JPH08253190A - 自転車用動力補助装置 - Google Patents

自転車用動力補助装置

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Publication number
JPH08253190A
JPH08253190A JP5908795A JP5908795A JPH08253190A JP H08253190 A JPH08253190 A JP H08253190A JP 5908795 A JP5908795 A JP 5908795A JP 5908795 A JP5908795 A JP 5908795A JP H08253190 A JPH08253190 A JP H08253190A
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JP
Japan
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torque transmission
torque
transmission plate
pedal
bicycle
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JP5908795A
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English (en)
Inventor
Toshiyasu Takura
敏靖 田倉
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TEC CORP
Original Assignee
TEC CORP
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】普通自転車に簡単に取付けてペダルの踏込み力
に比例した駆動力を補助する。 【構成】減速機23の出力をペダルクランク軸27に伝
達して動力を補助する自転車用動力補助装置において、
ペダルクランク14bを連結した軸継手44に固定し、
ペタルクランク14bの回転力を受けて回転する第1の
トルク伝達板36と、ペダルクランク軸27に固定し、
このクランク軸と一体に回転する第2のトルク伝達板2
8と、第1のトルク伝達板が回転したとき、このトルク
伝達板を第2のトルク伝達板に係合するとともにペダル
クランク軸の軸方向に移動させ、減速機23のギヤ円盤
部材35に各トルク伝達板を圧接させる傾斜突起33,
39と、ギヤ円盤部材に各トルク伝達板が圧接したと
き、減速機の駆動トルクを各トルク伝達板に伝達する摩
擦摺動部材41,42とを設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自転車に取付けてペダ
ル駆動を電動機駆動により補助する自転車用動力補助装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、普通自転車に取り付け可能とした
自転車用動力補助装置は2つのタイプに大別することが
できる。1つは、駆動スイッチ又は制御アクセルをハン
ドル部に設け、モータ動力はアクセルにより任意の大き
さに制御できるもので、原動機付き自転車と呼ばれ免許
証が必要となる。もう1つは、人力のペダル駆動トルク
を検出して人力エネルギーに等しい動力を補助するもの
で、免許証なしで使用できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
人力のペダル駆動トルクを検出して動力を補助する動力
補助装置は、特別な専用の構造の自転車に予め組み込ん
だものであって普通の市販されている自転車に取り付け
ることはできなかった。すなわち、従来、普通の自転車
に簡単に取り付けることができる動力補助装置は無かっ
た。
【0004】そこで本発明は、市販されている普通自転
車に簡単に取付けてペダルの踏込み力に比例した駆動力
を補助でき、汎用性の高い自転車用動力補助装置を提供
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1対応の発明は、
電池を電源として駆動する電動機及びこの電動機の回転
を減速ギアを介して伝達する減速機を備え、この減速機
の出力をペダルクランク軸に伝達して動力を補助する自
転車用動力補助装置において、ペダルクランクを連結し
たペダル連結軸に固定し、ペタルクランクの回転力を受
