JPH08254544A - 半導体加速度センサ - Google Patents

半導体加速度センサ

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Publication number
JPH08254544A
JPH08254544A JP8201695A JP8201695A JPH08254544A JP H08254544 A JPH08254544 A JP H08254544A JP 8201695 A JP8201695 A JP 8201695A JP 8201695 A JP8201695 A JP 8201695A JP H08254544 A JPH08254544 A JP H08254544A
Authority
JP
Japan
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weight portion
acceleration sensor
groove
semiconductor acceleration
semiconductor
Prior art date
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Pending
Application number
JP8201695A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Hikasa
浩一 日笠
Katsumi Hosoya
克己 細谷
Masatoshi Oba
正利 大場
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP8201695A priority Critical patent/JPH08254544A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 周波数応答性のよい半導体加速度センサを提
供する。 【構成】 加速度センサ1は,絶縁性材料から形成され
る上部固定基板2および下部固定基板4と,これらの基
板2と4の間に接合された導電性のあるシリコン半導体
基板3とから構成される。シリコン半導体基板3には,
フレーム部31,重り部32およびこれらを連結する少なく
とも1本の片持梁部33が形成される。上部固定基板2の
重り部32に対向する面に固定電極21が設けられる。上部
固定基板2(固定電極21)に対向する重り部32の面上
に,梁軸方向にのびる溝34A が,梁軸に垂直な方向に適
当な間隔をあけて複数本形成される。この溝34A の幅
は,重り部32の自由端側(梁部33の反対側)に近づくに
つれて徐々に拡がっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は半導体加速度センサに関する。
【0002】
【背景技術】半導体加速度センサは自動車のアクティブ
サスペンションやエアバッグシステムに用いられたり,
加速度や振動の計測器等に内蔵されて使用される。
【0003】この種の半導体加速度センサは半導体基
板,たとえばシリコン半導体基板を含んでいる。半導体
基板には,エッチング加工により,フレーム部(支持
部)と,このフレーム部内に配置され,外力(加速度,
振動)に応じて変位する重り部と,この重り部をフレー
ム部に連結する弾性を有する連結部とが形成される。連
結部には,重り部をその一部で片持ち状に支持する片持
ち梁部,重り部をその両部で両持ち状に支持する両持ち
梁部,重り部をその全周にわたって連続的に(または適
当な間隔で)支持するダイアフラム部等の態様がある。
【0004】このような半導体基板の少なくとも一方の
面に,そのフレーム部において固定基板が接合される。
半導体基板の両面から挟むように2つの固定基板が設け
られたものもある。
【0005】半導体加速度センサにおける加速度の検出
方法には主に次の2つの方法がある。
【0006】(1) 重り部を可動電極とする(半導体基板
は不純物の存在により導電性をもつ)。固定基板の重り
部に対向する面に固定電極を設ける。振動による重り部
の変位は可動電極と固定電極との間に生じる静電容量の
変化として現れるので,この静電容量を計測することに
より加速度を検知する。
【0007】(2) 梁部上にピエゾ抵抗素子を設ける。振
動による重り部の変位を,梁部上に加わる応力の変化に
よるピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化として捕らえて,加
