JPH07100709B2 - 新規グリコシル化法 - Google Patents

新規グリコシル化法

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JPH07100709B2
JPH07100709B2 JP13680086A JP13680086A JPH07100709B2 JP H07100709 B2 JPH07100709 B2 JP H07100709B2 JP 13680086 A JP13680086 A JP 13680086A JP 13680086 A JP13680086 A JP 13680086A JP H07100709 B2 JPH07100709 B2 JP H07100709B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、反応性の極めて低い受容体とも効率良く反応
するN−アセチルノイラミン酸誘導体を供与体として用
いることを特徴とする新規なグリコシル化法に関する。
(従来の技術) N−アセチルノイラミン酸とグリコース、ガラクトー
ス、シアル酸等とのグリコシル化反応において、下記一
般式(II): (式中、Acはアセチル基、R1は低級アルキル基又はアリ
ル基を表す。) 〔R.Kuhn et al.,Chem.Ber.,99,611(1966)〕で表され
る2−クロロ−N−アセチルノイラミン酸化合物を用い
る方法(Koenigs−Knorr様反応)が主であった。
しかし、上記化合物をグリコシル化反応供与体として用
いた場合、反応性の低い受容体とは反応が進行しない
か、反応しても収率が非常に低い結果しか得られなかっ
た。
例えば、下記式: (Galはガラクトース、Glcグルコース、NeuAcはN−ア
セチルノイラミン酸を表す。) で表され、神経成長作用を有することが知られているガ
ングリオシドGQ1bは、生物組織中含量が微量であるた
め、これを有機合成的に製造する試みがなされているが
成功するに至っていない。これは、特にシアル酸8位の
水酸基の反応性が極めて低いため、前述した従来のグリ
コシル化反応ではシアル酸の2位と8位間の結合形成が
不可能であることに起因している。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、従来技術においてシアル酸はと結合を
形成させるのが困難であった反応性の低い受容体とでも
グリコシル化反応可能なN−アセチルノイラミン酸誘導
体を糖供与体として用いることを特徴とする新規グリコ
シル化法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等らはガングリオシド等のシアル酸含有生理活
性物質の合成に関して鋭意研究を行った結果、従来のグ
リコシル化法では不可能であった反応性の低い受容体と
シアル酸の結合を可能にする有用な新規グリコシル化反
応を見出し本発明を完成した。
本発明のグリコシル化反応供与体として用いられる化合
物は、下記一般式(I)で表されるN−アセチルノイラ
ミン酸誘導体である。
(式中、Acはアセチル基、R1は低級アルキル基又はアリ
ル基、Yはハロゲンを表す。) R1の低級アルキル基としては、メチル、エチル、n−プ
ロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル基等の炭素数1乃至4の低級
アルキル基、好ましくはメチル、エチル基が挙げられ
る。
上記一般式(I)で表される本発明化合物は、水酸基を
有する種々の受容体とのグリコシル化反応に用いること
ができる非常に有用なグリコシル化反応供与体である。
受容体化合物としては、例えば、メタノール、エタノー
ル等のアルコール類、ガラクトース、グルコース、マン
ノース、シアル酸等の単糖類やオリゴ糖類、アデノシ
ン、グアノシン、イノシン、シチジン、ウリジン等のヌ
クレオシド類、コレステロール等のステロール類、セリ
ン、スレオニン、チロシン等のアミノ酸及びこれらを含
有するペプチド類などが挙げられる。即ち、一般式R−
OHで表されるような水酸基を有する多種の化合物が受容
体となりうる。
本発明グリコシル化反応は、例えば、次のような反応条
件下で行うことができる。
グリコシル化反応における溶媒としては、トルエン、ベ
ンゼン又はトルエンと1,2−ジクロロエタンの混合溶媒
などが使用でき、触媒はトリフルオロメタンスルホン酸
銀、中和剤はリン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム等
のリン酸二アルカリ又は炭酸銀などが好ましい。
反応温度については、高温ではβ体の生成比が高いが、
低温にするに従ってα体の比率が高くなるため、目的物
