JPH08250999A - 電子回路及びその消費電力低減方法 - Google Patents

電子回路及びその消費電力低減方法

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JPH08250999A
JPH08250999A JP7056283A JP5628395A JPH08250999A JP H08250999 A JPH08250999 A JP H08250999A JP 7056283 A JP7056283 A JP 7056283A JP 5628395 A JP5628395 A JP 5628395A JP H08250999 A JPH08250999 A JP H08250999A
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signal
circuit
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clock
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JP7056283A
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Naohito Kojima
直仁 小島
Masaaki Yamada
正昭 山田
Takashi Mihashi
隆 三橋
Masayoshi Tachibana
昌良 橘
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、単純な構造でかつ必要な素子数で
消費電力の低減をはかることができる電子回路及びその
消費電力低減方法を提供することにある。 【構成】 入力信号Dと、この入力信号が必要か否かの
判定を行う判定信号Gとを入力する電子回路1であっ
て、前記判定信号Gにより前記入力信号Dの入力が必要
か否かを判断し、前記入力信号Dの入力が必要な時には
前記入力信号Dを入力し、前記入力信号Dの入力が不必
要な時には最後に入力した入力信号Dの値を保持する信
号入力手段3を備えてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子回路及びその消費
電力低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の入力信号をもとに動作する電子回
路において、必ずしも常に入力を必要としない信号が存
在する場合、従来の電子回路では、不必要な信号入力を
許し、回路の無駄な動作を看過した上で、その出力を使
用せずに捨ててしまうことがあり、無駄な回路動作によ
る電力消費が発生していた。これらの無駄な電力消費に
より、直接的な電力の無駄な消費はもとより、熱の発生
により回路冷却のコストが上昇し、果ては回路の誤動作
や故障の原因ともなっていた。また、複数の出力信号を
出力する電子回路において、その出力信号が必ずしも常
に意味を持たない場合、従来の電子回路では、不必要な
信号出力を許し、無駄な信号の状態遷移を電子回路の外
へ広げてしまうことがあった。このような意味のある情
報を持たない信号を出力することで、その信号を入力す
る他の電子回路で無駄な回路動作が発生し、それに伴い
直接的な電力の無駄な消費はもとより、熱の発生により
回路冷却のコストが上昇し、果ては回路の誤動作や故障
の原因ともなっていた。以上に示すように、意味のある
情報を持たない信号の入出力は無駄な電力消費の原因と
なるばかりか、回路の誤動作や故障を招きかねない。
【0003】また、電子回路の回路モジュール間を伝送
される信号は、長い配線を伝送されることが多い。この
長い配線は浮遊容量が大きいため、このような配線を充
放電しながら、信号を伝送することは、多大の電力を消
費してしまう。
【0004】一方、電子回路のうち、同期式の論理回路
を用いた半導体集積回路においては、クロック信号は正
しい動作を保証するために重要であり、多数のクロック
分配方式が提案されている。たとえば南(Minami)等の"C
lock Tree Synthesis Basedon RC Delay Balancing,"IE
EE Custom Integrated Circuit Conference,pp.28.3.1-
4,1992.や高野らの“ディレー・スキュー最小化のため
の線幅最適化クロック配線手法”、信学技報CAS93-9,p
p.57-63. などの論文に詳細に記述されているように、
チップ、すなわち半導体集積回路全体の各所でのクロッ
ク信号間の到達時間の差(クロック・スキュー)やチッ
プのクロック入力端子からクロックで駆動される回路ま
での信号到達時間(クロック・ディレー)を小さくする
ための研究が報告されている。
【0005】これらの技術においてはクロック・スキュ
ーを小さくするために、チップのクロック入力端子から
クロック信号を必要とする多数の回路、多くの場合はフ
リップ・フロップなどの記憶素子までの信号遅延が同一
になるように配線を決定していた。この技術において
は、クロック配線の形態としてチップのクロック入力端
子からクロック信号の配線をツリー状に布線し、ツリー
の根つまりクロックの入力端子からクロック信号が必要
な素子までのディレーをバランスする事によってクロッ
クスキューを最小化していた。配線形状を決定する段階
で、分岐点をクロックディレーがバランスするように決
定できるためこのような配線が可能となる。
【0006】さらに、クロック・ディレーを縮小するた
めの技術として、ツリー状のクロック配線の適当な位置
にバッファを挿入して信号波形の劣化を回復する方法
や、クロック配線の配線幅を可変として幅の最適化をは
かるなどの提案がなされている。配線幅を調節して遅延
を減少させる方法は、配線幅を広くすれば配線抵抗は減
少するが配線の静電容量は増加する、逆に配線幅を狭く
すれば配線抵抗は増加するものの配線の静電容量は減少
するという性質を利用して、流れる電流量の大きなクロ
ック配線の根元は配線幅を広げ逆に電流量の少ない先端
部は静電容量が少なくなるように配線幅を狭めてある。
実際の線幅の決定には遅延時間を目的関数、クロック・
スキューをゼロとした最適化問題を解く事によって決定
できる。
【0007】クロック配線で消費される電力が半導体集
積回路の消費電力全体に占める割合は日経マイクロデバ
イス1994年7月号35頁“CMOS論理回路”の図
1などに示されたようにかなり大きく、半導体集積回路
の低消費電力化の上での問題である。それは、多くの同
期式ディジタル回路の場合、当該半導体集積回路の最も
高速動作する部分をクロック信号に同期させて動作させ
るため、クロック配線が当該集積回路の中で最も高い周
波数の信号を伝搬する事になるためと、半導体集積回路
中の多数のフリップ・フロップなど記憶素子をクロック
信号で駆動する必要がある事による。
【0008】これは、最近の主流であるCMOS方式の
集積回路における消費電力Pがよく知られているよう
に、 P=C・V2 ・f …… (1) で表される事を考えれば分かる。ここでCL は対象回路
の負荷容量であり、Vは電源電圧、fは動作周波数であ
る。
【0009】(1)式を考えると、クロック配線の場合
は、一つの信号で駆動される負荷容量の総和CL が大き
く、クロック周波数fも大きいため消費電力が大きい事
は明らかである。
【0010】従来、クロック配線の消費電力を低下させ
るために使われる手法は、配線長を短くする事によって
負荷容量を低減させる、フリップ・フロップのクロック
入力端子の静電容量を小さくする、などの手段が多かっ
た。さらに、クロック信号の振幅を小さくする事によっ
て消費電力を少なくする方法なども提案されている。た
とえば、Nakagome,Yoshinobuなどによる米国特許5,266,
848"CMOS CIRCUITWITH REDUCED SIGNAL" や、Nakagome
らによる"Sib-1-V Swing Internal Bus Architecture f
or Future Low-Power ULSI's",IEEE Journal of Solid-
State Circuits,Vol.28, No.4,pp.414-419, April 1993
には論理振幅を小さくしLSI内部のバスに信号を伝播
させる方法が記述されている。しかし、そこに記述され
た方法は信号の振幅を小さくするためのドライバー回路
においては特殊な第2の電源電圧を利用する事によって
論理振幅を小さくしている。また信号を受けるレシーバ
ー回路においては縮小された論理振幅を回復するための
特別な論理振幅回復回路を用いる手法が提案されてい
る。
【0011】別の半導体集積回路の低消費電力化の手法
としては、従来の回路技術では一回の論理振幅で電源か
らグランドに捨てられていた電荷を再利用する方法があ
る。Kawahara et al."A Charge recycle refresh for G
b-scale DRAMs in File Applications",1993 Symposium
on VLSI Circuits Digest of Technical Papers,pp.41
-42 に述べられている方法によれば信号線間の電荷が再
利用されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の電
