JPH08264045A - 酸化物超電導線材及びその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導線材及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08264045A
JPH08264045A JP7063707A JP6370795A JPH08264045A JP H08264045 A JPH08264045 A JP H08264045A JP 7063707 A JP7063707 A JP 7063707A JP 6370795 A JP6370795 A JP 6370795A JP H08264045 A JPH08264045 A JP H08264045A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting
silver
wire
superconducting material
metal body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7063707A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Doi
俊哉 土井
Takeshi Ozawa
武 小沢
Toyotaka Yuasa
豊隆 湯浅
Kazuhisa Higashiyama
和寿 東山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP7063707A priority Critical patent/JPH08264045A/ja
Priority to EP96104351A priority patent/EP0734081A1/en
Publication of JPH08264045A publication Critical patent/JPH08264045A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/01Manufacture or treatment
    • H10N60/0268Manufacture or treatment of devices comprising copper oxide
    • H10N60/0801Processes peculiar to the manufacture or treatment of filaments or composite wires

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、液体窒素冷却可能な温度領域
で使用可能で、磁場中における輸送臨界電流密度の高い
超電導線材を提供すること、及びそれらを使用すること
によって、従来の超電導システムよりコスト的に有利な
超電導応用機器を提供することにある。 【構成】上記目的は、液体窒素で冷却できる温度領域に
おいても十分高いピンニング力を有する酸化物超電導物
質を、結晶の方向を特定の方向に揃えた金属シースの内
部で熱処理することによって達成される。また、本発明
の超電導線材或いは超電導体を用いて超電導応用機器を
作製することで、従来の超電導システムよりコスト的に
有利で、かつ信頼性の高い超電導応用機器を得ることが
できる。 【効果】本発明によれば、断熱構造を簡単なものにでき
る為、従来よりも安いコストで製造できるようになり、
メインテナンスが非常に容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物系超電導物質を
用いた超電導線材の構成と作製方法に関するものであ
り、磁場中においても高い超電導臨界電流密度(Jc)
を流すことが可能である超電導線材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】1986年に最初の酸化物高温超電導物
質が発見されて以来、数十種類以上に及ぶ酸化物超電導
物質が発見されている。それらの中で、物質の安定性,
合成のしやすさの程度等の理由から、実用化を目指した
研究が現在も行われている酸化物超電導物質は、 (1)(Tl1-X1-X2PbX1BiX2)(Sr1-X3BaX3)2
nー1Cun2n+3 ここで、0≦X1≦0.9, 0≦X2≦0.5, 0≦X1+X2≦1, 0≦X3≦1, n=1,2,3,4,5 (以下、Tl−1層系と略す) (2)Tl2Ba2Canー1Cun2n+4 ここで、n=1,2,3,4,5 (以下、Tl−2層系と略す) (3)(Bi1ーX1PbX1)2Sr2Canー1Cun2n+4 ここで、0≦X1≦0.4, n=1,2,3 (以下、Bi−2層系と略す) (4)LnBa2Cu37+X1 ここで、LnはYもしくは希土類元素 −0.5≦X1≦0.1 (以下、Y系と略す)の4種類の物質系にほぼしぼられ
てきている。
【0003】これらの中でBi−2層系の物質は結晶の
配向化(結晶を特定の向きに揃えること)が行いやす
く、また結晶粒界部での超電導電流の通りが良く、従っ
て磁場が掛かっていない状態での超電導輸送電流密度
(トランスポートJc)は高い値がえられている(Japa
nese Journal Of Applied Physics,Vol.30,199
1,pp.2083−L2084)。高温超電導線材を作
製する為の具体的な手法としては、例えば、応用物理,
第62巻,第5号,1993年,455ページに紹介さ
れているような、銀シース法が工業生産性にも優れ現在
のところ主流を占めている。しかしながら、この物質系
はその結晶構造に由来する本質的な問題によって、液体
窒素での冷却が可能な温度領域でのピンニング力が非常
に弱くなるという致命的な問題がある(Physica C,Vo
l.177,1991,pp.431− 437)。それ
故、40K程度以下の温度領域で使用するには非常に良
い特性を持った超電導線材を作製することが可能である
が、60K以上の温度領域で使用する線材には用いるこ
とができなかった。
【0004】一方、Tl−1層系,Tl−2層系とY系
の物質は、その臨界温度(Tc)近傍まで高いピンニン
グ力を発揮することは可能であるが、結晶の方位を揃え
ることが難しく、それ故に結晶粒界部での超電導電流の
通りが悪く、現在までに実用化に必要な一応の目安と考
えられる温度77K,磁場1Tにおけるトランスポート
Jcが1万A/cmを越える超電導線材は得られてい
ない(Physica C,Vol.220,1994,pp.310
−322,Hitachi Review,Vol.39,1990,p.