けて回転する第1のトルク伝達板と、ペダルクランク軸
に固定し、このペダルクランク軸と一体に回転する第2
のトルク伝達板と、第1のトルク伝達板がペタルクラン
クの回転力を受けて回転したとき、この第1のトルク伝
達板を第2のトルク伝達板に係合するとともに前記ペダ
ルクランク軸の軸方向に移動させ、減速機の出力を外部
に伝達する最終段ギヤの板面に各トルク伝達板を圧接さ
せる斜傾係合部と、最終段ギヤの板面に各トルク伝達板
が圧接したとき、減速機の駆動トルクを各トルク伝達板
に伝達する摩擦摺動部材とを設けたものである。
【0006】請求項2対応の発明は、請求項1記載の自
転車用動力補助装置において、摩擦摺動部材による第1
のトルク伝達板への伝達トルクを第2のトルク伝達板へ
の伝達トルクよりも大きく設定したものである。
【0007】請求項3対応の発明は、請求項1又は2記
載の自転車用動力補助装置において、電動機として垂下
トルク特性を有するモータを使用し、このモータの起動
トルクを一定値以下に制限したものである。
【0008】
【作用】このような構成の本発明においては、ペダルの
踏込みによりペダルクランクが回転すると第1のトルク
伝達板が回転し、この回転により第1のトルク伝達板が
斜傾係合部により第2のトルク伝達板に係合する。そし
て第1のトルク伝達板はペダルクランク軸の軸方向に移
動し、各トルク伝達板が減速機の最終段ギヤの板面に設
けた摩擦摺動部材に圧接する。こうして減速機の駆動ト
ルクが最終段ギヤから摩擦摺動部材を介して各トルク伝
達板に伝達し、人力に比例した電動機の駆動トルクがペ
ダルクランク軸に円滑に伝達される。
【0009】また、摩擦摺動部材による第1のトルク伝
達板への伝達トルクを第2のトルク伝達板への伝達トル
クよりも大きく設定しているので、例えば、第1のトル
ク伝達板を左側のペダルクランクを連結したペダル連結
軸に固定している場合に、左足のペダル踏み込み力が減
少したり、右足がペダル操作しているサイクルにおいて
も傾斜係合部によるペダルクランク軸の軸方向の分力が
維持されて動力補助が行われる。
【0010】また、電動機として垂下トルク特性を有す
るモータを使用し、このモータの起動トルクを一定値以
下に制限しているので、発進時や低速時に最終段ギヤの
回転速度が人力によるペダルの回転速度よりも大きくな
り、摩擦摺動部材の摩擦力による動力補助が十分に行え
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0012】汎用自転車のペダルクランク軸は四角形カ
ットした軸にネジボスの付いたタイプと、菊形溝のある
軸の中心にネジ穴を設けてペダルクランクを取付けるタ
イプの2種類に統一されている。また、車体の右側には
チェーンホイールが取付けられているが、左側は空間に
なっている。さらに、チェーンホイールと前輪との間に
は空間がある。このような点から本実施例では汎用自転
車の空間部を利用して本発明装置を取付ける。
【0013】図1は自転車の全体構成を示す斜視図で、
1は車体フレームである。この車体フレーム1は、ヘッ
ドパイプ2と、このヘッドパイプ2から後方に延出した
トップチューブ3と、このトップチューブ3からボトム
ブラケット(図示せず)に延出したシートチューブ4
と、前記ヘッドパイプ2からボトムブラケットに延出し
たダウンチューブ5と、ボトムブラケットから後方に延
出した左右一対のリヤーステー(図示せず)と、前記シ
ートチューブ4の上端とリヤーステーの後端とを接続す
る左右一対のシートステー6とで構成している。
【0014】前記ヘッドパイプ2に前フォーク7とハン
ドルバー8を左右回動自在に保持し、前記前フォーク7
に前輪9を回転自在に取付け、前記ハンドルバー8にハ
ンドル10を固定している。前記リヤステーの後端に後
輪11を回転自在に取付けている。前記シートチューブ
4の上端にサドル12を上下動自在に取付けている。
【0015】また、前記ボトムブラケットの部位の右側
には、チェーンホイール(図示せず)を取付け、このチ
ェーンホイールをチェーンホイールカバー13で覆って
いる。そして前記チェーンホイールカバー13の外側に
右側のペダルクランク14aとペダル15aを設けてい
る。
【0016】前記ボトムブラケットの部位の左側には、
ギアケース16を取付け、このギアケース16の先端側
の内側面に電動機17を固定している。前記チェーンホ
イールカバー13の上に電源である電池ケース18を着
脱可能に取付けている。そして前記ギアケース16の外
側に左側のペダルクランク14bとペダル15bを設け
