JPH08259261A - ハロゲン化銀含有ガラス製品およびその製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀含有ガラス製品およびその製造方法

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JPH08259261A
JPH08259261A JP7288854A JP28885495A JPH08259261A JP H08259261 A JPH08259261 A JP H08259261A JP 7288854 A JP7288854 A JP 7288854A JP 28885495 A JP28885495 A JP 28885495A JP H08259261 A JPH08259261 A JP H08259261A
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glass
silver halide
radiation
glass product
range
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JP7288854A
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Thomas G Havens
ジョージ ヘヴンズ トーマス
David J Kerko
ジョセフ ケルコ デイヴィット
Joann Morrell
モーレル ジョアン
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Corning Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/08Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths
    • C03C4/085Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths for ultraviolet absorbing glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C14/00Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
    • C03C14/006Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix the non-glass component being in the form of microcrystallites, e.g. of optically or electrically active material
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線および必要に応じて550 nmまでの波
長を有する放射線に対して実質的に不透明であるが、可
視線に対しては透明なハロゲン化銀含有ガラス製品を製
造する。 【解決手段】 少なくとも4時間に亘り、少なくとも37
5 ℃であるが500 ℃以下の温度で運転している熱処理チ
ャンバ中の水素含有雰囲気にハロゲン化銀含有ガラス製
品をさらして、このハロゲン化銀含有ガラス製品の少な
くとも1つの表面に、紫外線および必要に応じて550 n
mまでの波長を有する放射線がハロゲン化銀含有ガラス
製品を透過するのを効果的に防ぐ厚さを有する一体還元
層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線を透過させ
ないハロゲン化銀含有ガラス製品およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】コーニング社(ニューヨーク州、コーニ
ング)は、少なくとも10年間に亘り、様々な特定波長で
電磁放射線をカットする特性を有するフィルタガラスと
して機能するフォトクロミックガラスレンズを市販して
いる。そのようなガラスは、紫外線から目を保護する必
要のある人により主に着用され、CPF450 およびCP
F550 のような商標で市販されている。この商標の数値
は、それぞれ、450 nmおよび550 nmより小さい放射
線でのカット特性を意味している。
【0003】これらのガラスは米国特許第4,240,836 号
