ための酸化剤として、塩素、次亜塩素酸ソ−ダ、オゾン
等を使用するし、かつ前記の電解二酸化マンガンを造粒
して吸着剤を使用するヒ素除去方法において、鉄、マン
ガン等を含有し、かつケイ酸イオンを20mg/l以上含有す
る原水では凝集剤を使用し、更にヒ素除去用吸着剤とし
ての電解二酸化マンガンの形態が、β型二酸化マンガン
単独或いはβ型二酸化マンガンとγ型二酸化マンガンと
が混在した、又はγ型二酸化マンガン単独でマクロ的に
ポ−ラスでしかも表面が活性な塊状二酸化マンガンを提
案するものである。
【0010】
【作用】この発明は、吸着剤として活性度の高いβ型二
酸化マンガン又はγ型二酸化マンガン粒子を用い、3価
のヒ素を5価のヒ素に酸化するための塩素、次亜塩素酸
ソ−ダ、オゾン等の酸化剤の存在下において、ヒ素含有
水を吸着ろ材層で単に通水ろ過するだけで、吸着ろ材層
で、吸着作用によつて、水中に溶存する3価の亜ヒ酸
(As2O3)を、上記酸化剤により酸化させ5価のヒ酸(H3
AsO4)として、ろ材に吸着させる。
【0011】この発明で用いる電解二酸化マンガンの製
造方法において、γ型二酸化マンガンには天然産のラム
スデライト、人工の電解二酸化マンガン等が用いられ、
このγ型二酸化マンガンから熱処理温度が200℃以上に
なると、一部β型二酸化マンガンが生成して、変態がは
じまるためβ-γ混相型二酸化マンガン、あるいはβ型
二酸化マンガンを得ることができる。これら、β型、γ
型二酸化マンガン粒子の物性的特性は、実比重4.8〜4.
9、見掛け比重約2.5、平均細孔径約400オングストロ−
ム、細孔容積約0.32cm3/g、気孔度約61%、比表面積20〜
25cm2/gを示し、活性度の高い吸着ろ材として適用でき
るものである。図7にこの発明のろ材の電子顕微鏡写真
を示す。
【0012】発明者等はこの発明で用いる電解二酸化マ
ンガンを用いて特公平1−35714、特開昭64−4
3391、特開昭64−90092、特開平1−996
89において、それぞれ色度、カビ臭、トリハロメタン
前駆物質、有機物質の除去方法の発明を開示している
が、これら物質の除去原理は、上記電解二酸化マンガン
が水中に溶解状態のこれらの物質に酸化触媒ととして作
用し、酸化剤と併用することにより酸化分解の促進作用
によるものである。しかしながら、本発明者はこの電解
二酸化マンガンが水中に溶存するヒ素の除去にも有効で
あることを見い出した。
【0013】前記電解二酸化マンガンが水中に溶存する
ヒ素の除去にも有用であるという理論的な解明は未確認
であるが、おそらくは次のような原理であろうと解釈さ
れる。すなわち水中に溶存するヒ素(H3AsO4)の化合物の
形態で存在することは知られている。特に深井戸等の還
元条件での原水は亜ヒ酸(As2O3)が主体である。
【0014】前出の日本水道協会;平成6年第45回全
国水道研究発表会講演集P244〜245活性アルミナによる
原水中ヒ素除去方法の検討において活性アルミナを用い
た吸着による水中のヒ素除去でも述べられているよう
に、吸着効果を利用するには、5価のヒ素形態の方が望
ましいようである。ここで3価のヒ素の形態を5価のヒ
素の形態に変化させるため、酸化剤として塩素又は次亜
塩素酸ソ−ダ、オゾン等を原水中に添加する。この状態
で原水を該電解二酸化マンガンろ材層を通す。
【0015】ここでこの電解二酸化マンガンと活性アル
ミナの比表面積を比較すると、活性アルミナの方が10
倍以上も大きい。この比表面積からすると活性アルミナ
の吸着能が数段と優れていると考えられる。しかしなが
ら、後述の実施例の図1(活性アルミナでpH調整せず
との比較)及び図3(活性アルミナでpH調整したもの
との比較)からもわかるように、吸着能は比表面積とは
逆に前記電解二酸化マンガンが優れている。この理由は
この電解二酸化マンガンがヒ素に対して選択的に親和力
が強く作用し、吸着能が比表面積以上に高まる。
