JPH08248125A - 物標追尾装置 - Google Patents

物標追尾装置

Info

Publication number
JPH08248125A
JPH08248125A JP7054081A JP5408195A JPH08248125A JP H08248125 A JPH08248125 A JP H08248125A JP 7054081 A JP7054081 A JP 7054081A JP 5408195 A JP5408195 A JP 5408195A JP H08248125 A JPH08248125 A JP H08248125A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
target
radar
tracking
position information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7054081A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Okamoto
和男 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP7054081A priority Critical patent/JPH08248125A/ja
Publication of JPH08248125A publication Critical patent/JPH08248125A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 追尾物標がレーダ電波の陰エリアを通過する
際に、そのレーダ映像が消失しても、追尾を継続するこ
とができる物標追尾装置。 【構成】 レーダ電波の障害物又はその陰エリアの位置
情報及び1次反射体となる物標の位置情報が設定される
位置情報設定部1と、追尾物標がレーダ電波の陰エリア
を通過する際にレーダ映像が消失した場合に、1次反射
体となる物標と追尾物標との間の多重反射による偽像の
位置情報と追尾物標の進行方向とを用いて追尾物標の位
置を推定して物標の追尾を継続する移動物標追尾手段2
と、追尾物標の推定位置に消失したレーダ映像の代りに
推定映像を発生させると共に偽像を消去する消去映像を
発生させ、この推定映像及び消去映像をレーダ映像に合
成して表示させる推定映像・消去映像生成部3及び映像
合成部4とを備えたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーダ電波の陰エリアが
ある場合のレーダによる物標の追尾装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】レーダの覆域に、例えば島等の電波の障
害物が有った場合には、この障害物の後方にレーダ電波
の陰となるエリアが生じることがある。そして一般にこ
のようなレーダ電波の陰となるエリア内からは、レーダ
映像が得られないことが多い。従って従来のレーダによ
る物標追尾装置においては、追尾中の物標がこのような
レーダ電波の陰エリアを通過する際に、レーダ映像が消
失するため追尾物標を見失う(一般にロストと呼ばれ
る)ことが多かった。またレーダによる偽像は、レーダ
の主ビーム以外により、またはレーダ波の物標による多
重反射などによってレーダ表示面に現れる不要映像と定
義されている。そして従来の物標追尾装置においては、
この偽像は不要映像として除去されるべきものとして処
理され、この偽像情報を積極的に利用しようとする技術
思想は存在しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来のレ
ーダによる物標追尾装置では、レーダ電波の陰エリアを
通過する物標は、そのレーダ映像の消失のため追尾がで
きないという問題点があった。また従来のレーダによる
物標追尾装置では、偽像情報は不要映像として除去され
ているのみであり、特に物標間の多重反射による偽像情
報を全く利用していないという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る物標追尾装
置は、レーダの覆域にある障害物によるレーダ電波の陰
エリアを通過する物標の追尾を継続する物標追尾装置で
あって、レーダ設置位置からみた前記障害物又はレーダ
電波の陰エリアの位置情報が予め設定されると共に、前
記陰エリアの近くでレーダの1次反射体となる物標の位
置情報が予め設定されるかまたはレーダ映像の状況に基
づき自動的に設定される位置情報設定手段と、レーダか