55,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.2
7,1988,pp.L185−L187)。
【0005】現在までのところでは、液体窒素で冷却で
きる温度以上の領域においては、実用に耐える性能の超
電導線材を作製することができなかったため、液体窒素
等の液体ヘリウムより沸点の高い冷媒による冷却によっ
て動作するような超電導機器は存在しなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の中で、
Bi−2層系の超電導物質を用いている技術は、77K
におけるピンニング力が弱いと云う問題があり、60K
以上の温度領域では磁場がBi−2層系超電導物質に印
加された場合に臨界電流密度が大きく低下するという問
題があった。したがって、液体窒素冷却で作動する超電
導機器への利用が大きく制限されていた。
【0007】上記従来の技術では、超電導物質と複合化
させる基材の性質に充分な配慮がなされていないため、
長尺の超電導線材を製品として作製することは難しかっ
た。さらに、超電導線材の作製に多大の手間を要し、大
量に生産する際のコストが掛かりすぎるという問題があ
った。
【0008】本発明の目的は、コストを安く、しかも酸
化物超電導物質の結晶を好ましい方向に揃えることで、
磁場中においても高い臨界電流密度を有する超電導線材
を提供することを目的としている。また、本発明によっ
て、初めて得ることができる、液体窒素で冷却できる温
度以上の温度領域で動作する超電導マグネット、NMR装
置,MRI装置,磁気浮上列車,超電導発電機,エネル
ギー貯蔵装置,磁気シールド装置,シンクロトロン放射
光装置,素粒子加速器等の超電導を利用する応用機器を
提供することも本発明の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、液体窒素で
冷却できる温度領域においても十分高いピンニング力を
有する酸化物超電導物質を、結晶の方向を特定の方向に
揃えた金属シースの内部で熱処理することによって達成
される。
【0010】金属シースに用いる金属としては、酸化物
超電導物質との反応性の観点から銀,銀合金、もしくは
銀にセラミックスを分散させたものが好ましい。
【0011】金属シースとして用いる銀の結晶の揃う方
向としては、どのような結晶面がどのような方向に揃っ
ていても基本的には問題はないが、最も好ましいのは、
(1)銀結晶の{100}面が酸化物超電導物質と金属シ
ースの界面に平行でかつ銀結晶の<001>方向が超電
導線材の長手方向に平行となる場合で、次に好ましいの
は(2)銀結晶の{110}面が酸化物超電導物質と金
属シースの界面に平行でかつ銀結晶の<211>方向が
超電導線材の長手方向に平行となる場合である。(1)
の様な場合、金属シース内部で熱処理することによっ
て、酸化物超電導物質は銀結晶の結晶方位に影響を受
け、結晶のc軸が酸化物超電導物質と金属シースの界面
に垂直で、かつa軸(Y系超電導物質の場合はb軸の場
合もある)が超電導線材の長手方向に平行となるような
方向に非常に良く揃った状態となる。また、銀結晶が
(2)のように揃った場合でも、程度は若干低下する
が、同様に超電導物質の結晶方位は揃う。その結果、線
材のJcは非常に高いものが得られる。
【0012】銀結晶の方位を(1)の場合のように揃え
る為には、超電導線材を作製する工程のうちの、線引き
工程、或いは扁平化工程、或いは線引き工程と扁平化工
程の両方を、温度を100〜250℃に保った状態で行
えば良い。この温度で加工した後、400℃以上の温度
でアニールすることで、金属シースに使用している銀
が、いわゆる立方体集合組織を有するようになる。立方
体集合組織とは、例えば長嶋晋一編著「集合組織」丸善
株式会社出版の133,185ページに記載のあるよう
に{100}<001>方位の集合組織のことである。
また、(2)の場合のように銀結晶の方位を揃えるため
には、超電導線材を作製する工程のうちの線引き工程、
或いは扁平化工程、或いは線引き工程と扁平化工程の両
方を、温度を50〜100℃に保った状態で行えば良
い。この温度で加工した後、300℃以上の温度でアニ
ールすることで、金属シースに使用している銀が目的と
する方向に揃う。
【0013】ただし、実際に超電導線材を作製する際に
は、銀管の内部に充填した超電導物質の粉末が十分に接
合されなければならないので、熱処理の温度は、最低で
も700℃以上、好ましくは800℃以上でなければな
らない。このときの最適な熱処理温度は、超電導物質の
組成、及び熱処理する際の雰囲気(主には酸素分圧)によ
って数十度の範囲で異なってくる。
【0014】図1に本発明を行うにあたって、実験に使
用した超電導線材の断面構造を示す。1は超電導線材全
体を強度的に支える金属層で、MgOを細かく分散させ
て高強度化した銀を用いた。2は超電導素線を束ねてお
く役割を果たしている金属層で、純銀を使用した。3は
酸化物超電導物質で、4は純銀である。線材の全長は5
0mで、長手方向(断面に垂直な方向)は均一であるこ
とを確認した。銀結晶の方位を(1),(2)の何れの場
合にしても、超電導部分3の直径が5ミクロンを越える
と、Jcは急速に低下した。
【0015】図2に、本発明を行うにあたって、実験に
使用した、また別の断面構造を有する超電導線材の断面
構造を示す。加工する際の条件を様々に変えることで、
超電導部分の扁平度を変化させた。短軸部分の長さ(3
の厚み)が5ミクロンを越えると、Jcが低下し始め、
10ミクロンを越えると、急激にJcは低下した。ま
た、短軸部分の長さが0.5 ミクロンより小さくなれ
ば、Jcが低下したが、これは加工の上手下手の問題
で、3の部分が薄くなりすぎると、長手方向に断線が生
じる為であった。加工さえできれば、3の部分はどこま
で薄くても構わないと考えられる。一方、長軸部分の長
さ(3の幅)は、100ミクロンまで検討したが、特に
Jcに影響を与えることはなかった。長軸部分の長さ
は、超電導物質結晶の結晶の揃い方に影響を与えないこ
とが分かった。
【0016】4の部分は、Ag−Au合金,Ag−Pd
合金,Ag−Cu合金,銀に1ミクロン以下のMgO粒
子を分散させた強化銀であっても、純銀を使用した場合
と同等の性能(Jc)が得られた。
【0017】3の部分は、化学組成が、 (TlX1PbX2BiX3HgX4CuX5)(Sr1-X6BaX6)2
Canー1Cun2n+3+X7 ここで、0≦X1≦1.0, 0≦X2≦1.0, 0≦X3≦0.5, 0≦X4≦1.0, 0≦X5≦1.0, 0.5≦X1+X2+X3+X4+X5≦1, 0≦X6≦1, −0.5≦X7≦0.5 n=1,2,3,4,5 で表される超電導物質であっても、 LnBa2Cu37+X1 ここで、LnはYもしくは希土類元素から選ばれた一種
