JPH08248235A - 光配線盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光コネクタ、融着接続部、多心単心分岐部、
接続余長等を複数のトレーに整理してコンパクトに収納
することができ、しかも、光コネクタや多心単心分岐部
の収納、取り出し、ならびに接続切替作業等の作業能率
が向上する光配線盤を提供する。 【構成】 トレー６に、多心用の光コネクタ５をその光
接続軸線をトレー６の面方向と平行として着脱自在に挟
持するコネクタホルダ２２が１方向に複数配列されてな
る帯状のコネクタ支持帯２３と、複数の多心単心分岐部
７をトレー６の底板１９に対して傾斜した平面内に支持
する心線分岐部ホルダ２８とが設けられ、光コネクタ５
の支持位置が前記コネクタ支持帯２３の延在方向に隣り
合う同士をコネクタ支持帯２３の幅方向に互いの位置を
ずらして配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバケーブル、
あるいは光ファイバコードの光配線盤に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ファイバケーブルを光接続により光フ
ァイバ心線へ分岐接続するには、多数の光ファイバを成
端して群構成とする光配線盤が一般的に使用される。こ
れら、光配線盤は、光ファイバの分岐接続のためのコネ
クタ接続部、多心単心分岐部、およびジャンパ用の光コ
ード、光コードの光接続に伴う余長部がコンパクトに収
納されたトレーが高密度で多段に積層された構造であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、伝送情報量
の増大に対応して光ケーブルが多心化の傾向にあること
に鑑みて、前記配線盤としては、特に、より多数の光接
続部および接続余長をコンパクトに収納することが重要
となってきている。加えて、配線盤内の光接続箇所が膨
大な数になるので、光接続作業や光接続部の収納、取り
出し作業あるいは接続切替作業を迅速に行なうことがで
きる光配線盤の開発が望まれている。

【０００４】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、光コネクタ、融着接続部、多心単心分岐部、接続
余長等を複数のトレーに整理してコンパクトに収納する
ことができ、しかも、光コネクタや多心単心分岐部の収
納、取り出し、ならびに接続切替作業等の作業能率が向
上する光配線盤を提供することを目的とするものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の構成を採用した。すなわち、請求項
１記載の光配線盤では、光ファイバケーブルを光コネク
タを介して別の光ファイバケーブルに分岐・接続するた
めの光配線盤において、架体と、光ファイバケーブルか
ら導出された光ファイバ心線または該光ファイバ心線と
光接続可能に架体内に配線される光ファイバ心線を複数
本まとめて支持し、かつ適切位置で分岐可能に収納する
分岐部と、該分岐部において分岐された光ファイバ心線
同士を内部において前記光コネクタを介して接続するト
レーを積層状態に収納し、かつ出し入れ自在に支持する
トレー収納部とを備えてなり、前記光コネクタが複数の
光ファイバ心線を一体的に光接続する多連コネクタであ
り、前記トレーには前記光コネクタをその光接続軸線を
トレーの底板と略平行として着脱自在に挟持するコネク
タホルダが複数設置されていることを前記課題の解決手
段とした。

【０００６】請求項２記載の光配線盤では、請求項１記
載の光配線盤において、前記底板に、前記コネクタホル
ダが１方向に複数配列されてなる帯状のコネクタ支持帯
が設けられ、これらコネクタホルダに支持される光コネ
クタの支持位置が前記コネクタ支持帯の延在方向に隣り
合う同士で互いの位置をずらして配置されていることを
前記課題の解決手段とした。

【０００７】請求項３記載の光配線盤では、光ファイバ
ケーブルを多心単心分岐部を介して別の光ファイバケー
ブルに分岐・接続するための光配線盤において、架体
と、光ファイバケーブルから導出された光ファイバ心線
または該光ファイバ心線と光接続可能に架体内に配線さ
れる光ファイバ心線を複数本まとめて支持し、かつ適切
位置で分岐可能に収納する分岐部と、該分岐部において
分岐された光ファイバ心線同士を内部において接続する
トレーを積層状態に収納し、かつ出し入れ自在に支持す
るトレー収納部とを備えてなり、前記トレーには複数の
多心単心分岐部を着脱自在に挟持する心線分岐部ホルダ
が１以上設けられ、これら心線分岐部ホルダには、前記
多心単心分岐部をトレーの底板と平行としてクランプす
るクランプホルダが、前記底板に対して傾斜した平面に
沿って並列させるように複数連設されていること前記課
題の解決手段とした。