速度を検知する。
【0008】外力が加えられることによって加速度セン
サ内の重り部が固定基板に近づく方向にまたは固定基板
から離れる方向に変位(振動)すると,固定基板とおも
りとの間隙に存在するガス(空気または他の気体)が流
動するため,重り部は流動するガスの抵抗によって変位
を妨げられ(減衰力;ガスダンピング),高周波数の振
動に対するセンサの応答性が悪化する。この減衰力は間
隙が狭いほど大きくなる。
【0009】重り部が片持ち梁によって支持されている
構造のものでは重り部の自由端(梁で支持されている部
分の反対側)では重り部の変位が最も大きい。したがっ
て,減衰力の影響は,最も大きく変位する重り部の自由
端側で大きい。
【0010】
【発明の開示】この発明は,周波数応答性のよい半導体
加速度センサを提供することを目的とする。
【0011】第1の発明は,フレーム部,このフレーム
部内に配置された重り部および重り部をフレーム部に連
結する弾性を有する連結部からなる半導体基板と,この
半導体基板に接合された,少なくとも一つの固定基板と
を備えた半導体加速度センサにおいて,上記重り部と上
記固定基板の対向する面の少なくとも一方に,上記重り
部が変位するときに生じるガス流動量の場所による違い
に応じた形状を持つ複数本の溝が形成されていることを
特徴とする。
【0012】静電容量型加速度センサにおいては,上記
固定基板の上記重り部に対向する面に固定電極が設けら
れ,上記固定電極と重り部の一面との間の静電容量変化
に基づいて加速度が検出される。歪みゲージ型加速度セ
ンサにおいては,上記連結部にピエゾ抵抗素子が設けら
れ,このピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて加速
度が検出される。
【0013】上記連結部は,代表的には,上記重り部を
片持ち状に支持する梁部である。このような構成の加速
度センサにおいては,上記溝には次のような態様があ
る。
【0014】一実施態様においては,上記溝は上記梁軸
方向にのび,かつ上記重り部の自由端側に近づくにつれ
て徐々に溝幅が拡がっている。
【0015】他の実施態様においては,上記複数本の溝
は上記梁軸方向に対して垂直にのび,かつ上記重り部の
自由端側に近づくにつれて溝同士の間隔が狭くなってい
る。
【0016】さらに他の実施態様においては,上記溝は
上記梁軸方向に対して垂直にのび,かつ上記重り部の自
由端側に近い溝ほど溝幅が広い。
【0017】さらに他の実施態様においては,上記溝は
上記梁軸方向に対して垂直にのび,かつ上記重り部の自
由端側に近い溝ほどその長さが長くなっている。
【0018】この発明によると,重り部と固定基板の少
なくとも一方の面上に形成されるガス流動促進のための
溝は,重り部と固定基板との間の間隙の各位置における
ガスの流動量(重り部が受けるガスによる減衰力の大き
さに関連する)の大小に応じて,長さ,幅,間隔等の形
状が異なっている。ガス流動量が最大になる重り部の自
由端側(梁の反対側)では,溝を長くする,溝の幅を太
くする,溝同士の間隔を狭める等によってガス流動量に
応じたガス移動空間を確保しているため,加速度センサ
の周波数応答性が向上する。また,単に一定幅で直線状
の溝を等間隔で複数本設けるよりも溝の総面積を小さく
する(減衰力の低減にあまり寄与しない溝部分の占める
面積を減らす)ことができるので,静電容量が減少する
等のセンサ特性への悪影響を小さくすることが可能とな
る。
【0019】第2の発明によると,フレーム部,このフ
レーム部内に配置された重り部および重り部をフレーム
部に連結する弾性を有する連結部からなる半導体基板
と,この半導体基板に接合された,少なくとも一つの固
定基板とを備えた半導体加速度センサにおいて,上記重
り部の2つの面の面積が異なっており,上記重り部の両
面に,その面積に応じた本数の溝が形成されている。好
ましい実施態様においては,上記溝が,互いに直交する
複数本の溝で構成される格子状溝である。
【0020】上下の面積が異なる重り部(たとえば逆メ
サ状の重り部等)を用いた加速度センサの場合,重り部
の上下の各面が受けるガスの流動による減衰力の大きさ
はそれぞれ異なるので,各面の面積に応じた本数の溝を
設けることにより,重り部の一方面においてガスによる
減衰力が大きいために生ずる加速度センサの周波数応答
性の悪化を小さくするすることができる。
【0021】第3の発明によると,フレーム部,このフ
レーム部内に配置された重り部および重り部をフレーム