または複数。
【0018】−0.5≦X1≦0.2 n=1,2,3 で表される超電導物質であっても、同様の結果が得られ
た。
【0019】超電導素線の扁平率とJc,超電導物質部
分の厚さとJc,超電導素線の金属部分の銀結晶の方位
とJc,超電導結晶の方位とJcの関係などを調べるた
めに、図3に示す構造を有する超電導線材を作製して検
討を行った。
【0020】図4に超電導部分の厚さ(短軸の長さ)と
超電導物質のc軸がテープ表面に5度以内で垂直でかつ
a軸が長手方向に10度以内で平行に揃っていてる結晶
の割合の関係を示す。また、図5には超電導部分の厚さ
とJcの関係を示す。図4及び図5より、超電導部分の
厚さが5ミクロン以下の場合に高いJcが得られること
が分かる。
【0021】図6に、銀結晶と圧延方向、言い換えれば
超電導結晶の揃う方向と超電導線材の相対的角度に対す
るJcの違いを調べた結果を示す。超電導結晶の揃う方
向と超電導線材の相対的角度はJc影響を及ぼさないこ
とが分かる。
【0022】図7に、テープ表面に{100}面が平行
でかつ圧延方向に対して<100>方向が平行である銀
結晶の割合とJcの関係を示す。図から分かるように、
テープ表面に{100}面が平行でかつ圧延方向に対し
て<100>方向が平行である銀結晶の割合(立方体集
合組織の割合)が80%以下になると磁場中の臨界電流
密度の値が大幅に低下することが分かる。従って、特性
の良い超電導線材を作製するためには、テープ表面に
{100}面が平行でかつ圧延方向に対して<100>
方向が平行である銀結晶の割合(立方体集合組織の割
合)を80%以上にしなければならないことが分かる。
【0023】また、図8には、超電導結晶のc軸が銀と
の界面に垂直から5度以内でかつa軸が、立方体集合組
織を形成している銀結晶の<100>方向に対して10
度以内であるものの割合とJcの関係を示す。
【0024】これら図7及び図8より、銀結晶が特定方
向に揃う割合が80%より少ないと、Jcが低下して行
くことが分かる。また超電導物質の結晶が特定方向に揃
う割合が80%より少ないと、Jcが低下して行くこと
が分かる。
【0025】図9に、線引き及び圧延時の温度と、77
K無磁場におけるJcの関係を示す。圧延温度は50℃
〜250℃が好ましいことが分かる。
【0026】
【作用】我々は、超電導線材を作製するときには、超電
導物質の結晶のa,b,c軸が全て同じ方向を向いてい
る(3軸配向)ようにしてやった方がより高いJcを持
った超電導体ができることを、見いだした。そこで今回
超電導物質を3軸配向させて高いJcを持つ超電導線材
の作製方法を考案した。
【0027】本発明による超電導線材では、超電導物質
の回りにある銀の組織が特定の方向に揃っているので、
銀と超電導物質が接する部分で、超電導物質の結晶の向
きが銀の結晶の方位に影響を受けながら成長する。従っ
て、銀の組織が特定の方向に揃っている場合には、超電
導物質が3軸配向するようになって、その結果、本発明
による超電導線材では非常に高いJcを得ることができ
る。
【0028】また、純銀の代わりに立方体集合組織を有
する銀と金の合金,銀とパラジウムの合金,銀と銅の合
金,銀のマトリックス相にMgOを分散させた分散強化
型合金,銀のマトリックス相に金属間化合物を分散させ
た分散強化型合金を使用した場合にも、同様に高いJc
が得られた。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0030】(実施例1)超電導物質の粉末を作製し
た。原子比でPb:Ba:Sr:Ca:Cu=0.5:0.
4:1.6:2:3となるように、純度99%以上のP
bO,BaO,SrO,CaO,CuOの粉末を混合す
る。この混合粉をアルミナ製ルツボに入れて、20%酸
素80%窒素気流中で800℃で24時間焼成した。こ
れを再び100%窒素ガスを流したグローブ中で粉砕
し、Tl23をPbと同じモル量だけ加えて、良く混合
した。この粉末を蓋付きのアルミナ製ルツボに入れて、
20%酸素80%窒素気流中で880℃で24時間焼成
した。この粉末を純度99.998%の銀パイプ(内径
4mm,外径6mm)に充填した。これを、160℃に保っ
た状態で、外径1.5mm までドローベンチにて線引き
し、その後、160℃に保ったまま、厚さ0.07mm ま
で圧延した。これを5cmの長さのテープ状試料に切断し
た。これを20%酸素80%窒素気流中で熱処理した。
熱処理の温度条件は、室温から800℃まで3時間,8
00℃から880℃まで2時間で昇温し、880℃で4
8分間保持し、室温まで10時間で冷却した。図3に作
製した超電導線材試料の模式図を示す。図中、5は酸化
物超電導物質で、6は銀である。
【0031】断面を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡
(SEM)で調べたところ、超電導部分の厚さは4±
0.5ミクロン,幅8±0.2mmであった。
【0032】X線回折測定で熱処理後の試料の表面の銀
の結晶の方位を調べたところ、90%の結晶粒の{10
0}面がテープ表面に平行でかつその<100>方位が
圧延を掛けた方向(即ちテープ状線材の長手方向)に平
行に揃っていることが確認できた。
【0033】また、外側の銀を取り去って、内側の超電
導物質の結晶の方位をX線回折測定で調べた。超電導物
質の85%以上の結晶のc軸がテープ表面に5度以内で
垂直でかつa軸が長手方向に10度以内で平行に揃って
いてることが確認できた。
【0034】熱処理後の試料の超電導臨界電流密度Jc
を直流4端子法で測定した。77Kには、ゼロ磁場で12
0,000A/cm2,1Tの磁場をテープに垂直に印加したと
きには60,000A/cm2であった。
【0035】(実施例2)実施例1で作製した超電導物
質の粉末を、実施例1と同様に銀パイプに充填した。こ
れを、100℃に保った状態で、外径1.5mmまでドロ
ーベンチにて線引きし、その後、厚さ0.07mm まで圧
延した。これを5cmの長さに切断した。これを20%酸
素80%窒素気流中で熱処理した。熱処理の温度条件
は、実施例1と同じとした。
【0036】断面を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡
(SEM)で調べたところ、超電導部分の厚さは4±
0.5ミクロン,幅8±0.2mmであった。
【0037】X線回折測定で熱処理後の試料の表面の銀
の結晶の方位を調べたところ、90%の結晶粒の{11