【０００８】

【作用】請求項１記載の光配線盤によれば、多連コネク
タの使用により底板からの突出寸法が縮小する。また、
光ファイバ心線の光接続を多連コネクタを介して行なう
ことにより、接続やジャンパ切り替えの作業性が向上す
る。

【０００９】請求項２記載の光配線盤によれば、コネク
タ支持帯の延在方向において隣接するコネクタホルダ間
において、光コネクタ同士をずらして挟持する。これに
より、コネクタホルダ間に光コネクタの着脱の作業スペ
ースを確保でき、コネクタホルダの配列ピッチの短縮が
可能になる。

【００１０】請求項３記載の光配線盤によれば、心線分
岐部ホルダにおいて、複数の多心単心分岐部をトレーの
底板に対して平行として、かつ底板に対して傾斜した平
面に沿って並列状態に支持するので、トレーに対して垂
直な平面に並列配置した場合に比して、トレーからの突
出量が抑制される。心線分岐部ホルダを収納するトレー
は、コネクタホルダを収納するトレーと同一であっても
よく、別々であってもよい。

【００１１】

【実施例】以下本発明の光配線盤の一実施例を、図１か
ら図６を参照して説明する。前記光配線盤は、図１に示
すように、所定位置に固定設置される架体１内部に、架
体１の下部から立ち上がってくる光ファイバケーブル２
の口出し部から光ファイバコード３（光ファイバ心線）
の束を上側へ布線する導出部４ａと、該導出部４ａにお
いて光ファイバケーブル１から引き出された光ファイバ
コード３を図示しない融着接続部を介して単心分岐して
接続用コード３ａと接続し、かつ該接続用コード３ａの
コネクタ成端化された端部を収納する融着部トレー８を
架体１下側において多数積層状態に収納する融着部トレ
ー収納部Ｔ2と、架体１の内部の左側部に設けられ、各
融着部トレー８から引き出された多数の接続用コード３
ａを架体１内部において縦方向束状に支持し、かつ、こ
の接続用コード３ａの束から所定の本数の接続用コード
３ａを分岐する分岐部４と、分岐部４から分岐された接
続用コード３ａを内部において光アダプタ５（光コネク
タ。図２参照）および多心単心分岐部７（図２参照）を
介して分岐接続する分岐接続トレー６を架体１の上部に
おいて積層状態に収納する分岐接続トレー収納部Ｔ1と
を備えている。

【００１２】分岐接続トレー収納部Ｔ1においては、異
なる分岐接続トレー６に収納されている接続用コード３
ａ同士が、前記光アダプタを経由して分岐接続トレー収
納部Ｔ1の右側部であって、架体１内部の右側面に沿っ
て複数本配線されたジャンパ用コード３ｂ（光ファイバ
心線）を介してジャンパ接続可能にコネクタ接続されて
いる。多心単心分岐部７は多心の光ファイバ心線を切り
分けて単心分岐したものを補強した分岐補強部である。

【００１３】前記架体１の正面には、図示しない開閉自
在の扉が取り付けられている。前記架体１の中央部から
上部には、複数の前記分岐接続トレー６を上下に積層状
態に支持することにより分岐接続トレー収納部Ｔ1を構
成する背面パネル９が架体１の背面壁に複数固定されて
いる。架体１の下部の背面壁には、背面パネル９より小
型に形成された背面パネル１０が複数固定されている。
この背面パネル１０は、複数の融着部トレー８とともに
融着部トレー収納部Ｔ2を構成する。