部に連結する弾性を有する連結部からなる半導体基板
と,この半導体基板に接合された,少なくとも一つの固
定基板とを備えた半導体加速度センサにおいて,上記重
り部の一方の面に平行に並ぶ複数本の第1の溝が形成さ
れ,上記重り部に対向する上記固定基板の面には,上記
第1の溝に垂直な方向に並ぶ複数本の第2の溝が形成さ
れている。
【0022】重り部または固定基板のいずれか一方の面
上に格子状の溝を形成するよりもエッチング加工が容易
であり,格子状の溝を形成した場合と同様の効果が得ら
れる。
【0023】第2および第3の発明の一実施態様におい
ては,上記重り部が薄肉のダイアフラムによって支持さ
れている。
【0024】第1,第2,第3のいずれの発明において
も,上記溝の少なくとも一端が上記重り部のいずれかの
辺(側縁)に開口していることが好ましい。
【0025】上記開口によって溝内の通気性が確保され
るため,重り部の変位によるガスの流動がスムーズにな
り,周波数応答性がさらに向上する。
【0026】この発明による加速度センサの一実施態様
においては,上記重り部はシリコン半導体材料から形成
され,上記固定基板はガラス等の絶縁性材料から形成さ
れる。
【0027】他の実施態様においては,重り部と固定基
板が共に導電性あるシリコン半導体材料から形成され,
互いに電気的に絶縁される。この場合,固定基板自体を
電極として利用することができ,固定基板の内面に固定
電極を設ける際の複雑な配線等の必要がなくなる。また
おもりと固定基板の材質が同じであり,当然熱膨張係数
も同じであるため,周囲の温度変化による反りが発生せ
ず,重り部の変位への悪影響が防止される。
【0028】
【実施例】
第1実施例
【0029】図1(A)は第1実施例の静電容量型加速
度センサの一部切欠き平面図,図1(B)は図1(A)
のI−I線にそう断面図である。
【0030】図1(B)において,作図の便宜上および
分りやすくするために,肉厚が実際よりも厚めに強調し
て描かれている。このことは,後に説明する他の実施例
を示す図面(断面図)においても同様である。
【0031】静電容量型加速度センサ1Aは,ガラス等
の絶縁性材料から形成される上部固定基板2,下部固定
基板4,およびこれらの固定基板2と4との間に挟まれ
た導電性のあるシリコン半導体基板3から構成されてい
る。
【0032】シリコン半導体基板3には,方形枠状のフ
レーム部(支持部)31,重り部32,およびこれらを連結
する1対の片持梁部33が形成されている。これらは,好
ましくはアルカリ系エッチング液を用いてシリコン半導
体基板3上に高精度の垂直エッチングを施すことにより
形成される。
【0033】フレーム部31は,その上下の面において固
定基板2,3と陽極接合され,これによって加速度セン
サ1内に重り部32および後述する固定電極21を収める閉
空間が形成されている。
【0034】重り部32は,上面の面積が下面の面積に比
べて大きい逆メサ状で(上,下は図1(B) を基準とす
る),フレーム部31よりもやや薄く形成されている。し
たがって,重り部32と上部固定基板2および下部固定基
板4との間には微小な間隙がある。上下固定基板2およ
び4の内面をドライエッチング等によって一定の深さに
削り,これによって重り部32との間に間隙を形成するよ
うにしてもよい。重り部32はフレーム部31のほぼ中央に
位置し,与えられる外力(加速度)に応じて上述した閉
空間内において変位(振動)する。
【0035】片持梁部(カンチレバー)33は,フレーム
部31や重り部32に比べてかなり薄く形成され,弾性を有
している。この実施例においては,梁部33は2本設けら
れており,フレーム部31の一側の上部において重り部32
をその一側から支持している。重り部32はシリコン半導
体基板3によって形成されているために導電性をもち,
可動電極として用いられる。
【0036】重り部32の上下の面積を等しくしてもよ
い。この場合には,梁部33はフレーム部31の上下方向の
中央部で重り部32を支持する。
【0037】上部固定基板2のおもり部32に対向する内
面に,固定電極21が設けられている。固定電極21は,好
ましくは上部固定基板2上にアルミニウム等を蒸着する
ことによって形成される。下部固定基板4上にも固定電
極を設けるようにしてもよい。
【0038】可動電極(重り部)32および固定電極21は
固定基板2の適所に形成された接続孔(図示略)を通し
て,固定基板2の上面に形成された外部接続電極(図示