ている。
【0017】図2は車体フレーム1を省略して自転車を
上から見た図で、ギアケース16と電池ケース18の配
置を示している。前記電池ケース18には、複数の電
池、例えば3個の12Vの密閉鉛蓄電池を直列に接続し
て収納し、この各電池から前記電動機17に駆動電力を
供給するようになっている。
【0018】前記ギアケース16は、図3に示すよう
に、最終段ギア21を含む複数の減速ギア22,…から
なる減速機23を収納している。前記減速ギア22はケ
ース16内に固定した軸24にボールベアリング25に
よって回転自在に取付けている。そしてボトムブラケッ
ト26に回転自在に取り付けたペダルクランク軸27に
第2のトルク伝達板28を取り付け、締め付けナット2
9によりペダルクランク軸27に固定している。
【0019】前記第2のトルク伝達板28は図5及び図
7に示すように、中央部の一端側を突出させ、この突出
部30の中央に四角形状の孔31を開け、この孔31に
ペダルクランク軸27を貫通させるようにしている。ま
た、中央部の他端側も突出させ、この突出部32の内側
を円筒状に形成し、この突出部32の内面壁の対向した
位置に斜傾係合部の一方の部材を構成する斜傾突起3
3,33を設けている。
【0020】そして前記第2のトルク伝達板28の突出
部32にスプリング34を嵌合すると共に周縁部にリン
グ状の前記最終段ギヤ21をねじ止めしたギヤ円盤部材
35を嵌合している。また、前記第2のトルク伝達板2
8の突出部32の内側に第1のトルク伝達板36を嵌合
している。
【0021】前記第1のトルク伝達板36は図4及び図
6に示すように、中央部の一端側を突出させ、この突出
部37の中央に円形の孔38を開け、この孔38内に前
記締め付けナット29が収納されるようになっている。
前記突出部37の外周面の対向した位置に斜傾係合部の
他方の部材を構成する斜傾突起39,39を設けてい
る。
【0022】前記第1のトルク伝達板36は前記第2の
トルク伝達板28に嵌合したとき斜傾突起39,39の
傾斜面が前記第2のトルク伝達板28の斜傾突起33,
33の傾斜面と対向する構成になっていて、第1のトル
ク伝達板36の突出部37は、ギヤ円盤部材35、スプ
リング34を挟持した状態で第2のトルク伝達板28の
突出部32の内側に挿入され、傾斜突起33,33及び
39,39が対向するように左回転させた後、第2のト
ルク伝達板28の底面からストッパネジを押入して第1
のトルク伝達板36の逆回転を阻止して一体化されてい
る。
【0023】前記第1のトルク伝達板36の突出部37
の基端に円形の凹部40を形成し、この凹部40に前記
第1のトルク伝達板36を前記第2のトルク伝達板28
に嵌合したとき前記スプリング34の先端部が嵌まり込
むようになっている。周縁部にリング状の最終段ギヤ2
1をねじ止めしたギヤ円盤部材35は、図8の(a) に示
すように前記第2のトルク伝達板28と対向する面の最
内周部に第1の摩擦摺動部材41を固定すると共に図8
の(b) に示すように前記第1のトルク伝達板36と対向
する面の最外周部に第2の摩擦摺動部材42を固定して
いる。
【0024】前記第1のトルク伝達板36の他端側も突
出し、この突出部43にペダル連結軸である軸継手44
をねじ止めし、この軸継手44に左側ペダル15bを取
り付けた前記ペダルクランク14bを締め付けナット4
5によって固定している。そして前記ペダルクランク1
4bに締め付けナット45が外部に露出しないように保
護するキャップ46を螺着している。
【0025】前記ギアケース16の内側に位置検出セン
サ47を取り付け、この位置検出センサ47により前記
第1のトルク伝達板36の他端側に形成した突出部43
の縁部に設けた突起48を前記第1のトルク伝達板36
が回転して突起48が前記位置検出センサ47の手前を
通過する毎に検出するようになっている。
【0026】前記減速機23は、例えば4段の減速ギヤ
を備え、4段目を最終段ギヤ21としている。そして、
例えば電動機17の回転速度を7,000rpmとし、
これを1段目の減速ギヤ22で1,500rpmに減速
し、次の2段目の減速ギヤ22で460rpmに減速
し、さらに3段目の減速ギヤ22で200rpmに減速
し、これを4段目の最終段ギヤ21で54.8rpmに
減速する。
【0027】図9は制御ブロック図で、制御部本体を構
成するCPU51からのデータをI/Oポート52を介
してモータコントロール回路53に供給し、このモータ
コントロール回路53により前記電動機17を駆動制御
