JPH08263134A - プロセス制御装置の異常検出方法およびプロセス制御装置 - Google Patents
プロセス制御装置の異常検出方法およびプロセス制御装置Info
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- JPH08263134A JPH08263134A JP6728395A JP6728395A JPH08263134A JP H08263134 A JPH08263134 A JP H08263134A JP 6728395 A JP6728395 A JP 6728395A JP 6728395 A JP6728395 A JP 6728395A JP H08263134 A JPH08263134 A JP H08263134A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 プロセス制御装置の長時間の使用における該
装置のゆるやかな劣化に起因する制御応答特性の異常、
被処理物側に起因する制御応答特性の異常、外乱に起因
する制御応答特性の異常を精度良く検出できる方法を提
供する。 【構成】 プロセス制御装置の過去の少なくとも1回の
制御動作における応答特性を記憶しておく。プロセス制
御装置の実際の制御動作の際には、該実際の制御動作に
おける前記記憶した応答特性に対応する応答を、前記記
憶した応答特性と、該実際の制御動作の進行に並行して
逐次比較する。該比較結果が予め設定された許容値から
外れたときをプロセス制御装置の異常とする。
装置のゆるやかな劣化に起因する制御応答特性の異常、
被処理物側に起因する制御応答特性の異常、外乱に起因
する制御応答特性の異常を精度良く検出できる方法を提
供する。 【構成】 プロセス制御装置の過去の少なくとも1回の
制御動作における応答特性を記憶しておく。プロセス制
御装置の実際の制御動作の際には、該実際の制御動作に
おける前記記憶した応答特性に対応する応答を、前記記
憶した応答特性と、該実際の制御動作の進行に並行して
逐次比較する。該比較結果が予め設定された許容値から
外れたときをプロセス制御装置の異常とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は例えば熱処理装置など
に代表されるプロセス制御装置の異常状態を検出する方
法、その実施に好適なプロセス制御装置に関するもので
ある。
に代表されるプロセス制御装置の異常状態を検出する方
法、その実施に好適なプロセス制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば電気炉を用いた熱処理装置では制
御対象パラメータである温度が、熱処理条件に従って例
えば一定値に或は、あるプロファイルに従うよう時間と
共に可変制御される。具体的には、電気炉に接触させて
設けた熱電対の起電力として検出される該電気炉の現在
の温度(すなわち制御結果信号)と、目標の温度値を示
すプログラム信号との差に応じて比例、積分、微分(い
わゆる自動制御におけるPID)等の処理を行なって制
御信号が生成され、これがヒータ電流コントローラに入
力されヒータがオン・オフされることで、温度制御がな
される。
御対象パラメータである温度が、熱処理条件に従って例
えば一定値に或は、あるプロファイルに従うよう時間と
共に可変制御される。具体的には、電気炉に接触させて
設けた熱電対の起電力として検出される該電気炉の現在
の温度(すなわち制御結果信号)と、目標の温度値を示
すプログラム信号との差に応じて比例、積分、微分(い
わゆる自動制御におけるPID)等の処理を行なって制
御信号が生成され、これがヒータ電流コントローラに入
力されヒータがオン・オフされることで、温度制御がな
される。
【0003】ところで、このような熱処理装置では予期
せぬ異常に対して熱処理装置や工程の安全を図るため、
一般に、装置の異常を検出する手当がなされている。そ
のための従来方法としては、温度を一定に制御する場合
であれば、最も簡単には、メータリレーなどによって目
標温度の上下の一方または双方に警報を発する温度を設
定しておくことで異常を検出する方法があった。また、
温度を一定に制御する場合(定温制御の場合)およびあ
る熱処理プロファイルに従うよう温度を可変制御する場
合(プロファイル制御する場合)双方に利用できる方法
として、目標温度に対し実際温度が、ある設定された偏
差以上になると警報を発するようにして異常を検出する
方法があった。この従来方法について、定温制御の場合
の例を図8に、またプロファイル制御の場合の例を図9
にそれぞれ示した。いずれの方法の場合も、いまの制御
動作における目標温度と実際温度との関係に着目して、
異常を検出していた。
せぬ異常に対して熱処理装置や工程の安全を図るため、
一般に、装置の異常を検出する手当がなされている。そ
のための従来方法としては、温度を一定に制御する場合
であれば、最も簡単には、メータリレーなどによって目
標温度の上下の一方または双方に警報を発する温度を設
定しておくことで異常を検出する方法があった。また、
温度を一定に制御する場合(定温制御の場合)およびあ
る熱処理プロファイルに従うよう温度を可変制御する場
合(プロファイル制御する場合)双方に利用できる方法
として、目標温度に対し実際温度が、ある設定された偏
差以上になると警報を発するようにして異常を検出する
方法があった。この従来方法について、定温制御の場合
の例を図8に、またプロファイル制御の場合の例を図9
にそれぞれ示した。いずれの方法の場合も、いまの制御
動作における目標温度と実際温度との関係に着目して、
異常を検出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、目標温
度に対して実際温度の時間応答が大幅に遅れるため異常
検出のための設定偏差は大きく設定する必要があるの
で、上記従来方法では火事などの重大事故を防ぐための
警報を発する程度の機能しか持てなかった。すなわち、
事故が発生した時の警報は可能であるがプロセス制御装
置の微妙な変化、例えば、詳細は後述するが、:プロ
セス制御装置の長時間の使用における該装置のゆるやか
な劣化等に起因した制御応答特性の異常や、:プロセ
ス制御装置により処理される対象物(以下、「被処理
