JPH0825395A - 複合成形物の連続製造方法 - Google Patents

複合成形物の連続製造方法

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JPH0825395A
JPH0825395A JP6163833A JP16383394A JPH0825395A JP H0825395 A JPH0825395 A JP H0825395A JP 6163833 A JP6163833 A JP 6163833A JP 16383394 A JP16383394 A JP 16383394A JP H0825395 A JPH0825395 A JP H0825395A
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JP
Japan
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molding
molded article
resin particles
composite molded
mixture
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JP6163833A
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English (en)
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Hiromitsu Takamoto
裕光 高本
Hidetoshi Okamura
英俊 岡村
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 いずれの部分も上下の繊維強化樹脂(FR
P)層の間に気泡を含有する多孔質樹脂層を挟み込んだ
一定の断面構造を持ち、軽量でかつ強靭な、平板や波板
などの形状を有するパネル状軽量フォームコア・サンド
イッチ積層体複合成形物を連続的に製造する方法を提供
する。 【構成】 並走して供給される上下の強化用繊維質シー
トの相対する面の少なくとも一方に、発泡性樹脂粒子と
液状成形樹脂システムとを含む混合物からなりかつその
組成が液状成形樹脂の硬化するとき発生する圧力が0.
1〜2kg/cm2 になるよう調整した混合物を均一に
塗布し、引き続き、該混合物塗布層を挟み込むように上
下の強化用繊維質シートを重ね合わせ、ローラー群など
により上下から面圧をかけて平滑な平面を保ちながら加
熱するゾーンを有する成形部へ連続的に導入し、該成形
部にて塗布した上記混合物中の発泡性樹脂粒子が熱によ
り発泡させて体積膨脹を起こさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合成形物の連続製造方
法に関するものである。さらに詳しくは、いずれの部分
でも上下の緻密な繊維強化樹脂(FRP)層の間に気泡
を含有する多孔質樹脂層を挟み込んだ一定の断面構造を
持ち、軽量でかつ強靭な、平板や波板などのパネル形状
を有する軽量フォームコア・サンドイッチ積層体複合成
形物を効率良く連続的に製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】建材や航空機、鉄道車両、自動車、船舶
などの輸送車両やコンテナ類のパネルとして種々の複合
材料が知られている。その中でも軽量性、遮音性、断熱
性などの利点を有するものとしてフォームコア・サンド
イッチ積層体パネルが広く用いられている。
【0003】かかるパネルとしては、芯材としてポリウ
レタン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂フォ
ームを用い、その両側を石綿スレートや金属板、繊維強
化樹脂(FRP)板で被覆したものがよく知られてい
る。しかしながら、これらのものは、芯材としてのフォ
ームの剛性や圧縮強度が十分でないという欠点を有して
いる。
【0004】この欠点を補うために、芯材として樹脂に
ガラスの中空粒子などを大量に添加して作ったシンタク
チックフォームを用いる方法が知られている。しかし、
このシンタクチックフォームを用いる既知の方法は、い
ずれも芯材と表面被覆材との接着が難しく、剥離しやす
い欠点を有している。
【0005】これらの欠点を解決する手段として、特開
平4−216924号において、並送されつつある上下
の繊維質シートの間に区画割り部材を挟み込み、この部
材内に発泡性粒子と液状成形樹脂との混合物を供給し、
コンベアベルト等で挟持しつつ加熱することによって、
フォームコア・サンドイッチ構造の平板を連続的に成形
する方法が提案されている。
【0006】しかしながら、この方法においても、成形
