JPH08259376A - 酸化物単結晶の製造方法および装置 - Google Patents

酸化物単結晶の製造方法および装置

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JPH08259376A
JPH08259376A JP7065883A JP6588395A JPH08259376A JP H08259376 A JPH08259376 A JP H08259376A JP 7065883 A JP7065883 A JP 7065883A JP 6588395 A JP6588395 A JP 6588395A JP H08259376 A JPH08259376 A JP H08259376A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】μ引下げ法等によって酸化物単結晶を育成する
のに際して、多量の原料を処理して連続的に多量の酸化
物単結晶を形成し、この酸化物単結晶の組成の変動等を
防止して、高品質の酸化物単結晶を製造することであ
る。 【構成】酸化物単結晶の原料をルツボ7内へと供給して
溶融させ、この溶融物8に対して種結晶を接触させ、ル
ツボ7から例えば下方へと向かって溶融物8を引下げな
がら酸化物単結晶14を育成する。この連続的に形成さ
れている酸化物単結晶14に対してレーザー光Rを照射
し、酸化物単結晶14からの出力光Sを測定し、この測
定値に従って、原料供給装置24からルツボ7へと供給
する原料の組成比率を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物単結晶の製造方
法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、酸化物単結晶を育成する方法とし
て、いわゆるμ引下げ法によって単結晶ファイバーを形
成する方法が注目を集めている。「電総研ニュース」1
993年7月号(522号)の4〜8頁には、この方法
によってニオブ酸・カリウム・リチウム(K3 Li2-2x
Nb5+x 15+x、以下、KLNと記載する。)単結晶フ
ァイバーを育成した経緯が、開示されている。
【0003】これによれば、白金製のセルないしルツボ
に電力を供給し、抵抗加熱する。このセルの底部に、溶
融液の引出し口を形成し、この引出し口の中に、融液フ
ィーダーと呼ばれる棒状体を挿通し、これによって溶融
液の引出し口への供給量と、固相液相界面の状態とを共
に制御する。溶融液引出し口の口径、フィーダーの太
さ、引出し口からのフィーダーの突出長さ等を調整する
ことによって、細径のKLN単結晶ファイバーを連続的
に形成している。このμ引下げ法によれば、直径1mm
以下の単結晶ファイバーを形成でき、熱歪みの低減、溶
融液内の対流の制御、単結晶ファイバーの直径の制御を
容易に行うことができ、特に青色第2高調波発生用に適
した小型の高品質単結晶を生産できるという特徴を有し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記のμ
引下げ法によってKLN単結晶ファイバー等を量産する
ために、研究を重ねていた。量産技術として最も重要な
ことは、ルツボの規模を大きくして多量の溶融物を処理
すること、およびこのルツボから単結晶ファイバーを長
く連続的に引き下げるようにすることである。そこで、
本発明者は、ルツボに投入する粉末の量を5g程度にま
で増量し、これに合わせてルツボを大きくし、このルツ
ボに電力を供給して発熱させ、原料粉末をルツボ内で溶
融させて、マイクロ引下げ法を実施してみた。
【0005】ところが、このようにルツボの規模を大き
くし、粉末の溶融量を増大させると、引出し口から溶融
物を引き下げて単結晶を形成することが、きわめて困難
であることが判明してきた。具体的には、ルツボを設置
している炉の温度を900℃以下に低く設定し、主とし
てルツボへの通電によってルツボ内の粉末を溶融させる
と、引出し口付近での結晶成長が良好には行われなかっ
た。即ち、ルツボに供給する電力を大きくすると、溶融
液が引出し口で溶融し、結晶化せず、この電力を小さく
すると、今度は引出し口付近で固体化してしまい、溶融
液を引き出せなくなった。
【0006】前記した炉の温度を900℃よりも高くす
ると、今度はルツボの全体が、炉からの輻射熱のために
大きく加熱され、引出し口付近での温度勾配が非常に少
なくなるために、やはり連続的に結晶成長を行わせるこ
とはできなかった。
【0007】本発明者は、この問題を解決するために、
単結晶ファイバーを連続的に引き出す方法を開発した。
この方法については後述する。しかし、特に連続的に単
結晶ファイバーを引出し、量産するという観点からは、
更に問題が残されていることが判明してきた。
【0008】即ち、単結晶ファイバーの品質、特に組成
の変動を防止する必要がある。特に、第二高調波用や固
体レーザー用の素子の材料を生産するのに際しては、僅