物」ともいう。)側の変化などに代表される工程側の変
化に起因した制御応答特性の異常や、:プロセス処理
装置を駆動する電源電圧の変動、該装置に及ぶ外来ノイ
ズ、外気温の変化など突発的な外乱に起因する制御応答
特性の異常を検出することは困難であった。具体的に説
明すれば、プロセス制御装置として例えば熱処理装置を
考えた場合、この種の装置では、電気炉加熱用のヒータ
の消耗、熱電対の消耗、各接続端子の劣化、並びに断熱
材および炉芯管等の変形等に起因して、電気炉の熱的応
答性が経時的に変化することが多いが、このような変化
を速やかに検出することは従来方法では困難であった。
さらに、例えば半導体ウエハを熱処理するプロセスを考
えた場合で、例えばN枚の半導体ウエハを1ロットとし
て熱処理するのが常であるところを、知らぬまにウエハ
数がN枚に対し増減した状態で熱処理されていた場合、
熱処理温度は同じでも各ウエハへ印加される温度プロフ
ァイルは変化してしまうことになるが、このような異常
を検出することも、従来方法では困難であった。
度に対して実際温度の時間応答が大幅に遅れるため異常
検出のための設定偏差は大きく設定する必要があるの
で、上記従来方法では火事などの重大事故を防ぐための
警報を発する程度の機能しか持てなかった。すなわち、
事故が発生した時の警報は可能であるがプロセス制御装
置の微妙な変化、例えば、詳細は後述するが、:プロ
セス制御装置の長時間の使用における該装置のゆるやか
な劣化等に起因した制御応答特性の異常や、:プロセ
ス制御装置により処理される対象物(以下、「被処理
物」ともいう。)側の変化などに代表される工程側の変
化に起因した制御応答特性の異常や、:プロセス処理
装置を駆動する電源電圧の変動、該装置に及ぶ外来ノイ
ズ、外気温の変化など突発的な外乱に起因する制御応答
特性の異常を検出することは困難であった。具体的に説
明すれば、プロセス制御装置として例えば熱処理装置を
考えた場合、この種の装置では、電気炉加熱用のヒータ
の消耗、熱電対の消耗、各接続端子の劣化、並びに断熱
材および炉芯管等の変形等に起因して、電気炉の熱的応
答性が経時的に変化することが多いが、このような変化
を速やかに検出することは従来方法では困難であった。
さらに、例えば半導体ウエハを熱処理するプロセスを考
えた場合で、例えばN枚の半導体ウエハを1ロットとし
て熱処理するのが常であるところを、知らぬまにウエハ
数がN枚に対し増減した状態で熱処理されていた場合、
熱処理温度は同じでも各ウエハへ印加される温度プロフ
ァイルは変化してしまうことになるが、このような異常
を検出することも、従来方法では困難であった。
【0005】熱処理装置に代表されるプロセス制御装置
の使用、特に工業的な使用に当たっては、一度設定した
条件で所望の処理が再現性良く行なわれることが極めて
重要であることを考えると、上記〜で述べたような
異常をも容易に検出できる方法および装置が望まれる。
の使用、特に工業的な使用に当たっては、一度設定した
条件で所望の処理が再現性良く行なわれることが極めて
重要であることを考えると、上記〜で述べたような
異常をも容易に検出できる方法および装置が望まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の第一
発明によれば、プロセス制御装置の異常を検出するに当
たり、プロセス制御装置の過去の少なくとも1回の制御
動作における応答特性を記憶しておく。そして、プロセ
ス制御装置の実際の制御動作の際には、該実際の制御動
作における前記記憶した応答特性に対応する応答を、前
記記憶した応答特性と、該実際の制御動作の進行に並行
して逐次比較する。そして、該比較結果が予め設定され
た許容値から外れたときをプロセス制御装置の異常とす
る。
発明によれば、プロセス制御装置の異常を検出するに当
たり、プロセス制御装置の過去の少なくとも1回の制御
動作における応答特性を記憶しておく。そして、プロセ
ス制御装置の実際の制御動作の際には、該実際の制御動
作における前記記憶した応答特性に対応する応答を、前
記記憶した応答特性と、該実際の制御動作の進行に並行
して逐次比較する。そして、該比較結果が予め設定され
た許容値から外れたときをプロセス制御装置の異常とす
る。
【0007】また、この出願の第二発明によれば、制御
対象パラメータを目標値に制御するための手段を有した
プロセス制御装置において、プロセス制御装置の過去の
少なくとも1回の制御動作における応答特性を記憶する
記憶手段と、前記プロセス制御装置の実際の制御動作の
際には該実際の制御動作における前記記憶した応答特性
に対応する応答を前記記憶した応答特性と該実際の制御
動作の進行に並行して逐次比較し、該比較結果が予め設
定された許容値から外れたときにプロセス制御装置の異
常を示す信号を出力する異常検出手段とを具えたことを
特徴とする。
対象パラメータを目標値に制御するための手段を有した
プロセス制御装置において、プロセス制御装置の過去の
少なくとも1回の制御動作における応答特性を記憶する
記憶手段と、前記プロセス制御装置の実際の制御動作の
際には該実際の制御動作における前記記憶した応答特性
に対応する応答を前記記憶した応答特性と該実際の制御
動作の進行に並行して逐次比較し、該比較結果が予め設
定された許容値から外れたときにプロセス制御装置の異
常を示す信号を出力する異常検出手段とを具えたことを
特徴とする。
【0008】なお、これら第一および第二発明の実施に
当たり、前記記憶しておく応答特性および比較する応答
の各々の範囲を、制御動作の開始から終了までの範囲の
うちの当該プロセス制御の要部に相当する範囲としても
良い。
当たり、前記記憶しておく応答特性および比較する応答
の各々の範囲を、制御動作の開始から終了までの範囲の
うちの当該プロセス制御の要部に相当する範囲としても
良い。
【0009】
【作用】この出願の第一発明のプロセス制御装置の異常
検出方法によれば、実際の制御動作は制御プログラム
(温度制御の場合で言えば温度プログラム。以下同様)
を目標値として行なわれ、異常の有無は実際の制御動作
におけるプロセス制御装置の応答特性(温度制御の場合
でいえば温度の時間的変化)を、過去の正常な制御動作
における当該装置の同応答特性と逐次比較することによ
り、刻々判定する。すなわち、従来は制御動作および異
