JPH0826056B2 - 新規シアル酸誘導体 - Google Patents

新規シアル酸誘導体

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JPH0826056B2
JPH0826056B2 JP61118198A JP11819886A JPH0826056B2 JP H0826056 B2 JPH0826056 B2 JP H0826056B2 JP 61118198 A JP61118198 A JP 61118198A JP 11819886 A JP11819886 A JP 11819886A JP H0826056 B2 JPH0826056 B2 JP H0826056B2
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馨 岡本
俊夫 後藤
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はガングリオシドなどのシアル酸含有生理活性
物質の合成中間体として、又、生理活性物質として有用
な新規シアル酸誘導体に関する。
(従来の技術) ガングリオシドは高等動物の臓器の主要糖脂質である
スフィンゴ糖脂質の一種で、シアル酸を有するものの総
称であり、分子種多様性に富む物質群である。近年、神
経機能のみならず細胞の分化、増殖や癌化、ウィルス感
染や炎症と免疫、またホルモンや毒素の受容体などに関
与する特異な生理活性物質として重要視されつつある。
例えば、GQ1bという下記の構造で表される種類のガン
グリオシドは、培養神経芽腫細胞の細胞分化や細胞分裂
を誘導し、神経成長作用を有することが知られている。
(Galはガラクトース、Gluはグルコース、NeuAcはN−
アセチルノイラミン酸を表す。) ガングリオシドは生物組織には微量しか含まれていな
いため、これを有機合成的に製造する試みがなされてい
るが、最も単純なヘマトシドの合成が報告されているの
みであり、GQ1bのように複雑な種類のガングリオシドは
まだ成功していない。これは、特にシアル酸の2位と8
位の間の結合形成が極めて難しいことに起因している。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、ガングリオシド等のシアル酸含有生
理活性物質の構成成分であり、これらを製造する際に合
成中間体として有用である新規なシアル酸誘導体を提供
することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは生理活性物質としてのガングリオシドに
注目し、その製造方法に関して鋭意研究を行った結果、
反応性の低い水酸基とシアル酸の結合を可能にする有用
な新規グリコシル化反応を見出し、ガングリオシドの構
成成分である新規シアル酸誘導体の製造に成功し、本発
明を完成した。
本発明化合物は次の一般式(I)で表される新規シア
ル酸誘導体である。
(式中、Acはアセチル基、Xは水素、水酸基又はフェノ
キシチオカルボニル基、R1及びR2は各々異なっていずれ
か一方がカルボキシル基又は低級アルコキシカルボニル
基を表し、他方が、 を表し、R3は水素又はアセチル基、R4はカルボキシル基
又は低級アルコキシカルボニル基、R5は水素、低級アル
キル基、ベンジル基、又は、 を表し、R6及びR7は各々同一若しくは異なって水素又は
ベンジル基、R8は水素、低級アルキル基、低級アルケニ
ル基又はベンジル基を表し、且つR1又はR2が、 を表すときは、Xは水酸基を表す。) 上記一般式(I)におけるR1、R2及びR4の低級アルコ
キシカルボニル基は、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、n−プロポキシカルボニル、iso−プロポキ
シカルボニル、n−ブトキシカルボニル、iso−ブトキ
シカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブト
キシカルボニル基等の炭素数1乃至4のアルコキシカル
ボニル基を意味し、好ましくはメトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル基である。
R5及びR8の低級アルキル基は、メチル、エチル、n−
プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル基等の炭素数1乃至4のア
ルキル基を意味し、メチル、エチル基が好ましい。