略)にそれぞれ電気的に接続され,さらに外部接続電極
にボンディングされたワイヤを通して容量計測回路(加
速度検出回路)(図示略)に接続される。以下の実施例
においても,可動電極,固定電極,ピエゾ抵抗素子等と
外部接続電極との電気的接続,および外部接続電極と加
速度検出回路との電気的接続については図示か省略され
る。
【0039】静電容量型加速度センサ1Aに外力(加速
度)が作用すると,これに応じて重り部(可動電極)32
が変位(振動)する。重り部32と固定電極21との間隙が
変化することによりこれらの電極32,21間の静電容量が
変化し,この静電容量の変化を電気信号として取出すこ
とにより加速度が検知される。
【0040】上部固定基板2(固定電極21)に対向する
重り部32の上面上に,梁部33の軸方向(梁軸方向とい
う)にのびる溝34A が,梁軸に垂直な方向に適当な間隔
をあけて複数本形成されている。これらの溝34A はエッ
チングによって形成され,重り部32が上部固定基板2に
近づく方向(間隙が狭くなる方向)に変位する際に間隙
の外に押出されるガス,および重り部32が上部固定基板
2から離れる方向(間隙が広くなる方向)に変位する際
に間隙の外から流れ込むガスが重り部32の変位を妨げな
いようにするための,ガスの抜け道となるもの,すなわ
ちガスの流動をスムーズにするものである。
【0041】重り部32上面に形成された溝34A の幅は,
おもり部32の自由端側(梁部33の反対側)に近づくにつ
れて徐々に拡がっている。重り部32が変位するときに,
上部固定基板2と重り部32との間から押出されるガスま
たはこれらの間に流れ込むガスによる減衰力(ガスダン
ピング)は,おもり部32の自由端側に近づくにつれて大
きくなる。減衰力の大きさに応じて重り部32上の溝幅を
変えているので,ガス流動量に応じたガス流動空間が確
保でき,加速度センサ1の周波数応答性が向上する。
【0042】静電容量型加速度センサ1Aにおいては,
静電容量値はできるだけ大きい方が精度よく測定でき
る。したがって,ガスによる減衰力の低減にあまり寄与
しない領域における溝34A の巾はできるだけ小さい方が
よい。この実施例では溝34A の巾は梁部33に向かうほど
小さくなっているから,一定幅で直線状の溝を複数本設
けた場合に比べて溝34A の総面積を小さくすることがで
き,静電容量の減少等のセンサ特性への悪影響を回避す
ることができる。
【0043】重り部32に形成された溝34A と同等の溝
を,重り部32に対向する上部固定基板2の内面に形成す
るようにしても,同様の効果が得られる。
【0044】第2実施例
【0045】図2(A)は第2実施例の静電容量型加速
度センサの一部切欠き平面図,図2(B)は図2(A)
のII−II線にそう断面図である。
【0046】以下に示す第2実施例から第12実施例の
説明のための図2から図12において,図1に示すもの
と同一物については同一符号を付し,重複説明を避け
る。上述した第1実施例と異なる点に焦点をあてて説明
する。
【0047】上部固定基板2に対向するおもり部32の面
上に,梁軸に直交する方向にのびるガス流動促進のため
の溝34B が,梁軸方向に間隔をあけて複数本(3本以
上)形成されている。これらの溝34B は,長さ,幅(太
さ)および深さが等しく形成されている。隣合う溝34B
同士の間隔は,重り部32の自由端側に近づくにしたがっ
て狭くなっている(溝34B の密度が高くなっている)。
流動するガスによる減衰力の大きさに応じて重り部32上
に形成される溝34B 同士の間隔を変えているため,ガス
流動量に応じたガス流動空間が確保でき,上述した実施
例と同様の効果が得られる。これらの溝34B を重り部32
に対向する上部固定基板2の内面に形成するようにして
もよい。また溝の断面は矩形に限らず,V字形,半円形
等でもよい。
【0048】第3実施例
【0049】図3(A)は第3実施例の静電容量型加速
度センサの一部切欠き平面図,図3(B)は図3(A)
のIII −III 線にそう断面図である。
【0050】上部固定基板2に対向する重り部32の上面
上に,梁軸に直交する方向にのびるガス流動促進のため
の溝34C が,梁軸方向に間隔をあけて複数本形成されて
いる。これらの溝34C は,長さ,深さおよび隣合う溝34
同士の間隔が等しく形成されている。溝34C の幅が重り
部32の自由端側に近づくにしたがって大きくなってい
る。流動するガスによる減衰力の大きさに応じて重り部
32上に形成される溝34Cの幅を変えているため,ガス流