常検出動作両者で、制御プログラムにより与えられる値
を目標値としていたのに対し、この発明では、制御動作
および異常検出動作それぞれの目標値を分けるのであ
る。従って、従来に比べ精度の高い異常検出がなされ
る。換言すれば、従来では、異常検出のための設定偏差
は、制御プログラムを目標値としそれからの偏差を設定
していたために大きく設定せざるを得なかったが、本発
明では過去の正常な制御動作時の応答特性を異常検出の
ための目標値とすることが出来るので、設定偏差を小さ
くすることが出来、よって、プロセス制御装置の微妙な
変化や劣化を検出することが出来る。この様子を図7に
示した。この図7と既に示した図8および図9とを対比
することで、本発明の優位性が理解出来る。またこの発
明でいう応答特性には、被処理物をプロセス制御装置に
投入した状態の応答特性も含み得るので、被処理物側に
起因する異常の検出も可能となる。
検出方法によれば、実際の制御動作は制御プログラム
(温度制御の場合で言えば温度プログラム。以下同様)
を目標値として行なわれ、異常の有無は実際の制御動作
におけるプロセス制御装置の応答特性(温度制御の場合
でいえば温度の時間的変化)を、過去の正常な制御動作
における当該装置の同応答特性と逐次比較することによ
り、刻々判定する。すなわち、従来は制御動作および異
常検出動作両者で、制御プログラムにより与えられる値
を目標値としていたのに対し、この発明では、制御動作
および異常検出動作それぞれの目標値を分けるのであ
る。従って、従来に比べ精度の高い異常検出がなされ
る。換言すれば、従来では、異常検出のための設定偏差
は、制御プログラムを目標値としそれからの偏差を設定
していたために大きく設定せざるを得なかったが、本発
明では過去の正常な制御動作時の応答特性を異常検出の
ための目標値とすることが出来るので、設定偏差を小さ
くすることが出来、よって、プロセス制御装置の微妙な
変化や劣化を検出することが出来る。この様子を図7に
示した。この図7と既に示した図8および図9とを対比
することで、本発明の優位性が理解出来る。またこの発
明でいう応答特性には、被処理物をプロセス制御装置に
投入した状態の応答特性も含み得るので、被処理物側に
起因する異常の検出も可能となる。
【0010】また、この出願の第二発明のプロセス制御
装置によれば、第一発明の実施を容易とする。
装置によれば、第一発明の実施を容易とする。
【0011】また、第一および第二発明において、記憶
しておく過去の応答特性および比較する実際の応答の各
々の範囲を、制御動作の開始から終了までの範囲のうち
の当該プロセス制御の要部に相当する範囲とする構成で
は、例えば、プロセス制御装置の使用状況の違いに起因
する異常検出精度の低下の防止と、記憶手段の容量の低
減とが図れる。具体的に説明すれば次のようである。す
なわち、例えば熱処理装置の例で考えれば、一回の制御
動作が終了した後にすぐに次の制御動作に入る場合と該
装置を例えば数時間冷却した後に次の制御動作に入る場
合というような使用状況の相違があると、装置自体の熱
容量等が特に装置の立ち上げ領域の応答特性部分に影響
する。しかし、実際にはもっと高温領域の熱処理プロフ
ァイルが本熱処理の要部であるというようなことが多
い。また、そのような高温領域では、上記装置の使用状
況の違いに起因する影響は実質的にない。そこで、要部
この例では高温領域に相当する範囲の応答特性部分を記
憶および比較対照とするのが良いといえる。
しておく過去の応答特性および比較する実際の応答の各
々の範囲を、制御動作の開始から終了までの範囲のうち
の当該プロセス制御の要部に相当する範囲とする構成で
は、例えば、プロセス制御装置の使用状況の違いに起因
する異常検出精度の低下の防止と、記憶手段の容量の低
減とが図れる。具体的に説明すれば次のようである。す
なわち、例えば熱処理装置の例で考えれば、一回の制御
動作が終了した後にすぐに次の制御動作に入る場合と該
装置を例えば数時間冷却した後に次の制御動作に入る場
合というような使用状況の相違があると、装置自体の熱
容量等が特に装置の立ち上げ領域の応答特性部分に影響
する。しかし、実際にはもっと高温領域の熱処理プロフ
ァイルが本熱処理の要部であるというようなことが多
い。また、そのような高温領域では、上記装置の使用状
況の違いに起因する影響は実質的にない。そこで、要部
この例では高温領域に相当する範囲の応答特性部分を記
憶および比較対照とするのが良いといえる。
【0012】
【実施例】以下、プロセス制御装置を電気信号により加
熱される手段を含む熱処理装置とした例により、この出
願のプロセス制御装置の異常検出方法およびその実施に
好適なプロセス制御装置の実施例を説明する。この説明
をいくつかの図を参照して行なう。しかしながら、いず
れの図もこれらの発明を理解出来る程度に概略的に示し
てある。また、説明に用いる各図において同様な構成成
分については同一の番号を付し、その重複する説明を省
略することもある。
熱される手段を含む熱処理装置とした例により、この出
願のプロセス制御装置の異常検出方法およびその実施に
好適なプロセス制御装置の実施例を説明する。この説明
をいくつかの図を参照して行なう。しかしながら、いず
れの図もこれらの発明を理解出来る程度に概略的に示し
てある。また、説明に用いる各図において同様な構成成
分については同一の番号を付し、その重複する説明を省
略することもある。
【0013】1.第1の実施例 1−1.装置の構成の説明 図1は、第1の実施例のプロセス制御装置10(以下、
熱処理装置10ともいう。)の構成を示した図である。
この熱処理装置10は、制御対象である例えば炉芯管2
0と、制御対象パラメータである温度を制御するための
手段30(以下、制御手段30ともいう。)と、所定の
記憶手段40と、所定の異常検出手段50とを具えてい
る。また、このプロセス制御装置10は、制御動作の所
定の時にプロセス制御装置10に被処理物を投入するた
めの被処理物移動機構60を具える構成としても良い。
熱処理装置10ともいう。)の構成を示した図である。
この熱処理装置10は、制御対象である例えば炉芯管2
0と、制御対象パラメータである温度を制御するための
手段30(以下、制御手段30ともいう。)と、所定の
記憶手段40と、所定の異常検出手段50とを具えてい
る。また、このプロセス制御装置10は、制御動作の所