又、R8の低級アルケニル基としては、ビニル、アリ
ル、1−プロペニル、イソプロペニル、ブテニル基等の
炭素数2乃至4の低級アルケニル基が挙げられる。
但し、R1及びR2のいずれか一方はカルボキシル基又は
低級アルコキシカルボニル基を表し、他方はカルボキシ
ル基及び低級アルコキシカルボニル基以外の基を表す。
本発明シアル酸誘導体は、前記一般式(I)で表され
る化合物の薬学的に許容しうる塩を包含し、例えば、ナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マ
グネシウム等のアルカリ土類金属、その他アルミニウム
等の金属塩、又はアンモニア等の有機塩基との塩が挙げ
られる。
これらの塩は公知の方法により遊離の本発明シアン酸
誘導体より製造でき、或いは相互に変換することができ
る。
次に、本発明化合物の製造方法について述べる。
本発明化合物は下記一般式(II)で表されるシアン酸
誘導体を供与体として用いる新規グリコシル化反応によ
って製造することができる。
(式中、Acはアセチル基、Halはハロゲン、R′は上記R
5と同様の低級アルキル基を表す。) 一般式(II)において、ハロゲンとしては弗素、塩
素、臭素、沃素等が挙げられるが、塩素、臭素が好まし
い。
上記一般式(II)で表される化合物は以下の方法に従
って製造することができる。
(1)次式で表される2−クロロ−N−アセチルノイラ
ミン酸化合物: 〔R.Kuhn et al.,Chem.Ber.,99,611(1966)〕をベンゼ
ン中、室温で約1時間、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕
−7−ウンデセン(DBU)で処理することによって、80
%以上の収率で下記化合物を得ることができる。
(2)次に、上記化合物をアセトニトリルと水の混合溶
媒中、80℃で数十分間、N−ブロモスクシンイミド(NB
S)で処理した後、シリカゲルカラムにより分離精製し
て、ジアキシアルトランス付加のブロムヒドリンを得
る。このブロムヒドリンを無水アセトニトリル中、室温
で数十分間、DBUで処理することによって、90%以上の
収率で下記エポキシ体を得ることができる。
(3)上記エポキシ体と四臭化チタン、四塩化チタン等
のハロゲン化チタン又は三弗化ホウ素エーテル錯体を無
水1,2−ジクロロエタン中、室温で数十分間乃至数時間
反応させることによって前記一般式(II)で表される化
合物を95%以上の収率で得ることができる。
このようにして得られる一般式(II)で表されるシア
ル酸誘導体は、従来のグリコシル化反応では反応が進行
しなかったり、反応しても収率が非常に低い結果となる
反応性の極めて低い受容体ともよく反応するため、グリ
コシル化反応における供与体として非常に有用である。
従って、ノイラミン酸の8位、9位及びガラクトース
の3位の水酸基等の反応性の極めて低い受容部位とN−
アセチルノイラミン酸供与体の2位との結合が可能にな
り、本発明化合物の合成に成功した。
以下に本グリコシル化反応の方法を説明する。
上記一般式(II)で表されるN−アセチルノイラミン
酸供与体と反応させるガラクトース誘導体及びノイラミ
ン酸誘導体は、所望の結合部位の他の水酸基、カルボキ
シル基等をアセチル基、アルキル基、ベンジル基等で適
宜保護しておく必要がある。 グリコシル化反応におけ
る溶媒としては、トルエン、ベンゼン又はトルエンと1,
2−ジクロロエタンの混合溶媒などが使用でき、触媒は
トリフルオロメタンスルホン酸銀、中和剤はリン酸二ナ
トリウム、リン酸二カリウム等のリン酸二アルカリが好
ましい。
反応温度については、室温ではβ体の生成比が高い
が、低温にするに従ってα体の比率が高くなるため、目
的物に応じて適宜設定することができるが、−15℃乃至
室温が適当である。反応時間は、長時間になると副反応
により生成物の分解等が起こるので、5分間乃至1時間
くらいで充分である。
上記グリコシル化反応によって生成した本発明化合物
の非還元末端ノイラミン酸の3位水酸基を還元するため
には、例えば、水酸基をフェノキシチオカルボニル化
し、トリ−n−ブチルスタナンで還元する方法等が利用
できる。
即ち、該生成物をアセトニトリル中、室温又は適宜加
温して、ジメチルアミノピリジン存在下、フェニルクロ
ルチオノカーボネートで1時間乃至1日間処理すること
により、80%以上の収率でチオカーボネート体を得るこ
とができる。
次に、このチオノカーボネート体をトルエン、テトラ
