JPH08248188A - インゴットの連続的引抜を伴う低温るつぼ溶融作業による、スラグを介してのジルカロイの汚染除去 - Google Patents
インゴットの連続的引抜を伴う低温るつぼ溶融作業による、スラグを介してのジルカロイの汚染除去Info
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Abstract
ルカロイ基合金の溶融中の放射能による汚染を除去する
ための、最大溶解度の不足等に関する従来の欠点が改善
された方法を提供すること。 【解決手段】 固形インゴットの連続的な引抜きを伴っ
た低温るつぼ溶融作業において、氷晶石を含有するスラ
グを使用し、前記氷晶石に耐火性ふっ化物を添加し、
鉄、ニッケル等の金属の添加により前記合金の融点を低
減させ、ジルコニウムと結晶化される合金と同じ組織で
結晶化を生起させ、水による浸出に対する抵抗性のすぐ
れた金属母体が得られるようにする。
Description
されたα廃棄物である原子炉の燃料被覆(reacto
r can)廃棄物(waste)あるいはハル廃棄物
(hull waste)の汚染除去の分野に関するも
のである。加圧水形原子炉からの廃棄物はジルカロイ
(zircaloy)である。
プルトニウムは最も重要な元素である。汚染物は、核分
裂生成物と放射化生成物とで構成される。核分裂生成物
は、 3H、90Sr、93Zr、99Tc、 106Ru、 134C
s、 135Cs、 137Cs、144Ce、 147Pm、 151S
m、 154Euである。
e、60Co、59Ni、63Ni、93Zr、94Nb、 119S
n、 125Sbから成る。それらはハル(hull)内に
存在する成分元素から生起され、従って根源で除去しな
ければならない、即ちハルの合金の製造の際に用いられ
る鉱石を選択することより、除去しなければならない。
原子炉における放射に次いで前記合金は、前記放射化生
成物を、除去しないとしても少なくとも最小化できるよ
うにしなければならない。
は、α放射性核種およびβ−γ核分裂生成物におけるジ
ルカロイの汚染除去方法にある。
またはふっ化物タイプのスラグの存在下での直接低温る
つぼ誘導によるステンレス鋼の溶融のため、一つの方法
が周知されている。この方法の原理を図1に関連して要
約する。
れる銅製の円筒状るつぼ2である。参照数字4は、冷却
水入口および出口コレクタ(collector)を示
す。るつぼはまた、磁界を創成するソレノイド誘導子6
に囲まれ、るつぼは設計に従い電磁界に対して透過性で
ある。
つぼ2へ規則的に導入され、そこでそれが、10KHz の
周波数で加熱される。誘導により創成される交番電磁界
によって生成されたうず電流は金属塊の周囲を流れ、ジ
ュール効果により、エネルギをそこへ散逸させる。電磁
界と金属内へ誘導された電流との間の相互作用により、
ネッキングの効果(the effects of n
ecking)を有する溶融金属浴の内部に向かって指
向される電磁力が生成され、それがドーム形状と、中心
から浴の外側へのかくはんとを溶融浴にもたらし、それ
により金属の組成および温度が均等化される。
フラックスまたはスラグの存在の下に溶融される。参照
数字12はアルゴンのようなガスを導入する開口部を、
また数字14は溶融中に放出されるガスを集収し得るよ
うにさせる出口を表示する。溶融は、凝固帯域18の基
底部に位置する冷却炉床20の存在により漸進的凝固が
行われる帯域18の上方に位置する帯域16において生
起される。冷却炉床20は下方へ移動でき、従って、装
置外へ通過するや否や固形インゴットに固まる溶融金属
を引き抜くことができる。この方法により、大部分の放
射性元素をスラグへ移すことができる。同じ方法によ
り、ジルカロイ燃料被覆廃棄物を溶融することができ
る。
ているスラグは、何れも単体または混合物としての、C
aF2 、BaF2 およびLaF3 のようなふっ化物であ
る。それらは、放射性元素を可溶性にすることもできる
ジルカロイの還元特性に関しては安定である。ジルカロ
イのこの2つの特性の組合せにより、そこでの放射性核
種の保持を助け、従ってそれらのスラグへの移動を制限
することができる。
を集収するスラグの能力を評価することを可能にさせる
酸化ウラン溶解試験により評価することができる。
るが、これは、黒鉛るつぼ内に包有された溶融フラック
スを加熱する誘導炉で形成される。
ラックス内で回転される。次いで、溶解試験全体を通じ
てフラックス内のウラン濃度が測定される。
が、所与のフラックスにおける酸化物の溶解動力学に影
響を及ぼす可能性を有する。
る。ここにAは固体〜液体接触面、Vは液体フラックス
容積、kは移動係数、Cは時間tにおけるフラックス内
の酸化物濃度、そしてCs は飽和濃度である。
る。 Log{Cs /(Cs −C)}=kt・A/V
び移動係数(k)が試験の各々について得られる。
