JPH08249699A - 光学ヘッド - Google Patents

光学ヘッド

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Publication number
JPH08249699A
JPH08249699A JP7055476A JP5547695A JPH08249699A JP H08249699 A JPH08249699 A JP H08249699A JP 7055476 A JP7055476 A JP 7055476A JP 5547695 A JP5547695 A JP 5547695A JP H08249699 A JPH08249699 A JP H08249699A
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JP
Japan
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light
optical
mounting plate
optical head
front monitor
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Withdrawn
Application number
JP7055476A
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English (en)
Inventor
Ichiro Ikari
一郎 碇
Kazuhiro Fujikawa
一広 藤川
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Head (AREA)
  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単かつ確実な構成でLDをシールドすると共
に、記録再生特性が安定した光学ヘッドを提供すること
を目的とする。 【構成】本発明の光学ヘッドは、光学ベース5に、LD
1を固定したLD取付板2とLD印加電流を制御する制
御素子4を実装したプリント配線基板3を重ねて取り付
け、これらをシールドカバー18によってシールドされ
ている。LD取付板2には、LD1が固定された部分と
前記制御素子4が取り付けられた位置に対応する部分と
の間の領域に、LD1からの熱の伝導を遮断するための
スリット2aが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光学式記録再生装置
に用いられる光学ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】上記した光学ヘッドにおいて、不要輻射
の低減を図るために、レーザダイオード(LD)をシー
ルドする技術が特開平5−334710号公報に開示さ
れている。この公報に開示されている技術によれば、簡
単かつ確実な構成でLDをシールドするために、LDに
プリント配線基板を取り付け、これを2面以下の開口部
を有する光学ベースに保持すると共に、この開口部をシ
ールド板で閉塞して、LDおよびプリント配線基板を囲
むようにシールドしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、光学ヘッドで
は、LDから射出される光の出力が一定に制御されるよ
うに、射出光の一部を光検出器で検出し、その光検出器
の出力を高速APCIC(オートパワーコントロールI
C)等のLD印加電流制御素子を介してLDにフィード
バックしている。上記公報に開示された光学ヘッドによ
れば、簡単かつ確実な構成でLDをシールドするもの
の、LD印加電流制御素子を、LDが取り付けられてい
るプリント配線基板に実装した場合、以下の問題が生じ
る。
【0004】LDの発熱は、それが保持される光学ベー
スに直接伝わり十分に放出される。ところが、プリント
配線基板に実装されたAPCIC等のLD印加電流制御
素子の発熱は、周囲の空間内に放出されるものの、この
部分はシールド板によって閉塞されているため、空気の
対流がなく放熱が十分でない。また、これに加えて、L
Dによる発熱が大きいため、伝導、輻射によってプリン
