JPH0826445B2 - 鋳鋼管の浸炭度検査方法 - Google Patents
鋳鋼管の浸炭度検査方法Info
- Publication number
- JPH0826445B2 JPH0826445B2 JP2052436A JP5243690A JPH0826445B2 JP H0826445 B2 JPH0826445 B2 JP H0826445B2 JP 2052436 A JP2052436 A JP 2052436A JP 5243690 A JP5243690 A JP 5243690A JP H0826445 B2 JPH0826445 B2 JP H0826445B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel pipe
- cast steel
- cut surface
- carburization
- corrosive liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 一般に、石油化学装置における高温反応管等に使用さ
れる鋳鋼管は、一般に耐蝕性の高いものが使用される
が、炭化水素ガスを輸送するに伴って、その内側が浸炭
されてクラックが入りやすくなる。そこで、メンテナン
ス等のためにも鋳鋼管の浸炭状態を知らなければならな
い。本発明は、以上の状況のなかで行われる鋳鋼管の浸
炭度検査方法に関するものである。
れる鋳鋼管は、一般に耐蝕性の高いものが使用される
が、炭化水素ガスを輸送するに伴って、その内側が浸炭
されてクラックが入りやすくなる。そこで、メンテナン
ス等のためにも鋳鋼管の浸炭状態を知らなければならな
い。本発明は、以上の状況のなかで行われる鋳鋼管の浸
炭度検査方法に関するものである。
〔従来の技術〕 従来の浸炭度検査方法は、炭化水素ガス輸送用の鋳鋼
管を切断し、その切断面を研磨した後、前記切断面を、
塩酸、硫酸、又は、濃塩酸と濃硫酸とから成る王水に浸
漬し、それらの酸に対する前記切断面の腐蝕状況を観察
して鋳鋼管における浸炭の進行状態を知ることが行われ
ていた。
管を切断し、その切断面を研磨した後、前記切断面を、
塩酸、硫酸、又は、濃塩酸と濃硫酸とから成る王水に浸
漬し、それらの酸に対する前記切断面の腐蝕状況を観察
して鋳鋼管における浸炭の進行状態を知ることが行われ
ていた。
しかし、塩酸又は硫酸を使用した場合には、腐蝕され
にくいために、切断面において浸炭により含有炭素の多
くなった部分と材質変わっていない部分との境界がはっ
きりしにくく、また、王水を使用した場合には切断面全
体が腐蝕されすぎて浸炭状況が判断しにくい欠点を有し
ていた。
にくいために、切断面において浸炭により含有炭素の多
くなった部分と材質変わっていない部分との境界がはっ
きりしにくく、また、王水を使用した場合には切断面全
体が腐蝕されすぎて浸炭状況が判断しにくい欠点を有し
ていた。
本発明の鋳鋼管の検査方法の第1の特徴手段は、炭化
水素ガス輸送用の鋳鋼管を切断し、その切断面を研磨し
た後、前記切断面を、塩化第2鉄(FeCl3)と塩酸(HC
l)とを含有する腐蝕液に接触させ、前記腐蝕液に対す
る前記切断面の腐蝕状況を観察して前記鋳鋼管における
浸炭の進行状態を知ることにあり、また、第2の特徴構
成は、炭化水素ガス輸送用の鋳鋼管を切断し、 その切断面を研磨した後、前記切断面を、塩化第2鉄
(FeCl3)を含有する腐蝕液に浸漬させながら電気分解
により腐蝕させ、前記切断面の腐蝕状況を観察して前記
鋳鋼管における浸炭の進行状態を知ることにある。そし
て、それらの作用効果は、次の通りである。
水素ガス輸送用の鋳鋼管を切断し、その切断面を研磨し
た後、前記切断面を、塩化第2鉄(FeCl3)と塩酸(HC
l)とを含有する腐蝕液に接触させ、前記腐蝕液に対す
る前記切断面の腐蝕状況を観察して前記鋳鋼管における
浸炭の進行状態を知ることにあり、また、第2の特徴構
成は、炭化水素ガス輸送用の鋳鋼管を切断し、 その切断面を研磨した後、前記切断面を、塩化第2鉄
(FeCl3)を含有する腐蝕液に浸漬させながら電気分解
により腐蝕させ、前記切断面の腐蝕状況を観察して前記
鋳鋼管における浸炭の進行状態を知ることにある。そし
て、それらの作用効果は、次の通りである。
つまり、第1の特徴構成によれば、鋳鋼管の切断面を
塩化第2鉄と塩酸とを含有する腐蝕液に接触させること
により、塩化第2鉄又は塩酸又は王水のいずれか一方と
接触させるよりも、第1図に示すように、元の材質の部
