JPH08254616A - 楔形状エッジライトパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） ［目的］ 拡散シートやプリズムフィルムの積層を不要
化して，散乱パターンの散乱光透視を防止した楔形状の
エッジライトパネルとする。 ［構成］ 液晶バックライトＡ用のエッジライトパネル
１の透明基板２を楔形状に射出成型するとともに，その
裏側テーパー面に散乱パターンを成型し，表面側に５０
μｍピッチで２５μｍ深さのＶ字溝とした微細拡散溝を
成型して表面を拡散プリズム面７とする。これにより散
乱パターンの散乱光がエッジライトパネル１自体におい
て拡散されてその透視を防止し，また拡散プリズム面７
が導光ガイドとなって，光源２０からの入射光の導光性
を高めて輝度を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，液晶バックライト等の
バックライトに用いる楔形状成型エッジライトパネルに
関する。

【０００２】

【従来の技術】この種エッジライトパネルは，平板形状
の透明基板と，該透明基板裏面に印刷形成し又は一体成
型した網点による入射光導光用の網点散乱パターンとを
備えたものとし，これを例えば液晶バックライトとして
用いるには，裏面に反射シートを，表面に乳白色の拡散
シート及び／又は拡散機能を持つ微細溝を一面に形成し
たポリカーボネートフィルムによるプリズムフィルムを
それぞれ積層配置し，エッジライトパネルの入射端面に
冷陰極蛍光管等による光源を臨設して，該エッジライト
パネルに供給し，上記散乱パターンによって照明と光源
離隔方向への入射光の導光を行うものとされる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】液晶バックライトは，
それ自体コンパクト化，特に薄型化を求められるワープ
ロ，コンピュータ，カーナビゲーター等の電子機器に組
込み搭載して用いられるので，その厚さの大半を占める
エッジライトパネルを上記平板形状のものに代えて，楔
形状のものとすることにより，裏面に楔形状に応じた他
の部品設置のスペースを得られることになるため，電子
機器の薄型化のためにこの楔形状とすることが求められ
る。

【０００４】しかし乍らエッジライトパネルを楔形状と
することは，入射端面から供給される入射光の反射サイ
クルが，平板状のものに対して順次短縮化するので，散
乱パターンによる入射光の散乱が促進されて，入射端面
側近傍における部分的な輝度の向上が図られる一方で，
入射光の消耗が激しく導光性が損われて非入射端面側が
暗くなり易いという問題点がある。

【０００５】またこのときエッジライトパネル表面に拡
散シートやプリズムフィルムを積層した場合には，エッ
ジライトパネルとこれらの間に空気層が形成されるか
ら，エッジライトパネルから供給される照明光がその分
暗くなることを避けられず，従って上記部分的に輝度が
向上し，非入射端面側が暗くなった状態では，輝度向上
部分の散乱光（散乱パターンのドット等によって，該部
分が光輝する光輝光）の透視を防止するためにはこれら
の積層を必要とする一方，暗くなった部分は，これらの
積層によって更に輝度の低下を招くことになるという矛
盾を来すに至る。

【０００６】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で，その解決課題とする処は，それ自体散乱パターンに
よる散乱光の拡散機能を有して，可及的に拡散シートや
プリズムフィルムの積層を減少又は不要化して，高い輝
度を確保することができる楔形状エッジライトパネルを
提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題に添い本発明
は，楔形状のエッジライトパネルを一体成型することに
よって透明基板裏面のテーパー面に散乱パターンを，透
明基板表面に拡散機能を有する拡散プリズム面を備える
ようにし，またこの拡散プリズム面を入射光の導光にも
有効となるように入射端面から非入射端面に向けた入射
端面直交の微細拡散溝（プリズムライン）によるものと
したものであって，即ち本発明請求項１を，楔形状の透
明基板と，該透明基板裏面のテーパー面に形成した入射
光導光用の散乱パターンと，該散乱パターンの散乱光拡
散用にして上記透明基板表面に，入射端面側からこれと
対向する非入射端面側に向けて微細のピッチで平行に配
置した微細拡散溝による拡散プリズム面とを備えて一体
成型してなることを特徴とする楔形状エッジライトパネ
ルとし，請求項２を，更に好適な拡散プリズム面とする
ように，請求項１の拡散プリズム面の微細拡散溝を，ピ
ッチ２００μｍ以下，深さ１００μｍ以下の二等辺三角
形の溝としてなることを特徴とする楔形状エッジライト
パネルとし，請求項３を，視野角を可及的に高めて拡散
機能をより向上するように，請求項１又は２の拡散プリ
ズム面の微細拡散溝を，９０°以上の頂角の異なる二等
辺三角形の複数の溝によって構成してなることを特徴と
する楔形状エッジライトパネルとし，更に請求項４を，
上記拡散プリズム面による拡散が好ましく行われるに適
するとともにエッジライトパネルとしての輝度とその均
一性をも好適に得られる散乱パターンとするように，請
求項１乃至３のいずれかの散乱パターンを，入射端面側
から非入射端面側に対して線密度を増加したスプライン
曲線，放物線又は放射線を配置基準とし該配置基準上に
同一ピッチ又は縮小ピッチによって点在配置して密度を
非入射端面側に無段階増変化し且つ上記点在配置の深さ
を入射端面側から非入射端面側に無段階減変化した微小
多数の円錐孔によって形成してなることを特徴とする楔
形状エッジライトパネルとすることによって，これらを
それぞれ発明の要旨として，上記課題解決の手段とした
ものである。