かに組成が変動しても、その特性が顕著に変動し、不良
品となってしまうので、単結晶ファイバーを連続的に引
き出すのに際して、その組成の変動を防止することが必
要である。
【0009】従来のμ引下げ法においては、単にルツボ
の引出し口から引き出した単結晶ファイバーについて、
その組成を測定していた。このように、単結晶ファイバ
ーを切り出してからその組成を測定する方法を採用する
と、確かに生産した材料の組成を知ることはできる。し
かし、μ引下げ法による単結晶ファイバーの育成プロセ
スは、非常に多数の因子が相関しあった複雑微妙な化学
的、レオロジー的システムであるので、こうした製造シ
ステム中では、わずかな条件の変化に応答して、単結晶
ファイバーの組成がずれてしまうことが多い。この結
果、多数の単結晶ファイバーのすべてが不良品となりか
ねないので、歩留り向上のための対策が必要不可欠であ
る。
【0010】本発明の課題は、μ引下げ法によって酸化
物単結晶を連続的に引き下げて生産するのに際して、酸
化物単結晶の組成の変動をリアルタイムで検出し、これ
によって酸化物単結晶の組成の変動を防止し、その歩留
りを飛躍的に向上させることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る方法は、酸
化物単結晶の原料をルツボ内へと供給して溶融させ、こ
の溶融物に対して種結晶を接触させて酸化物単結晶を育
成するのに際して、酸化物単結晶に対してレーザー光を
照射し、酸化物単結晶からの出力光を測定し、この測定
値に従って、ルツボへと供給する原料の組成比率を制御
することを特徴とする。
【0012】また、本発明は、酸化物単結晶の原料をル
ツボ内へと供給して溶融させ、この溶融物に対して種結
晶を接触させて酸化物単結晶を育成する、酸化物単結晶
の製造装置であって:ルツボへと原料を供給する原料供
給装置;酸化物単結晶をルツボから引き出すための駆動
装置;この酸化物単結晶に対してレーザー光を照射する
ためのレーザー光源;酸化物単結晶からの出力光を測定
するための測定装置;および、この測定装置からの出力
に従ってルツボへと供給する原料の組成比率を制御する
制御装置とを備えていることを特徴とする、酸化物単結
晶の製造装置に係るものである。
【0013】
【作用】本発明者は、前記した課題を解決して、連続的
に単結晶ファイバーを引下げ、かつその組成を一定に保
持することに成功した。具体的には、ルツボへと酸化物
単結晶の原料を供給する供給装置を設けると共に、下方
向へと向かって引下げられている酸化物単結晶に対して
レーザー光を照射し、酸化物単結晶からの出力光を測定
し、この測定値に従って、ルツボへと供給する原料の組
成比率を制御することで、単結晶ファイバー等を連続的
に引き出しても、その組成の変動を防止できることを見
いだした。
【0014】更に具体的には、酸化物単結晶の出力光の
ピーク波長が、長波長側または短波長側に移動すると、
その単結晶の組成がずれたことを意味しているので、そ
のピーク波長の移動を減少させるように、原料の組成比
率を変動させる。これによって、単結晶ファイバー等を
引出しながら、その組成を一定範囲内に保持することが
できる。
【0015】
【実施例】第二高調波発生効果を有する酸化物単結晶に
対してレーザー光を照射し、このレーザー光に対する2
倍波を検出することが、更に好ましい。こうした酸化物
単結晶としては、公知の酸化物単結晶に対して適用する
ことができるが、特にKLN、KLTN、KN等、SH
Gにより青色光を発生する酸化物単結晶や、CLBO、
BBO、LBO等、更に紫外光を発生する酸化物単結晶
が好ましい。むろん、第三高調波、第四高調波等、更に
高次の波長変換においても本発明が実施可能であること
は言うまでもない。
【0016】また、酸化物単結晶に対して照射するレー
ザー光が、目的とする組成に対応する波長を含むような
波長範囲を有していれば、酸化物単結晶からの出力光を
スペクトラムアナライザーによって検出することによっ
て、所定の波長範囲内の各波長についてその強度を知る
ことができる。
【0017】具体的には、図1において、目的とする組
成に対応する出力光の波長はλ0 であり、レーザー光は
波長λ1 とλ2 との間の光を含んでいるものとする。波
長λ1 2 との間のレーザー光の強度をスペクトラムア
ナライザーで検出する。ルツボの引出し口から引下げら
れた酸化物単結晶の組成が、目的の組成であるときに
は、レーザー光の強度は、波長λ0 で最大値Tをとる。
しかし、製造が進むのにつれて、微妙に酸化物単結晶の
引出し口付近の熱的状態、重力の影響等が変化してくる
と、このピーク波長は、λ1 またはλ2 の方へと向かっ
てわずかに移動する。これに伴い、グラフHも矢印F方
向または矢印G方向へと向かって、グラフの全体がわず
かに移動する。
【0018】従って、酸化物単結晶を引き下げている段
階で、その組成に変化が生じ、その出力光のピーク波長
が変化した場合には、直ちにピーク波長の変化を検出
し、原料供給装置へとフィードバックすることができ