0}面がテープ表面に平行でかつその<211>方位が
圧延を掛けた方向に平行に揃っていることが確認でき
た。
【0038】また、外側の銀を取り去って、内側の超電
導物質の結晶の方位をX線回折測定で調べた。超電導物
質の80%以上の結晶のc軸がテープ表面に5度以内で
垂直でかつa軸が銀結晶の<100>方向に10度以内
で平行に揃っていることが確認できた。
【0039】熱処理後の試料の超電導臨界電流密度Jc
を直流4端子法で測定した。77Kには、ゼロ磁場で11
0,000A/cm2,1Tの磁場をテープに垂直に印加したと
きには50,000A/cm2であった。
【0040】(比較例1)実施例1で作製した超電導物
質の粉末を、実施例1と同様に銀パイプに充填した。こ
れを、室温が25℃の部屋で、一回の線引き毎に400
℃で1時間の焼鈍を施しながら、外径1.5mm までドロ
ーベンチにて線引きし、その後、一回の圧延毎に400
℃で1時間の焼鈍を施しながら、厚さ0.07mm まで圧
延した。これを5cmの長さに切断した。これを20%酸
素80%窒素気流中で熱処理した。熱処理の温度条件
は、実施例1と同じとした。
【0041】断面を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡
(SEM)で調べたところ、超電導部分の厚さは4±
0.5ミクロン,幅8±0.2mmであった。
【0042】X線回折測定で熱処理後の試料の表面の銀
の結晶の方位を調べたところ、特定の結晶面が、特定の
方向を向いて揃っているようなことはなく、銀の結晶の
方向はランダムであった。
【0043】また、外側の銀を取り去って、内側の超電
導物質の結晶の方位をX線回折測定で調べた。超電導物
質の80%以上の結晶のc軸はテープ表面に5度以内で
垂直方向に揃っていたが、a軸の方向は特に揃っていて
るようなことはなかった。
【0044】熱処理後の試料の超電導臨界電流密度Jc
を直流4端子法で測定した。77Kには、ゼロ磁場で3
0,000A/cm2 ,1Tの磁場をテープに垂直に印加した
ときには2,000A/cm2であった。
【0045】以上の実施例1,実施例2及び比較例1か
ら分かるように、高いJcを得るためには、銀結晶の方
位,超電導結晶の方位が重要であることが分かる。
【0046】(実施例3)実施例1と同様に超電導物質
の粉末を作製し、同様の銀パイプに充填した。これを室
温で外径1.5mm までドローベンチにて線引きし、その
後、160℃に保ったまま、様々な厚さまで圧延した。
これを5cmの長さのテープ状試料に切断し、実施例1と
同様に熱処理した。
【0047】種々の試料の断面を光学顕微鏡及び走査型
電子顕微鏡(SEM)で調べ、超電導部分の厚さを測っ
た。
【0048】X線回折測定で熱処理後の試料の表面の銀
の結晶の方位を調べたところ、どの試料においても85
%の結晶粒の{100}面がテープ表面に平行でかつそ
の<100>方位が圧延を掛けた方向(即ちテープ状線
材の長手方向)に平行に揃っていることが確認できた。
【0049】また、外側の銀を取り去って、内側の超電
導物質の結晶の方位をX線回折測定で調べた。超電導物
質のc軸がテープ表面に5度以内で垂直でかつa軸が長
手方向に10度以内で平行に揃っている結晶の割合を調
べた。図4に超電導部分の厚さ(短軸の長さ)と超電導
物質のc軸がテープ表面に5度以内で垂直でかつa軸が
長手方向に10度以内で平行に揃っている結晶の割合の
関係を示す。
【0050】熱処理後の試料の超電導臨界電流密度Jc
を直流4端子法で測定した。測定は77Kで、ゼロ磁場
及び1Tの磁場をテープに垂直に印加したときについて
行った。図5には超電導部分の厚さとJcの関係を示
す。
【0051】図4及び図5より、超電導部分の厚さが5
ミクロン以下の場合に高いJcが得られることが分か
る。
【0052】(実施例4)実施例2と同様にして、ただ
し圧延の方向を、テープ状試料の長手方向からある5度
ずつずらして作製した試料を作製した。
【0053】X線回折測定で熱処理後の試料の表面の銀
の結晶の方位を調べたところ、何れの試料でも85%の
結晶粒の{110}面がテープ表面に平行でかつその<
211>方位が圧延を掛けた方向(テープの長手方向に
は一致しない)に平行に揃っていることが確認できた。
【0054】また、外側の銀を取り去って、内側の超電
導物質の結晶の方位をX線回折測定で調べた。超電導物
質の80%以上の結晶のc軸がテープ表面に5度以内で
垂直でかつa軸が銀結晶の<100>方向に10度以内
で平行に揃っていることが確認できた。
【0055】熱処理後の試料の超電導臨界電流密度Jc
を、77K,無磁場中で、直流4端子法で測定した結果
を図6に示す。
【0056】図6より、銀結晶と圧延方向、言い換えれ
ば超電導結晶の揃う方向と超電導線材の相対的角度は、
Jcに影響を及ぼさないことが分かる。
【0057】(実施例5)実施例1で用いた銀パイプの
代りに、Ag−40%Au,Ag−20%Au,Ag−
10%Pd,Ag−10%Cu合金、及びAg母相に粒
径0.1 ミクロンのMgOを堆積率にして0.1% 分散
させた酸化物分散型合金を使用して、実施例1同様にし
て超電導線材試料を作製した。いずれの場合において
も、実施例1で得られたものと同程度(Jcで80%以
内)の性能のものが得られた。
【0058】(実施例6)基本的には実施例1と同様な
方法で、ただし線引き及び圧延条件を変えることによっ
て、テープ表面に{100}面が平行でかつ圧延方向に
対して<100>方向が平行である銀結晶の割合を変化
させた試料を作製した。
【0059】図7に、テープ表面に{100}面が平行
でかつ圧延方向に対して<100>方向が平行である銀
結晶の割合とJcの関係を示す。図から分かるように、
テープ表面に{100}面が平行でかつ圧延方向に対し
て<100>方向が平行である銀結晶の割合(立方体集
合組織の割合)が80%以下になると磁場中の臨界電流
密度の値が大幅に低下することが分かる。従って、特性
の良い超電導線材を作製するためには、テープ表面に
{100}面が平行でかつ圧延方向に対して<100>
方向が平行である銀結晶の割合(立方体集合組織の割
合)を80%以上にしなければならないことが分かる。
【0060】また、図8には、超電導結晶のc軸が銀と
の界面に垂直から5度以内でかつa軸が、立方体集合組
織を形成している銀結晶の<100>方向に対して10
度以内であるものの割合とJcの関係を示す。
【0061】これら図7及び図8より、銀結晶が特定方
向に揃う割合が80%より少ないと、Jcが低下して行
くことが分かる。また超電導物質の結晶が特定方向に揃
う割合が80%より少ないと、Jcが低下して行くこと