子回路では、意味のある情報を持たない信号を入出力す
ることによって無駄な電力消費が発生したり、回路の誤
動作や故障を招いていた。
【0013】また、回路モジュール間を伝送される信号
のスイッチング確率が大きければ大きいほど充放電によ
る電力消費が大きくなるので、回路モジュール間を伝送
される信号のスイッチング確率を低減することを考慮す
る必要があった。
【0014】一方、半導体集積回路の消費電力を低減す
るにはクロック信号を低電力でチップ全体に配分する必
要がある。さらにクロック信号伝搬に要求される性質と
して、クロック・スキューを小さくする事とクロックデ
ィレーを小さくする事、およびクロック信号の形状が所
望のデューティ比になった正確な矩形波となっている事
が要求される。
【0015】そこで、本発明は、この様な従来の事情に
鑑みて成されたものであり、発明の目的は、単純な構造
でかつ必要な素子数で消費電力の低減をはかることがで
きる電子回路及びその消費電力低減方法を提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明の特徴は、入力信号と、この入力信号が必
要か否かの判定を行う判定信号とを入力する電子回路で
あって、前記判定信号により前記入力信号の入力が必要
か否かを判断し、前記入力信号の入力が必要な時には前
記入力信号を入力し、前記入力信号の入力が不必要な時
には最後に入力した入力信号の値を保持する信号入力手
段を備えることである。
【0017】ここで、前記信号入力手段は、ラッチ回路
で構成されていることが好ましい。
【0018】また、第2の発明の第1の特徴は、2つ以
上の電子回路間を接続する信号線の消費電力を低減する
方法において、一方の電子回路から他方の電子回路に送
られる信号を符号化し、この符号化前の信号のスイッチ
ング確率の総和より符号化後の信号のスイッチング確率
の総和を小さくすることである。
【0019】さらに、第2の発明の第2の特徴は、2つ
以上の電子回路間を接続する信号線の消費電力を低減す
る方法において、一方の電子回路内にエンコーダを備
え、他方の電子回路内にデコーダを備え、前記一方の電
子回路から前記他方の電子回路に送られるべき信号を符
号化し、この符号化された信号のスイッチング確率の総
和を復号された信号のスイッチング確率の総和より小さ
くすることである。
【0020】また、第3の発明の第1の特徴は、電子回
路における入力端子と素子との間の消費電力の低減方法
において、前記入力端子より供給された所定の振幅を有
する入力クロックを、前記電子回路の信号論理ゲートの
スレッシュホールド電圧値をはさみ前記所定の振幅の二
分の一以下の信号電位変化をもつクロック信号に変換す
るドライバ回路を前記入力端子側に設け、前記ドライバ
回路にて変換されたクロック信号を前記入力クロック信
号に変換する論理振幅伸張回路を前記素子側に設けたこ
とである。
【0021】さらに第3の発明の第2の特徴は、入力端
子と電位の高い第1の電源線、及び、この第1の電源線
より低い電位の第2の電源線と前記入力端子の間に直列
に接続された複数のトランジスタ列と、前記入力端子に
入力される入力信号を用いて生成された信号を前記トラ
ンジスタ列のゲート端子に接続する前置回路と、出力端
子の電圧が予め設定された電圧以上になると出力が変化
する第1の出力電圧レベル検知回路と、この第1の出力
電圧レベル検知回路の出力によって前記第1の電源線か
らの電流流入を遮断する第1のフィードバック回路と、
出力端子の電圧が予め設定された電圧以下になると出力
が変化する第2の出力電圧レベル検知回路と、この第2
の出力電圧レベル検知回路の出力によって前記第2の電
源線への電流流入を遮断する第2のフィードバック回路
とを備えることである。
【0022】また、第4の発明の特徴は、クロック信号
で駆動すべき複数の記憶素子を2つのグループに分け、
第1のグループに属する記憶素子としてクロック信号の
立ち上がりで記憶するものを使用し、第二のグループに
属する記憶素子としてクロック信号の立ち下がりで記憶
するものを使用し、前記第1のグループを駆動するクロ
ック信号と前記第2のグループを駆動するクロック信号
を180度位相の異なったクロック信号をそれぞれ入力
し、前記第1のグループと、前記第2のグループとの間
で、前記クロック信号の立ち上がり及び立ち下がりの際
に電荷を移動することである。
【0023】
【作用】上記第1の発明の構成によれば、電子回路にあ
る信号を入力する前に、その信号を入力するか否かを判
断した上で、意味がある時のみその信号を入力し、それ
以外の場合はその信号が最後に意味を持っていた時の状
態を保持して回路に入力することで電子回路の無駄な動
作を防ぎ、無駄な電力消費を防ぐ。
【0024】また、電子回路からある信号を出力する前
に、その信号を出力する意味があるか否かを判断した上
で、意味がある時のみその信号を加工せずに出力し、そ
れ以外の場合はその信号が最後に意味を持っていた時の
状態を保持して出力することで無駄な電力消費を防ぐこ
とができるものである。
【0025】また、上記第2の発明の構成によれば、寄
生容量の大きな電子回路間の信号線の電位変動を抑制す
ることが消費電力の低減につながるので、モジュール間
の信号線の遷移確率を抑制する方法として、複数の信号
線があったとき、その情報量が失われないように信号を
コード化して伝送することにより電子回路の消費電力を
低減することができるのである。
【0026】また、上記第3の発明の構成によればクロ
ック信号の論理振幅VL を電源電圧Vddの1/2以下に
することにより、消費電力を下げる事を可能とする。こ
れについて、電源電圧Vddと論理振幅電圧VL が異なる
場合のスイッチングによる負荷容量に対する充放電によ
って消費される電力を表す、(2)式を用いて、第1の
発明を説明する。この場合も消費電力のおもな成分は負
荷容量に対する充放電であるとの仮定が成り立つ。本発
明によるクロック分配回路の消費電力は、消費電力Pが
次の式で表せる。
【0027】
【数1】 ただしVddは時間tに対して一定とし、
【数2】 である事を考えると、次にように表現される Pn=CL ・VL ・Vdd・f0 …… (2) ただし、分配回路のクロック周波数はf0 である。また
被駆動回路の負荷容量はCL とする。この式から明らか
にVL を小さくすれば消費電力を小さくする事が可能と
なる。
【0028】さらにCMOS論理ゲートの出力の0、1
が反転する入力電圧である回路のスレッシュホールド電
圧をはさむようにクロック信号の論理振幅の電位の最大
値と最小値を設定する事によってクロック信号の論理値
の変化に対して標準的なCMOS論理ゲートでクロック
信号を受けた場合も標準的な論理振幅に回復できる。ま
た、一般にCMOS論理ゲートは入出力特性この部分が
最も感度が高い、つまり入力の変化に対して敏感に出力
が変化するため遅延を小さくすることが可能となる。
【0029】第3の発明の構成に関連してクロックドラ
イバ回路、クロックバッファ回路の発明では、出力電位
を検出して所定のクロック信号の論理振幅の最大値また
は最小値を越えた時にドライバ回路またはバッファ回路
の負荷容量充電経路また放電経路を遮断することによっ
て電荷の不必要な散逸または不必要なレベルまでの充電
を防止し電力消費低減に寄与することが可能となる。さ
らにクロック信号を受けるラッチ、フリップ・フロップ
のクロック信号端子にはクロック信号の論理振幅を通常
のクランド電位と電源電位の振幅に変換する回路を付加
する事によってクロック系以外は通常の論理振幅を用い
る事が可能となる。
【0030】また、第4の発明によればラッチ、フリッ
プ・フロップなどの記憶素子も含めてクロック系を相補
的に“0”の状態と“1”の状態の二つの状態を利用す
るように構成する事によって、一方のクロック配線系の
電荷を放電して他方のクロック配線系の容量を充電す
る。従って、前者(一方)の電荷を後者(他方)のクロ
ック配線系の充電に利用する事によって電荷の再利用を
可能とし不必要な散逸を防止することができるのであ
る。
【0031】
【実施例】以下に本発明に係る電子回路及びその消費電
力低減方法の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0032】第1実施例 まず、第1の発明に関する第1の実施例について説明す
る。図1は、本発明に関する第1の実施例を示す。回路
内の信号はHighあるいはLowの値を持つ。本実施
例では、電子回路1内に入力判定モジュール3が設けら
れており、この入力判定モジュール3が行う入力判定を
もとに入力信号Dと、入力信号Dが入力の意味を持つか
否かを示す判定信号Gが回路に入力される。判定信号G
がHighの時、入力信号Dが入力の意味を持ち、判定
信号GがLowの時は入力信号Dが入力の意味を持たな
いことを示す。
【0033】また、本実施例では、入力判定モジュール
3にラッチ回路を用いることで本発明の消費電力低減装
置を実現している。このラッチ回路の回路図を図2
(a)に示す。ラッチ回路の入力はD(データ)とG
(スイッチ)、出力はQである。この入力D、G、出力
Q間の真理値表を図2(b)に示す。図2(b)より明
らかなように、GがHighの時はQ=Dであるが、G
がLowの時はQはそれより以前に、最後に遷移した後