(ボレリ等)を起源とするものである。この特許には、
非暗色状態において、透過光が赤色および紫色、または
橙色、赤色、紫色、および/または青色の混合色を示す
表面着色フォトクロミックガラスの製造方法が記載され
ている。この方法には、ハロゲン化銀含有フォトクロミ
ックガラスに還元条件下で特定の熱処理を施す工程が含
まれている。この特許に説明されているように、この方
法には、ガラスに特定の可視光吸収特性を持たせるのに
十分な時間に亘り、約450 ℃を越えない温度で還元条件
下でハロゲン化銀含有フォトクロミックガラスを熱処理
する工程が含まれていた。200 ℃−450℃の範囲の熱処
理温度を使用できることが分かった。350 ℃−450 ℃の
範囲の温度が好ましい。還元熱処理の結果として、非暗
色状態においてガラスが、ピークが図1の線CBの右側
の特定透過率領域内に包含されるような位置と強度を有
する、処理によって誘発された少なくとも1つの吸収ピ
ークを含むスペクトル吸収率曲線を示すような光吸収特
性が得られる。このピークは、表面着色製品が作られる
親フォトクロミックガラスには存在しない。したがっ
て、表面着色ガラスにおいて、表面の色はガラス内部の
色とは異なり(内部のガラスが着色されている場合に
は)、少量の表面ガラスをそこから除去した前後でガラ
ス製品のスペクトル透過率特性を比較することによりそ
の状態が容易に分かる。
【0004】特許権者は、ガラス製品の表面に非常に近
接した領域において、ハロゲン化銀微結晶と接触する銀
が化学的に還元されることにより表面が着色された状態
となり、それらの微結晶上の金属の銀の幾何学的形状お
よび配列により色の同一性が決定されると理論付けた。
所定の還元熱処理方法を用いた場合、ガラス中にハロゲ
ン化銀の微結晶を生成させるのに最初に用いた工程に依
存して、特定のフォトクロミックガラスが数多くの吸収
ピークを示すことができることを示す実験により、上記
理論が確認された。この特許第4,240,836 号を特にここ
に引用する。
【0005】3種類の基礎的なハロゲン化銀含有フォト
クロミックガラス組成物、すなわち、コーニングコード
8111ガラス、コーニングコード8122ガラス、およびコー
ニングコード8135ガラスから作成したフォトクロミック
フィルタガラスがコーニング社より市販されている。
【0006】コーニングコード8111ガラスは、米国特許
第4,190,451 (ヘアス等)に開示された範囲内に包含さ
れる組成を有している。この特許に記載されたガラス
は、重量パーセントで表して、約0−2.5 %のLi
2 O、約0−9%のNa2 O、約0−17%のK2 O、約
0−6%のCs2 O、約14−23%のB2 3 、約5−25
%のAl2 3 、約0−25%のP2 5 、約20−65%の
SiO2 、約0.004 −0.02%のCuO、約0.15−0.3 %
のAg、約0.1 −0.25%のCl、および0.1 −0.2 %の
Brから実質的になり、Li2 O+Na2 O+K2 O+
Cs2 Oの合計が約8−20%の範囲にあり、B2 3
対するアルカリ金属酸化物のモル比が約0.55−0.85の範
囲にあり、(Cl+Br)に対するAgの重量比が約0.
65−0.95の範囲にある。ヘアス等はさらに、それらのガ
ラスが、任意成分として、0−6%のZr2 O、0−3
%のTiO2 、0−0.5 %のPbO、0−7%のBa
O、0−4%のCaO、0−3%のMgO、0−6%の
Nb2 5 、0−4%のLa2 3および0−2%のF
を合計で約10%まで含有してもよいと述べている。最後
に、特許権者は、ガラスのフォトクロミック挙動に悪影
響を与えることなく、合計で1%までの遷移金属酸化物
着色剤および/または合計で5%までの希土類金属酸化
物着色剤を含ませても差支えないことに注目した。特許
第4,190,451 号を特にここに引用する。
【0007】コーニングコード8111ガラスは、重量部で
示して、55.8部のSiO2 、6.5 部のAl2 3 、18.0
部のB2 3 、1.9 部のLi2 O、4.0 部のNa2 O、
5.8部のK2 O、4.9 部のZrO2 、2.2 部のTi
2 、0.24部のAg、0.20部のCl、0.13部のBr、お
よび0.011 部のCuOからなる近似組成を有している。
しかしながら、成分の合計がほぼ100 であるので、全て
の実際的な目的には、記載した数値を重量パーセントと
見做してもよい。
【0008】コーニングコード8122ガラスは、米国特許
