JPH08254726A - 振れ緩和装置 - Google Patents

振れ緩和装置

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JPH08254726A
JPH08254726A JP7082103A JP8210395A JPH08254726A JP H08254726 A JPH08254726 A JP H08254726A JP 7082103 A JP7082103 A JP 7082103A JP 8210395 A JP8210395 A JP 8210395A JP H08254726 A JPH08254726 A JP H08254726A
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Akihiro Fujiwara
昭広 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイコンの様な高価な制御手段を用いること
なく(遅延要素を持たない構成の制御手段を実現するこ
とで)、パンニング終了時点における挙動特性を良好な
ものにする。 【構成】 補正手段15の第1の入力値状態において第
1の状態に制御され、補正手段の第2の入力値状態にお
いて第2の状態に制御される制限手段32を具備し、前
記第2の状態では前記第1の状態時に較べて、第1の周
波数とこれよりも高い第2の周波数の間の利得が低く変
化し、第1の周波数以下の利得は大きく変化しない(わ
ずかに低くなる場合、又は少し高くなる場合がある)よ
うにしている。また、前記制限手段を制御する制御手段
16,18を、補正手段の入力値に対して絶対値を求
め、この絶対値の関数として(つまり、制限手段の第2
の状態から第1の状態に戻る方向の変化に関わる時間遅
れの要素を無くして)前記制限手段の状態を制御する構
成にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチルカメラやムービ
ーカメラなどの撮影装置等に具備される振れ緩和装置の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の振れ緩和装置において
は、該装置が搭載される例えば撮影装置に加わる振れを
検出する検出手段と、この出力を直接あるいは間接的に
入力し制限を加えて出力する制限手段と、この出力を直
接あるいは間接的に入力し動作する補正手段と、この入
力値に応じて制限手段の状態を変化せしめる制御手段と
を有している。
【0003】上記の制限手段としては、可変カットオフ
周波数のHPFが用いられる。そして、その制限には目
標角度信号の絶対値を用い、この値が大きくなるに従っ
てHPFのカットオフ周波数を高い方にシフトするよう
にしている。即ち、パンニングの検出に応じてカットオ
フ周波数を上げるというアルゴリズムである。
【0004】しかし、単純にカットオフ周波数の設定を
目標角度信号の絶対値の関数にすると、パンニング終了
時点での戻りの勢いで目標角度信号が反対側へ大きくオ
ーバーランしてしまうので(大変見苦しい画面とな
る)、この時点でのカットオフ周波数の(低い側への)
戻りにだけ大きな時定数を持たせることによって、この
オーバーランを防止している。
【0005】ここで従来技術による例を、図9〜図13
を用いて説明する。
【0006】図9において、検出手段であるところのジ
ャイロ11を用いて装置の挙動の角速度が検出され、こ
の検出出力は制限手段であるHPF12に入力される。
このHPF12は図10又は図11に示すような構成で
あり、アナログスイッチSW1又はSW2のオン/オフ
の時間比によってカットオフ周波数が変化し、入力成分
に対する制限の度合いが変わる。つまり、図12に示す
通り、カットオフ周波数(fC )が高い方(fH )にシ
フトするものである。
【0007】HPF12の出力は次段の積分回路13に
入力される。該積分回路13では、前記HPF12によ
り制限された角速度信号を積分し、角度信号に変換す
る。そして、この積分回路13の出力は一方では補正手
段15に入力される。
【0008】可変頂角プリズム15cの頂角は補正手段
15への入力に比例して変化するが、該補正手段15内
の差分回路15a,駆動回路15b,可変頂角プリズム