の場合に極めて低く、また0.04%の最大値を有する
ことを、これらの結果から推論することができる。
(50−50重量%)の場合のジルコニア(ZrO2 )
溶解試験は、5.7×10-3cm/sの移動係数の場合
に、最大重量溶解度が0.04%であることを示してい
る。
において用いられたスラグは最大溶解度が低く、従って
スラグの量は、溶融中にそれが飽和しないことを保証す
るほどに充分な量でなければならない。
解決すべく探求するものである。
金の溶融中に、スラグ内への放射能を移すことによる前
記合金の汚染除去方法において、アルカリ金属をMで示
した化学式3MF−AlF3 から成る少なくとも1つの
氷晶石を前記スラグが含有することを特徴とする方法に
関するものである。Mは、例えばナトリウム、カリウム
またはリチウムの中から選択することができる。
F2 について得られるそれより10ないし20倍も大で
ある。氷晶石の場合には、酸化物による飽和効果も重要
であるが、それは、はるかに多量(数%)の酸化物を溶
解した後に発生する。
2の問題は、使用される氷晶石の溶融温度と使用温度と
の間の変動である。この問題は、スラグの溶融温度を増
大させかつ/または合金の溶融温度を低減させることに
より解決することができる。
増大させるため、氷晶石が耐火性ふっ化物と混合され
る。
st)除去をもたらすことを可能にさせ、かつ、スラグ
をインゴットから分離することから成る付随的な化学工
学的作業を不要にさせる。このふっ化物は、例えばふっ
化カルシウム(CaF2 )であっても良い。
減するため、鉄またはニッケルなどの金属が同じ物に加
えられる。
の二次的な問題は、揮発性のZrF 4 の形成についてで
ある。
される合金と同じ組織の母材のZrの部分と結晶化する
元素を、合金−スラグ混合物へ添加することを提案す
る。
へのアルミニウムの移動がなく、従ってスラグが安定化
されることを保証することができる。
元素の劣化が少なく、かつその放射能の拘束性が高まる
ようなインゴットを得るのに有利である。この添加はま
た、インゴットの構成元素に有利な効果をもたらす。こ
の添加は更に、水による浸出処理に対するインゴットの
抵抗性を増大させる(The addition in
creases the resistance of
the ingotto leaching by
water)。添加元素はアルミニウムであっても良
い。
得られた金属インゴットに関するものである。
する元素が、スラグ−合金混合物へ添加されていてもよ
く、結晶化はZrと結晶化される合金と同じ組織で生起
される。この元素はアルミニウムでもよく、インゴット
はアルミニウムが浸透した溶岩相を含有し、この溶岩相
はZr2 (AlNi)を含んでもよい。
から推測することができる。
図1に関連させて説明的かつ限定的な様態で示した、次
の実施例の説明から更に良く推測することができる。
連して既に説明された機器が用いられる。
カリウム、ナトリウムまたはリチウムの中から選択され
たアルカリ金属をMで示した化学式3MF−AlF3 か
ら成る氷晶石の中から選択されている。スラグはまた、
前記氷晶石の混合物であっても良い。最後に、スラグ
は、大部分の形態において、氷晶石または氷晶石混合物
を含有することができる。
り、そこに捕そくされる。従来技術のスラグに比較する
と、氷晶石の選択により、放射性核種に対してジルカロ
イの還元能力および可溶化能力を一層容易に備えること
が可能となる。更に、引抜作業全体を通じてこれらの放
射性核種が氷晶石型のスラグ内に維持され、それが、従
来技術のスラグにより生起される問題を解決する別の態
様を示している。
inating oxides)を集収する氷晶石の能
力を評価すべく、氷晶石で実施される酸化ウラン(UO
2 )溶解試験が行われた。
を評価すべく、上述のそれらと同一の条件の下で実施さ
れた。測定セルは同一であり、固体酸化ウラン浴は溶融
スラグ内で回転される。
動速度は、温度およびかくはん、即ち種々の氷晶石と幾
つかの混合物とについての酸化ウランの回転速度の関数
として測定された。結果は次の表2に集められている。
ラン濃度が、CaF2 −BaF2 について得られたそれ
らより10ないし200倍も大きいことである。氷晶石
の場合には、酸化物による飽和効果も重要であるが、そ
れは、より多量(数%)の酸化物の溶解後に発生する。
℃の直ぐ上との間(Li3 AlF6に対し800℃、N
a3 AlF6 に対し1010℃、またK3 AlF6 に対
し1020℃)である。ある場合においては(特にリチ
ウム氷晶石の場合)、氷晶石の融点と、るつぼ内の合金
の融点との間の差が重要である。この差を低減するため
にはスラグの融点を増大させ、または合金の融点を減少
させることが何れも可能であるが、両者は同時に遂行で
きる。
ムの添加が好ましい。CaF2 のような耐火性ふっ化物