第4,251,278 号(ヘアス)の特許請求の範囲に記載され
た範囲内に包含される組成を有している。この特許に記
載されたガラスは、組成に約1−10ppmのパラジウム
および/または金が含まれているハロゲン化銀含有フォ
トクロミックガラスである。特許第4,251,278 号は、特
に、パラジウムおよび/または金を添加できる2種類の
組成範囲に言及している。第1の領域は、前出の特許第
4,190,451 号に包含された組成範囲に含まれている。第
2の領域は、重量パーセントで表して、40−76%のSi
2 と、4−26%のAl2 3 と、4−26%のB2 3
と、2−8%のLi2 O、4−15%のNa2 O、4−15
%のK2 O、8−25%のRb2 O、および10−30%のC
2 Oからなる群より選択される、表示された量の少な
くとも1種類のアルカリ金属酸化物と、0.2 %以上の塩
素、0.1 %以上の臭素、および0.08%以上のヨウ素から
なる群より選択される少なくとも1種類のハロゲンと、
ハロゲンが塩素であるガラスにおいては0.2 %以上、少
なくとも0.1 %の臭素を含有するが0.08%未満しかヨウ
素を含有しないガラスにおいては0.05%以上、少なくと
も0.08%ヨウ素を含有するガラスにおいては0.03%以上
の銀とから実質的になり、上記各成分の合計が組成の合
計重量の少なくとも85重量%を占める。米国特許第4,25
1,278 号を特にここに引用する。
【0009】コーニングコード8122ガラスは、重量部で
表して、56.3部のSiO2 、6.2 部のAl2 3 、18.1
部のB2 3 、1.8 部のLi2 O、4.1 部のNa2 O、
5.7部のK2 O、5.0 部のZrO2 、2.2 部のTi
2 、0.25部のEr2 3 、0.21部のAg、0.22部のC
l、0.15部のBr、0.006 部のCuO、および0.0002部
のPdからなる近似組成を有している。しかしながら、
成分の合計がほぼ100 であるので、全ての実際的な目的
には、記載した数値を重量パーセントと見做してもよ
い。
【0010】コーニングコード8135ガラスは、米国特許
第4,390,635 号(モーガン)の特許に開示された範囲内
に包含される組成を有している。この特許に記載された
ガラスは、ガラスから分析した、重量パーセントで表し
て、0−2.5 %のLi2 O、0−9%のNa2 O、0−
17%のK2 O、0−8%のCs2 O、5−25%のAl2
3 、14−23%のB2 3 、40−65%のSiO2 、0.00
4 −0.02%のCuO、0.15−0.3 %のAg、0.1 −0.25
%のCl、0.1 −0.2 %のBr、約0.03−0.25%のCr
2 3 、および約0.025 −0.3 %のAs2 3 および/
またはSb2 3 から実質的になり、Li2 O+Na2
O+K2 O+Cs2 Oの合計が8−20%の範囲にあり、
2 3 に対するアルカリ金属酸化物のモル比が0.55−
0.85の範囲にあり、CuO以外の二価金属酸化物を実質
的に含まず、(Cl+Br)に対するAgの重量比が約
0.65−0.95の範囲にあり、50%より多くの銅がCu+
オンとして存在している。特許権者は、6%までのZr
2 、3%までのTiO2、1%までのPbO、7%ま
でのBaO、4%までのCaO、3%までのMgO、6
%までのNb2 5 、4%までのLa2 3 、および2
%までのFからなる群より選択される成分を合計で10%
までガラスに含ませてもよいと述べている。さらに、合
計で1%までの非酸化遷移金属酸化物および/または合
計で5%までの非酸化希土類金属酸化物をガラスに含ま
せてもよい。
【0011】コーニングコード8135ガラスは、重量部で
表して、56.4部のSiO2 、6.2 部のAl2 3 、18.1
部のB2 3 、1.82部のLi2 O、4.08部のNa2 O、
5.72部のK2 O、4.99部のZrO2 、1.91部のTi
2 、0.144 部のNiO、0.082部のCoO、0.24部の
Ag、0.215 部のCl、0.16部のBr、および0.0057部
のCuOからなる近似組成を有している。しかしなが
ら、成分の合計がほぼ100 であるので、全ての実際的な
目的には、記載した数値を重量パーセントと見做しても
よい。
【0012】特許第4,390,635 号を特にここに引用す
る。
【0013】米国特許第4,979,976 号(ハブンス等)に
