JPH08250756A - 融雪機能付太陽電池モジュール及び融雪機能付太陽光発電システム - Google Patents

融雪機能付太陽電池モジュール及び融雪機能付太陽光発電システム

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JPH08250756A
JPH08250756A JP7047070A JP4707095A JPH08250756A JP H08250756 A JPH08250756 A JP H08250756A JP 7047070 A JP7047070 A JP 7047070A JP 4707095 A JP4707095 A JP 4707095A JP H08250756 A JPH08250756 A JP H08250756A
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snow melting
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solar
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  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Residential Or Office Buildings (AREA)
  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の太陽電池モジュール及び太陽光発電
システムは、それぞれに融雪機能を設けることにより、
太陽電池モジュールの受光面に付着する雪を溶かして雪
が積もらないようにしてなる融雪機能付太陽電池モジュ
ール及び太陽光発電システムを提供する。 【構成】 太陽電池セル34と、該太陽電池セル34の
一方の面に配置される白板強化ガラス板31と、前記太
陽電池セル34の他方の面に配置される耐候性フィルム
36と、前記太陽電池セル34と白板強化ガラス板31
及び耐候性フィルム36との間に介在される充填材3
2,35とを備えてなる太陽電池モジュールにおいて、
前記太陽電池セル34の表面側に融雪用の抵抗発熱線3
3を備えてなることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は太陽電池モジュール及び
太陽光発電システムに関し、特に積雪地域の家屋の屋
根,壁面等に設置する融雪機能付太陽電池モジュール及
び融雪機能付太陽光発電システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電システムを構成する太陽電池
モジュールの多くはスーパーストレート方式と呼ばれる
構造が採用されている。図8はその構造を示す外観図で
ある。また、図9は図8におけるD−D′断面図であ
る。
【0003】図示するように、従来のスーパーストレー
ト方式の太陽電池モジュールは、複数個の太陽電池セル
をインターコネクタ等にて直列または並列に配線してな
る太陽電池セル列1を透明樹脂からなる充填材2を介し
て受光面の白板強化ガラス板3と裏面の耐候性フィルム
4とで挟んで板状の構造にし、この板状体の周辺をアル
ミニウム等の押し出し成型からなる枠材5,6で支えた
構造からなる。
【0004】前記長辺側枠材5と短辺側枠材6とはネジ
7にて固定される。また、前記長辺側枠材5には架台固
定用のネジ穴8が複数個設けられている。
【0005】前記枠材5,6と白板強化ガラス板3との
間には緩衝材料9が挟まれており、該緩衝材料9は応力
が白板強化ガラス板3に加わるのを防ぐとともに、水の
侵入を抑える働きをする。
【0006】上記太陽電池モジュール裏面には端子ボッ
クス10が取り付けられ、該端子ボックス10は太陽電
池モジュールの電気的出力を取り出すための太陽電池出
力ケーブル11が接続されている。
【0007】上述した太陽電池モジュールを一般住宅の
屋根に設置し、該太陽電池モジュールで発電した直流電
力をインバータで交流電力に変換し、家庭内に供給する