る。
【0019】また、受光装置が、フォトダイオードのよ
うに、波長成分の分布を検出できない場合には、各波長
の出力光の強度を直接知ることはできない。そこで、こ
の場合の好ましい監視方法を、図2を参照しつつ、説明
する。
【0020】目的とする組成に対応する出力光の波長を
λ0 とする。ルツボの引出し口から引下げられた酸化物
単結晶の組成が、目的の組成であるときには、レーザー
光の強度は、波長λ0 で最大値Tをとる。製造が進むの
につれて、前記したように、このピーク波長λ0 がわず
かに移動し、λ4 またはλ5 となる。これに伴い、グラ
フHは、右側または左側へと向かって移動し、グラフI
またはグラフJとなる。
【0021】しかし、この最大値の移動は僅かであり、
しかも、このグラフ全体の形状は、通常は、最大値の周
辺ではきわめて傾斜が小さい。従って、グラフの最大値
がわずかに移動した場合には、波長λ0 における出力の
変化は更にきわめて小さいので、組成の変化の検出は事
実上困難であることがわかってきた。
【0022】そこで、波長2λ0 よりも大きい波長2λ
7 を有する第一のレーザー光と、波長2λ0 よりも小さ
い波長2λ6 を有する第二のレーザー光とを、酸化物単
結晶に対して照射し、これらの各レーザー光に対応し
て、その出力光の強度を測定する受光装置を設けた。そ
して、第一のレーザー光に対応する出力光と、前記第二
のレーザー光に対応する出力光との強度を検出してみ
た。
【0023】この結果、ルツボの引出し口から引下げら
れた酸化物単結晶の組成が、目的の組成であるときに
は、波長λ6 での強度はp0 となり、波長λ7 での強度
はq0 となる。製造が進むのにつれて、ピーク波長λ0
がλ5 の方へと向かって移動すると、グラフHは右側へ
と向かって移動し、グラフIとなる。このとき、波長λ
6 での強度はp1 となり、p0 よりも減少する。この一
方、波長λ7での強度はq1 となり、q0 よりも増加す
る。これに対して、ピーク波長λ0 がλ4 の方へと向か
って移動すると、グラフHは左側へと向かって移動し、
グラフJとなる。このとき、波長λ6 での強度はp2
なり、p0 よりも増加する。この一方、波長λ7 での強
度はq2 となり、q0 よりも減少する。
【0024】このように、両方の波長で増加と減少とが
一対となって現れてくるのて、きわめて組成変化に対す
る感度が良好になる。しかも、特にピーク波長λ 0 、λ
4 、λ5 付近を避けてその外側で測定波長を選択するこ
とによって、グラフの比較的に傾きの大きい部分を利用
することができるので、この観点からも一層感度が良好
になる。
【0025】上記の方法において、第一のレーザー光と
第二のレーザー光とを同時に照射することができるが、
また、波長可変レーザーを使用して、二種類の波長の各
レーザー光を、時間をずらして逐次に照射することも可
能である。
【0026】本発明においては、酸化物単結晶の横断面
の寸法を光センサーによって測定することが好ましい。
単結晶育成では、断面の形状は通常は一定に制御される
が、その寸法を精密に測定し、光の透過厚さのバラツキ
をキャンセルすることによって、制御精度を向上させる
ことができる。
【0027】次に、本発明の好適な態様について、更に
詳細に説明する。本発明者は、酸化物単結晶のμ引下げ
法による量産技術を確立するべく、ルツボを大型化する
ための研究を続けていたが、この過程で、ルツボを大型
化すると共に、このルツボから下方へと延びるノズル部
を備え、このノズル部の下端に単結晶育成部を設け、ル
ツボと単結晶育成部とを互いに独立に温度制御してみ
た。
【0028】この結果、ルツボで溶融する粉末の量を5
g以上といった多量にし、これに合わせてルツボの容積
を大きくしても、酸化物単結晶を連続的に容易に引き下
げうることを見いだした。
【0029】こうした作用効果が得られた理由は、おそ
らく、ノズル部の下端部に単結晶育成部を設けることに
よって、ルツボにおける溶融物が発生させる熱量の影響
を、単結晶育成部が直接受けにくいようになり、同時に
単結晶育成部ないしノズル部と、ルツボとを別々に温度
制御することによって、単結晶育成部付近における温度
勾配を大きくすることができたからと、考えられる。
【0030】しかも、この方法によれば、ルツボ内で溶
融する原料粉末の量を30〜50g程度にまで増大させ
た場合でも、KLN単結晶ファイバーにおける組成の変
動が、わずかに0.01mol%以下という驚くべき精
度にまで減少していたことを発見した。従って、この製
造方法と本発明とを組み合わせることによって、こうし
た極めて高い精度の組成を有する酸化物単結晶を量産す
ることができる。
【0031】更に、本発明者は、上記した製造装置を使
用して、単結晶育成部における溶融物の状態と単結晶の
物性について研究した。この結果、単結晶育成部の環境
に対して、重力よりも表面張力の方が支配的である場合
には、きわめて組成の変動の少ない良好な酸化物単結晶
を、連続的に引き出しうることを見いだした。これによ