分(1)は腐蝕されにくくて研磨面の滑らかさを維持す
るのに対し、浸炭により含有炭素の多くなった改質部分
(2)は腐蝕されやすくて表面の滑らかさが低下し、両
者のコントラストが明確化する。また一方、塩化第2鉄
(FeCl3)の濃度と腐蝕の速度とは比例し、他方、塩酸
の添加量が設定量(例えば5cc)より低くなれば腐蝕速
度が遅くなる。
塩化第2鉄と塩酸とを含有する腐蝕液に接触させること
により、塩化第2鉄又は塩酸又は王水のいずれか一方と
接触させるよりも、第1図に示すように、元の材質の部
分(1)は腐蝕されにくくて研磨面の滑らかさを維持す
るのに対し、浸炭により含有炭素の多くなった改質部分
(2)は腐蝕されやすくて表面の滑らかさが低下し、両
者のコントラストが明確化する。また一方、塩化第2鉄
(FeCl3)の濃度と腐蝕の速度とは比例し、他方、塩酸
の添加量が設定量(例えば5cc)より低くなれば腐蝕速
度が遅くなる。
第2の特徴構成によれば、塩化第2鉄(FeCl3)を含
有する腐蝕液を電解液として、鋳鋼管の切断面を腐蝕さ
せると、前記第1の特徴構成による結果と同様に、元の
材質部分(1)を腐蝕されにくくて研磨面の滑らかさを
維持するのに対し、改質部分(2)は腐蝕されて表面の
滑らかさが低下し、その境界は明確化したコントラスト
によりはっきりする。
有する腐蝕液を電解液として、鋳鋼管の切断面を腐蝕さ
せると、前記第1の特徴構成による結果と同様に、元の
材質部分(1)を腐蝕されにくくて研磨面の滑らかさを
維持するのに対し、改質部分(2)は腐蝕されて表面の
滑らかさが低下し、その境界は明確化したコントラスト
によりはっきりする。
従って、鋳鋼管における浸炭度が検出しやすくなり、
炭化水素ガスの輸送におけるメンテナンス時期の予測
や、管周方向に特に浸炭のおこりやすい箇所の求明、メ
カニズムの解明等に役立させやすくなった。
炭化水素ガスの輸送におけるメンテナンス時期の予測
や、管周方向に特に浸炭のおこりやすい箇所の求明、メ
カニズムの解明等に役立させやすくなった。
次に、本発明の実施例を説明する。
石油化学装置において炭化水素ガスを輸送するクラッ
キングチューブ等の鋳鋼製の高温反応管は、耐熱、耐蝕
性が要求されるために、例えば、成分としてニッケル35
%、クローム25%、残り鉄分、のHPや、ニッケル20%、
クローム25%、残り鉄分のHK40等、ニッケル高含有のオ
ーステナイト系ステンレスから通常は形成される。
キングチューブ等の鋳鋼製の高温反応管は、耐熱、耐蝕
性が要求されるために、例えば、成分としてニッケル35
%、クローム25%、残り鉄分、のHPや、ニッケル20%、
クローム25%、残り鉄分のHK40等、ニッケル高含有のオ
ーステナイト系ステンレスから通常は形成される。
しかし、その反応管内に炭化水素ガスを通すに伴っ
て、反応管が内面から浸炭されて、炭素含有量の多い材
質に変化していき、ついにはクリープ損傷に基づくクラ
ックが入るようになり、メンテナンスの必要性が生じる
ものである。
て、反応管が内面から浸炭されて、炭素含有量の多い材
質に変化していき、ついにはクリープ損傷に基づくクラ
ックが入るようになり、メンテナンスの必要性が生じる
ものである。
そこで、前記反応管の浸炭度を検査することが必要と
なり、その検査方法を図面と共に次に示す。
なり、その検査方法を図面と共に次に示す。
前記反応管を切断し、その切断面(F)を研磨した
後、前記切断面(F)を、水100cc中に塩化第2鉄(FeC
l3)を約20g溶解させたものに、36%濃度の濃塩酸(HC
l)を5〜10ccを添加した腐蝕液に浸漬させ、前記腐蝕
液に対する前記切断面(F)の腐蝕状況を観察して反応
管における浸炭の進行状態を知る。
後、前記切断面(F)を、水100cc中に塩化第2鉄(FeC
l3)を約20g溶解させたものに、36%濃度の濃塩酸(HC
l)を5〜10ccを添加した腐蝕液に浸漬させ、前記腐蝕
液に対する前記切断面(F)の腐蝕状況を観察して反応
管における浸炭の進行状態を知る。
つまり、図面に示すように、腐蝕液によるエッチング
により、元の材質の部分(1)は研磨した鏡面を維持
し、浸炭により炭素含有量の多くなった改質部分(2)
は、表面の滑らかさが低下して曇りやすくなり、両者の
境界が明確になる。そして、その境界の位置や形を見
て、浸炭度や管の周方向における位置の差による浸炭の
進行状況を判断する。
により、元の材質の部分(1)は研磨した鏡面を維持
し、浸炭により炭素含有量の多くなった改質部分(2)