15cの動作についての説明は本発明とは直接関係ない
ので省略する。
【0009】前記積分回路134の出力はもう一方で
は、不図示のマイコンに入力されて、マイコン内部でA
/D変換される。
【0010】マイコン内部での処理を、図9においては
3つのブロック(絶対値回路,遅延回路,関数回路)で
表している。
【0011】また、各部の信号波形を、図13に示して
いる。
【0012】まず、絶対値回路16では、補正手段15
の入力信号の絶対値を求める。図13では、101が入
力信号であり、102がその絶対値を示している。次
に、遅延回路では、絶対値の最大値を保持し(ピークホ
ールド)、その最大値から長い時定数で減衰する値を求
める。図13では、103がその減衰する値を示してい
る。この値に対して次段の関数回路18では、通常の静
止状態ではぎりぎり達しない第1のしきい値とある程度
大きい第2のしきい値が設定されており、その間を増加
関数で変換し、カットオフ周波数を決定する。つまり、
第1のしきい値で最低の、第2のしきい値で最大の、そ
れぞれカットオフ周波数を設定する。実際には、しきい
値,減衰の時定数,関数,最低と最高のカットオフ周波
数等の設定は複雑であり、これらの設定にはマイコンに
よる処理が有効となる。
【0013】上記の従来例は実は古典的且つ基本的な構
成のものであり、絶対値回路16,遅延回路17,関数
回路18を具備したマイコン等より成る制御手段に関し
ては、本願発明と同様の目的を達成する為に幾つかの改
善策が施されている。
【0014】以下に、幾つかの例を示しておく。
【0015】1)角速度センサを用いた場合、積分回路
の時定数も制御の対象として、HPFとは異なった制御
を行う。
【0016】2)角速度センサを用いた場合、HPFを
機能させる前の信号も評価し、早期にパンニングを検出
することによって、迅速なパンニング処理を施す。
【0017】しかし、何れも制御手段の遅延要素が不要
になるというところまではいかず、マイコンを用いるこ
とが適当なシステムである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記の説明のように、
従来技術に於ては、パンニング終了時点でのカットオフ
周波数の低域への戻りに大きな時定数を持たせることに
よってオーバーランを防止していたため、その結果とし
て、パンニング終了時点では細かい手振れに対する補正
効果が一時低下し、この効果が回復するまでにかなりの
時間を要するという不都合があった。
【0019】(発明の目的)本発明の目的は、高価な制
御手段を用いることなく、パンニング終了時点における
挙動特性を良好なものにすることのできる振れ緩和装置
を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、補正手段の第1の入力値状態において第
1の状態に制御され、補正手段の第2の入力値状態にお
いて第2の状態に制御される制限手段を具備し、前記第
2の状態では前記第1の状態時に較べて、第1の周波数
とこれよりも高い第2の周波数の間の利得が低く変化
し、第1の周波数以下の利得は大きく変化しない(わず
かに低くなる場合、又は少し高くなる場合がある)よう
にしている。
【0021】また、前記制限手段を制御する制御手段
を、補正手段の入力値に対して絶対値を求め、この絶対
値の関数として(つまり、制限手段の第2の状態から第
1の状態に戻る方向の変化に関わる時間遅れの要素を無
くして)前記制限手段の状態を制御する構成にしてい
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0023】図1は本発明の構成を包括的に表す代表的
な振れ緩和装置の実施例の構成であり、図9と同一機能
を持つ部分は同じ符号を付してある。
【0024】11は検出手段であるところのジャイロで
あり、該装置が搭載される例えば撮影装置の手振れ等の
挙動を検出する。32は本発明の主要部分である制限手
段を成すフィルタ回路であり、図11に示した従来の制
限手段にコンデンサC22を加えた構成となっている
(詳細は後述する)。13は積分回路であり、前記ジャ
イロ11で検出した角速度信号を角度信号に変換する働
きを持っている。14は上記積分回路13の出力を次段
の補正手段15及び後述の絶対値回路16に送出する絶