って、良好な固相液相界面が形成されるからと思われ
る。
【0032】このように、単結晶育成部において表面張
力の方が重力よりも支配的な条件を生じさせるために
は、ノズル部内の溶融物に加わる重力を減少させる機構
を、ルツボ内に設けることが有効である。本発明者は,
このような機構について検討したが、特にノズル部の内
径を0.5mm以下とすることによって、ノズル部内に
おいて、溶融物に加わる重力よりも表面張力の方が支配
的な条件を生成でき、ノズル部の先端開口において均一
なメニスカスを形成できることを確認した。
【0033】ただし、このノズル部の内径が0.01m
m未満であると、単結晶の育成速度が小さくなりすぎる
ので、量産の観点からノズル部の内径を0.01mm以
上とすることが好ましい。ノズル部の最適な内径は、
0.01〜0.5mmの範囲内で、溶融物の粘性、表面
張力、比重、単結晶の育成速度等によって若干変動す
る。
【0034】更に、本発明者は、この点について追求し
た結果、次のような知見を得るに至った。即ち、従来の
μ引下げ法においては、ルツボの規模が小さいので、単
結晶ファイバーを連続的に引き下げることができたと考
えられるが、これは、ルツボ内の溶融物の量が少なく、
溶融物がルツボの壁面に対して、その表面張力によって
張りつくことから、引出し口へと加わる重力が相対的に
小さくなっていたために、ある程度は均質な固相液相界
面が形成されたものと推定できる。しかし、ルツボの寸
法を大きくすると、引出し口付近において表面張力が支
配的な条件が失われたものと推定される。
【0035】更に、この方法においては、単結晶育成部
付近において、ノズル部をその長さ方向に見たときの温
度勾配を大きくすることが容易である。これによって、
ノズル部内を流下してきた溶融物を急速に冷却できる。
【0036】従って、この製造方法は、固溶体単結晶を
製造する場合に、特に適している。固溶体単結晶におい
ては、平衡条件では組成比率が変動していく性質があ
る。従来のμ引下げ法を使用した場合には、引出し口付
近では平衡条件なので、ちょっとした温度変化や固体化
の速度の変化によって、固溶体の組成が変動していた
が、こうした原因によるものと考えられる。これに対し
て、本発明の方法および装置によれば、単結晶育成部付
近での急速冷却が可能なので、溶融物の組成を保持する
ことができる。
【0037】このような固溶体としては、例えば、KL
N、KLTN〔K3 Li 2-2x(Tay Nb1-y 5+x
15+x、Ba1-X SrX Nb2 6 を中心としたタング
ステンブロンズの構造やMn−Znフェライトを例示す
ることができる。
【0038】ルツボに対して原料を供給すると、その原
料の溶解熱によって、ルツボ内の熱的状態に変動が発生
し、単結晶の組成の変動等がこれによって発生する。し
かし、ルツボの下方に前記のようにしてノズル部を設け
る場合には、ルツボに対して原料を連続的に、または間
欠的に供給することができる。なぜなら、ルツボ内で前
記のような熱的変動が発生しても、単結晶育成部への熱
的影響は少なく、かつ単結晶育成部では平衡状態ではな
く、速度論的状態なので、熱的変動の影響をますます受
けにくいからである。
【0039】本発明の製造装置においては、ルツボの加
熱方法は特に限定されない。しかし、単結晶製造装置の
周囲を囲むように、加熱炉を設けることが好ましい。こ
の際、加熱炉を上側炉と下側炉とに分離し、ルツボを上
側炉によって包囲し、この上側炉の方を相対的に高温で
発熱させて、ルツボ内の粉末の溶融を助けることが好ま
しい。これに対してノズル部の周囲に下側炉を設置し、
この下側炉の方の温度を相対的に低くすることによっ
て、ノズル部の下端部の単結晶育成部における温度勾配
を大きくすることが好ましい。
【0040】更に、ルツボ内での粉末の溶融の効率を向
上させるためには、ルツボの外側の加熱炉のみによって
ルツボを加熱するよりも、ルツボ自体を導電性材料によ
って形成し、このルツボに電力を供給することによっ
て、ルツボを発熱させることが好ましい。更に、ノズル
部内を流れる溶融物の溶融状態を保持するためには、ノ
ズル部を導電性材料によって形成し、このノズル部に電
力を供給することによって発熱させることが好ましい。
【0041】そして、特に単結晶育成部における温度勾
配を大きくするためには、ルツボの通電機構とノズル部
の通電機構とを分離し、独立に制御できるようにするこ
とが好ましい。
【0042】こうした導電性材料としては、特に耐食性
の観点から、白金、白金−金合金、白金−ロジウム合
金、白金−イリジウム合金、イリジウム等の材料が好ま
しい。
【0043】ただし、白金等の耐食性金属は、いずれも
抵抗率が比較的に低いので、これに電力を供給して有効
に発熱させるためには、ノズル部の厚さを小さくするこ
とによって、その抵抗値をある程度以上大きくする必要
がある。例えば、白金によってノズル部を形成した場合
には、100〜200μm程度の薄膜によって形成する
必要があった。しかし、このように薄い膜によってノズ
