JPH0826228A - 製品の包装状態の検査方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】製品のパッケジデザインを損ねないで、高い検
査精度を保証した汎用性のある製品の包装状態の検査方
法を提供する。 【構成】本発明の製品の包装状態の検査方法は、商品企
画力を低下させることのないパッケージデザインの面に
包装不良の検出精度を高める形状及び配置からなる検査
用マークを設け、その面を画像処理装置にて検査する。
これにより、検査プログラムの統一化及び検査精度の向
上が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像処理装置を用いて
製品の包装状態を検査する方法であって、斬新なパッケ
ージデザインを維持させながら製品の包装状態を検査精
度高く検査することのできる製品の包装状態の検査方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】製品のパッケージデザインは、消費者に
直接商品イメージをアピールすることができ、購買意欲
を促す有効な手段である。したがって、このデザインの
良否によって売れ行きが大きく左右される為、商品の性
質の重要な一要素である。その為生産工場に於いて、か
かるパッケージデザインが適正に包装され、表示される
様、細心の注意を払っている。又、最近では検査精度の
向上を目的に従来人手によって行ってきた目視検査から
画像処理技術を用いた自動検査へと該システムの導入が
積極的に進められている。

【０００３】ところで、この画像処理技術を応用した製
品の包装状態の検査方法は種々のものが提案されてい
る。その代表的なものにパターンマッチング手法があ
る。この方法は、良、不良製品のそれぞれの特徴のパタ
ーンを予め画像処理装置に記憶させておき、それと実際
の製品を撮像した画像とを比較させ、その良否を判別す
る方法である。ここに、この画像処理装置を用いて、ガ
ム、キャンディ等のスティックパック製品の包装状態を
検査する例について説明する。図３はその検査装置の説
明図を示すもので、５は、包装工程から送られてきたス
ティックッパク製品を搬送するコンベア、６は、該製品
がＣＣＤカメラの真下を通過した時に該製品を撮像し画
像処理作業を開始させる為の同期センサー、２は、被検
査物品であるスティック製品の上面画像を撮像する為の
ＣＣＤカメラ、４は、製品の上面画像を鮮明に映し出す
為の照明装置、１は、入力されるカメラ画像よりスティ
ック製品の良否を判別する画像処理装置である。この装
置に於いて、ＣＣＤカメラ２を通過する製品３は、同期
センサー６の信号入力を受けて、該ＣＣＤカメラ２によ
りその上面が撮像され、予め記憶されている標準品の撮
像パターンと比較され、製品の包装ズレ等が検査され
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
パターンマッチング方法は既存の包装デザインから良
品、不良品の特徴パターンを抽出し、その検査プログラ
ムを作成していたため、デザインによっては特徴パター
ンの作り易いもの、逆に作りにくいものがあり、その結
果、検査精度も該デザインの影響を受けてしまってい
た。又、商品デザインの変更があった場合等は、検査プ
ログラムを一から作り直さなければならず、多品種少ロ
ット化傾向の強い製品についてはその対応が大変であっ
た。又、この検査プログラムの作成には、特徴パターン
の抽出、それに基づく検査アルゴリズムの立案等高度な
技術を有するものでなければ作成できない為、新規プロ
グラムの開発の毎に多くの労力、費用がかかっていた。

【０００５】この問題を解決する方法として、検査プロ
グラムの作り易い、検査パターンを重視したパッケージ
デザインにするか、もしくは、検査用のマーク等をデザ
インに組み入れておけば上記の問題は解決するが、反
面、デザインが制約され、商品企画力の優れたパッケー
ジデザインにすることが困難となってしまう。

【０００６】本発明は、上述した問題点に鑑みなされた
もので、パッケージデザインの商品企画力を失うことな
く、高い検査精度を維持しながら、汎用性のある製品の
包装状態の検査方法を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述の目的は、包装の裏
面等のデザインに影響を与えない特定位置に検査用マー
クを印刷し、製品包装後の該マークの基準表示位置のズ
レ量を画像処理装置で検出することにより包装不良の検
出を達成することが出来る。又、画像処理装置へ順次供
給される被検査用包装製品を検査前に検査マークが撮像
できる面に反転させ、検査終了後は、該製品の顔となる
デザイン面が集積時に目視できる面を向く様に適宜反転
させる製品の包装状態の検査方法によって達成される。

