JPH08256487A - 静電浮上式サーフェースモータ - Google Patents

静電浮上式サーフェースモータ

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JPH08256487A
JPH08256487A JP5770795A JP5770795A JPH08256487A JP H08256487 A JPH08256487 A JP H08256487A JP 5770795 A JP5770795 A JP 5770795A JP 5770795 A JP5770795 A JP 5770795A JP H08256487 A JPH08256487 A JP H08256487A
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JP
Japan
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electrode
voltage
electrodes
surface motor
type surface
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JP5770795A
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Toshiro Higuchi
俊郎 樋口
巨 ▲靱▼
Kiyo Jin
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Kanagawa Academy of Science and Technology
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Kanagawa Academy of Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 駆動用電極と浮上用電極とを一体化すること
により、電極プレートの面積を有効に利用し、浮上力と
駆動力とを向上させ、周囲環境と完全無接触状態にし
て、2次元の平面上に駆動可能な静電浮上式サーフェー
スモータを提供する。 【構成】 所定のピッチを介して多数の四角形状電極1
1を絶縁基板上にマトリックス状に配置する浮上兼駆動
用電極プレート10と、これに対向する被搬送体20
と、このギャップを検出する変位センサ311〜318
と、前記四角形状電極11への印加電圧を制御する制御
器40と、制御電圧を増幅する高電圧アンプ50と、電
極へ電圧を印加し、シーケンス制御を行う駆動ユニット
60とにより構成する。被搬送体20の真上にある電極
への電圧の印加により、被搬送体20を静電吸引力によ
り吸引して浮上させ、四角形状電極11への印加電圧を
切り替えていくことにより被搬送体20を浮上した状態
で予定された位置に駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電吸引力を用いて被
搬送体を宙に浮かせ、周囲環境と完全に無接触状態で平
面上に駆動できる静電浮上式サーフェースモータの構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような分野の技術としては、例え
ば、特開平5−22960号公報に開示されるものがあ
る。図12はかかる従来の静電浮上リニアモータ案内支
持機構を示す図であり、図12(a)はその静電浮上リ
ニアモータ案内支持機構の斜視図、図12(b)はその
固定子の電極面の平面図、図12(c)はその可動子の
電極面の平面図である。
【0003】これらの図に示すように、固定子1の表面
に駆動力を発生する駆動用電極2と、可動子4を非接触
に支持する浮上用電極3を複数形成している。一方、固
定子1に対向する可動子4の表面には、それぞれに駆動
用電極5と浮上用電極6を形成している。可動子4の浮
上用電極6と、固定子1の浮上用電極3の間に電圧を印
加することにより、可動子4を非接触に浮上させ、可動
子4の駆動用電極5と固定子1の駆動用電極2に電圧を
印加し、可動子4を浮上した状態で駆動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の静電浮上リニアモータ案内支持機構は、以下に
示すような問題を有する。 (1)浮上用電極と駆動用電極とが別々になっており、
電極プレートの面積を有効に利用できない。静電力は、
電極の面積と正比例しているため、浮上に関しては、大
きな浮上力を得ることができず、浮上剛性も低くなる。
駆動に関しては駆動力が制限されてしまう。
【0005】(2)駆動用電極のリード線は、浮上用電
極と駆動用電極の間に挟まれており、電極間に十分な隙
