JPH0825139A - 台金研磨機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 グラインダー取付台の左右水平回動調節作動
および砥石に対する鋸歯の入角を大きく取ることで、振
分けあさり状に付設されたチップソーや鋸歯の掬い面や
二番面ナゲシを正確に研磨して切れ味を良好ならしめる
とともに、台金全体をバランスの取れた形状に仕上げ
る。 【構成】 変角調節のできる砥石８を軸架したグライン
ダー装置５を備え、全体が回動軸３を軸として左右方向
に水平回動調節ができるグラインダー取付台２と、回動
支持軸１３を軸として、レバー３８の前後進回動によ
り、取付軸２１に軸架され、周縁に複数の鋸歯２４を設
けた台金２３を砥石８に対し擺動させる装置１９を対設
する。固定台１の後部には、台金２３に設けた鋸歯２４
の歯底２６の一つに係合する係合ピン３４を備えたスト
ッパー装置３９を配設する。回動支持軸１３を軸芯Ｄを
レバー３８の前進回動始動位置Ａにおいて、取付軸２１
の軸芯を通る横軸中心線より下方に位置せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、使用によって摩耗し、
切れ味不良となった振分けあさりの台金に付設されたチ
ップソーあるいは鋸歯の掬い面および二番面ナゲシを簡
単に研磨して切れ味良好ならしめる許りか、台金もバラ
ンスの取れた形状に仕上げることができる台金研磨機の
改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】さきに本出願人は、複数の鋸歯周縁にチ
ップソーを付設した台金であっても、ハンドルの単なる
往復回動操作と、グラインダー取付台の前後移動調節作
動、左右回動調節作動および係止装置との係止作動とに
よりチップソーの掬い面や二番面ナゲシを研磨して、切
れ味良好に研磨せしめると同時に、台金の外形もバラン
スの取れた形状に仕上げることができるチップソー等の
研磨機を開発し、これを特願平５−２８４０３２号とし
て出願した。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述発明に
係るチップソー等の研磨機においては、振分けあさりの
台金を対象として発明したものでなかったので、振分け
あさり状に付設されたチップソーあるいは鋸歯の掬い面
や二番面ナゲシを上述の研磨機により正確に研磨するこ
とができない。

【０００４】その上、図８に示された如く台金を装着し
た取付軸の軸芯Ｂと、台金をハンドルの往復操作により
砥石に対し弧状前進擺動させるための回動体の軸芯Ｄと
は、ともに、取付軸の軸芯Ｂを通る横軸中心線Ｙ上に設
けられていたので、ハンドルの往復操作により台金を回
動体を軸として砥石に向け弧状前進擺動させた場合に
は、砥石に向う鋸歯の入角Ｅが小さいため、チップソー
あるいは鋸歯の歯先が砥石に突き当たって研磨され、掬
い面全体を平均に砥石に当てて研磨することができない
ため所期の目的を達成させることができないという問題
点を有していた。

【０００５】本発明は、直径や歯型が相違する振分けあ
さり状を呈するチップソー付き台金あるいはチップソー
のない丸鋸であっても、砥石の前後傾動調節作動、グラ
インダー取付台の左右水平回動調節作動および砥石に対
する鋸歯の入角を大きく取ることで、振分けあさり状に
付設されたチップソーや鋸歯の掬い面や二番面ナゲシを
正確に研磨して切れ味を良好ならしめるとともに、台金
全体をバランスの取れた形状に仕上げることができる台
金研磨機を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の台金研磨機においては、第１項の構成は、
固定台の前後位置に、支持軸を軸として垂直面に対し前
後方向に同一傾斜角度、変角調節ができる砥石を軸架し
たグラインダー装置を備え、しかも全体が回動軸を軸と
して左右方向に水平回動調節ができるグラインダー取付
台と、回動支持軸を軸として、レバーの前後進回動によ
り取付軸に軸架され、周縁に複数の鋸歯を設けた台金を
砥石に対し弧状前進擺動あるいは弧状後進擺動させる擺
動装置を対設し、前記固定台の後部一側には、台金に設
けた複数の歯底の一つに係合する係合ピンを備えたスト
ッパー装置を配設するとともに、回動支持軸の軸芯をレ
バーの前進回動始動位置において、取付軸の軸芯を通る
横軸中心線より下方に位置せしめたものである。