時の圧力が高いため、樹脂等が成形部外へ流出するのを
拘束するための高価な区画割り部材を必要とすること、
平板以外に波板等を成形するに際しては予め賦形した区
画割り材料を準備する必要があること等により、コスト
アップになる。
【0007】さらにこの方法は、区画割り部材の形状が
成形品表面に浮き出て、製品の表面品質を低下させると
か、成形物の厚みが画割り部材の高さによって決まるた
め、任意の厚みの成形物を製造できない等の欠点を有し
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、軽量でかつ十分な機械的特性を持つ平板や波
板などの一定の断面形状を持つ軽量フォームコア・サン
ドイッチ積層体複合成形物を、効率よく連続的に製造す
る方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものであり、上下の緻密な繊維強化樹脂(FR
P)層の間に無数の気泡を含む多孔質樹脂層が存在しか
つ全体が一体化したパネル状の軽量な複合成形物を連続
的に製造する方法であって、(a)連続的に供給される
上下の繊維質シートの相対する面の少なくとも一方に、
発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂システムとを含み、か
つ、その組成が成形時に発生する圧力が0.1〜2kg
/cm2 となるよう調整された混合物を塗布すること、
(b)引き続き、混合物塗布層を挟み込むように上下の
繊維質シートを重ね合わせ、この積層体に上下から面圧
をかけて平面状態を保ちながら加熱するゾーンを有する
成形部へ連続的に導入すること、(c)該成形部にて、
繊維質シート間に挟持された上記混合物中の発泡性樹脂
粒子を熱により発泡させて体積膨脹を起こさせ、その圧
力によって絞り出された液状成形樹脂システムを上下の
繊維質シートに浸透せしめて両表層部に至らせ、その状
態で樹脂を硬化させること、(d)そして、得られた複
合成形物を該成形部から連続的に引き出すこと、を特徴
とする新規な製造方法である。
【0010】まず、本発明方法において使用する主要な
成形材料、すなわち、繊維質シートと発泡性樹脂粒子と
液状成形樹脂システム、並びに、補助的に使用される各
材料について説明する。
【0011】本発明方法で主要成形材料の一つとして用
いる繊維質シートとしては、強化用繊維からなるシート
状繊維構造物が用いられる。強化用繊維としては、例え
ば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコンカーバイド繊維、
金属繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、高強度
ポリオレフィン繊維及びこれらの2種以上の混合繊維が
用いられる。これらの繊維の他に、ポリエステル繊維、
ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール系(ビニロン)
繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、天然繊維又は石
綿なども使用することができる。なかでも、ガラス繊
維、炭素繊維、パラ系アラミド繊維のような高モジュラ
ス繊維が好ましい。
【0012】繊維質シートの形態としては、上記の各繊
維を織物(平織、スダレ織、綾織など)、編物、不織
布、マット、紙、一方向に引き揃えられ層状に集合され
たロービングなどのシート状構造物の形態にしたものが
用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。なお、該繊維質シートはあらかじめ後
述の液状成形樹脂システムを含浸させたプリプレグとし
ても供給することもできる。
【0013】また、本発明方法で用いる他の主要成形材
料として用いる発泡性樹脂粒子は、加熱により短時間で
数倍以上、好ましくは7倍以上に体積膨張する樹脂粒子
であり、例えば発泡性の熱可塑性樹脂粒子として知られ
る、ポリアクリルニトリル共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン共重合体等の微粒子に加熱によって気化等により急激
に体積膨張し得る物質を内蔵したものが望ましい。しか
し、ポリオレフィンやそれらの共重合体などの粒子、多
孔性の弾性粒子を加圧して圧縮して樹脂で表面をコーテ
ィングし、熱により軟化、溶融して体積膨張をする粒子
等を用いることもできる。このような発泡性樹脂粒子に
ついては例えば特開平4−27532号公報に詳しく記
載されている。
【0014】一方、上記発泡性樹脂粒子と混合する液状
