JPH08251702A - 鉄道車両搭載機器の管理装置および管理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】鉄道車両搭載機器をきめ細かく監視し、適切な
時期に保守ができるようにして無駄を配し、コストを下
げることができるようにした鉄道車両搭載機器の管理装
置および監視方法を提供する。 【構成】保守のため、搭載機器２０の動作履歴を記録す
るようにした鉄道車両搭載機器２０の管理装置１０であ
って、機器情報伝送手段３０と、モニタ部４０と、地上
伝送手段５０と、地上設備６０とを備え、搭載機器２０
の保守の対象とするものには、機器特定番号が付される
とともに、保守管理特性値の記録部２１が設けられ、機
器情報伝送手段３０は、モニタ部４０と搭載機器２０と
の間の情報を媒介するものであり、モニタ部４０は、機
器情報伝送手段３０からの情報を受け、管理する搭載機
器２０の情報を整理して記録するものであり、地上伝送
手段５０は、モニタ部４０に整理して記録された情報を
地上設備６０に伝送する媒体であり、地上設備６０は、
管理する搭載機器２０の履歴を記録するとともに監視
し、保守基準に従って保守情報を発するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、保守のため、搭載機器
の動作履歴を記録するようにした鉄道車両搭載機器の管
理装置および管理方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、鉄道車両搭載機器の保守管理は、
異常があったり故障があったときに修理あるいは交換す
る場合と、時間的に劣化をするような性質の搭載機器の
場合は大枠の時間のなかで定期的に交換するなどの考え
方があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術では、異常や故障が発生してから保守を
していたのでは、鉄道車両の運行に支障を来すことにな
って適切でなく、各搭載機器を定期的に交換する場合
は、搭載機器ごとの細かな時間管理がなされていないの
で、異常が発生する前の余裕のある時期に保守あるいは
交換をすることになり、保守の必要のない場合であって
も保守あるいは交換がなされるので、無駄が生じ、コス
トが嵩むことになるという問題点があった。

【０００４】本発明は、このような従来の技術が有する
問題点に着目してなされたもので、鉄道車両搭載機器を
きめ細かく監視し、適切な時期に保守ができるようにし
て無駄を配し、コストを下げることができるようにした
鉄道車両搭載機器の管理装置および監視方法を提供する
ことを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。

【０００６】１ 保守のため、搭載機器（２０）の動作
履歴を記録するようにした鉄道車両搭載機器（２０）の
管理装置（１０）であって、機器情報伝送手段（３０）
と、モニタ部（４０）と、地上伝送手段（５０）と、地
上設備（６０）とを備えて成り、前記搭載機器（２０）
の保守の対象とするものには、機器特定番号が付される
とともに、保守管理特性値の記録部２１が設けられ、前
記機器情報伝送手段（３０）は、前記モニタ部（４０）
と前記搭載機器（２０）との間の情報を媒介するもので
あり、前記モニタ部（４０）は、前記機器情報伝送手段
（３０）からの情報を受け、管理する搭載機器（２０）
の情報を整理して記録するものであり、前記地上伝送手
段（５０）は、前記モニタ部（４０）に整理して記録さ
れた情報を前記地上設備（６０）に伝送する媒体であ
り、前記地上設備（６０）は、管理する搭載機器（２
０）の履歴を記録するとともに監視し、保守基準に従っ
て保守情報を発するものである、鉄道車両搭載機器（２
０）の管理装置（１０）。

【０００７】２ 項１記載の鉄道車両搭載機器（２０）
の管理装置（１０）において、前記モニタ部（４０）
は、管理する搭載機器（２０）の履歴を記録するととも
に監視し、保守基準に従って保守情報を発する機能を有
する、鉄道車両搭載機器（２０）の管理装置（１０）。

【０００８】３ 項１記載の鉄道車両搭載機器（２０）
の管理装置（１０）において、前記地上設備（６０）
は、管理する搭載機器（２０）の履歴の、再設定情報お
よび機器特定番号の設定情報を配信する機能を有するも
のである、鉄道車両搭載機器（２０）の管理装置（１
０）。

【０００９】４ 保守のため、搭載機器（２０）の動作
履歴を記録するようにした鉄道車両搭載機器（２０）の
管理方法であって、前記搭載機器（２０）の保守の対象
とするものには、機器特定番号が付すとともに、保守管
理特性値を記録し、モニタ部（４０）毎に、管理する搭
載機器（２０）の情報を整理して記録し、前記モニタ部
（４０）に整理して記録された情報を地上設備（６０）
に伝送し、該地上設備（６０）で、管理する搭載機器
（２０）の履歴を記録するとともに監視し、保守基準に
従って保守情報を発する、鉄道車両搭載機器（２０）の
管理方法。