定の時にプロセス制御装置10に被処理物を投入するた
めの被処理物移動機構60を具える構成としても良い。
【0014】ここで、処理対象を炉芯管20としている
理由は、本熱処理装置10をたとえば半導体ウエハの熱
処理装置用として仮定したからである。しかし、処理対
象は炉芯管に限られない。例えば成膜装置の成膜室やエ
ッチング装置のエッチング室など、温度制御が必要な種
々の対象物とできる。
理由は、本熱処理装置10をたとえば半導体ウエハの熱
処理装置用として仮定したからである。しかし、処理対
象は炉芯管に限られない。例えば成膜装置の成膜室やエ
ッチング装置のエッチング室など、温度制御が必要な種
々の対象物とできる。
【0015】また、制御手段30は、この実施例の場
合、制御対象である炉芯管20を加熱する為のヒータ3
1と、炉芯管20およびヒータ31を覆っている断熱材
32と、炉芯管20、ヒータ31および断熱材32を保
持している電気炉筐体33と、炉芯管20の温度(すな
わち制御結果信号SO )を検出するための熱電対34
と、ヒータ31に流す電流を可変するためのヒータ電流
コントローラ35と、ヒータ用電源36と、目標温度値
を示すプログラム信号SP を出力するプログラマ37
と、該プログラム信号SP と制御結果信号SO との差分
SD に基づいてヒータ電流コントローラ35に制御信号
SC を出力する制御信号出力部としての温度コントロー
ラ38とを具えたもので構成してある。なお、この実施
例の場合のプログラマ37は、要求される温度プロファ
イルに応じた目標温度値を熱電対の起電力に換算した状
態で温度コントローラ38に出力するもので、公知のも
ので構成出来る。また温度コントローラ38は、例えば
比例、積分、微分による自動制御いわゆるPID制御演
算を行なう公知のコントローラで構成出来る。ヒータ電
流コントローラは35は温度コントローラから出力され
る制御信号に応じヒータ電流の大小を制御(電流ゼロの
場合も含む)するものである。
合、制御対象である炉芯管20を加熱する為のヒータ3
1と、炉芯管20およびヒータ31を覆っている断熱材
32と、炉芯管20、ヒータ31および断熱材32を保
持している電気炉筐体33と、炉芯管20の温度(すな
わち制御結果信号SO )を検出するための熱電対34
と、ヒータ31に流す電流を可変するためのヒータ電流
コントローラ35と、ヒータ用電源36と、目標温度値
を示すプログラム信号SP を出力するプログラマ37
と、該プログラム信号SP と制御結果信号SO との差分
SD に基づいてヒータ電流コントローラ35に制御信号
SC を出力する制御信号出力部としての温度コントロー
ラ38とを具えたもので構成してある。なお、この実施
例の場合のプログラマ37は、要求される温度プロファ
イルに応じた目標温度値を熱電対の起電力に換算した状
態で温度コントローラ38に出力するもので、公知のも
ので構成出来る。また温度コントローラ38は、例えば
比例、積分、微分による自動制御いわゆるPID制御演
算を行なう公知のコントローラで構成出来る。ヒータ電
流コントローラは35は温度コントローラから出力され
る制御信号に応じヒータ電流の大小を制御(電流ゼロの
場合も含む)するものである。
【0016】また、記憶手段40は、プロセス制御装置
10の過去の少なくとも1回の制御動作における応答特
性SM を記憶するものである。この記憶手段40は、例
えば公知の半導体メモリにより構成出来る。たとえば、
過去になされた制御動作における正常と思われる任意の
1回の制御動作の開始から終了までにおける応答特性を
記憶する場合であって、然も、たとえば3時間の温度プ
ログラムを1分ごとにチェックするとし、かつ、各チェ
ック点での差分をそれぞれ16ビットで記憶させるとし
た場合、3×60×16=2880ビットの容量の記憶
手段を用意すれば良い。また、応答特性はどのような形
で示されるものであっても本来はかまはない。この実施
例の場合は、格納する応答特性を、前記プログラム信号
SP と制御結果信号SO との差分の、制御動作の進行に
伴う変化で示される応答特性としている(詳細は後の動
作説明の項や図2参照)。また、この記憶手段40は、
熱処理条件などによっては、制御動作の開始から終了ま
での範囲のうちの当該プロセス制御の要部に相当する部
分(上記応答特性の一部分)を記憶するものとしても良
い。要部のみ記憶するようにした場合は、既に説明した
ように、プロセス制御装置の使用状況の違いに起因する
異常検出精度の低下の防止と、記憶手段の容量の低減と
が図れる。
10の過去の少なくとも1回の制御動作における応答特
性SM を記憶するものである。この記憶手段40は、例
えば公知の半導体メモリにより構成出来る。たとえば、
過去になされた制御動作における正常と思われる任意の
1回の制御動作の開始から終了までにおける応答特性を
記憶する場合であって、然も、たとえば3時間の温度プ
ログラムを1分ごとにチェックするとし、かつ、各チェ
ック点での差分をそれぞれ16ビットで記憶させるとし
た場合、3×60×16=2880ビットの容量の記憶
手段を用意すれば良い。また、応答特性はどのような形
で示されるものであっても本来はかまはない。この実施
例の場合は、格納する応答特性を、前記プログラム信号
SP と制御結果信号SO との差分の、制御動作の進行に
伴う変化で示される応答特性としている(詳細は後の動
作説明の項や図2参照)。また、この記憶手段40は、
熱処理条件などによっては、制御動作の開始から終了ま
での範囲のうちの当該プロセス制御の要部に相当する部
分(上記応答特性の一部分)を記憶するものとしても良
い。要部のみ記憶するようにした場合は、既に説明した
ように、プロセス制御装置の使用状況の違いに起因する
異常検出精度の低下の防止と、記憶手段の容量の低減と
が図れる。
【0017】また、異常検出手段50は、このプロセス
制御装置10の実際の制御動作の際に該制御動作におけ
る前記記憶した応答特性に対応する応答を前記記憶した
応答特性と該制御動作の進行に並行して逐次比較し、該
比較結果が予め設定された許容値から外れたときにプロ
セス制御装置の異常を示す信号を出力するものである。
この異常検出手段50は、例えば、公知の比較回路で構
成出来る。さらに、この異常検出手段50は、比較回路
から出力されるプロセス制御装置の異常を示す信号に応