成形樹脂システムとしては、例えば、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニル
エステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリ
アミド樹脂などが用いられ、なかでもエポキシ樹脂が好
ましく、これらは、通常、必要な硬化剤、硬化促進剤な
どと共に使用される。液状成形樹脂システムは室温で液
状のものが好ましいが、成形温度で液状となるものであ
れば室温で固体状(粉末状)又は半固体状(ペースト
状)のものでよい。
【0015】本発明方法では、発泡性樹脂粒子と液状成
形樹脂システムとの混合物の組成として、成形時に発生
する圧力を0.1〜2kg/cm2 ,好ましくは0.2
〜1.5kg/cm2 になるように発泡性樹脂粒子の添
加量等を調整する。この調整の目安は、大気圧下で成形
温度に加温した液状樹脂システム中で発泡性樹脂粒子の
発泡倍率を測定し、成形時に上記発泡倍率の約70%以
上まで発泡させるような組成の混合物とする。具体的に
は成形後に形成されるコア部中の発泡樹脂粒子(成形温
度における大気圧下の発泡倍率の70〜100%に発泡
後)の体積組成がコア部の20〜80vol%になるように
する。
【0016】成形時における発泡倍率が大気圧下での発
泡倍率の70%未満となるように発泡性樹脂粒子を加え
ると、成形圧力が増加し混合物が成形部外に流れ出すの
で、特開平4−216924号記載のように区画割り部
材が必要となるばかりでなく、成形品に残圧が残り成形
品がよく冷却した後に取り扱わないと変形したり、塗装
等で再加熱すると変形を生じるという問題が生ずる。
【0017】これらの発泡性樹脂粒子及び液状成形樹脂
システムと共に、成形物の機械的特性を改善したり、電
磁遮蔽効果などの機能を付与する目的で、あるいは、液
状成形樹脂システムが硬化する際に発生する反応熱を吸
収し急激な温度上昇を制御して局部的な高温部位が生じ
ることを防止する目的で、補助的に使用する材料とし
て、ガラスバルーン、シラスバルーンなどの無機中空粒
子、ミルドガラス、シリコンカーバイド・ウイスカー、
マイカ、鉄粉、炭酸カルシウム、ケイ砂、顔料類などの
短繊維状、粉粒体状の添加物を加えることができる。
【0018】さらに、特開平5−84756号公報に記
載のように、この混合物に使用済回収品の粉砕物を加え
ることも可能である。
【0019】本発明方法では、成形時、上記の混合物中
の発泡性樹脂粒子が熱により発泡して樹脂混合物が体積
膨脹を生じ、その際、絞り出された液状成形樹脂システ
ムが上下の繊維質シートに浸透し表層部に至る際、発泡
性樹脂粒子が表層部の強化用繊維質シート内に入り込ま
ないようにした方が、製品の複合成形物(軽量フォーム
コア・サンドイッチ積層体パネル)を構成する表層部
(すなわち、上下の繊維強化樹脂層)をより緻密にする
ことができるので好ましい。
【0020】これを実現する手段として、上下の強化用
繊維質シートにおける発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂シ
ステムとの混合物が接する面側に、発泡後の発泡性樹脂
粒子を実質上通さないが液状成形樹脂システムは通す分
離層(分離膜)を配しておくことが有効である。
【0021】かかる分離層の分離機能を発現しうるもの
として、例えば目開きの小さい繊維シート及び/又は多
孔質シートがあげられる。分離層用の繊維シートとして
は、各種天然繊維、合成繊維、無機繊維等の織布、編
物、組物,不織布、紙等が用いられ、多孔質シートとし
ては連通気孔を有するシート又はフィルムであって、ポ
リウレタン、ポリスチレンあるいはポリプロピレン等の
フォームシートや延伸、抽出又は凝固法などでつくるポ
リエチレン、ポリプロピレンあるいはポリスルホン等の
多孔膜が用いられる。その目開きは発泡性樹脂粒子が発
泡した状態で通過しない範囲のものが選択される。
【0022】さらに、上下の強化用繊維質シートのそれ
ぞれ又は一方における発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂シ
ステムとの混合物と接しない側(すなわち該混合物と接
する面と反対側)に、可撓性フィルムを配置して成形す
ることにより、含浸・脱泡の工程をより安定的に行い、
成形性や駆動時の応力を補うことができる。
【0023】また、これら可撓性フィルムは、上下の強
化用繊維質シートと強固に接着する種類を選定すること
により、製品の軽量フォームコア・サンドイッチ積層体
の良好な表面を形成させることができる。
【0024】ここで用いる可撓性フィルムとしては、有
機ポリマーからなる各種可撓性フィルム又はシート、具
体的にはポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ
レエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩
化ビニリデンフィルム、フッ素樹脂系フィルム、ポリイ
ミドフィルム、ポリアリレートフィルム、セロファン、
トリアセテ−トフィルムなど及びこれらのコポリマーや
共押出しフィルム及び/又はアルミ、銅、鉄などの金属
フォイル、樹脂加工などにより液体の透過を防止した
紙、不織布などがあげられる。
【0025】本発明方法によれば、上記の各材料を準備
し、2層の強化用繊維質シートを、連続的に上下に並走
させて成形部に供給するが、その際、並走しつつある上
下の強化用繊維質シートにおいて相対する面(成形物の
内側に来る面)のいずれか一方又は両方に、発泡性樹脂
粒子と液状成形樹脂システムとを含む混合物からなりか
つ該混合物の組成を液状成形樹脂システムの硬化すると
き発生する圧力が0.1〜2kg/cm2 になるよう調
整した混合物を、所定の厚さにほぼ均一に塗布する。こ
の混合物は、樹脂の硬化反応により自己発熱を開始する
温度以上で発泡性樹脂粒子の発泡が開始する温度以下の
温度に予熱しておくのが好ましい。
【0026】引き続き、混合物塗布層を挟み込むように
上下の強化用繊維質シートを重ね合わせて、少なくとも
強化用繊維質シート/上記混合物/強化用繊維質シート
からなる積層体を成形部に導入し、ここで両強化用繊維
質シートの上下(外側両面)から一定の面圧をかけて平
滑な平面を保ちながら、上記混合物に含まれる発泡性樹
脂粒子の発泡開始温度以上に加熱する。
【0027】この際、上記混合物における組成を、液状
成形樹脂の硬化するとき発生する圧力が0.1〜2kg
/cm2 になるよう調整することが重要である。発泡性
樹脂粒子を用いるこの種の成形法では、通常、2kg/
cm2 より遥かに大きい圧力が生じるが、このような組
成では、成形時に液状成型樹脂の成形部からのはみ出し
が生じ、連続成形が不可能となる。したがって、本発明
方法では、発泡圧力の比較的小さい樹脂粒子を選定し、
その配合量も上記の条件を満たすよう調整する必要があ
る。
【0028】成形部の面圧付与機構としては、例えば、
成形物となるべき積層体の進路に沿って一定のクリアラ
ンスを持つ上下1対のローラー群を複数設置するか、該
積層体を挟んで搬送する上下1対のベルトコンベア、金
網コンベア等が採用される。成形部の加熱手段は任意に
選択でき、例えば、成形部の面圧付与機構を構成するロ
ーラー群やコンベア類を加熱してもよく、遠赤外加熱、
高周波加熱、誘電加熱、誘導加熱等を採用してもよい。
また、成形時の加熱温度は、発泡性樹脂粒子の発泡が生
じる温度以上とするが、外部加熱ばかりでなく樹脂の硬
化により生じる反応熱を利用してもよい。
【0029】該成形部では、移送されつつある積層体に
対し、上下から適度の面圧が付与された状態で加熱され
る。かくして上記積層体の中間層(すなわち、上下の強
化用繊維質シートで挟持された部分)において該中間層
を構成する上記混合物中の発泡性樹脂粒子が発泡して体
積膨脹を生じ、その圧力によって絞り出された液状成形
樹脂システムが上下の強化用繊維質シート層に浸透しそ
の一部が繊維質シート層を通って上下の両表面部にまで
達するが、その状態で樹脂の硬化が進行し、上下(外
側)の緻密な繊維強化樹脂(FRP)層とその中間の発
泡粒子を多数含む多孔質硬化樹脂(フォームコア)層と
から構成される強靭で軽量なフォームコア・サンドイッ
チ積層体複合成形物が形成される。
【0030】そして、このようにして得られたパネル状
の複合成形物を該成形部から連続的に引き出し、必要に
より所定のサイズに切断することによって、目的とする
複合成形物を連続的に製造することができる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の方法の具体的な実施態様を
例示し、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0032】図1に本発明の方法の一実施態様を示す。
図1において、成形材料の下層用繊維質シート(ガラス
クロス・プリプレグ等)(1)が連続的にロール(1
1)より引き出され、平らに展伸され、搬送される。そ
の上へ、予め硬化時に発生する圧力が0.1〜2kg/
cm2 になるよう調合した発泡性樹脂微粒子と液状成形
樹脂システムとからなるペースト状混合物が、塗工機
(12)により一定の幅、厚さで塗布される。さらに、
その上にロール(13)より連続的に引き出した上層用
繊維質シート(ガラスクロス・プリプレグ等)(2)が
連続的に重ね合わせられる。
【0033】このようにして得られた強化用繊維質シー
ト(1)/上記ペースト状混合物/強化用繊維質シート