【０００７】また、本発明の第２項の構成は、擺動装置
は、砥石に対し前後方向に移動調節ができる移動台と、
基端側を回動支持軸により移動台に対し回動自在に軸架
され、自由端側に台金を取外し自在に装着した取付軸を
立設した擺動杆とにより構成したものである。

【０００８】また、本発明の第３項の構成は、ストッパ
ー装置は、台金に対し前後移動調節ができる移動取付台
と、前記移動取付台に立設され、上端側に台金の歯底に
係合する係合ピンを上向きに立設した可動板を固着した
支持軸と、該支持軸に巻装され、その一端を可動板に係
着して係止ピンを歯底に向け弾圧係合させる弾機とによ
り構成したものである。

【０００９】また、本発明の第４項の構成は、支持軸の
軸心および垂直状態の砥石の中心を通る縦軸中心線と、
砥石の軸芯を通る横軸中心線との交点を砥石の傾動中心
点としたものである。

【００１０】その上、本発明の第５項の構成は、回動軸
の軸心を通る縦軸中心線が砥石の切削面の中心を通るよ
うに砥石を回動軸上方に位置せしめたものである。

【００１１】

【作用】台金の周縁に振分けあさり状に付設されたチッ
プソーの掬い面および二番面ナゲシを研磨して切れ味良
好ならしめると同時に、台金全体の形状をバランスの取
れた形状に仕上げる場合について説明する。レバーを図
３に示されたＡ点位置にセットする。さすれば、回動支
持軸の軸芯は、取付軸の軸芯を通る横軸中心線よりも下
方に位置される。

【００１２】この状態のもとで、取付軸へ緊定すること
なく台金を嵌合し、次いで、台金に設けた鋸歯の一つに
砥石が位置されるように移動台を前進させた後、砥石の
切削面にチップの掬い面が均一に当たるように台金を回
動調節すると同時に、グラインダー取付台も回動軸を軸
として水平回動調節し、次に台金およびグラインダー取
付台を固定する。

【００１３】さすれば、鋸歯形状が異なる台金であって
も、上述の調節作動により簡単に、砥石の切削面とチッ
プの掬い面とが一致するようにセットすることができる
許りか、台金の直径が大きい場合には移動台をグライン
ダー取付台に対し後進移動させ、また直径が小さい場合
には前方に前進移動させれば、台金と砥石とを正確な位
置にセットすることができる。

【００１４】次に、グラインダー取付台の一側に軸架さ
れたグラインダー装置を支持軸を軸として上方向に回動
させ、砥石が所定の傾斜角度（例えば１５度）となるよ
うに変角調節する。

【００１５】次に、ストッパー装置を設けた移動取付台
を前方に移動し、係合ピンを鋸歯の歯底に弾機の作動で
適確に弾圧係合せしめる。

【００１６】以上の調節作動が終了したら、レバーをＡ
位置よりＡ′位置に向け前進回動させると、台金も回動
支持軸を軸として反時計方向に擺動される擺動装置によ
り鋸歯２駒分だけ反時計方向に向け不回動状態のまま擺
動されながら砥石に対し弧状後進擺動され、係止ピンに
係止される。

【００１７】そこで、砥石を高速回転させると同時に、
レバーをＡ′位置よりＡ位置に向け後進回動させれば、
図７に示されたように擺動装置の擺動作動で取付軸の軸
芯Ｂ′はＢ位置に移行し、これに伴い台金もＣ′位置よ
りＣ位置に向け不回動状態のもとに砥石に向け弧状前進
擺動される。

【００１８】ところで、上述の如き擺動時に際しては、
擺動杆の回動基点である回動支持軸の軸芯Ｄは、取付軸
の軸芯Ｂを通る横軸中心線Ｙ′より下方に位置されてい
るので、台金を砥石に向け弧状前進擺動させた際には切
削面に対する鋸歯の入角Ｅ′が大きくなり、歯先のみが
切削面に突き当たって切削されるのが防止され、掬い面
全体が平均に当たり切削される。