ら得られる物標映像の位置情報に基づき移動物標の追尾
を行うと共に、追尾中の物標が前記レーダ電波の陰エリ
アを通過する際にレーダ映像が消失した場合に、前記位
置情報設定手段に設定された障害物又はレーダ電波の陰
エリア及び1次反射体となる物標の位置情報を参照し、
前記1次反射体となる物標と陰エリアを通過する物標を
2次反射体とする多重反射に基づき、前記1次反射体と
なる物標と同一方位でかつ遠方となる位置に追尾物標の
偽像が発生したかを判別し、偽像が発生した場合に、前
記1次反射体となる物標と偽像との間の距離を半径とす
る円と、レーダ映像が消失する前の追尾物標の進行方向
を示す直線との交点位置を算出し、この交点位置を追尾
物標の陰エリア内の推定位置として移動物標の追尾を継
続する移動物標追尾手段と、前記移動物標追尾手段が算
出した交点位置に、消失したレーダ映像の代りに推定映
像を発生させ、この推定映像をレーダ映像と合成して表
示させる推定映像発生・合成手段とを備えたものであ
る。
【0005】
【作用】本発明においては、レーダの覆域にある障害物
によるレーダ電波の陰エリアを通過する物標の追尾を継
続する物標追尾装置において、位置情報設定手段には、
レーダ設置位置からみた前記障害物又はレーダ電波の陰
エリアの位置情報が予め設定されると共に、前記陰エリ
アの近くでレーダの1次反射体となる物標の位置情報が
予め設定されるかまたはレーダ映像の状況に基づき自動
的に設定され、移動物標追尾手段は、レーダから得られ
る物標映像の位置情報に基づき移動物標の追尾を行うと
共に、追尾中の物標が前記レーダ電波の陰エリアを通過
する際にレーダ映像が消失した場合に、前記位置情報設
定手段に設定された障害物又はレーダ電波の陰エリア及
び1次反射体となる物標の位置情報を参照し、前記1次
反射体となる物標と陰エリアを通過する物標を2次反射
体とする多重反射に基づき、前記1次反射体となる物標
と同一方位でかつ遠方となる位置に追尾物標の偽像が発
生したかを判別し、偽像が発生した場合に、前記1次反
射体となる物標と偽像との間の距離を半径とする円と、
レーダ映像が消失する前の追尾物標の進行方向を示す直
線との交点位置を算出し、この交点位置を追尾物標の陰
エリア内の推定位置として移動物標の追尾を継続し、推
定映像発生・合成手段は、前記移動物標追尾手段が算出
した交点位置に、消失したレーダ映像の代りに推定映像
を発生させ、この推定映像をレーダ映像と合成して表示
させるようにしたので、従来不要映像として利用されて
いなかった物標間の多重反射による偽像情報を積極的に
利用することにより、従来レーダ映像の消失のため追尾
が不能であったレーダ電波の陰エリアを通過する物標に
ついても、継続追尾が可能となり、物標が存在すると推
定される位置に推定映像を表示することも可能となっ
た。
【0006】
【実施例】図1は本発明に係る物標追尾装置の構成を示
す図である。図1において、10は本発明に係る物標追
尾装置であり、後述の1〜4の機器を含む。また11〜
15は従来のレーダ装置とこれに関連する一般的な機器
であり、11〜15の各機器を先に説明する。11は例
えば陸上の固定局に設けられたレーダ装置であり、送受
信機及び送受信用アンテナを含む。12は量子化映像出
力部であり、レーダ装置11が所定の繰返し周期でパル
ス変調電波を送信する毎に得られるレーダ映像を逐次量
子化(デジタル信号化)し、例えば極座標の映像信号、
即ちレーダ設置位置からの方位(真北を零度として時計
回転方向に測った角度)及び距離毎のデジタル映像信号
として出力する。(なお上記極座標の代りに、極座標を
直交座標に変換して直交座標の映像信号として出力して
もよい。)
【0007】13は画像情報メモリ部であり、外部の表
示器へ表示する画像情報を少くとも1画面分は記憶する
メモリを有する。14は画像表示部であり、表示制御部
及び表示器を含み、この表示制御部は画像情報メモリ部
13から画像情報を読出し、表示器に表示させる。15
は例えばキーボード等の操作部である。
【0008】図1の1は位置情報設定部であり、まず、
レーダ電波の障害物(例えば島などで、これを物標Yと
する)が存在し、この障害物の陰エリアにはレーダ電波
が到達しない場合に、レーダ設定位置からみたこの物標
Y(障害物)の位置情報又は陰アリア範囲の位置情報が
予め設定される。また前記陰エリアの近くにレーダの1
次反射体となりうる物標(例えば停船中又は低速で移動
中の大型船等で、これを物標Aとする)が存在し、この
物標Aを1次反射体、追尾物標を2次反射体として多重
反射による偽像が発生するか又は発生が想定される場合
に、前記物標A(1次反射体となりうる物標)の位置情