(2)からなる積層体は、成形部(14)内に導入さ
れ、この成形部(14)で、上下から適当な面圧をかけ
て平滑な平面を保ちながら発泡性樹脂粒子の発泡開始温
度以上に加熱される。ここで、上記ペースト状混合物中
の発泡性樹脂粒子が熱により発泡して体積膨脹を生じ、
それによって絞り出された液状成形樹脂システムが上下
の強化用繊維質シート(1)、(2)に浸透し、その一
部は上下の両表面部まで達し、その状態で硬化して、平
板形状の軽量フォームコア・サンドイッチ積層体複合成
形物(3)を形成し、連続的に成形部(14)より導出
される。
【0034】そして、得られた成形物(3)は引取り装
置(図示せず)により連続的に引き取られ、必要に応
じ、耳となる両端をカットした上で定尺に切断される。
【0035】成形部(14)では、発泡性樹脂粒子と液
状成形樹脂システムとの混合物が熱により発泡して体積
膨脹を生じるため、成形物の厚みが増す力が働くが、平
滑な平面を保つため上下の繊維質シート(1)(2)に
適切な面圧をかける機構として、図1の例では複数組の
上下一対の加熱ローラー群(15)が用いられる。
【0036】なお、成形部(14)の加熱ゾーン通過
後、成形物の温度を下げるため、必要に応じて加熱ゾー
ンと引取り装置(図示せず)との間に冷却ゾーン(図示
せず)が設けられてもよい。
【0037】図2には、可撓性フィルム及び分離層を使
用する本発明の方法の他の実施態様を示す。
【0038】図2において、ポリエステルフィルム(2
1)がロール(51)より連続的に引き出され、その上
にロール(52)より連続的に引き出した下層用繊維質
シート(ガラスマット等)(22)を重ね合わせる。さ
らにその上へロール(53)より連続的に引き出した分
離層用不織布(例えば、ポリエステル不織布「ユニセ
ル」)(23)が重ね合わされて、平らに展伸され、搬
送される。そして、これらの積層体上に、予め硬化時に
発生する圧力が0.1〜2kg/cm2 になるよう調合
した発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂システム(例えばエ
ポキシ樹脂及び硬化剤)とのペースト状混合物を、塗工
機(54)で一定の幅、厚さで塗布する。そして、その
上に、ロール(55)より連続的に引き出したもう一方
の分離層用不織布(例えば、上記「ユニセル」)(2
4)を重ね合わせて、上下の分離層用不織布(23)、
(24)の幅方向の両端部を糊で閉じ、袋帯状にした分
離層内に混合物を封入する。
【0039】これにロール(56)より連続的に引き出
した上層用繊維質シート(ガラスマット等)(25)、
ロール(57)より連続的に引き出した表面加飾用の木
目模様を有するポリエステル不織布(26)及びロール
(58)より連続的に引き出した別のポリエステルフィ
ルム(27)が、順次重ね合わされ、上記ポリエステル
フィルム(21)(27)の上下から適切な面圧をかけ
て平滑な平面を保ちながら成形部(59)に入り加熱さ
れる。
【0040】ここで発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂シス
テムとの混合物中の粒子が熱により発泡して体積膨脹を
生じ、それによって絞り出された液状成形樹脂システム
が上下の繊維質シート(22)(25)に浸透し、その
一部は両繊維質シート及び分離層を通って両表面部まで
達し、その状態で硬化して、片面が木目模様を有する平
板形状の軽量フォームコア・サンドイッチ積層体複合成
形物(28)となって成形部より導出される。
【0041】そして、引取り装置(図示せず)により引
き取られ、上下のポリエステルフィルムを(21)(2
7)が両面から剥離されたのち、必要に応じ、耳となる
両端をカットした上で、定尺に切断される。
【0042】図2の例において、成形部(59)では、
積層状態で搬送される成形材料はフィルム(21)(2
2)の上下面から金属製のエンドレスベルト(30)
(31)で挟持され、これらのエンドレスベルト間に成
形部(59)が形成されている。そして、この成形部で
は、発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂システムとの混合物
が熱により発泡して体積膨脹を生じ、厚みが増す力が働
くのに対して、平滑な平面を保つ適切な面圧をかける機
構としてエンドレスベルト(30)(31)がその機能
を果たしている。
【0043】[実施例1]図1に示す成形装置を用い、
図1で説明した方式で、パネル状のフォームコア・サン
ドイッチ積層体の成形を行った。この場合、上下の強化
用繊維質シートとして目付300g/cm2 のガラスマ
ット「CM305」(旭ガラス製)を用いた。一方、液
状成形樹脂システムとしてエポキシ樹脂「エピコート8