【0016】(1)各吸着材のヒ素除去能の比較 ヒ素に対する吸着能を有する物質として、活性アルミ
ナ、活性炭等が知られている。図1に各吸着剤のヒ素除
去能を示す。試験方法は、各吸着剤をろ過カラムに各10
0.0g充填し、ヒ素濃度が0.05mg/lの原水を空塔速度(S
V)10 l/Hrで連続通水した。なお、原水中のヒ素の形態
は、3価の亜ヒ酸であり、酸化の目的で次亜塩素酸ソ−
ダを遊離残留塩素として1.0mg/lとなるように注入し
た。また、原水のpH調整はいずれの吸着剤についても
行なつていない。
【0017】図1に示すように、活性炭は通水倍数(水
量/ろ材容積)が約100で、活性アルミナは通水倍数約1
800で水道法の水質基準値である0.01mg/lを超過し、短
時間で破過することがわかる。一方、電解二酸化マンガ
ンは、通数倍数約14300で水質基準値を超過しており、
活性炭の約140倍、活性アルミナの約8倍の寿命を有す
ることが確認できた。なお、この時の原水とそれぞれの
処理水のpH値は、約6.8〜7.5の範囲であつた。
【0018】(2)処理pH値とヒ素除去効果への影響 活性アルミナを用いたヒ素除去方法は、pH値を5〜6
程度に調整することが最も吸着能を有することが知られ
ている。図2に活性アルミナと電解二酸化マンガンの両
吸着剤のpH値によるヒ素除去効果への影響について示
す。被試験材は、乾燥済み両吸着剤を粉末に粉砕し、10
0メツシユの篩いで篩つたものを使用した。試験方法
は、ヒ素濃度として0.06mg/lに調整した原水に被試験材
を200mg/l注入し、17時間攪拌した後のヒ素濃度を測定
した。
【0019】活性アルミナはpH値の影響を受けるが、
電解二酸化マンガンはpH値の影響をほとんど受けな
い。また、図3にヒ素を含む原水を両吸着剤を充填した
カラムに連続通水した処理試験結果を示す。試験方法
は、各吸着剤をろ過カラムに各100.0g充填し、ヒ素濃度
が0.05mg/lの原水を空塔速度10 l/Hrで連続通水した。
前記(1)の試験同様、次亜塩素酸ソ−ダを遊離残留塩
素として1.0mg/lとなるように注入した。ここで、原水
は当該二酸化マンガンにおいてpH値調整を行なわず、
活性アルミナではpH値を最もヒ素吸着能の高い5.0に
調整している。
【0020】活性アルミナは通水倍水約8700で水道法の
水質基準値である0.01mg/lを超過し、前記(1)の試験
結果から示された通水倍率1800よりは寿命は延長した
が、当該二酸化マンガンの通水倍数14300には及ばなか
つた。よつて、当該二酸化マンガンはpH調整を行なつ
た活性アルミナよりも、ヒ素除去能力が高いことが示さ
れた。
【0021】(3)従来のマンガン砂との比較 従来、鉄、マンガンの接触酸化用ろ材として使用されて
いる通称マンガン砂とは、酸性白土、ケイ砂、ゼオライ
ト、アンスラサイト、シヤモツト等逆洗可能な担体粒子
に接触酸化性の二酸化マンガン(MnO2・H2O)の被膜を生成
させたろ材である。図4に当該電解二酸化マンガンを造
粒した吸着剤とシヤモツトに二酸化マンガンを被膜させ
たマンガン砂とのヒ素除去の比較の連続通水試験結果を
示す。試験方法は、前述の通水試験と同様である。マン
ガン砂は、短時間の内に破過し処理水水質の悪化がみら
れ、従来からあるマンガン砂では良好なヒ素除去効果が
得られず吸着剤としては、当該電解二酸化マンガンを造
粒した吸着剤ではなければならないことが確認された。
【0022】〈ヒ素除去の具体例その1〉図5は、処理
対象がヒ素のみの場合や凝集剤を添加しなくても鉄、マ
ンガンが除去できる場合の発明の具体例を示す。 原水は、原水槽1から原水ポンプ2により電解二酸化
マンガン吸着剤を充填した吸着塔6に送られる。その間
にヒ素の酸化と滅菌を目的に酸化剤(例えば次亜塩素酸
ソ−ダ等)タンク3から酸化剤注入ポンプ4により管路
内に酸化剤が注入され、さらにパイプミキサ5により混