動量に応じたガス流動空間が確保でき,上述した実施例
と同様の効果(加速度センサの周波数応答性の向上)が
得られる。この溝34C を重り部32に対向する上部固定基
板2の内面に形成するようにしてもよい。
【0051】第4実施例
【0052】図4(A)は第4実施例の静電容量型加速
度センサの一部切欠き平面図,図4(B)は図4(A)
のIV−IV線にそう断面図である。
【0053】上部固定基板2に対向する重り部32の面上
に,梁軸に直交する方向にのびるガス流動のための溝34
D が,梁軸方向に間隔をあけて複数本形成されている。
これらの溝34D は,幅,深さおよび隣合う溝34同士の間
隔が等しく形成されている。溝34D の長さが,重り部32
の自由端側に近づくにしたがって長くなっている。溝D
は重り部32の2つの梁33の間を通る中心線に関して対称
に形成されている。流動するガスによる減衰力の大きさ
に応じておもり部32上の溝34D の長さを変えているた
め,ガス流動量に応じたガス流動空間を確保でき,上述
した実施例と同様の効果が得られる。この溝34D を重り
部32に対向する上部固定基板2の内面に形成するように
してもよい。
【0054】第5実施例
【0055】図5(A)は第5実施例の静電容量型加速
度センサの一部切欠き平面図,図5(B)は図5(A)
のV−V線にそう断面図である。
【0056】上面積に比べて下面積が小さい逆メサ状の
重り部32の両面に,梁軸に直交する方向にのびる直線状
で一定幅の溝34E が,梁軸方向に等間隔で複数本形成さ
れている。おもり部32の上下面に形成される溝34E は,
各面の面積に応じて形成される。すなわち,上部固定基
板2に対向する重り部32の上面上に形成される溝34Eの
本数は,下部固定基板4に対向する重り部34の下面上に
形成される溝34E の本数よりも多い。重り部32の上下の
各面が受けるガスによる減衰力の大きさに応じた本数の
溝34E が各面に形成されているので,重り部32の一方面
の減衰力が大きいために生ずる加速度センサ1Eの周波
数応答性の悪化を小さくすることができる。
【0057】第6実施例
【0058】図6(A)は第6実施例の加速度センサの
一部切欠き平面図,図6(B)は図6(A)のVIb −VI
b 線にそう断面図,図6(C)は図6(A)のVIc −VI
c 線にそう断面図である。
【0059】重り部32の上下両面に,互いに直角に交叉
する複数本の溝で構成される格子状溝34F が形成されて
いる。格子状溝34F は重り部32の面積の大きさに応じて
形成され,重り部32上の領域を均等に分割している。上
部固定基板2に対向する重り部32の上面上に形成される
格子状溝34F の数は,下部固定基板4に対向する下面上
に形成される格子状溝34F の数よりも多い。重り部32の
上下面に各面が受けるによる減衰力の大きさに応じた本
数の格子状溝34F が設けられているので,重り部32の一
方面の減衰力が大きいために生ずる加速度センサ1Fの
周波数応答性の悪化を小さくすることができる。
【0060】この実施例における格子状溝34F は,梁軸
に平行な溝と垂直な溝とによって構成されているが,た
とえば梁軸に対して45度に傾いた溝によって格子状溝
を構成してもよい。
【0061】第7実施例
【0062】図7(A)は第7実施例の静電容量型加速
度センサの一部切欠き平面図,図7(B)は図7(A)
のVII −VII 線にそう断面図である。
【0063】重り部32の上面に,梁軸方向にのびる直線
状で一定幅の溝34G が,梁軸に垂直な方向に等間隔で複
数本形成されている。重り部32に対向する上部固定基板
2の内面には,溝34G に直交する方向に並ぶ複数本の溝
22が形成されている。上部固定基板2の内面にエッチン
グにより溝22を形成し,その上から蒸着等によって固定
電極21を形成する。固定電極21を構成する導電性薄膜は
溝22の表面に沿って形成されるので,溝22の形が残るこ
とになる。
【0064】重り32の上面の溝34G を梁軸と直交する方
向に形成し,固定基板2の溝22を梁軸方向に形成しても
よい。
【0065】重り部32または上部固定基板2のいずれか
一方の面上に格子状の溝を形成する第6実施例と異な
り,この第7実施例では異なる2つの面に直交する溝を
形成しているので,溝と溝が交叉する角部を持つことが
なく,エッチング加工時に角部を消失する等のおそれが
なく,加工が容易であり,かつ格子状の溝を形成した場
合と同様の効果が得られる。
【0066】第8実施例
【0067】図8(A)は第8実施例の静電容量型加速