は、表面の滑らかさが低下して曇りやすくなり、両者の
境界が明確になる。そして、その境界の位置や形を見
て、浸炭度や管の周方向における位置の差による浸炭の
進行状況を判断する。
反応管の浸炭度検査方法の別の手段を次に示す。
反応管を切断し、その切断面を研磨した後、前記切断
面を、水中に塩化第2鉄(FeCl3)を溶解させた腐蝕液
に浸漬させながら電気分解により腐蝕させ、前記切断面
の腐蝕状況を観察して前記反応管における浸炭の進行状
態を知る。
面を、水中に塩化第2鉄(FeCl3)を溶解させた腐蝕液
に浸漬させながら電気分解により腐蝕させ、前記切断面
の腐蝕状況を観察して前記反応管における浸炭の進行状
態を知る。
図面は本発明に係る鋳鋼管の切断面を示す説明図であ
る。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】炭化水素ガス輸送用の鋳鋼管を切断し、そ
の切断面を研磨した後、前記切断面を、塩化第2鉄(Fe
Cl3)と塩酸(HCl)とを含有する腐蝕液に接触させ、前
記腐蝕液に対する前記切断面の腐蝕状況を観察して前記
鋳鋼管における浸炭の進行状態を知る鋳鋼管の浸炭度検
査方法。 - 【請求項2】前記腐蝕液は、水100cc中に塩化第2鉄(F
eCl3)を約20g溶解させたものに、36%濃度の濃塩酸(H
Cl)を5〜10cc添加したものである請求項1記載の鋳鋼
管の浸炭度検査方法。 - 【請求項3】炭化水素ガス輸送用の鋳鋼管を切断し、そ
の切断面を研磨した後、前記切断面を、塩化第2鉄(Fe
Cl3)を含有する腐蝕液に浸漬させながら電気分解によ
り腐蝕させ、前記切断面の腐蝕状況を観察して前記鋳鋼
管における浸炭の進行状態を知る鋳鋼管の浸炭度検査方
法。 - 【請求項4】前記鋳鋼管は、オーステナイト系ステンレ
スから成るものである請求項1、2又は3記載の鋳鋼管
の浸炭度検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2052436A JPH0826445B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | 鋳鋼管の浸炭度検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2052436A JPH0826445B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | 鋳鋼管の浸炭度検査方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03253555A JPH03253555A (ja) | 1991-11-12 |
JPH0826445B2 true JPH0826445B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=12914696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2052436A Expired - Lifetime JPH0826445B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | 鋳鋼管の浸炭度検査方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0826445B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100425357B1 (ko) * | 2001-07-23 | 2004-03-30 | 명재철 | 테프론계 수지의 부식처리방법 및 장치 |
JP5168663B2 (ja) * | 2009-02-25 | 2013-03-21 | 新日鐵住金株式会社 | 浸炭検知方法 |
JP5541898B2 (ja) * | 2009-10-22 | 2014-07-09 | 大阪瓦斯株式会社 | 材質判定方法及び材質判定装置 |
JP5299800B2 (ja) | 2011-10-25 | 2013-09-25 | 新日鐵住金株式会社 | 浸炭検知方法 |
JP6553900B2 (ja) * | 2015-03-11 | 2019-07-31 | 三菱重工業株式会社 | プラント部材の破断面評価方法 |
-
1990