間を空けておかないと、放電による破壊が起こり、リー
ド線が簡単に切れてしまい、電極全体が使用できなくな
る。この問題を解決するため、従来隙間を大きくする方
法が採用された。しかしながら、隙間を大きくすること
は、電極の面積を小さくすることになり、浮上力及び駆
動力を下げてしまう。
【0006】(3)被搬送体に電極を形成する必要があ
るため、被搬送体をそのままの状態で搬送することはで
きない。 (4)被搬送体には電圧を印加するためのリード線が接
続されており、被搬送体が周囲環境と完全な無接触状態
にはならない。 (5)被搬送体は駆動用電極に沿って直線移動しかでき
ない。
【0007】本発明は上記問題点を除去し、駆動用電極
と浮上用電極とを一体化することにより、電極プレート
の面積を有効に利用し、浮上力と駆動力とを向上させ、
機械の性能の向上を図るとともに、被搬送体に電極パタ
ーンを形成せず、そのままの状態で駆動でき、被搬送体
に電圧を印加するためのリード線が接続されておらず、
周囲環境と完全無接触状態にして、2次元の平面上に駆
動することが可能な静電浮上式サーフェースモータを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的を達成するため、 (1)静電力を用いた静電浮上式サーフェースモータに
おいて、所定のピッチで多数の電極を絶縁基板上にマト
リックス状に配置する浮上兼駆動用電極プレートと、こ
の浮上兼駆動用電極プレートと対向する被搬送体と、前
記電極と被搬送体とのギャップを検出する変位センサ
と、前記電極への印加電圧を制御する制御器と、制御電
圧を増幅する高電圧アンプと、前記電極へ電圧を印加
し、シーケンス制御を行う駆動ユニットと、前記被搬送
体の真上にある電極への電圧の印加により、前記被搬送
体を静電吸引力により吸引して浮上させ、前記電極への
印加電圧を切り替えていくことにより前記被搬送体を浮
上した状態で駆動し、前記被搬送体が予定された位置に
至ると、前記電極への電圧の遮断により前記被搬送体を
前記浮上兼駆動用電極プレートより離脱させるようにし
たものである。
【0009】(2)上記(1)記載の静電浮上式サーフ
ェースモータにおいて、前記電極の角部にRを形成する
ようにしたものである。 (3)上記(1)記載の静電浮上式サーフェースモータ
において、前記電極を一定のピッチで配置するようにし
たものである。 (4)上記(1)記載の静電浮上式サーフェースモータ
において、前記電極を可変のピッチで配置するようにし
たものである。
【0010】(5)上記(1)記載の静電浮上式サーフ
ェースモータにおいて、前記電極のリード線は全て前記
電極の裏側から導出するようにしたものである。 (6)上記(1)記載の静電浮上式サーフェースモータ
において、前記電極には均等に正の電圧と負の電圧とが
印加されるようにしたものである。 (7)上記(1)記載の静電浮上式サーフェースモータ
において、前記被搬送体は板状体である。
【0011】(8)上記(7)記載の静電浮上式サーフ
ェースモータにおいて、前記被搬送体は半導体ウエハで
ある。 (9)上記(8)記載の静電浮上式サーフェースモータ
において、前記被搬送体はシリコンウエハである。 (10)上記(1)記載の静電浮上式サーフェースモー
タにおいて、前記被搬送体が平面上に移動するようにし
たものである。
【0012】
【作用】本発明によれば、上記したように、静電浮上式
サーフェースモータにおいて、所定のピッチを介して多
数の電極を絶縁基板上にマトリックス状に配置する浮上
兼駆動用電極プレートと、この浮上兼駆動用電極プレー
トと対向する被搬送体と、前記電極と被搬送体とのギャ
ップを検出する変位センサと、前記電極への印加電圧を
制御する制御器と、制御電圧を増幅する高電圧アンプ
と、前記電極への電圧を印加し、シーケンス制御を行う
駆動ユニットと、前記被搬送体の真上にある電極への電
圧の印加により、前記被搬送体を静電吸引力により吸引
して浮上させ、前記電極への印加電圧を切り替えていく
ことにより、前記被搬送体を浮上した状態で駆動し、前
記被搬送体が予定された位置に至ると、前記電極への電
圧の遮断により前記被搬送体を前記浮上兼駆動用電極プ
レートより離脱させるようにしたので、駆動用電極と浮
上用電極とが一体になり、電極プレートの面積を最大限
に利用することができ、駆動力と浮上力とを向上させ、
確実に被搬送体を無接触状態で駆動することができる。
【0013】また、被搬送体の表面に電極を形成する必
要がなく、被搬送体をそのままの状態で駆動でき、広範
な物体の搬送に応用することができる。また、電極のリ
ード線が全て裏側から導出されるので、従来のように、
浮上用電極と駆動用電極のリード線の間に放電破壊によ
るリード線の断線がなく、確実に電圧を印加することが
できる。
