JPH08262837A - 画像形成装置のコロナ放電器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コロナ放電器構成用の合成樹脂製ハウジング
に対する簡単な改良により、ワイヤ張設方向の両側にお
けるコロナ放電量のアップを図り、被放電対象の帯電量
を感光ドラムの長手方向全長にわたって均一化させる。 【構成】 感光ドラム３のまわりに配置されるコロナ放
電器４であって、放電ワイヤ１９と、この放電ワイヤ１
９を感光ドラム３の回転軸線方向に沿わせて張設する合
成樹脂製のハウジング１８と、このハウジング１８に保
持されて、放電ワイヤ１９を基準にして感光ドラム３と
は反対側に配置される板金製のシールド２０とから成
り、かつ、ハウジング１８に対してワイヤ張設方向の中
央部付近を除く部位に、シールド２０をドラム表面に対
して部分的に遮蔽するシールド遮蔽部材２２を連設して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば静電写真複写機
やファクシミリなどの画像形成装置に装備されるコロナ
放電器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記のコロナ放電器は、感光ドラム表面
に対する帯電用や、トナーによって顕像化されたトナー
像の記録紙への転写用、トナー像が転写された記録紙の
ドラム表面からの記録紙分離用、ドラム表面に残留した
電荷の除電用などに用いられるものであって、そのため
のコロナ放電器としては、感光ドラムの回転軸線方向に
沿わせるように、断面コの字状の金属製のシールドケー
スに放電ワイヤを張設して成るものが主流を占めてい
た。

【０００３】ところが近年、シールドケースを板金加工
によって断面コの字状に成形することがコスト的に高く
付くことから、合成樹脂材を主体にしたコスト的に安価
なコロナ放電器が開発されるに至ったのである。

【０００４】この開発されたコロナ放電器は、図６に示
すように、断面コの字状のハウジング３１を合成樹脂材
によって成形し、このハウジング３１に、感光ドラム３
２の回転軸線方向に沿わせように帯電ワイヤ３３を張設
する一方、前記帯電ワイヤ３３を基準にして感光ドラム
３２とは反対側に板金製のシールド３４を設けて成るも
ので、上記のハウジング３１が量産性に富むことから、
コスト面で優れるものとして広く採用されつつある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、感光ドラム
３２の表面特性によるものと理解されるが、上記のコロ
ナ放電器からはほゞ一様にコロナ放電が成されているに
も拘らず、感光ドラム３２には長手方向中央側にほど電
荷が帯電され易い傾向にあって、コロナ放電器として、
これが帯電用の場合は、感光ドラムの長手方向中央部の
表面電位が高くなることから、この高電位に対応する部
位の画像が濃くなる画像不良を生じる問題があった。

【０００６】また、放電の対象が異なるものの、トナー
像の転写や記録紙の分離、或いは、ドラム表面の除電に
際しても、帯電量が感光ドラムの長手方向でアンバラン
スになることから、転写不良や分離不良あるいは除電不
良を生じる問題があった。

【０００７】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、請求項１に記載の発明の目的は、主体を合
成樹脂製とするコロナ放電器の構成を生かして、それの
ハウジングに対する簡単かつ合理的な改良により、ワイ
ヤ張設方向の両側におけるコロナ放電量を多くして、被
放電対象の例えば感光ドラムの帯電量（表面電位）を感
光ドラムの長手方向の全長にわたって均一化させること
を可能にしたコロナ放電器を提供することにあり、そし
て、請求項２乃至４に記載の発明の目的は、その帯電量
の均一化をより一層確実に達成されるようにしたコロナ
放電器を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、感光ドラムのまわりに配置される画像形
成装置のコロナ放電器として、これを、放電ワイヤと、
この放電ワイヤを感光ドラムの回転軸線方向に沿わせて
張設するための合成樹脂製のハウジングと、このハウジ
ングに保持されて、前記放電ワイヤを基準にして感光ド
ラムとは反対側に配置される板金製のシールドとから構
成し、かつ、前記ハウジングに対してワイヤ張設方向の
中央部付近を除く部位に、前記シールドをドラム表面に
対して部分的に遮蔽するシールド遮蔽部材を連設した点
に特徴がある。