【００１４】架体１内の上下両端部と分岐接続トレーＴ
1と融着部トレー収納部Ｔ2との間には、この光配線盤と
接続される光ファイバ配線装置とを接続するためのケー
ブル余長を収納する余長収納棚１１が設けられている。
また、架体１の両側壁１２と分岐接続トレーＴ1と融着
部トレー収納部Ｔ2との間は光ファイバコード類を布線
する前記分岐部４とされ、一側（図１左側）の分岐部４
には、接続用コード３ａの束を把持固定する固定具１３
が、側壁１２の内面から架体１の内方に向けて複数突設
されている。他側（図１右側）の分岐部４には、前記ジ
ャンパ用コード３ｂを把持固定する固定具１３が、側壁
１２の内面から架体１の内方に向けて複数突設されてい
る。架体１下側の前記導出部４ａでは、架体１の側壁１
２の下部において突設されたケーブル固定具１３ａによ
って光ファイバケーブル２がクランプ固定されるように
なっている。

【００１５】図２に示すように、前記背面パネル９の架
体１への設置時における左右両端部には、背面パネル９
の上下方向の略全体に延在する取付部材１４が対向配置
され固定されている。この取付部材１４には、前記分岐
接続トレー６を支持するためのガイド棒１５が、背面パ
ネル９から垂直に突設する方向に複数固定されている。
これらガイド棒１５は、背面パネル９において上下位置
が互いに一致する対を形成するように左右の取付部材１
４に配置されている。前記ガイド棒１５は、ストロー状
のアウタガイド１６と、このアウタガイド１６内に摺動
自在に嵌挿されたロッド状のインナガイド１７とからな
り、インナガイド１７のアウタガイド１６先端からの突
出量をかえることにより伸縮自在になっている。インナ
ガイド１７の先端には、図３に示すように、ねじ１８が
螺着されている。融着部トレー８用の背面パネル１０に
も、ガイド棒１５が背面パネル９と同様に設けられてい
る。

【００１６】前記分岐接続トレー６は、図２に示すよう
に、長方形平板状の底板１９の縁部の全周にわたって側
壁２０を有するトレー本体２１を主体して構成されてい
る。前記底板１９の中央部には、前記光アダプタ５を着
脱自在に支持するコネクタホルダ２２を１方向に複数配
列して構成したコネクタ支持帯２３が設けられている。
コネクタ支持帯２３の延在方向両端部には、これら列の
両端に位置するコネクタホルダ２２との間に光アダプタ
５を支持する端部ホルダ２２ａが設けられている。

【００１７】前記コネクタホルダ２２は、プラスチック
あるいはゴム等の弾性体によって形成され、図４および
図５に示すように、前記底板１９から突設された平面視
Ｌ字状の突起２４を二つ組み合わせて構成されている。
同一のコネクタホルダ２２を構成する二つの突起２４の
間には、光アダプタ５のフランジ２５が嵌合可能な開口
部形状を有するクリアランス２６が設けられている。な
お、前記光アダプタ５は、図７に示すように、図示しな
いＳＣ形光コネクタのジルコニアフェルールの位置決め
リングを内蔵し、単心のＳＣ形コネクタの中間部を構成
するＳＣ形光アダプタである。

【００１８】前記クリアランス２６は、概略Ｓ字状であ
って、コネクタ支持帯２３の延在方向に隣り合うコネク
タホルダ２２同士ではＳ字の向きが逆であり、各コネク
タホルダ２２のコネクタ支持帯２３延在方向両側でクリ
アランス２６の開口部がコネクタ支持帯２３幅方向（図
４上下方向）にずれている。しかも、隣接するコネクタ
ホルダ２２の任意の対の間において対向するクリアラン
ス２６の開口部同士が同一直線上に位置されている。こ
の結果、コネクタ支持帯２３においては、各コネクタホ
ルダ２２間における前記光アダプタ５の支持位置が、コ
ネクタ支持帯２３延在方向に隣り合う同士をコネクタ支
持帯２３の幅方向にずらした千鳥状になっている。