【００１０】

【作用】鉄道車両搭載機器（２０）の管理装置（１０）
は、搭載機器（２０）の動作履歴を記録し、必要に応じ
て保守情報を発するものである。各搭載機器（２０）で
保守の対象とするものには、機器特定番号が付され、各
搭載機器（２０）に設けられた記録部２１には、当該搭
載機器（２０）に応じた時間，回数，距離等の保守管理
特性値が記録される。各搭載機器（２０）に記録された
保守管理情報は、機器情報伝送手段（３０）に媒介され
てモニタ部（４０）に伝送される。

【００１１】機器情報伝送手段（３０）から搭載機器
（２０）の情報を受けたモニタ部（４０）は、管理する
搭載機器（２０）の情報を整理して記録する。モニタ部
（４０）に整理して記録された情報は、シリアル伝送回
線あるいはディスクやカード等の地上伝送手段（５０）
により地上設備（６０）に伝送される。地上設備（６
０）は、踏査行き来全ての情報を受けて把握し、管理す
る搭載機器（２０）の履歴を記録するとともに監視し、
保守基準に従って保守情報を発する。

【００１２】モニタ部（４０）は、その管理する搭載機
器（２０）の履歴を記録するとともに監視し、保守基準
に従って保守情報を発することもある。また、地上設備
（６０）は、あらかじめ付されていなかったり、再設定
が必要であった場合に、管理する搭載機器（２０）の履
歴の、再設定情報および機器特定番号の設定情報を配信
することがある。

【００１３】鉄道車両搭載機器（２０）の管理方法とし
ては、搭載機器（２０）の保守の対象とするものには機
器特定番号が付すとともに、保守管理特性値を記録し、
モニタ部（４０）毎に、管理する搭載機器（２０）の情
報を整理して記録し、モニタ部（４０）に整理して記録
された情報を地上設備（６０）に伝送し、該地上設備
（６０）で、管理する搭載機器（２０）の履歴を記録す
るとともに監視し、保守基準に従って保守情報を発する
ものである。

【００１４】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の一実施例を説明
する。図１および図２は本発明の一実施例を示してい
る。図２は鉄道車両の編成の一例を示しており、縦の２
点鎖線で仕切られた区画Ａ〜Ｅが各種タイプの鉄道車両
をモデル的に示している。先頭車両Ａと最後尾車両Ｅは
モニタ表示設定器およびモニタ制御装置を有している高
機能車両である。車両Ｄは、モニタ表示設定器と簡易制
御装置を有し、編成の中の機能を分担している。車両
Ｂ，Ｃはモニタ表示設定器も制御装置も有しておらず、
高機能車両Ａ，Ｅ，Ｄに従属している。

【００１５】各車両Ａ〜Ｅは、それぞれ当該編成で走行
し、制動し、制御され、その他、各種の機械的，電気的
な動作をする。また、編成を変えることもあり、車両の
装備機器も保守され、交換されたり取り外されたりする
こともある。

【００１６】図２は鉄道車両搭載機器の管理装置１０を
示しており、管理装置１０は、前記のような鉄道車両の
搭載機器の動作履歴を記録し、当該記録を保守の情報と
して利用するもので、搭載機器２０に接続する機器情報
伝送手段３０と、モニタ部４０と、地上伝送手段５０
と、地上設備６０とを備えて成る。

【００１７】保守の対象とする搭載機器２０は前記のよ
うに各種多数存在し、それらには機器特定番号が付され
るとともに、時間や回数等の保守管理特性値の記録部２
１が設けられている。

【００１８】機器特定番号は、例えば、図３に示すＡ〜
Ｇの７桁の機器コードと図４に示す１０桁の製造番号よ
り成る。図３に示す７桁の機器コードは、図５に示すよ
うに、頭の２桁Ａ，Ｂに各搭載機器を割り付け、図６に
示すように、次の２桁Ｃ，Ｄにより具体的な機器名を割
り当て、Ｅ，Ｆ，Ｇはさらに細かく分類したり、上５桁
には当てはまらないで表わし切れないような場合に割り
当てられる。

【００１９】機器特定番号は、当該搭載機器が存在し始
めたときに特有の値として付されることができる。ま
た、管理装置１０の利用を始める時点では未だ付されて
いない可能性があることから、当該時点、あるいは、対
象とする搭載機器を定めた時点で、付されるものであっ
てもよい。