は、前出の特許第4,240,836 号に開示されている還元熱
処理を変更したものが記載されている。特許権者は、水
素ガスを流動させることが、ハロゲン化銀含有フォトク
ロミックガラスの表面に色を付ける、これらフォトクロ
ミックガラスの還元熱処理に最も効果的で能率的な環境
であることが分かったと述べている。水素を使用するの
には危険がつきものであるので、熱処理チャンバ中にゆ
っくりと水素を流し込まねばらず、その結果、生成した
表面層は、ガラス製品の全ての領域に亘って均一な厚さ
とはならなかった。さらに、ガラス製品の全ての領域に
亘り表面層を十分に厚くするためには、水素にさらす時
間が比較的長いこと、すなわち、少なくとも30分間、通
常は少なくとも60分間が必要とされる。紫外線によりガ
ラスのフォトクロミック挙動が活性化されるので、ガラ
ス製品の前面の還元表面層、例えば、眼鏡用レンズの凸
面側は、この部分に紫外線を十分に通過させてこのガラ
ス製品に均一なフォトクロミック挙動を付与するのに十
分に薄くなければならない。この必要性のために、「フ
ロントサイジング(frond siding)」と称する工程を実
施することになった。この工程は、製品の前側表面を切
削して研磨して製品全体に亘り均一な厚さの表面層を確
保することからなる。ガラス製品本体に紫外線を十分に
通過させて、このガラス製品のフォトクロミック挙動を
活性化させる表面層の厚さを正確に測定する。
【0014】米国特許第4,979,976 号には、フォトクロ
ミックガラス製品上に還元表面層を製造する方法が開示
されている。この方法においては、表面層はガラス製品
の全領域に亘り厚さが均一となり、この厚さは制御でき
るので、フロントサイジングが不必要となっている。さ
らに、表面層を所望の厚さにするのに必要とされる時間
が驚異的に減少する。
【0015】特許権者は、熱処理チャンバをほとんど瞬
間的に水素ガスで満たすのに十分に速い速度でこのチャ
ンバに水素ガスを最初に流し込むことによりそのような
表面層を製造した。水素ガスの流速は、その後直ちに、
表面の還元が行なわれるペースを慎重に制御できる速度
までまで減少させられる。この方法により行なえる制御
のために、所望の色がつくのに十分な厚さであるが、そ
の中を紫外線が通過できなくなるほどは厚くないように
還元表面層をガラス製品上に形成できる。一般的に、こ
の工程に必要な時間の合計は、約10−15分である。
【0016】この特許第4,979,976 号を特にここに引用
する。
【0017】上述のように開示した3種類のガラスがフ
ィルタガラス、すなち、特定の波長より短い波長の放射
線をカットする特性を有するガラスとして市販されてい
るが、紫外線の範囲内の波長のレーザ放射線および放射
線スペトクルの青の領域の波長のレーザ放射線にさらし
たときには、これらのガラスは許容できないことが分か
った。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
主な目的は、電磁スペクトルの紫外領域のレーザ放射線
および望ましくは、電磁スペクトルの可視領域、すなわ
ち、スペクトルの青の領域の550 nmまでのレーザ放射
線に対する保護を行なえるように、可視光に対しては透
明であるが、紫外線に対しては実質的に不透明であるガ
ラス組成物を提供することにある。
【0019】本発明の特定の目的は、レーザ放射線から
目を保護するガラスレンズを製造することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】サングラスまたは眼鏡用
レンズの形状にある上述した3種類のフォトクロミック
ガラスは屋外で着用されるので、それらのガラスの放射
線スペクトルにわずかな「青光」の漏れを設けることが
見かけ上望ましいことが分かった。すなわち、眼鏡のレ
ンズの着用者が知覚する色は、青の波長に少量の放射線
を含ませることによって、より適性となる。しかしなが
ら、あいにく、青光の漏れがあると、それらのガラスは
レーザ保護ガラスとして使用するのには許容されなくな
ってしまった。
【0021】図1−4は、フォトクロミックガラスに還
元表面層を設けるためにこのガラスを水素焼成し、次い
でフロントサイジングを行なうことにより調製した上述
した種類のフィルタガラスを説明するものである。この
ように、図1は、475 ℃の温度で水素を流動させながら
2時間に亘り焼成し、次いでフロントサイジングしたコ
ーニングコード8122ガラスの透過率曲線を記録してい
る。このガラスは、450nmの波長より小さい放射線を