- 1990-03-02 JP JP2052436A patent/JPH0826445B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03253555A (ja) | 1991-11-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Rhodes | Mechanism of chloride stress corrosion cracking of austenitic stainless steels | |
Pessall et al. | Determination of critical pitting potentials of stainless steels in aqueous chloride environments | |
Pickering | Whitney award lecture—1985: on the roles of corrosion products in local cell processes | |
Nielsen | OBSERVATIONS AND THOUGHTS ON STRESS CORROSION MECHANISMS ASTM 1970 GILLETT MEMORIAL LECTURE | |
JPH0826445B2 (ja) | 鋳鋼管の浸炭度検査方法 | |
US3836410A (en) | Method of treating titanium-containing structures | |
De Force et al. | A clearer view of how crevice corrosion occurs | |
JP2002510751A (ja) | ステンレス鋼又はニッケル合金鋼から形成された構成材上に、強化された酸化物被膜を成長させる方法 | |
Brajković et al. | Influence of surface treatment on corrosion resistance of Cr-Ni steel | |
Ogundare et al. | Atmospheric corrosion studies of ductile iron and austenitic stainless steel in an extreme marine environment | |
JPH08127881A (ja) | フロロカーボン膜が形成された金属材料、その製造方法並びにその材料を用いた装置 | |
JP3829189B2 (ja) | 旧オーステナイト粒界を組織に持つ鋼の結晶粒界測定法 | |
JPH0735599B2 (ja) | チタン合金部品用のニトロフッ化水素現像浴 | |
US3905837A (en) | Method of treating titanium-containing structures | |
JP3057033B2 (ja) | ステンレス鋼防食表面処理方法 | |
Zumelzu et al. | Observations on the influence of cleaners on material corrosion in the food industry | |
Macedo et al. | Corrosion Behavior of API 5L X70 Carbon Steels in Hydrogen Sulfide Environments. | |
JPH0770730A (ja) | 耐孔食性ステンレス鋼 | |
Champlin et al. | Variables in the Use of Hot-finished Mild Steel Coupons for Corrosion Inhibitor Testing | |
Féron et al. | Effect of high concentration of chlorine and sulphide on stainless alloys in seawater | |
Murali | 13 Cr tests high against CO/sub 2/corrosion | |
JPH0270075A (ja) | γ系ステンレス鋼の粒界現出方法 | |
Bergin | Alternating current corrosion of steel in seawater | |
JPS6054391B2 (ja) | ステンレス鋼の酸洗方法 | |
JPS6277489A (ja) | 金属材料の酸洗法 |