合が行なわれる。 吸着塔6を原水が通過する過程でヒ素及び鉄、マンガ
ンは、電解二酸化マンガン吸着剤に吸着除去される。 処理水は、浄水として別途浄水施設に移送される。 なお、吸着塔6は、原水水質により空塔速度(SV)を低く
する場合には、吸着塔を複数設けて直列に通水する(メ
リ−ゴ−ランド)方式にすることも可能である。
【0023】当該方法でヒ素を含む深井戸水を処理した
結果を表1に示す。ここで、当該方法で吸着剤が異なる
もの(活性アルミナ、マンガン砂、活性炭)についても
同様に処理を行なつた結果を併記する。なお、示された
数値は通数倍数2000倍時の処理結果である。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示すように、ヒ素除去については電
解二酸化マンガンが一番良好に除去されており、原水の
0.0281mg/lから0.0005mg/lまで除去されている。その他
の吸着剤については0.011〜0.024mg/lの範囲で水道法の
水質基準値を超過していた。ただし、活性アルミナで
は、処理pH値を5.5に下げることにより、ヒ素濃度は
0.0005mg/lまで低下している。また、電解二酸化マンガ
ンでは、鉄、マンガンについても良好に除去されている
ことがわかる。
【0026】〈ヒ素除去の具体例その2〉図6は、処理
対象がヒ素だけでなく、鉄、マンガンも除去対象であ
り、かつ原水中のケイ酸濃度が20mg/l以上であつて、鉄
やマンガンがコロイド化する場合の発明の具体例を示
す。 原水は、原水槽1から原水ポンプ2により電解二酸化
マンガン吸着剤を充填した吸着塔8に送られる。その間
にヒ素の酸化と滅菌を目的に酸化剤(例えば次亜塩素酸
ソ−ダ等)タンク3から酸化剤注入ポンプ4により酸化
剤が、また鉄、マンガンのマイクロフロツク化を目的に
凝集剤(PAC等)タンク5から凝集剤注入ポンプ6に
より凝集剤が、それぞれ管路内に注入され、さらにパイ
プミキサ7により混合が行なわれる。 吸着塔6を原水が通過する過程でヒ素及び鉄、マンガ
ンは、電解二酸化マンガン吸着剤に吸着除去される。 処理水は、浄水として別途浄水施設に移送される。 なお、吸着塔8は、原水水質により空塔速度(SV)を低く
する場合には、吸着塔を複数設けて直列に通水する(メ
リ−ゴ−ランド)方式にすることも可能である。
【0027】当該方法でヒ素を含む深井戸水を処理した
ので、結果を表2に示す。ここで、当該方法で吸着剤が
異なるもの(活性アルミナ、マンガン砂、活性炭)でも
同様に処理を行なつたので結果を併記する。なお、示さ
れた数値は通数倍数2000倍時の処理結果である。
【0028】
【表2】
【0029】表2に示すように、原水はヒ素以外に色度
が24度と高く、過マンガン酸カリウム消費量が10.8mg/l
と高いことから、本原水の色度はフミン質等の有機性色
度成分が主体であると判断される。処理状況について、
ヒ素は電解二酸化マンガンが最も良好に除去されてお
り、マンガン砂、活性炭ではほとんど除去されていない
ことがわかる。また、電解二酸化マンガンは色度、濁
度、鉄、マンガン、過マンガン酸カリウム消費量につい
ても良好に処理されており、鉄、マンガン、有機性色度
成分に対して有効に接触触媒効果が作用していると推察
される。活性アルミナについては、pH値を5.5に調整
することにより、良好にヒ素は処理されていることが確
認されたが、色度、鉄、マンガンは漏洩し、鉄、マンガ
ンに対しての接触触媒能がないことがわかる。
【0030】マンガン砂では、鉄、マンガンは良好に処
理されているが、色度、過マンガン酸カリウム消費量の
除去は満足ではなく、有機性色度成分に対する触媒作用
があまりないことがわかる。活性炭については、鉄、マ
ンガンの処理は不十分で触媒能がないことが確認された
が、有機物量を示す過マンガン酸カリウム消費量は減少