【００１９】図２に示すように、底板１９においてコネ
クタ支持帯２３の両側部には、外周に接続用コード３ａ
を卷装することによりその湾曲半径を維持する計３基の
リール２７と、多心単心分岐部（ファンアウト）７を挟
持する心線分岐部ホルダ２８とが取り付けられている。
前記心線分岐部ホルダ２８は、プラスチックあるいはゴ
ム等の弾性体によって形成され、図２および図６に示す
ように、一定幅を有する突条であって、略小型円筒形状
の多心単心分岐部７をその光接続軸線を底板１９と平行
としてクランプするクランプホルダ２９が、前記光接続
軸線を底板１９に対して傾斜した平面に沿って並列させ
るように２個一対として心線分岐部ホルダ２８の長手方
向に沿って複数対連設されている。前記クランプホルダ
２９の内径は、多心単心分岐部７と同径かあるいはやや
小さく形成されている。

【００２０】底板１９の前記コネクタ支持帯２３近傍に
は、分岐接続トレー６内の収納回線等表示する表示板Ｐ
が装着されている。底板１９の心線分岐部ホルダ２８近
傍には、底板１９上に配線される接続用コード３ａを簡
便に固定するための固定具Ｓが突設されている。

【００２１】底板１９の両短辺の各側壁２０の中央部に
は、図２に示すように、接続用コード３ａの出入口３０
が設けられている。また、これら側壁２０の外面の奥側
（図２紙面右奥）にはガイド棒１５のアウタガイド１６
と係合する第１の係合片３１が固定され、手前側（図２
紙面左手前側）にはインナガイド１７と係合する融着部
係合片３２が固定されている。前記融着部係合片３２
は、図３に示すように、インナガイド１７の先端に螺着
されたねじ１８上に載置することにより、ねじ１８でイ
ンナガイド１７との間に締め付け固定されるようになっ
ている。

【００２２】底板１９の長辺側に位置する側壁２０の外
面には、背面パネル９に磁気吸着する板状の吸着部材３
３が取り付けられている。この吸着部材３３は、背面パ
ネル９の吸着力によって架体１からの分岐接続トレー６
の急速突出を防止するようになっている。

【００２３】前記光配線盤においては、光ファイバケー
ブル２が架体１の下方から導出部４ａに導入、固定さ
れ、この導出部４ａにおいて口出しされた光ファイバケ
ーブル２の先端から導出した光ファイバコード３の束が
分岐され、これら光ファイバコード３の所定本数がそれ
ぞれ融着部トレー８のいずれかに配線される。融着部ト
レー８内においては、この光ファイバコード３が図示し
ない融着接続部を介して、接続用コード３ａと接続され
る。この接続用コード３ａは、分岐接続トレーＴ1と融
着部トレー収納部Ｔ2の間に位置する余長収納棚１１の
上側または裏側を通って分岐接続トレー収納部Ｔ1の側
部の分岐部４を経由して、それぞれの先端が分岐接続ト
レー６に配線される。分岐接続トレー収納部Ｔ1の左側
部であって、架体１の左側壁１２内面に沿った分岐部４
においては、接続用コード３ａは、コード留めの固定具
１３に仮固定される。

【００２４】架体１の右側側壁１２内面であって、分岐
接続トレー収納部Ｔ1の右側の分岐部４には、分岐接続
トレー６同士をジャンパ接続する複数のジャンパ用コー
ド３ｂが布線されている。このジャンパ用コード３ｂ
は、コード留めの固定具１３によって架体１の側壁１２
に沿って仮固定される。また、ジャンパ用コード３ｂの
内の一部は、架外ジャンパ用として、分岐接続トレー収
納部Ｔ1の上端部または架体１の下端部に開口された図
示しない開口部を経由して光コネクタケーブルとして架
体１の外方に導出されている。また、ジャンパ用コード
３ｂの余長は、前記右側壁１２の内面に沿って垂れ下が
るように布線されて接続余長、あるいは、引出余長が確
保されている。