の値を保持する。
【0034】ここで、電子回路への入力信号Dをラッチ
回路のDへ、判定信号Gをラッチ回路のGへ接続するこ
とで、入力信号Dに意味がある時、すなわち、判定信号
GがHighの時のみ入力信号Dの値をそのまま回路内
に取り込み、また、入力信号Dに意味がない時、すなわ
ち判定信号GがLowの時には入力信号Dのそれまでの
値を保持することが可能となる。これにより、入力信号
Dの不必要な状態遷移を回路内に取り込むことがなくな
り、不必要な回路動作を防ぐことができる。
【0035】第2実施例 図3は、第1の発明に関する第2の実施例を示す。回路
内の信号はHighあるいはLowの値を持つ。この実
施例では、電子回路1内に入力判定モジュール3及び判
定信号発生回路7が設けられている。この判定信号発生
回路7を備えているので、入力信号Dを必要とするかど
うかはこの回路内で独立して決定することができる。従
って、この信号Dを複数の回路が入力する場合であっ
て、各回路により必要か否かが異なる場合には各回路ご
とに判定信号発生回路7を備えることで、各回路が独立
して決定することができる。この決定により発生した判
定信号GがHighの時、入力信号Dは入力の必要があ
り、判定信号GがLowの時は入力信号Dは入力の必要
がないことを示す。これによって、入力信号Dが入力の
必要がある時、すなわち判定信号GがHighの時のみ
入力信号Dの値をそのまま回路内に取り込み、入力信号
Dに入力の必要がない時、すなわち判定信号GがLow
の時には入力信号Dのそれまでの値を保持することが可
能となる。
【0036】ここで、本実施例では、入力判定モジュー
ル3としてラッチ回路を用いることにより実現してもよ
い。図2(a)にラッチ回路の例を示す。ラッチ回路の
入力はD(データ)とG(スイッチ)、出力はQであ
る。入力D、G、出力Q間の真理値表を図1(b)に示
す。図1(b)より明らかなように、GがHighの時
はQ=Dであるが、GがLowの時はQはそれより以前
に、最後に遷移した後の値を保持する。電子回路への入
力信号Dをラッチ回路のDへ、判定信号Gをラッチ回路
のGへ接続することで、入力信号Dが入力の必要がある
時、すなわち判定信号GがHighの時のみ入力信号D
の値をそのまま回路内に取り込み、入力信号Dに入力の
必要がない時、すなわち判定信号GがLowの時には入
力信号Dのそれまでの値を保持することが可能となる。
また、モジュール12はQに接続された回路5に対し入
力信号Dが必要か否かを問い合わせる機能を備えてもよ
い。
【0037】本実施例により、入力信号Dの不必要な状
態遷移を回路内に取り込むことがなくなり、不必要な回
路動作を防ぐことができる。また入力信号Dが複数のモ
ジュール11に入力される場合にQに接続された電子回
路により、入力信号Dが必要か否かの判定をモジュール
ごとに要する場合に本実施例は効果がある。
【0038】第3実施例 図4は、第1の発明に関する第3の実施例を示す。回路
内の信号はHighあるいはLowの値を持つ。この実
施例では入力信号Dと、入力信号Dが入力の意味をもつ
か否かを示す判定信号Gが回路に入力される。判定信号
GがHighの時、入力信号Dが入力の意味を持ち、判
定信号GがLowの時は入力信号Dが入力の意味を持た
ないことを示す。
【0039】本実施例では、入力判定モジュール3に半
導体スイッチを用いることで本発明の消費電力低減装置
を実現している。このスイッチの入力GがHighの時
のみ、入力信号Dがそのまま出力され、それ以外の場合
は出力Qと入力Dは遮断される。出力Qの寄生容量によ
って、出力Qは直前に入力Dと導通していた状態のまま
長時間保存される。これによって、入力信号Dに意味が
ある時、すなわち判定信号GがHighの時のみ入力信
号Dの値をそのまま回路内に取り込み、入力信号Dに意
味がない時、すなわち判定信号GがLowの時には入力
信号Dのそれまでの値を保持することが可能となる。
【0040】ここで、高速回路(回路のクロック周期が
nSecオーダー)においては、回路の寄生容量などに
よって、入力Dの状態遷移の最小間隔(すなわち回路の
クロック周期)の106 倍程度の時間(mSecオーダ
ー)に渡って出力Qの状態を保存しておくことができ
る。しかし、Qの状態がHighだった場合、放電によ
りQの状態は徐々にLowに近付き、HighとLow
の中間の状態になることで回路の誤動作をまねく。
【0041】そこで最低限、入力Dの状態遷移の最小間
隔の105 倍程度の時間間隔で出力Qの状態を再設定
(リフレッシュ)することが必要になる。リフレッシュ
の方法としては、次のような手段がある。
【0042】リフレッシュ手段1.一定時間間隔で、Q
がHighである場合には再充電をする。(図5
(a))状態遷移が最も少ない。DRAMと同様のリフ
レッシュ回路(図5(a)の11)が必要。入力信号D
の数が多い場合、それらのリフレッシュをひとつのリフ
レッシュ回路で実行できるので有効である。これにより
不要なQの状態遷移が一度も起こらないのでQの状態遷
移によって動作する回路が大規模で消費電力が大きい場
合に有効である。
【0043】リフレッシュ手段2.一定時間間隔でQの
状態をHighにする。(図5(b))クロックCを分
周器(図5(b)の13)に入力し、一定周期の信号
C’を作成し、C’を半導体スイッチに入力してQを充
電する。直前のQの状態がLowだった場合に一度だけ
状態遷移が発生するが、比較的簡単な回路で実現するこ
とができる。
【0044】リフレッシュ手段3.一定時間間隔で、ス
イッチGをONにし、Qの状態をDと等しくする。(図
5(c))クロックCを分周器(図5(c)の13)に
入力し、一定周期の信号C’を作成し、C’とGの論理
和(OR)回路15を半導体スイッチ9に入力すること
でQの状態をDと等しくする。スイッチGがONになっ
た瞬間のDの状態が直前の状態と異なっていた場合に状
態遷移が発生するが、比較的簡単な回路で実現すること
ができる。以上により、入力信号Dの不必要な状態遷移
を回路内に取り込むことがなくなり、不必要な回路動作
を防ぐことができる。
【0045】第4実施例 図6は、第1の発明に関する第4の実施例を示す。回路
内の信号はHighあるいはLowの値を持つ。この実
施例では、電子回路1内に入力判定モジュール3及び判
定信号発生回路7が設けられている。この判定信号発生
回路7を備えているので、入力信号Dを必要とするかど
うかはこの回路内で独立して決定することができる。従
って、この信号Dを複数の回路が入力する場合であっ
て、各回路により必要か否かが異なる場合には各回路ご
とに判定信号発生回路7を備えることで、各回路が独立
して決定することができる。この決定により判定信号G
が発生する。判定信号GがHighの時、入力信号Dは
入力の必要があり、判定信号GがLowの時は入力信号
Dは入力の必要がないことを示す。これによって、入力
信号Dが入力の必要がある時、すなわち判定信号GがH
ighの時のみ入力信号Dの値をそのまま回路内に取り
込み、入力信号Dに入力の必要がない時、すなわち判定
信号GがLowの時には入力信号Dのそれまでの値を保
持することが可能となる。
【0046】本実施例では、入力判定モジュール3に半
導体スイッチを用いることで本発明に係る消費電力低減
装置を実現してる。このスイッチの入力GがHighの
時のみ、入力信号Dがそのまま出力され、それ以外の場
合は出力Qと入力Dは遮断される。出力Qの寄生容量に
よって、出力Qは直前に入力Dと導通していた状態のま
ま長時間保存される。
【0047】高速回路(回路の7ロック周期がnSec
オーダー)においては、回路の寄生容量などによって、
入力Dの状態遷移の最小間隔(すなわち回路のクロック
周期)の106 倍程度の時間(mSecオーダー)に渡
って出力Qの状態を保存しておくことができる。しか
し、Qの状態がHighだった場合、放電によりQの状
態は徐々にLowに近付き、HighとLowの中間の
状態になることで回路の誤動作をまねく。
【0048】そこで最低限、入力Dの状態遷移の最小間
隔の105 倍程度の時間間隔で出力Qの状態を再設定
(リフレッシュ)することが必要になる。リフレッシュ
の方法としては、第3実施例に示した手段を用いる。
【0049】以上により、入力信号Dの不必要な状態遷
移を回路内に取り込むことがなくなり、不必要な回路動
作を防ぐことができる。
【0050】第5実施例 図7は、第1の発明に関する第5の実施例を示す。回路
内の信号はHighあるいはLowの値を持つ。この実
施例では、電子回路1から信号Dが出力される。この
時、信号を出力する必要があるかどうかは回路内で決定
され、それを表す信号Gが発生する。信号GがHigh
の時、信号Dは出力する必要があり、信号GがLowの
時は信号Dは出力する必要がないことを示す。
【0051】また、本実施例では、ラッチを用いること
で本発明の消費電力低減装置を実現している。このラッ
チの回路図を図2(a)に示す。ラッチの入力はD(デ
ータ)とG(スイッチ)、出力はQである。入力D、
G、出力Q間の真理値表を図2(b)に示す。図2
(b)より明らかなように、GがHighの時はQ=D
であるが、GがLowの時はQはそれより以前に、最後
に遷移した後の値を保持する。ここで、電子回路の出力
信号DをラッチのDへ、信号GをラッチのGへ接続する