対値回路である。16は前記信号ライン14を介して入
力する角度信号の絶対値を求める絶対値回路である。1
8は前述のフィルタ回路32の特性を決定する関数回路
である。
【0025】次に、上述のフィルタ回路32,積分回路
13,絶対値回路16、及び、関数回路18の具体例に
ついて説明する。
【0026】まず、図2を用いて、フィルタ回路32の
具体的な構成について説明する。
【0027】このフィルタ回路32は、オペアンプOP
A21,OPA22、抵抗R21〜25、コンデンサC
21,C22、及び、アナログスイッチSW22を構成
要素としており、更に具体的に説明すると、抵抗R21
の一方は検出手段であるジャイロ11の出力に、抵抗R
21の他方と抵抗R23の一方はオペアンプOPA21
の出力に、抵抗R23の他方とコンデンサC21の一方
と抵抗R24+コンデンサC22の一方はオペアンプO
PA22の負入力に、コンデンサC21の他方はオペア
ンプOPA21の出力とオペアンプOPA21の正入力
に、抵抗R24+コンデンサC22の他方と抵抗R25
の一方はアナログスイッチSW2の一方に、抵抗R25
の他方はオペアンプOPA21の出力に、オペアンプO
PA22の正入力とアナログスイッチSW2の他方は基
準電位(図2ではグランドレベル)に、各々接続されて
いる。
【0028】オペアンプOPA21と抵抗R21,R2
2で反転増幅回路を構成する。また、オペアンプOPA
22と抵抗R23とコンデンサC21で積分回路を構成
し、上記の反転増幅回路の出力の平均DC電圧を基準電
圧(グランドレベル)に安定化する働きがある(OPA
21とOPA22のフィールドバック回路で)。
【0029】次に、このフィルタ回路32の周波数特性
について説明する。
【0030】従来においては、パンニング終了時点にお
いて補正手段がオーバーランしてしまうといった欠点
を、既に述べた様にしきい値や減衰の時定数や関数など
の制御のやり方を工夫し、制御手段であるマイコンのプ
ログラムという形で実現してきた。
【0031】それに対して、本発明では制御は最小限の
構成に抑え、制限手段(フィルタ回路)の特性の改善す
ることで、上記マイコン処理によっても有していた遅延
要素を完全に不要にしようとするものである。
【0032】ここでフィルタ回路の制御に於て、戻りの
時定数を持たない、即ち補正量の絶対値の直接の関数と
してHPFのカットオフ周波数を設定しようとした場合
を考えている。即ち、本発明に於ける最小限の構成の制
御手段の場合を想定する。
【0033】まず、従来の単純なHPF(図10,図1
1の様な)を制限手段として用いた場合を考える。
【0034】パンニングが開始され、補正量が増加しは
じめ、パンニング開始から若干の遅れを伴ってフィルタ
回路の制御が開始される。そして、パンニングが終了
し、補正量もやがて中心近傍まで戻ってくるが、フィル
タ制御はこの補正量が中心近傍になってから終了するか
ら、どうしても遅れがちで、中心近傍への戻りに勢いが
付いているため、反対側へのオーバーランが発生してし
まう。図6の111の波形がその補正信号の様子を示し
ている。
【0035】そこで、パンニングの終了で丁度補正量が
中心近傍に戻ってくるフィルタ特性の検討を行った。そ
の結果、基本的に以下の特性をもったフィルタが要求条
件を満たすことが分かった。
【0036】パンニング検出に伴って、フィルタ特性を
第1の状態(静止状態に適した特性)から第2の状態
(パンニングに適した特性)に変化させ、やがてまた第
1の状態に戻す訳であるが、第1の状態に対して第2の
状態の特性は、パンニングの主要成分のみを抑圧し、定
常的位置決めに大きく関係する低域の特性になるべく変
化を及ぼさないようにするものである。
【0037】具体的には図3で示す通り、第1の状態で
は通常のHPFで肩が一つあり(実線)、第2の状態で
は肩が二つある(波線)ような特性である。なお、7は
第1の(低い)周波数、8は第2の(高い)周波数であ
る。
【0038】このような特性にすることにより、パンニ
ングの終了時の補正量は中心を少し過ぎて止り、その後
緩やかに中心に漸近するという挙動となる。図6の11
2の波形がその補正信号の様子を示している。
【0039】上記の様なフィルタ回路32において、ア
ナログスイッチSW2がオンの状態では、抵抗R24,