28」(旭シェル製)、硬化剤「イソホロンジアミン」
(ヒュルズ製)および硬化促進剤としてBF3 ・MEA
(橋本化成製)を用い、これにポリアクリルニトリル系
共重合体からなる発泡性樹脂粒子「TEM−8」(松本
油脂製薬製、エポキシ樹脂中における大気圧下、130
℃での発泡倍率20倍)を2.1重量%、ガラスバルー
ン「K−1」(住友3M製)4.4重量%を添加混合
し、ペースト状の樹脂混合物を調製した。上記混合物中
の粒子の成形時の発泡倍率は約18倍であり、この混合
物の成形時の発生圧力は1.2kg/cm3 であった。
【0044】これらの材料を用いて、図1に示す方式で
連続的に成形を行った。この際、成形部(14)のロー
ラー群(15)温度は130℃とし、ローラ対ーのクリ
アランスは5mmとした。
【0045】成形時、成形部における樹脂の側方へのは
み出しは見られず、良好な生産性で成形を実施すること
ができた。
【0046】かくして、得られたフォームコア・サンド
イッチ積層体複合成形物は、多孔質コアの厚みが均一で
すべての部分の断面がほとんど等しく、密度は0.43
g/cm3 であった。
【0047】[比較例]実施例1のエポキシ樹脂中に成
形時に発泡倍率が大気圧下の50%(10倍)になるよ
うに発泡性樹脂粒子「TEM−8」(松本油脂製薬製、
エポキシ樹脂中で大気圧下、130℃での発泡倍率20
倍)を添加混合した。この混合物を130℃の金型内で
成形したところ最高圧力4.6kg/cm2 を示した。
【0048】この混合物をローラ群を備えた前述の連続
成形装置に供給して成形しようとしたが、混合物が膨張
すると共に分離された液状樹脂のみが側面から流出し
た。得られた成形物は幅方向に大きく密度が異なり芯部
の中央部の密度は0.25g/cm3 、端と中央部の中
間では0.48g/cm3 であった。この成形物の端は
芯部が樹脂のみで構成されていた。
【0049】
【発明の効果】上述の如く本発明の方法によれば、発泡
性樹脂粒子の体積膨張によって生じる内圧を利用して、
シンタクチック・コア部分から絞り出された液状成形樹
脂システムが上下の強化用繊維質シートに浸透し表層部
に至るので、中心の多孔質コア部と表層の緻密な繊維強
化樹脂層(表層部)とが同じ液状成形樹脂でつながり強
固な結合を得ることができ、強靭な一体成形物となる。
【0050】特に上下の強化用繊維質シートにおける発
泡性樹脂粒子と液状成形樹脂システムの混合物の接する
面側に、発泡後の発泡性樹脂を実質上通さないが液状成
形樹脂は通す分離層を配置して成形する場合は、上下の
表層部は強化繊維の密度が高いより緻密なものとするこ
とができる。
【0051】さらに、本発明方法では、従来法(特開平
4−216924号)のように区画割り部材を使用する
必要がないので、製造が容易であるばかりでなく製造コ
ストも低廉であり、しかも、表面性の良好な成形物を生
産性良く連続的に製造することが可能となる。また、連
続成形が可能なため従来の金型を用いる方法(特開平4
−27532号等参照)に比べ、生産性が著しく向上す
る。
【0052】かくして、本発明の方法によれば、機械的
特性に優れた平板や波板などの一定の断面形状を持つ軽
量フォームコア・サンドイッチ積層体パネルを、効果的
に連続的に製造することができる。そして、かかる本発
明方法により得られる軽量フォームコア・サンドイッチ
積層体パネルは、建築部材、例えばインテリジェントビ
ルの床板材、垂直仕切りパネル、断熱壁材、ベンチ又は
ベンチ用材など、輸送機器の部材、例えば、車両の床板
材、トラックの荷台の側面材、リムジンバスのロッカー
のフタ材など、さらには、陸上又は海上コンテナ用材、
FRP船用芯材など、広い用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す成形装置の概略図。
【図2】本発明の他の実施態様を示す成形装置の概略
図。
【符号の説明】
1…強化用繊維質シート、2…強化用繊維質シート、3
…製品の軽量フォームコア・サンドイッチ積層体複合成
形物、11…強化用繊維質シートのロール,13…強化
用繊維質シートのロール、12…塗工機、14…成形
部、15…加熱ローラー群、21…ポリエステルフィル
ム、27…ポリエステルフィルム、22…強化用繊維質
シート,25…強化用繊維質シート、23…分離層用ポ
リエステル不織布、24…分離層用ポリエステル不織
布、26…表飾用木目模様ポリエステル不織布、28…
製品の木目模様を有する軽量フォームコア・サンドイッ
チ積層体複合成形物、30、31…金属製エンドレスベ
ルト、51,52,53,55,56,57,58…各