報が設定される。またこれらの物標の位置情報の設定、
変更又は取り消しは、操作員が手動で、キーボード等の
操作部15を操作して行うことができるほか、移動物標
追尾手段2内の移動映像処理部2Cが、予め与えられた
レーダの1次反射体となりうる物標映像の条件に適合す
る物標映像を選定し、この選択した1次反射体となりう
る物標映像の位置情報を自動的に設定したり、また手動
又は自動設定した1次反射体となりうる物標の位置が時
間が経過して当初と異なる位置に変化した場合に、以前
の位置情報を新規の位置情報に自動更新することもでき
る。
【0009】図1の2は移動物標追尾手段であり、例え
ば、今回映像記憶器2A、前回映像記憶器2B及び移動
映像処理部2Cにより構成される。今回映像記憶器2A
は、レーダパルスの送信によって量子化映像出力部12
から逐次入力される現時点のレーダの量子化映像を順次
記憶するものであるが、予め指定されたアンテナ方位、
例えばレーダアンテナの方位が零度(即ち真北)になっ
た時点で、既に記憶しているレーダアンテナが1回転前
(これを前回という)の映像は、前回映像記憶器2Bに
転送すると共に、新規に入力される映像に絶えず更新し
ている。従って今回映像記憶器2Aには、現時点からレ
ーダアンテナが1回転前の期間における1画面分(表示
器に表示できる1画面分)の映像情報が記憶されている
ことになる。同様に前回映像記憶器2Bには、現在より
レーダアンテナが1回転前から2回転前の期間における
1画面分の映像情報が記憶されていることになる。また
今回及び前回映像記憶器2A及び2Bに記憶される映像
情報は、レーダパルスの送信に続く映像情報の書込期間
終了後から次の送信開始までの期間に、所望の映像情報
を読出すことが可能である。
【0010】移動映像処理部2Cは、例えば、移動映像
判別部(a)、移動物標追尾部(b)、位置情報設定・
更新部(c)、推定映像・偽像処理部(d)を含んでい
る。移動映像判別部(a)は、今回映像記憶器2Aに記
憶する各映像i(i=1,2,3,…N)の位置情報
(例えばレーダ装置11からの方位θia、距離Ria
と、前回映像記憶器2Bに記憶する対応する映像の位置
情報(方位θib,距離Rib)とを比較し、移動映像であ
るか否か(即ち位置情報に差があるか否か)を判別する
と共に、移動映像の場合には、追尾を要する物標映像又
は既に追尾中の物標映像であるか否かの判別もする。ま
た、この移動映像の判別処理において、今回映像記憶器
2Aに記憶されている映像に対応する映像が前回映像記
憶器2Bに存在しない場合には、レーダの覆域に新規に
入ってきた映像として、移動映像であると判別する。
【0011】移動物標追尾部(b)は、追尾物標のレー
ダ映像が得られる場合の従来技術による物標追尾と、レ
ーダ電波の陰エリアのため追尾物標のレーダ映像が消失
する場合に、本発明による多重反射による偽像利用によ
る物標追尾や従来技術による島陰追尾をも行う。なお本
発明による物標追尾処理の詳細は図2を用いて後述す
る。
【0012】位置情報設定・更新部(c)は、予めレー
ダの1次反射体となりうる物標映像の大きさ又は形状
(例えば大型船舶等で、レーダ反射面積の大きな物
標)、速度範囲(例えば停船中又はかなり低速であり、
レーダアンテナの1回転の間の位置変化が小さい物
標)、及び位置範囲(レーダ電波の陰エリアに比較的近
い位置に存在すること)等の条件が設定されると、レー
ダ映像から前記設定された条件に適合する物標映像をレ
ーダの1次反射体として選定し、この選定したレーダの
1次反射体となる物標映像の位置情報を前記位置情報設
定部1に自動設定する機能を有するものである。さらに
位置情報設定・更新部(c)は、前記位置情報設定部1
に手動又は自動で設定されたレーダの1次反射体となる
物標映像の位置情報が、レーダ映像から得られる位置情
報と相違しているか否かを判別し、相違している場合に
は最新のレーダ映像から得られる位置情報によって前記
位置情報設定部1の設定情報を自動更新する機能をも有
するものである。
【0013】推定映像・偽像処理部(d)は、追尾中の
物標のレーダ映像がレーダ電波の陰エリア内のため得ら
れない場合に、移動物標追尾部(b)が偽像を積極的に
利用して物標が存在すると推定した位置に、推定映像を
発生させる指令や、偽像を消去させたりまたは偽像であ
ることを示すマークを発生させる指令を出力するもので
ある。
【0014】図1の3は推定映像・消去映像生成部であ
り、前記移動映像処理部2C内の推定映像・偽像処理部
(d)からの指令に基づき、物標が存在すると推定され
る位置に推定映像を生成すると共に、偽像であると判定
