JPH0825744B2 - 超電導材料の製造方法 - Google Patents

超電導材料の製造方法

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JPH0825744B2
JPH0825744B2 JP63136470A JP13647088A JPH0825744B2 JP H0825744 B2 JPH0825744 B2 JP H0825744B2 JP 63136470 A JP63136470 A JP 63136470A JP 13647088 A JP13647088 A JP 13647088A JP H0825744 B2 JPH0825744 B2 JP H0825744B2
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廣見 武井
靖子 鳥居
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、超電導材料の製造方法に関する。より詳細
には電力用線材、エレクトロニクス用素子等に用いるBi
系酸化物超電導材料の改良された製造方法に関する。
従来の技術 電子の相転移であるといわれる超電導現象は、特定の
条件下で導体の電気抵抗が零の状態となり完全な反磁性
を示す現象である。
超電導現象の代表的な応用分野であるエレクトロニク
スの分野では、各種の超電導素子が提案され、また開発
されている。代表的なものとしては、超電導材料どうし
を弱く接合した場合に、印加電流によって量子効果が巨
視的に現れるジョセフソン効果を利用した素子が挙げら
れる。また、トンネル接合型ジョセフソン素子は、超電
導材料のエネルギーギャップが小さいことから、極めて
高速な低電力消費のスイッチング素子として期待されて
いる。さらに、電磁波や磁場に対するジョセフソン効果
が正確な量子現象として現れることから、ジョセフソン
素子を磁場、マイクロ波、放射線等の超高感度センサと
して利用することも期待されている。
超高速電子計算機では、単位面積当たりの消費電力が
冷却能力の限界に達してきているため、超電導素子の開
発が要望されており、さらに、電子回路の集積度が高く
なるにつれて、電流ロスの無い超電導材料を配線材料と
して用いることが要望されている。
しかし、様々な努力にもかかわらず、超電導材料の超
電導臨界温度Tcは長期間に亘ってNb3Geの23Kを越えるこ
とができなかったが、1986年来、〔La,Ba〕2CuO4または
〔La,Sr〕2CuO4等の酸化物の焼結材が高いTcをもつ超電
導材料として発見され、非低温超電導を実現する可能性
が大きく高まっている。これらの物質では、30乃至50K
という従来に比べて飛躍的に高いTCが観測され、70K以
上のTcも観測されている。
また、YBCOと称されるY1Ba2Cu3O7-xで表される複合酸
化物は、90K級の超電導体であることが発表されてい
る。さらに、Bi−Sr−Ca−Cu系複合酸化物は、Tcが100K
以上であるばかりでなく、化学的にも安定しており、YB
CO等のように時間を経るに従い、超電導特性が劣化する
ことも少ない。
これら複合酸化物超電導体の超電導特性には、結晶中
の酸素欠陥が大きな役割を果たしている。すなわち、結
晶中の酸素欠陥が適正でないと、Tcは低く、また、オン
セット温度と抵抗が完全に0となる温度との差も大きく
なる。
従来これらの複合酸化物超電導体を作製するには、複
合酸化物を構成する成分元素の酸化物または炭酸塩の粉
末を混合し、焼結を行っていた。また、この焼結により
作製した複合酸化物をターゲットにして、RFスパッタリ
ング等の方法で薄膜を作製していた。さらに、焼結後ま
たは成膜後に酸素雰囲気中で熱処理を行い、上記の酸素
欠陥を調整することもある。
発明が解決しようとする課題 従来、上記のBi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導材料を作
製するには、Bi2O3、SrCO3、CaCO3およびCuO等の粉末を
所定の割合で混合し、焼結を行っていた。また、Bi−Sr
−Ca−Cu系酸化物超電導材料の薄膜を作製する場合に
は、この焼結体をターゲットとしてRFスパッタリング等
の物理蒸着を行うのが一般的であった。
しかしながら、上記の従来の方法で作製されるBi−Sr
−Ca−Cu系酸化物超電導材料には、超電導臨界温度が高
い相と低い相が共存するため、電気抵抗が急激に減少し
始める温度Tcoは100K以上であるが、電気抵抗が完全に
0となる温度Tciは70K程度であり、従来のY−Ba−Cu系
酸化物超電導体とあまり変わらなかった。
従って、本発明の目的は、高Tc相の単一相からなるBi