ト配線基板に実装された素子が加熱されてしまう。この
結果、APCIC等のLD印加電流制御素子の制御性能
に温度ドリフトが生じてLDに印加する電流が不安定と
なり、記録再生特性が安定しなくなる。
【0005】この発明は、簡単かつ確実な構成でLDを
シールドすると共に、記録再生特性が安定した光学ヘッ
ドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の光学ヘッドは、光学ベースに、LDを固定
したLD取付板とLD印加電流を制御する制御素子を実
装したプリント配線基板を重ねて取り付けてこれらをシ
ールドしており、前記LD取付板には、LDが固定され
た部分と前記制御素子が取り付けられた位置に対応する
部分との間の領域に、LDからの熱の伝導を遮断する手
段を形成したことを特徴としている。
【0007】
【作用】LDを固定したLD取付板に、制御素子が実装
されたプリント配線基板を当て付けて固定する。このL
D取付板には、LDが固定された部分と前記制御素子が
取り付けられた位置に対応する部分との間の領域に、L
Dからの熱の伝導を遮断する手段を形成している。
【0008】LD取付板は、光学ベースに取り付けられ
ているため、LDからの発熱は光学ベースに伝わって放
熱されると共に、制御素子からの発熱はプリント配線基
板からLD取付板を介して光学ベースに伝えられて放熱
される。
【0009】
【実施例】図1は、本発明に係る光学ヘッドの一実施例
を示した平面図であり、図2は、LDが取り付けられる
部分の分解斜視図である。LD1は、板状のLD取付板
2に形成されている円形の貫通孔に圧入されて、LD1
の射出側フランジ端面がLD取付板2の表面と略同一に
なった状態でLD取付板2に固定されている。このLD
取付板2は、例えばアルミ、黄銅等の熱伝導率の大きな
材質で作成されている。LD取付板2の表面には、LD
1の端子がはんだ付けで接続されると共に、高速APC
IC(オートパワーコントロールIC)4および図示し
ない抵抗、コンデンサ等の電気部品が実装されたプリン
ト配線基板3が配され、APCIC4が実装されていな
い面がLD取付板2の表面に当て付けられて固定され
る。この実施例においては、図示されていないネジをプ
リント配線基板3側から螺入することにより、LD取付
板2およびプリント配線基板3を光学ベース5に固定し
ている。そして、これらをシールドカバー18で略密閉
状態に覆うことにより、不要電磁波の放射を抑制してい
る。
【0010】LD取付板2には、LD1を固定した部分
とAPCIC4が実装されている位置に対応する部分と
の間の領域に、LD1からの熱の伝導を遮断する手段が
形成されている。この実施例では、LD取付板2を上下
に貫通する長いスリット2aによって構成されており、
LD1からの熱の伝導は、このスリットの部分で遮断さ
れ、面接触している光学ベース5側に伝えられる。
【0011】光学ベース5には、LD1の射出部分が挿
入されるように円形の孔5aが形成されており、この部
分に、コリメータレンズ7が保持された円筒状の枠6が
配される。円筒状の枠6は、光学ベース5の外側から光
軸方向に垂直に螺入されるネジ8によって光学ベースに
固定され、このネジ8を緩めることによって、円筒状の
枠6は光軸方向に調整可能となっている。LD1から射
出されたレーザ光は、コリメータレンズ7によって平行
光に変換される。
【0012】光学ベース5内には、図示されていない台
座上に接着固定された第1のビーム整形プリズム9およ
び第2のビーム整形プリズム10(一部分のみ図示)が
設けられている。LD1から射出される断面が楕円形の
レーザ光は、これらの2つのビーム整形プリズム9,1
0を透過することによって略円形断面となり、図示され
ていない移動光学系の対物レンズによって収束され、光
学的記録媒体の記録膜にスポットを結ぶ。
【0013】そして、記録膜で反射されたレーザ光は逆
の経路を戻り、第2のビーム整形プリズム10を介し
て、第1のビーム整形プリズム9のビーム整形面9aで
反射される。この反射光は、光学ベース5内に配された
λ/4板11を透過して、図示されていない集光レンズ
によって緩やかな収束光に変換された後、PBS(偏光
ビームスプリッタ)12によって偏光分離され、それぞ