【０００８】

【実施例】以下実施例を示す図面に従って本発明を更に
具体的に説明すれば，図１乃至図４においてＡは，例え
ば１０．４インチの大きさの液晶表示面を背面照明する
ように構成した液晶バックライト，１はそのエッジライ
トパネル，１０は該エッジライトパネル１の裏面に積層
した低発泡白色ポリエステルフィルム製の反射シート，
２０はエッジライトパネル１に対して入射光を供給する
冷陰極蛍光管による，例えば３mm径の細径の光源であ
る。

【０００９】エッジライトパネル１は，楔形状の透明基
板２と，該透明基板２裏面のテーパー面に形成した入射
光導光用の散乱パターン５と，該散乱パターン５の散乱
光拡散用にして上記透明基板２表面に，入射端面３側か
らこれに対向する非入射端面４側に向けて微細のピッチ
で平行に配置した微細拡散溝８による拡散プリズム面７
とを備えて一体成型したものとしてある。

【００１０】本例にあってエッジライトパネル１は，そ
の透明基板２を，例えば１６８mm×２１５mmにして，入
射端面３を３mm厚，非入射端面４を１．２mm厚の楔形状
とし，例えばアクリル透明樹脂の射出成型によって，上
記裏面の散乱パターン５と表面の拡散プリズム面７とを
備えて一体成型したものとしてあり，入射端面３に光源
２０を近接して臨設することによってエッジライトパネ
ル１に入射光を供給し，散乱パターン５の散乱によって
照明と導光を行い，液晶バックライトＡとして液晶表示
面の背面照明を行うものとしてあり，また拡散プリズム
面７の拡散によって散乱パターン５の散乱光の透視を防
止するものとしてある。

【００１１】本例にあって散乱パターン５は，これを透
明基板２のテーパー面に成型配置した微小多数の錐孔，
特に円錐孔６によって形成したものとしてあり，このと
き円錐孔６を，入射端面３側から非入射端面４側に対し
て線密度を増加したスプライン曲線，放物線又は放射線
中から，特にスプライン曲線を配置基準とし該配置基準
上に同一ピッチ又は縮小ピッチ中から，特に縮小ピッチ
によって点在配置して密度を非入射端面４側に無段階増
変化したものとし且つ上記点在配置の深さを入射端面３
側から非入射端面４側に無段階減変化した態様のものと
してあり，こうすることによって散乱パターン５の散乱
特性を，これを定める要因とし且つ散乱度合を非入射端
面４側に逆に変化する配置密度と深さの変化を相関さ
せ，その相関関係により規制し，楔形状とすることによ
って短縮化する反射サイクルにも対応して，エッジライ
トパネル１における輝度の均一性を確保するものとして
ある。