ことで、信号Dを出力する必要がある時、すなわち信号
GがHighの時のみ信号Dの値をそのまま回路の外へ
出力し、信号Dを出力する必要がない時、すなわち信号
GがLowの時には信号Dのそれまでの値を保持するこ
とが可能となる。
【0052】これにより、出力信号Dの不必要な状態遷
移を回路外に出力することがなくなり、不必要な電力消
費を防ぐことができる。
【0053】第6実施例 図8は、第1の発明に関する第6の実施例を示す。回路
内の信号はHighあるいはLowの値を持つ。本実施
例においても電子回路1から信号Dが出力される。この
時、信号Dを出力する必要があるかどうかは回路内で決
定され、それを表す信号Gが発生する。信号GがHig
hの時、信号Dは出力する必要があり、信号GがLow
の時は信号Dは出力する必要がないことを示す。これに
よって、信号Dを出力する必要がある時、すなわち信号
GがHighの時のみ信号Dの値をそのまま回路の外へ
出力し、信号Dを出力する必要がない時、すなわち信号
GがLowの時には信号Dのそれまでの値を保持するこ
とが可能となる。
【0054】また、本実施例では、半導体スイッチを用
いることで本発明の消費電力低減装置を実現している。
このスイッチの入力GがHighの時のみ、入力信号D
がそのまま出力され、それ以外の場合は出力Qと入力D
は遮断される。出力Qに大容量のキャパシタンスを設け
ておくことで、その寄生容量によって、出力Qは直前に
入力Dと導通していた状態のまま長時間保存される。
【0055】高速回路(回路のクロック周期がnSec
オーダー)においては、回路の寄生容量などによって、
入力Dの状態遷移の最小間隔(すなわち回路のクロック
周期)の106 倍程度の時間(mSecオーダー)に渡
って出力Qの状態を保存しておくことができる。しか
し、Qの状態がHighだった場合、放電によりQの状
態は徐々にLowに近付き、HighとLowの中間の
状態になることで回路の誤動作をまねく。
【0056】そこで最低限、入力Dの状態遷移の最小間
隔の105 倍程度の時間間隔で出力Qの状態を再設定
(リフレッシュ)することが必要になる。リフレッシュ
の方法としては、第3実施例に示したリフレッシュ手段
を用いる。
【0057】これにより、出力信号Dの不必要な状態遷
移を回路外に出力することがなくなり、不必要な電力消
費を防ぐことができる。
【0058】第7実施例 図9は、第1の発明に関する第7の実施例を示す。回路
内の信号はHighあるいはLowの値を持つ。この実
施例では信号D及びGが回路から出力される。この時、
信号Dを出力する必要があるかどうかは回路内で決定さ
れ、それを表す信号Gが発生し、この信号Gを回路外へ
出力する。信号GがHighの時、信号Dは意味を持
ち、信号GがLowの時は信号Dは意味を持たないこと
を示す。これにより、出力信号Dの不必要な状態遷移を
他の回路がそのまま入力せずにおくことが可能になり、
不必要な電力消費を防ぐことができる。
【0059】第8実施例 次に、第2の発明に関する第1の実施例について説明す
る。電子回路がモジュール化されているとき、モジュー
ル間を接続する信号線の電位レベルが頻繁に変動すると
消費電力が大きくなることが知られている。特に、CM
OS回路においては、消費電力は配線のキャパシタンス
と信号の遷移回数の積に比例することが知られている。
[「押し寄せる低電力化の波 転換期にはいるCMOS
回路 Part2 CMOS回路」日経マイクロデバイ
ス1994年7月号、pp.35-38]。従って、寄生容量の
大きなモジュール間の信号線の電位変動を抑制すること
が消費電力の低減につながる。モジュール間の信号線の
遷移確率を抑制する方法として、複数の信号線があった
とき、その情報量が失われないように信号をコード化し
て伝送することにより電子回路の消費電力を低減する方
法を本発明の実施例として説明する。
【0060】まず、最も簡単な例で説明する。図10
(a)は、モジュールAからモジュールBへ信号xと信
号yが伝送されているとする。このとき、yはAの内部
で、xとzという信号から作られ、y=NAND(x,
z)という関係にあったとする。そして、yの遷移確率
はzの遷移確率よりも大きかったとする。回路を変更し
て図10(b)のように、xとyの代わりにxとzを送
れば良いモジュールBの中で必要な信号yは、モジュー
ルBの入り口で信号xとzから作ることができる。xと
zの遷移確率の合計はxとyの遷移確率の合計よりも小
さいから、低消費電力の信号伝送ができる。
【0061】次に一般的な例を説明する。図11(a)
のモジュールAからモジュールBへ信号x1 ,x2
…,xn が伝送されているとする。これらの信号を情報
量が失われないように信号y1 ,y2 ,…,ym とエン
コードできたとする。そして、信号aの遷移確率をP
(a)と表すとき、
【数3】 が成り立てば、図11(b)のような回路構成にするこ
とによって、より消費電力の少ない信号伝送ができる。
【0062】なお、電力消費を詳細に考慮すると、図1
1(b)においては、エンコーダE、デコーダDによる
消費電力が加わる。従って、消費電力を減少させようと
すると、正確には、
【数4】 でなければならない。ここに、PE 、PD はそれぞれ、
エンコーダ、デコーダの消費電力である。
【0063】第9実施例 上に説明したように、CMOSの消費電力は信号の遷移
確率に比例するが、モジュール間の信号伝送にプリチャ
ージ方式を採用した場合は、遷移確率の考え方に注意を
要する。以下の説明では、プリチャージ電位が高電位で
あるとして進める。プリチャージ電位が低電位であると
きは電位の高低を逆に考えれば同様である。さて、プリ
チャージ方式では信号レベルが高電位のときは何も起こ
らないが信号レベルが低電位であるときは、高電位の信
号を低電位にして再び高電位にするという現象がおこ
る。従って信号遷移確率は実質的に信号が低電位になる
確率に等しい。すなわち、消費電力は信号が低電位にな
る確率に比例する[平木他:「データ依存論理振幅バス
アーキテクチャの提案」、電子情報通信学会技術報告E
D94−33(1994−3)]。この場合は、エンコ
ードするとき、信号が高電位になる確率がなるべく高く
なるようにすれば良い。特別な例として、図12(a)
のように、伝送されている信号のひとつxに着目する。
xはプリチャージ方式で伝送されている信号である。x
が高電位になる確率が1/2より低ければ,xの反転信
号をxの代わりに伝送すれば良い(図12(b))。こ
うすれば、伝送される信号が高電位になる確率が高くな
り、消費電力が削減される。
【0064】以上により電子回路の無駄な動作による電
力消費や熱の発生を防ぐことができる。
【0065】第10実施例 次に、第3の発明に関する第1の実施例について説明す
る。同期回路方式を用いて設計された半導体集積回路に
おいては、図13に示したように外部からクロック信号
のパッド23に供給されたクロックを用いて回路を動か
す。クロック配線27はチップ全体に供給されるため負
荷容量が大きくなり、クロックドライバーやクロックバ
ッファと呼ばれる、いわゆるドライバー回路25を用い
て駆動する。一般的なクロック分配回路においては、L
SIのクロック信号のパッド23の信号の振幅とクロッ
ク配線27上の信号の振幅は等しくなっており、そのま
ま記憶回路31のクロック端子に供給される。しかし、
第3の発明に係る実施例においては、クロック信号のパ
ッド23で受けたクロック信号Aは論理振幅圧縮機能を
持ったドライバ回路25によってクロック配線27上の
信号Bの論理振幅は圧縮される。この圧縮された論理振
幅を持つクロック信号Bは論理振幅伸張回路29によっ
て一般信号と同一の論理振幅を持つクロック信号Cに変
換される。
【0066】本発明によれば圧縮された論理振幅Bの信
号の最大電位を該LSIの通常の論理ゲートのスレッシ
ュホールド電圧を越えるように設定し、最小電位を該L
SIの通常の論理ゲートのスレッシュホールド電圧を越
えないように設定する事によって、論理振幅伸張回路2
9は通常のインバータでも機能させられるようになり複
雑な回路は必要なくなる。また、クロック信号Bでは論
理振幅が小さくなっているために消費電力は(2)式で
示したように小さくする事ができる。さらに、ドライバ
ー回路25および論理振幅伸張回路29ともに回路の感
度の最も高いスレッシュホールド電圧近傍で動作させる
ため高速回路となる。
【0067】しかし、回路の振幅の大きさを電源電圧の
1/2より大きくすると消費電力低下に対する効果が減
少するだけでなく動作速度が遅くなりその優位性を失っ
てしまう。そのため論理振幅は電源電圧の1/2以下と
する事が必要である。
【0068】第11実施例 次に、第3の発明に関する第2の実施例を図14を用い
て説明する。本実施例では電子回路のうちで、特に半導
体集積回路に関する消費電力を低減するものである。本
実施例においてはクロック信号は特開平5−54100
に示された、クロックのスキューを小さくする遅延をバ
ランスさせる二分木を用いて分配される。半導体集積回
路の基板33上に配置された複数の記憶回路31は、配
置状況の近接関係によっていくつかのグループ35に分
配される。このようにして作られた各グループの記憶素
子の集まりにクロック信号を供給する配線37には通常
の論理振幅の信号を用い、該配線37に対しては論理振
幅変換回路29を挿入する。論理振幅変換回路は、多く