カットするように設計されたものである。図2は、428
℃の温度で水素を流動させながら20時間に亘り焼成し、
次いでフロントサイジングしたコーニングコード8111ガ
ラスの透過率曲線を記録している。このガラスは、511
nmの波長より小さい放射線をカットするように設計さ
れたものである。図3は、416 ℃の温度で水素を流動さ
せながら20時間に亘り焼成し、次いでフロントサイジン
グしたコーニングコード8111ガラスの透過率曲線を記録
している。このガラスは、527 nmの波長より小さい放
射線をカットするように設計されたものである。図4
は、402 ℃の温度で水素を流動させながら44時間に亘り
焼成し、次いでフロントサイジングしたコーニングコー
ド8111ガラスの透過率曲線を記録している。このガラス
は、550 nmの波長より小さい放射線をカットするよう
に設計されたものである。図から分かるように、各々の
例において、上述した青光の漏れを生じるように波長の
350 −450 nmの範囲の透過率がわずかに上昇している
箇所がある。
【0022】この直前に記載したフィルタガラスとは反
対に、レーザ遮蔽用のガラスは室内で用いられることが
分かっている。したがって、ガラスのフォトクロミック
特性は必要でも、望ましくもない。したがって、ハロゲ
ン化銀含有ガラス製品が450−550 nmの範囲でシャー
プなカット特性を有する条件下において、青光の漏れを
このガラス製品に設ける米国特許第4,979,976 号(前
出)に記載された方法を用いるか、またはフロントサイ
ジングを省略することにより、このようなガラス製品を
水素中で焼成できるか否かを決定する研究室規模の実験
を行なった。
【0023】レーザ保護に適したガラス製品、すなわ
ち、電磁スペクトルの紫外領域の放射線および550 nm
までの波長を有する放射線を実質的に完全に遮断するガ
ラス製品が、ハロゲン化銀含有ガラスを実施可能な温度
範囲内に長時間に亘り還元雰囲気にさらすことにより、
このようなガラスから製造できることが分かった。ここ
で用いているように、「実質的に完全に」および「実質
的に不透明」という用語は、全紫外線が遮断されること
が最も好ましいが、ある程度は通過し得るが、その量は
ガラスをレーザ保護に使用できなくならないほど少ない
ことを意味する。
【0024】概して、本発明の方法は、ハロゲン化銀含
有ガラス製品を少なくとも4時間に亘り約375 ℃−500
℃の間の温度で運転している熱処理チャンバ中の水素含
有雰囲気にさらして、紫外線および550 nmまでの波長
を有する放射線がガラス製品を通過するのを防ぐのに十
分な厚さを有する一体還元層を、ガラス製品の少なくと
も1つの表面に設けることからなる。一般的に言うと、
ガラス製品を前面と後面がある(例えば、眼鏡用レン
ズ)ように造型し、ガラス製品を水素ガスが流動する中
に入れ、それによって、両面が同時に水素ガスと接触す
る。このようにして、一体還元層が両面に形成され、2
つの層の合計の厚さが、550 nmまでの波長を有する放
射線がガラス製品を通過するのを防ぐのに十分となるよ
うな、十分な時間に亘り、水素ガス流中の熱処理を続け
る。
【0025】本発明の方法により製造された製品は、可
視光に対しては透明であるが、紫外線および必要に応じ
て550 nmまでの波長を有する放射線に対しては実質的
に不透明であるハロゲン化銀含有ガラス製品である。こ
のガラス製品は、少なくとも1つの表面に一体還元表面
が形成されており、この層の厚さは、550 nmまでの波
長を有する放射線がこのガラス製品を通過するのに効果
的に防ぐのに十分である。
【0026】上述したフォトクロミックガラスの組成範
囲は好ましいガラスを構成するが、ガラスが使用すべき
ハロゲン化銀を含有することのみが必要である。したが
って、ハロゲン化銀微結晶と接触する銀が化学的に還元
すると考えられる。望ましい場合には、従来のガラス着
色剤を基本ガラス組成に添加して、このガラスに色を付
けてもよいことが分かる。
【0027】
【実施例】以下、図面に示す実施例を参照して本発明を
詳細に説明する。
【0028】図5−8は、本発明の実施可能な実施例を
例示している。図5は、475 ℃の温度で水素ガスを流動
させながら4時間に亘り焼成したコーニングコード8122
ガラスの透過率曲線を記録している。このガラスは、45
0 nmより短い波長の放射線をカットするために設計し
たものであった。図6は、428 ℃の温度で水素ガスを流