【０００９】好ましくは、上記のシールド遮蔽部材をワ
イヤ張設方向で幅狭に形成して、このシールド遮蔽部材
を感光ドラムの回転方向に対して傾斜させ、若しくは、
このシールド遮蔽部材の複数個を必要に応じてワイヤ張
設方向に所定の間隔を隔てて設け、更に好ましくは、シ
ールド遮蔽部材の斜設数を問わずに、このシールド遮蔽
部材のシールドに対する遮蔽域をワイヤ張設方向の両側
に向かうほど大に設定することである。

【００１０】

【作用】請求項１に記載された構成のコロナ放電器によ
れば、シールド遮蔽部材によってシールドの長手方向両
側を部分的に遮蔽したことで、この部位のシールドに向
けて放電されるべき電荷がドラム表面側に向かうことに
なり、而して、感光ドラムの長手方向両側への放電量が
多くなることから、被放電対象の帯電量が感光ドラムの
長手方向の全長にわたって均一化される。

【００１１】ここで、シールド遮蔽部材を幅狭にして傾
斜させれば、シールド遮蔽部材がシールドに対して部分
的に副走査方向に存するだけになることから、放電量の
アップ範囲を広げつつ、その放電量の局部的なアップを
抑止させることができる。

【００１２】特に好ましくは、幅狭のシールド遮蔽部材
の斜設数を問わずに、そのシールド遮蔽部材のシールド
に対する遮蔽域をワイヤ張設方向の両側に向かうほど大
に設定することであって、このように構成すれば、ワイ
ヤ張設方向の両側に向かうほど放電量をアップさせ得る
ことから、被放電対象の帯電量の均一化がより一層確実
に達成される。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は画像形成装置の一例の静電写真複写機を示
し、上部に原稿押え１を備えた複写機本体２内に感光ド
ラム３を横架すると共に、この感光ドラム３のまわり
に、ドラム表面に対する帯電用と、記録紙に対するトナ
ー像の転写用と、ドラム表面からの記録紙の分離用と、
ドラム表面の残留電荷除電用のコロナ放電器４〜７を、
感光ドラム３の回転軸線方向に挿抜可能に配置し、更
に、帯電用コロナ放電器４と転写用コロナ放電器５との
間に現像装置８を、かつ、分離用コロナ放電器６と除電
用コロナ放電器７との間にクリーニング装置９を、それ
ぞれ配置すると共に、複写機本体２の上部空間には、光
学系移動式の露光装置１０を設けている。１１，１２は
給紙カセット、１３は給紙搬送装置、１４は排紙搬送装
置、１５は定着装置、１６は排紙ローラ対、１７は排紙
トレイである。

【００１４】上記のコロナ放電器４〜７は、何れも構成
的には同じものであって、この内の感光ドラム３の上部
側に配置される帯電用のコロナ放電器４を対象にして、
その具体構造を図２〜図４に示している。

【００１５】このコロナ放電器４は、ビスなどによるワ
イヤ係止手段ａ，ａを長手方向の両側に備えた合成樹脂
製のハウジング１８と、前記感光ドラム３の回転軸線方
向に沿わせる状態で、上記一対のワイヤ係止手段ａ，ａ
にわたって張設される放電ワイヤ１９と、前記ハウジン
グ１８に長手方向の両端側が保持されて、前記放電ワイ
ヤ１９を基準にして感光ドラム３とは反対側に配置され
る例えばＳＵＳなどの板金製のシールド２０とから成
る。

【００１６】そして、前記ハウジング１８の複写機本体
２に対する挿入側の端部に、挿入に伴って装置本体側の
出力端子に電気的に接続される入力端子２１を突設する
と共に、この入力端子２１を放電ワイヤ１９に電気的に
接続し、更に、前記シールド２０にボディアース用のリ
ード線（図示を省略）を接続して、前記放電ワイヤ１９
に高電圧を印加させるに伴って、放電ワイヤ１９とドラ
ム表面との間および放電ワイヤ１９とシールド２０との
間でコロナ放電を行わせるようにしている。図中のｂは
放電ワイヤ緊張用のスプリングである。