じ警報を発する回路や、上記記憶手段40に記憶してあ
る過去の正常な応答特性を適時新たな正常な応答特性に
更新するようなメモリの書き込み回路を含むものとして
も良い。
制御装置10の実際の制御動作の際に該制御動作におけ
る前記記憶した応答特性に対応する応答を前記記憶した
応答特性と該制御動作の進行に並行して逐次比較し、該
比較結果が予め設定された許容値から外れたときにプロ
セス制御装置の異常を示す信号を出力するものである。
この異常検出手段50は、例えば、公知の比較回路で構
成出来る。さらに、この異常検出手段50は、比較回路
から出力されるプロセス制御装置の異常を示す信号に応
じ警報を発する回路や、上記記憶手段40に記憶してあ
る過去の正常な応答特性を適時新たな正常な応答特性に
更新するようなメモリの書き込み回路を含むものとして
も良い。
【0018】また、必要に応じ設けられる被処理物移動
機構60は制御動作中の所定のときに被処理物を炉芯管
20中に移動するもので、典型的には、プログラマ37
に連動して駆動されるロード・アンロード機構で構成出
来る。
機構60は制御動作中の所定のときに被処理物を炉芯管
20中に移動するもので、典型的には、プログラマ37
に連動して駆動されるロード・アンロード機構で構成出
来る。
【0019】1−2.異常検出方法の説明 次に、プロセス制御装置の異常検出方法の実施例につい
て図1のプロセス制御装置10の動作と共に説明する。
この説明を図1〜図6を参照して行なう。なお、記憶手
段40には、熱処理装置10の過去の制御動作において
正常な温度制御がなされた際の応答特性SM すなわち、
正常な制御動作における該制御動作の進行に伴うプログ
ラム信号SP と制御結果信号との差分の変化で示される
応答特性を予め記憶してあるものとする。もちろん、過
去の応答特性は以下に説明する実際の制御動作の手順で
熱処理装置を過去に動作させてその際に時々刻々と得ら
れる上記差分を記憶手段40の所定アドレスに記憶させ
たものである。この記憶した過去の正常な応答特性の様
子を図2に示した。この図2において横軸は時間、縦軸
は電圧で示される上述の差分である。
て図1のプロセス制御装置10の動作と共に説明する。
この説明を図1〜図6を参照して行なう。なお、記憶手
段40には、熱処理装置10の過去の制御動作において
正常な温度制御がなされた際の応答特性SM すなわち、
正常な制御動作における該制御動作の進行に伴うプログ
ラム信号SP と制御結果信号との差分の変化で示される
応答特性を予め記憶してあるものとする。もちろん、過
去の応答特性は以下に説明する実際の制御動作の手順で
熱処理装置を過去に動作させてその際に時々刻々と得ら
れる上記差分を記憶手段40の所定アドレスに記憶させ
たものである。この記憶した過去の正常な応答特性の様
子を図2に示した。この図2において横軸は時間、縦軸
は電圧で示される上述の差分である。
【0020】実際の制御動作が開始されると、プログラ
マ37は、所定の温度制御プログラムに応じプログラム
信号SP を温度コントローラ38に順次に出力する。ま
た、熱電対34は炉芯管20の温度(制御結果信号S
O )を温度コントローラ38に出力する。温度コントロ
ーラ38は、プログラム信号SP と制御結果信号SO と
の差分に応じてPID演算制御を行なって制御信号SC
を求め、この制御信号SC をヒータ電流コントローラ3
5へ送る。ヒータ電流コントローラ35はこの制御信号
に応じた大小の電流をヒータ31に供給する。この一連
の動作は公知のものであるが、念の為、1回の制御動作
におけるプログラム信号SP の様子を図3(A)に、こ
のプログラム信号SP に対する今回の制御動作での制御
結果信号SO の様子を図3(B)に、これらSP とSO
との差分の変化で示される応答特性(実際の制御動作で
の応答特性)を図4に、この差分からPID演算制御で
決められた制御信号SC の様子を図5に、それぞれ示し
た。いずれの図においても、横軸は時間、縦軸は電圧で
ある。
マ37は、所定の温度制御プログラムに応じプログラム
信号SP を温度コントローラ38に順次に出力する。ま
た、熱電対34は炉芯管20の温度(制御結果信号S
O )を温度コントローラ38に出力する。温度コントロ
ーラ38は、プログラム信号SP と制御結果信号SO と
の差分に応じてPID演算制御を行なって制御信号SC
を求め、この制御信号SC をヒータ電流コントローラ3
5へ送る。ヒータ電流コントローラ35はこの制御信号
に応じた大小の電流をヒータ31に供給する。この一連
の動作は公知のものであるが、念の為、1回の制御動作
におけるプログラム信号SP の様子を図3(A)に、こ
のプログラム信号SP に対する今回の制御動作での制御
結果信号SO の様子を図3(B)に、これらSP とSO
との差分の変化で示される応答特性(実際の制御動作で
の応答特性)を図4に、この差分からPID演算制御で
決められた制御信号SC の様子を図5に、それぞれ示し
た。いずれの図においても、横軸は時間、縦軸は電圧で
ある。
【0021】一方、異常検出手段50は、この実施例の
場合、温度制御プログラムのスタートと同時に、記憶手
段40に記憶してある過去の正常な応答特性における差
分と実際の制御動作における差分とを、時々刻々比較す
る。もちろん、記憶手段40に予め記憶してある過去の
差分と実際の制御動作での差分との比較は、温度制御プ
ログラム開始の時点から同一のタイミングに当たる差分
同士を比較することで行なう。図2に示した過去の正常
な応答特性と実際の制御動作で得られる図4に示した応
答との差を、時間との関係で示すと、図6(A)のよう
になる。なお、この図6(A)において縦軸は図2およ
び図4の場合より拡大して示してある。またさらに、こ
の異常検出手段50は、比較結果が許容値を外れたと
き、すなわちこの場合は、過去の正常な応答特性におけ
る差分と実際の制御動作における差分との差(図6
(A))が、予め定めた固定の許容値である上限許容値
P1 から下限許容値P2 (図6(A)参照)で決まる範
囲を外れたとき、プロセス制御装置が異常であるとし
て、異常を示す信号を出力する。この実施例の場合では
時刻tn (図6(A),(B)参照)において以上が検
出されその旨を示す信号が出力される(ONされる)。
この許容値をどの程度にするかによって異常を高感度に