れ図示されていない6分割PD(フォトダイオード)に
入射する。それぞれの6分割PDには、IV変換アンプ
が内蔵されており、分割された各々のPDから出力され
る光電流は、ノイズの影響を受けること無く電圧に変換
され、各電圧信号は、ヘッドアンプ13(実装されてい
る電気部品は図示していない)に入力されて種々の演算
が行われる。そして、必要な信号がFPC(フレキシブ
ルプリント板)14を介して図示されていないメイン基
板へ供給される。
【0014】また、コリメータレンズ7から射出された
レーザ光の一部は、前記第1ビーム整形プリズム9のビ
ーム整形面9aで反射され、図示されていない台座に接
着固定された第3のビーム整形プリズム15に入射す
る。この第3のビーム整形プリズム15には、第2の集
光レンズ16が一体接着されており、ビーム整形面9a
で反射されたレーザ光は、第3のプリズム15で屈折さ
れると共に第2の集光レンズ16によって収束され、前
方モニタ用光検出器17に入射する。この光検出器17
の受光部面積は、φ1mm以下と小さく、周波数帯域は数
100MHzまで伸びている。光検出器17の光電流
は、APCIC4に供給され、この光電流が一定値にな
るようにLD印加電流を高速に制御する。
【0015】実際に、この光学ヘッドが駆動状態になる
と、図1の矢印で示すように、LD1で生じた熱は、ま
ずLD取付板2に伝導し、LD取付板2の内部を拡散し
て行く。しかし、前述したように、LD1が固定された
部分とAPCIC4が取り付けられた位置に対応する部
分との間の領域には、LD1からの熱の伝導を遮断する
ようにスリット2aが形成されているために、その熱は
APCIC4側に伝わらず、光学ベース5側へ放熱され
る。この場合、光学ベース5は、十分に熱容量が大き
く、LD1の発熱を余裕をもって放熱することができ
る。これにより、LD1の温度上昇は、周囲温度より5
度以内に抑制することが可能となっている。
【0016】一方、APCIC4の発熱は、プリント配
線基板3に伝わり、その厚さ方向に移動してLD取付板
2に伝わる。LD取付板2のこの部分は、LD1からの
熱が遮断されているため、十分に低温な状態となってい
る。従って、APCIC4の発熱は、LD1の熱に影響
されることなく伝わり、光学ベース5に放熱される。通
常、プリント配線基板3の材質となるエポキシ樹脂の熱
伝導率は、約10×10-4cal/cm・s・°Cと小
さな値であるが、その面積が大きく厚さが1mm以下と
薄く構成されているため、APCIC4の発熱を十分に
LD取付板2に伝導することができる。
【0017】このように、簡単かつ確実な構成でLD1
がシールドされると共に、その発熱は、プリント配線基
板に実装されたAPCIC4に伝わることがなく、かつ
APCIC4の発熱はLD取付板2および光学ベース5
を介して放熱されてしまう。この結果、APCIC4の
制御性能に温度ドリフトが生じることがなくなり、LD
1に印加する電流が安定する。
【0018】上記した実施例以外にも、LD取付板2に
形成されるLD1からの熱の伝導を遮断する手段は種々
変形することができる。以下、遮断手段の別の実施例を
図3(a)〜(c)の要部の平面図を参照して説明す
る。なお、これらの図面において、LD1からの熱およ
びAPCIC4からの熱は、矢印で示すように放熱され
る。
【0019】図3(a)に示す実施例では、プリント配
線基板3のAPCIC4に面する位置に孔3aを形成し
ておく。この孔3aは、APCIC4の面積よりも小さ
く形成されており、APCIC4は、その周端領域がプ
リント配線基板3の表面に当て付けられてプリント配線
基板3に実装されている。また、LD取付板2には、こ
の孔3aに対応して配されるよう突起部2bが形成され
ており、この突起部はAPCIC4の裏面に接してい
る。
【0020】このように構成すれば、APCIC4の熱
を、熱伝導率が小さいプリント配線基板3を介すること
なく、直ちに熱伝導率の大きいLD取付板2に伝えるこ
とができ、APCIC4の放熱が良好になる。
【0021】図3(b)に示す実施例では、LD取付板
2のLD1の周囲に、プリント配線基板側に対向してス
リット2aにつながる凹部2cが形成されており、これ