の場合半導体基板の面積をかなり占有するため、すべて
の記憶素子に備えるのは困難である。一方、小論理振幅
で駆動するクロック配線の部分が大きいほど低消費電力
化のためには有効である。そこで、消費電力の増大を抑
えつつ、半導体面積の使用量も増大させないように半導
体基板上の領域的に近接した記憶素子をグループとして
各グループに対して一つ論理振幅変換回路を付けること
によって、低消費電力化と半導体基板の占有面積を少な
く抑えることが可能となる。このような論理振幅変換回
路の利用はクロックスキューを小さくするクロック配線
手法に容易に取り込むことが可能である。すなわち、論
理振幅変換回路にクロックドライバー機能を追加し、ク
ロックドライバーと論理振幅変換回路付きのクロックド
ライバーを選択的に用いることによって、クロックツリ
ー配線手法にほとんど影響を与えずに実現できる。この
クロック分配配線の実施例においては、記憶素子に最も
近い位置に論理振幅変換(伸張)回路を設け、その他の
クロックドライバーはすべて論理振幅圧縮機能を持った
回路で構成する。
【0069】第12実施例 第3の発明に関する第3の実施例を図15を用いて説明
する。本実施例においては論理振幅を小さくしたクロッ
ク分配において、論理振幅伸張機能付きバッファを記憶
素子のグループごとに使う自動配線方法について説明す
る。あらかじめ配置された記憶素子はステップS1にお
いてグループに分けられる。グループの数はクロック配
線の構造をどの様にするか、例えば、二分木構造を用い
るならば木の高さ、つまり分岐の数などによって決定さ
れる。ステップS2においてはステップS3で用いたの
と同じクロック配線の構造を想定して概略の配線径路を
決める。概略の配線経路とは、すなわち次のステップS
3でバッファ挿入位置を決定するのに必要な分解能を持
つ必要がある。
【0070】ステップS3では、クロック系全体の信号
伝搬遅延仕様に合うようにバッファの段数を決定する。
ステップS4では、最も記憶素子に近い段のバッファを
論理振幅伸張機能付きバッファとしその他の段のバッフ
ァは出力の論理振幅を制限する機能を持ったものとす
る。このようにバッファの種類を選ぶことによってグル
ープ化された記憶素子の最も近くのバッファまでは論理
振幅を小さくし、消費電力を少なくしたクロック配線が
可能となる。ステップS5およびステップS6は各バッ
ファをクロック配線を構成する上で最適の位置に置く作
業とバッファ間、記憶素子間をあらかじめ定められたク
ロック配線方法で結線する作業ステップである。このよ
うな手順により作業過程を自動化することによって記憶
素子のグループ化、クロック配線の概略経路の決定、バ
ッファの種類決定など煩雑な作業を容易にする事が可能
となる。
【0071】以上のように、このクロック配線経路決定
法により論理振幅回路の数をなるべく少なくし、基板面
積の使用の最小化、かつ、論理振幅を小さくし低消費電
力化したクロック配線を可能とすることができる。
【0072】第13実施例 第3の発明に関する第4の実施例を図16を用いて説明
する。本実施例においては論理振幅を小さくしたクロッ
ク分配において必要となるバッファ回路を実現する方法
を与える。本バッファ回路の特徴とするところは、論理
振幅を電源電圧より小さくするために、複雑な回路を用
いて第2の電源電圧を発生するのではなく、バッファの
出力電圧があらかじめ定められた電位を越えた時に充電
電流ないしは放電電流が流れないようにバッファのトラ
ンジスタをカットオフ状態とする事である。また、この
様に電源電圧自体を下げていないため、バッファ回路を
その入出力特性を示すグラフ上最も感度の良い領域で用
いる事となり回路動作の高速化に寄与できる。図16は
本発明の原理を示す図である。本バッファ回路は、トラ
ンジスタ列53a及びbの第1の電源39から出力端子
41にいたる経路上のトランジスタがオンとなった場合
に負荷容量55に電流が流れ込み出力電位が上昇する。
これを充電動作と呼ぶ事にする。逆に、トランジスタ列
53bの出力端子43から第2の電源またはグランド線
にいたる経路上のトランジスタがオンとなる事によって
負荷容量55に蓄えられた電荷が第2の電源線、すなわ
ちグランド線に流出する事によって出力端子43の電位
が降下する。これを放電動作と呼ぶ事にする。入力端子
45に与えられた電位は、前置回路47によって前に述
べた充電動作、放電動作を正しく行うように変換されて
トランジスタ列53の各ゲート電極に与えられる。以上
述べた動作では、出力端子43の電位は第1の電源線の
電位と第2の電源線の電位の間を変化する。しかし、消
費電力を下げるためには出力端子43の電位の変化を小
さくする必要がある。出力電圧レベル検知回路49,5
1は出力端子の電位があらかじめ定めた電位を越えた時
に信号を発生する。この出力電圧検知回路の出力をトラ
ンジスタ列53または前置回路47に戻し、充電動作ま
たは放電動作を停止するように回路を構成する。この様
に回路を構成する事によって、特別の電源を用意する必
要がなく回路の最も感度の良い部分を用いて、高速かつ
低消費電力のバッファ回路を実現する事が可能となる。
【0073】第14実施例 第3の発明に関する第5の実施例を図17を用いて説明
する。本実施例は、上述第13実施例に関連した発明で
ある。第1の電源線39と第2の電源線、すなわちグラ
ンド線41の間の各々ふたつのP型MOSトランジスタ
57,59とN型MOSトランジスタ61,63を直列
にしたトランジスタ列のP型MOSとN型MOSのソー
ス/ドレインの接続したノードを出力端子43とする。
入力端子45に与えられた信号はトランジスタ59およ
び61のゲート電極に結線されている。トランジスタ5
7,63が両方ともオン状態であるならば、入力端子4
5に高い電位が与えられた場合出力端子43に接続した
負荷容量に貯められた電荷を第2の電源線41に放電す
る。逆に、入力端子45に低い電位が与えられた場合出
力端子43に接続した負荷容量に第1の電源線39から
電荷を充電する。出力端子43から二段のインバータ6
5,67を接続し、第二のインバータ67の出力をトラ
ンジスタ57のゲート端子に接続し、第1の出力電圧レ
ベル検知回路49とする。一方、第2の出力電圧レベル
検知回路51として、出力端子43から二段のインバー
タ69,71を接続し、第二のインバータ71の出力を
トランジスタ63のゲート端子に接続する。この様に接
続されているため、出力端子43の電位が上がってきて
インバータ65のスレッシュホールド電圧を越えると、
P型MOSトランジスタ57が遮断され出力端子43に
接続された負荷容量に対する充電は第1の電源線39の
電位に到達する前に停止する。一方、出力端子43の電
位が下がっていく場合は、電位がインバータ69のスレ
ッシュホールド電位を越えるとN型MOSトランジスタ
63が遮断され出力端子43に接続されている負荷容量
からの放電は電位が第2の電源線41のそれに到達する
前に停止する。この様な動作をするのであるから第1お
よび第2の出力電圧レベル検知回路49,51のインバ
ータ67および71は通常の方法で設計すればよい。し
かし、インバータ65,69のスレッシュホールド電
圧、すなわち図19に示したように、入力電圧に対して
出力電圧が急激に変わる点a,b,cの設定によって論
理振幅が決定されてしまうため十分な設計に対する考慮
が必要とされる。このスレッシュホールド電圧はインバ
ータのP型MOSトランジスタの大きさとN型MOSト
ランジスタの大きさの比によってa,b,cのように変
化させる事ができる。スレッシュホールド電圧はこの様
にP型MOSトランジスタ、N型MOSトランジスタの
大きさの比で決定されるためプロセスの変化などに対し
て比較的感度が低く安定であるという利点がある。
【0074】設計上考慮すべきもう一つの点は出力端子
43の電位変化がインバータ列67,65または69,
71を経由して各々トランジスタ57,63のゲート電
極に到達するのに要する遅延時間である。この遅延時間
によって出力端子43に発生する論理振幅の最大値、最
小値は変化する高速のバッファ回路の場合は注意して設
計する必要がある。図17の回路の特徴は、回路構造的
に見た場合P型MOSトランジスタの回路とN型MOS
回路で出力電圧レベル検知回路も含めて対称の構造をし
ており出力波形の立ち上がり、立ち下がりの形状を同じ
にすることが容易であるなどの設計の容易性にある。
【0075】第15実施例 第3の発明に関する第6の実施例を図18を用いて説明
する。本発明は上述第13実施例に関連した発明である
第1の電源線39と第2の電源線すなわちグランド線4
1の間にP型MOSトランジスタ59とN型MOSトラ
ンジスタ54を直列にしたトランジスタ列のP型MOS
とN型MOSのソース/ドレインの接続したノードを出
力端子43とする。出力端子43の電位はスレッシュホ
ールド電圧の高い第1のインバータ65およびスレッシ
ュホールド電圧の低い第2のインバータ69の入力とな
る。NANDゲート75の出力はP型MOSトランジス
タのゲート電極に接続され、入力端子には第1のインバ
ータの出力と入力端子79が接続される。NORゲート
77の出力はN型MOSトランジスタのゲート電極に接
続され、入力端子には第2のインバータの出力と入力端
子79が接続されている。入力と出力端子43の関係を
見ると正転、つまり、入力と出力が同相のバッファとな