ル部を形成すると、構造的に弱くなり、ノズル部が変形
して、安定した単結晶の生産が困難になる場合があっ
た。
【0044】そこで、ノズル部を包囲するように抵抗発
熱材を設置し、抵抗発熱材に対して電力を供給すること
によってこの抵抗発熱材を発熱させることができる。こ
の場合には、ノズル部の方を上述のように耐食性金属に
よって形成し、これに通電して発熱させることもできる
が、電力を供給しなくともよい。このように、ノズル部
を包囲する抵抗発熱材の方に主要な加熱機能を付与すれ
ば、ノズル部に要求される発熱の負荷は小さくなり、ま
たノズル部は発熱させなくとも良くなるので、ノズル部
の方を厚くする(例えば300μm以上)ことによっ
て、ノズル部の機械的強度を向上させることができ、量
産に適した装置とすることができる。
【0045】本発明は、単結晶ファイバーの製造だけで
なく、単結晶からなる板状体ないしプレートの製造に対
しても、良好に適用することができる。具体的なプレー
トの形成方法は後述する。
【0046】KLN単結晶は、最近、光材料として注目
を集めており、特に半導体レーザー用の青色光第二高調
波発生(SHG)素子用の単結晶として注目されてい
る。これは、390nmの紫外光領域まで発生すること
が可能であるので、こうした短波長の光を利用すること
で、光ディスクメモリー用、医学用、光化学用、各種光
計測用等の幅広い応用が可能である。また、KLN単結
晶は、電気光学効果も大きいので、そのフォトリフラク
ティブ効果を利用した光記憶素子等にも適用できる。
【0047】図3は、本発明の一実施例に係る単結晶育
成用の製造装置を示す概略断面図であり、図4(a)、
(b)は、そのノズル部の先端部分の状態を説明するた
めの概念図である。
【0048】炉体の内部にはルツボ7が設置されてい
る。ルツボ7およびその上側空間5を包囲するように、
上側炉1が設置されており、上側炉1内にはヒーター2
が埋設されている。ルツボ7の下端部から下方向へと向
かってノズル部13が延びており、ノズル部13の下端
部に開口13aが形成されている。ノズル部13および
その周囲の空間6を包囲するように下側炉3が設置され
ており、下側炉3の中にヒーター4が埋設されている。
むろんこうした加熱炉の形態自体は、種々変更すること
ができる。例えば図1においては加熱炉を2ゾーンに分
割しているが、加熱炉を3ゾーン以上に分割することも
できる。ルツボ7およびノズル部13は、いずれも耐食
性の導電性材料によって形成されている。
【0049】ルツボ7の位置Aに対して、電源10Aの
一方の電極が電線9によって接続されており、ルツボ7
の下側の折曲端Bに対して、電源10Aの他方の電極が
接続されている。ノズル部13の位置Cに対して、電源
10Bの一方の電極が電線9によって接続されており、
ノズル部13の下端Dに対して他方の電極が接続されて
いる。これらの各通電機構は、共に分離されており、独
立してその電圧を制御できるように構成されている。
【0050】更にノズル部13を包囲するように、間隔
を置いて、空間6内にアフターヒーター12が設けられ
ている。ルツボ7内で、取り入れ管11が上方向へと向
かって延びており、この取り入れ管11の上端に取り入
れ口22が設けられている。この取り入れ口22は、溶
融物8の底部から若干突き出している。
【0051】この溶融物の取り入れ口は、ルツボの底部
から突き出さないように、ルツボの底に形成することも
できる。この場合には、取り入れ管11は設けない。し
かし、長期間にわたってこのルツボを使用すると、溶融
物内の不純物が徐々にルツボの底部に溜まっていく場合
がある。本実施例におけるように、取り入れ管11の上
端に取り入れ口22を設けることによって、ルツボの底
部に不純物が溜まっても、取り入れ管11が底部から突
き出していることから、底部の不純物が取り入れ口に入
りにくい。
【0052】上側炉1、下側炉3およびアフターヒータ
ー12を発熱させて空間5、6の温度分布を適切に定
め、溶融物の原料をルツボ7内に供給し、ルツボ7およ
びノズル部13に電力を供給して発熱させる。この状態
では、図4(a)に示すように、ノズル部13の下端部
にある単結晶育成部23では、開口13aから溶融物8
が僅かに突出し、その表面張力によって保持されて、比
較的に平坦な表面17が形成されている。
【0053】ノズル部13内の溶融物8に対して加わる
重力は、ノズル部13内の壁面に対する溶融物の接触に
よって大きく減少している。特に、ノズル部13の内径
を0.5mm以下とすることによって、前記したように
均一な固相液相界面を形成することができた。
【0054】この状態で、種結晶15を矢印Eで示すよ
うに上方向へと移動させ、種結晶15の端面15aを表
面17に対して接触させる。次いで、図4(b)に示す
ように、種結晶15を下方向へと引下げる。この際、種
結晶15の上端部と、ノズル部13から下方向へと引き
出されてくる溶融物8との間には、均一な固相液相界面
(メニスカス)19が形成される。