とともに、昼間の余った発電電力を商用電力に送ること
のできる系統連系型の住宅用太陽光発電システムが普及
しつつある。該システムの構成を図10に示す。
【0008】該住宅用太陽光発電システムは、屋根に固
定された架台12と、該架台12の上にナジ止めされ上
記太陽電池モジュールを複数個直並列に接続して並べて
なる太陽電池アレイ13と、該太陽電池アレイ13で発
生した電力がケーブルにて導かれる接続箱14と、該接
続箱14から導かれ太陽電池モジュールにて発電した直
流電力を交流電力に変換するインバータ15と、該イン
バータ15から導かれ商用の電力系統に接続される屋内
分電盤16とから構成される。
【0009】前記太陽電池モジュールからの発生電力
は、家庭内の電気機器に前記屋内分電盤16から供給さ
れるが、余った電力については商用電力に送ることがで
き、2台の電力量計を備えた計測部17にて商用電力か
ら入る電力と戻る電力とをそれぞれ計測する。
【0010】このような住宅用太陽光発電システムを積
雪量の多い地域においても採用することが検討されつつ
あるが、積雪量の多い地域においては、屋根に一定以上
の雪が積もるとその重みによって家屋に大きな負担がか
かるために、定期的に雪下ろしの作業を行わなければな
らない。従来、この雪下ろしの作業は作業員が屋根の上
にのぼり、スコップで積雪を切り取り、ブロック状とな
った雪を落下させており、このような雪下ろしの作業は
豪雪地帯の住宅では冬季に何度も繰り返して行わなけれ
ばならない。
【0011】このような豪雪地帯の家屋の屋根に太陽電
池モジュールを取り付けて、住宅用太陽光発電システム
を設置しようとする場合、太陽電池モジュール受光面に
積もる雪対策が必要となってくる。
【0012】従来、一般的に太陽電池モジュールを屋根
に取り付ける場合、図11に示すように、瓦、スレー
ト、金属板等で葺かれた屋根材18の上に鋼材、アルミ
材等の金属材料で構成された架台12を配置し、この架
台12の上に太陽電池モジュール13aを固定する方法
が採用されている。前記架台12は、金具19にて野地
板20の上に置かれ、垂木21又は母屋22にネジで強
固に止められる。
【0013】該太陽電池モジュール13aは屋根と平行
に取り付けられ、屋根面から5〜10cm浮かせて、冷
却のための通風空間23を設ける設ける構造が一般的で
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該構造
を積雪地域に適用した場合、太陽電池モジュール13a
の受光面に積もる雪の除去作業を人手で行うことは非常
に困難となる。第1に、受光面がガラス3にてできてい
るために、スコップの金属部が当たり傷をつけるか又は
破損させる場合がある。また、受光面のガラス面が非常
に滑り易く、作業者が落下する危険性がある。さらに、
一般住宅用の大型太陽電池モジュールを取り付けた場合
には、積雪荷重と作業者の体重による集中荷重によりガ
ラス3がたわみ、破損する危険性がある。
【0015】また、太陽電池モジュールの受光面に雪が
積もった場合には発電を行うことが不可能であった。
【0016】このような問題点の対策として、太陽電池
アレイの設置角度を急にして雪が積もらないようにする
方法が採用されている。該方法は、例えば太陽電池アレ
イの設置角度を40度〜60度にすることによって、積
もった雪を自然落下させる方法であるが、通常、太陽電
池モジュールを屋根に設置する場合には屋根に平行に取
り付けるために、屋根が同等の角度、即ち40度〜60
度の角度でなければならないといった問題があった。
【0017】本発明は、上記課題に鑑み、太陽電池モジ
ュール及び太陽光発電システムに融雪機能を設けること
により、太陽電池モジュールの受光面に付着する雪を溶
かして雪が積もらないようにする融雪機能付太陽電池モ
ジュール及び太陽光発電システムの提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
融雪機能付太陽電池モジュールは、積雪地域に設置する
太陽電池モジュールにおいて、融雪用の発熱体を備えて
なることを特徴とするものである 本発明の請求項2記載の融雪機能付太陽電池モジュール