が分かる。
【0062】(実施例7)実施例1で作製した超電導粉
末を、純度99.998% の銀パイプに充填した。これ
を、160℃に保った状態で、外径1.5mm までドロー
ベンチにて線引きした。これを55本束ねて銀パイプに
入れ、再び160℃に保ったまま外径1.5mmまでドロー
ベンチにて線引きした。この1次集合化線を55本束ね
てMgOを細かく分散させて高強度化した銀のパイプに
入れ、再び160℃に保ったまま外径1.5mm までドロ
ーベンチにて線引きした。これを5cmの長さ切断した。
これを20%酸素80%窒素気流中で熱処理した。熱処
理の温度条件は、室温から800℃まで3時間,800
℃から880℃まで2時間で昇温し、880℃で48分
間保持し、室温まで10時間で冷却した。図1に作製し
た超電導線材試料の模式図を示す。図中、1はMgOを
細かく分散させて高強度化した銀,2,4は銀で、3は
酸化物超電導物質である。
【0063】断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で調べ
たところ、一本の素線の超電導部分の直径は4±0.5
ミクロンであった。
【0064】X線回折測定で熱処理後の素線の銀結晶の
方位を調べたところ、80%の結晶粒の{100}面が
超電導部分との界面に平行でかつその<100>方位が
線材の長手方向に平行に揃っていることが確認できた。
【0065】熱処理後の試料の超電導臨界電流密度Jc
を直流4端子法で測定した。77Kでは、ゼロ磁場で9
0,000A/cm2 ,1Tの磁場をテープに垂直に印加した
ときには40,000A/cm2であった。
【0066】(実施例8)実施例7で作製した熱処理前
の線材を、160℃に保った状態で、線材の長手方向に
圧延した。これを5cmの長さのテープ状試料に切断し、
20%酸素80%窒素気流中で熱処理した。熱処理の温
度条件は、室温から800℃まで3時間,800℃から
880℃まで2時間で昇温し、880℃で48分間保持
し、室温まで10時間で冷却した。
【0067】断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で調べ
たところ、一本の素線の超電導部分の厚さ(短軸部分の
長さ)は2±0.2ミクロンであった。
【0068】X線回折測定で熱処理後の素線の銀結晶の
方位を調べたところ、80%の結晶粒の{100}面が
超電導部分との界面に平行でかつその<100>方位が
線材の長手方向に平行に揃っていることが確認できた。
【0069】熱処理後の試料の超電導臨界電流密度Jc
を直流4端子法で測定した。77Kでは、ゼロ磁場で15
0,000A/cm2,1Tの磁場をテープに垂直に印加したと
きには80,000A/cm2であった。
【0070】(実施例9)実施例7と同様な方法で、図
2に示すような断面形状を有する線材を作製した。
【0071】断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で調べ
たところ、一本の素線の1つの超電導部分の厚さ(短軸
部分の長さ)は2±0.2ミクロンであった。
【0072】熱処理後の試料の超電導臨界電流密度Jc
を直流4端子法で測定した。77Kでは、ゼロ磁場で14
0,000A/cm2,1Tの磁場をテープに垂直に印加したと
きには75,000A/cm2であった。
【0073】(実施例10)実施例1と同様な方法で、
ただし使用する超電導物質をいろいろ変えて、また熱処
理温度は30℃の範囲で最適化した温度を使用して、超
電導線材を作製した。超電導物質の組成は(TlX1Pb
X2BiX3HgX4CuX5)(Sr1-X6BaX6)2Canー1Cun
2n+3+X7で、分析の結果、何れの場合でも−0.5≦X
7≦0.5であった。
【0074】
【表1】
【0075】表1にX1,X2,X3,X4,X5,X
6,nと77Kで磁場を掛けない状態で測定したJcの
値(単位はA/cm2である)を示す。
【0076】何れの超電導物質を用いても高いJcが得
られることが分かる。
【0077】(実施例11)実施例1と同様な方法で、
ただし線引き及び圧延の温度をいろいろと変えて超電導
線材を作製した。図9に、線引き及び圧延時の温度と、
77K無磁場におけるJcの関係を示す。圧延温度は5
0℃〜250℃が好ましいことが分かる。
【0078】(実施例12)実施例1と同様な方法で、
ただし超電導物質にYBa2Cu26.9,NdBa2Cu
26.9,SmBa2Cu26.9,EuBa2Cu26.9
GdBa2Cu26.9,HoBa2Cu26.9,ErBa
2Cu26.9,YbBa2Cu26.9 を用いて、また熱
処理温度は30℃の範囲で最適化した温度を使用して、
超電導線材を作製した。何れの場合でも、熱処理後の試
料の超電導臨界電流密度Jcは、77K,ゼロ磁場で10
0,000A/cm21Tの磁場をテープに垂直に印加した時で
50,000A/cm2を越える高いJcが得られた。
【0079】(実施例13)実施例8と同様にして、1
00mの線材を作製した。この超電導線の表面に5ミク
ロン程度の厚さにアルミナをコーテイングし、それをパ
ンケーキ状に巻いて、超電導コイルを作製した。この様
なコイルを8つ作製し、縦方向に積層して、図10に示
す超電導マグネットを作製した。コイルを液体窒素に浸
漬し、電流を流して磁場を発生させたところ、最大磁場
3.1 テスラーを発生させることができた。
【0080】(実施例14)実施例13で作製した超電
導マグネットを使用して図11に示すような構成のNM
R装置を作製し、水素原子の核磁気共鳴が測定できるこ
とを確認した。市販のHe冷却で運転するタイプの物に
比べて、断熱が簡略化できることから、製造コストが1
0%以上削減できることが分かった。また高価な液体ヘ
リウムを用いないですむことから運転コストも大幅に低
減できることが分かった。
【0081】NMR装置とMRI装置の基本的な動作原
理は同じであるので本発明による超電導体を用いて作製
した超電導線材を使用した超電導マグネットを使ったM
RI装置の作製が可能であることが分かる。製造コスト
を見積ったところ、ヘリウム冷凍機の代わりに構造がず
っと簡単で安価な窒素冷凍機で済むこと、断熱が1重で
済むこと、更に動作温度が77Kと従来のMRI装置の
動作温度4.2K に比べて随分と高くなっていることか
ら、超電導線材の比熱が100程度大きくなっているた
めクエンチの心配がなく、その対策を行う必要がないこ
とから、少なくとも20%のコストダウンが可能である
ことが分かった。
【0082】(実施例15)本発明で作製した超電導体
を使用した磁気シールドを作製した。厚さ3cmの超電導