【0055】この結果、図3に示すように、種結晶の上
側に単結晶ファイバー14が連続的に形成され、下方向
へと向かって引き出されてくる。本実施例では、この単
結晶ファイバー14を、駆動装置であるローラー28に
よって送っている。
【0056】一方、従来のルツボを使用しつつ、これに
投入する粉末の量を増加させた場合には、ルツボの引出
し口から下方向へと向かって、溶融物による膨張部分が
形成される。この状態で種結晶15の端面15aを溶融
物に対して接触させると、良好な固相液相界面が形成さ
れない。
【0057】単結晶ファイバーが連続的に下方向へと向
かって引き出されてくると、レーザー光源27から矢印
Rのように波長2λ0 付近のレーザー光を出射させて単
結晶ファイバー14に照射し、単結晶ファイバーからの
第2高調波λ0 付近の出力光Sを長波長カットフィルタ
ー41を通して受光装置26で受光し、その強度を検出
する。受光装置26からの信号を信号線25を通して制
御装置33へと送り、ここで処理し、ルツボ7上の原料
供給装置24から投入する原料の組成比率を制御する。
出力光の強度の測定値が、所定の目的値から変動する
と、制御装置33から原料の組成比率を変更する信号を
原料供給装置24へと送り、フィードバックする。
【0058】さらに精度良く制御するために、2λ0
近の長波長の一部を反射ミラー29と受光装置26とを
組み合わせて、その信号を信号線25を通して制御装置
33へと送ることができる。
【0059】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。 (実験1)図1に示すような単結晶製造装置を使用し、
本発明に従ってKLN単結晶ファイバーを製造した。上
側炉1と下側炉3とによって炉内全体の温度を制御し
た。ノズル部13に対する電力供給とアフターヒーター
12の発熱とによって、単結晶育成部23近辺の温度勾
配を制御できるように構成した。単結晶ファイバーの引
下げ機構としては、垂直方向に2〜100mm/時間の
範囲内で、引下げ速度を均一に制御しながら、単結晶フ
ァイバーを引き下げる機構を搭載した。レーザー光源2
7としては、波長780〜900nmの範囲内で波長を
変調することができるチューナブルレーザーである、チ
タンサファイアレーザー光源を使用した。
【0060】炭酸カリウム、炭酸リチウムおよび酸化ニ
オブを、30:20:50の組成比率で調合して原料粉
末を製造した。この原料粉末約50gを、白金製のルツ
ボ7内に供給し、このルツボ7を所定位置に設置した。
上側炉1内の空間5の温度を1100〜1200℃の範
囲に調整し、ルツボ7内の原料を融解させた。下側炉3
内の空間6の温度は、500〜1000℃に均一に制御
した。ルツボ7、ノズル部13およびアフターヒーター
12に対して所定の電力を供給し、単結晶成長を実施し
た。この際、単結晶育成部の温度を1050℃〜115
0℃とすることができ、単結晶育成部における温度勾配
を10〜50℃/mmに制御することができた。
【0061】ノズル部13の外側および内側の横断面の
形状は円形とし、外径は1mmとし、内径は0.1mm
とし、長さは20mmとした。ルツボ7の平面形状は円
形とし、その直径は30mmとし、その高さは30mm
とした。この状態で、20mm/時間の速度で単結晶フ
ァイバーを引き下げた。
【0062】これと共に、チタンサファイアレーザー光
源から、目的とする位相整合波長(850nm)付近の
レーザー光を単結晶ファイバーに照射し、その出力光を
スペクトラムアナライザーで分析した。原料としては、
次の2種類の組成の粉末を使用した。 粉末1:K3.1 Li2 Nb5 O 粉末2:K2.9 Li2 Nb5
【0063】そして、当初は粉末1と粉末2とを1:1
の割合で混合し、ルツボへと投入した。そして、ピーク
波長が低くなる方向に変動したときには、粉末1の量を
増加させ、ピーク波長が高くなる方向に変動したときに
は、粉末2の量を増加させた。
【0064】このようにして、縦1mm、横1mm、長
さ100mmの単結晶ファイバーについて、連続的に育
成および原料粉末の混合比率の制御を実施した。この結
果、この単結晶の位相整合波長を、0.2nm以下の精
度、即ち、組成に換算すると0.01mol%以下の、
KLN単結晶としてかつてない高い精度で、組成を制御
することができた。
【0065】(実験2)実験1と同様にして、KLN単
結晶ファイバーを育成した。ただし、炉の下に単結晶フ
ァイバーを間欠的に所定長さで切断する切断装置を設け
ることによって、連続的に単結晶ファイバーを育成し
た。単結晶ファイバーの育成が進行してくるのにつれ
て、育成した単結晶の量およびルツボ7から揮発した成
分の量に相当する量の原料粉末を、ルツボ7内へと供給
した。この際、各粉末の混合比率は、前記したようにし
て決定した。
【0066】こうして、長さほぼ10mの単結晶ファイ
バーを連続的に形成したが、この結果、ほぼ10mの長
さの全長にわたって、この単結晶の位相整合波長を0.
