JPH08247762A - ビーム投射装置 - Google Patents

ビーム投射装置

Info

Publication number
JPH08247762A
JPH08247762A JP4745095A JP4745095A JPH08247762A JP H08247762 A JPH08247762 A JP H08247762A JP 4745095 A JP4745095 A JP 4745095A JP 4745095 A JP4745095 A JP 4745095A JP H08247762 A JPH08247762 A JP H08247762A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
temperature
waist position
laser
beam waist
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4745095A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Ono
政博 大野
Masato Hara
正人 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP4745095A priority Critical patent/JPH08247762A/ja
Priority to US08/562,827 priority patent/US5991102A/en
Publication of JPH08247762A publication Critical patent/JPH08247762A/ja
Priority to US09/207,508 priority patent/US5978148A/en
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度変化に伴って変化する投射光束のビーム
ウエスト位置を制御して、ビーム径をできる限り変化さ
せない、安定性のある精度の高いビーム投射装置を提供
すること。 【構成】 レーザダイオード23から回転投光部15に
至る光路に設けられた、この回転投光部15から投射さ
れる光束のビームウエスト位置を変化させるビームエキ
スパンダB;レーザ測量装置11内の温度を検出する温
度検出手段90;レーザ測量装置11内の温度変化と、
この回転投光部15から投射される光束のビームウエス
ト位置との変化の関係を記憶した記憶手段(82);及
び、温度検出手段90による検出温度と、記憶手段(8
2)に記憶された温度とビームウエスト位置とのデータ
に基づき、ビームエキスパンダBによりビームウエスト
位置を変化させる制御手段82;を備えたビーム投射装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光等の光ビーム
を回転投射して基準平面を形成するビーム投射装置に関
する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】この種の装置として、回転
する投光部から装置周囲の測量対象物に向けてレーザ光
束を走査して基準平面を形成するレーザ測量装置(所謂
レーザプレーナ)が知られている。土木建築分野では一
般に、このようなレーザ測量装置を用い、測量対象物上
に到達したレーザ光束のスポットの高さを計測すること
により、基準出しや高さ計測を行う。
【0003】このようなレーザ測量装置として、従来、
レーザ光束を射出するレーザ光束源と、このレーザ光束
源からのレーザ光束を略水平に回転投射するための投光
部を備えたものが知られている(特開平5-322564号参
照)。
【0004】この種の従来のレーザ測量装置は、近距離
(例えば0.5 〜1.5 m)から遠距離(例えば 100m〜 2
00m)までの広範囲において、基準出しや高さ計測に使
用される。このような使用においては、照準点合わせを
簡便にし、検出器でビーム位置を検出する場合に検出感
度が変動することを防止することが望まれる。またレー
ザ測量装置は、屋外で使用される場合が多く、温度変化
(−20゜C 〜+50゜C)によってレンズやレンズ支持枠
が伸縮して焦点移動が生じるため、投射レーザ光束のビ
ームウエスト位置の変化を防止して、野外等での使用を
可能にすること等が望まれる。これらの実現のために
は、使用距離範囲内において次の条件が必要である。す
なわち、 (ア) 照準点合わせをより簡便に行うため、投射レーザ光
束のビーム径をできる限り小さくすること。 (イ) 投射レーザ光束の高さ等を検出するとき、検出装置
の投射装置からの距離によってその検出感度が異なるこ
と(ばらつくこと)を防ぐため、投射レーザ光束のビー
ム径を距離に拘わらず一定にすること。 (ウ) 投射レーザ光束のビームウエスト位置の変化を防
ぎ、投射レーザ光束のビーム径をできるだけ変化させな
いようにすること。
【0005】上記条件(ア)、(イ) は、レーザ測量装置の初
期性能というべきもので、光学部品の加工精度や組立精
度等の製作技術により克服することが可能である。
【0006】他方、条件(ウ) は、レーザ測量装置の安定
性に関するもので、土木工事等に使用されるレーザ測量
装置では、非常に重要である。特に、レーザ測量装置の
使用環境温度範囲は、通常、−20゜C 〜+50゜C とい
う、他の精密機器に比して格段に広い範囲が要求され
る。通常、温度変化に伴い、レンズ支持枠の膨張収縮、
レンズ自体の屈折率の変化、及びレーザ光束源の発振波
長の変化等によって、投射レーザ光束のビームウエスト
位置が変化する。
【0007】温度変化と投射距離におけるビーム径を測
定し、その変化の様子をグラフ化した一例を、図13及
び図14に示す。図13は、レーザ測量装置(ビーム投
射装置)から射出される時のビーム径がφ12.5(mm)、波
面の曲率半径が190(m)の場合に、温度を−20゜C 、 +20
゜C 、 +50゜C に変化させた場合を示している。図14
は、レーザ測量装置から射出される時のビーム径がφ8.