された位置のレーダ映像を消去する消去映像(例えば映
像の振幅値を零として完全に消去させる映像信号)を発
生させたり、または偽像であることを示すマーク映像を
生成して、映像合成部4へ出力する。4は映像合成部で
あり、推定映像・消去映像生成部3で生成された推定映
像並びに偽像の消去映像又は偽像であることを示すマー
ク映像と、画像情報メモリ部13に記憶されている合成
処理前のレーダ映像とを合成させて、この合成後の(即
ち推定映像が追加され、偽像が消去されたり偽像マーク
が追加されたりした)新しいレーダ映像を画像情報メモ
リ部13へ再び記憶させる。
【0015】図2は図1の物標追尾装置の動作を説明す
るための図であり、同図の(a)はレーダと物標との配
置例を示し、同図の(b)は(a)の配置例におけるレ
ーダ表示例を示すものである。図2を参照し、図1の物
標追尾装置10による、レーダ電波の陰エリアを通過す
る物標の継続追尾とその推定映像の表示動作について説
明する。図1のレーダ装置11は、例えば陸上の固定局
レーダであり、いま図2の(a)に示すように海岸近く
に設置され、付近の海面をその監視領域としているもの
とする。そしてレーダの設置位置からある距離と方位に
いま電波の障害物Y(例えば島)が存在する場合に、こ
の障害物Yの後方に、図2の(a)の例では、レーダか
らの方位がθY1〜θY2の範囲で、距離はRY より遠方に
レーダ電波の陰エリアが生じる。そして一般にこのよう
なレーダ電波の陰となるエリアを通過する物標からの直
接反射信号は得られないから、従来のレーダによる物標
追尾装置では、追尾物標のレーダ映像の消失により、物
標の追尾を継続することはできなかった。
【0016】図2の(a)配置例においては、前記レー
ダ電波の陰エリアの付近に1次反射体となる物標A(例
えば海上に停船中の大型船舶等)が存在し、それまで追
尾中の物標Bがレーダ電波の陰エリアの近くに接近して
きたときに、前記物標Aが1次反射体、追尾物標Bが2
次反射体となって、この2つの物標間で多重反射が生
じ、この多重反射によって1次反射体となる物標Aと同
一方位でかつ遠方となる位置に物標Bの偽像Cを発生す
る場合を示している。そして本発明は、この偽像Cの位
置情報を利用して、レーダ電波の陰エリアを通過する物
標Bの継続追尾とその推定映像の表示を可能とするもの
である。
【0017】図2の(a)に示すレーダ設置位置からみ
た障害物Yの前面までの距離RY 、その方位範囲θY1
θY2、また1次反射体となりうる物標Aの前面までの距
離RA 、その中心方位をθA 等の位置情報は、操作員に
よって、あらかじめ操作部15から位置情報設定部1に
設定されているものとする。従って移動物標追尾手段2
は、位置情報設定部1に設定された電波障害物Yによる
レーダ電波の陰エリアの範囲や1次反射体となりうる物
標Aの位置等の情報を読出し、これらを承知した上で、
移動物標の追尾を行うことができる。
【0018】移動映像処理部2C内の移動映像判別部
(a)は、各映像毎に、今回映像記憶器2A内の位置情
報と前回映像記憶器2B内の位置情報とを比較すること
により移動映像であることを判別し、移動物標追尾部
(b)は、前記判別された移動映像のすべてまたはその
なかで指定された移動映像について移動物標としての追
尾を行う。そして移動物標追尾部(b)は、過去におい
て追尾中の物標Bの現在位置B(t=n)がレーダ電波
の陰エリアの範囲に接近してきたことを検出すると、こ
の陰エリアで物標Bのエコー消失が有り得るので、物標
Bと1次反射体となりうる物標Aとの位置関係により多
重反射が生じ、物標Aと同一方位でかつ遠方となる位置
に物標Bの偽像が発生しているか否かを今回映像記憶器
2Aに記憶されている映像情報から判別する。
【0019】図2の(a)においては、物標Bの現在位
置B(t=n)において、既に1次反射体となる物標A
の後方に追尾物標Bの偽像Cが生じた場合の例を示して
いる。この偽像Cが生じる場合には、1次反射体となる
物標Aの前面から偽像Cまでの距離をrとすると、この
物標Aの前面から追尾物標Bまでの距離も同一のrとな
る。これはレーダ装置11から発射され、1次反射体と
なる物標Aで反射された電波の一部が、物標Bを2次反
射体として、物標Aと物標Bとの間を往復し、再び物標
Aから反射されてレーダ装置11に受信されるから、レ
ーダ装置11からみると、物標Aと同一方位θA で、距
離が(RA +r)の位置に物標Bが存在するものとして
偽像Cを表示するものである。
【0020】そしてある時間経過して(例えばレーダア
ンテナが1回転した後に)、物標Bの位置がレーダ電波
の陰エリア内に入り、そのエコーが消失したときにも、