するようになっている。
【0028】前記モータコントロール回路53は、具体
的には図10に示すように、+e1端子と接地間に抵抗
R1 を介してNPN形トランジスタTr1を接続し、この
トランジスタTr1のコレクタを抵抗R2 を介して差動増
幅器AMの反転入力端子(-)に接続している。前記差動
増幅器AMの非反転入力端子(+) は抵抗R3 及び抵抗R
4 を直列に介して接地すると共に抵抗R5 及び抵抗R6
を直列に介して接地している。前記抵抗R3 ,R4 の接
続点を抵抗R7 を介して+e2 端子に接続している。
【0029】前記差動増幅器AMは出力端子を抵抗R8
を介してNPN形トランジスタTr2のベースに接続する
と共に前記抵抗R8 及び抵抗R9 を介して自己の非反転
入力端子(+) に接続している。前記トランジスタTr2
は、コレクタを前記電動機17を介して+E端子に接続
し、エミッタを抵抗R10を介して接地すると共に抵抗R
11を介してコンパレータCMの反転入力端子(-) に接続
している。
【0030】前記コンパレータCMは、非反転入力端子
(+) を抵抗R12及び抵抗R13を直列に介して接地してい
る。前記抵抗R12,R13の接続点を抵抗R14を介して+
e2端子に接続している。前記コンパレータCMは、出
力端子を抵抗R15及び抵抗R16を直列に介して自己の反
転入力端子(-) に接続すると共に前記抵抗R15及び抵抗
R17を直列に介して前記抵抗R5 ,R6 の接続点に接続
している。
【0031】前記電動機17としては、例えば自転車の
起動時にも滑らかなトルク補助が行え、高速運転となる
に従って動力補助できるトルクを減少させて行くよう
な、トルクの垂下特性を有するユニバーサルモータを使
用している。すなわち、車速に対するモータ出力特性は
図11の実線のグラフに示すように、車速が10Km/
hまでは増加し、車速が10Km/hを越えると減少し
車速が25Km/h付近でゼロ近くなる。また、車速に
対するペダルクランク軸27の補助トルクの特性は図1
1の点線のグラフに示すように、車速が10Km/hま
では最大トルクを保ち、車速が10Km/hを越えると
減少し車速が25Km/h付近でゼロ近くなる。
【0032】なお、電動機として直流モータを使用する
と、同一重量のユニバーサルモータに比べて高速領域で
の運転ができなくなり動力補助が低速領域だけに限定さ
れることになる。
【0033】前記モータコントロール回路53は急発進
の危険防止と電池の保護のため起動電流を検出し制限す
るようになっている。すなわち、前記トランジスタTr2
に直列に接続した抵抗R10及びコンパレータCMは起動
時に過電流が流れないように電流を制御する。具体的に
は、電流の増加により抵抗R10の端子電圧が上昇し過ぎ
ると、コンパレータCMの出力がローレベルとなり、こ
れにより差動増幅器AMの出力がローレベルとなってト
ランジスタTr2がオフし、抵抗R10の端子電圧が低下す
るとコンパレータCMの出力がハイレベルとなり、これ
により差動増幅器AMの出力がハイレベルとなってトラ
ンジスタTr2がオンするようになっている。これによ
り、起動時に過大な加速度が作用することと電池23に
過電流が流れるのを防止している。前記モータコントロ
ール回路53は、トランジスタTr1がオンすると、差動
増幅器AMの出力レベルがハイレベルとなってトランジ
スタTr2がオン動作し、逆にトランジスタTr1がオフす
ると、差動増幅器AMの出力レベルがローレベルとなっ
てトランジスタTr2がオフ動作する。
【0034】このような構成の動力補助装置は、既存の
自転車の左側ペダルクランク14b及び軸継手44を取
り外し、ペダルクランク軸27に第2のトルク伝達板2
8を固定すると共にギヤケース16を車体に固定した
後、軸継手44を第1のトルク伝達板36に固定し、さ
らに左側ペダルクランク14bを軸継手44に締付けナ
ット45で固定する。このように既存の自転車に簡単に
取り付けることができる。
【0035】ペダルの踏み込み動作を行わない状態では
スプリング34の力により第1のトルク伝達板36はギ
ヤ円盤部材35から離れている。この状態でペダル15
a,15bの踏み込みを行うと、第1のトルク伝達板3
6がペダルクランク14bにより回転し、第1のトルク
伝達板36の斜傾突起39の傾斜面が第2のトルク伝達
板28の斜傾突起33の傾斜面に接触し、第1のトルク
伝達板36は回転しながらペダルクランク軸27の軸方
向へ移動する。
【0036】位置検出センサ47は最初は第1のトルク