【００１９】以上の作動で、一つのチップの掬い面が所
定の傾斜角度をもって切削されたら、レバーＡ位置と
Ａ′位置との間を鋸歯数の半分回数だけ前後進回動操作
を反復させれば、台金は鋸歯２駒分反時計方向に擺動さ
れた後、砥石に向け弧状前進擺動され、１つおきのチッ
プの掬い面を正確に切削し振り分けあさりの片方の切削
作業を完了する。

【００２０】以上のようにして、片方のチップの掬い面
の切削作業が完了したら、レバーをＡ位置にセットした
まま、台金を鋸歯１駒分だけずらすように回動して緊定
するとともに、グラインダー装置を支持軸を軸として下
方向に向け、さきの回動範囲と同一回動範囲、反転さ
せ、砥石を前と反対方向に向け同一傾斜角度だけ変角調
節した後、レバーをＡ位置とＡ′位置との間を鋸歯数の
半分回数だけ前後進回動操作すれば、振分けあさりの他
方のチップの掬い面が前述と同様に１駒おきに所定の傾
斜角度のもとに切削される。

【００２１】ところで、グラインダー装置を反転して、
未切削の他方の掬い面を切削しようとした際には、図４
に示されたように支持軸の軸芯および垂直状態の砥石の
中心を通る縦軸中心線Ｘと、砥石の軸芯を通る横軸中心
線Ｙとの交点が砥石の傾動中心点Ｚとしてあるから、グ
ラインダー装置を上下方向に回動して砥石を前後方向に
向け反転傾斜させても傾斜角度を正確に左右同一に変角
調節し、振分けあさり状に付設されたチップソーの掬い
面を左右同一の傾斜角度のもとに切削することができ
る。

【００２２】また、図６に示されたように、回動軸の軸
芯を通る縦軸中心線Ｘ′が砥石の切削面の中心を通るよ
うに砥石を回動軸上方に設けてあるので、切削作業時に
あっては、チップの掬い面を切削面の中心部に集中せし
めて切削し、砥石が変形摩耗されることなく、長期の使
用を可能ならしめることができる。

【００２３】次に、チップソーの二番面ナゲシを切削加
工する場合について説明する。

【００２４】レバーをＡ位置にセットし、次いで、片方
のチップの二番面ナゲシを適度の傾斜角度のもとに所定
の形状に切削できるように、図７の鎖線位置に砥石が位
置されるようにグラインダー取付台を回動軸を軸として
水平回動調節するとともに、グラインダー装置を支持軸
を軸として上方に回動し、砥石を所望の傾斜角度に設定
する。

【００２５】次いで、取付軸に台金を装着した後、移動
台をグラインダー取付台に向け前進させ、砥石の切削面
にチップの二番面ナゲシを当接せしめるとともに、移動
取付台を前進移動させ、ストッパー装置の係止ピンを鋸
歯の歯底に弾圧係止せしめる。

【００２６】次いで、砥石を高速回転させるとともに、
レバーＡ位置とＡ′位置との間を鋸歯数の半分回数だけ
前後進回動操作を行えば、台金は掬い面の切削加工時と
同様に、鋸歯２駒分反時計方向に不回動状態のまま砥石
に対し弧状後進擺動されたり、また、不回動状態のまま
砥石に向け弧状前進擺動されて砥石と接触され、切削面
によりチップソーの片方の二番面ナゲシが順次切削され
る。

【００２７】上記作動によりチップの片方の二番面ナゲ
シが切削されたら、台金を鋸歯１駒分ずらすように回動
せしめるとともに、グラインダー装置を支持軸を軸とし
て下方に反転させ、砥石を同一傾斜角度だけ反時計方向
に変角調節した後、前述と同様にレバーＡ位置とＡ′位
置との間を鋸歯数の半分回数だけ前後進回動操作すれ
ば、未切削の他方のチップの二番面ナゲシが前とはちょ
うど正反対の傾斜角度をもって切削され、振分けあさり
状を呈するチップソーの二番面ナゲシを正確に切削し、
チップソーを切れ味良好に修正研磨せしめると同時に、
台金の外形もバランスの取れた形状に仕上げることがで
きる。