っている。もし、上述した第14実施例と同じく入力と
出力反転のバッファが必要であるならば、インバータ7
3を用いる事によって実現できる。本発明のバッファ回
路においても、出力端子43に接続した負荷容量にP型
MOSトランジスタ59を経由して第1の電源から充電
が行われる事によって出力端子43の電位が上がる。逆
に、負荷容量に充電されていた電荷はN型MOSトラン
ジスタ54を経由して第2の電源線41すなわちグラン
ド線に放電される。インバータ65は第1の出力電圧レ
ベル検知回路として働き、出力端子43の電位が指定値
以上になるとインバータ65の出力は低電位となり、入
力端子79の電位の高低のいかんにかかわらずNAND
ゲート75の出力は1、つまり高電位となりトランジス
タ59は遮断状態となる。インバータ65の出力が高電
位の時は入力端子79の値によって59の導通・遮断が
制御される。インバータ69は第2の出力電圧レベル検
知回路としてはたらき出力端子43の電位が指定値以下
になるとインバータ69の出力は高電位となり、79の
電位の高低のいかんにかかわらずNORゲート77の出
力は0、つまり低電位となりトランジスタ53は遮断状
態となる。インバータ69の出力が低電位の場合は出力
端子79の値によってトランジスタ53の導通・遮断状
態が制御される。以上の説明から明らかなように出力端
子79の電位があらかじめ定められた値よりも大きくな
るとトランジスタ59は遮断され、それ以上電荷の流入
が起こらず電圧が上がらないようになり、また出力端子
43の電位があらかじめ定められた値以下になると、ト
ランジスタ54が遮断されて電荷の流失が止まりそれ以
上電位が下がらないように動作する。本発明の実施例に
おいては電源線39から負荷に充電する経路上に存在す
るトランジスタ59が一つでよく負荷から放電する経路
上に存在するトランジスタは54が一つあればよい。充
放電経路上のトランジスタはバッファの遅延時間を規定
するので、高速の回路が必要な場合はトランジスタの寸
法を大きくしなければならない。さらに直列にトランジ
スタを接続した場合は等価的なオン抵抗を下げるため、
さらに大きくする必要がある。従って半導体基板の面積
を有効に活用する視点からは本発明の回路は大変有利で
ある。本回路を設計するにあたってはインバータ65,
69のスレッシュホールド電圧の設計が重要である。こ
の設定には、出力信号の論理振幅の最大値、最小値と、
出力端子43からインバータ65,69およびNAND
ゲート75、NORゲート77を通過してトランジスタ
59,54のゲート電極に至る信号の遅延を考慮して決
定すればよい。
【0076】第16実施例 次に、第4の発明に関する実施例について説明する。同
期回路方式を用いて設計された半導体集積回路において
は、記憶素子はクロック信号の立ち上がりで記憶を行う
形式または立ち下がりで記憶を行う形式のどちらか一方
の形式の記憶素子のみで回路を構成することが一般的で
ある。しかしながら、大規模な回路においてはクロック
信号系の消費電力の回路全体の消費電力に占める割合は
大きく、回路の電源線に発生するノイズを大きなものに
する欠点があることが指摘されている。
【0077】第4の発明の第1の実施例を図20を用い
て説明する。図20において81,83は電源端子、8
5は入力端子、回路87は入力端子85に入力される信
号から180度位相の異なるクロック信号を発生する回
路であり、二つの駆動回路89,91に接続されてい
る。93は駆動回路89の、95は駆動回路71の出力
端子であり、駆動する記憶素子に対応する負荷97およ
び99が接続されている。回路87は一段のインバータ
により構成し、回路89および91は大容量を駆動する
ためにインバータチェインに構成することができる。ま
た、二つの駆動回路の最終段として図17および図18
に示した駆動回路も使用することができる。図21に図
20の回路の入出力信号の波形を示す。101は入力信
号、103,105はそれぞれ出力端子84,93の出
力信号である。
【0078】第20の回路によれば、クロック信号系の
消費電力をクロック信号の立ち上がりと立ち下がりの二
点に分散させることが可能となり、回路の電源線に発生
するノイズが低減され、より低い電源電圧での動作が可
能となる。また、(1)式によれば回路の消費電力は電
源電圧の2乗に比例するため、このクロック分配方式の
採用により回路の消費電力を低減することが可能にな
る。
【0079】第17実施例 第4の発明に関する第2の実施例を図22を用いて説明
する。図22において81,83は電源端子、85は入
力端子、89,91はクロック信号の駆動回路である。
93は駆動回路89の、また、95は駆動回路91の出
力端子であり、駆動する記憶素子に対応する負荷97お
よび99と二つのクロック信号間で電荷の移動を行うた
めのバイパス回路107が接続されている。回路87は
入力端子85から入力される信号を基にして、回路8
9,91およびバイパス回路107に適切な制御信号を
供給するための回路である。
【0080】この制御回路87の動作を図23を用いて
説明する。図23において、109は入力信号の波形、
111および113はそれぞれ出力端子93,95の波
形である。制御回路87は入力信号の立ち上がり、立ち
下がりを検出して、115で示される時間間隔だけバイ
パス回路107を駆動、同時に駆動回路89,91に対
して出力端子を駆動しない、つまりオープンとする信号
を送る。このため、93,95間で電荷の移動が起こ
り、電源からは電荷が供給されないため出力端子93,
95の電位は119,115で示されるレベルまで変化
する。115で示される時間が過ぎた後には、バイパス
回路107は駆動をやめ、同時に駆動回路89,91に
位相の180度異なるクロック信号を供給する。さらに
時間が経ち入力信号の立ち下がりが検出された場合にも
同様の動作を行う。
【0081】図22の回路によれば、二つのクロック信
号線の間で本来ならば電源端子83を通じて捨てられて
いた電荷の一部を再利用することが可能になるため回路
の消費電力を低減することが可能になる。
【0082】図22の回路を具体化したものを図24に
示す。本実施例はバイパス回路107はNチャネルトラ
ンジスタ121により構成され、そのソース/ドレイン
は出力端子93,95に接続されている。駆動回路89
は電源端子81,83間に直列接続されたPチャネルト
ランジスタ123とNチャネルトランジスタ125およ
び、Pチャネルトランジスタ123のゲートに接続され
たORゲート127とNチャネルトランジスタ125の
ゲートに接続されたNANDゲート129により構成さ
れる。駆動回路91は駆動回路89と同様に電源端子8
1,83間に直列接続されたPチャネルトランジスタ1
31とNチャネルトランジスタ133及び、Pチャンネ
ルトランジスタ131のゲートに接続されたORゲート
135とNチャンネルトランジスタ133のゲートに接
続されたANDゲート137により構成される。制御回
路87は入力端子85に直列に接続され遅延素子13
9、141およびインバータ143、遅延素子139の
入力と出力とを入力するEX−ORゲート145とそれ
に直列に接続するインバータ147およびインバータ1
49により構成される。
【0083】図25に図24の回路の各部の動作波形を
示す。151は入力端子85の入力波形、153はEX
−ORゲート145の出力、155は遅延素子141の
出力の波形である。157と159は回路の出力の波形
である。入力端子85に入力された信号は遅延素子13
9により所定の時間だけ遅らせられる。この信号と入力
信号のEX−ORをとった信号が153であり、入力信
号の立ち上がりと立ち下がりの後遅延素子139の遅延
時間によって決まる時間間隔を持つパルスとなってい
る。この信号はNチャネルトランジスタ121のゲート
に入力されこの時間間隔だけ出力端子93,95間は短
絡されるため、この二つの端子間で電荷の移動が起こ
る。また、EX−ORゲート145の出力は駆動回路の
ANDゲート129と137に入力され、EX−ORゲ
ート145の出力の反転信号は駆動回路のORゲート1
27,135に入力されるため153のパルスの電位が
高い時には123から133までの4つのトランジスタ
はすべてオープンとなり、出力端子93,95は駆動さ
れない。インバータ143は遅延素子141の出力を駆
動回路に供給するためのバッファリングをおこなうため
の素子であり、インバータ149は二つの駆動回路に1
80度位相の異なった信号を供給するための素子であ
る。遅延素子141はEX−ORゲートによる遅延時間
を補正するための素子であり、その遅延時間はEX−O
Rゲートの遅延時間と同じにする必要がある。遅延素子
139の遅延時間は161で示される時間に等しく、9
3と95間で十分に電荷の移動が行なわれ、なおかつ9
3,95の電位が閾値を越えない範囲になるように調整
する必要がある。
【0084】第18実施例 第4の発明に関する第3の実施例を図26を用いて説明
する。図26において81,83は電源端子、85は入
力端子、89,91はクロック信号の駆動回路である。
93は駆動回路89の、95は駆動回路91の出力端子
であり、駆動する記憶素子に対応する負荷97および9
9と二つのクロック信号間で電荷の移動を行うためのバ
イパス回路107が接続されている。回路87は入力端