により、プリント配線基板3との間に空間を形成してい
る。この空間によって、LD1から発せられた熱が、プ
リント配線基板3に伝わることを遮断しているため、L
D1からの熱がAPCIC4に及ぼす影響がより小さく
なる。また、この構成において、図3(a)に示したよ
うに、LD取付板2のAPCIC4の対応する位置に孔
を形成し、この部分にLD取付板2の突起部を配してA
PCIC4の裏面に接触させれば、さらに良好な放熱効
果が得られる。
【0022】図3(c)に示す実施例では、プリント配
線基板3は、両面に銅箔パターンが形成されており、両
面からの各種素子の実装が可能に構成されている。ま
た、LD取付板2のスリット2aの幅が大きく設定され
ている。そして、プリント配線基板3には、スリット2
a内に位置するように、抵抗やコンデンサ等の電気部品
20を実装している。このように、LD1からの熱の伝
導を遮断する幅広のスリット2aをLD取付板2に形成
すると共に、このスリット部分に電気部品が配されるよ
うプリント配線基板3を両面実装可能に構成したため、
図1に示した実施例で得られる効果に加えて、さらにプ
リント配線基板3の面積を小さくすることができる。す
なわち、光学ヘッドの小型化を図ることが可能になる。
【0023】以上説明したLD1からの熱の伝導を遮断
するための構成は、一例を示したに過ぎず種々変形する
ことが可能である。例えば、LD取付板2に形成される
スリットの形状は種々変形することができ、あるいは断
熱性のある部分をスリットの代わりに形成しても良い。
また、本発明における光学ヘッドは、光学ベースに取り
付けられると共に、シールドされるLD取付板およびプ
リント配線基板の部分に特徴があり、その他の光学系お
よび信号検出系については、図1に示される構成に限ら
れず、種々変形することが可能である。例えば、以下詳
細に説明するような光学ヘッドにおいても上記した手段
を採用することが可能である。
【0024】光学ヘッドに用いられるLDは、温度の変
化や戻り光の影響を受けやすく、常にLDから射出され
る光の出力が変動してしまうという欠点がある。従来で
は、上記した構成のように、LDから射出されるレーザ
光の一部を前方モニタ用光検出器で検出して、その出力
をAPCICを介してLDにフィードバックすることに
より、LDから射出されるレーザ光の出力が一定となる
ように制御している。
【0025】フィードバック制御を行う技術として、特
開昭62−298034号には、図4に示すように、L
Dから射出されたレーザ光の一部を光検出器で検出し、
そこからの出力を図示されていないAPCICを介して
LDにフィードバックし、LDから射出される光の出力
を所定の値になるように制御する技術が開示されてい
る。LDからの射出光は、ビーム整形プリズムの誘電体
多層膜がコーティングされた面に入射し、ビーム整形さ
れると共に透過光と反射光に分離され、反射光が前記光
検出器で検出されると共に、透過光が図示されていない
光学的記録媒体へ導かれる。
【0026】ところで、記録/再生の高密度化に伴い、
光磁気の記録再生は、記録マークの位置によって情報の
記録再生を行う方式(マークポジション記録)から、記
録マークの長さによって情報の記録再生を行う方式(マ
ークエッジ記録)へと移っている。この場合、記録マー
クの長さや形状は、対物レンズからの光の出力の変化に
よって大きく変化するので、マークポジション記録に比
べて、マークエッジ記録では、対物レンズからの光の出
力の精度が情報の記録再生に及ぼす影響が非常に大き
い。
【0027】上記した従来のLDの制御においては、ビ
ーム整形プリズムでの分離光を前方モニタ用光検出器に
導く光学系のカップリング効率が、対物レンズとコリメ
ータレンズのカップリング効率と一致していないため、
対物レンズ射出光量を一定にしようとした場合、LD拡
がり角の違いにより、前方モニタ用光検出器の出力が大
きくばらついてしまう。すなわち、対物レンズ射出光量
に対する前方モニタ用光検出器の感度が一定でなく、対
物レンズ射出光量の精度が低下するという問題がある。
【0028】この問題を解決するために、前方モニタ用
光検出器の出力を電気的に調整するという提案がある
が、LD拡がり角による前方モニタ用光検出器の出力の