【０００８】

【作用】即ち、本発明の製品包装状態の検査方法は、従
来通り包装デザインの斬新性の自由度を維持させながら
最も商品企画力に影響を与えない面、例えば裏面に包装
状態を検査する検査用のマークを印刷し、この面の包装
状態により、包装状態の良否を検査するものである。そ
して、この検査マークの表示形態を包装ズレ等が精度良
く検出できる形状、配置にしたものである。したがっ
て、デザインに差し支えない面に検査用マークを設けた
から商品企画力を従来通り維持したまま、高い検査精度
で製品の包装状態を検査することができ、更に、品種変
更等があっても同一検査プログラムが使用できる為、汎
用性のある検査システムを提供することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明に係る製品包装状態の検査方法
の一実施例を図面に基づいて詳述する。図１は、本発明
に係る製品の包装状態の検査方法を用いたガム、キャン
ディ等のスティック包装製品の検査工程の全体説明図を
しめす。図１において、１はＣＣＤカメラ２によって撮
像された製品３の上面画像を予め設定しておいた演算内
容に基づいて検査処理を実行し、該製品の包装状態の良
否判定を行う画像処理装置。４は、製品３の影を無くし
ＣＣＤカメラ２に鮮明に製品の包装状態を写し出す照明
装置。５は、ＣＣＤカメラ２の真下に製品を一定速度で
順次搬送させる為のコンベア。６は、製品３がＣＣＤカ
メラ２の真下の所定位置を通過した時に撮像を開始し画
像処理作業を実行させる為の同期センサー。７、８、
９、１０は、搬送中の製品を９０°横転させる為の製品
横転装置で、この製品横転装置１７は、図２に示す様
に、製品３の長手方向側面に沿って複数の圧縮エアーの
吹き出し口を穿設したエアーノズル７ａと、製品３を９
０°以上反転させない為、該製品３を挟んで、製品３の
幅だけ離間して製品３の進行方向と並行に立設したガイ
ド７ｃと、圧縮エアー吹付け時に、製品がズレない様、
該製品の長手方向稜線を支点として反転させるため、コ
ンベア５と並行に立設した突起物７ｂにより構成させ
る。

【００１０】図４は、前記スティック製品３を化粧箱３
０に詰めた外観図を示す。この状態で店頭に陳列される
為、製品３の星マークで示した面３ａ及び三角マーク面
は、直接消費者の目に触れる為、商品イメージをアピー
ルする重要な面になっている。そこで、図５に示す様に
商品企画力を低下させる恐れのない丸マーク面、即ち星
マーク面の反対面に検査用マーク１１を設ける。そし
て、この検査用マークは、包装後に該マーク表示面が丸
マーク面の対向する隅部の４か所に配置される様に印刷
し、そのマーク形状は２重の正方形もしくは円にし、内
側部を黒色に塗りつぶし外周部を白色にするか、反対に
内側部を白色に塗りつぶし外周部を黒色にし、濃淡差を
できるだけつけることが望ましい。該検査用マークを隅
部に対向して設けることにより、包装紙の左右の包装ズ
レ等を正確に識別することが出来る。又、該マークを前
記２重枠にすることにより画像処理解析を容易にするこ
とが出来る。

【００１１】以上の構成に於いて、図１に示す様に包装
工程（図示せず）より送られてきた包装完了後のスティ
ック製品３は、コンベア５によって搬送される際、ま
づ、横転装置７により星マーク面から三角マーク面に９
０°横転させられ、次に、同様に横転装置８により三角
マーク面から丸マーク面に９０°横転させられる。そし
て、この検査用マークが上面を向いた状態でＣＣＤカメ
ラ２の真下を通過しようとすると、同期センサー６がこ
れを感知し、ＣＣＤカメラ２が該製品上面を撮像し、そ
の画像信号が画像処理装置１に入力され、検査用マーク
を利用して予め設定したいくつかのパターンマッチング
手法によって製品包装状態の良否が、判定される。