【００１２】本例の円錐孔６は，例えば円錐の角を３０
°〜６０°，即ち先端錐面角度を６０°〜１２０°の二
等辺三角形，特に９０°の直角二等辺三角形を呈するも
のとし，これを散乱パターン５において共通に用いて，
入射端面３側から非入射端面４側に１．２〜０．４mmの
ピッチで，上記スプライン曲線の配置基準上に点在配置
して配置密度の無段階増変化を行い，またこのとき円錐
孔６の深さを，入射端面３側から非入射端面４側に１０
００μｍ〜２０μｍ，特に５００μｍ〜１００μｍの深
さとなるように深さの無段階減変化を行うものとしてあ
る。このようにすることによって円錐孔６の径を非入射
端面４側に縮小させて高密度の配置密度の増変化を行う
一方，光源２０と平行方向に円錐孔６を直線上に位置し
非入射端面４側にピッチ変化する整然配置による規則性
を確保したものとしてある。なお図２の散乱パターン５
において，スプライン線数は，入射端面３側で１６３
本，非入射端面４側で６６本増加した２２９本とし，ま
た円錐孔６の配置密度は，口径の面積比率において，特
に好ましい入射端面３側で９％，非入射端面４側で７９
％のものとしてあるが，この配置密度は，５％〜８０％
の範囲とすることによって好ましいものとし得る。

【００１３】本例にあって拡散プリズム面７は，これを
透明基板２の表面の水平面の全面に成型配置し且つ入射
端面３から非入射端面４に至って一連に貫通するように
した微細拡散溝８によるものとし，この微細拡散溝８を
微細のピッチで平行に配置することによってプリズム面
を形成するものとしてあり，これによって上記散乱パタ
ーン５の円錐孔６による散乱光（円錐孔６が光輝して照
明を行う光輝光）を，エッジライトパネル１の表面側に
おいて異方向に向けて放出するようにして，散乱光の拡
散を行い，その透視を防止する一方，鏡面反射により入
射光導光の方向づけを行う導光ガイドを形成するように
してある。

【００１４】この微細拡散溝８による拡散プリズム面７
は，微細拡散溝８を，二等辺三角形の微細溝によるもの
とするのがよく，またその深さを２０〜１００μｍの範
囲内とし，ピッチを３０〜２００μｍの範囲内とするの
がよく，これにより微細拡散溝８間に平坦面を残すこと
のない山谷交互の隣接状態とすることができる。

【００１５】本例にあっては，微細拡散溝８を，各深さ
２５μｍにして５０μｍピッチの直角二等辺三角形とし
て，透明基板２の表面全面に亘って精密に配置したもの
としてあり，これにより上記散乱光の拡散性を高度に確
保したものとしてある。

【００１６】以上の構成によるエッジライトパネル１
は，高輝度にして輝度の均一性を確保したものとなり，
特に拡散プリズム面７を一体成型したことにより，従来
の拡散シート，プリズムフィルムを積層したものに比し
て，輝度を１５％〜２０％程度向上するものとなし得
た。

【００１７】図５は，散乱パターン５を同一とするも，
微細拡散溝８を，同一深さにして複数角度（形状）のも
のとすることによって拡散プリズム面７を形成した例を
示し，本例にあっては，これを２５μｍの同一深さとす
るも，角度を上記９０°のものと１２０°のものとし，
これらを交互に配置することによって同様な拡散プリズ
ム面７とし，これにより視野角を変化させ上記散乱光の
拡散性を更に高めたものとしてある。

【００１８】図６は，液晶バックライトＡの構成につい
ての他の例を示し，本例にあっては，注視されるように
用いられる液晶表示面の背面照明を行うものとして，や
や輝度が低下するも上記散乱光の透視性をより完全に防
止するように，単一の拡散シート又はプリズムフィルム
１１を，上記図１の例のものに念のため積層配置するよ
うにした例であり，本例のエッジライトパネル１を用い
た場合にも，必要に応じてこのような液晶バックライト
Ａのものとし得る。

【００１９】図５及び図６のその余は変らないので，同
一符号を付してその説明を省略する。

【００２０】なお本例のエッジライトパネル１の一体成
型に当っては，その成型金型を電鋳金型とし，これによ
って射出成型を行うのが，散乱パターン及び拡散プリズ
ム面を高度に精密に形成し，一体成型に伴って生じるこ
とある異常発光の発生等を防止することができて好まし
い。