2nm以下の精度に抑制でき、即ち、その組成変動を
0.01mol%以下に抑制することに成功した。
【0067】(実験3)上記したノズル部13におい
て、その形状を細長い板状とし、厚さ0.3mmのKL
N単結晶プレートを引き下げることに成功した。
【0068】この場合には、2種類の半導体レーザーの
出力光の変化を観察することにより、原料供給を制御し
た。図5に示すように、目的波長λ0 (425nm)に
対して、2λ6 (848nm、即ち、424×2nm)
のレーザー光を発生するレーザー光源27Aと、2λ7
(852nm、即ち、426×2nm)のレーザー光を
発生するレーザー光源27Bとを用意する。これらの各
レーザー光源に対応する受光装置26A、26Bを、図
5に示すように、単結晶プレート40を挟んだ反対側に
設置する。
【0069】単結晶の組成の変動によって、λ0 が42
5nmから0.2nmでも変動すると、その変動に対応
して、受光装置26A、26Bの出力が変化するので、
この出力の変化を制御装置33へと送り、これらの出力
の変化を原料粉末の混合比率へと制御装置33を通して
フィードバックし、単結晶の育成を制御した。
【0070】結晶の厚さと品質によって、第2高調波の
位相整合半値幅が変化するので、レーザー光源の波長を
選択する必要がある。KLNでは、厚さ0.3mmで、
理論的には3.5nmの幅があるので、上記のような2
λ6 、2λ7 を選択したが、厚さ0.6mmの場合に
は、2λ6 (849nm、即ち、424.5×2n
m)、2λ7 (851nm、即ち、425.5×2n
m)を使用して制御することができる。
【0071】むろん、このような制御方法によって、単
結晶ファイバーの場合にも原料粉末の混合割合をフィー
ドバック制御することができる。
【0072】(参考実験1)従来の構造の製造装置を使
用し、実験1と同様のKLN単結晶ファイバーを作成し
た。原料粉末の量は500mgとした。ルツボは白金に
よって作成した。上側炉と下側炉とによって炉内全体の
温度を制御した。上側炉内の空間の温度を1100〜1
200℃の範囲に調整し、ルツボ内の原料を融解させ
た。下側炉3内の空間6の温度は、500〜1000℃
に均一に制御した。ルツボに対して電力を供給し、これ
によって引出し口からの単結晶の育成、引出しを制御し
ようと試みた。この状態で、20mm/時間の速度で単
結晶ファイバーを引き下げたところ、KLN単結晶ファ
イバーを引き下げることができた。
【0073】こうして製造した、縦1mm、横1mm、
長さ100mmの単結晶ファイバーについて、この単結
晶ファイバーを長さ方向(育成した方向)に見たときの
組成分布について、実験1と同様にして検査した。この
結果、出力光の波長に、50nmの変動があった。これ
は、組成に換算すると1.0mol%を越えており、S
HG素子用としては、実用上問題があるレベルであっ
た。
【0074】(参考実験2)比較実験1において、ルツ
ボから引き出された成分およびルツボから蒸発した成分
の量に相当する量の原料粉末を、ルツボへと定期的に供
給し、連続的に単結晶ファイバーを育成することを試み
た。しかし、一度原料を供給すると、ルツボ内での熱平
衡状態が大きく崩れたため、単結晶ファイバーの育成の
継続は不可能になった。
【0075】(参考実験3)比較実験1において、ルツ
ボの寸法を大きくし、ルツボに最初に投入する原料粉末
の量を5gにまで増加させた。上側炉と下側炉とによっ
て炉内全体の温度を制御し、ルツボに対して電力を供給
し、これによって引出し口からの単結晶の育成、引出し
を制御しようと試みた。
【0076】しかし、上側炉内の温度を500〜900
℃と低く調整すると、ルツボに対する電力供給量を多く
して、ルツボ内の原料粉末の融解を促進する必要がある
が、この出力を大きくすると溶融物が結晶化しなくなっ
た。一方ルツボへの供給電力を小さくしていくと、引出
し口から出る前に溶融物が固体化してしまった。このよ
うに、単結晶を引き出す条件を見いだすことはできなか
った。
【0077】一方、上側炉の温度を900℃以上とする
と、炉体からの熱輻射によって、結晶成長点である引出
し口付近で、結晶化に必要な温度勾配を維持することは
できなくなり、やはり単結晶ファイバーを引き下げるこ
とはできなかった。
【0078】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、μ
引下げ法によって酸化物単結晶を育成するのに際して、
多量の原料を処理して連続的に多量の酸化物単結晶を引
き下げて形成することができ、しかもこの酸化物単結晶
の組成の変動等を防止して、高品質の酸化物単結晶を製
造することができる。従って、本発明は、こうした酸化
物単結晶のファイバー等を量産する上で、きわめて重要
な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】出力光の波長と強度との関係を示すグラフであ
る。
【図2】目的とする波長λ0 の両側の波長の出力光の強
度を測定する態様について説明するためのグラフであ
る。
【図3】本発明の実施例に係る、単結晶育成用の製造装
置を示す概略断面図である。
【図4】(a)、(b)は、単結晶育成用の製造装置の
ノズル部13の先端部分の状態を説明するための概念図
である。
【図5】一対のレーザー光源27A、27Bと受光装置
26A、26Bとを使用したフィードバック制御方法を
説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1 上側炉 2、4 炉内のヒーター 3 下側炉
5上側炉1内の空間 6 下側炉3内の空間
7 ルツボ 8 溶融物 10A、10B 電源(通電機構) 11 取り入れ
管 12 アフターヒーター 13 ノズル部
14 単結晶ファイバーないしプレート 15種結晶