R25及びコンデンサC22の効果はなく、回路全体の
入出力特性は図3の実線のような一次のHPFの特性に
なる。
【0040】一方、アナログスイッチSW2がオフの状
態では、抵抗R24,R25及びコンデンサC22の効
果が加わり、図3の破線のような2段肩の特性になる。
【0041】アナログスイッチSW2のスイッチングを
デューティーが連続的に変化する矩形信号で駆動するこ
とによって(後述の制御信号によって)、実線と破線の
間を連続的に変化させることが出来る。
【0042】次に、フィルタ回路23以外の部分、つま
り積分回路13,絶対値回路16、及び、関数回路18
の構成について、図4を用いて説明する。
【0043】前記フィルタ回路32の出力信号(71)
は積分回路13に入力される。この積分回路13では、
積分コンデンサと並列に高い値の抵抗が接続されてお
り、自然に中心に戻ってくるような特性になっている。
この積分出力の一方(72)は補正手段15に出力さ
れ、これに基づいて補正駆動が行われる。又、積分出力
の他方は絶対値回路16に出力され、該回路16からは
絶対値信号73が出力される。
【0044】上記絶対値回路16は、入力の極性によっ
てダイオードが切り替る方式であり、高インピーダンス
の出力(73)を得る。
【0045】74はコンパレータを利用したノコギリ波
発生回路であり、各抵抗とコンデンサの値の設定によ
り、所望の上限,下限,周期を持つノコギリ波75を発
生させることが出来る。このノコギリ波出力75と前述
の絶対値信号73は、コンパレータ76に加えられ、こ
こで絶対値信号73のレベルは所定の関数で矩形波のオ
ン/オフ比に変換される。この矩形波信号が制御信号7
7であり、制限手段であるフィルタ回路32内のアナロ
グスイッチSW2を駆動する。尚、上記ノコギリ波発生
回路74とコンパレータ76によって、関数回路18が
構成される。
【0046】図5にその所定の関数を示している。補正
角度が0から約0.2 まではスイッチのオン/オフ比が1
00%であり、その後約0.7 まで徐々に少なくなり、そ
れ以上では0%になるような関数である。オン/オフ比
の100%と0%に対応するフィルタ回路32の状態を
示したのが、図3での5と6の部分である。
【0047】(第2の実施例)図7は本発明の第2の実
施例に係わるフィルタ回路32の構成を示す回路図であ
り、図10に示した従来の制限手段にコンデンサC11
を加えた構成となっている。
【0048】第2の実施例におけるフィルタ回路32
は、入力には(図7では負図示のジャイロ11からの信
号が入力する側)コンデンサC11の一方が接続され、
出力には前記コンデンサC11の他方と抵抗R11の一
方と抵抗R12+コンデンサC12+アナログスイッチ
SW1の一方が接続され、基準電位(図7ではグランド
レベル)には前記抵抗R11、及び、抵抗R12+コン
デンサC12+アナログスイッチSW1の他方が接続さ
れている。
【0049】アナログスイッチSW1(図2のアナログ
スイッチSW2に相当する)がオフの時、コンデンサC
11と抵抗R11によって一次のHPFが構成され、図
3の実線のような特性になる。図10は従来例の構成で
あるが、アナログスイッチSW11がオフ時には同等の
回路である。
【0050】また、アナログスイッチSW11がオンに
なると、図10の従来構成の場合は、HPFのカットオ
フ周波数が変化するだけであり、図12の破線のように
変化するが、図7の本発明の第2の実施例におけるフィ
ルタ回路では、図3の破線のような特性になる。又アナ
ログスイッチSW11をオンにして抵抗R12の値を変
化させると、図8のように抑制が変化していく。
【0051】図8は、図7の回路周波数特性の実測値で
ある。但し、測定の時間節約のために、コンデンサC1
1の値を実際の100分の1にすることによって、実際
のシステムでの設定に対して周波数レンジを100倍に
上げて測定している。従って、実際の特性は図8の周波
数表示を100分の1にして読んでほしい。即ち、図7
は、0.1 Hz〜10Hzの特性である。
【0052】上記の各実施例によれば、以下のような効
果を有することになる。
【0053】第1に、遅延要素を持たない構成で制御手
段(絶対値回路16、関数回路18)を実現でき、所望
の挙動特性が得られるようになった。即ち、フィルタ回