は、太陽電池素子と、該太陽電池素子の一方の面に配置
されるガラス板と、前記太陽電池素子の他方の面に配置
されるフィルムと、前記太陽電池素子とガラス板及びフ
ィルムとの間に介在される充填材とを備えてなる太陽電
池モジュールにおいて、融雪用の発熱体を備えてなるこ
とを特徴とするものである。
【0019】本発明の請求項3記載の融雪機能付太陽電
池モジュールは、前記発熱体が抵抗発熱体を印刷してな
るガラス板からなることを特徴とするものである。
【0020】本発明の請求項4記載の融雪機能付太陽電
池モジュールは、前記発熱体が太陽電池素子の表面側又
は裏面側に配置されてなる抵抗発熱線からなることを特
徴とするものである。
【0021】本発明の請求項5記載の融雪機能付太陽電
池モジュールは、前記発熱体がフィルム状の発熱シート
からなることを特徴とするものである。
【0022】本発明の請求項6記載の融雪機能付太陽光
発電システムは、積雪地域に設置する太陽光発電システ
ムにおいて、太陽電池素子を備えた太陽電池モジュール
と、前記太陽電池素子に逆方向電圧を加えるための印加
手段とを有してなることを特徴とするものである。
【0023】本発明の請求項7記載の融雪機能付太陽光
発電システムは、前記印加手段が、太陽電池素子と直列
接続される第1オン/オフ制御手段と、該第1オン/オ
フ制御手段と並列接続され且つ前記太陽電池素子と直列
接続される直流電源及び第2オン/オフ制御手段と、前
記オン/オフ制御手段のオン/オフ制御を行う積雪セン
サとを備えてなることを特徴とするものである。
【0024】本発明の請求項8記載の融雪機能付太陽光
発電システムは、前記太陽電池素子が、第1の主面と第
2の主面とそれらの両主面間を側面とを有するp型半導
体基板と、前記第1主面上に形成された第1のn型層
と、前記第2主面上に形成されていて前記基板より高い
不純物濃度を有するp型層と、前記第1のn型層と前記
p型層とを接続するように少なくとも前記側面上に形成
された第2のn型層とを含み、前記第2のn型層は少な
くとも前記p型層と接触する近傍において前記第1のn
型層より低い不純物濃度を有してなることを特徴とする
ものである。
【0025】
【作用】上記構成によれば、本発明の請求項1又は2記
載の融雪機能付太陽電池モジュールは、融雪用の発熱体
を備えてなる構成なので、該発熱体によって太陽電池モ
ジュールを発熱させ、該太陽電池モジュール近傍の雪を
溶かすことができる。
【0026】また、本発明の請求項3乃至5記載の融雪
機能付太陽電池モジュールは、前記発熱体を抵抗発熱体
が印刷されてなるガラス板、太陽電池素子の表面側又は
裏面側に配置されてなる抵抗発熱線、フィルム状の発熱
シートの何れかよりなる構成なので、各発熱体の発熱に
て太陽電池モジュールが加熱され該ガラス板表面の雪を
溶かすことができる。
【0027】さらに、本発明の請求項6記載の融雪機能
付太陽光発電システムは、太陽電池素子を備えた太陽電
池モジュールと、前記太陽電池素子に逆方向電圧を加え
るための印加手段とを有してなる構成なので、該印加手
段にて太陽電池素子に逆方向電圧を加えることにより該
太陽電池素子に漏れ電流が発生し、該漏れ電流によって
太陽電池素子が加熱し、該太陽電池素子の加熱によって
太陽電池モジュールを発熱させ、該太陽電池モジュール
近傍の雪を溶かすことができる。
【0028】加えて、本発明の請求項7記載の融雪機能
付太陽光発電システムは、前記印加手段が、太陽電池素
子と直列接続される第1オン/オフ制御手段と、該第1
オン/オフ制御手段と並列接続され且つ前記太陽電池素
子と直列接続される直流電源及び第2オン/オフ制御手
段と、前記オン/オフ制御手段のオン/オフ制御を行う
積雪センサとを備えてなる構成なので、積雪時には前記
積雪センサにて第2オン/オフ制御手段をオンさせ且つ
第1オン/オフ制御手段をオフすることにより直流電源
から太陽電池素子に逆方向電圧が印加される。また、第
1オン/オフ制御手段は後段に例えばインバータが接続
されており、通常時には第1オン/オフ制御手段をオン
し、第2オン/オフ制御手段をオフして通常動作を行