【００２５】分岐接続トレー６に配線された接続用コー
ド３ａは、一側（図２中左側）の出入口３０を介して分
岐接続トレー６内部に引き込まれ、固定具Ｓによる引き
留め部分を介して適当に湾曲されながら出入口３０に戻
る方向に引き回され、多心単心分岐部７において単心分
岐される。接続用コード３ａから単心分岐された光ファ
イバ心線３ｃの心線は、リール２７の周囲に卷回するこ
とにより余長が確保された上、コネクタホルダ２２に支
持された光アダプタ５においてジャンパ用コード３ｂと
コネクタ接続される。光アダプタ５での光接続は、図４
に示すように、接続する接続用コード３ａの光ファイバ
心線３ｃおよびジャンパ用コード３ｂの端部をコネクタ
成端してプラグ３４を設け、プラグ３４を光アダプタ５
の先端から差し込むことにより、接続用コード３ａとジ
ャンパ用コード３ｂとを接続する。光アダプタ５はコネ
クタホルダ２２の間に嵌め込み、多心単心分岐部７は心
線分岐部ホルダ２８の各クランプホルダ２９に挟持す
る。また、これら光接続によって生じるジャンパ用コー
ド３ｂの接続余長は分岐接続トレー６の他側に２基配置
されたリール２７を利用して、規定以上の湾曲半径を有
して湾曲処理される。これら接続余長には、背面パネル
９に対する分岐接続トレー６の引き出し時に引き出され
る引き出し余長が出入口３０近傍に確保される。

【００２６】分岐接続トレー６において光アダプタ５お
よび多心単心分岐部７の収納と余長処理の完了後には、
分岐接続トレー６をガイド棒１５に支持して架体１内の
所定場所に収納する。この際、分岐接続トレー６は、第
１の係合片３１がアウタガイド１６に該アウタガイド１
６の長手方向に摺動自在に支持され、第２の係合片３２
がインナガイド１７先端に固定されているが、インナガ
イド１７がアウタガイド１６に対して摺動自在なので、
手前側に引き出すことにより、ガイド棒１５に支持され
つつ安定に引き出されるようになっている。

【００２７】融着部トレー８には、融着接続部および接
続用コード３ａの接続余長が収納されている。また、融
着部トレー８の融着部トレー収納部Ｔ2に対する収納構
造は分岐接続トレー６の分岐接続トレー収納部Ｔ1に対
する収納構造と同様である。

【００２８】本実施例の光配線盤によれば、光コネクタ
としてＳＣ形光アダプタ５を用いたので、分岐接続トレ
ー６の厚さ寸法を縮小することができる。すなわち、２
心の接続用コード３ａとジャンパ用コード３ｂとの光接
続においては、単心アダプタを２基用いた場合の厚さは
従来１８．８ｍｍであったが、２連ＳＣアダプタを用い
た場合には１７．９ｍｍに縮小する。加えて、ＳＣ形光
アダプタ５の使用により接続用コード３ａとジャンパ用
コード３ｂの光接続が一度で出来、光接続の作業能率が
向上する。

【００２９】また、これらコネクタホルダ２２によって
支持される光アダプタ５の支持位置がコネクタ支持帯２
３において千鳥状に配置されているので、各コネクタホ
ルダ２２の周囲に光アダプタ５の着脱の作業スペースが
十分に確保でき、コネクタ支持帯２３延在方向における
コネクタホルダ２２の設置ピッチを縮小することができ
る。すなわち、コネクタホルダ２２の設置ピッチは、直
線配置の場合には２３ｍｍ必要であるのに対し、千鳥配
置とした場合には２１ｍｍに縮小する。このため、例え
ば、１２個並べる場合の必要設置長は、直線配置の２７
６ｍｍに対して千鳥配置が２５２ｍｍであり、２４ｍｍ
の短縮になる。このことにより、分岐接続トレー６の奥
行き（図１紙面奥行き、図２右上から左下）寸法が縮小
する。