材料のロール、54…塗工機、59…成形部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 33:18 105:04 B29L 9:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下の繊維強化樹脂層の間に多孔質樹脂
    層が存在しかつ全体が一体化したパネル状の軽量な複合
    成形物を製造するに際し、(a)連続的にして供給され
    る上下の繊維質シートの相対する面の少なくとも一方
    に、発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂システムとを含みか
    つその組成が成形時に発生する圧力が0.1〜2kg/
    cm2 となるよう調整された混合物を塗布すること、
    (b)引き続き、混合物塗布層を挟み込むように上下の
    繊維質シートを重ね合わせ、この積層体に上下から面圧
    をかけて平面状態を保ちながら加熱するゾーンを有する
    成形部へ連続的に導入すること、(c)該成形部にて繊
    維質シート間に挟持された上記混合物中の発泡性樹脂粒
    子を熱により発泡させて体積膨脹を起こさせ、その圧力
    によって絞り出された液状成形樹脂システムを上下の繊
    維質シートに浸透させてその一部を両表層部に至らし
    め、その状態で樹脂を硬化させること、(d)そして、
    得られた複合成形物を該成形部から連続的に引き出すこ
    と、を特徴とする複合成形物の連続製造方法。
  2. 【請求項2】 発泡性樹脂粒子が、ポリアクリルニトリ
    ル共重合体又はポリ塩化ビニリディン共重合体からな
    り、かつ加熱によって気化する物質を内蔵する微粒子で
    あることを特徴とする請求項1に記載の複合成形物の連
    続製造方法。
  3. 【請求項3】 上下の繊維質シートの発泡性樹脂粒子と
    液状成形樹脂システムとを含む混合物と接する面側に、
    それぞれ、発泡性樹脂粒子を実質上通さないが液状成形
    樹脂は通す分離層を配置し、分離層の相対する面の少な
    くとも一方に発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂システムと
    を含む混合物を塗布することを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の複合成形物の連続製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂システム
    とを含む混合物を液状成形樹脂システムが反応により自
    己発熱を開始する温度以上でかつ発泡性樹脂粒子が膨張
    を開始する温度以下の温度に予熱して塗布することを特
    徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の複合成
    形物の連続製造方法。
  5. 【請求項5】 上下の繊維質シートの発泡性樹脂粒子と
    液状成形樹脂システムとを含む混合物と接する面と反対
    側に、可撓性フィルムを配置して成形することを特徴と
    する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の複合成形物
    の連続製造方法。
  6. 【請求項6】 成形部のうち、発泡性樹脂粒子が熱によ
    り発泡して体積膨脹を生じ、それによって絞り出された
    液状成形樹脂システムが上下の繊維質シートに浸透し表
    層部に至り硬化するまでの区間に、上下の繊維質シート
    に面圧をかけて平滑な平面を保つ機構を設け、一定の加
    圧状態で成形することを特徴とする請求項1〜請求項5
    のいずれかに記載の複合成形物の連続製造方法。
  7. 【請求項7】 成形部において、複数組の上下一対のロ
    ーラー群によって積層した繊維質シートの上下から面圧
    をかけて平滑な平面を保つことを特徴とする請求項6に
    記載の複合成形物の連続製造方法。
  8. 【請求項8】 複数組の上下一対のローラー群が加熱さ
    れていることを特徴とする請求項7に記載の複合成形物
    の連続製造方法。
JP6163833A 1994-07-15 1994-07-15 複合成形物の連続製造方法 Pending JPH0825395A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102248727A (zh) * 2011-05-27 2011-11-23 常州市华星新材料科技有限公司 聚氨酯泡沫夹心连续纤维增强复合板材成型工艺

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