【００２０】機器情報伝送手段３０は、モニタ部４０と
搭載機器２０との間の情報を媒介するもので、例えば、
シリアル伝送手段とすることができ、搭載機器２０と機
器情報伝送手段３０との間で、機器特定番号をキーとし
て時間や回数等の保守管理特性値を伝送するものであ
る。

【００２１】図７および図８は多岐多種にわたる搭載機
器２０の保守管理特性値を分類して示した図表である。
大分類、中分類、履歴管理対象までは機器特定番号で特
定される性質のものである。管理項目の欄は保守管理特
性値を示しており、回数，時間，走行距離等の値があ
り、機器の動作履歴を評価できる値であればその他の種
類の特性値でもよい。

【００２２】モニタ部４０は、機器情報伝送手段３０か
ら搭載機器２０の機器特定番号および保守管理特性値等
の情報を受け、管理する搭載機器２０についてはそれら
の情報を整理して記録するものであり、前記車両Ａ〜Ｅ
のモニタ表示設定器，モニタ制御装置あるいはモニタ端
末器に装備される。

【００２３】地上伝送手段５０は、モニタ部４０に整理
して記録された情報を地上設備６０に伝送する媒体であ
り、オンライン伝送手段のほか、ＩＣカードやフロッピ
ディスク等の記録媒体も含まれる。

【００２４】地上設備６０は、管理する搭載機器２０の
履歴を記録するとともに監視し、保守基準に従って保守
情報を発するものであり、通常は大型コンピュータやワ
ークステーションであり、パソコンでもよく、規模の拡
大に合わせて分散処理するようなものであってもよい。

【００２５】モニタ部４０は、地上設備６０の一部の機
能を分担してもよい。すなわち、モニタ部４０に、管理
する搭載機器２０の情報を整理して記録するだけでな
く、履歴を監視し、保守基準に従って保守情報を発する
機能を持たせるものである。

【００２６】前記のように、機器特定番号は、管理装置
１０の利用を始める時点では未だ付されておらず、対象
とする搭載機器を定めた時点で、付されるようにするこ
とができる。この場合、地上設備６０は、機器特定番号
が付されていない機器を管理下に置く場合は、先ず、機
器特定番号の設定情報を配信する機能を有する。また、
地上設備６０は、管理する搭載機器２０を再設定し、そ
の再設定情報および変える必要があれば機器特定番号の
設定情報を配信する機能を有する。

【００２７】次に作用を説明する。鉄道車両搭載機器２
０の管理装置１０は、搭載機器２０の動作履歴を記録
し、必要に応じて保守情報を発するものである。

【００２８】各搭載機器２０で保守の対象とするものに
は、機器特定番号が付され、各搭載機器２０に設けられ
た記録部２１には、当該搭載機器２０に応じた時間，回
数，距離等の保守管理特性値が記録される。機器特定番
号の付与基準は図３〜図６に示されているとおりであ
り、保守管理特性値は、図７および図８に示すように搭
載機器の性質に応じたものである。

【００２９】各搭載機器２０に記録された保守管理情報
は、図１において機器特定番号をＩＤとしカウントデー
タとして機器情報伝送手段３０に媒介されてモニタ部４
０に伝送される。

【００３０】機器情報伝送手段３０から搭載機器２０の
情報を受けたモニタ部４０は、管理する搭載機器２０の
情報を整理して記録する。モニタ部４０に整理して記録
された情報は、シリアル伝送回線あるいはディスクやカ
ード等の地上伝送手段５０により地上設備６０に伝送さ
れる。この伝送のタイミングはあらかじめ定めておいた
一定の時刻や時間間隔、あるいは人手操作による。

【００３１】地上設備６０は、搭載機器全ての情報を受
けて把握し、管理する搭載機器２０の履歴を記録すると
ともに監視し、保守基準に従って保守情報を発する。地
上設備６０に記憶された情報は、モニタ部４０からの要
求や設定等により地上設備６０からモニタ部４０あるい
は搭載機器２０に伝送される。図１ではわかり易くする
ため地上設備６０と搭載機器２０とがテンプレートの形
式で直接に送られるように記載してあるが、伝送は、地
上伝送手段５０あるいは機器情報伝送手段３０によりな
される。

【００３２】また、地上設備６０は、前記のように車上
の搭載機器２０の情報の読み出しを記録側と同一のテン
プレートで行ない、読み出し履歴を管理するほか、動作
時間等の保守管理特性値を機器単位や部品単位で表示
し、再設定情報の編集や出力を行なっている。さらに進
んでデータベースを構築してもよい。