検出出来たりあるマージンをもって検出できたりするこ
とが可能となる。
場合、温度制御プログラムのスタートと同時に、記憶手
段40に記憶してある過去の正常な応答特性における差
分と実際の制御動作における差分とを、時々刻々比較す
る。もちろん、記憶手段40に予め記憶してある過去の
差分と実際の制御動作での差分との比較は、温度制御プ
ログラム開始の時点から同一のタイミングに当たる差分
同士を比較することで行なう。図2に示した過去の正常
な応答特性と実際の制御動作で得られる図4に示した応
答との差を、時間との関係で示すと、図6(A)のよう
になる。なお、この図6(A)において縦軸は図2およ
び図4の場合より拡大して示してある。またさらに、こ
の異常検出手段50は、比較結果が許容値を外れたと
き、すなわちこの場合は、過去の正常な応答特性におけ
る差分と実際の制御動作における差分との差(図6
(A))が、予め定めた固定の許容値である上限許容値
P1 から下限許容値P2 (図6(A)参照)で決まる範
囲を外れたとき、プロセス制御装置が異常であるとし
て、異常を示す信号を出力する。この実施例の場合では
時刻tn (図6(A),(B)参照)において以上が検
出されその旨を示す信号が出力される(ONされる)。
この許容値をどの程度にするかによって異常を高感度に
検出出来たりあるマージンをもって検出できたりするこ
とが可能となる。
【0022】なお、温度プログラムが上述の様な時間と
共に変化するようなプログラム(図3(B)参照)であ
っても、または図示は省略するが炉芯管の温度を一定の
温度に制御するプログラムであっても、本発明の適用の
さまたげとはならない。なぜなら、炉芯管の温度を一定
の温度に制御する場合で例えばその制御途中の所定のと
きに炉芯管中に被処理物を入れるような場合は被処理物
の熱吸収に起因する炉芯管の温度低下という応答特性が
生じるのでこれに着目して本発明の異常検出方法を適用
できるからである。すなわち、制御途中の所定のときに
炉芯管中に被処理物を入れる場合でのそのような使用に
おける過去の正常な応答特性を記憶手段40に予め記憶
しておき、実際の制御動作のときの応答をこの記憶した
応答特性と逐次比較することおよび許容値による異常検
出をすることにより、当該熱処理の異常を検出できるの
である。同様な理由から、この発明は、一定の温度に制
御されている炉芯管から被処理物を取り出す際の異常の
検出にも適用出来る。
共に変化するようなプログラム(図3(B)参照)であ
っても、または図示は省略するが炉芯管の温度を一定の
温度に制御するプログラムであっても、本発明の適用の
さまたげとはならない。なぜなら、炉芯管の温度を一定
の温度に制御する場合で例えばその制御途中の所定のと
きに炉芯管中に被処理物を入れるような場合は被処理物
の熱吸収に起因する炉芯管の温度低下という応答特性が
生じるのでこれに着目して本発明の異常検出方法を適用
できるからである。すなわち、制御途中の所定のときに
炉芯管中に被処理物を入れる場合でのそのような使用に
おける過去の正常な応答特性を記憶手段40に予め記憶
しておき、実際の制御動作のときの応答をこの記憶した
応答特性と逐次比較することおよび許容値による異常検
出をすることにより、当該熱処理の異常を検出できるの
である。同様な理由から、この発明は、一定の温度に制
御されている炉芯管から被処理物を取り出す際の異常の
検出にも適用出来る。
【0023】なお、上記実施例においてはメモリ40に
過去のSP −SO で与えられる値を記憶させたが、構成
を変更することによりメモリ40に過去のSO 自体を記
憶させこれと今回の動作におけるSO とを比較するよう
にしても良い。
過去のSP −SO で与えられる値を記憶させたが、構成
を変更することによりメモリ40に過去のSO 自体を記
憶させこれと今回の動作におけるSO とを比較するよう
にしても良い。
【0024】2.第2の実施例 記憶手段40を大容量メモリもしくはディスク装置など
の記憶装置で構成し、異常検出手段をコンピュータで構
成しても良い(第2の実施例)。このような構成とする
と、例えば次の様な処理も可能となる。大容量メモリ若
しくはディスク装置に、過去の正常な応答特性を全部ま
たは一部の複数回分記憶させておくと共に、今回の制御
動作での応答特性も記憶する。そして、コンピュータ
は、これら応答特性の各時刻ごとのデータ(この例では
上記差分)を取り出して、各時刻ごとの統計解析をす
る。具体的には、これら応答特性の各時刻ごとの平均値
xおよび標準偏差σをそれぞれ求め、さらに、任意のn
値に基づいてx±nσで示される許容値をそれぞれ求め
る。このようにして求めた許容値x±nσにより上記異
常検出を行なう。異常検出を厳しく行なうのであればn
値を小さくし、異常検出をゆるく行なうのであればn値
を大きくすれば良い。周知のように、x±σを許容値と
すると、上記差分が過去のデータの正規分布における8
4.1%の領域以外の領域に該当したとき、プロセス制
御装置は異常であると検出し、x±3σを許容値とする
と、上記差分が過去のデータの正規分布における99.
9%の領域以外の領域に該当したとき、プロセス制御装
置は異常であると検出できる。
の記憶装置で構成し、異常検出手段をコンピュータで構
成しても良い(第2の実施例)。このような構成とする
と、例えば次の様な処理も可能となる。大容量メモリ若
しくはディスク装置に、過去の正常な応答特性を全部ま
たは一部の複数回分記憶させておくと共に、今回の制御
動作での応答特性も記憶する。そして、コンピュータ
は、これら応答特性の各時刻ごとのデータ(この例では
上記差分)を取り出して、各時刻ごとの統計解析をす
る。具体的には、これら応答特性の各時刻ごとの平均値
xおよび標準偏差σをそれぞれ求め、さらに、任意のn
値に基づいてx±nσで示される許容値をそれぞれ求め
る。このようにして求めた許容値x±nσにより上記異
常検出を行なう。異常検出を厳しく行なうのであればn
値を小さくし、異常検出をゆるく行なうのであればn値
を大きくすれば良い。周知のように、x±σを許容値と
すると、上記差分が過去のデータの正規分布における8
4.1%の領域以外の領域に該当したとき、プロセス制
御装置は異常であると検出し、x±3σを許容値とする
と、上記差分が過去のデータの正規分布における99.