動させながら20時間に亘り焼成したコーニングコード81
13ガラスの透過率曲線を記録している。このガラスは、
511 nmより短い波長の放射線をカットするために設計
したものであった。図7は、416 ℃の温度で水素ガスを
流動させながら20時間に亘り焼成したコーニングコード
8113ガラスの透過率曲線を記録している。このガラス
は、527 nmより短い波長の放射線をカットするために
設計したものであった。図8は、402 ℃の温度で水素ガ
スを流動させながら40時間に亘り焼成したコーニングコ
ード8113ガラスの透過率曲線を記録している。このガラ
スは、550 nmより短い波長の放射線をカットするため
に設計したものであった。これらの曲線から一目瞭然で
あるように、350 −450 nmの波長範囲ではほとんど放
射線が透過していない。したがって、青光の漏れがな
い。
【0029】上述した実施例および比較例について研究
すると、水素を用いた焼成時間および焼成温度のパラメ
ータを制御することにより、ハロゲン化銀含有ガラス上
に正確な厚さの一体表面層を形成できることが分かる。
ここで、一体表面層の厚さは、紫外線がこの一体表面層
を透過できないほど十分に厚い。
【0030】経済的な見地から見ると、本発明の最も好
ましい実施例は、450 ℃の近傍の温度で短時間に亘り焼
成を行なうものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素焼成して還元表面層を形成し、次いでフロ
ントサイジングしたフォトクロミックガラスの透過率曲
【図2】水素焼成して還元表面層を形成し、次いでフロ
ントサイジングしたフォトクロミックガラスの透過率曲
【図3】水素焼成して還元表面層を形成し、次いでフロ
ントサイジングしたフォトクロミックガラスの透過率曲
【図4】水素焼成して還元表面層を形成し、次いでフロ
ントサイジングしたフォトクロミックガラスの透過率曲
【図5】水素焼成したフォトクロミックガラスの透過率
曲線
【図6】水素焼成したフォトクロミックガラスの透過率
曲線
【図7】水素焼成したフォトクロミックガラスの透過率
曲線
【図8】水素焼成したフォトクロミックガラスの透過率
曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デイヴィット ジョセフ ケルコ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14830 コーニング アールディー ナンバー 3 オーバールック ドライヴ 99エー− 1 (72)発明者 ジョアン モーレル アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14845 ホースヘッズ マシュー サークル 143

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線および必要に応じて550 nmまで
    の波長を有する放射線に対して実質的に不透明である
    が、不透明である領域内の前記放射線より長い波長を有
    する可視線に対しては透明であるハロゲン化銀含有ガラ
    ス製品であって、該ハロゲン化銀含有ガラス製品の少な
    くとも1つの表面が一体還元層を有し、該一体還元層の
    厚さが、紫外線および必要に応じて550 nmまでの波長
    を有する放射線がこの一体還元層を透過するのを効果的
    に防ぐのに十分な厚さであることを特徴とするハロゲン
    化銀含有ガラス製品。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化銀含有ガラス製品を構成
    するガラスが、酸化物基準の重量パーセントで表して、
    0−2.5 %のLi2 O、0−9%のNa2 O、0−17%
    のK2 O、0−6%のCs2 O、14−23%のB2 3
    5−25%のAl2 3 、0−25%のP2 5 、20−65%
    のSiO2 、0.004 −0.02%のCuO、0.15−0.3 %の
    Ag、0.1 −0.25%のCl、および0.1 −0.2 %のBr
    から実質的になり、Li2 O+Na2 O+K2 O+Cs
    2 Oの合計が8−20%の範囲にあり、B2 3 に対する
    アルカリ金属酸化物のモル比が約0.55−0.85の範囲にあ
    り、(Cl+Br)に対するAgの重量比が約0.65−0.