前記物標Bの偽像Cが得られる場合には、1次反射体と
なる物標Aの前面から偽像Cまでの距離をrとすると、
物標Bは1次反射体となる物標Aの前面(この例では前
面の中心)から半径rとする円周上のいずれかの位置に
存在することになる。そして追尾中の物標Bの進行方向
を、前回の(エコー消失前の)物標Bの位置B(t=
n)から求め、前記半径rと物標Bの進行方向との交点
位置に物標Bが存在するものと判断する。
【0021】移動物標追尾部(b)は、このようにして
レーダ電波の陰エリア内で物標Bのエコーが消失した場
合にも、前記交点位置に物標Bが存在するものとして追
尾処理を継続することができる。なお移動物標追尾部
(b)は、エコー消失前の追尾情報から物標Bのエコー
消失後の予測位置を算出することもできるので、この算
出した予測位置と前記交点位置がほぼ一致することを確
認した上で、推定映像位置を決めることもできる。また
前記予測位置と交点位置に差がある場合は、両者の平均
位置を推定映像位置として処理するとができる。さらに
移動物標追尾部(b)は、前記レーダの1次反射体とな
る物標Aが、レーダ電波の陰エリアの近くに存在しない
場合、または過去には存在していたが現在は存在しない
場合に、従来技術である島陰追尾手法によってそれまで
追尾していた物標Bの追尾を継続することができる。
【0022】そして前記1次反射体となる物標Aは、あ
らかじめ操作部15を介して設定しておかなくとも、位
置情報設定・変更部(c)に、予めレーダの1次反射体
となりうる物標映像の大きさ又は形状、速度範囲及び位
置範囲等の条件を設定しておくと、位置情報設定・変更
部(c)は、レーダ映像から前記設定された条件に適合
する物標映像をレーダ1次反射体として選定し、この選
定したレーダの1次反射体となる物標映像の位置情報を
自動的に前記位置情報設定部1に設定する。また位置情
報設定・変更部(c)は、位置情報設定部1に手動又は
自動で設定されたレーダの1次反射体となる物標映像の
位置情報と、今回映像記憶器2Aから読出したレーダ映
像から得られる位置情報とを比較し、両者の位置情報に
差がないか否かを判別し、差が有る場合には、今回映像
記憶器2Aのレーダ映像から得られる最新の位置情報に
よって位置情報設定部1に設定された位置情報を自動的
に更新する。
【0023】例えば1次反射体となる物標として、停船
中の大型船が存在せず、低速で移動中の船舶を物標Aと
して利用する場合に、物標Aは常に移動しているので、
この位置情報の自動更新機能は有用である。さらに当初
1次反射体となりうる物標Aを自動設定したが、時間の
経過と共に物標Aはレーダ電波の陰エリアから遠方に移
動し1次反射体として不適当な位置になった場合に、位
置情報設定・変更部(c)は別の好ましき位置の物標を
選択して、その位置情報に変更することもできる。
【0024】推定映像・偽像処理部(d)は、移動物標
追尾部(b)が算出した追尾物標の推定位置に消失した
レーダ映像の代りに推定映像を発生させる指令と、偽像
であると判定された位置のレーダ映像を消去する消去映
像または偽像であることを示すマーク映像を発生させる
指令を推定映像・消去映像生成部3へ出力し、推定映像
・消去映像生成部3は与えられた指令に基づき、指定さ
れた位置に、推定映像及び消去映像又は偽像であること
を示すマーク映像をそれぞれ生成し、映像合成部4へ出
力する。映像合成部4は、推定映像・消去映像生成部3
から供給される推定映像を画像情報メモリ部13のレー
ダ電波の陰エリア内の映像に加え、さらに偽像Cの位置
の映像を消去映像によって消去するか、または偽像であ
ることを示すマークを付加し、これらの合成映像を画像
情報メモリ部13へ書込む。そしてこの合成映像が画像
情報メモリ部13から読出されて画像表示部14で表示
される。
【0025】図2の(b)は、この場合の表示例であ
り、図において、レーダ電波の陰エリア内で消失したレ
ーダ映像の代りに、物標Bの今回(t=n+1)の推定
位置に推定映像が表示され、また1次反射体となる物標
Aの後方の偽像Cは消去されている。またこの例で、物
標Bは指定された航路内を航行しており、この航路表示
も行われている。なお障害物Yの後方のレーダ電波の陰
エリアは、説明の都合で記載したものであり、通常は表
示されないものである。
【0026】なお上記実施例では、レーダに電波を用い
た物標追尾装置の場合の例を示したが、本発明はこの電
波のみに限定されるものではない。即ち電波の代りに光
(例えばレーザ光)や音波又は超音波等を使用し、これ
らの信号によって物標からの反射エコーが得られ、その
方位及び距離を検出できる手段を設けるようにすれば、