0(mm) 、波面の曲率半径が78(m) の場合に、温度を−20
゜C 、 +20゜C 、 +50゜C に変化させた場合を示してい
る。これらの図から、いずれの場合も、温度によってビ
ームウエスト位置が変化し、この変化に伴ってビーム径
が変化していることが分かる。このようなビーム径の変
化により、レーザ測量装置として要求されている上記条
件(ウ) を満足できないという問題が生じていた。
【0008】このような問題を解決するため、温度変化
を補償するコリメータが提案されている(米国特許第5,
225,928 号参照)。しかしこのコリメータは、補償を可
能にする光学ガラスが離散的にしか存在しないため、他
の収差を補正しつつ、温度補償を完全行うことは困難で
ある。特に、光源として、光の放射角が大きな半導体レ
ーザ等を用いる場合には、NA(開口数)の大きなコリ
メータレンズが必要となるため、温度補償を完全に行う
ことは一層困難とされる。
【0009】
【発明の目的】本発明は、従来のレーザ測量装置におけ
る上記問題点に基づき、温度変化に伴って変化する投射
光束のビームウエスト位置を制御して、ビーム径をでき
る限り変化させない、安定性のある精度の高いビーム投
射装置を提供することを目的とする。
【0010】
【発明の概要】上記目的を達成するための本発明は、光
源と、回転軸を中心に回転可能な投光部とを備え、この
投光部を回転させ、上記光源からの光束を回転軸と略直
交する方向に回転投射して、基準平面を形成するビーム
投射装置において、上記光源から投光部に至る光路に設
けられた、この投光部から投射される光ビームのビーム
ウエスト位置を変化させるビームウエスト位置変更光学
系;上記ビーム投射装置内の温度を検出する温度検出手
段;上記ビーム投射装置内の温度変化と、上記投光部か
ら投射される光束のビームウエスト位置との変化の関係
を記憶した記憶手段;及び、上記温度検出手段による検
出温度、及び上記記憶手段に記憶された温度とビームウ
エスト位置とのデータに基づき、上記ビームウエスト位
置変更光学系によりビームウエスト位置を変化させる制
御手段;を備えたことを特徴としている。
【0011】また本発明は、光源と、回転軸を中心に回
転可能な投光部とを備え、この投光部を回転させ、上記
光源からの光束を回転軸と略直交する方向に回転投射し
て、基準平面を形成するビーム投射装置において、上記
光源から投光部に至る光路に設けられた、この投光部か
ら投射される光ビームのビームウエスト位置を変化させ
る、少なくとも一対のレンズ群を有するビームウエスト
位置変更光学系;上記ビーム投射装置内の温度を検出す
る温度検出手段;上記ビーム投射装置内の温度変化と、
上記一対のレンズ群の一方に対する他方の移動量との変
化の関係を記憶した記憶手段;上記温度検出手段による
検出温度、及び上記記憶手段に記憶された温度とレンズ
移動量とのデータに基づき、上記ビームウエスト位置変
更光学系によりビームウエスト位置を変化させる制御手
段;を備えたことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施例】以下図示実施例に基づいて本発明を説
明する。図1は、本発明を適用したレーザ測量装置(ビ
ーム投射装置)の全体を示す断面図である。このレーザ
測量装置11は、略円筒状のハウジング12と、該ハウ
ジング12の内方に設けられた投光装置13とを有して
いる。ハウジング12の同図上方には、投光装置13上
部の回転投光部15を囲繞する円筒状の透明部材16が
固定され、下方には、レーザ測量装置11の駆動用バッ
テリ(図示せず)を収納するバッテリケース17が固定
されている。
【0013】ハウジング12は、その上部中央に略円錐
状の摺動案内部19を有し、下部中央に円孔12aを有
している。この円孔12aは、バッテリケース17の中
央部に形成した円孔17aと合致された状態において、
上方からのレーザ光束をレーザ測量装置11の下方外方
に射出させる。また摺動案内部19は、略円錐状の底部
に摺動孔19aを有している。この摺動孔19aの先端
部がなす内径は、後述する膨出部21の球面部の外径よ
り小さく設定されている。
【0014】また投光装置13は、図1の上下方向に沿
う中空部を有する中空部材20と、この中空部材20の
上方に、ベアリング10を介して回転自在に支持された
上記回転投光部15とを有している。中空部材20が有
する膨出部21は、摺動孔19aにその球面部を当接さ