−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導材料を製造する方法を提供
することにある。
課題を解決するための手段 本発明に従うと、 式:Bi2±p(Sr1-xCax3±qCu2±rOz (ただし、0≦p≦0.6、0≦q≦0.9、0≦r≦0.6、
0.2≦x≦0.5である) で表される組成の酸化物と、 式:(Sr1-yCay1±aCu1±bOw (ただし、0≦a≦0.3、0≦b≦0.3であり、0≦y≦
1である) で表される組成の酸化物とを混合するか、または層状に
積層した後に、820℃から950℃の範囲の温度で熱処理す
ることを特徴とする超電導材料の製造方法が提供され
る。
作用 本発明の方法は、Bi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導材料
を 式:Bi2±p(Sr1-xCax3±qCu2±rOz (ただし、0≦p≦0.6、0≦q≦0.9、0≦r≦0.6、
0.2≦x≦0.5である) で表される組成の酸化物と、 式:(Sr1-yCay1±aCu1±bOw (ただし、0≦a≦0.3、0≦b≦0.3であり、0≦y≦
1である) で表される組成の酸化物とを反応させて製造するところ
にその主要な特徴がある。
従来、上記のBi−Sr−Ca−Cu系酸化物超電導材料を作
製する場合には、Bi2O3、SrCO3、CaCO3およびCuO粉末を
混合し、焼結していた。また、これらの粉末の混合にあ
たっては、焼結後の酸化物中のBi2Sr2Ca2Cu3Otなる高Tc
相が多くなるような割合としていた。
しかしながら、従来の方法で得られるBi−Sr−Ca−Cu
系酸化物超電導材料には、かならず高Tc相と低Tc相とが
混在しており、電気抵抗が急激に減少し始める温度Tco
は100K以上と高いが、電気抵抗が完全に0となる温度Tc
iは70K程度であり、従来のY−Ba−Cu系酸化物超電導体
とあまり変わらず、高Tcの単一相からなる超電導材料が
望まれていた。
本発明の方法によれば、 Bi2±p(Sr1-xCax3±qCu2±rOz (ただし、0≦p≦0.6、0≦q≦0.9、0≦r≦0.6、
0.2≦x≦0.5である) の組成と考えられる低Tc相と、 (Sr1-yCay1±aCu1±bOw (ただし、0≦a≦0.3、0≦b≦0.3であり、0≦y≦
1である) の組成の酸化物とを反応させて、超電導電流を担うと考
えられるCu−O面を増加させることによって、低Tc相か
ら高Tc相を形成させる。
本発明の方法では、Bi2O3、SrCO3、CaCO3およびCuO粉
末を混合し、直接反応させてBi−Sr−Ca−Cu系酸化物超
電導体を生成させるのではなく、予め中間原料として上
記の低Tc相と考えられる酸化物と、 (Sr1-yCay1±aCu1±bOw (ただし、0≦a≦0.3、0≦b≦0.3であり、0≦y≦
1である) なる組成の酸化物とを作製し、これらを反応させてBi−
Sr−Ca−Cu系酸化物超電導体を生成させる。従って、例
えば低温で起こる共晶反応等好ましからざる原料同士の
反応を防ぐことができ、焼結反応温度を高くすることが
可能となるため、高密度なものが得られ、特に臨界電流
密度を向上させるのに有効である。
また高温でも単独に存在しやすいCuOを化合物の状態
から反応させることができるため均質な組織が得やす
い。
本発明の方法では、上記の中間原料が十分に反応する
ように混合を行う。そのため、上記の中間原料を粉砕
し、粉末として、混合するか、または層状に積層して焼
結に付すことが好ましい。
本発明の方法において、最終焼結温度は820〜950℃が
好ましい。これは、820℃未満では上記の共晶反応等の
好ましからざる反応が起きるためである。また、950℃
を超える温度で焼結すると原料粉末の一部が融解し、高
Tc相が得られない。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する
が、以下の開示は、本発明の単なる実施例に過ぎず、本
発明の技術的範囲を何等制限するものではない。
実施例1 Bi2O3、SrCO3、CaCO3およびCuO粉末をBi:Sr:Ca:Cuの
原子比が2:2:1:2となるように混合し、直径10mm、厚さ3
mmに成型後850℃で12時間熱処理して、Bi2Sr2Ca1Cu2Oz
(zは未定)である円板状試料1を作製した。
次に、CaCO3とCuOをCa:Cuの原子比が1:1となるように
混合し、直径10mm、厚さ3mmに成型後850℃で12時間熱処
理して、CaCuOw(wは未定)である円板状試料2を作製
した。
上記の円板状試料1、2を微粉末状に粉砕した後、B
i:Sr:Ca:Cuの原子比が2:2:2:3となるように混合し、直