伝達板36の突出部43を検出しているが、第1のトル
ク伝達板36のペダルクランク軸27の軸方向への移動
により、やがて位置検出センサ47の検出視野から外れ
る。これによりトランジスタTr1がオン動作し、差動増
幅器AMの出力レベルがハイレベルとなってトランジス
タTr2がオン動作する。こうして電動機17への通電が
開始され、減速機23が動作する。第1のトルク伝達板
36は回転と共にペダルクランク軸27の軸方向へ移動
し、やがてギヤ円盤部材35に第1のトルク伝達板36
が圧接するようになる。なお、第2のトルク伝達板28
はすでにギヤ円盤部材35に接触している。
【0037】各トルク伝達板36,28がギヤ円盤部材
35に圧接すると、ギヤ円盤部材35の駆動トルクが第
1の摩擦摺動部材41を介して第2のトルク伝達板28
に伝達されると共に第2の摩擦摺動部材42を介して第
1のトルク伝達板36に伝達される。このとき各トルク
伝達板36,28に伝達されるトルクの大きさは、ギヤ
円盤部材35と各トルク伝達板36,28との挟持力と
摩擦摺動部材41,42の摩擦係数と摩擦面の平均半径
の積で定まる。従って、ギヤ円盤部材35から第2の摩
擦摺動部材42を介して第1のトルク伝達板36に伝達
されるトルクの方がギヤ円盤部材35から第1の摩擦摺
動部材41を介して第2のトルク伝達板28に伝達され
るトルクよりも大きくなる。
【0038】こうして第1のトルク伝達板36には人力
によるペダルトルクに加えて電動機17からの動力によ
るトルクが加わって傾斜係合部の作用力が増加する。従
って、各トルク伝達板36,28によりギヤ円盤部材3
5を挟持する圧接力も増加し、電動機17から伝達され
るトルクはさらに増加する。このため、左側のペダル1
5bからの人力によるトルクが減少しても、また、右側
のペダル15aを踏み込むサイクルになっても、電動機
17の動力による伝達トルクにより各トルク伝達板3
6,28と円盤部材35との圧接力を十分に維持でき
る。
【0039】また、左側のペダル15bが上死点に達し
た時には第1のトルク伝達板36の突出部43に設けた
突起48を位置検出センサ47が検出して電動機17の
動作を一時的に停止する。また、車速に対する電動機
(モータ)17の出力特性及びクランク軸の補助トルク
の特性は図11に示すようになる。
【0040】このように、人力によるペダル駆動トルク
に比例したトクル補助が容易に実現できる。また、電動
機として垂下トルク特性を有するモータを使用し、この
モータの起動トルクを一定値以下に制限しているので、
発進時や低速時に最終段ギヤの回転速度が人力によるペ
ダルの回転速度よりも大きくなり、摩擦摺動部材の摩擦
力による動力補助を十分に行うことができる。
【0041】また、ペダル15a,15bを任意の位置
で停止させることがあると、第1のトルク伝達板36の
斜傾突起39の傾斜面と第2のトルク伝達板28の斜傾
突起33の傾斜面との係合が外れて第1のトルク伝達板
36はギヤ円盤部材35との圧接を解除するので、ペダ
ルは違和感無く停止する。また、ペダル15a,15b
を逆回転させるときには第1のトルク伝達板36はフリ
ーとなっているのでスムーズに逆回転させることができ
自転車感覚を損なうことはない。
【0042】なお、この実施例では第1のトルク伝達板
36と第2のトルク伝達板28とでギヤ円盤部材35を
挟持して圧接する構成としたが必ずしもこれに限定する
ものではなく、図12に示すように最終段ギヤ21を取
り付けるギヤ円盤部材61の構成を第1のトルク伝達板
62と第2のトルク伝達板63を内部に収納し、ペダル
15bを踏み込んだとき各トルク伝達板62、63が互
いに離間する方向に移動して摩擦摺動部材64,65と
圧接する構成であってもよい。この場合、各トルク伝達
板62、63に形成する傾斜突起の傾斜面の向きは前記
実施例とは逆向きとなり、第1のトルク伝達板62がペ
ダル15bの踏み込みで回転すると各トルク伝達板6
2、63の傾斜突起の傾斜面の接触により各トルク伝達
板62、63が互いに離間するようにクランク軸方向に
移動することになる。
【0043】
【発明の効果】以上、本発明によれば、市販されている
普通自転車に簡単に取付けてペダルの踏込み力に比例し
た駆動力を補助でき、汎用性を向上できる。
【0044】また、例えば、第1のトルク伝達板を左側
のペダルクランクを連結したペダル連結軸に固定してい
る場合に、左足のペダル踏み込み力が減少したり、右足
がペダル操作しているサイクルにおいても傾斜係合部に