体の板で立方体を作製し、78Kの窒素ガスで冷却し、
シールド超電導状態にして、外部より50ガウスの磁場
を与えた。内部に入れたホール素子で内部の磁場を測定
したところ、ホール素子の検出可能限界以下の小さな磁
場であった。外部磁場を3000ガウスにしたとき内部
の磁場は1ガウス程度であった。本発明による超電導体
を用いて作製した磁気シールドは十分な特性を有するこ
とが確認できた。
【0083】(実施例16)大型の粒子加速器、例えば
リングの直径が1kmの加速器リングにつける粒子ビーム
収束用の4極電磁石をすべて本発明による超電導線材を
用いたマグネットで作製した場合、従来の液体ヘリウム
冷却の超電導マグネットで作製した場合に比べてどの程
度のコスト低減になるかを見積った。ヘリウム冷凍機の
代わりに構造がずっと簡単で安価な窒素冷凍機で済むこ
と、断熱が簡単で良いこと、比熱の大きい液体窒素であ
ることから冷媒を超電導マグネットに供給するシステム
が非常に簡略化できることから、20%以上のコスト低
減になることが分かった。
【0084】(実施例17)実施例1と同様にして、た
だし、銀の代わりに立方体集合組織を有する銀と金の合
金,銀とパラジウムの合金,銀と銅の合金,銀のマトリ
ックス相にMgOを分散させた分散強化型合金,銀のマ
トリックス相に金属間化合物を分散させた分散強化型合
金を使用した場合にも、同様に高いJcが得られた。熱
処理後の試料の超電導臨界電流密度Jcは何れの場合
も、77K,ゼロ磁場で100,000A/cm2,1Tの磁場を
テープに垂直に印加したとき、40,000A/cm2以上であ
った。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、液体ヘリウムによる冷
却は勿論、液体窒素による冷却によって運転される、高
磁界中においても高い超電導臨界電流密度を有する超電
導体,超電導線材,超電導マグネット,超電導利用機器
が得られる。本発明による超電導体,超電導線材を用い
た超電導利用機器は、液体窒素による冷却で運転するこ
とが可能になるため、装置全体として見たとき、単に超
電導の部分を従来の超電導体,超電導線材で置き換えた
に留まらず、冷却システム,断熱構造,クエンチ対策
(超電導の破壊が急激に起こる現象を抑制する対策)な
どを大幅に簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である超電導線材の模式図。
【図2】本発明の他の実施例である超電導線材の模式
図。
【図3】本発明の他の実施例である超電導線材の模式
図。
【図4】超電導部分の厚さ(短軸の長さ)と超電導物質
の結晶の割合の関係図。
【図5】超電導部分の厚さとJcの関係図。
【図6】超電導結晶の揃う方向と超電導線材の相対的角
度とJcの関係図。
【図7】超電導物質の銀結晶の割合とJcの関係図。
【図8】超電導結晶の割合とJcの関係図。
【図9】線引き及び圧延時の温度と、77K無磁場にお
けるJcの関係図。
【図10】本発明で作製した超電導マグネットの模式
図。
【図11】本発明によるNMR装置の模式図。
【符号の説明】
1…MgOを細かく分散させて高強度化した銀、2,
4,6…銀、3,5…酸化物超電導物質、7…励磁用電
源、8…サービスポート、9…冷媒休排出口、10…熱
反射板、11…液体窒素、12…積層した超電導コイ
ル、13…クライオスタット。
フロントページの続き (72)発明者 東山 和寿 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属体と超電導物質の複合体からなる超電
    導線材であって、該金属体によって該超電導物質部分が
    該線材の長手方向に平行な複数の超電導物質要素部分に
    分割されていて、該超電導物質要素部分の長手方向に垂
    直な断面が短軸/長軸≦1.0である扁平形状であり、そ
    の短軸の長さが5ミクロン以下であって、該金属体が
    銀,銀合金もしくは銀にセラミックスを分散させた強化
    銀であり、該超電導物質の化学組成が、 (TlX1PbX2BiX3HgX4CuX5)(Sr1-X6BaX6)2
    Canー1Cun2n+3+X7 ここで、0≦X1≦1.0, 0≦X2≦1.0, 0≦X3≦0.5, 0≦X4≦1.0, 0≦X5≦1.0, 0.5≦X1+X2+X3+X4+X5≦1, 0≦X6≦1, −0.5≦X7≦0.5 n=1,2,3,4,5 で表されることを特徴とする超電導線材。
  2. 【請求項2】金属体と超電導物質の複合体からなる超電
    導線材であって、該金属体によって該超電導物質部分が
    該線材の長手方向に平行な複数の超電導物質要素部分に
    分割されていて、該超電導物質要素部分の長手方向に垂
    直な断面が短軸/長軸≦1.0である円形もしくは扁平形
    状であり、その短軸の長さが5ミクロン以下であって、
    該金属体が銀,銀合金もしくは銀にセラミックスを分散
    させた強化銀であり、かつ該金属体を形成する銀もしく
    は銀合金の結晶の80%以上の方位がある一つの方向に
    10度以内に揃っていて、該超電導物質の化学組成が、 (TlX1PbX2BiX3HgX4CuX5)(Sr1-X6BaX6)2
    Canー1Cun2n+3+X7 ここで、0≦X1≦1.0, 0≦X2≦1.0, 0≦X3≦0.5, 0≦X4≦1.0, 0≦X5≦1.0, 0.5≦X1+X2+X3+X4+X5≦1, 0≦X6≦1, −0.5≦X7≦0.5 n=1,2,3,4,5 で表されることを特徴とする超電導線材。
  3. 【請求項3】金属体と超電導物質の複合体からなる超電
    導線材であって、該金属体によって該超電導物質部分が
    該線材の長手方向に平行な複数の超電導物質要素部分に
    分割されていて、該超電導物質要素部分の長手方向に垂
    直な断面が短軸/長軸≦1.0である円形もしくは扁平形
    状であり、その短軸の長さが5ミクロン以下であって、
    該金属体が銀,銀合金もしくは銀にセラミックスを分散
    させた強化銀であり、かつ該金属体を形成する銀もしく
    は銀合金の結晶の80%以上の{110}面が該金属体
    と該超電導物質要素部分の界面に5度以内で平行でかつ
    <211>方向が該超電導線材の長手方向に10度以内
    に揃っていて、該超電導物質の化学組成が、 (TlX1PbX2BiX3HgX4CuX5)(Sr1-X6BaX6)2
    Canー1Cun2n+3+X7 ここで、0≦X1≦1.0, 0≦X2≦1.0, 0≦X3≦0.5, 0≦X4≦1.0, 0≦X5≦1.0, 0.5≦X1+X2+X3+X4+X5≦1, 0≦X6≦1, −0.5≦X7≦0.5 n=1,2,3,4,5 で表されることを特徴とする超電導線材。