う。
【0029】加えて、本発明の請求項8記載の融雪機能
付太陽光発電システムは、前記太陽電池素子が、第1の
主面と第2の主面とそれらの両主面間を側面とを有する
p型半導体基板と、前記第1主面上に形成された第1の
n型層と、前記第2主面上に形成されていて前記基板よ
り高い不純物濃度を有するp型層と、前記第1のn型層
と前記p型層とを接続するように少なくとも前記側面上
に形成された第2のn型層とを含み、前記第2のn型層
は少なくとも前記p型層と接触する近傍において前記第
1のn型層より低い不純物濃度を有してなる構成なの
で、第2のn型層とp型層との接続領域がp型シリコン
基板と第1のn型層とによって形成される太陽電池部と
同じ極性で並列に接続された微小なダイオードが構成さ
れ、この微小なダイオードは、太陽光が入射している時
には太陽電池部と同じ極性の起電力が生じるが、逆方向
に電圧が印加されたときには漏れ電流を流す素子として
機能する。
【0030】
【実施例】図1は、本発明の第一実施例よりなる融雪機
能付太陽電池モジュールの構成及び製造方法を説明する
ための斜視図である。
【0031】該融雪機能付太陽電池モジュール(以下、
単に「太陽電池モジュール」と称す。)は、複数個の太
陽電池セルを直列又は並列に接続してなる太陽電池セル
列34をその表面側に透明樹脂からなる充填材32を介
して白板強化ガラス31を配置し、裏面側に同じく充填
材35を介して耐候性フィルム36を配置し、前記白板
強化ガラス31と耐候性フィルム36とで前記太陽電池
セル列34を挟んで板状にしてなるものであって、前記
太陽電池セル34の表面側又は裏面側に線状の抵抗発熱
体33を配置してなる構成である。例えば、太陽電池セ
ル列34の表面に前記抵抗発熱線33を配置する。
【0032】該太陽電池モジュールは、例えば上から白
板強化ガラス31、シート状充填材32、抵抗発熱線3
3、複数個の太陽電池セルを直並列に複数接続してなる
太陽電池セル列34、シート状充填材35、耐候性フィ
ルム36を順次重ね合わせてラミネーターと呼ばれる装
置にセットし、各材料間の空気を抜いて温度を上げ、前
記シート状充填材32,35を溶かして各材料を接着さ
せることにより製造される。
【0033】前記線状の抵抗発熱体33に代わって、図
2(a)に示すように白板強化ガラスとして抵抗発熱体
33aを印刷した白板強化ガラス31aを用いてもよ
く、また図2(b)に示すように耐候性フィルムとして
フィルム状抵抗発熱体33bを貼り付けた耐候性フィル
ム36を用いても良く、さらにラミネート時にフィルム
状抵抗発熱体33bを貼り付けても良い。
【0034】なお、前記抵抗発熱体33,33aは、各
太陽電池セルに影が生じないように配置する。
【0035】前記抵抗発熱体33,33a,33bの両
端には電極が設けられており、該電極にリード線を取り
付け両端に電圧を加えることにより該抵抗発熱体33,
33a,33bが発熱する。
【0036】該抵抗発熱体33,33a,33bの発熱
としては、白板強化ガラス31,31a表面に降雪する
雪が溶ける程度であれば良く、該白板強化ガラス表面の
温度が例えば0℃以上10℃以下となるように前記抵抗
発熱体33,33a,33bの抵抗値及び加える電圧値
を設定する。該温度内であれば、太陽電池モジュール
(特に充填材、太陽電池セル)の信頼性について問題無
く融雪を行うことが可能である。
【0037】図3に太陽電池モジュール4台の配線図を
示す。図において、4台の太陽電池モジュール37a〜
37dは直列に接続されて必要な電圧が得られるものと
する。
【0038】各太陽電池モジュール37a〜37dに
は、それぞれ端子ボックス38a〜38dが裏面に取り
付けられ、該端子ボックス38a〜38dにて各太陽電
池モジュール37a〜37dからの出力ケーブル39が
取り出されている。該図において、発熱抵抗体へのリー
ド線40についても前記端子ボックス38a〜38dか
ら取り出す構造としたが、両者を別々の端子ボックスか
ら取り出す構造としても良い。
【0039】前記発熱抵抗体の配線作業は、例えば太陽
電池モジュール37a〜37dの取り付け、配線作業と