度センサの一部切欠き平面図,図8(B)は図8(A)
のVIII−VIII線にそう断面図である。
【0068】第8実施例は,第5実施例に示す構造をダ
イアフラム・タイプの静電容量型加速度センサに適用し
たものである。
【0069】シリコン半導体基板3に,フレーム部31,
逆メサ状の重り部32およびこれらを連結する薄肉のダイ
アフラム(薄板)35が形成されている。ダイアフラム35
は,フレーム部31の内周面全体で重り部32を支持するよ
うに,重り部32の全周にわたって設けられている。弾性
を有するダイアフラム35に支持された重り部32は,加速
度センサ1H内に形成された閉空間内を上下方向に平行
に変位(振動)する。重り部32の上下両面には,梁軸に
直交する方向にのびる直線状で一定幅の溝34Hが,梁軸
方向に等間隔で複数本形成されている。重り部32の上下
面に形成される溝34H の数は,各面の面積に比例してい
る。
【0070】上述した第6および第7実施例の溝の構造
をダイヤフラム・タイプの加速度センサにも適用でき
る。またダイヤフラム35の代わりに,フレーム部31内面
の複数方向(たとえば4方向)から重り部32を弾性支持
する複数本の梁部を設けてもよい。
【0071】第9実施例
【0072】図9(A)は第9実施例の静電容量型加速
度センサの一部切欠き平面図,図9(B)は図9(A)
のIX−IX線にそう断面図である。
【0073】上部固定基板2に対向する重り部32上面上
に,梁軸方向にのびるガス流動のための溝34I が,梁軸
に垂直な方向に適当な間隔をあけて複数本形成されてい
る。これらの溝34I の幅は,重り部32の自由端に近づく
につれて徐々に拡がっている。第1実施例と異なり,溝
34I は重り部32の自由端の先端にまで達し,開口してい
る。この重り部32の自由端における溝34I が開口してい
ることによって,溝34I 内の通気性が確保され,特に重
り部32が上部固定基板2側(間隙が狭くなる方向)に変
位するときに溝34I に滞留するガスの量が減少するの
で,加速度センサ1Iの周波数応答性がさらに向上す
る。
【0074】上述した第2〜第7実施例においても,溝
の各端部を重り部32のいずれかの一辺に開口させること
により,溝内の通気性が確保され,同様の効果が得られ
る。
【0075】第10実施例
【0076】図10(A)は第10実施例の歪みゲージ
型加速度センサの一部切欠き平面図,図10(B)は図
10(A)のX−X線にそう断面図である。
【0077】第10実施例は,第1実施例の溝構造を歪
みゲージ型加速度センサに適用したものである。
【0078】上部固定基板2に対向する重り部32の上面
上に,梁軸方向にのびるガス流動のための溝34J が,梁
軸に垂直な方向に適当な間隔をあけて複数本形成されて
いる。これらの溝34J の幅は,重り部32の自由端に近づ
くにつれて徐々に拡がっている。
【0079】二つの梁部33上にはそれぞれ二つの箔状の
ピエゾ抵抗素子(歪みゲージ)6が梁軸方向および梁軸
に垂直な方向にそれぞれ張り付けられている。重り部32
の上下変位によってを梁部33が伸縮し,この伸縮によっ
てピエゾ抵抗素子6の抵抗値が変化する。この抵抗値の
変化に基づいて加速度が検知される。
【0080】第11実施例
【0081】図11(A)は第11実施例の歪みゲージ
型加速度センサの一部切欠き平面図,図11(B)は図
11(A)のXI−XI線にそう断面図である。
【0082】第11実施例は,ダイアフラム・タイプの
歪みゲージ型加速度センサである。
【0083】ダイアフラム35および溝34K の構造は図8
に示すダイアフラム35および溝34Hと同じである。この
ダイアフラム上にピエゾ抵抗素子6が設けられている。
【0084】第12実施例
【0085】図12(A)は第12実施例の加速度セン
サの一部切欠き平面図,図12(B)は図12(A)の
XII −XII 線にそう断面図である。
【0086】フレーム部31,重り部32およびこれらを連
結する片持梁部33が形成されたシリコン半導体基板3の
両面に,同じくシリコン半導体材料で形成された上下固
定基板2A,4Aが絶縁層51,52を介して接合されてい
る。絶縁層51,52は好ましくはシリコン酸化膜(SiO
2 )で形成される。上部固定基板2Aおよび下部固定基
板4Aを導電性あるシリコンで形成することにより,基
板2A,4A自体を固定電極として利用することがで
き,基板2A,4A内面に固定電極を設けること,およ
びその際の複雑な配線等の必要がなくなる。また基板2