19 固相と液相との界面 22 溶融物の取り
入れ口 23単結晶育成部 24 原料供給装置
26 受光装置 27 レーザー光源 28 ロ
ーラー 29 長波長の一部を反射する反射ミラー
30溶融物の表面 33 制御装置 41 長波
長カットフィルター H、I、J 出力光の波長と強
度との関係を示すグラフ R レーザー光 S出力
光 λ0 目的とするピーク波長 λ4 、λ5
的値からずれたピーク波長 λ6 、λ7 測定波長
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。 (実験1)図1に示すような単結晶製造装置を使用し、
本発明に従ってKLN単結晶ファイバーを製造した。上
側炉1と下側炉3とによって炉内全体の温度を制御し
た。ノズル部13に対する電力供給とアフターヒーター
12の発熱とによって、単結晶育成部23近辺の温度勾
配を制御できるように構成した。単結晶ファイバーの引
下げ機構としては、垂直方向に2〜100mm/時間の
範囲内で、引下げ速度を均一に制御しながら、単結晶フ
ァイバーを引き下げる機構を搭載した。レーザー光源2
7としては、波長780〜900nmの範囲内で波長を
可変することができるチューナブルレーザーである、チ
タンサファイアレーザー光源を使用した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】そして、当初は粉末1と粉末2とを1:1
の割合で混合し、ルツボへと投入した。そして、ピーク
波長が大きくなる方向に変動したときには、粉末1の量
を増加させ、ピーク波長が小さくなる方向に変動したと
きには、粉末2の量を増加させた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 29/62 7202−4G C30B 29/62 E H01S 3/16 H01S 3/16 // G02B 6/00 371 G02B 6/00 371

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物単結晶の原料をルツボ内へと供給し
    て溶融させ、この溶融物に対して種結晶を接触させて前
    記酸化物単結晶を育成する、酸化物単結晶の製造方法で
    あって、 前記酸化物単結晶に対してレーザー光を照射し、この酸
    化物単結晶からの出力光を測定し、この測定値に従って
    前記ルツボへと供給する前記原料の組成比率を制御する
    ことを特徴とする、酸化物単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ルツボから下方へと向かって前記溶融
    物を引下げながら前記酸化物単結晶を育成し、下方向へ
    と向かって引下げられている前記酸化物単結晶に対して
    前記レーザー光を照射することを特徴とする、請求項1
    記載の酸化物単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】前記酸化物単結晶が固体レーザー用の酸化
    物単結晶であり、この酸化物単結晶に対してレーザー光
    を照射し、このレーザー光の波長を変換した変換光を検
    出することを特徴とする、請求項1または2記載の酸化
    物単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】前記酸化物単結晶が第二高調波発生効果を
    有しており、この酸化物単結晶に対してレーザー光を照
    射し、このレーザー光に対する2倍波を検出することを
    特徴とする、請求項1または2記載の酸化物単結晶の製
    造方法。
  5. 【請求項5】前記レーザー光が、目的とする組成に対応
    する波長を含むような波長範囲を有しており、前記酸化
    物単結晶からの出力光をスペクトラムアナライザーによ
    って検出することを特徴とする、請求項1〜4のいずれ
    か一つの請求項に記載の酸化物単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】目的とする組成に対応する波長よりも大き
    い波長を有する第一のレーザー光と、目的とする組成に
    対応する波長よりも小さい波長を有する第二のレーザー
    光とを前記酸化物単結晶に対して照射し、前記第一のレ
    ーザー光に対応する前記出力光と、前記第二のレーザー
    光に対応する前記出力光とを検出することを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の酸化
    物単結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】前記酸化物単結晶の横断面の寸法を光セン
    サーによって測定することを特徴とする、請求項1〜6
    のいずれか一つの請求項に記載の酸化物単結晶の製造方
    法。
  8. 【請求項8】酸化物単結晶の原料をルツボ内へと供給し
    て溶融させ、この溶融物に対して種結晶を接触させて前
    記酸化物単結晶を育成する、酸化物単結晶の製造装置で
    あって:前記ルツボへと前記原料を供給する原料供給装
    置;前記酸化物単結晶を前記ルツボから引き出すための
    駆動装置;この酸化物単結晶に対してレーザー光を照射
    するためのレーザー光源;この酸化物単結晶からの出力
    光を測定するための測定装置;およびこの測定装置から
    の出力に従って前記ルツボへと供給する前記原料の組成
    比率を制御する制御装置とを備えていることを特徴とす
    る、酸化物単結晶の製造装置。
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