ばらつきが大きいため、調整範囲を大きく取る必要があ
り、結局、高速応答性が必要とされる高密度記録の装置
においては、S/Nを低下させ、ノイズの影響を受けや
すくなったり、高速応答性が損なわれてしまう、という
欠点が生じる。
【0029】上記した問題点は、LDから射出された光
を前方モニタ用光検出器に導く光学系が集光レンズを具
備するように構成し、かつ、この集光レンズとコリメー
タレンズのカップリング効率が、対物レンズとコリメー
タレンズのカップリング効率とほぼ同じとなるように設
定することにより解決される。すなわち、前記集光レン
ズの焦点距離(f)や開口数(NA)をそのように設定
しておくことにより、LDの拡がり角がばらついても、
対物レンズ射出光量に対する前方モニタ用光検出系の感
度はほぼ一定に保たれ、対物レンズ射出光量を精度良く
制御できるフィードバック機構を具備した光学ヘッド装
置となる。
【0030】ここで上記した原理を具体的に説明する。
まず、光学ヘッドに使用されるLDの射出光の光量分布
を図5に示す。LDの射出光は、その断面が楕円形状に
拡がる。この場合、短軸方向の拡がり角をθαとし、長
軸方向の拡がり角をθβと定義すると、一般的に、θα
=16°、θβ=40°、θβ/θα=2.5程度であ
る。θαおよびθβは、1/e2 全角で、LDから射出
される光の光量のほとんどが、この1/e2 全角内に含
まれている。
【0031】光学ヘッドにおいては、対物レンズの位置
ずれや、トラッキング追従のための対物レンズの変移が
発生しても、装置の記録再生が正しく行われるように、
図6に示す如く、対物レンズ36の有効系aを、コリメ
ータレンズ7によるコリメート光25の径に対して小さ
く設定するのが一般的である。
【0032】光学系におけるカップリング効率ηとは、
例えば、その光学系を図6に示すように単純な光学系に
モデル化して各光学部品の透過率を100%とした場合
における、LD1の射出光量に対する対物レンズ36の
射出光の割合である。
【0033】実際の光学ヘッドの光学系では、ビーム整
形や光束の分離が行われたり、各光学系での反射吸収等
が存在するため、LD射出光に対する対物レンズ射出光
の割合は、単純に前述のカップリング効率ηだけでは決
まらず、ビーム整形を考慮したカップリング効率や光束
の分離比、各光学系の透過率等、様々な要因によって決
定される。
【0034】図7を用いて、LDの射出光の拡がり角θ
βとカップリング効率の関係を説明する。説明を簡単に
するために、単純な光学系としθβについてのみ説明す
る。図7(a)は、θβが、θβの標準値(θβ(Typ)
)よりも小さいLDの場合である。図のように、対物
レンズ36の有効径aとθβ相当の光束径Wとの差が小
さく、対物レンズ36はLD1の射出光の大半の部分を
取り込んでいる。一方、図7(b)は、θβが、θβの
標準値(θβ(Typ) )よりも大きいLDの場合である。
対物レンズ36の有効径aとθβ相当の光束径Wとの差
が大きく、対物レンズ36が取り込む光量は(a)の場
合に比べて小さい。
【0035】このように、個々のLDの射出光の拡がり
角によって、対物レンズが取り込める光量の割合、つま
り、カップリング効率ηが変化する。従って、記録媒体
上に投射される光量もばらついてしまう。
【0036】LDから前方モニタ用光検出器に至る光学
系と光学的記録媒体に至る光学系を簡単に示した図8を
参照して、さらに具体的に説明する。ビームスプリッタ
39は、LD1から射出され、コリメータレンズ7でコ
リメートされた光23を、分離比k:(1−k)で、前
方モニタ用光検出器に向かう光束24および主光学系へ
向かう光束25に分離している。集光レンズ15は、光
束24を集光して前方モニタ用光検出器15に導いてい
る。
【0037】ここで、LD1の拡がり角を固定した場合
の主光学系のカップリング効率をηob、前方モニタ用の
光学系のカップリング効率をηMPとする。このとき、対
物レンズ36の射出光量をPobとすると、LD1の射出
光量PLDは、 PLD=Pob/ηob/(1−k), (k<1) …(1)となる。 但し、各光学系での反射吸収などによる光の損失は無い
ものとする。
【0038】一方、前方モニタ用光検出器16の受光量