路の特性可変制御が迅速であり、パンニング処理に伴う
特性の劣化からの回復がパンニング終了から最短の時間
遅れで完了するようになった。
【0054】第2に、パンニング制御に於けるフィルタ
回路の位相特性が位相進み増加ではなく位相進み減少の
方向に変化するので、船酔感が極めて少ない振れ緩和シ
ステムとなった。
【0055】第3に、アナログ回路を用いた場合、アン
プの入力オフセット電圧,電流がフィルタ回路の特性可
変制御に及ぼす悪影響が軽減出来た。即ち、DC的な変
化が発生しないためである。
【0056】第4に、フィルタ回路の特性制御が単純な
関数で実現出来るため、マイコンのようなインテリジェ
ントデバイスを用いずとも、簡単なアナログ回路で構成
可能である。また、フィルタ回路自身も極めて簡単な回
路構成にすることができる。従って、マイコンを用いた
システムよりも回路構成で安価なシステムとなる可能性
を持っている。また、省電力で、不要電磁波の輻射も極
めて少ないものとなる。
【0057】(発明と実施例の対応)本実施例におい
て、ジャイロ11が本発明の検出手段及び角速度検出手
段に相当し、フィルタ回路32が本発明の制限手段に相
当し、絶対値回路16,関数回路18が本発明の制御手
段に相当し、積分回路13が本発明の積分手段に相当す
る。
【0058】以上が実施例の各構成と本発明の各構成の
対応関係であるが、本発明は、これら実施例の構成に限
定されるものではなく、請求項で示した機能、又は実施
例がもつ機能が達成できる構成であればどのようなもの
であってもよいことは言うまでもない。
【0059】(変形例)本発明は、スチルカメラやムー
ビーカメラなどの撮影装置のみ限らず、人間が手などで
保持しながら操作し、ある対象に関して何かをする装置
であって、その操作に伴って発生してしまう微小振動
(手振れ等)の影響を緩和することが望ましいものに適
用可能である。即ち、その装置をある対象に対して向け
るというような操作者の意志に基く動きと、意志に反し
て発生してしまう動きとの両方が装置に作用するが、本
振れ緩和装置はその後者の動きを抑制して、前者の動き
のみを伝達するものである。
【0060】具体的には、上記の撮影装置以外に、スコ
ープなどの観察装置、プレゼンテーション等に用いられ
るレーザさし棒や懐中電灯などの照明装置等に適用可能
であり、撮影映像、観察映像、照射位置、照明位置をそ
れぞれ安定化させることが出来る。
【0061】また、周波数やしきい値の設定を変えれ
ば、人間の操作に伴う振動のみならず、機械動作のギク
シャク感も緩和可能である。例えば、ロボットの手足の
動作を滑らかにする装置や、自動車の走行時の振動を緩
和する装置にも適用することが可能である。
【0062】また、検出手段としては、位置センサ,速
度センサ,加速度センサ,方位センサ,角速度センサ,
角加速度センサの何れであっても良い。
【0063】さらに、補正手段としては、プリズム頂角
を変える方式のみならず、レンズを光軸直角方向にシフ
トまたは回動させる方式、撮像素子を光軸直角方向にシ
フトさせる方式、ミラーの反射角を変える方式、撮像画
面の切り出し領域を電子的に変える方式の何れであって
も構わない。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、補正手段の第1の
入力値状態において第1の状態に制御され、補正手段の
第2の入力値状態において第2の状態に制御される制限
手段を具備し、前記第2の状態では前記第1の状態時に
較べて、第1の周波数とこれよりも高い第2の周波数の
間の利得が低く変化し、第1の周波数以下の利得は大き
く変化しない(わずかに低くなる場合、又は少し高くな
る場合がある)ようにしている。
【0065】また、前記制限手段を制御する制御手段
を、補正手段の入力値に対して絶対値を求め、この絶対
値の関数として(つまり、制限手段の第2の状態から第
1の状態に戻る方向の変化に関わる時間遅れの要素を無
くして)前記制限手段の状態を制御する構成にしてい
る。
【0066】よって、マイコンの様な高価な制御手段を
用いることなく(遅延要素を持たない構成の制御手段を
実現することで)、パンニング終了時点における挙動特
性を良好なものにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振れ緩和装置の概略構成の一実施例を