同時に行う。該発熱抵抗体は、図3に示すように太陽電
池モジュール37a〜37dとは別系統の配線が必要で
ある。このため、各太陽電池モジュールの発熱抵抗体へ
の給電線は並列接続とし、一本の分岐線(リード線)4
0にまとめてハーネス化したものを別途配線する。
【0040】このように、本実施例の太陽電池モジュー
ルは、前記発熱体33として抵抗発熱体33aが印刷さ
れてなる白板強化ガラス板31a、太陽電池セル列34
の表面側又は裏面側に配置されてなる抵抗発熱線33、
フィルム状の発熱シート33cの何れかを備えてなる構
成なので、各発熱体33,33a,33bの発熱にて太
陽電池モジュールが加熱され該白板強化ガラス板31,
31a表面の雪を溶かすことが可能となる。これにより
雪の除去作業が不要となり、白板強化ガラス31,31
aの破損及び損傷、積雪による発電量の低下を防止でき
る。また、形状としても従来と略同等の大きさが得られ
る。
【0041】以下、本発明の第二実施例よりなる融雪機
能付住宅用太陽光発電システムについて図4にしたがっ
て説明する。
【0042】該融雪機能付住宅用太陽光発電システム
(以下、単に「太陽光発電システム」と称す。)は、太
陽電池モジュール41a〜41dと、該太陽電池モジュ
ール41a〜41dと直列に接続される第1オン/オフ
制御手段42、系統連系インバータ43、第2オン/オ
フ制御手段44及び直流電源45とからなり、前記第1
オン/オフ手段42及び系統連系インバータ43と第2
オン/オフ手段44及び直流電源45とが並列に接続さ
れてなる。
【0043】前記太陽電池モジュール41a〜41dは
それぞれ、例えば複数個の太陽電池セルを直列又は並列
に接続してなる太陽電池セル列をその表面側に透明樹脂
からなる充填材を介して白板強化ガラスを配置し、裏面
側に同じく充填材を介して耐候性フィルムを配置し、前
記白板強化ガラスと耐候性フィルムとで前記太陽電池セ
ルを挟んで板状にしてなる太陽電池モジュールであっ
て、前記太陽電池セルが逆方向の並列特性が小さい太陽
電池セルからなり、該太陽電池セルを直列接続してな
る。これらの太陽電池モジュール41a〜41dは、直
列に接続されてなる。
【0044】前記第1オン/オフ手段42及び第2オン
/オフ手段44は例えばスイッチ又はリレーからなり、
積雪センサ46によりオン/オフ制御される。
【0045】前記太陽電池モジュール41a〜41dの
出力は、前記系統連系インバータ43により交流に変換
されて分電盤47に流れ、該分電盤47より商用電力系
統(図示せず)につながれる。 該システムにおいて、降雪時には積雪センサ46が動作
して第1オン/オフ手段42がオフ状態,第2オン/オ
フ手段44がオン状態になり、直流電源45より太陽電
池モジュール41a〜41dに逆電圧が印加され、太陽
電池セルの発熱作用により太陽電池モジュール受光面の
ガラスが加熱されて該ガラス表面に降雪する雪を溶かす
ことができる。また、通常時には第1オン/オフ制御手
段42をオン状態、第2オン/オフ制御手段44がオフ
状態となり通常動作を行う。
【0046】前記太陽電池セルの発熱としては、白板強
化ガラス表面に降雪する雪が溶ける程度であれば良く、
該白板強化ガラス表面の温度が例えば0℃以上10℃以
下となるように直流電源45の印加電圧値を設定する。
該温度内であれば、太陽電池モジュールの信頼性につい
て問題無く融雪を行うことが可能である。
【0047】以下、前記太陽電池セルについて説明す
る。
【0048】まず、一般的な太陽電池セルの電流電圧特
性図5の等価回路で表すことができる。図中、51は太
陽電池素子にエネルギーが入射したときに発生する光電
流源(太陽電池部)であり、52はダイオードであり、
53は直列抵抗であり、54は並列抵抗である。
【0049】該並列抵抗54は太陽電池セルの漏れ電流
に起因する成分で、並列抵抗が大きいほど漏れ電流は少
なくなり変換効率の高い太陽電池セルを作ることができ
る。並列抵抗が小さいと漏れ電流は大きくなり変換効率
は低下する。
【0050】最近、変換効率を落とすことなく逆方向の
並列特性が小さい太陽電池セルが開発されつつある。該