MPは、LD射出光量PLDを用いて PMP=PLD×ηMP×k …(2)となる。 上記(1)式と(2)式より、PMPとPobとの関係は、 PMP=k/(1−k)×(ηMP/ηob)×Pob ,(k<1)…(3)となる。 この場合、ηMPおよびηobは、LD1の拡がり角によっ
て変化する値である。
【0039】今、ηMPとηobとが同じになるように、以
下の(4)式のように、集光レンズ15の焦点距離fMP
や開口数NAMPを設定したとする。 aMP=fMP×NAMP=aob=fob×NAOb …(4) 但し、aMPは集光レンズ15の有効径、aobは対物レン
ズ36の有効径、fobは対物レンズ36の焦点距離、そ
してNAObは対物レンズ36の開口数である。ηMP/η
ob=1より、式(3)は、 PMP=k/(1−k)×Pob , (k<1) …(5)となる。
【0040】つまり、主光学系のカップリング効率ηob
と前方モニタ用光学系のカップリング効率ηMPとが一致
すると、前方モニタ用光検出器16の受光光量PMPは、
拡がり角の影響を受けないことがわかる。
【0041】以上説明した原理により、ηobとηMPをほ
ぼ一致させて、前方モニタ用光検出器16の受光光量P
MPが、LD1の射出光の拡がり角の影響を受けないよう
にした光学系を具備する光学ヘッドの全体構成の一例を
図9を参照して説明する。
【0042】光学ベース5に保持されたLD1から射出
されたレーザ光は、コリメータレンズ7でコリメートさ
れ、第1のビーム整形プリズム9のビーム整形面9aに
入射する。ここを透過した光は、第2のビーム整形プリ
ズム10を透過した後、所定のビーム形状に整形され、
反射ミラー35および対物レンズ36を経て、光学的記
録媒体37の記録膜にスポットを結ぶ。そして、記録膜
で反射されたレーザ光は逆の経路を戻り、第2のビーム
整形プリズム10を介して、第1のビーム整形プリズム
9のビーム整形面9aで反射される。この反射光は、光
学ベース5内に配されたλ/4板11を透過して、集光
レンズ38によって緩やかな収束光に変換された後、P
BS12によって偏光分離され、それぞれ6分割PD4
1,42に入射する。
【0043】一方、前記コリメータレンズ7でコリメー
トされたレーザ光23の一部は、第1のビーム整形プリ
ズム9のビーム整形面9aで反射分離される。この反射
分離光24は、前方モニタ用光学系19を経て、前方モ
ニタ用光検出器17に入射する。ここで、前記第1のビ
ーム整形プリズム9のビーム整形面9aには、レーザ光
23を、所定の比率で透過/反射するように分離可能と
する誘電体多層膜がコーティングされている。
【0044】前記反射分離光24を前方モニタ用光検出
器17へ導く光学系19は、ビーム整形プリズム15及
びこれに一体的に接合された集光レンズ16を有してお
り、ビーム整形プリズム15は、反射分離光24を対物
レンズ36に導かれたレーザ光と同じ整形比に整形する
ように設定されている。また、集光レンズ16は、対物
レンズ36と同じ有効径を持つように、焦点距離(f)
や開口数(NA)が設定されており、集光レンズ16と
コリメータレンズ7のカップリング効率は、対物レンズ
36とコリメータレンズ7のカップリング効率とほぼ同
じになるように設定されている。従って、前述したよう
に、LD1からの射出光の拡がり角によって対物レンズ
36とコリメータレンズ7のカップリング効率が変化し
ても、同じように集光レンズ16とコリメータレンズ7
のカップリング効率も変化することになり、この結果、
常に、光学的記録媒体37上の光量と前方モニタ用光検
出器17に入射する光量との比率が保たれる。すなわ
ち、対物レンズ36を経て光学的記録媒体37上に入射
する光量と、前方モニタ用光学系19を経て前方モニタ
用光検出器17に入射する光量の比率は、前記第1のビ
ーム整形プリズム9のビーム整形面9aにコーティング
された誘電体多層膜によって決まる所定の比率にほぼ一
致する。
【0045】前方モニタ用光学系19を経て前方モニタ
用光検出器17に入射した光は、電気信号に変換され、
その出力が所定の値になるように、図示されていないA
PCICでLD1に印加する電流を制御している。な
お、ビーム整形プリズム15と集光レンズ16は一体的
に接合されているが、それぞれを独立に光学ベース5に