【００１７】上記の合成樹脂製ハウジング１８は、それ
のワイヤ張設部間の断面形状がコの字状に形成されて、
放電用の開口を感光ドラム３の表面に向けるように配置
されるもので、ワイヤ張設部間の底面部１８ａの両端と
ワイヤ係止部１８ｂとの間には、シールド２０の長手方
向の両端側を挿通保持させるためのシールド保持部ｃ，
ｃが樹脂成形金型の抜きによって形成されている。

【００１８】そして、ハウジング１８に対してワイヤ張
設方向の中央部付近を除く部位に、前記シールド２０を
ドラム表面に対して部分的に遮蔽するシールド遮蔽部材
２２を設けて、この遮蔽部位のシールド２０に向けて放
電されるべき電荷をドラム表面側に向かわせるように
し、もって、感光ドラム３の長手方向両側への放電量を
多くして、ドラム表面の帯電量（表面電位）を感光ドラ
ム３の長手方向全長にわたって均一化させるようにして
いる。

【００１９】シールド遮蔽部材２２として、図５（Ａ）
に示すように、これをワイヤ張設方向で幅狭の棒状に形
成して、ハウジング１８の長手方向両側の相対峙するハ
ウジング壁面１８ｃ，１８ｃにわたって、例えば１５度
乃至７５度ぐらいの範囲内で斜設させたり、図３に示す
ように、この幅狭のシールド遮蔽部材２２の複数個をワ
イヤ張設方向に所定の間隔を隔てて斜設させたりするこ
とが選択される。

【００２０】この他にも、図５（Ｂ），（Ｃ）に示すよ
うに、シールド遮蔽部材２２の斜設数を問わずに、この
シールド遮蔽部材２２のシールド２０に対する遮蔽域が
ワイヤ張設方向の両側に向かうほど順次的に大になるよ
うに設定したり、或いは図５（Ｄ）に示すように、シー
ルド遮蔽部材２２の複数個を斜設させるに際して、この
シールド遮蔽部材２２のシールド２０に対する遮蔽域が
ワイヤ張設方向の両側に向かうほど段階的に大になるよ
うに設定したりすることもできる。

【００２１】また図示はしないが、シールド遮蔽部材２
２を幅狭の棒状に形成する以外に、シールド遮蔽部材２
２を四角形やハニカム形状などにして、これをハウジン
グ１８の中央部付近を除く部位に連設したり、或いは上
記したように、これらハニカム形状などのシールド遮蔽
部材２２のシールド２０に対する遮蔽域を、ワイヤ張設
方向の両側に向かうほど順次的に又は段階的に大になる
ように構成することも好適であり、そして、上記の各実
施例では、ハウジング１８の長手方向中央の一点まわり
でシールド遮蔽部材２２を点対称に形成しているが、左
右で対称形状となるように線対称に形成することもでき
る。

【００２２】ここで、図３や図５（Ａ）に示した構成で
あれば、シールド遮蔽部材２２は、シールド２０の長手
方向両側において部分的に副走査方向に存するだけであ
るから、感光ドラム３の長手方向両側での放電量のアッ
プ範囲を広げつつ、その放電量の局部的なアップが抑止
される。

【００２３】中でも、図５（Ｂ）〜図５（Ｄ）に示した
ように、シールド遮蔽部材２２のシールド２０に対する
遮蔽域がワイヤ張設方向の両側に向かうほど大になるよ
うに設定すれば、感光ドラム３の長手方向両側に向かう
ほど放電量がアップすることから、ドラム表面の帯電量
（表面電位）を長手方向の全長にわたって均一化させる
ことが、より一層確実に達成されるもので、濃度ムラの
ないトナー像を形成する上で頗る好適である。

【００２４】次に、図２〜図４に示したシールド遮蔽部
材２２を備えるハウジング１８の具体構造について説明
すると、このハウジング１８は、ワイヤ張設部間の断面
形状がコの字状であって、樹脂成形金型の抜きによって
シールド保持部ｃ，ｃが形成され、これに加えて、ハウ
ジング底面部１８ａに樹脂成形金型の抜き開口ｄを形成
する状態で、この開口ｄに相対峙させて、感光ドラム３
の回転方向に傾斜した幅狭のシールド遮蔽部材２２を一
体成形して成る。