  4. 【請求項4】金属体と超電導物質の複合体からなる超電
    導線材であって、該金属体によって該超電導物質部分が
    該線材の長手方向に平行な複数の超電導物質要素部分に
    分割されていて、該超電導物質要素部分の長手方向に垂
    直な断面が短軸/長軸≦1.0である円形もしくは扁平形
    状であり、その短軸の長さが5ミクロン以下であって、
    該金属体が銀,銀合金もしくは銀にセラミックスを分散
    させた強化銀であり、かつ該金属体を形成する銀もしく
    は銀合金の結晶の80%以上の{110}面が該金属体
    と該超電導物質要素部分の界面に5度以内で平行でかつ
    <211>方向が該超電導線材の長手方向に10度以内
    に揃っていて、該超電導物質の化学組成が、 (TlX1PbX2BiX3HgX4CuX5)(Sr1-X6BaX6)2
    Canー1Cun2n+3+X7 ここで、0≦X1≦1.0, 0≦X2≦1.0, 0≦X3≦0.5, 0≦X4≦1.0, 0≦X5≦1.0, 0.5≦X1+X2+X3+X4+X5≦1, 0≦X6≦1, −0.5≦X7≦0.5 n=1,2,3,4,5 で表され、該超電導物質の80%以上の結晶のc軸が該
    金属体と該超電導物質要素部分の界面に5度以内で垂直
    でかつa軸が銀結晶の<100>方向に10度以内で平
    行に揃っていることを特徴とする超電導線材。
  5. 【請求項5】金属体と超電導物質の複合体からなる超電
    導線材であって、該金属体によって該超電導物質部分が
    該線材の長手方向に平行な複数の超電導物質要素部分に
    分割されていて、該超電導物質要素部分の長手方向に垂
    直な断面が短軸/長軸≦1.0である円形もしくは扁平形
    状であり、その短軸の長さが5ミクロン以下であって、
    銀,銀合金もしくは銀にセラミックスを分散させた強化
    銀であり、かつ該金属体を形成する銀もしくは銀合金の
    結晶の80%以上の{100}面が該金属体と該超電導
    物質要素部分の界面に5度以内で平行でかつ<001>
    方向が該超電導線材の長手方向に10度以内に揃ってい
    て、該超電導物質の化学組成が、 (TlX1PbX2BiX3HgX4CuX5)(Sr1-X6BaX6)2
    Canー1Cun2n+3+X7 ここで、0≦X1≦1.0, 0≦X2≦1.0, 0≦X3≦0.5, 0≦X4≦1.0, 0≦X5≦1.0, 0.5≦X1+X2+X3+X4+X5≦1, 0≦X6≦1, −0.5≦X7≦0.5 n=1,2,3,4,5 で表されることを特徴とする超電導線材。
  6. 【請求項6】金属体と超電導物質の複合体からなる超電
    導線材であって、該金属体によって該超電導物質部分が
    該線材の長手方向に平行な複数の超電導物質要素部分に
    分割されていて、該超電導物質要素部分の長手方向に垂
    直な断面が短軸/長軸≦1.0である円形もしくは扁平形
    状であり、その短軸の長さが5ミクロン以下であって、
    該金属体が銀,銀合金もしくは銀にセラミックスを分散
    させた強化銀であり、かつ該金属体を形成する銀もしく
    は銀合金の結晶の80%以上の{100}面が該金属体
    と該超電導物質要素部分の界面に5度以内で平行でかつ
    <001>方向が該超電導線材の長手方向に10度以内
    に揃っていて、該超電導物質の化学組成が、 (TlX1PbX2BiX3HgX4CuX5)(Sr1-X6BaX6)2
    Canー1Cun2n+3+X7 ここで、0≦X1≦1.0, 0≦X2≦1.0, 0≦X3≦0.5, 0≦X4≦1.0, 0≦X5≦1.0, 0.5≦X1+X2+X3+X4+X5≦1, 0≦X6≦1, −0.5≦X7≦0.5 n=1,2,3,4,5 で表され、該超電導物質の80%以上の結晶のc軸が該
    金属体と該超電導物質要素部分の界面に5度以内で垂直
    でかつa軸が銀結晶の<100>方向に10度以内で平
    行に揃っていることを特徴とする超電導線材。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の該酸
    化物超電導物質の化学組成が LnBa2Cu37+X1 ここで、LnはYもしくは希土類元素から選ばれた一種
    または複数。 −0.5≦X1≦0.2 n=1,2,3 で表されることを特徴とする超電導線材。
  8. 【請求項8】請求項1ないし6のいずれかに記載の該酸
    化物超電導物質の化学組成が LnBa2Cu37+X1 ここで、LnはYもしくは希土類元素から選ばれた一種
    または複数。 −0.5≦X1≦0.2 n=1,2,3 で表され、該超電導物質の80%以上の結晶のc軸が該
    金属体と該超電導物質要素部分の界面に5度以内で垂直
    でかつb軸もしくはa軸かb軸のどちらかが銀結晶の<
    100>方向に10度以内で平行に揃っていることを特
    徴とする超電導線材。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれかに記載の該金
    属体の部分の銀の純度が99.99%以上であることを
    特徴とする超電導線材。
  10. 【請求項10】中空の銀,銀合金もしくは銀にセラミッ
    クスを分散させた強化銀の管の内部に、超電導物質もし
    くは熱処理によって超電導物質に変化する物体を充填す
    る複合管作製工程と,該複合管の断面積を減じて長手方
    向に伸ばす線引き工程と,100℃以上250℃以下の温
    度で該複合管を加工する温間加工工程と,800℃以上
    の温度で熱処理する熱処理工程を含むことを特徴とする
    超電導線材の作製方法。
  11. 【請求項11】中空の銀,銀合金もしくは銀にセラミッ
    クスを分散させた強化銀の管の内部に、超電導物質もし
    くは熱処理によって超電導物質に変化する物体を充填す
    る複合管作製工程と,該複合管の断面積を減じて長手方
    向に伸ばす線引き工程と,100℃以上250℃以下の温
    度で該複合管を扁平形状に加工する温間扁平化加工工程
    と,800℃以上の温度で熱処理する熱処理工程を含む
    ことを特徴とする超電導線材の作製方法。