の添加によっても、スラグが純粋の氷晶石で構成されて
いる場合より更に容易に、インゴットをスラグから分離
をすることが可能になる。
F6 −CaF2 混合物を安定させるため、ふっ化ナトリ
ウムを添加することにより3元混合物(例えば重量で4
0%のLi3 AlF6 、20%のCAF2 、40%のL
iF、または30%のLi3AlF6 、30%のLiF
および40%CaF2 の混合物)を形成することができ
る。酸化物に対するLiFの可溶化能力は等量混合物C
aF2 −BaF2 のそれより10倍も優れているが、L
i3 AlF6 のそれより10倍も劣っている。一般的に
言えば、氷晶石(3MF−AlF3 )とふっ化物とで構
成された2元混合物を安定させるため、MFを添加する
ことにより3元混合物を形成することができる。
ニッケルまたは鉄とニッケルとの混合物のような金属を
少量添加することができる。鉄またはニッケルの添加重
量は、1ないし10%の間で変動する。
富んだ金属合金の溶融中、化学的に安定でなければなら
ない。揮発性のZrF4 化合物の形成を回避するため、
合金とスラグとの混合物へアルミニウムを直接に添加す
ることができる。これによりスラグからジルコニウムへ
のアルミニウムのいかなる移動も回避され、従ってスラ
グは安定化される。
出処理(leaching)に対する最終金属母材の抵
抗を増大させるのに寄与するので、該アルミニウム添加
は前記母材またはインゴットに有利な効果をもたらす。
従って合金は溶岩相を包有し、この溶岩相にZr2 Ni
の存在を確認することが可能である。この種の合金の浸
出処理により、ニッケルの溶解がもたらされる。アルミ
ニウムは、該合金の金属母材と一体をなしかつ、水によ
る浸出処理中安定なZr2 (AlNi)型の化合物を形
成する溶岩相を浸透する性質を備えているが、ニッケル
は溶解されない。全質量の1ないし10%に等しいアル
ミニウム質量を添加することが望ましい。
分と同じ組織で結晶化する少量(全質量の約1ないし1
0%)の元素を添加することにより、良好な放射能拘束
性を備える安定した母材を得ることができる。
この置換のその他の利点は、合金還元能力および特にジ
ルコニウムの低減であり、これはジルコニウムの汚染除
去にとって好都合である。
る機器を示す図。
Claims (13)
- 【請求項1】 ジルカロイ基合金の溶融中に、スラグ内
へ放射能を移すことによる前記合金の汚染除去方法にお
いて、アルカリ金属をMで示した化学式3MF−AlF
3 から成る少なくとも1つの氷晶石を前記スラグが含有
することを特徴とする方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載された方法において、M
がリチウム、ナトリウムまたはカリウムである該方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された方
法において、耐火性ふっ化物が前記氷晶石に添加される
該方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載された方法にして、添加
されるふっ化物がふっ化カルシウム(CaF2 )である
該方法。 - 【請求項5】 請求項3に記載された方法にして、氷晶
石とふっ化物との混合物がMF添加により安定化される
該方法。 - 【請求項6】 請求項1から請求項5までの何れか1項
に記載された方法にして、前記合金の融点が、金属の添
加により低減される該方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載された方法にして、前記
合金へ添加される金属が、鉄、ニッケルまたはそれらの
混合物の中から選択される該方法。 - 【請求項8】 請求項1から請求項7までの何れか1項
に記載された方法において、Zrと結晶化される合金と
同じ組織の合金母材のジルコニウムの部分と結晶化する
元素の添加がスラグ−合金混合物に対しておこなわれる
該方法。 - 【請求項9】 請求項8に記載された方法にして、添加
される元素がアルミニウムである該方法。 - 【請求項10】 請求項1から請求項9までの何れか1
項に記載された方法によって得られる金属インゴット。 - 【請求項11】 請求項10に記載された方法にして、
前記合金のジルコニウムの部分と結晶化する元素が、ス
ラグ−合金混合物へ添加され、且つ結晶化が、Zrと結
晶化される合金と同じ組織内で生じる該方法。 - 【請求項12】 請求項11に記載された方法にして、
添加される元素がアルミニウムであり、アルミニウムが
浸透した溶岩相をインゴットが含有する該方法。 - 【請求項13】 請求項12に記載された方法にして、
溶岩相がZr2 (AlNi)を包有するようにする方
法。
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