せた状態で、回転投光部15(投光装置13)を回転軸
a回りの全ての方向に傾け、投光レーザ光束L3 によっ
て形成される基準平面8水平面に対して自由に調整でき
るように支持されている。
【0015】中空部材20は、その内方に、互いに直交
するレーザ光光路20a、20bを有している。レーザ
光光路20aには、可視レーザ光束を発するレーザダイ
オード23と、コリメータレンズ24と、一対のアナモ
フィックプリズム25、26(図4参照)からなるレー
ザ光断面形状変換光学系18とが設けられている。回転
投光部15の回転軸aの延長上に位置するレーザ光光路
20bは、投光光学系22を有している。
【0016】投光光学系22は、図2に示すように、ア
ナモフィックプリズム26から射出されるレーザ光束を
受ける偏光ビームスプリッタ27を有している。この偏
光ビームスプリッタ27は、偏光分離面(偏光分割面)
27aを有し、その上部に1/4λ板28が貼着されて
いる。この1/4λ板28は、入射光の偏光方向に対し
て該1/4λ板28の軸方位が45゜方向に向くように
貼着されている。さらに、1/4λ板28の上面には、
レーザ光束を所定の割合でペンタプリズム35に向けて
透過し、かつ残りのレーザ光束を偏光ビームスプリッタ
27の偏光分離面27aに向けて反射する、反射率10
〜20%程度の半透膜28aを有している。ここで、偏
光ビームスプリッタ27と半透膜28aとの間に設けら
れた上記1/4λ板28は、この偏光ビームスプリッタ
27で反射し、ペンタプリズム35に向けて透過する直
線偏光のレーザ光束を、円偏光に変換した後、半透膜2
8aにより大部分の光は円偏光のままペンタプリズム3
5に向けて透過させる。残りの光は半透膜28aで反射
され、さらに1/4λ板28を再び透過することによ
り、入射時とは逆方向の直線偏光となる。このため、偏
光ビームスプリッタ27の偏光分離面27aに向かった
光は、この偏光分離面27aで反射されることなく、即
ちレーザ光束源であるレーザダイオード23に戻ること
なく、偏光分離面27aを全て透過する。
【0017】偏光ビームスプリッタ27の図1、図2の
下方には、ウェッジプリズム29a、29bが設けられ
ている。
【0018】偏光ビームスプリッタ27の同図上方に
は、前群レンズ31と後群レンズ32が設けられてい
る。後群レンズ32は、レーザダイオード23、コリメ
ータレンズ24等を支持する一連の支持部材である中空
部材20に、レーザ光光路20b内において固定されて
いる。前群レンズ31は、レーザ光光路20b内におい
て摺動可能な摺動円筒部材30に固定され、中空部材2
0に対して相対移動可能にされている。これらの前群レ
ンズ31と後群レンズ32とにより、コリメータレンズ
24で平行光束に変換され、レーザ光断面形状変換光学
系18で断面円形状に変換された平行光束のビーム径を
調整するビームエキスパンダBが構成されている。この
ガリレオタイプのビームエキスパンダBは、本発明のビ
ームウエスト位置変更光学系を構成するもので、その詳
細は後述する。
【0019】他方、回転投光部15は、レーザ光光路2
0bと合致して該レーザ光光路20bに連続するレーザ
光光路15aと、このレーザ光光路15aに連続する該
レーザ光光路15aより大径のペンタプリズム収納部1
5bとを有している。該ペンタプリズム収納部15bの
側壁には、内方に収納したペンタプリズム35で反射し
て偏向されたレーザ光束を装置外方に投光するための投
光用窓33が形成されている。ペンタプリズム収納部1
5bの上方は開放され、レーザ光光路15aの光軸が、
透明部材16の上部中央の円孔16aに嵌込まれた透光
部材36の中心に一致されている。
【0020】ペンタプリズム35は、投光装置13の回
転投光部15に、該回転投光部15と一体に回転するよ
うに固定されており、この回転投光部15の回転軸a上
のレーザ光束を反射する反射手段を構成している。ペン
タプリズム35は、図2に示されるように、レーザ光束
が入射する光入射面35cと、この光入射面35cに対
して所定角度に設定され、所要の反射率(70〜80
%)の半透膜14が設けられた、該光入射面35cから
入射したレーザ光束が入射する第1の反射面35aと、
この第1の反射面35aで反射されたレーザ光束を反射
する、この第1の反射面35aとでなす角θが45゜で
ある第2の反射面35bと、この第2の反射面35bで
反射したレーザ光束が射出する、光入射面35cとで9