太陽電池セルとしては、同出願人が平成6年4月28日
付けで出願してなる特願平6−91443号の「太陽電
池セルとその製造方法」に記載の太陽電池セルがある。
【0051】本実施例の太陽光発電システムは、該出願
における太陽電池セルを用いるものである。
【0052】即ち、該太陽電池セルは、図6に示すよう
に、p型シリコン基板61の上面に形成された第1のn
型層62と、前記p型シリコン基板61の底面上に形成
されていて該p型シリコン基板61より高い不純物濃度
を有するp型層63と、前記第1のn型層62と前記p
型層63とを接続する前記p型シリコン基板61側面上
に形成された第2のn型層64とから構成され、前記第
2のn型層64は少なくとも前記p型層63と接触する
近傍において前記第1のn型層62より低い不純物濃度
を有してなる構造である。
【0053】図6において、第1のn型層62が形成さ
れた側が太陽電池セルの受光面側であり、該第1のn型
層62上には反射防止膜65が形成されている。また、
太陽電池セルの受光面及び底面には出力を取り出す電極
(図示せず)が形成される。 この太陽電池セルは、逆バイアス電圧が印加されたとき
に低い並列抵抗を示す特性を有している。その理由とし
ては、第2のn型層64とp型層63との接続領域がp
型シリコン基板61と第1のn型層62とによって形成
される太陽電池部と同じ極性で並列に接続された微小な
ダイオードを構成する。この微小なダイオードは、太陽
光が入射している時には太陽電池部と同じ極性の起電力
が生じるが、逆方向に電圧が印加されたときには漏れ電
流を流す素子として機能する。
【0054】このような太陽電池セルを用いることによ
って、太陽電池セルの変換効率を損なうことなく逆方向
の漏れ電流を大きくすることができる。また、太陽電池
モジュールの大きさが増加することもない。
【0055】図7に本実施例の太陽電池セルと従来の太
陽電池セルとの電流電圧特性を示す。図中、縦軸は電流
を表し、横軸は電圧を表す。また、曲線Aは本実施例の
太陽電池セルの逆方向特性であり、曲線Bは従来の太陽
電池セルの逆方向特性であり、曲線Cは順方向特性であ
る。
【0056】したがって、例えばVR の逆方向電圧をこ
れらの太陽電池セルに印加した場合、従来の太陽電池セ
ルはIC の電流が流れるのに対して、本実施例の太陽電
池セルはIB の電流が流れる。これらの電流は太陽電池
セルを発熱させるが、並列抵抗の小さい本実施例の太陽
電池セルは低い電圧で発熱効果を高めることが可能であ
る。該太陽電池セルの発熱により太陽電池モジュールが
加熱され、白板強化ガラス板表面の雪を溶かすことが可
能となる。これにより雪の除去作業が不要となり、白板
強化ガラスの破損及び積雪による発電量の低下を防止で
きる。
【0057】また、前記太陽電池セルを使用して太陽電
池モジュールを構成すると、太陽電池セルの一部に影が
当たった場合のモジュール出力低下が少なくなること、
またホットスポットと呼ばれる発熱作用が少なくなる等
の効果もある。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
乃至8記載の融雪機能付太陽電池モジュール及び融雪機
能付太陽光発電システムは、太陽電池モジュールを発熱
させる融雪用の発熱手段を備えてなる構成なので、該発
熱手段によって太陽電池モジュールを発熱させ、該太陽
電池モジュール近傍の雪を溶かすことが可能となる。こ
れにより雪の除去作業を不要とし、白板強化ガラスの破
損及び損傷、積雪による発電量の低下を防止する。
【0059】また、請求項8記載の融雪機能付太陽光発
電システムによれば、太陽電池素子の変換効率を損なう
ことなく逆方向の漏れ電流を大きくすることが可能とな
る。したがって、低い電圧で発熱効果を高めることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例よりなる融雪機能付太陽電
池モジュールの構造及び製造方法を説明するための斜視
図である。
【図2】他の実施例を説明するための斜視図である。
【図3】図1に示す融雪機能付太陽電池モジュールの配
線図である。