し、これは活性炭の持つ吸着能により除去されたと判断
される。しかし、色度は十分に処理されておらず、残留
している鉄に起因する色度であると考えられる。
【0031】
【発明の効果】上述したこの発明の実施により、次のよ
うな効果を上げることができる。 凝集沈殿池を使用する共沈法より設置面積が小さくす
ることができる。 設備構成する簡素であり、補機類も少ないため維持管
理が容易である。 ヒ素を含む排水が排出させないことも可能なため、ヒ
素対策を考慮した汚泥処理や排水処理設備を設ける必要
がない。 ヒ素吸着のためのpH調整が不要であり、かつ、活性
アルミナよりも良好な処理効果が得られる。 当該電解二酸化マンガンは、鉄、マンガンに対してマ
ンガン砂と同様な除去特性(接触酸化)有しており、ヒ
素除去と同時に、水道原水に一般的に含まれる鉄、マン
ガンも同時に除去できる。 当該電解二酸化マンガンは、ヒ素除去と同時に、酸化
剤による有機性色度成分に対する触媒能も有しており、
有機性色度成分も同時に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種吸着剤のヒ素除去能を示すグラフである。
【図2】活性アルミナと電解二酸化マンガンの両吸着剤
のpH値によるヒ素除去効果への影響を示すグラフであ
る。
【図3】ヒ素を含む原水を活性アルミナと電解二酸化マ
ンガンの両吸着剤を充填したカラムに連続通水した処理
試験結果を示すグラフである。
【図4】電解二酸化マンガンを造粒した吸着剤と、シヤ
モツトに二酸化マンガンを被覆させたマンガン砂とのヒ
素除去の比較の連続通水試験結果を示すグラフである。
【図5】処理対象がヒ素のみの場合や凝集剤を添加しな
くても鉄、マンガンが除去できる場合の説明の具体例を
示す。
【図6】処理対象がヒ素だけでなく、鉄、マンガンも除
去対象であり、かつ原水中のケイ酸濃度が20mg/l以上で
あつて、鉄やマンガンがコロイド化する場合の具体例を
示す。
【図7】この発明のヒ素除去用吸着剤に用いる電解二酸
化マンガンの表面状態を示した電子顕微鏡写真であつ
て、(A)は1,000倍、(B)は10,000倍である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒ素を含む表流水、地下水、湧水、伏流
    水、湖沼水等を水源とする原水の浄水処理及びヒ素を含
    む産業排水処理において、ヒ素の除去方法の1つである
    吸着法の吸着剤として、電解二酸化マンガンを造粒して
    生成した吸着剤を使用することを特徴としたヒ素の除去
    方法。
  2. 【請求項2】 前記電解二酸化マンガンを造粒した吸着
    剤を使用するヒ素除去方法において、3価のヒ素を5価
    のヒ素に酸化するための酸化剤として、塩素、次亜塩素
    酸ソ−ダ、オゾン等を使用することを特徴とした請求項
    1記載のヒ素除去方法。
  3. 【請求項3】 前記の電解二酸化マンガンを造粒して吸
    着剤を使用するヒ素除去方法において、鉄、マンガン等
    を含有し、かつケイ酸イオンを含有する原水では凝集剤
    を使用することを特徴とした請求項1記載のヒ素除去方
    法。
  4. 【請求項4】 ヒ素除去用吸着剤としての電解二酸化マ
    ンガンの形態が、β型二酸化マンガン単独或いはβ型二
    酸化マンガンとγ型二酸化マンガンとが混在した、又は
    γ型二酸化マンガン単独でマクロ的にポ−ラスでしかも
    表面が活性な塊状二酸化マンガンからなることを特徴と
    するヒ素除去用吸着剤。
JP9769595A 1995-03-31 1995-03-31 電解二酸化マンガン吸着剤によるヒ素の除去方法及びヒ素除去用吸着剤 Pending JPH08267053A (ja)

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