JP7063707A 1995-03-23 1995-03-23 酸化物超電導線材及びその製造方法 Pending JPH08264045A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7063707A JPH08264045A (ja) 1995-03-23 1995-03-23 酸化物超電導線材及びその製造方法
EP96104351A EP0734081A1 (en) 1995-03-23 1996-03-19 Oxide superconducting wire and manufacturing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7063707A JPH08264045A (ja) 1995-03-23 1995-03-23 酸化物超電導線材及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08264045A true JPH08264045A (ja) 1996-10-11

Family

ID=13237125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7063707A Pending JPH08264045A (ja) 1995-03-23 1995-03-23 酸化物超電導線材及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP0734081A1 (ja)
JP (1) JPH08264045A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6631280B1 (en) * 1997-02-27 2003-10-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Oxide superconducting wire with reduced AC loss

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0357779A4 (en) * 1987-12-25 1990-12-19 Mitsubishi Kinzoku Kabushiki Kaisha Superconductive wire and cable having high current density, and method of producing them
JP2877367B2 (ja) * 1989-09-05 1999-03-31 株式会社東芝 超電導線材
DE4108445A1 (de) * 1991-03-15 1992-09-17 Abb Patent Gmbh Verfahren zur herstellung von draehten

Also Published As

Publication number Publication date
EP0734081A1 (en) 1996-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1340569C (en) Superconductive body having improved properties, and apparatus and systems comprising such a body
JP2636049B2 (ja) 酸化物超電導体の製造方法および酸化物超電導線材の製造方法
JP4799979B2 (ja) 酸化物超伝導体コイル、酸化物超伝導体コイルの製造方法、酸化物超伝導体コイルの励磁方法、酸化物超伝導体コイルの冷却方法、及びマグネットシステム
US6316391B1 (en) Oxide superconducting wire and method of manufacturing the same
EP0292436B1 (en) High current conductors and high field magnets using anisotropic superconductors
JP4719308B1 (ja) 酸化物超伝導バルク磁石部材
US5502029A (en) Laminated super conductor oxide with strontium, calcium, copper and at least one of thallium, lead, and bismuth
Motowidlo et al. The influence of filament size and atmosphere on the microstructure and J/sub c/of round multifilament Bi/sub 2/Sr/sub 2/Ca/sub 1/Cu/sub 2/O/sub x/wires
US5462922A (en) Superconductive material, a superconductive body, and a method of forming such a superconductive material or body
JPH08264045A (ja) 酸化物超電導線材及びその製造方法
Tsapleva et al. The Materials Science of Modern Technical Superconducting Materials
JP4011131B2 (ja) テープ状酸化物超電導線材ならびにそれを用いた超電導マグネットおよび電流リード
JP4903729B2 (ja) 酸化物超伝導マグネット及びその製造方法、並びに冷却方法
JP3873304B2 (ja) 酸化物超電導線及びその製造方法
WO2013015328A1 (ja) 超電導薄膜用基材、超電導薄膜及び超電導薄膜の製造方法
Silver et al. 9 Developments in high temperature superconductivity
JP3283691B2 (ja) 高ダンピング酸化物超伝導材料およびその製造方法
JP2651018B2 (ja) 高磁場マグネット
JPH0917249A (ja) 酸化物超電導線材及びその製造方法
JPH11329118A (ja) 酸化物超電導複合材およびその製造方法
JP3758455B2 (ja) 酸化物超電導線材の製造方法
JPH07192546A (ja) 酸化物超電導線材及びその製造方法
JPH09161557A (ja) 酸化物超電導体、酸化物超電導線材及び線材の製造方法
Easterling et al. The microstructure and properties of high T c superconducting oxides
JPH04324209A (ja) 酸化物超電導線およびその製造方法