径10mm、厚さ3mmに成型後、880℃で30時間の熱処理を行
い超電導体試料を作製し評価に供した。主な超電導特性
を第1表に示す。
実施例2 実施例1と同様に、Bi2O3、SrCO3、CaCO3およびCuO粉
末をBi:Sr:Ca:Cuの原子比が4:3:3:4となるように混合、
850℃で12時間熱処理を行ってBi4Sr3Ca3Cu4Oz(zは未
定)である酸化物と、SrCO3、CaCO3およびCuO粉末をSr:
Ca:Cuの原子比が1:1:2となるように混合、850℃で12時
間熱処理を行ってSrCaCu2Ow(wは未定)である酸化物
を作製した。
それぞれの酸化物を粉砕し、実施例1と同様Bi:Sr:C
a:Cuの原子比が2:2:2:3となるよう混合し、880℃で30時
間の熱処理を行い超電導体試料を作製し評価に供した。
主な超電導特性を第1表に示す。
実施例3 実施例1と同様に、Bi2O3、SrCO3、CaCO3およびCuO粉
末をBi:Sr:Ca:Cuの原子比が2:1:2:2となるように混合、
850℃で12時間熱処理を行ってBi4Sr3Ca3Cu4Oz(zは未
定)である酸化物と、SrCO3およびCuO粉末をSr:Cuの原
子比が1:1となるように混合、850℃で12時間熱処理を行
ってSrCuOw(wは未定)である酸化物を作製した。
それぞれの酸化物を粉砕し、実施例1と同様Bi:Sr:C
a:Cuの原子比が2:2:2:3となるよう混合し、880℃で30時
間の熱処理を行い超電導体試料を作製し評価に供した。
主な超電導特性を第1表に示す。
比較例 Bi2O3、SrCO3、CaCO3およびCuO粉末をBi:Sr:Ca:Cuの
原子比が2:2:2:3となるように直接混合する従来の方法
で、比較試料を作製した。上記の粉末を混合した後、直
径10mm、厚さ3mmに成型し、880℃で30時間熱処理した。
上記の本実施例により作製された試料のTco(onset温
度)、Tci(抵抗が0となる温度)および液体窒素温度
(77K)における臨界電流密度Jc、を下記第1表に示
す。
以上の様に、本発明ではTciおよびJcが著しく増加し
ており実用上極めて効果が大である。
発明の効果 以上、詳述のように、本発明の方法によれば、従来よ
りも優れた超電導特性を有するBi−Sr−Ca−Cu系酸化物
超電導材料を得ることができる。
これは、本発明に独特な、 Bi2±p(Sr1-xCax3±qCu2±rOz (ただし、0≦p≦0.6、0≦q≦0.9、0≦r≦0.6、
0.2≦x≦0.5である) の組成と考えられる低Tc相と、 (Sr1-yCay1±aCu1±bOw (ただし、0≦a≦0.3、0≦b≦0.3であり、0≦y≦
1である) の組成の酸化物とを反応させてBi−Sr−Ca−Cu系酸化物
超電導材料を作製する方法によるものである。
本発明の方法は、バルクの超電導材料の製造のみなら
ず、薄膜の超電導材料の原料ターゲットの製造に応用す
ることもできる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 39/12 ZAA C // H01B 12/00 ZAA (56)参考文献 Japan.J.Appl.Phy s.,Part2(1988)27(3)P.L 365−368 Japan.J.Appl.Phy s.,Part2(1988)27(4)P.L 556−558

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式:Bi2±p(Sr1-xCax3±qCu2±rO
    z (ただし、0≦p≦0.6、0≦q≦0.9、0≦r≦0.6、
    0.2≦x≦0.5である) で表される組成の酸化物と、 式:(Sr1-yCay1±aCu1±bOw (ただし、0≦a≦0.3、0≦b≦0.3であり、0≦y≦
    1である) で表される組成の酸化物とを混合するか、または層状に
    積層した後に、820℃から950℃の範囲の温度で熱処理す
    ることを特徴とする超電導材料の製造方法。
JP63136470A 1988-06-02 1988-06-02 超電導材料の製造方法 Expired - Lifetime JPH0825744B2 (ja)

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Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Japan.J.Appl.Phys.,Part2(1988)27(3)P.L365−368
Japan.J.Appl.Phys.,Part2(1988)27(4)P.L556−558

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