同様の効果が得られる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、レーダの
覆域にある障害物によるレーダ電波の陰エリアを通過す
る物標の追尾を継続する物標追尾装置において、位置情
報設定手段には、レーダ設置位置からみた前記障害物又
はレーダ電波の陰エリアの位置情報が予め設定されると
共に、前記陰エリアの近くでレーダの1次反射体となる
物標の位置情報が予め設定されるかまたはレーダ映像の
状況に基づき自動的に設定され、移動物標追尾手段は、
レーダから得られる物標映像の位置情報に基づき移動物
標の追尾を行うと共に、追尾中の物標が前記レーダ電波
の陰エリアを通過する際にレーダ映像が消失した場合に
は、前記位置情報設定手段に設定された障害物又はレー
ダ電波の陰エリア及び1次反射体となる物標の位置情報
を参照し、前記1次反射体となる物標と陰エリアを通過
する物標を2次反射体とする多重反射に基づき、前記1
次反射体となる物標と同一方位でかつ遠方となる位置に
追尾物標の偽像が発生したかを判別し、偽像が発生した
場合に、前記1次反射体となる物標と偽像との間の距離
を半径とする円と、レーダ映像が消失する前の追尾物標
の進行方向を示す直線との交点位置を算出し、この交点
位置を追尾物標の陰エリア内の推定位置として移動物標
の追尾を継続し、推定映像発生・合成手段は、前記移動
物標追尾手段が算出した交点位置に、消失したレーダ映
像の代りに推定映像を発生させ、この推定映像をレーダ
映像と合成して表示させるようにしたので、従来不要映
像として利用されていなかった物標間の多重反射による
偽像情報を積極的に利用することにより、従来レーダ映
像の消失のため追尾が不能であったレーダ電波の陰エリ
アを通過する物標についても、継続追尾が可能となり、
物標が存在すると推定される位置に推定映像を表示する
ことを可能にするという効果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る物標追尾装置の構成を示す図であ
る。
【図2】図1の物標追尾装置の動作を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 位置情報設定部 2 移動物標追尾手段 2A 今回映像記憶器 2B 前回映像記憶器 2C 移動映像処理部 3 推定映像・消去映像生成部 4 映像合成部 10 物標追尾装置 11 レーダ装置 12 量子化映像出力部 13 画像情報メモリ部 14 画像表示部 15 操作部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーダの覆域にある障害物によるレーダ
    電波の陰エリアを通過する物標の追尾を継続する物標追
    尾装置であって、 レーダ設置位置からみた前記障害物又はレーダ電波の陰
    エリアの位置情報が予め設定されると共に、前記陰エリ
    アの近くでレーダの1次反射体となる物標の位置情報が
    予め設定されるかまたはレーダ映像の状況に基づき自動
    的に設定される位置情報設定手段と、 レーダから得られる物標映像の位置情報に基づき移動物
    標の追尾を行うと共に、追尾中の物標が前記レーダ電波
    の陰エリアを通過する際にレーダ映像が消失した場合
    に、前記位置情報設定手段に設定された障害物又はレー
    ダ電波の陰エリア及び1次反射体となる物標の位置情報
    を参照し、前記1次反射体となる物標と陰エリアを通過
    する物標を2次反射体とする多重反射に基づき、前記1
    次反射体となる物標と同一方位でかつ遠方となる位置に
    追尾物標の偽像が発生したかを判別し、偽像が発生した
    場合に、前記1次反射体となる物標と偽像との間の距離
    を半径とする円と、レーダ映像が消失する前の追尾物標
    の進行方向を示す直線との交点位置を算出し、この交点
    位置を追尾物標の陰エリア内の推定位置として移動物標
    の追尾を継続する移動物標追尾手段と、 前記移動物標追尾手段が算出した交点位置に、消失した
    レーダ映像の代りに推定映像を発生させ、この推定映像
    をレーダ映像と合成して表示させる推定映像発生・合成
    手段とを備えたことを特徴とする物標追尾装置。
  2. 【請求項2】 前記移動物標追尾手段は、 予めレーダの1次反射体となりうる物標映像の大きさ又
    は形状、速度範囲及び位置範囲等の条件が設定され、レ
    ーダ映像から前記設定された条件に適合する物標映像を
    レーダの1次反射体として選定し、このレーダの1次反