配しても効果は変わらない。
【0046】図10は、前方モニタ用光検出器16の受
光光量が、LD1の射出光の拡がり角の影響を受けない
ようにした光学系を具備する光学ヘッドの別の実施例を
示す図である。この実施例では、反射分離光24を前方
モニタ用光検出器17に導く光学系以外は、図9に示す
構成と同一であるため、その説明は省略する。
【0047】この実施例において、反射分離光24を前
方モニタ用光検出器17に導く光学系50は、一枚の平
凸レンズの一部分で構成されている。この平凸レンズ5
0は反射分離光24に対して所定の角度を持って配され
ており、反射分離光24を、前述の対物レンズ36に導
かれたレーザ光と同じ整形比に整形するように角度が設
定されている。また、平凸レンズ50を介して整形され
屈折した後の光束の中心軸が、平凸レンズ50の中心点
Oと反射分離光24の光束中心軸が平凸レンズ50へ入
射する点Pとを結ぶ延長線上を通るように、平凸レンズ
50への入射点Pを設定する。
【0048】ここでは、平凸レンズ50を上記したよう
に配することによって、1枚の平凸レンズ50で、図9
に示したビーム整形プリズム15と集光レンズ16によ
る機能と同一の機能を実現しており、この構成により、
光学系を簡単にできるという効果がある。また、整形さ
れ屈折した後の光束中心は、平凸レンズ50の凸面に対
して垂直になるので、許容以上の光学的収差は発生しな
い。
【0049】以上、図9及び図10を用いて、2つの光
学ヘッドの構成を説明したが、これらの構成において、
ビーム整形機能と集光機能を有する前方モニタ用光学系
を、例えば、光学的モールド素材を用いて射出整形によ
り作成することもできる。また、その際、集光機能を持
つ凸面を非球面とすることで、前方モニタ用光学系の収
差を押さえることもできる。また、例えば、シリンドリ
カルレンズなど、ビーム整形プリズム以外の方法でビー
ムを整形しても良い。
【0050】以上のように、LDからの光の一部を、前
方モニタ用光検出器で受光し、ここからの出力を用いて
前記LDからの射出光の射出パワーを所定の値に制御す
る光学ヘッドにおいて、光を前方モニタ用光検出器に導
く光学系における集光レンズとコリメータレンズのカッ
プリング効率が、対物レンズとコリメータレンズのカッ
プリング効率とほぼ同じになるように、前記集光レンズ
の焦点距離(f)や開口数(NA)を設定したことによ
り、LDの射出光の拡がり角がばらついても、対物レン
ズ射出光量に対する前方モニタ用光検出系の感度をほぼ
一定に保つことができる。従って、対物レンズ射出光量
を精度良く制御することができるAPCIC機能を有す
る光学ヘッドを提供することができる。また、前方モニ
タ用光検出器の出力を電気的に調整する場合において
は、その調整範囲を最小限に止め、ノイズの影響を受け
難く、高速応用性の良いAPCIC機能を有する光学ヘ
ッドを提供することができる。
【0051】(付記)以下において、上述した本発明の
特徴を記載する。
【0052】(1)光学ベースに、LDを固定したLD
取付板とLD印加電流を制御する制御素子を実装したプ
リント配線基板を重ねて取り付け、これらをシールドし
た光学ヘッドにおいて、前記LD取付板には、LDが固
定された部分と前記制御素子が取り付けられた位置に対
応する部分との間の領域に、LDからの熱の伝導を遮断
する手段が形成されていることを特徴とする光学ヘッ
ド。
【0053】(2)上記LDからの熱の伝導を遮断する
手段は、LD取付板を貫通するスリットを有することを
特徴とする上記(1)記載の光学ヘッド。
【0054】(3)上記LDからの熱の伝導を遮断する
手段は、上記プリント配線基板の制御素子に面する部分
に形成された孔を有し、この孔を介して上記LD取付板
の突起部を上記制御素子に接するようにしたことを特徴
とする上記(1)または(2)に記載の光学ヘッド。
【0055】(4)上記LDからの熱の伝導を遮断する
手段は、上記LD取付板の、LDが保持されている部分
の周囲に形成された凹部を有し、上記プリント配線基板
との間に隙間を形成したことを特徴とする上記(1)乃
至(3)のいずれかの1に記載の光学ヘッド。
【0056】(5)上記LD取付板のスリットの内に、