【００２１】図示した例は上記のとおりとしたが，エッ
ジライトパネルのテーパー面の散乱パターンは，これを
上記錐孔に代えて突起により形成したものとすること，
錐孔とするとき，これを円錐孔以外の多角錐面孔とする
こと，錐孔とするとき，一体成型によりウエルドマーク
が出現して，異常発光の原因となるので，これを防止す
るように上記最大数mm厚の透明基板の場合に入射端面側
の深さを上記１０００μｍ，特に好ましくは５００μｍ
以下とすること，このとき非入射端面側の深さは２０μ
ｍを下廻ると散乱特性に影響するので２０μｍ以上，特
に好ましくは１００μｍ以上とすること，拡散プリズム
面７の微細拡散溝は，これを不等辺三角形の形状とする
こと，角度を小さくする等して深さを深くし過ぎると一
体成型が困難になり，浅くし過ぎると拡散性と導光の方
向づけが低下するので，上記好ましい２０〜１００μｍ
の範囲のものとすること，ピッチを拡大すると微細拡散
溝間に平坦面が出現し，散乱光の透視原因となるのでこ
れを可及的に残さないように山谷交互の状態とするよう
に，上記深さや角度との相関関係で，一般に上記３０〜
２００μｍピッチの範囲のものとすること，微細拡散溝
を複数の異なる複数深さにして複数形状のものとしてそ
の交互配置又は規制配置によって拡散プリズム面を形成
すること，エッジライトパネルの寸法を変え，またその
用途を液晶バックライト以外のバックライトとすること
等を含めて，本発明の実施に当っては上記各発明の要旨
に反しない限り，エッジライトパネル，散乱パターン，
拡散プリズム面，その微細拡散溝，必要に応じて用いる
錐孔乃至円錐孔の各具体的態様，関係，これらに対する
付加等は様々に変更し得る。

【００２２】

【発明の効果】本発明は以上のとおりに構成したので，
請求項１は，拡散プリズム面がそれ自体散乱パターンに
よる散乱光の拡散機能を果して，散乱光の透視を防止し
て，輝度を低下させる拡散シートやプリズムフィルムの
積層配置を可及的に減少又は不要化して，輝度低下を防
止する一方で，拡散プリズム面が入射光導光の導光ガイ
ドとなって入射光の導光性を高め，輝度を大きく向上し
た楔形状エッジライトパネルを提供することができる。

【００２３】請求項２及び３は，これに加えて拡散プリ
ズム面の微細拡散溝をより具体的に規定したので，それ
ぞれ散乱光の透視防止と輝度向上に好適な楔形状エッジ
ライトパネルとすることができる。

【００２４】請求項４は，同じくこれに加えて，散乱パ
ターンを楔形状のものに好適なものとするようにしたの
で，更に輝度の高均一性を確保して，高輝度高均一の楔
形状エッジライトパネルとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】液晶バックライトの分解斜視図

【図２】エッジライトパネルの背面図

【図３】エッジライトパネルの縦断面図

【図４】エッジライトパネルの部分拡大縦断面図

【図５】他の例を示すエッジライトパネルの部分拡大縦
断面図

【図６】他の例を示す液晶バックライトの分解斜視図

【符号の説明】

Ａ 液晶バックライト １ エッジライトパネル ２ 透明基板 ３ 入射端面 ４ 非入射端面 ５ 散乱パターン ６ 円錐孔 ７ 拡散プリズム面 ８ 微細拡散溝 ２０ 光源

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 楔形状の透明基板と，該透明基板裏面の
   テーパー面に形成した入射光導光用の散乱パターンと，
   該散乱パターンの散乱光拡散用にして上記透明基板表面
   に，入射端面側からこれと対向する非入射端面側に向け
   て微細のピッチで平行に配置した微細拡散溝による拡散
   プリズム面とを備えて一体成型してなることを特徴とす
   る楔形状エッジライトパネル。
2. 【請求項２】 請求項１の拡散プリズム面の微細拡散溝
   を，ピッチ２００μｍ以下，深さ１００μｍ以下の二等
   辺三角形の溝としてなることを特徴とする楔形状エッジ
   ライトパネル。
3. 【請求項３】 請求項１又は２の拡散プリズム面の微細
   拡散溝を，９０°以上の頂角の異なる二等辺三角形の複
   数の溝によって構成してなることを特徴とする楔形状エ
   ッジライトパネル。
4. 【請求項４】 請求項１乃至３のいずれかの散乱パター
   ンを，入射端面側から非入射端面側に対して線密度を増
   加したスプライン曲線，放物線又は放射線を配置基準と
   し該配置基準上に同一ピッチ又は縮小ピッチによって点
   在配置して密度を非入射端面側に無段階増変化し且つ上
   記点在配置の深さを入射端面側から非入射端面側に無段
   階減変化した微小多数の円錐孔によって形成してなるこ
   とを特徴とする楔形状エッジライトパネル。