A,3,4Aの材質が同じであり,当然熱膨張係数も同
じであるため,周囲の温度変化による反りが発生せず,
反りによる重り部32の傾きへの悪影響が防止される。溝
34L の構造は図1に示す第1実施例のものと同じであ
る。
【0087】図12(A),(B)は第1実施例と同溝
構造のものであるが,シリコン半導体材料を固定基板と
する構成は上述した第2〜第11実施例のすべてに適用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1実施例の静電容量型加速度センサ
の一部切欠き平面図,(B)は(A)のI−I線にそう
断面図である。
【図2】(A)は第2実施例の静電容量型加速度センサ
の一部切欠き平面図,(B)は(A)のII−II線にそう
断面図である。
【図3】(A)は第3実施例の静電容量型加速度センサ
の一部切欠き平面図,(B)は(A)のIII −III 線に
そう断面図である。
【図4】(A)は第4実施例の静電容量型加速度センサ
の一部切欠き平面図,(B)は(A)のIV−IV線にそう
断面図である。
【図5】(A)は第5実施例の静電容量型加速度センサ
の一部切欠き平面図,(B)は(A)のV−V線にそう
断面図である。
【図6】(A)は第6実施例の静電容量型加速度センサ
の一部切欠き平面図,(B)は(A)のVIb −VIb 線に
そう断面図,(C)は(A)のVIc −VIc 線にそう断面
図である。
【図7】(A)は第7実施例の静電容量型加速度センサ
の一部切欠き平面図,(B)は(A)のVII −VII 線に
そう断面図である。
【図8】(A)は第8実施例の静電容量型加速度センサ
の一部切欠き平面図,(B)は(A)のVIII−VIII線に
そう断面図である。
【図9】(A)は第9実施例の静電容量型加速度センサ
の一部切欠き平面図,(B)は(A)のIX−IX線にそう
断面図である。
【図10】(A)は第10実施例の歪みゲージ型加速度
センサの一部切欠き平面図,(B)は(A)のX−X線
にそう断面図である。
【図11】(A)は第11実施例の歪みゲージ型加速度
センサの一部切欠き平面図,(B)は(A)のXI−XI線
にそう断面図である。
【図12】(A)は第12実施例の静電容量型加速度セ
ンサの一部切欠き平面図,(B)は(A)のXII −XII
線にそう断面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J,1K,1L 加
速度センサ 2,2A 上部固定基板 3 シリコン基板 4,4A 下部固定基板 6 ピエゾ抵抗素子 21 固定電極 31 フレーム部 32 重り部 33 片持梁部 22,34A,34B,34C,34D,34E,34F,34G,34H,34I,3
4J,34K,34L 溝 35 ダイアフラム 51,52 絶縁層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム部,このフレーム部内に配置さ
    れた重り部および重り部をフレーム部に連結する弾性を
    有する連結部からなる半導体基板と,この半導体基板に
    接合された少なくとも一つの固定基板とを備えた半導体
    加速度センサにおいて,上記重り部と上記固定基板の対
    向する面の少なくとも一方に,上記重り部が変位すると
    きに生じるガス流動量の場所による違いに応じた形状を
    持つ複数本の溝が形成されていることを特徴とする半導
    体加速度センサ。
  2. 【請求項2】 上記重り部が梁部によって片持ち状に支
    持された半導体加速度センサにおいて,上記溝が,上記
    梁軸方向にのび,かつ上記おもりの自由端側に近づくに
    つれて徐々に溝幅が拡がっていることを特徴とする請求
    項1に記載の半導体加速度センサ。
  3. 【請求項3】 上記重り部が梁部によって片持ち状に支
    持された半導体加速度センサにおいて,上記複数本の溝
    が,上記梁軸方向に対して垂直にのび,かつ上記重り部
    の自由端側に近づくにつれて溝同士の間隔が狭くなって
    いることを特徴とする請求項1に記載の半導体加速度セ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 上記重り部が梁部によって片持ち状に支
    持された半導体加速度センサにおいて,上記溝が上記梁
    軸方向に対して垂直にのび,かつ上記重り部の自由端側
    に近い溝ほど溝幅が広いことを特徴とする請求項1に記
    載の半導体加速度センサ。