【0014】また、被搬送体には電圧を印加するための
リード線が接続されておらず、被搬送体を周囲環境と完
全無接触状態で搬送することができる。さらに、被搬送
体の移動範囲を従来の直線上から二次元の平面上に拡大
し、広範囲内の駆動が可能になった。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の第1実施例を示す静電
浮上式サーフェースモータの概略構成図、図2はその静
電浮上式サーフェースモータの浮上兼駆動用電極プレー
トの平面図、図3は図2の静電浮上式サーフェースモー
タの浮上兼駆動用電極プレートの四角形状電極の拡大図
である。
【0016】まず、本発明の第1実施例を示す静電浮上
式サーフェースモータの構成について図1及び図2を用
いて説明する。これらの図において、10は浮上兼駆動
用電極プレートである。この浮上兼駆動用電極プレート
10は、絶縁基板からなり、その上に多数の四角形状電
極11(A0〜J9)が、所定のピッチを介してマトリ
ックス状に配置されている。電荷の集中を防ぐため、四
角形状電極11の角部には、図3に示すようにRが形成
される。さらに、各四角形状電極11の裏面にはリード
線(図示なし)が接続されている。なお、浮上兼駆動用
電極プレート10には、変位センサ用の穴111〜11
8(図2に示す)が所定の間隔で開いている。
【0017】浮上兼駆動用電極プレート10と対向する
ように、板状の被搬送体(シリコンウエハ)20が配置
される。被搬送体(シリコンウエハ)20の空間におけ
る位置と姿勢は、変位センサ組311〜318(315
〜318は図示なし)により検出される。姿勢と位置信
号は、フィードバック信号として制御器40に送られ
る。制御器40では入力信号を目標値と比較し、その偏
値を演算処理し、被搬送体20が安定に浮上できるのに
必要な4つの電圧を作りだし、それぞれを高電圧アンプ
50に入力する。
【0018】高電圧アンプ50で増幅された正の高電圧
V1とV3、負の高電圧V2とV4は、駆動ユニット6
0を通して、四角形状電極11に印加される。駆動ユニ
ット60は各四角形状電極11に、前記浮上に必要な高
電圧V1,V2,V3,V4を印加し、そのシーケンス
を制御することにより、被搬送体20を静電吸引して浮
上させ、そして、浮上した状態で平面上に搬送する。
【0019】次に、本発明の第1実施例を示す静電浮上
式サーフェースモータによるシリコンウエハの搬送例を
図4乃至図9を用いて説明する。ここでは、シリコンウ
エハの中心が図5に示すP1−P2−P3の軌跡をたど
ることにする。図5〜図9において、各々の四角形状電
極11を特定するために、横方向を行とし、上から下に
向かって、A行,B行,…J行とする。一方、縦方向を
列とし、左から右に向かって0列,1列,…9列とす
る。例えば、D行,3列に位置する四角形状電極11の
番号はD3になる。
【0020】(1)まず、図4のステップ及び図5に
示すように、載置台101上(初期位置105)に置か
れている被搬送体102(例えば、シリコンウエハ)を
所定のギャップを介して、浮上兼駆動用電極プレート1
03の下方(目標位置)106に浮上させる。つまり、
変位センサ312〜314の出力は、フィードバック信
号として制御器40(図1参照)に送られる。制御器4
0は入力信号を目標値と比較し、その偏値を演算処理
し、被搬送体(シリコンウエハ)102が安定に浮上で
きるのに必要な4つの電圧を作りだし、それぞれを高電
圧アンプ50(図1参照)に入力する。
【0021】高電圧アンプ50で増幅された4つの高電
圧V1,V2,V3,V4は、駆動ユニット60(図1
参照)を通して、それぞれシリコンウエハ102の真上
にある四角形状電極11に印加する。すなわち、図5に
示すように、電極組(D0,D1,D2,E0,E1,
E2,F0,F1,F2)には正の高電圧V1,電極組
(D3,D4,D5,E3,E4,E5,F3,F4,
F5)には負の高電圧V2,電極組(G3,G4,G
5,H3,H4,H5,I3,I4,I5)には正の高
電圧V3,電極組(G0,G1,G2,H0,H1,H
2,I0,I1,I2)には負の高電圧V4を印加する
と、静電吸引力により、被搬送体(シリコンウエハ)1
02が初期位置105(ステップ)から吸い上げら
れ、目標位置106にて無接触状態で保持される。この
ように、シリコンウエハ102の真上にある電極への電
圧の印加により、シリコンウエハ102が無接触状態で
保持される(ステップ)。このとき、図5に示すよう
に、シリコンウエハ102の中心は点P1に位置する。
【0022】(2)次に、シリコンウエハ102を浮上
した状態で駆動するには、図5に示すように、P1−P
2の方向に沿って、シリコンウエハ102と重なってお
らず、シリコンウエハ102に最も近い電極組(C0,