【００３０】さらに、前記心線分岐部ホルダ２８におい
て対を構成するクランプホルダ２９が底板１９に対して
傾斜する平面に沿って形成されているので、分岐接続ト
レー６や融着部トレー８の厚さ寸法の縮小が容易であ
る。すなわち、例えば、計２心の多心単心分岐部７をク
ランプする場合、クランプ２９を底板１９に対して垂直
方向に連設すれば心線分岐部ホルダ２８に２０ｍｍの厚
さ寸法が必要だが、６０°傾斜した平面に連設すれば前
記厚さ寸法は１８．７ｍｍで済む。

【００３１】この結果、分岐接続トレー６や融着部トレ
ー８の厚さ寸法を縮小でき、架体１における光アダプタ
５や多心単心分岐部７の収納密度を向上することができ
るとともに、収納や引き出しの作業性も確保することが
できる。したがって、より多心の光ファイバケーブルの
接続分岐にも対応することができる。加えて、分岐接続
トレー６にあっては、奥行き寸法が縮小できるので、架
体１の小型化が可能である。

【００３２】なお、この光配線盤は、光コネクタ付きコ
ードやファンアウトコードを複数収納する光成端架、配
線盤、成端箱、接続箱にも適用できる。コネクタホルダ
２２と多心単心分岐部７とは、別々のトレーに設置する
ようにしてもよい。前記心線分岐部ホルダ２８に形成す
るクランプホルダ２９は、２個一対以外、さらに多数で
一組としてもよい。また、心線分岐部ホルダ２８は、一
つのトレーに複数設置してもよく、この場合千鳥状に配
置することも可能である。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の光
配線盤によれば、架体と、光ファイバケーブルから導出
された光ファイバ心線または該光ファイバ心線と光接続
可能に架体内に配線される光ファイバ心線を複数本まと
めて支持し、かつ適切位置で分岐可能に収納する分岐部
と、該分岐部において分岐された光ファイバ心線同士を
内部において前記光コネクタを介して接続するトレーを
積層状態に収納し、かつ出し入れ自在に支持するトレー
収納部とを備えてなり、前記光コネクタが複数の光ファ
イバ心線を一体的に光接続する多連コネクタであり、前
記トレーに前記光コネクタをその光接続軸線をトレーの
底板と略平行として着脱自在に挟持するコネクタホルダ
を複数設置したので、複数の単心光コネクタを使用する
場合に比して底板からの突出寸法が縮小してトレーの厚
さ寸法を縮小でき、架体への光コネクタや接続余長の収
納密度を向上することができる。また、多連コネクタの
使用により、光ファイバ心線同士の光接続が容易に出
来、光接続やトレーへの収納の作業能率が向上する上、
光コネクタが多数のトレーに整理して収納されるので、
目的の光コネクタの取り出しの作業能率も向上する。

【００３４】請求項２記載の光配線盤では、底板に、前
記コネクタホルダが１方向に複数配列されてなる帯状の
コネクタ支持帯が設けられ、これらコネクタホルダに支
持される光コネクタの支持位置を前記コネクタ支持帯の
延在方向に隣り合う同士で互いの位置をずらして配置し
たので、各コネクタホルダの周囲に光コネクタの着脱の
作業スペースが十分に確保できて、コネクタ支持帯の延
在方向におけるコネクタホルダの設置ピッチを縮小する
ことができ、トレーの小型化が可能となって、架体にお
ける光コネクタや接続余長等の収納密度が向上する。

【００３５】請求項３記載の光配線盤では、トレーに複
数の多心単心分岐部を着脱自在に挟持する心線分岐部ホ
ルダを１以上設け、これら心線分岐部ホルダに、前記多
心単心分岐部をトレーの底板と平行としてクランプする
クランプホルダを前記底板に対して傾斜した平面に沿っ
て並列させるように複数連設したので、底板に対して垂
直な平面に沿って並列した場合に比してトレーの厚さ寸
法を縮小でき、架体における光アダプタや接続余長等の
収納密度が向上する。また、多心単心分岐部が多数のト
レーに整理して収納されるので、目的の光コネクタの取
り出しの作業能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の光配線盤の一実施例を示す正面図で
ある。