【００２８】なお、以上説明したものは、振分けあさり
の鋸歯に付設したチップソーの研磨加工について説明し
たが、チップソーが付設されていない台金、あるいは振
分けあさりでない丸鋸であっても、本発明の研磨機を使
用して鋸歯の掬い面や二番面ナゲシを容易に切削加工す
ることができる許りか、取付軸と回動支持軸との間隔距
離を変えることにより８枚刃〜１２０枚刃からなる台金
の歯背面の修正研磨も容易に行うことができる。

【００２９】

【実施例】実施例について図面を参照して説明する。

【００３０】図１ないし図７において、１は、前後方向
に長い脚付きの固定台であって、該固定台１の前部側に
は、回動軸３を軸として左右方向に水平回動調節が自由
にできるグラインダー取付台２が配設されており、４
は、回動軸３を固定台１に螺入して緊定せしめるための
ハンドルである。

【００３１】５は、モータ６と、モータ軸７へ垂直に軸
架装着した砥石８とにより構成されたグラインダー装置
であって、該グラインダー装置５は、支持軸９を軸とし
て上下方向に向け回動調節ができるように軸架されてい
る。したがって、シリンダー装置５を支持軸９を軸とし
て同一回動範囲だけ上下回動した時には、砥石８を前後
方向に同一傾斜角度だけ変角調節ができるように構成さ
れている。１０は、支持軸９をグラインダー取付台２に
螺入して緊定するためのハンドルである。

【００３２】なお、グラインダー取付台２にグラインダ
ー装置５を装着する場合には、図４に示されたように支
持軸９の軸芯および垂直状態の砥石８の中心を通る縦軸
中心線Ｘと、砥石８の軸心を通る横軸中心線Ｙとの交点
Ｚを砥石８の傾動中心点として、砥石８を前後方向に同
一傾斜角度だけ変角調節ができるように構成せしめると
ともに、図６に示されたように回動軸３の軸芯を通る縦
軸中心線Ｘ′が砥石８の切削面１１の中心を通るように
砥石８を回動軸３の上方に位置せしめて、切削面１１の
中心部に被切削物が集中されるようにし、切削面１１の
変形摩耗を防止し長期の使用が可能となるように構成さ
れている。

【００３３】１２は、固定台１上の後部右側に縦方向に
沿い前後移動ができるように配設された移動台であっ
て、前記移動台１２は、固定台１側に縦方向に沿い穿孔
した長孔１４内に挿入せしめた回動支持軸１３と、移動
台１２の後部側に縦方向に沿い穿孔した長孔１６内へ挿
入して先端側を固定台１へ螺入せしめた緊定具１５とに
より前後方向に向け移動調節ができるように構成されて
いる。そして、回動支持軸１３は移動台１２上に立設し
た軸受筒１７内に嵌入して軸架せしめるとともに、回動
支持軸１３には圧縮弾機１８を巻装した状態のもとに装
着して回動支持軸１３が妄りに回動されないように制動
せしめてある。

【００３４】軸受筒１７より上方に突出した回動支持軸
１３の先端側には擺動装置１９が固着されている。前記
擺動装置１９は、砥石８に対し前後移動調節ができる移
動台１２と、基端側を回動支持軸１３により移動台１２
に対し回動自在に軸架され、自由端側に台金２３を取外
し自在に装着した取付軸２１を立設した擺動杆２０とに
より構成され、前記取付軸２１には圧縮弾機２２を巻装
状態のもとに装着して、取付軸２１が妄りに左右方向に
回動されないように制動せしめてある。

【００３５】前述した台金２３は、周縁に複数の鋸歯２
４を振分けあさり状に設けるとともに、鋸歯２４・・・
・の先端側にそれぞれチップ２５を付設したものであっ
て、２６は、鋸歯２４の歯底、２７は、掬い面、２８
は、歯先、２９は、二番面ナゲシである。なお、台金２
３は、鋸歯２４にチップ２５を付設しないもの、あるい
は鋸歯２４を振分けあさりに設けないものであってもよ
い。