    射体となる物標映像の位置情報を前記位置情報設定手段
    に自動設定する位置情報自動設定手段を含むことを特徴
    とする請求項1記載の物標追尾装置。
  3. 【請求項3】 前記移動物標追尾手段は、 前記位置情報設定手段に手動又は自動で設定されたレー
    ダの1次反射体となる物標映像の位置情報が、レーダ映
    像から得られる位置情報と相違しているか否かを判別
    し、相違している場合には最新のレーダ映像から得られ
    る位置情報によって前記位置情報設定手段の設定情報を
    自動更新する位置情報自動更新手段を含むことを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の物標追尾装置。
  4. 【請求項4】 前記推定映像発生・合成手段は、 前記移動物標追尾手段が偽像であると判定した位置のレ
    ーダ映像を消去する消去映像または偽像であることを示
    すマーク映像を発生させ、偽像映像の代りの消去映像ま
    たは偽像であることを示すマーク映像をレーダ映像と合
    成して表示させる偽像映像表示処理手段を含むことを特
    徴とする物標追尾装置。
  5. 【請求項5】 前記移動物標追尾手段は、 前記レーダの1次反射体となる物標が、レーダ電波の陰
    エリアの近くに存在しない場合又は存在しなくなった場
    合に、島陰追尾手法によってそれまで追尾していた物標
    の追尾を継続する島影追尾手段を含むことを特徴とする
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の物標追尾装
    置。
JP7054081A 1995-03-14 1995-03-14 物標追尾装置 Pending JPH08248125A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7054081A JPH08248125A (ja) 1995-03-14 1995-03-14 物標追尾装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7054081A JPH08248125A (ja) 1995-03-14 1995-03-14 物標追尾装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08248125A true JPH08248125A (ja) 1996-09-27

Family

ID=12960673

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7054081A Pending JPH08248125A (ja) 1995-03-14 1995-03-14 物標追尾装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08248125A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006080120A1 (ja) * 2005-01-28 2006-08-03 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 追尾システムおよび自走体
JP2010127835A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Toyota Motor Corp レーダ装置
JP2011173459A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Toyota Motor Corp 車両制御装置
JP2013250151A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Fujitsu Ten Ltd レーダ装置、および、信号処理方法
CN104297749A (zh) * 2014-10-31 2015-01-21 南京信息工程大学 一种基于回波扩展熵的穿墙雷达成像方法
CN109739267A (zh) * 2018-12-21 2019-05-10 北京智行者科技有限公司 跟随路径的确定方法
JP2020091158A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 株式会社デンソー 物体検知装置および物体検知方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006080120A1 (ja) * 2005-01-28 2006-08-03 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 追尾システムおよび自走体