    95の範囲にあることを特徴とする請求項1記載のハロゲ
    ン化銀含有ガラス製品。
  3. 【請求項3】 前記ガラスが、0−6%のZr2 O、0
    −3%のTiO2 、0−0.5 %のPbO、0−7%のB
    aO、0−4%のCaO、0−3%のMgO、0−6%
    のNb2 5 、0−4%のLa2 3 および0−2%の
    Fからなる群より選択される表示した量の成分を合計で
    約10%まで含有することを特徴とする請求項2記載のハ
    ロゲン化銀含有ガラス製品。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン化銀含有ガラス製品を構成
    するガラスが、酸化物基準の重量パーセントで表して、
    40−76%のSiO2 と、4−26%のAl2 3 と、4−
    26%のB2 3 と、2−8%のLi2 O、4−15%のN
    2 O、4−15%のK2 O、8−25%のRb2 O、およ
    び10−30%のCs2 Oからなる群より選択される少なく
    とも1種類のアルカリ金属酸化物と、0.2 %以上のC
    l、0.1%以上のBr、および0.08%以上のIか
    らなる群より選択される少なくとも1種類のハロゲン
    と、前記ハロゲンがClのガラスにおいては0.2 %以
    上、少なくとも0.1 %のBrを含有するが0.08%未満し
    かIを含有しないガラスにおいては0.05%以上、少なく
    とも0.08%のIを含有するガラスにおいては0.03%以上
    のAgとから実質的になり、上記各成分の合計が組成の
    合計重量の少なくとも85重量%を占めることを特徴とす
    る請求項1記載のハロゲン化銀含有ガラス製品。
  5. 【請求項5】 前記ハロゲン化銀含有ガラス製品を構成
    するガラスが、ガラスから分析した、酸化物基準の重量
    パーセントで表して、0−2.5 %のLi2 O、0−9%
    のNa2 O、0−17%のK2 O、0−8%のCs2 O、
    5−25%のAl2 3 、14−23%のB2 3 、40−65%
    のSiO2 、0.004 −0.02%のCuO、0.15−0.3 %の
    Ag、0.1 −0.25%のCl、0.1 −0.2 %のBr、約0.
    03−0.25%のCr2 3 、および約0.025 −0.3 %のA
    2 3 および/またはSb23 から実質的になり、
    Li2 O+Na2 O+K2 O+Cs2 Oの合計が8−20
    %の範囲にあり、B2 3 に対するアルカリ金属酸化物
    のモル比が約0.55−0.85の範囲にあり、CuO以外の二
    価金属酸化物を実質的に含まず、(Cl+Br)に対す
    るAgの重量比が約0.65−0.95の範囲にあり、50%より
    多くの銅がCu+イオンとして存在することを特徴とす
    る請求項1記載のハロゲン化銀含有ガラス製品。
  6. 【請求項6】 前記ガラスが、0−6%のZr2 O、0
    −3%のTiO2 、0−1%のPbO、0−7%のBa
    O、0−4%のCaO、0−3%のMgO、0−6%の
    Nb2 5 、0−4%のLa2 3 および0−2%のF
    からなる群より選択される表示した量の成分を合計で約
    10%まで含有することを特徴とする請求項5記載のハロ
    ゲン化銀含有ガラス製品。
  7. 【請求項7】 前記ハロゲン化銀含有ガラス製品には前
    面および後面があり、該前面および後面に一体還元層が
    形成され、これら一体還元層の厚さの組合せが、紫外線
    および必要に応じて550 nmまでの波長を有する放射線
    の透過を防ぐのに効果的であることを特徴とする請求項
    1記載のハロゲン化銀含有ガラス製品。
  8. 【請求項8】 紫外線および必要に応じて550 nmまで
    の波長を有する放射線に対して実質的に不透明である
    が、不透明である領域内の前記放射線より長い波長を有
    する可視線に対しては透明であるハロゲン化銀含有ガラ
    ス製品を製造する方法であって、少なくとも4時間に亘
    り、少なくとも375 ℃であるが500 ℃以下の温度で運転
    している熱処理チャンバ中の水素含有雰囲気に前記ハロ
    ゲン化銀含有ガラス製品をさらして、該ハロゲン化銀含
    有ガラス製品の少なくとも1つの表面に、紫外線および
    必要に応じて550 nmまでの波長を有する放射線が該ハ
    ロゲン化銀含有ガラス製品を透過するのを効果的に防ぐ
    厚さを有する一体還元層を形成する工程を含むことを特
    徴とする方法。
  9. 【請求項9】 前記ハロゲン化銀含有ガラス製品が、酸
    化物基準の重量パーセントで表して、0−2.5 %のLi
    2 O、0−9%のNa2 O、0−17%のK2 O、0−6%
    のCs2 O、14−23%のB2 3 、5−25%のAl2
    3 、0−25%のP2 5 、20−65%のSiO2 、0.004
    −0.02%のCuO、0.15−0.3 %のAg、0.1 −0.25%