子85から入力される信号と信号線163,165を用
いてフィードバックされる出力端子の電位を基にして、
駆動回路89,91およびバイパス回路107に適切な
制御信号を供給するための回路である。
【0085】図26に示される回路では出力端子の電位
を163,165によりフィードバックして電位が図2
3における電位変化117または119となるのを検出
することにより駆動回路89,91およびバイパス回路
107を制御する。このため、温度変化などの回路の動
作条件の変動に強い回路を構成することが可能になる。
出力電位の検出には第14実施例および第15実施例の
実施例において使用された閾値の電位が通常のものと異
なるインバータを使用することができる。
【0086】図26の回路を具体化したものを図27に
示す。バイパス回路107はNチャネルトランジスタ1
21により構成され、そのソース/ドレインは出力端子
93,95に接続されている。駆動回路89は電源端子
81,83間に直列接続されたPチャネルトランジスタ
123とPチャネルトランジスタ125および、123
のゲートに接続されたORゲート127と125のゲー
トに接続されたANDゲート129により構成される。
駆動回路91は駆動回路89と同様に電源端子81,8
3間に直列接続されたPチャネルトランジスタ131と
Nチャネルトランジスタ133および、131のゲート
に接続されたORゲート135と133のゲートに接続
されたANDゲート137により構成される。制御回路
87は入力端子85に直列に接続された遅延素子139
と141および139の出力に接続されたインバータ1
43、遅延素子139の入力と遅延素子141の出力か
ら入力に接続されるEX−ORゲート145、入力端子
に接続されたインバータ147、出力端子93に接続さ
れた閾値の電位が通常のものよりの低いインバータ16
7、出力端子95に接続された閾値の電位が通常のもの
よりの低いインバータ169,145の出力と入力端子
85とインバータ169の出力を入力とするANDゲー
ト171,145の出力とインバータ147の出力とイ
ンバータ167の出力を入力とするANDゲート17
3、ANDゲート171,173の出力を入力とするO
Rゲート175、その出力を入力とするインバータ17
7、およびインバータ143の出力を入力とするインバ
ータ179により構成される。
【0087】図28に図27の回路の各部の動作波形を
示す。151は入力端子85の入力波形、181はEX
−ORゲート145の出力波形、183は遅延素子13
9の出力波形である。187と189は回路の出力の波
形である。入力端子85に入力された信号は遅延素子1
39と141により所定の時間だけ遅らせられる。この
信号と入力信号のEX−ORをとった信号が181であ
り、入力信号の立ち上がりと立ち下がりの後遅延素子1
39と141の遅延時間によって決まる時間間隔を持つ
パルスとなっている。インバータ167の出力信号とイ
ンバータ169の出力信号は出力端子93と95の電位
が117以下である時にHighとなる信号であり、こ
れらの信号とゲート171,173,175の働きによ
り入力信号の変化する時に立ち上がる側の出力端子の電
位が117以下である間ORゲート175の出力はNチ
ャネルトランジスタ121のゲートに入力され、この時
間間隔だけ出力端子93,95間は短絡されるため、こ
の二つの端子間で電荷の移動が起こる。また、ORゲー
ト175の出力は駆動回路のANDゲート129と13
7に入力され、ORゲートの175の出力の反転信号が
駆動回路のORゲート127,129に入力されるため
ORゲート173の出力の電位が高い時には123から
133までの4つのトランジスタはすべてオープンとな
り、出力端子93,95は駆動されない。インバータ1
43は遅延素子139の出力を駆動回路に供給するため
にバッファリングをおこなうための素子であり、インバ
ータ179は二つの駆動回路に180度位相の異なった
信号を供給するための素子である。
【0088】インバータ167,169の閾値の電位1
17はゲート171から175の遅延を考慮して、記憶
素子の閾値電位を越えることがないように設定する必要
がある。また、遅延素子139の遅延時間は出力端子9
3の電位が117を越えない範囲に、遅延素子141の
遅延時間は139の遅延時間と合わせて115より長め
に設定すれば良い。
【0089】図27の回路によれば出力端子93,95
間の電荷の移動はインバータ167,169の閾値電位
によって決まる範囲内に限られるため、図24に示した
回路に比べて温度変化などの動作条件の変動に対して安
定動作が期待でき、また、遅延素子の遅延時間の調整も
容易である。
【0090】上記の図22,24,26,27の回路に
よれば、クロック信号の電荷の最大1/2を再利用する
ことが可能である。
【0091】第18実施例 さらに消費電力を下げるためには図22における駆動回
路89,91や図26における駆動回路89,91に図
18に示される回路を変形した図29のような回路を使
用することもできる。この回路は入力端子85、出力端
子93、電源端子81,83、出力の駆動、非駆動を指
定する入力端子191、出力端子の制御回路にフィード
バックするための端子193を持ち、電源端子81,8
3間に直列接続されたPチャネルトランジスタ123と
Nチャネルトランジスタ125および、123のゲート
に接続されたORゲート195と125のゲートに接続
されたANDゲート197、出力端子から電位を195
にフィードバックするインバータ199、出力端子から
電位を197にフィードバックするインバータ201、
入力端子85からの入力をバッファリングし、195,
197に供給するためのインバータ203、出力端子9
3の電位があらかじめ定められた値を越えたことを検出
するためのインバータ207入力端子191からの入力
を反転しORゲート195に入力するためのインバータ
205により構成される。
【0092】ここで、インバータ199,201,20
7の閾値はそれぞれ、図30に示すように、d,a,b
に設定する必要がある。ここで、cは記憶素子の閾値の
電位である。
【0093】以上、クロック配線に関する低消費電力化
に関する方策を述べてきた。しかし、本明細書に記述さ
れた発明は半導体集積回路の大域的な配線問題には容易
に応用できる事は明らかである。例えば、第13実施
例、第14実施例、第15実施例に記述されたバッファ
回路は一般の信号バスを駆動するためにも利用できる。
第10実施例、第11実施例のクロック配線の方法は一
般的なファンアウトの大きな信号線の配線方法としても
その有用性は明らかである。
【0094】
【発明の効果】以上説明してきたように第1の発明によ
れば、入出力信号の不必要な状態遷移を回路内に入力若
しくは回路外に出力することがなくなり、不必要な電力
消費を防ぐことができる。
【0095】また、第2の発明によれば、寄生容量の大
きな電子回路間の信号線の電位変動を抑制することが消
費電力の低減につながるので、モジュール間の信号線の
遷移確率を抑制する方法として、複数の信号線があった
とき、その情報量が失われないように信号をコード化し
て伝送することにより電子回路の消費電力を低減するこ
とができる。
【0096】また、第3の発明によれば、クロック信号
を分配するのに消費する電力を論理振幅を小さくする事
によって節減する事が可能となる。さらに論理振幅を小
さくするのにバッファ回路に対して供給する電源電圧を
下げることなく行うため電源電圧降下回路は必要なく半
導体集積回路の小型化に寄与できる。論理振幅の最大値
と最小値を論理ゲートのスレッシュホールド電圧の上と
下に持ってきたために論理振幅伸張にも特別の回路を必
要とせず一般のインバータ回路でも論理振幅を伸張でき
大変回路が簡単化できる。また電源電圧を降下させずに
インバータ回路の最も感度のよい領域で用いているため
高速に動作する回路を作ることが可能となる。
【0097】また、第4の発明によれば、記憶素子を位
相の180度異なる2種類のクロック信号で駆動するた
め、駆動電流の時間的な分散をはかることができ、電源
電圧を低くすることが可能になり、さらに二つのクロッ
ク信号間で電荷を再利用することが可能になるため、消
費電力が最大1/2まで削減可能となる。また、このク
ロック分配方式は第1の発明と組み合わせて使用するこ
とも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係る電子回路の実施例を示すブロ
ック図である。
【図2】(a)はラッチの回路図を示し、(b)はその
真理値表を示した図である。
【図3】第1の発明に係る電子回路の実施例を示すブロ
ック図である。
【図4】第1の発明に係る電子回路の実施例を示すブロ
ック図である。
【図5】第3実施例において、出力Qの状態を再設定す
るブロック図である。
【図6】第1の発明に係る電子回路の実施例を示すブロ
ック図である。
【図7】第1の発明に係る電子回路の実施例を示すブロ
ック図である。
【図8】第1の発明に係る電子回路の実施例を示すブロ
ック図である。
【図9】第1の発明に係る電子回路の実施例を示すブロ
ック図である。
【図10】簡単な回路における状態遷移の減少を示す図
である。
【図11】一般的な回路における状態遷移の減少を示す
図である。
【図12】プリチャージ回路における状態遷移の減少を