C1,C2)には、正の高電圧V1,電極組(C3,C
4,C5)には負の高電圧V2を印加する。P1−P2
方向の反対側では、シリコンウエハ102と重なってい
る最も外側の電極組(I0,I1,I2)への負の印加
電圧V4及び電極組(I3,I4,I5)への正の印加
電圧V3を遮断するとともに、電極組(F0,F1,F
2)は電圧V1からV4へ、電極組(F3,F4,F
5)は電圧V2からV3へと切り換える。つまり、P1
−P2方向に沿って四角形状電極11の1ピッチだけ駆
動する。
【0023】同様に、更に四角形状電極11の1ピッチ
を進めようとすると、シリコンウエハ102が図6の位
置(中心が点P4)に到達した時点で、変位センサ組
(312,313,314)によりシリコンウエハ10
2の姿勢と位置とを検出することは不可能になる。浮上
状態を保つことも不可能になる。そこで変位センサ組
(312,313,314)に代わり、変位センサ組
(311,312,318)の出力をフィードバック信
号として利用し、制御器40と高電圧アンプ50(図1
参照)を通して、新たにシリコンウエハ102が安定に
浮上できるために必要な4つの電圧を作りだし、上記
(1)において述べた通り、シリコンウエハ102の真
上にある四角形状電極に電圧を印加し、浮上状態を保
つ。そして、上記した方法で電圧の印加順序を切り換え
ていき、シリコンウエハ102をP1−P2方向に沿っ
てさらに移動させる。
【0024】(3)シリコンウエハ102が、図7に示
すように、中心が点P2に達すると、今度は、移動方向
を換えてP2−P3方向に沿って駆動することになる。
図7に示すように、P2−P3の方向に沿って、シリコ
ンウエハ102と重なっておらず、シリコンウエハ10
2に最も近い四角形状電極組(A6,B6,C6)には
負の高電圧V2,四角形状電極組(D6,E6,F6)
には正の高電圧V3を印加する。
【0025】P2−P3方向の反対側では、シリコンウ
エハ102と重なっている最も外側の四角形状電極組
(A0,B0,C0)への正の高電圧V1及び四角形状
電極組(D0,E0,F0)への負の高電圧V4を遮断
するとともに、四角形状電極組(A3,B3,C3)は
電圧V2から電圧V1へ、四角形状電極組(D3,E
3,F3)は電圧V3から電圧V4へ切り換える。つま
り、P2−P3方向に沿って四角形状電極11の1ピッ
チだけ駆動する。
【0026】同様に、さらにP2−P3方向に沿って、
四角形状電極11の1ピッチを進めようとすると、図8
の位置(シリコンウエハの中心が点P5)に到達した時
点で、変位センサ組(311,312,318)により
シリコンウエハ102の姿勢と位置を検出することは不
可能になる。浮上状態を保つことも不可能になる。そこ
で、変位センサ組(311,312,318)に代わ
り、変位センサ組(312,316,318)の出力を
フィードバック信号として利用し、制御器40と高電圧
アンプ50(図1参照)を通して、新たにシリコンウエ
ハ102が安定に浮上できるのに必要な4つの電圧を作
りだし、上記(1)において述べた通り、シリコンウエ
ハ102の真上にある四角形状電極に電圧を印加し、浮
上状態を保つ。そして、上記した方法で、電圧の印加順
序を切り換えていき、シリコンウエハ102をP2−P
3方向に沿ってさらに移動させる。
【0027】上記した(2)及び(3)の過程を繰り返
すことにより、シリコンウエハ102は浮上した状態で
平面上に移動することができる(ステップ)。 (4)次に、図4及び図9に示すように、シリコンウエ
ハ102が所定の位置(シリコンウエハ102の中心が
点P3)に至ると、電極への電圧供給を遮断し、シリコ
ンウエハ102は浮上兼駆動用電極プレート10から離
脱し、シリコンウエハ102は載置台104の所定位置
107に移載される(ステップ)。
【0028】なお、これは静電浮上式サーフェースモー
タの一例に過ぎず、多種多用の搬送や位置決めに応用で
きることは言うまでもない。また、上記実施例では、被
搬送体として、シリコンウエハを挙げたが、これに限定
するものではなく、その他の半導体ウエハや金属や誘電
体の板状体にも適用できることは言うまでもない。
【0029】図10は本発明の第2実施例を示す静電浮
上式サーフェースモータの浮上兼駆動用電極プレートの
平面図、図11は図10の六角形状電極の拡大図であ
る。この実施例の浮上兼駆動用電極プレート15は、電
極の形状を第1実施例の四角から六角に変えた点を除け
ば、前記した第1実施例の図2の電極プレート構成と略
同様である。
【0030】すなわち、浮上兼駆動用電極プレート15
は絶縁基板からなり、その上に多数の六角形状電極16
が所定のピッチを介してマトリックス状に配置されてい
る。電荷の集中を防ぐため、六角形状電極16の角部R
には、図11に示すようにRが形成される。さらに、各