0゜をなす光射出面35dとを有している。第2の反射
面35bには、増反射膜がアルミニューム蒸着等によっ
て形成されている。また第1の反射面35aには、上記
半透膜14を挟んで楔型プリズム34が貼着されてい
る。この楔型プリズム34は、斜辺を第1の反射面35
aに貼着した状態において、図2の上部に位置する射出
面34aがペンタプリズム35の光入射面35cと平行
となるように構成されている。
【0021】他方、中空部材20は、図1の右方に延出
する駆動用アーム37と、この駆動用アーム37に対し
て紙面奥方向に直交する駆動用アーム39(図3参照)
とを一体的に有している。これらの駆動用アーム37、
39は、膨出部21の最上部から下方に傾斜させて形成
され、それぞれの先端部に、膨出部21の球心と一致さ
せて取付けられたローラ40、41を有している。
【0022】ハウジング12はその内壁に、このハウジ
ング12の内周に向けて突出させたブラケット42を有
している。このブラケット42には、ギヤ支持孔42a
が形成されている。また、ハウジング12の上壁12b
においてのギヤ支持孔42aと対向する位置には、ギヤ
支持孔43が形成されている。これらのギヤ支持孔42
a、43には、調整用スクリュー45の両端の軸部が回
転自在に嵌合されている。ブラケット42にはまた、第
1レベル調整用モータ44が固定されている。この第1
レベル調整用モータ44の回転軸に固定したピニオン4
9は、調整用スクリュー45の下端部に固定した伝達ギ
ヤ50と噛み合っている。この調整用スクリュー45に
は、この調整用スクリュー45とで送りねじ機構を構成
する調整用ナット46が螺合されている。この調整用ナ
ット46の外周には、外方に突出させた作動ピン47が
固定されており、この作動ピン47は、ローラ40にそ
の上方から当接している。調整用ナット46はまた、図
示しない支持機構によって、ハウジング12に対する相
対回転を規制されている。
【0023】図3に示されるように、ハウジング12は
その内壁に、このハウジング12の内周に向けて突出さ
せたブラケット78を有している。このブラケット78
には、ギヤ支持孔(図示せず)が形成され、ハウジング
12の上壁12bにおいての該ギヤ支持孔と対向する位
置には、ギヤ支持孔(図示せず)が形成されている。こ
の両ギヤ支持孔には、調整用スクリュー79の両端の軸
部が回転自在に嵌合されている。ブラケット78には、
第2レベル調整用モータ75が固定されている。この第
2レベル調整用モータ75の回転軸に固定したピニオン
76は、調整用スクリュー79の下端部に固定した伝達
ギヤ77と噛み合っている。調整用スクリュー79には
また、この調整用スクリュー79とで送りねじ機構を構
成する調整用ナット80が螺合されている。この調整用
ナット80の外周には、外方に突出させた作動ピン81
が固定され、この作動ピン81は、ローラ41にその上
方から当接している。調整用ナット80はまた、図示し
ない支持機構によって、ハウジング12に対する相対回
転を規制されている。
【0024】またハウジング12は、その内壁に、互い
に直交する駆動用アーム37と39とでなす角を二等分
する方向に設けた支持突起51を有している。この支持
突起51と中空部材20との間には、引張りばね52が
張設されている。中空部材20は、この引張りばね52
により、それぞれ同等の力で上方に向けて付勢されたロ
ーラ40、41を、作動ピン47、81にその下方から
弾接させている。つまり、中空部材20はその下部を、
膨出部21が摺動孔19aによって支持された状態で支
持突起51に向けて付勢されるため、マイクロコンピュ
ータ(以後マイコンと称する)82の信号に基づき回転
駆動する第1、第2レベル調整用モータ44、75によ
って昇降される作動ピン47、81により、水平方向に
おける回動位置を調整可能とされる。また中空部材20
はその下部に、アーム37、39とそれぞれ反対方向に
突出させたブラケット70、71を有している。この両
ブラケット70、71には、それぞれレベル検知センサ
72、73が取付けられており、該レベル検知センサ7
2、73による検知信号はマイコン82に送られる。ま
た該マイコン82には、レーザ測量装置11内の温度を
検出するサーミスタ等の温度検出手段90が接続されて
いる。
【0025】他方、中空部材20の下部には、外方に向
けて突出させたブラケット53が設けられている。この
ブラケット53の上部には、該ブラケット53と対向す