【００３３】機器特定番号が付されていない機器を管理
下に置く場合、地上設備６０は、先ず、機器特定番号の
設定情報を配信する。この機器特定番号の付与基準は図
３〜図６に示されているとおりである。自動的に機器特
定番号の設定ができればよいが、できない場合は、付与
基準に従って人が設定し、それを入力し、図１において
プリセットデータとして配信することになる。

【００３４】また、保守の結果として機器を更新したよ
うな場合、地上設備６０は、管理する搭載機器２０を再
設定し、その再設定情報および変える必要があれば機器
特定番号の設定情報を図１においてプリセットデータと
して配信する。

【００３５】モニタ部４０は、その管理する搭載機器２
０の履歴を記録するとともに監視し、保守基準に従って
保守情報を発することもある。

【００３６】

【発明の効果】本発明に係る鉄道車両搭載機器の管理装
置および管理方法によれば、搭載機器の履歴を記録する
とともに監視し、保守基準に従って保守情報を発して一
元的に保守管理をするようにしたので、機器故障の予防
保全を行なって支障のない車両の運行をすることがで
き、部品交換等も無駄なく効率よくすることができ、全
体として、鉄道車両搭載機器をきめ細かく監視し、適切
な時期に保守ができるようにして無駄を配し、コストを
下げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る鉄道車両搭載機器の管
理装置を示すブロック図である。

【図２】本発明の一実施例に係る鉄道車両の編成の一例
をモデル的に示した説明図である。

【図３】本発明の一実施例に係る鉄道車両搭載機器の管
理装置の機器特定番号の機器コードを示す説明図であ
る。

【図４】本発明の一実施例に係る鉄道車両搭載機器の管
理装置の機器特定番号の製造番号を示す説明図である。

【図５】本発明の一実施例に係る鉄道車両搭載機器の管
理装置の機器特定番号の機器コードの付け方を示す図表
である。

【図６】本発明の一実施例に係る鉄道車両搭載機器の管
理装置の機器特定番号の機器コードの付け方を示す図表
である。

【図７】本発明の一実施例に係る鉄道車両搭載機器の管
理装置の車両情報の内容を示す図表である。

【図８】本発明の一実施例に係る鉄道車両搭載機器の管
理装置の車両情報の内容を示す図表である。

【符号の説明】 １０…管理装置２０…搭載機器２１…記録部３０…機器
情報伝送手段４０…モニタ部５０…地上伝送手段６０…
地上設備

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 行一 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】保守のため、搭載機器の動作履歴を記録す
   るようにした鉄道車両搭載機器の管理装置であって、機
   器情報伝送手段と、モニタ部と、地上伝送手段と、地上
   設備とを備えて成り、前記搭載機器の保守の対象とする
   ものには、機器特定番号が付されるとともに、保守管理
   特性値の記録部が設けられ、前記機器情報伝送手段は、
   前記モニタ部と前記搭載機器との間の情報を媒介するも
   のであり、前記モニタ部は、前記機器情報伝送手段から
   の情報を受け、管理する搭載機器の情報を整理して記録
   するものであり、前記地上伝送手段は、前記モニタ部に
   整理して記録された情報を前記地上設備に伝送する媒体
   であり、前記地上設備は、管理する搭載機器の履歴を記
   録するとともに監視し、保守基準に従って保守情報を発
   するものである、鉄道車両搭載機器の管理装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の鉄道車両搭載機器の管理装
   置において、前記モニタ部は、管理する搭載機器の履歴
   を記録するとともに監視し、保守基準に従って保守情報
   を発する機能を有する、鉄道車両搭載機器の管理装置。
3. 【請求項３】請求項１記載の鉄道車両搭載機器の管理装
   置において、前記地上設備は、管理する搭載機器の履歴
   の、再設定情報および機器特定番号の設定情報を配信す
   る機能を有するものである、鉄道車両搭載機器の管理装
   置。
4. 【請求項４】保守のため、搭載機器の動作履歴を記録す
   るようにした鉄道車両搭載機器の管理方法であって、前
   記搭載機器の保守の対象とするものには、機器特定番号
   が付すとともに、保守管理特性値を記録し、モニタ部毎
   に、管理する搭載機器の情報を整理して記録し、前記モ
   ニタ部に整理して記録された情報を地上設備に伝送し、
   該地上設備で、管理する搭載機器の履歴を記録するとと
   もに監視し、保守基準に従って保守情報を発する、鉄道
   車両搭載機器の管理方法。