に応じて適宜設定することができるが、−15℃乃至室温
が適当である。反応時間は、長時間になると副反応によ
り生成物の分解等が起こるので、5分間乃至1時間くら
いで充分である。
次に、一般式(I)で表される本発明化合物の製造方法
について述べる。
(1)従来のKoenigs−Knorr様反応でグリコシル化反応
供与体として使用されており、前述の一般式(II)2表
される2−クロロ−N−アセチルノイラミン酸誘導体を
ベンゼン中、室温で約1時間、1,8−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕−7−ウンデセン(DBU)で処理することによ
って、80%以上という高収率で下記一般式(III)で表
される化合物を容易に結晶として得ることができる。
(式中、Acはアセチル基、R1は低級アルキル基又はアリ
ル基を表す。) (2)上記一般式(III)で表される化合物を、アセト
ニトリル等の非プロトン性極性溶媒と水の混合溶媒中、
室温若しくは適宜加熱して数十分乃至数時間、N−ハロ
スクシンイミド等のハロゲン化剤で処理し、ハロヒドリ
ン化した後、ジアキシアルトランス体とジエカトリアル
トランス体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、
高速液体クロマトグラフィーや再結晶等で分離する。
上記操作によって得られるジアキシアルトランス付加の
ハロヒリドリンを、アセトニトリル等の極性溶媒中、室
温で数十分間、DBU等の脱ハロゲン化水素剤で処理する
ことによって、一般式(IV)で表されるエポキシ体を得
ることができる。
(式中、Acはアセチル基、R1は低級アルキル基又はアリ
ル基を表す。) (3)上記一般式(IV)で表されるエポキシ体を、1,2
−ジクロトエタン等の不活性な溶媒中、室温で数十分間
乃至数時間、四臭化チタン、四塩化チタン等のハロゲン
化チタン又は三弗化ホウ素エーテル錯体等のハロゲン化
剤で処理することによって一般式(I)で表される本発
明化合物を得ることができる。
このようにして得られる一般式(I)で表される本発明
化合物は、従来のグリコシル化反応では反応が進行しな
かったり、反応しても収率が非常に低い結果となる反応
性の極めて低い受容体ともよく反応するため、グリコシ
ル化反応における供与体として非常に有用である。
従って、ガングリオシドの構成成分であるシアル酸の2
位と8位間のように、従来の一般式(II)で表される化
合物を供与体として用いるKoenigs−Knorr様反応では反
応が進行しなかった結合様式も形成させることが可能に
なった。
本発明において製造された化合物は、蒸留、クロマトグ
ラフィー、再結晶などの通常の手段により精製し、TL
C、元素分析、融点測定、比旋光度、IR、NMR、UV、マス
スペクトルなどにより同定を行った。
尚、α体及びβ体は主にNMRを用いて区別し、同定し
た。又、比旋光度はすべてナトリウムのD線を用いて測
定した。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例) 実施例1. 7.7gの上記化合物を乾燥ベンゼン70mlに溶解し、2.7ml
のDBUを加え、アルゴン気下にて1時間室温で攪拌し
た。水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で
乾燥し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムで精製しシロップ状の物質を得た。これをヘキ
サン−酢酸エチルより結晶化して、白色結晶の化合物1
を得た。
収率:81% 融点:126−127℃ 〔α〕21:+79.9°(C=1.3) IR(KBr):3270,1738,1645,1565cm-1 FAB-Mass:474(M+H) (2)200mgの化合物1をアセトニトリルと水の混合溶
媒に溶解し、0.48mmo1のN−ブロムスクシンイミド(NB
S)を室温にて加え、12分間80℃で攪拌した。濃縮乾燥
して得られた残渣をシリカゲルカラムにかけ、ジエクア
トリアル付加体の後に溶出するジアキシアルトランス付
加体のブロムヒドリンの画分を集め、ヘキサン−酢酸エ
チルより再結晶してブロムヒドリンを73%の収率で得
た。
このブロムヒドリン500mgを4mlの無水アセトニトリルに
溶解し、0.16mlのDBUを加え、室温で10分間攪拌した。
減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムで
精製した後、ヘキサン−酢酸エチルより再結晶して、白
色結晶の化合物2を得た。