9%の領域以外の領域に該当したとき、プロセス制御装
置は異常であると検出できる。
【0025】上述においてはこの出願の各発明を熱処理
装置に適用した例により各発明の実施例を説明した。し
かしこれら発明は熱処理装置にのみ適用できるというも
のではなく、例えば電車の速度、液体の流量、気体の風
速、真空装置の真空度などの他の種々の制御パラメータ
を制御する制御装置すべてに適用出来る。
装置に適用した例により各発明の実施例を説明した。し
かしこれら発明は熱処理装置にのみ適用できるというも
のではなく、例えば電車の速度、液体の流量、気体の風
速、真空装置の真空度などの他の種々の制御パラメータ
を制御する制御装置すべてに適用出来る。
【0026】
【発明の効果】上述した説明から明らかな様に、この出
願のプロセス制御装置の異常検出方法およびプロセス制
御装置によれば、制御対象パラメータ(たとえば温度)
をあるプロファイルに従い刻々と変化させる必要がある
プロセス制御装置(たとえば熱処理装置)を使用する際
に、その際の応答特性と該装置の過去の正常な状態の応
答特性との差を許容値と時々刻々比較し、当該プロセス
制御装置の異常の有無を検出する。また、制御対象パラ
メータを一定に制御している状態において被処理物がプ
ロセス制御装置に投入された際も、やはり過去の正常な
応答特性および今回の応答特性との差を許容値と時々刻
々比較することで、当該プロセス制御装置の異常の有無
を検出する。このため、:プロセス制御装置の長時間
の使用における該装置のゆるやかな劣化等に起因した制
御応答特性の異常や、:被処理物側に起因する制御応
答特性の異常や、:電源電圧の変動、外来ノイズ、外
気温変化などの外乱に起因する制御応答特性の異常を精
度良く検出できるので、工程条件変動を未然に防止する
ことが出来る。
願のプロセス制御装置の異常検出方法およびプロセス制
御装置によれば、制御対象パラメータ(たとえば温度)
をあるプロファイルに従い刻々と変化させる必要がある
プロセス制御装置(たとえば熱処理装置)を使用する際
に、その際の応答特性と該装置の過去の正常な状態の応
答特性との差を許容値と時々刻々比較し、当該プロセス
制御装置の異常の有無を検出する。また、制御対象パラ
メータを一定に制御している状態において被処理物がプ
ロセス制御装置に投入された際も、やはり過去の正常な
応答特性および今回の応答特性との差を許容値と時々刻
々比較することで、当該プロセス制御装置の異常の有無
を検出する。このため、:プロセス制御装置の長時間
の使用における該装置のゆるやかな劣化等に起因した制
御応答特性の異常や、:被処理物側に起因する制御応
答特性の異常や、:電源電圧の変動、外来ノイズ、外
気温変化などの外乱に起因する制御応答特性の異常を精
度良く検出できるので、工程条件変動を未然に防止する
ことが出来る。
【図1】第1の実施例の説明に供する図である。
【図2】過去の正常な応答特性の一例を示した図であ
る。
る。
【図3】(A)はプログラム信号SP の説明図であり、
(B)は制御結果信号SO の説明図である。
(B)は制御結果信号SO の説明図である。
【図4】実際の(今回の)制御動作での応答を示した図
である。
である。
【図5】制御信号SC の説明図である。
【図6】(A)および(B)は異常検出動作の説明図で
ある。
ある。
【図7】実施例の方法でプロファイル制御する場合の特
性を示した図である。
性を示した図である。
【図8】従来方法で定温制御する場合の特性を示した図
である。
である。
【図9】従来方法でプロファイル制御する場合の特性を
示した図である。
示した図である。
10:第1の実施例のプロセス制御装置 20:制御対象(炉芯管) 30:制御対象パラメータを制御するための手段(制御
手段) 40:記憶手段 50:異常検出手段 60:被処理物移動機構
手段) 40:記憶手段 50:異常検出手段 60:被処理物移動機構
Claims (16)
- 【請求項1】 プロセス制御装置の異常を検出するに当
たり、 プロセス制御装置の過去の少なくとも1回の制御動作に
おける応答特性を記憶しておき、 前記プロセス制御装置の実際の制御動作の際には、該実
際の制御動作における前記記憶した応答特性に対応する
応答を前記記憶した応答特性と該実際の制御動作の進行
に並行して逐次比較し、 該比較結果が予め定めた許容値から外れたときをプロセ
ス制御装置の異常とすることを特徴とするプロセス制御
装置の異常検出方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のプロセス制御装置の異
常検出方法において、 前記記憶しておく応答特性および比較する応答の各々の
範囲を、制御動作の開始から終了までの全範囲としたこ
とを特徴とするプロセス制御装置の異常検出方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のプロセス制御装置の異
常検出方法において、 前記記憶しておく応答特性および比較する応答の各々の
範囲を、制御動作の開始から終了までの範囲のうちの当
該プロセス制御の要部に相当する範囲としたことを特徴
とするプロセス制御装置の異常検出方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載のプロセス制御装置の異
常検出方法において、 前記記憶しておく応答特性を、過去になされた制御動作
における正常と思われる任意の1回の制御動作のときの
応答特性若しくは正常と思われる複数回の制御動作から
選ばれる任意の複数回の制御動作(全部の正常動作の場
合も含む)の応答特性を平均した応答特性としたことを
特徴とするプロセス制御装置の異常検出方法(ただし、
前記正常と思われる制御動作には前記プロセス制御装置
の初期制御動作を含んでも良い。)。 - 【請求項5】 請求項1に記載のプロセス制御装置の異
常検出方法において、 前記予め定めた許容値を、予め定めた固定値とすること
を特徴とするプロセス制御装置の異常検出方法。 - 【請求項6】 請求項1に記載のプロセス制御装置の異
常検出方法において、 前記予め定めた許容値を、過去になされた制御動作にお
ける正常と思われる複数回の制御動作から選ばれる任意
の複数回の制御動作(全部の正常動作の場合も含む)の
各応答特性および実際の制御動作における応答特性の群
から選ばれる複数回分の応答特性(全部の応答特性の場
合も含む)に基づいて統計的に算出した値とすることを
特徴とするプロセス制御装置の異常検出方法(ただし、
前記正常と思われる制御動作には前記プロセス制御装置
の初期制御動作を含んでも良い。)。 - 【請求項7】 請求項1、2、3、4、または6に記載
のプロセス制御装置の異常検出方法において、 前記応答特性は、前記プロセス処理装置で処理するべき
被処理物を制御動作途中で該プロセス処理装置に投入す
る場合の応答特性も含むことを特徴とするプロセス制御
装置の異常検出方法。 - 【請求項8】 請求項1、2、3、4、6または7に記
載のプロセス制御装置の異常検出方法において、 前記応答特性を、前記制御動作の進行に伴い時々刻々と
変化する制御対象パラメータの目標値を示すプログラム
信号と、該制御対象パラメータの現在の状態値として出
力される制御結果信号との差分の応答特性としたことを
特徴とするプロセス制御装置の異常検出方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載のプ