US7363125B2 (en) 2005-01-28 2008-04-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Tracking system and autonomous mobile unit
JP2010127835A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Toyota Motor Corp レーダ装置
JP2011173459A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Toyota Motor Corp 車両制御装置
JP2013250151A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Fujitsu Ten Ltd レーダ装置、および、信号処理方法
CN104297749A (zh) * 2014-10-31 2015-01-21 南京信息工程大学 一种基于回波扩展熵的穿墙雷达成像方法
JP2020091158A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 株式会社デンソー 物体検知装置および物体検知方法
WO2020115957A1 (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 株式会社デンソー 物体検知装置および物体検知方法
CN113167890A (zh) * 2018-12-04 2021-07-23 株式会社电装 物体检测装置以及物体检测方法
CN109739267A (zh) * 2018-12-21 2019-05-10 北京智行者科技有限公司 跟随路径的确定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7089094B2 (en) Vehicle information display apparatus
US20170227639A1 (en) Pilot display systems and methods
US20030202426A1 (en) Automatically tracking scanning sonar
KR19990078351A (ko) 수중물체탐지장치
JPH08248125A (ja) 物標追尾装置
JP2008014874A (ja) 船舶用レーダ
JP2007516430A (ja) 前方測距能力を備えたレーダ高度計
JP4055915B2 (ja) 自動衝突予防援助装置
JP2002062349A (ja) レーダ装置
EP2047291B1 (en) Radar display and processing apparatus
JP2012122736A (ja) 水中探知装置及び水中探知システム
NO143245B (no) Fremgangsmaate for aa hindre oversvoemmelse i et inngangsdatafelt i hukommelsen for et kollisjonsunngaaelsessystem, for aa unngaa kollisjoner mellom sjoegaaende fartoeyer ved anaaten vendelse av radar, samt system for utfoerelse av fremgangsm
JP2001221846A (ja) 艦被探知回避システム
GB2414356A (en) Vessel surveillance system and display apparatus
JPH06268563A (ja) 移動体における無線中継方式
JPH01118791A (ja) 超音波ソナーにおける信号処理装置
CN210166499U (zh) 光电智能可视导航雷达
JP3609160B2 (ja) 船舶用レーダの物標警報装置
WO2023286354A1 (ja) 自動追従システム及び自動追従方法
JPH0693019B2 (ja) レーダ装置
JPH0882671A (ja) レーダの偽像処理装置
JPH07270524A (ja) 物標追尾装置
JP3465506B2 (ja) 超音波映像装置
JP3309300B2 (ja) レーダ装置
JPH0394186A (ja) 物標追尾装置