よるペダルクランク軸の軸方向の分力を維持して良好な
動力補助を行うことができる。
【0045】また、電動機として垂下トルク特性を有す
るモータを使用し、このモータの起動トルクを一定値以
下に制限することで、発進時や低速時に最終段ギヤの回
転速度が人力によるペダルの回転速度よりも大きくな
り、摩擦摺動部材の摩擦力による動力補助を十分に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す自転車の斜視図。
【図2】同実施例の自転車を車体フレームを省略して上
から見た図。
【図3】同実施例の左側クランク軸部の部分断面図。
【図4】同実施例の第1のトルク伝達板の斜視図。
【図5】同実施例の第2のトルク伝達板の斜視図。
【図6】同実施例の第1のトルク伝達板の左右の側面図
及び断面図。
【図7】同実施例の第2のトルク伝達板の左右の側面図
及び断面図。
【図8】同実施例の最終段ギヤ及びギヤ円盤部材の構成
を示す図で、(a) は第2のトルク伝達板と対向する面の
斜視図、(b) は第1のトルク伝達板と対向する面の側面
図。
【図9】同実施例の制御回路を示すブロック図。
【図10】図9のモータコントロール回路の具体回路構
成を示す回路図。
【図11】同実施例の車速に対するモータ出力特性及び
ペダルクランク軸の補助トルク特性を示すグラフ。
【図12】トルク伝達板とギヤ円盤部材からなるトルク
伝達部の他の実施例を示す部分断面図。
【符号の説明】
14a,14b…ペダルクランク 16…ギヤケース 17…電動機 21…最終段ギヤ 23…減速機 27…ペダルクランク軸 28…第2のトルク伝達板 33,39…傾斜突起 35…ギヤ円盤部材 36…第1のトルク伝達板 41,42…摩擦摺動部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池を電源として駆動する電動機及びこ
    の電動機の回転を減速ギアを介して伝達する減速機を備
    え、この減速機の出力をペダルクランク軸に伝達して動
    力を補助する自転車用動力補助装置において、 ペダルクランクを連結したペダル連結軸に固定し、前記
    ペタルクランクの回転力を受けて回転する第1のトルク
    伝達板と、前記ペダルクランク軸に固定し、このペダル
    クランク軸と一体に回転する第2のトルク伝達板と、前
    記第1のトルク伝達板が前記ペタルクランクの回転力を
    受けて回転したとき、この第1のトルク伝達板を前記第
    2のトルク伝達板に係合するとともに前記ペダルクラン
    ク軸の軸方向に移動させ、前記減速機の出力を外部に伝
    達する最終段ギヤの板面に前記各トルク伝達板を圧接さ
    せる斜傾係合部と、前記最終段ギヤの板面に前記各トル
    ク伝達板が圧接したとき、前記減速機の駆動トルクを前
    記各トルク伝達板に伝達する摩擦摺動部材とを設けたこ
    とを特徴とする自転車用動力補助装置。
  2. 【請求項2】 摩擦摺動部材による第1のトルク伝達板
    への伝達トルクを第2のトルク伝達板への伝達トルクよ
    りも大きく設定したことを特徴とする請求項1記載の自
    転車用動力補助装置。
  3. 【請求項3】 電動機として垂下トルク特性を有するモ
    ータを使用し、このモータの起動トルクを一定値以下に
    制限することを特徴とする請求項1又は2記載の自転車
    用動力補助装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102019115654B4 (de) 2018-10-02 2022-12-15 GM Global Technology Operations LLC System zum Verhindern des harten Eingriffs einer Freilaufkupplung in einem Fahrzeug

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DE102019115654B4 (de) 2018-10-02 2022-12-15 GM Global Technology Operations LLC System zum Verhindern des harten Eingriffs einer Freilaufkupplung in einem Fahrzeug

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