示すブロック図である。
【図2】図1のフィルタ回路の具体的な構成例を示す回
路図である。
【図3】制限手段である図2のフィルタ回路の周波数特
性を示す図である。
【図4】図2の積分回路や絶対値回路や関数回路の構成
例を示す回路図である。
【図5】図4の関数回路の特性を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例に効果を従来技術による
ものと比較して示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係わるフィルタ回路の
構成例を示す回路図である。
【図8】図7のフィルタ回路の周波数特性の具体的測定
値を示す波形図である。
【図9】従来の振れ緩和装置の概略構成を示すブロック
図である。
【図10】従来の制限手段の一例を示す回路図である。
【図11】従来の制限手段の他の例を示す回路図であ
る。
【図12】従来の制限手段の周波数特性を示す図であ
る。
【図13】従来の振れ緩和装置における絶対値処理と遅
延処理の様子を示す図である。
【符号の説明】
11 ジャイロ 13 積分回路 15 補正手段 16 絶対値回路 18 関数回路 32 フィルタ回路 74 ノコギリ波発生回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置状態を検出する検出手段と、該検出
    手段からの入力に制限を加えて出力する制限手段と、該
    制限手段の出力に基づいて動作する補正手段と、該補正
    手段の入力値に応じて前記制限手段の状態を変化せしめ
    る制御手段とを備えた振れ緩和装置であって、前記制限
    手段は、前記補正手段の第1の入力値状態において第1
    の状態に制御され、前記補正手段の第2の入力値状態に
    おいて第2の状態に制御される手段であり、この第2の
    状態では前記第1の状態時に較べて、第1の周波数とこ
    れよりも高い第2の周波数の間の利得が低く変化し、第
    1の周波数以下の利得は大きく変化しないことを特徴と
    する振れ緩和装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記補正手段の入力値
    に対して絶対値を求め、この絶対値の関数として前記制
    限手段の状態を制御することを特徴とする請求項1記載
    の振れ緩和装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段とは、該装置が搭載される
    装置の位置あるいは姿勢を検出するものであり、位置セ
    ンサ、速度センサ、方位センサ、角速度センサ、角加速
    度センサのうちの何れかであることを特徴とする請求項
    1記載の振れ緩和装置。
  4. 【請求項4】 該装置の状態を検出する角速度検出手段
    と、該角速度検出手段からの入力に制限を加えて出力す
    る制限手段と、該制限手段の出力を積分する積分手段
    と、該積分手段の出力に基づいて動作する補正手段と、
    該補正手段の入力値に応じて前記制限手段の状態を変化
    せしめる制御手段とを備えた振れ緩和装置であって、前
    記制限手段は、前記補正手段の第1の入力値状態におい
    て第1の状態に制御され、前記補正手段の第2の入力値
    状態において第2の状態に制御され、この第2の状態で
    は前記第1の状態時に較べて、第1の周波数とこれより
    も高い第2の周波数の間の利得が低く変化し、第1の周
    波数以下の利得は大きく変化しないことを特徴とする振
    れ緩和装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の状態とは、装置の静止状態時
    に適した特性に制御された状態であり、前記第2の状態
    とは、パンニング時に適した特性に制御された状態であ
    ることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の振れ
    緩和装置。
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