【図4】本発明の第二実施例よりなる融雪機能付太陽光
発電システムを示す回路図である。
【図5】一般的な太陽電池セルの等価回路図である。
【図6】図4に示す実施例の太陽電池セルの構成図であ
る。
【図7】図6に示す太陽電池セルと従来例の太陽電池セ
ルとの電流電圧特性の対比図である。
【図8】従来の太陽電池モジュールを示す外観図であ
る。
【図9】図8のD−D′断面図である。
【図10】従来の太陽光発電システムの構成図である。
【図11】従来の一般的な太陽電池モジュールの取り付
け構成図である。
【符号の説明】
31,31a 白板強化ガラス 32,35 シート状充填材 33,33a,33b 抵抗発熱体 34 太陽電池セル(列) 36 耐候性フィルム 37a,37b,37c,37d 太陽電池モジュール 41a,41b,41c,41d 太陽電池モジュール 42 第1オン/オフ制御手段 44 第2オン/オフ制御手段 45 直流電源 46 積雪センサ 61 p型半導体基板 62 第1のn型層 63 p型層 64 第2のn型層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積雪地域に設置する太陽電池モジュール
    において、融雪用の発熱体を備えてなることを特徴とす
    る融雪機能付太陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 太陽電池素子と、該太陽電池素子の一方
    の面に配置されるガラス板と、前記太陽電池素子の他方
    の面に配置されるフィルムと、前記太陽電池素子とガラ
    ス板及びフィルムとの間に介在される充填材とを備えて
    なる太陽電池モジュールにおいて、 融雪用の発熱体を備えてなることを特徴とする融雪機能
    付太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記発熱体は抵抗発熱体が印刷されてな
    るガラス板からなることを特徴とする請求項2記載の融
    雪機能付太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記発熱体は太陽電池素子の表面側又は
    裏面側に配置されてなる抵抗発熱線からなることを特徴
    とする請求項2記載の融雪機能付太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記発熱体はフィルム状の発熱シートか
    らなることを特徴とする請求項2記載の融雪機能付太陽
    電池モジュール。
  6. 【請求項6】 積雪地域に設置する太陽光発電システム
    において、太陽電池素子を備えた太陽電池モジュール
    と、前記太陽電池素子に逆方向電圧を加えるための印加
    手段とを有してなることを特徴とする融雪機能付太陽光
    発電システム。
  7. 【請求項7】 前記印加手段は、太陽電池素子と直列接
    続される第1オン/オフ制御手段と、該第1オン/オフ
    制御手段と並列接続され且つ前記太陽電池素子と直列接
    続される直流電源及び第2オン/オフ制御手段と、前記
    オン/オフ制御手段のオン/オフ制御を行う積雪センサ
    とを備えてなることを特徴とする請求項6記載の融雪機
    能付太陽光発電システム。
  8. 【請求項8】 前記太陽電池素子は、第1の主面と第2
    の主面とそれらの両主面間を側面とを有するp型半導体
    基板と、前記第1主面上に形成された第1のn型層と、
    前記第2主面上に形成されていて前記基板より高い不純
    物濃度を有するp型層と、前記第1のn型層と前記p型
    層とを接続するように少なくとも前記側面上に形成され
    た第2のn型層とを含み、前記第2のn型層は少なくと
    も前記p型層と接触する近傍において前記第1のn型層
    より低い不純物濃度を有してなることを特徴とする請求
    項6又は7記載の融雪機能付太陽光発電システム。
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