示す図である。
【図13】クロック配線上における論理振幅の変化を示
した該略図である。
【図14】ツリー型のクロック配線の最も記憶回路に近
いバッファを論理振幅伸張型に本発明を適用した場合を
示した図である。
【図15】ツリー型で論理振幅を小さくしたクロック分
配方法を自動的に設計するフローチャートを示す図であ
る。
【図16】振幅制限機能のついたバッファの例である。
【図17】振幅制限機能のついたバッファの実施例を示
す回路の例である。
【図18】振幅制限機能のついたバッファの実施例を示
す回路の別の例である。
【図19】インバータの入出力の関係とスレッシュホー
ルド電圧を説明する図である。
【図20】180度位相の異なる出力を持つバッファの
例である。
【図21】図20に示したバッファの出力波形である。
【図22】180度位相の異なる出力間で電荷を再利用
できるバッファの例。
【図23】図22に示したバッファの各部の信号波形で
ある。
【図24】180度位相の異なる出力間で電荷を再利用
できるバッファの回路例である。
【図25】図24に示したバッファの各部の信号波形で
ある。
【図26】180度位相の異なる出力間での電荷の再利
用を出力電位のフィードバックにより制御するバッファ
の例である。
【図27】180度位相の異なる出力間での電荷の再利
用を出力電位のフィードバックにより制御するバッファ
の例である。
【図28】図27に示したバッファの各部の信号波形で
ある。
【図29】振幅制限機能のついた駆動回路の例である。
【図30】図29で使用したインバータの入出力の関係
とスレッシュホールド電圧を説明する図である。
【符号の説明】
1 回路モジュール 3 入出力判定モジュール 5 回路 7 判定信号発生回路 9 半導体スイッチ 11 リフレッシュ回路 13 分周器 15 NANDゲート 17 インバータ 19 エンコーダ 21 デコーダ 23 クロック信号の入力パッド 25 ドライバ回路 27 クロック配線 29 論理振幅伸張回路 31 記憶回路 33 半導体集積回路基板 35 グループ 37 伸張した論理振幅のクロック信号のための配線 39 第1の電源線 41 第2の電源線 43 出力端子 45 入力端子 47 前置回路 49 第1の出力電圧レベル検知回路 51 第2の出力電圧レベル検知回路 53 トランジスタ列 54 N型MOSトランジスタ 55 負荷容量 57 P型MOSトランジスタ 59 P型MOSトランジスタ 61 N型MOSトランジスタ 63 N型MOSトランジスタ 65 インバータ 67 インバータ 69 インバータ 71 インバータ 73 インバータ 75 NANDゲート 77 NORゲート 79 インバータの出力信号 81 第1の電源端子 83 第2の電源端子 85 入力端子 87 制御回路 89 第1の駆動回路 91 第2の駆動回路 93 第1の出力端子 95 第2の出力端子 97 第1の負荷 99 第2の負荷 101 入力端子の電圧波形 103 第2の出力端子の電圧波形 105 第1の出力端子の電圧波形 107 バイパス回路 109 入力端子の電圧波形 111 第1の出力端子の電圧波形 113 第2の出力端子の電圧波形 115 電荷の移動が行われている時間 117 電荷の移動により変化した電位 119 電荷の移動により変化した電位 121 N型MOSトランジスタ 123 P型MOSトランジスタ 125 N型MOSトランジスタ 127 2入力ORゲート 129 2入力ANDゲート 131 P型MOSトランジスタ 133 N型MOSトランジスタ 135 2入力ORゲート 137 2入力ANDゲート 139 遅延素子 141 遅延素子 143 インバータ 145 EX−ORゲート 147 インバータ 149 インバータ 151 入力端子の電圧波形 153 EX−ORゲート145の出力電圧波形 155 遅延素子141の出力電圧波形 157 第1の出力端子の電圧波形 159 第2の出力端子の電圧波形 161 電荷の移動が行なわれている時間 163 出力端子93からのフィードバック 165 出力端子95からのフィードバック 167 インバータ 169 インバータ 171 3入力ANDゲート 173 3入力ANDゲート 175 3入力ORゲート 177 インバータ 179 インバータ 181 EX−OR145の出力電圧波形 183 遅延素子139の出力電圧波形 185 3入力ORゲート175の出力電圧波形 187 第1の出力端子の電圧波形 189 第2の出力端子の電圧波形 191 制御入力端子 193 電位検出出力端子 195 3入力ORゲート 197 3入力ANDゲート 199 インバータ 201 インバータ 203 インバータ 205 インバータ 207 インバータ
フロントページの続き (72)発明者 橘 昌良 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号と、この入力信号が必要か否か
    の判定を行う判定信号とを入力する電子回路であって、 前記判定信号により前記入力信号の入力が必要か否かを
    判断し、前記入力信号の入力が必要な時には前記入力信
    号を入力し、前記入力信号の入力が不必要な時には最後
    に入力した入力信号の値を保持する信号入力手段を備え
    ることを特徴とする電子回路。
  2. 【請求項2】 前記信号入力手段は、ラッチ回路で構成
    されていることを特徴とする請求項1記載の電子回路。
  3. 【請求項3】 2つ以上の電子回路間を接続する信号線
    の消費電力を低減する方法において、 一方の電子回路から他方の電子回路に送られる信号を符
    号化し、 この符号化前の信号のスイッチング確率の総和より符号
    化後の信号のスイッチング確率の総和を小さくすること
    を特徴とする電子回路の消費電力低減方法。
  4. 【請求項4】 2つ以上の電子回路間を接続する信号線
    の消費電力を低減する方法において、 一方の電子回路内にエンコーダを備え、 他方の電子回路内にデコーダを備え、 前記一方の電子回路から前記他方の電子回路に送られる
    べき信号を符号化し、 この符号化された信号のスイッチング確率の総和を復号
    された信号のスイッチング確率の総和より小さくするこ
    とを特徴とする電子回路の消費電力低減方法。
  5. 【請求項5】 電子回路における入力端子と素子との間
    の消費電力の低減方法において、 前記入力端子より供給された所定の振幅を有する入力ク
    ロックを、前記電子回路の信号論理ゲートのスレッシュ
    ホールド電圧値をはさみ前記所定の振幅の二分の一以下
    のクロック信号に変換するドライバ回路を前記入力端子
    側に設け、 前記ドライバ回路にて変換されたクロック信号を前記入
    力クロック信号に変換する論理振幅伸張回路を前記素子
    側に設けることを特徴とする電子回路の消費電力低減方
    法。
  6. 【請求項6】 入力端子と、電位の高い第1の電源線、
    及び、この第1の電源線より低い電位の第2の電源線の
    間に直列に接続された複数のトランジスタ列と、 前記入力端子に入力される入力信号を用いて生成された
    信号を前記トランジスタ列のゲート端子に接続する前置
    回路と、 出力端子の電圧が予め設定された電圧以上になると出力
    が変化する第1の出力電圧レベル検知回路と、 この第1の出力電圧レベル検知回路の出力によって前記
    第1の電源線からの電流流入を遮断する第1のフィード
    バック回路と、 出力端子の電圧が予め設定された電圧以下になると出力
    が変化する第2の出力電圧レベル検知回路と、 この第2の出力電圧レベル検知回路の出力によって前記
    第2の電源線への電流流入を遮断する第2のフィードバ
    ック回路と、 を備えることを特徴とする電子回路。
  7. 【請求項7】 クロック信号で駆動すべき複数の記憶素
    子を2つのグループに分け、 第1のグループに属する記憶素子としてクロック信号の
    立ち上がりで記憶するものを使用し、 第2のグループに属する記憶素子としてクロック信号の
    立ち下がりで記憶するものを使用し、 前記第1のグループを駆動するクロック信号と前記第2
    のグループを駆動するクロック信号を180度位相の異
    なったクロック信号をそれぞれ入力し、 前記第1のグループと、前記第2のグループとの間で、
    前記クロック信号の立上がり及び立ち下がりの際に電荷
    を移動することを特徴とする電子回路の消費電力低減方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010271946A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Fujitsu Ltd 演算回路および省電力方法

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JP2010271946A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Fujitsu Ltd 演算回路および省電力方法

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