ヒドロフラン等の溶媒中、2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル(AIBN)の存在下、トリ−n−ブチルスタナン
で数十分間加熱還流処理することにより、95%以上の収
率でフェニルチオカルボニル基を還元でき、目的を達成
することができる。
保護基の除去は通常の方法に従って行うことができ
る。例えば、脱ベンジル化はメタノール等の適当な溶媒
中、パラジウム−炭素存在下に接触還元することにより
行う。又、アセチル基等の脱離はメタノール、エタノー
ル等の適当な溶媒中、カリウムt−ブトキシド、ナトリ
ウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシドなどの塩
基性触媒の存在下で行うことができる。
以上のように得られた本発明化合物は、蒸留、クロマ
トグラフィー、再結晶などの通常の手段により精製し、
TLC、元素分析、融点測定、比旋光度、IR、NMR、UV、マ
ススペクトルなどにより同定を行った。
尚、α体及びβ体は主にNMRを用いて区別し、同定し
た。又、比旋光度はすべてナトリウムのD線を用いて測
定した。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例) 実施例1. (1) 7.7gの上記化合物を乾燥ベンゼン70mlに溶解し、2.7ml
のDBUを加え、アルゴン気下にて1時間室温で攪拌し
た。水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で
乾燥し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムで精製しシロップ状の物質を得た。これをヘキ
サン−酢酸エチルより結晶化して、白色結晶の化合物i
を得た。
収率:81% 融点:126−127℃ 〔α〕21:+79.9°(C=1.3) IR(KBr):3270,1738,1645,1565cm-1 FAB−Mass:474(M+H) (2)200mgの化合物iをアセトニトリルと水の混合溶
媒に溶解し、0.48mmolのNBSを室温にて加え、12分間80
℃で攪拌した。濃縮乾燥して得られた残渣をシリカゲル
カラムにかけ、ジエクアトリアル付加体の後に溶出する
ジアキシアルトランス付加体のブロムヒドリンの画分を
集め、ヘキサン−酢酸エチルより再結晶してブロムヒド
リンを73%の収率で得た。
このブロムヒドリン500mgを4mlの無水アセトニトリル
に溶解し、0.16mlのDBUを加え、室温で10分間攪拌し
た。減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラ
ムで精製した後、ヘキサン−酢酸エチルより再結晶し
て、白色結晶の化合物iiを得た。
収率:92% 融点:177−178℃ 〔α〕21:−10.0°(C=1.3) IR(KBr):3420,1740,1650,1572cm-1 FAB−Mass:490(M+H) (3)200mgの化合物iiを含む無水1,2−ジクロロエタン
溶液3mlに、0.45mmolの四臭化チタンを加え、室温下で1
0分間攪拌した。減圧下濃縮して得られた残渣を酢酸エ
チルに溶解し、飽和硫酸ナトリウム溶液、5%炭酸水素
ナトリウム、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウム上で乾燥した。減圧下濃縮して得られたシロップ状
の粗生成物をシリカゲルカラムで精製して、化合物iii
を得た。
収率:98% 融点:油状物 〔α〕21:−91.1°(C=0.6) IR(KBr):3420,1742,1660,1540cm-1 FAB−Mass:570,572(M+H) 実施例2. (1)400mgの化合物iii、330mgの下記化合物iv: 及び360mgの無水リン酸水素ナトリウムを無水1,2−ジク
ロロエタン/トルエンの混合溶媒に溶解し、180mgのト
リフルオロメタンスルホン酸銀を溶かした3mlの無水ト
ルエン溶液を、アルゴン気下0℃にて該溶液に添加し
た。反応溶液を0℃で10分間、その後室温で10分間攪拌
し、濾過して不溶物をクロロホルムで洗った。濾液から
溶媒を溜去後、得られたシロップ状の生成物をシリカゲ
ルカラムにかけ、2つの画分に分離精製した。NMRによ
って解析し、後半の溶出画分をα体(化合物1α−
)、前半の溶出画分のβ体(化合物1β−)と同定
した。