電極の裏面には、リード線(図示なし)が接続されてい
る。なお、浮上兼駆動用電極プレート15には変位セン
サ用の穴119〜126が所定の間隔で開いている。
【0031】また、電極、及びセンサの数を増やしてい
き、又は減らすことにより、移動範囲を拡大したり、縮
小したりして搬送や位置決めが行えることは言うまでも
ない。また、センサを被搬送体の下方に配置する方法も
本発明から排除されるものではない。
【0032】また、電極の面積が低減されても、十分な
浮上及び駆動力が得られる限り、電極の形状を種々変形
することは可能である。また、上記実施例は静電浮上式
サーフェースモータの一例に過ぎず、多種多用の被搬送
体の搬送や位置決めに適用できることは言うまでもな
い。なお、上記実施例では、四角形状電極又は六角形状
電極が所定のピッチで配置されている場合について説明
したが、その所定のピッチは被搬送体の搬送態様に対応
して、一定のピッチ又は可変なピッチに構成できること
は言うまでもない。
【0033】さらに、上記した実施例では浮上ギャップ
が所定の場合について説明したが、被搬送体の搬送態様
に応じて、その所定のギャップを一定又は可変にするこ
とができることは言うまでもない。なお、本発明は上記
実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づ
き種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から
排除するものではない。
【0034】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。 (1)浮上兼駆動用電極を設けることにより、電極プレ
ートの面積を有効に利用し、浮上力と駆動力とを向上さ
せ、確実に被搬送体を無接触状態で駆動することができ
る。
【0035】(2)被搬送体の表面に電極を形成する必
要がなく、被搬送体をそのままの状態で駆動でき、広範
な物体の搬送に応用できる。 (3)被搬送体に電圧を印加するためのリード線を接続
する必要がなく、被搬送体を周囲環境と完全無接触状態
にして搬送や駆動をすることができる。 (4)電極のリード線が全て裏側から導出されるので、
従来のように、浮上用電極と駆動用電極のリード線の間
に放電破壊によるリード線の断線がなく、確実に電圧を
印加することができる。
【0036】(5)被搬送体の移動範囲が直線上から2
次元の平面上に拡大し、広範囲内の搬送や駆動に対応す
ることができる。 このように、本発明は半導体製造工業をはじめ、精密機
械工業、新しい金属材料の創製、表面科学や基礎物理な
どの研究分野における被搬送体の無接触無摩擦搬送や位
置決めに適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す静電浮上式サーフェ
ースモータの概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す静電浮上式サーフェ
ースモータの浮上兼駆動用電極プレートの平面図であ
る。
【図3】図2の静電浮上式サーフェースモータの浮上兼
駆動用電極プレートの四角形状電極の拡大図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す静電浮上式サーフェ
ースモータによる被搬送体(シリコンウエハ)の搬送例
を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す静電浮上式サーフェ
ースモータによる被搬送体(シリコンウエハ)の搬送状
態(その1)を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す静電浮上式サーフェ
ースモータによる被搬送体(シリコンウエハ)の搬送状
態(その2)を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例を示す静電浮上式サーフェ
ースモータによる被搬送体(シリコンウエハ)の搬送状
態(その3)を示す図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す静電浮上式サーフェ
ースモータによる被搬送体(シリコンウエハ)の搬送状
態(その4)を示す図である。
【図9】本発明の第1実施例を示す静電浮上式サーフェ
ースモータによる被搬送体(シリコンウエハ)の搬送状
態(その5)を示す図である。
【図10】本発明の第2実施例を示す静電浮上式サーフ
ェースモータの浮上兼駆動用電極プレートの平面図であ
る。
【図11】図10の静電浮上式サーフェースモータの浮
上兼駆動用電極プレートの六角形状電極の拡大図であ
る。
【図12】従来の静電浮上リニアモータ案内支持機構を
示す図である。
【符号の説明】