ロセス制御装置の異常検出方法において、 前記プロセス制御装置を、電気信号により加熱される手
段を含む熱処理装置とすることを特徴とするプロセス制
御装置の異常検出方法。 - 【請求項10】 請求項1に記載のプロセス制御装置の
異常検出方法において、 異常検出のときに警報信号を発生することを特徴とする
プロセス制御装置の異常検出方法。 - 【請求項11】 制御対象パラメータを目標値に制御す
るための手段を有したプロセス制御装置において、 プロセス制御装置の過去の少なくとも1回の制御動作に
おける応答特性を記憶する記憶手段と、 前記プロセス制御装置の実際の制御動作の際には、該実
際の制御動作における前記記憶した応答特性に対応する
応答を前記記憶した応答特性と該実際の制御動作の進行
に並行して逐次比較し、該比較結果が許容値から外れた
ときにプロセス制御装置の異常を示す信号を出力する異
常検出手段とを具えたことを特徴とするプロセス制御装
置。 - 【請求項12】 請求項11に記載のプロセス制御装置
において、 前記制御対象パラメータを制御するための手段を、 制御対象パラメータの目標値を示すプログラム信号を出
力するプログラマと、 前記プログラム信号と制御対象から前記制御対象パラメ
ータの現在の状態値として出力される制御結果信号との
差分に基づいて前記制御対象パラメータ可変手段に対し
制御信号を出力する制御信号出力部と、を具える手段と
し、 前記記憶手段を、前記プロセス制御装置の過去の少なく
とも1回の制御動作における所定時間ごとの前期プログ
ラム信号と制御結果信号との差分を前記応答特性として
記憶する手段としたことを特徴とするプロセス制御装
置。 - 【請求項13】 請求項11または12に記載のプロセ
ス制御装置において、 前記記憶手段は、制御動作の開始から終了までの範囲の
うちの当該プロセス制御の要部に相当する範囲の応答特
性を記憶する手段であることを特徴とするプロセス制御
装置。 - 【請求項14】 請求項11に記載のプロセス制御装置
において、 前記異常検出手段は、前記予め定めた許容値を、過去に
なされた制御動作における正常と思われる複数回の制御
動作から選ばれる任意の複数回の制御動作(全部の正常
動作の場合も含む)の各応答特性および実際の制御動作
における応答特性の群から選ばれる複数回分の応答特性
(全部の応答特性の場合も含む)に基づいて統計的に算
出するものであることを特徴とするプロセス制御装置
(ただし、前記正常と思われる制御動作には前記プロセ
ス制御装置の初期制御動作を含んでも良い。)。 - 【請求項15】 請求項11〜14のいずれか1項に記
載のプロセス制御装置において、 前記制御動作の所定の時にプロセス制御装置に被処理物
を投入するための被処理物移動機構をさらに具えたこと
を特徴とするプロセス制御装置。 - 【請求項16】 請求項11〜15のいずれか1項に記
載のプロセス制御装置において、 前記プロセス制御装置を、電気信号により加熱される手
段を含む熱処理装置とすることを特徴とするプロセス制
御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6728395A JPH08263134A (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | プロセス制御装置の異常検出方法およびプロセス制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6728395A JPH08263134A (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | プロセス制御装置の異常検出方法およびプロセス制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08263134A true JPH08263134A (ja) | 1996-10-11 |
Family
ID=13340502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6728395A Pending JPH08263134A (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | プロセス制御装置の異常検出方法およびプロセス制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08263134A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010014711A (ja) * | 2008-07-01 | 2010-01-21 | Ortho Clinical Diagnostics Inc | 臨床診断分析機の冗長エラー検出 |
JP5556894B2 (ja) * | 2010-09-24 | 2014-07-23 | 富士通株式会社 | 無停電電源装置及び電子計算機システム |
JP5946572B1 (ja) * | 2015-08-05 | 2016-07-06 | 株式会社日立パワーソリューションズ | 異常予兆診断システム及び異常予兆診断方法 |
JP5946573B1 (ja) * | 2015-08-05 | 2016-07-06 | 株式会社日立パワーソリューションズ | 異常予兆診断システム及び異常予兆診断方法 |
-
1995
- 1995-03-27 JP JP6728395A patent/JPH08263134A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010014711A (ja) * | 2008-07-01 | 2010-01-21 | Ortho Clinical Diagnostics Inc | 臨床診断分析機の冗長エラー検出 |
JP5556894B2 (ja) * | 2010-09-24 | 2014-07-23 | 富士通株式会社 | 無停電電源装置及び電子計算機システム |
JP5946572B1 (ja) * | 2015-08-05 | 2016-07-06 | 株式会社日立パワーソリューションズ | 異常予兆診断システム及び異常予兆診断方法 |
JP5946573B1 (ja) * | 2015-08-05 | 2016-07-06 | 株式会社日立パワーソリューションズ | 異常予兆診断システム及び異常予兆診断方法 |
JP2017033470A (ja) * | 2015-08-05 | 2017-02-09 | 株式会社日立パワーソリューションズ | 異常予兆診断システム及び異常予兆診断方法 |
JP2017033471A (ja) * | 2015-08-05 | 2017-02-09 | 株式会社日立パワーソリューションズ | 異常予兆診断システム及び異常予兆診断方法 |
WO2017022783A1 (ja) * | 2015-08-05 | 2017-02-09 | 株式会社日立パワーソリューションズ | 異常予兆診断システム及び異常予兆診断方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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