〜化合物1α−〜 収率:42% 融点:137−139℃ 〔α〕13:+29.9°(C=1.2) IR(KBr):3430,1740,1660,1540cm-1 FAB−Mass:921(M+H) 〜化合物1β−〜 収率:21% 融点:油状物 〔α〕13:+23.9°(C=1.2) IR(KBr):3420,1745,1660,1540cm-1 FAB−Mass:921(M+H) (2)化合物ivのかわりに下記化合物: を用いて、上記(1)と同様の操作を行った後、さらに
高速液体クロマトグラフィーで分離精製して、化合物2
α−及び化合物2β−を得た。
〜化合物2α−〜 収率:26% 融点:油状物 〔α〕13:+27.4°(C=1.1) IR(KBr):3430,1740,1660,1540cm-1 FAB−Mass:921(M+H) 〜化合物2β−〜 収率:28% 融点:油状物 〔α〕13:+20.3°(C=1.6) IR(KBr):3420,1745,1660,1538cm-1 FAB−Mass:921(M+H) (3)化合物ivのかわりに下記化合物: を用いて、上記(2)と同様の操作を行い、化合物3α
−及び化合物3β−を得た。
〜化合物3α−〜 収率:37% 融点:油状物 〔α〕21:−19.7°(C=1.0) IR(KBr):3430,1740,1660,1540cm-1 FAB−Mass:865(M+H) 〜化合物4β−〜 収率:15% 融点:油状物 〔α〕21:−23.3°(C=1.2) IR(KBr):3430,1740,1660,1540cm-1 FAB−Mass:865(M+H) (4)化合物ivのかわりに下記化合物: を用いて、上記(1)と同様の操作を行い、化合物4α
−及び化合物4β−を得た。
〜化合物4α−〜 収率:18% 融点:油状物 〔α〕13:−4.4°(C=0.9) IR(KBr):3425,1747,1660,1540cm-1 FAB−Mass:1323(M+H) 〜化合物3β−〜 収率:31% 融点:油状物 〔α〕13:−5.8°(C=1.1) IR(KBr):3440,1745,1665,1540cm-1 FAB−Mass:1323(M+H) 実施例3. 75mgの化合物1α−、40mgの4,4−ジメチルアミノ
ピリジン及び23μlのフェニルクロルチオノカルボネー
トを1.0mlの無水アセトニトリルに溶解し、アルゴン気
下にて、50℃で2.5時間攪拌した後、反応溶液を濃縮乾
固した。残渣に水と酢酸エチルを加え、抽出操作を行っ
た。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を溜去した。残渣をシ
リカゲルカラムにかけて得られた粗結晶をエタノール/
アセトンより再結晶して、化合物1α−の3位水酸基
をフェノキシチオカルボニル化した化合物1α−を白
色結晶として得た。
〜化合物1α−〜 収率:91% 融点:207−209℃ 〔α〕12:+35.3°(C=1.3) IR(KBr):3420,1745,1660,1540cm-1 FAB−Mass:1057(M+H) 同様にして、化合物1β−、化合物2α−及び化
合物2β−の3位水酸基をフェノキシチオカルボニル
化した以下の化合物を得た。
〜化合物1β−〜 収率:83% 融点:油状物 〔α〕12:+35.4°(C=1.3) IR(KBr):3420,1750,1660,1540cm-1 FAB−Mass:1057(M+H) 〜化合物2α−〜 収率:83% 融点:油状物 〔α〕12:+35.4°(C=1.3) IR(KBr):3430,1743,1660,1540cm-1 FAB−Mass:1057(M+H) 〜化合物2β−〜 収率:80% 融点:油状物 〔α〕12:+22.9°(C=0.8) IR(KBr):3420,1748,1660,1530cm-1 FAB−Mass:1057(M+H) 実施例3. 70mgの化合物1α−を無水トルエン1.5ml及びテト
ラヒドロフラン1.0mlの混合溶媒に溶解し、36μlのト
リ−n−ブチルスタナン及び触媒量のAIBNを加えた。反
応溶液を110℃で10分間加熱還流した後濃縮した。得ら
れたシロップ状の生成物をシリカゲルカラムで精製した
後、ヘキサン/酢酸エチルより結晶化し、ヘキサンで洗
浄して、化合物1α−の3位を還元した化合物1α−
を白色粉末として得た。
〜化合物1α−〜 収率:97% 融点:油状物 〔α〕12:+17.8°(C=2.8) IR(KBr):3430,1744,1660,1530cm-1 FAB−Mass:905(M+H) 同様にして、化合物1β−、化合物2α−及び化
合物2β−の3位水酸基を還元した以下の化合物を得
た。