【００２５】かゝる構成のハウジング１８に対して、そ
れの一方のシールド保持部ｃにシールド２０を挿通さ
せ、かつ、シールド遮蔽部材２２の下方を潜らせて、こ
れを他方のシールド保持部ｃに挿通させることで、ハウ
ジング１８に対するシールド２０の挿通保持が達成され
るのであり、このとき、シールド２０をごく僅かに撓ま
せる保持態様をとれば、それだけでフリクションによっ
てシールド２０を固定保持させることが可能である。

【００２６】この他に、シールド２０の長手方向一端側
に抜き孔ｅを形成する一方、この抜き孔ｅに係止する膨
出体ｆをハウジング１８のワイヤ係止部１８ｂに設け
て、シールド２０の所定位置への挿通に伴って自動的に
シールド２０を固定保持させるようにしたり、或いは、
シールド２０をビス止めしたりする形態を任意にとるこ
とができる。

【００２７】このシールド２０の保持状態において、前
記ハウジング底面部１８ａの抜き開口ｄを、シールド遮
蔽部材２２によって完全に閉じさせることも可能である
が、図示したように、開口ｄの一部をシールド２０の幅
方向両側に残すように構成したならば、コロナ放電に際
して発生するところの画像不良に繋がるオゾンや水溶性
生成分を、上記の部分開口ｄを通してコロナ放電器４の
外部に放出させることができる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように第１の発明では、ハ
ウジングに対してワイヤ張設方向の中央部付近を除く部
位に、シールドをドラム表面に対して部分的に遮蔽する
シールド遮蔽部材を連設して、実質的にワイヤ張設方向
の両側におけるコロナ放電量のアップを図り、もって、
被放電対象の帯電量を感光ドラムの長手方向の全長にわ
たって均一化させることを可能としたもので、ハウジン
グを合成樹脂製とするコロナ放電器の構成を生かして、
それの合成樹脂製のハウジングにシールド遮蔽部材を連
設する簡単な改良技術によって、画像不良や転写不良な
どに繋がる帯電ムラを解消したコロナ放電器が提供され
る。そして第２乃至第４の発明によれば、帯電量の均一
化がより一層確実に達成されるコロナ放電器が提供され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】静電写真複写機の概略縦断側面図である。

【図２】コロナ放電器の縦断側面図である。

【図３】放電開口側から見たコロナ放電器の詳細図であ
る。

【図４】上面部側から見たコロナ放電器の詳細図であ
る。

【図５】（Ａ）〜（Ｄ）はシールド遮蔽部材の配置パタ
ーンを示す説明図である。

【図６】従来例のコロナ放電器の縦断側面図である。

【符号の説明】

３…感光ドラム、１８…合成樹脂製のハウジング、１９
…放電ワイヤ、２０…金属製のシールド、２２…シール
ド遮蔽部材。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光ドラムのまわりに配置される画像形
   成装置のコロナ放電器であって、放電ワイヤと、この放
   電ワイヤを感光ドラムの回転軸線方向に沿わせて張設す
   るための合成樹脂製のハウジングと、このハウジングに
   保持されて、前記放電ワイヤを基準にして感光ドラムと
   は反対側に配置される板金製のシールドとから成り、か
   つ、前記ハウジングに対してワイヤ張設方向の中央部付
   近を除く部位に、前記シールドをドラム表面に対して部
   分的に遮蔽するシールド遮蔽部材を連設してあることを
   特徴とする画像形成装置のコロナ放電器。
2. 【請求項２】 前記シールド遮蔽部材をワイヤ張設方向
   で幅狭に形成し、このシールド遮蔽部材を感光ドラムの
   回転方向に対して傾斜させてある請求項１に記載された
   画像形成装置のコロナ放電器。
3. 【請求項３】 前記シールド遮蔽部材の複数個をワイヤ
   張設方向に所定の間隔を隔てて設けてある請求項２に記
   載された画像形成装置のコロナ放電器。
4. 【請求項４】 前記シールド遮蔽部材のシールドに対す
   る遮蔽域をワイヤ張設方向の両側に向かうほど大に設定
   してある請求項２または３に記載された画像形成装置の
   コロナ放電器。