    のCl、および0.1 −0.2 %のBrから実質的になり、
    Li2 O+Na2 O+K2 O+Cs2 Oの合計が8−20
    %の範囲にあり、B2 3 に対するアルカリ金属酸化物
    のモル比が約0.55−0.85の範囲にあり、(Cl+Br)
    に対するAgの重量比が約0.65−0.95の範囲にあるハロ
    ゲン化金含有ガラスからなることを特徴とする請求項8
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ハロゲン化銀含有ガラスが、0−
    6%のZr2 O、0−3%のTiO2 、0−0.5 %のP
    bO、0−7%のBaO、0−4%のCaO、0−3%
    のMgO、0−6%のNb2 5 、0−4%のLa2
    3 および0−2%のFからなる群より選択される表示し
    た量の成分を合計で約10%まで含有することを特徴とす
    る請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ハロゲン化銀含有ガラス製品が、
    酸化物基準の重量パーセントで表して、40−76%のSi
    2 と、4−26%のAl2 3 と、4−26%のB2 3
    と、2−8%のLi2 O、4−15%のNa2 O、4−15
    %のK2 O、8−25%のRb2 O、および10−30%のC
    2 Oからなる群より選択される、表示された量の少な
    くとも1種類のアルカリ金属酸化物と、0.2 %以上のC
    l、0.1 %以上のBr、および0.08%以上のIからなる
    群より選択される少なくとも1種類のハロゲンと、前記
    ハロゲンがClのガラスにおいては0.2 %以上、少なく
    とも0.1 %のBrを含有するが0.08%未満しかIを含有
    しないガラスにおいては0.05%以上、少なくとも0.08%
    のIを含有するガラスにおいては0.03%以上のAgとか
    ら実質的になり、上記各成分の合計が組成の合計重量の
    少なくとも85重量%を占めるハロゲン化銀含有ガラスか
    らなることを特徴とする請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ハロゲン化銀含有ガラス製品ガラ
    スが、ガラスから分析した、酸化物基準の重量パーセン
    トで表して、0−2.5 %のLi2 O、0−9%のNa2
    O、0−17%のK2 O、0−8%のCs2 O、5−25%
    のAl2 3、14−23%のB2 3 、40−65%のSiO
    2 、0.004 −0.02%のCuO、0.15−0.3 %のAg、0.
    1 −0.25%のCl、0.1 −0.2 %のBr、約0.03−0.25
    %のCr2 3 、および約0.025 −0.3 %のAs2 3
    および/またはSb2 3 から実質的になり、Li2
    +Na2 O+K2 O+Cs2 Oの合計が8−20%の範囲
    にあり、B2 3 に対するアルカリ金属酸化物のモル比
    が約0.55−0.85の範囲にあり、CuO以外の二価金属酸
    化物を実質的に含まず、(Cl+Br)に対するAgの
    重量比が約0.65−0.95の範囲にあり、50%より多くの銅
    がCu+ イオンとして存在するハロゲン化銀含有ガラス
    からなることを特徴とする請求項8記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記ハロゲン化銀含有ガラスが、0−
    6%のZr2 O、0−3%のTiO2 、0−1%のPb
    O、0−7%のBaO、0−4%のCaO、0−3%の
    MgO、0−6%のNb2 5 、0−4%のLa2 3
    および0−2%のFからなる群より選択される表示した
    量の成分を合計で約10%まで含有することを特徴とする
    請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記熱処理チャンバが約450 ℃の温度
    で運転され、水素含有雰囲気にさらす時間が約4時間で
    あることを特徴とする請求項8記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記ハロゲン化銀含有ガラス製品には
    前面および後面があり、これの両面を前記水素含有雰囲
    気に同時にさらして、各々の面に還元層を形成し、該2
    つの還元層の厚さの組合せが、紫外線および必要に応じ
    て550 nmまでの波長を有する放射線が前記ハロゲン化
    銀含有ガラス製品を透過するのを防ぐのに効果的である
    ことを特徴とする請求項8記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記水素含有雰囲気が流動する水素ガ
    スからなることを特徴とする請求項8記載の方法。
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