上記プリント配線基板に実装した電気部品を配したこと
を特徴とする上記(2)乃至(4)のいずれかの1に記
載の光学ヘッド。
【0057】(6)光源から射出された光を、コリメー
タレンズ光分離手段、対物レンズを経て光学的記録媒体
に照射し、情報の記録再生を行う光学ヘッドで、前記光
分離手段がビーム整形プリズムであり、その整形面に誘
電体多層膜コートを施して分離した前記光源からの光の
一部を前方モニタ用光検出器で受光し、この前方モニタ
用光検出器の出力を用いて前記光源の射出パワーを所定
の値に制御する光学ヘッドにおいて、前記光分離手段で
分離した光を上記前方モニタ用光検出器に導く光学系
は、集光レンズを持つと共に、この集光レンズとコリメ
ータレンズのカップリング効率が、上記対物レンズとコ
リメータレンズのカップリング効率とほぼ同じであるこ
とを特徴とする光学ヘッド。
【0058】(7)上記光分離手段で分離した光を、上
記前方モニタ用光検出器に導く光学系が、ビーム整形手
段と集光レンズを有することを特徴とする上記(6)に
記載の光学ヘッド。
【0059】(8)上記ビーム整形手段と集光レンズ
が、1枚の平凸レンズまたはその一部から構成されるこ
とを特徴とする、上記(7)に記載の光学ヘッド。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、簡単
かつ確実な構成でLDをシールドすると共に、LD取付
板に、LDからの熱の伝導を遮断する手段が形成されて
いるため、APCIC等のLD印加電流制御素子は、L
Dから発せられる熱の影響を受けることはない。また、
APCIC等のLD印加電流制御素子の放熱は、プリン
ト配線基板からLD取付板を介して光学ベースに伝えら
れるので、LD印加電流制御素子の温度が安定する。こ
のため、温度ドリフトによるLD印加電流の変動が防止
され、記録再生特性が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学ヘッドの一実施例を示す平面図。
【図2】図1に示す光学ヘッドにおいて、LDを取り付
ける部分を拡大して示す分解斜視図。
【図3】(a)〜(c)を含み、それぞれ、図1に示す
光学ヘッドにおいて、LDを取り付ける部分の別の実施
例を示す図。
【図4】従来のLDのフィードバック制御を行う技術を
簡単に説明する図。
【図5】一般的なLDからの射出光の光量分布を示すグ
ラフ。
【図6】光学系におけるカップリング効率η簡単に説明
するための図。
【図7】(a)及び(b)を含み、LDの射出光の拡が
り角とカップリング効率の関係を説明するための図であ
って、(a)は拡がり角が標準値よりも小さいLDの場
合、(b)は拡がり角が標準値よりも大きいLDの場合
を示す。
【図8】LDから前方モニタ用光検出器に至る光学系と
光学的記録媒体に至る光学系を簡単に示す図。
【図9】前方モニタ用光検出器の受光光量が、LDの射
出光の拡がり角の影響を受けないようにした光学系を具
備する光学ヘッドの一例を示す図。
【図10】前方モニタ用光検出器の受光光量が、LDの
射出光の拡がり角の影響を受けないようにした光学系を
具備する光学ヘッドの別の構成例を示す図。
【符号の説明】
1…LD、2…LD取付板、2a…スリット、3…プリ
ント配線基板、4…APCIC、5…光学ベース、7…
コリメータレンズ、9,10,15…ビーム整形プリズ
ム、17…前方モニタ用光検出器、18…シールドカバ
ー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学ベースに、LDを固定したLD取付
    板とLD印加電流を制御する制御素子を実装したプリン
    ト配線基板を重ねて取り付け、これらをシールドした光
    学ヘッドにおいて、 前記LD取付板には、LDが固定された部分と前記制御
    素子が取り付けられた位置に対応する部分との間の領域
    に、LDからの熱の伝導を遮断する手段が形成されてい
    ることを特徴とする光学ヘッド。
JP7055476A 1995-03-15 1995-03-15 光学ヘッド Withdrawn JPH08249699A (ja)

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