【図２】 本発明の光配線盤の一実施例を示す図であっ
て、トレー収納部を示す斜視図である。

【図３】 本発明の光配線盤の一実施例を示す図であっ
て、インナガイド先端を示す拡大斜視図である。

【図４】 本発明の光配線盤の一実施例を示す図であっ
て、コネクタホルダを示す拡大平面図である。

【図５】 図４のコネクタホルダを示す拡大側面図であ
る。

【図６】 本発明の光配線盤の一実施例を示す図であっ
て、心線分岐部ホルダを示す拡大側面図である。

【図７】 本発明の光配線盤の一実施例を示す図であっ
て、光アダプタを示す斜視図である。

【符号の説明】

１…架体、２…光ファイバケーブル、３…光ファイバ心
線（光ファイバコード）、３ａ…光ファイバ心線（接続
用コード）、３ｂ…光ファイバ心線（ジャンパ用コー
ド）、４…分岐部、５…光コネクタ（光アダプタ）、６
…トレー（分岐接続トレー）、７…多心単心分岐部、１
９…底板、２２…コネクタホルダ、２３…コネクタ支持
帯、２８…心線分岐部ホルダ、２９…クランプホルダ、
Ｔ1…トレー収納部（分岐接続トレー収納部）。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ファイバケーブル（２）あるいは光フ
   ァイバコードを光コネクタ（５）を介して別の光ファイ
   バケーブルに分岐・接続するための光配線盤において、 架体（１）と、光ファイバケーブルから導出された光フ
   ァイバ心線（３、３ｃ）または該光ファイバ心線と光接
   続可能に架体内に配線される光ファイバ心線（３ａ、３
   ｂ）を複数本まとめて支持し、かつ適切位置で分岐可能
   に収納する分岐部（４）と、該分岐部において分岐され
   た光ファイバ心線同士を内部において前記光接続部を介
   して接続するトレー（６）を積層状態に収納し、かつ出
   し入れ自在に支持するトレー収納部（Ｔ1）とを備えて
   なり、 前記光コネクタが複数の光ファイバ心線を一体的に光接
   続する多連コネクタであり、前記トレーには前記光コネ
   クタをその光接続軸線をトレーの底板（１９）と略平行
   として着脱自在に挟持するコネクタホルダ（２２）が複
   数設置されていることを特徴とする光配線盤。
2. 【請求項２】 請求項１記載の光配線盤において、前記
   底板には、前記コネクタホルダが１方向に複数配列され
   てなる帯状のコネクタ支持帯（２３）が設けられ、これ
   らコネクタホルダに支持される光コネクタの支持位置が
   前記コネクタ支持帯の延在方向に隣り合う同士で互いの
   位置をずらして配置されていることを特徴とする光配線
   盤。
3. 【請求項３】 光ファイバケーブル（２）あるいは光フ
   ァイバコードを多心単心分岐部（７）を介して別の光フ
   ァイバケーブルに分岐・接続するための光配線盤におい
   て、 架体（１）と、光ファイバケーブルから導出された光フ
   ァイバ心線（３）または該光ファイバ心線と光接続可能
   に架体内に配線される光ファイバ心線（３ａ、３ｂ）を
   複数本まとめて支持し、かつ適切位置で分岐可能に収納
   する分岐部（４）と、該分岐部において分岐された光フ
   ァイバ心線同士を内部において前記多心単心分岐部を介
   して接続するトレー（６）を積層状態に収納し、かつ出
   し入れ自在に支持するトレー収納部（Ｔ1）とを備えて
   なり、 前記トレーには複数の多心単心分岐部を着脱自在に挟持
   する心線分岐部ホルダ（２８）が１以上設けられ、これ
   ら心線分岐部ホルダには、前記多心単心分岐部をトレー
   の底板（１９）と平行としてクランプするクランプホル
   ダ（２９）が、底板に対して傾斜した平面に沿って並列
   させるように複数連設されていることを特徴とする光配
   線盤。