【００１２】このパターンマッチング手法による画像処
理は、種々の方法があるが例えば図６に示すように、検
査用マークが表示される規定位置の４か所に該マーク１
１より小さい枠１２をそれぞれ設定し、検査用マーク１
１の内側部分が黒色印刷の時には、４つの該枠１２が全
て黒色を良品とし、それ以外の例えば１か所でも白色の
場合を包装不良品と判定する。これにより、一つでも検
査用マーク１１がいづれかの方向にズレていれば包装不
良として識別することが出来る。次に、包装状態の検査
が終了した製品３は、再び横転装置９及び１０により、
丸マーク面から三角マーク面、星マーク面へと横転させ
られ元の姿勢に復帰する。そして、不良品排出工程（図
示せず）を経て化粧箱工程（図示せず）へと送られる。

【００１３】したがって、図４に示す様に製品を化粧箱
に詰めた状態では、検査用マークの入った面は消費者か
ら直接見えない面となり商品のイメージを損なわない。
この様に本発明の包装状態の検査方法によれば、消費者
に商品をアピールする面のデザインに制約を与えること
なく画像処理技術を用いた自動検査システムに於ける検
査精度の向上を図ることができると共に、あらゆる製品
について、その製品包装後の包装の裏面等に統一した検
査用マークを印刷しておけば検査プログラムの汎用が可
能となり、デザイン変更の影響を受けない検査方法が実
現できる。

【００１４】尚、実施例に於いて、検査用マークは目視
可能のマークとしているが、例えば人の目で見えない特
殊インクを用いて検査マークを印刷すればどの位置に該
マークを設けてもよく、デザインに規制を与えないだけ
でなく、製品の反転装置も不良となる。

【００１５】

【発明の効果】以上、詳述した様に本発明の製品の包装
状態の検査方法は、商品企画力を低下させることのない
パッケジデザインの面に検査用マークを設け、この検査
用マークを撮像できる包装面に製品を反転させ検査する
ようにしたものである。この為、従来通り自由なパッケ
ージデザインが設計でき、又、検査用マークの統一によ
りデザイン個々に対応する検査プログラムの開発が不要
となる。この為、新製品導入時でも同一検査プログラム
で対応可能となり、生産に迅速に対応することができ
る。又、検査用マークを利用していくつかの検査パター
ンを設定することができる為、プログラムの検出アルゴ
リズムの共通化及び簡素化が図れ、又、検査精度の向上
が図れる。これにより、包装不良製品を市場に流通させ
ることが無くなり商品に対する消費者の信頼の維持に努
めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す概略構成図である。

【図２】上記実施例の装置における製品横転装置の動作
を示す説明図である。

【図３】従来の製品包装状態検査装置を示す概略構成図
である。

【図４】上記実施例の製品の化粧箱詰め状態を示す斜視
図である。

【図５】上記実施例の製品の検査用マークを示す正面図
である。

【図６】上記実施例の製品検査用の枠を示す概略図であ
る。

【符号の説明】

１ 画像処理装置 ２ ＣＣＤカメラ ３ スティック包装製品 ４ 照明装置 ５ コンベア ６ 同期センサー ７ 第１の横転装置 ８ 第２の横転装置 ９ 第３の横転装置 １０ 第４の横転装置 ７ａ エアーノズル ７ｂ 支点バー ７ｃ ガイド １１ 検査用マーク １２ 枠

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 包装紙の特定位置に検査用マークを印刷
   し、製品包装後の該マークの基準表示位置のズレ量を検
   出することにより包装不良を検出することを特徴とする
   製品の包装状態の検査方法。
2. 【請求項２】 検査用マークが製品包装面のデザインに
   影響を与えない面に表示されていることを特徴とする請
   求項１項記載の製品の包装状態の検査方法。
3. 【請求項３】 検査用マークがバーコードからなること
   を特徴とする請求項１項又は２項記載の製品の包装状態
   の検査方法。
4. 【請求項４】 検査用マークが、包装後に該マーク表示
   面の対向する隅部に表示されていることを特徴とする請
   求項１項又は２項記載の製品の包装状態の検査方法。
5. 【請求項５】 検査用マークを画像処理装置で検出する
   ことを特徴とする請求項１項、２項、３項又は４項記載
   の製品の包装状態の検査方法。
6. 【請求項６】 画像処理装置へ順次供給される被検査用
   包装製品を、検査前に検査用マークが撮像できる面に反
   転させ、検査終了後は、該製品の顔となるデザイン面が
   集積時に目視できる面を向く様に適宜反転させることを
   特徴とする請求項５項記載の製品の包装状態の検査方
   法。