収率:92% 融点:177−178℃ 〔α〕21:−10.0°(C=1.3) IR(KBr):3420,1740,1650,1572cm-1 FAB-Mass:490(M+H) (3)200mgの化合物2を含む無水1,2−ジクロロエタン
溶液3mlに、0.45mmolの四臭化チタンを加え、室温下で1
0分間攪拌した。減圧下濃縮して得られた残渣を酢酸エ
チルに溶解し、飽和硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水
素ナトリウム水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。減圧下濃縮して得られたシロッ
プ状の粗生成物をシリカゲルカラムで精製して、化合物
3を得た。
収率:98% 融点:油状物 〔α〕21:−91.1°(C=0.6) IR(KBr):3420,1742,1660,1540cm-1 FAB-Mass:570,572(M+H) 同様にして、上記化合物3の2位の臭素が弗素である化
合物4及び塩素である化合物5を得た。
〜化合物4〜 収率:97% 融点:油状物 〔α〕21:−37.3°(C=0.7) IR(KBr):3400,1745,1660,1540cm-1 FAB-Mass:510(M+H) 〜化合物5〜 収率:95% 融点:油状物 〔α〕21:−66.0°(C=0.9) IR(KBr):3420,1742,1658,1540cm-1 FAB-Mass:526,528(M+H) 実施例2. (1)660mgの化合物3、500mgの下記化合物: 及び600mgの無水リン酸二ナトリウムを無水1,2−ジクロ
ロエタン/トルエンの混合溶媒に溶解し、300mgのトリ
フルオロメタンスルホン酸銀を溶かした4mlの無水トル
エン溶液を、アルゴン気下0℃にて該溶液に添加した。
反応溶液を0℃で10分間、その後室温で10分間攪拌し、
濾過して不溶物をクロロホルムで洗った。濾液から溶液
を溜去後、得られたシロップ状の生成物をシリカゲルカ
ラムで精製し、さらに高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)にかけて2つの画分に分離精製した。NMRによって
解析し、前半の溶出画分をα体(化合物6α)、後半の
溶出画分をβ体(化合物6β)と同定した。
収率:26% 融点:油状物 〔α〕13:+27.4°(C=1.1) IR(KBr):3430,1740,1660,1540cm-1 FAB-Mass:921(M+H) 〜化合物6β〜 収率:8% 融点:油状物 〔α〕13:+20.3°(C=1.6) IR(KBr):3420,1745,1660,1538cm-1 FAB-Mass:921(M+H) その他の受容体を用い、上記と同様にしてグリコシル化
反応を行った結果を第1表に示す。
又、結合様式NeuAc(2→3)Galに関して、溶媒、中和
剤、温度、時間などの反応条件を変えて行った結果を第
2表に示す。
(発明の効果) シアル酸の2位と8位間の結合様式〔NeuAc(2→8)N
euAc〕の形成に成功したという報告はなく、又、NeuAc
(2→9)NeuAc及びNeuAc(2→3)Galの結合様式に
ついては、Koenigs−Knorr様反応による過去の成功例が
各一例ずつあるが、下記第3表に示すように、それら成
功例による収率は非常に低いものである。
第1乃至3表より明らかなように、一般式(I)で表さ
れるN−アセチルノイラミン酸誘導体をグリコシル化反
応供与体とする本発明グリコシル化法を用いれば、NeuA
c(2→8)NeuAcの結合様式を形成することを可能にす
るばかりでなく、NeuAc(2→9)NeuAc及びNeuAc(2
→3)Galの結合様式についても、従来技術に比して数
倍の収率の向上が見られた。
以上のように、本発明新規グリコシル化法は、グリコシ
ド結合を形成させるのが非常に難しい結合様式を構成成
分として含むガングリオシド等の合成に非常に有用な方
法である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−アセチルノイラミン酸と水酸基を有す
    る受容体化合物のグリコシル化反応において一般式
    (I): (式中、Acはアセチル基、R1は低級アルキル基又はアリ
    ル基、Yはハロゲンを表す。) で表されるN−アセチルノイラミン酸誘導体を供与体と
    して用いることを特徴とするグリコシル化法。
JP13680086A 1986-06-11 1986-06-11 新規グリコシル化法 Expired - Lifetime JPH07100709B2 (ja)

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