【００３６】３０は、固定台１上の後部左側に、台金２
３に対し前後移動調節ができる移動取付台３１と、前記
移動取付台３１に立設され、上端側に台金２３の周縁に
複数設けた鋸歯２４の歯底２６に係合する係合ピン３４
を上向きに立設した可動板３３を固着した支持軸３２
と、該支持軸３２に巻装され、その一端を可動板３３に
係止して、係止ピン３４を歯底２６に向け弾圧係合させ
る弾機３５とにより構成されたストッパー装置である。
３６は、固定台１の後部左側に縦方向に沿い穿孔した移
動取付台３１の前後移動用の長孔であり、３７は、その
緊定具である。

【００３７】前述した回動支持軸１３の軸芯位置Ｄは、
図７に示されたように、取付軸２１の軸芯Ｂを通る横軸
中心線Ｙ′よりも下方に位置せしめて、擺動杆２０の一
側に固着したレバー３８の後進回動操作により台金２３
を砥石８に向け弧状前進擺動せしめた際に砥石の切削面
１１に向う鋸歯２４の入角Ｅ′を大きくして歯先２８の
みが切削面１１に突き当たるのを防止し掬い面２７が平
均に切削面１１に当たって均一に切削できるように構成
されている。

【００３８】３９は、レバー３８の前進回動始動位置Ａ
を規定するための位置決め装置であって、前記位置決め
装置３９は、固定台１の後部右側に立設した取付金具４
０の起立片４１に、レバー３８が嵌入係止されるフック
４２を枢着して構成したものであって、前記フック４２
によりレバー３８を係止した際には、レバー３８を前進
回動始動位置Ａに規制せしめ、台金２３の鋸歯２４と砥
石８とが一致できるようにセットすることができる。

【００３９】４３は、レバー３８の前進回動終了位置
Ａ′を規定するためのストッパー杆であって、該ストッ
パー杆４３は回動支持軸１３近傍の移動台１２上に立設
されている。

【００４０】なお、固定台１の後部右側あるいは左側位
置に穿孔された長孔１６，３６の代わりに複数個の調節
孔を縦方向に設けて移動調節せしめてもよい。

【００４１】Ｂは、レバー３８をＡ位置にセットした際
における取付軸２１の位置であり、Ｂ′は、レバー３８
をＡ位置よりＡ′位置に前進回動した際における取付軸
２１の移動位置である。

【００４２】Ｃ，Ｃ′は、レバー３８をＡ位置よりＡ′
位置に向け前進回動させた際における台金２３の移動位
置である。

【００４３】４４は、台金２３を取付軸２１に装着させ
るためのノブナットであり、４５は、移動取付台３１に
立設した可動板３３のストッパー杆である。

【００４４】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されたような効果を奏する。

【００４５】請求項１に記載された発明によれば、グラ
インダー取付台を回動軸を軸として左右方向に水平回動
調節する作動およびグラインダー取付台に設けたグライ
ンダー装置を支持軸を軸として上下方向に回動して砥石
の傾斜角度を前後方向に同一角度変角させる調節作動に
より、砥石を振分けあさりの台金に設けたチップあるい
は鋸歯の掬い面および二番面ナゲシの研磨に適した位置
に設定せしめ、レバーの前後進回動作動で回動支持軸を
軸として擺動する擺動装置および係合ピンと鋸歯との係
合作動により台金を鋸歯２駒分宛擺動させながら砥石に
対し弧状前後進擺動せしめて、振分けあさり状に付設さ
れたチップあるいは鋸歯の掬い面および二番面ナゲシを
自動的に連続して研磨し、切れ味良好ならしめるととも
に、台金の外形もバランスの取れた形状に仕上げること
ができる許りか、研磨作業時に、砥石に向け弧状前進擺
動された鋸歯の入角を極力大きくして、歯先のみが砥石
に当たって研磨されるのを確実になくし、掬い面を均一
に研磨することができる。

【００４６】請求項２に記載された発明によれば、取付
軸に装着される台金の直径が異なる場合にあっても、移
動台の前後移動調節作動と回動支持軸を軸として擺動す
る擺動装置とにより、台金を砥石に対し正確に弧状前後
進擺動させて研磨作業能率の向上を図ることができる。