  5. 【請求項5】 上記重り部が梁部によって片持ち状に支
    持された半導体加速度センサにおいて,上記溝が上記梁
    軸方向に対して垂直にのび,かつ上記重り部の自由端側
    に近い溝ほどその長さが長くなっていることを特徴とす
    る請求項1に記載の半導体加速度センサ。
  6. 【請求項6】 フレーム部,このフレーム部内に配置さ
    れた重り部および重り部をフレーム部に連結する弾性を
    有する連結部からなる半導体基板と,この半導体基板に
    接合された,少なくとも一つの固定基板とを備えた半導
    体加速度センサにおいて,上記重り部の2つの面の面積
    が異なっており,上記重り部の両面に,その面積に応じ
    た本数の溝が形成されていることを特徴とする半導体加
    速度センサ。
  7. 【請求項7】 上記溝が,互いに直交する複数本の溝で
    構成される格子状溝であることを特徴とする請求項6に
    記載の半導体加速度センサ。
  8. 【請求項8】 フレーム部,このフレーム部内に配置さ
    れた重り部および重り部をフレーム部に連結する弾性を
    有する連結部からなる半導体基板と,この半導体基板に
    接合された,少なくとも一つの固定基板とを備えた半導
    体加速度センサにおいて,上記重り部の一方の面に平行
    に並ぶ複数本の第1の溝が形成され,上記重り部に対向
    する上記固定基板の面には,上記第1の溝に垂直な方向
    に並ぶ複数本の第2の溝が形成されていることを特徴と
    する半導体加速度センサ。
  9. 【請求項9】 上記連結部が薄肉のダイアフラムである
    ことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載
    の半導体加速度センサ。
  10. 【請求項10】 上記溝の少なくとも一端が,上記重り
    部のいずれかの辺に開口している請求項1から8のいず
    れか一項に記載の半導体加速度センサ。
  11. 【請求項11】 上記固定基板の上記重り部に対向する
    面に固定電極が設けられ,上記固定電極と重り部の表面
    との間の静電容量変化に基づいて加速度変化を検出する
    請求項1から10のいずれか一項に記載の半導体加速度
    センサ。
  12. 【請求項12】 上記梁またはダイアフラムにピエゾ抵
    抗素子が設けられ,上記ピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化
    に基づいて加速度を検出する請求項1から10のいずれ
    か一項に記載の半導体加速度センサ。
  13. 【請求項13】 上記重り部がシリコン半導体材料から
    形成され,上記固定基板がガラス等の絶縁性材料から形
    成されている請求項11または12に記載の半導体加速
    度センサ。
  14. 【請求項14】 上記重り部と上記固定基板がシリコン
    半導体材料から形成され,かつ互いに電気的に絶縁され
    ている請求項11または12に記載の半導体加速度セン
    サ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001124643A (ja) * 1999-10-27 2001-05-11 Anelva Corp サーボ式静電容量型真空センサ
JP2007061956A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Oki Electric Ind Co Ltd 半導体装置とその製造方法及び検査方法
JP2008517786A (ja) * 2004-10-27 2008-05-29 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ Memsデバイスにおける空気制動の低減
JP2010500859A (ja) * 2006-08-11 2010-01-07 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 回路モジュール
JP2018110394A (ja) * 2016-12-29 2018-07-12 ジーエムイーエムエス・テクノロジーズ・インターナショナル・リミテッド 水平モード容量性マイクロフォン

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