10,15,103 浮上兼駆動用電極プレート 11(A0〜J9) 四角形状電極 16 六角形状電極 20,102 被搬送体(シリコンウエハ) 40 制御器 50 高電圧アンプ 60 駆動ユニット 101,104 載置台 111〜118,119〜126 変位センサ用の穴 311〜318 変位センサ組

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電力を用いた静電浮上式サーフェース
    モータにおいて、(a)所定のピッチで多数の電極を絶
    縁基板上にマトリックス状に配置する浮上兼駆動用電極
    プレートと、(b)該浮上兼駆動用電極プレートと対向
    する被搬送体と、(c)前記電極と被搬送体とのギャッ
    プを検出する変位センサと、(d)前記電極への印加電
    圧を制御する制御器と、(e)制御電圧を増幅する高電
    圧アンプと、(f)前記電極へ電圧を印加し、シーケン
    ス制御を行う駆動ユニットと、(g)前記被搬送体の真
    上にある電極への電圧の印加により、前記被搬送体を静
    電吸引力により吸引して浮上させ、前記電極への印加電
    圧を切り替えていくことにより前記被搬送体を浮上した
    状態で駆動し、前記被搬送体が予定された位置に至る
    と、前記電極への電圧の遮断により前記被搬送体を前記
    浮上兼駆動用電極プレートより離脱させることを特徴と
    する静電浮上式サーフェースモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の静電浮上式サーフェース
    モータにおいて、前記電極の角部にRを形成することを
    特徴とする静電浮上式サーフェースモータ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の静電浮上式サーフェース
    モータにおいて、前記電極を一定のピッチで配置するこ
    とを特徴とする静電浮上式サーフェースモータ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の静電浮上式サーフェース
    モータにおいて、前記電極を可変のピッチで配置するこ
    とを特徴とする静電浮上式サーフェースモータ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の静電浮上式サーフェース
    モータにおいて、前記電極のリード線は全て前記電極の
    裏側から導出することを特徴とする静電浮上式サーフェ
    ースモータ。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の静電浮上式サーフェース
    モータにおいて、前記電極には均等に正の電圧と負の電
    圧とが印加されることを特徴とする静電浮上式サーフェ
    ースモータ。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の静電浮上式サーフェース
    モータにおいて、前記被搬送体は板状体であることを特
    徴とする静電浮上式サーフェースモータ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の静電浮上式サーフェース
    モータにおいて、前記被搬送体は半導体ウエハであるこ
    とを特徴とする静電浮上式サーフェースモータ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の静電浮上式サーフェース
    モータにおいて、前記被搬送体はシリコンウエハである
    ことを特徴とする静電浮上式サーフェースモータ。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の静電浮上式サーフェー
    スモータにおいて、前記被搬送体を平面上に移動させる
    ようにしたことを特徴とする静電浮上式サーフェースモ
    ータ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003263201A (ja) * 2002-01-08 2003-09-19 Xerox Corp 多数のアクチュエータを有するアナログ駆動割当システム

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JP2003263201A (ja) * 2002-01-08 2003-09-19 Xerox Corp 多数のアクチュエータを有するアナログ駆動割当システム

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