【００４７】請求項３に記載された発明によれば、直径
や歯型が異なる台金であっても、移動取付台の前後移動
調節作動により係止ピンを鋸歯の歯底へ弾圧係合せしめ
て台金の回動停止作動と送り作動を正確に行うことがで
きる。

【００４８】請求項４に記載された発明によれば、砥石
を傾動中心点を支点として前後方向に向け反転させた場
合にあっても、砥石の傾斜角度を前後同一に変角調節せ
しめて、振分けあさり状に設けられた鋸歯の掬い面を左
右同一に研磨させることができる。

【００４９】請求項５に記載された発明によれば、鋸歯
を砥石の切削面中心部に集中させながら研磨作業を行う
ことができるので、砥石の変形摩耗を防止し、長期の使
用を可能ならしめることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部を縦断し、かつ位置決め装置を取外した台
金研磨機の拡大正面図である。

【図２】一部を縦断した台金の側面図である。

【図３】一部を破断した台金研磨機の平面図である。

【図４】グラインダー取付台とグラインダー装置との正
面図である。

【図５】図４の平面図である。

【図６】図４の側面図である。

【図７】台金の研磨作業時における作用説明図である。

【図８】従来の台金研磨作業時における作用説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 固定台 ２ グラインダー取付台 ３ 回動軸 ５ グラインダー装置 ８ 砥石 ９ 支持軸 １１ 研削面 １２ 移動台 １３ 回動支持軸 １９ 擺動装置 ２０ 擺動杆 ２１ 取付軸 ２３ 台金 ２４ 鋸歯 ２５ チップ ２６ 歯底 ２７ 掬い面 ２８ 歯先 ２９ 二番面ナゲシ ３０ ストッパー装置 ３１ 移動取付台 ３２ 支持軸 ３３ 可動板 ３４ 係止ピン ３８ レバー Ａ レバーの前進回動始動位置 Ｂ 取付軸の軸芯 Ｄ 回動支持軸の軸芯 Ｘ，Ｘ′ 縦軸中心線 Ｙ，Ｙ′ 横軸中心線 Ｚ 傾動中心点

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定台の前後位置に、支持軸を軸として
   垂直面に対し前後方向に同一傾斜角度、変角調節ができ
   る砥石を軸架したグラインダー装置を備え、しかも全体
   が回動軸を軸として左右方向に水平回動調節ができるグ
   ラインダー取付台と、回動支持軸を軸として、レバーの
   前後進回動により取付軸に軸架され、周縁に複数の鋸歯
   を設けた台金を砥石に対し弧状前進擺動あるいは弧状後
   進擺動させる擺動装置を対設し、前記固定台の後部一側
   には、台金に設けた複数の歯底の一つに係合する係合ピ
   ンを備えたストッパー装置を配設するとともに、回動支
   持軸の軸芯をレバーの前進回動始動位置において、取付
   軸の軸芯を通る横軸中心線より下方に位置せしめたこと
   を特徴とする台金研磨機。
2. 【請求項２】 擺動装置は、砥石に対し前後方向に移動
   調節ができる移動台と、基端側を回動支持軸により移動
   台に対し回動自在に軸架され、自由端側に台金を取外し
   自在に装着した取付軸を立設した擺動杆とにより構成し
   たことを特徴とする請求項１記載の台金研磨機。
3. 【請求項３】 ストッパー装置は、台金に対し前後移動
   調節ができる移動取付台と、前記移動取付台に立設さ
   れ、上端側に台金の歯底に係合する係合ピンを上向きに
   立設した可動板を固着した支持軸と、該支持軸に巻装さ
   れ、その一端を可動板に係着して係止ピンを歯底に向け
   弾圧係合させる弾機とにより構成したことを特徴とする
   請求項１記載の台金研磨機。
4. 【請求項４】 支持軸の軸心および垂直状態の砥石の中
   心を通る縦軸中心線と、砥石の軸芯を通る横軸中心線と
   の交点を砥石の傾動中心点としたことを特徴とする請求
   項１記載の台金研磨機。
5. 【請求項５】 回動軸の軸心を通る縦軸中心線が砥石の
   切削面の中心を通るように砥石を回動軸上方に位置せし
   めたことを特徴とする請求項１記載の台金研磨機。