〜化合物1β−〜 収率:96% 融点:油状物 〔α〕12:+35.1°(C=1.3) IR(KBr):3430,1742,1660,1540cm-1 FAB−Mass:905(M+H) 〜化合物2α−〜 収率:95% 融点:油状物 〔α〕12:+22.3°(C=0.4) IR(KBr):3430,1742,1660,1538cm-1 FAB−Mass:905(M+H) 〜化合物2β−〜 収率:96% 融点:油状物 〔α〕25:+31.2°(C=1.2) IR(KBr):3400,1745,1662,1538cm-1 FAB−Mass:905(M+H) 実施例4. 45mgの化合物1α−を4.5mlの無水メタノールに溶
解し、触媒量のカリウムt−ブトキシドをアルゴン気下
にて添加した。反応溶液を室温でで30分間攪拌し、0.6m
lの1N水酸化ナトリウム溶液を加え、さらに1時間攪拌
した。反応液を−10℃に冷却し、DOWEX 50W−X8で酸性
にした後、樹脂はメタノール/水でよく洗った。溶液を
濃縮し、得られたシロップ状の生成物をクロロホルム/
メタノールより結晶化して化合物1α−を白色粉末と
して得た。
〜化合物1α−〜 収率:97% 融点:144−146℃ 〔α〕12:+12.7°(C=1.4) IR(KBr):3400,1719,1640,1560cm-1 FAB−Mass:583(M+H) 同様にして、化合物1β−、化合物2α−及び化
合物2β−の保護基を脱離させた以下の化合物を得
た。
〜化合物1β−〜 収率:96% 融点:168−172℃ 〔α〕12:+6.6°(C=0.6) IR(KBr):3390,1720,1640,1558cm-1 FAB−Mass:583(M+H) 〜化合物2α−〜 収率:97% 融点:163−166℃ 〔α〕12:+35.7°(C=0.1) IR(KBr):2400,1718,1640,1560cm-1 FAB−Mass:583(M+H) 〜化合物2β−〜 収率:93% 融点:232−235℃ 〔α〕25:+42.6°(C=1.1) IR(KBr):3400,1720,1630,1570cm-1 FAB−Mass:583(M+H) (発明の効果) 本発明における化合物2α−乃至同、化合物3α
及び化合物4αは、ガングリオシドの構成成分の合成中
間体として有用である。
又、ガングリオシドの他にもシアル酸を含有する物質
は数多くあり、例えば、髄膜炎菌のポリサッカハイドC
等が挙げられる。ポリサッカライドCは、その投与によ
る感作によって、菌性髄膜炎の予防を行うことができ
る。
本発明化合物1α−乃至同は、シアル酸の2位と
9位の結合様式をもつシアル酸二量体である。これは髄
膜炎菌のポリサッカライドCの構成成分であり、ポリサ
ッカライドCの合成中間体として有用である。
本発明化合物1α−、1β−、2α−、2β−
などは、還元末端側のシアル酸の2位と3位間に二重
結合があるので、再びエポキシ体を経て、化合物IIのよ
うな2−ハロゲノ−3−ヒドロキシ体として、さらにグ
ルコース、ガラクトース、シアル酸等とグリコシル化
し、糖鎖を延長することができる。
さらに、本発明シアル酸誘導体に関しては、天然に存
在するシアル酸含有物質の生理活性から見て、免疫調製
剤、自己免疫疾患治療剤、髄膜炎治療剤、血小板凝集阻
害剤、抗癌剤、コレラ毒素等の拮抗剤、神経組織機能回
復剤、細胞表面の標識マーカーなどとしての有用性が期
待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 17/04 // C07M 9:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): (式中、Acはアセチル基、Xは水素、水酸基又はフェノ
    キシチオカルボニル基、R1及びR2は各々異なっていずれ
    か一方がカルボキシル基又は低級アルコキシカルボニル
    基を表し、他方が、 を表し、R3は水素又はアセチル基、R4はカルボキシル基
    又は低級アルコキシカルボニル基、R5は水素、低級アル
    キル基、ベンジル基、又は、 を表し、R6及びR7は各々同一若しくは異なって水素又は
    ベンジル基、R8は水素、低級アルキル基、低級アルケニ
    ル基又はベンジル基を表し、且つR1又はR2が、 を表すときは、Xは水酸基を表す。) で表されるシアル酸誘導体及びその薬学的に許容される
    塩。
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