るブラケット55が形成されている。これらのブラケッ
ト53、55には、それぞれに対向するギヤ支持孔53
a、55aが形成されている。両ギヤ支持孔53a、5
5aには、ビーム径調整スクリュー56の両端の軸部が
回転自在に嵌合されている。ブラケット53には、ビー
ム径調整モータ59が固定されている。該ビーム径調整
モータ59の回転軸に固定したピニオン60は、ビーム
径調整スクリュー56の下端部に固定した伝達ギヤ61
と噛み合っている。ビーム径調整スクリュー56には、
このビーム径調整スクリュー56とで送りねじ機構を構
成するビーム径調整ナット57が螺合されている。中空
部材20の摺動部材30と対応する壁部には、挿入窓6
3が形成されている。上記ビーム径調整ナット57に
は、この挿入窓63から挿入した一端部を摺動部材30
の下端部に固定した伝達リンク62の他端部が固定され
ている。
【0026】よって、ビーム径調整モータ59をマイコ
ン82の信号に基づき駆動することにより、ピニオン6
0、伝達ギヤ61、ビーム径調整スクリュー56を介し
てビーム径調整ナット57を昇降させ、リンク62と摺
動円筒部材30を介して前群レンズ31を後群レンズ3
2に対して相対移動させ、平行光束であるレーザ光束L
1 のビーム径を調整して、回転投光部15から投光され
るレーザ光束L3 のビームウエスト位置を変更させるこ
とができる。
【0027】他方、中空部材20の最上部には、外方に
向けて突出させたブラケット65が設けられている。こ
のブラケット65には、回転用モータ66が固定されて
おり、このモータ66の回転軸に取付けたピニオン67
は、回転投光部15の外周に固定された伝達ギヤ69と
噛み合っている。従って、マイコン82の信号に基づき
回転用モータ66を回転駆動することにより、ピニオン
67、伝達ギヤ69を介して回転投光部15を中空部材
20に対し相対回転させることができる。
【0028】中空部材20の最上部のブラケット65と
反対側には、回転検知センサ83が上方に向けて設けら
れている。この回転検知センサ83は、上方即ち伝達ギ
ヤ69に向けて光束を照射し、この伝達ギヤ69の裏面
に設けた所定のパターン(図示せず)で反射した光束
を、受光した後信号としてマイコン82に送る。このマ
イコン82は、入力した該受光信号に基づいて、回転投
光部15の回転角を演算する。
【0029】レーザ光断面形状変換光学系18は、例え
ば図4に示すように、レーザダイオード23からのレー
ザ光束の光軸上に前後して並べられたアナモフィックプ
リズム25、26を有している。該アナモフィックプリ
ズム25、26はそれぞれ、頂角がα1 、α2 で、レー
ザ光束を曲げる方向が互いに逆となるように配置されて
いて、入射レーザ光束と投射レーザ光束とを互いに平行
にすることができる。アナモフィックプリズム25とレ
ーザダイオード23との間に位置するコリメータレンズ
24は、十分に大きな開口数(NA)を持ち、アナモフ
ィックプリズム25に対し所定の入射角iを持つように
配置されている。
【0030】レーザダイオード23から射出される進行
方向に垂直な断面で楕円状の光強度分布を持つレーザ光
束は、コリメータレンズ24によって、紙面内では短軸
(短径)Da、紙面に垂直な面内では長軸(長径)Db
の楕円状の断面を持つ平行光に変換される。紙面内にお
いて、このようなレーザ光束(図5参照)は、アナモフ
ィックプリズム25に対して入射角iで入射するとき短
軸Daが伸ばされてDb′、さらにアナモフィックプリ
ズム26において長軸Db側の径と同寸法となって、射
出面26aに対して垂直に射出される。従って、このと
きの投射レーザ光束は、図6に示すように、長軸Dbと
同寸法の直径を持つ円形形状の光束となる。
【0031】次に、本発明の特徴である、温度変化に応
じてビームウエスト位置を変化させるビームエキスパン
ダBの制御に関して説明する。
【0032】図7において、ビームエキスパンダBは、
入射光束径Diを適当な大きさの射出光束径Doとして
投射するために、焦点距離f1 (f1 <0)を有する前
群レンズ31と、焦点距離f2 (0<f2 )を有する後
群レンズ32から構成されている。このビームエキスパ
ンダBは、温度変化等により変化するビームウエスト位
置を補正すべく、初期設定された互いのレンズ間隔dを
変えてビームウエスト位置を可変とする構成となってい
る。
【0033】レンズ間隔dと、焦点距離f1 、f2 との
間には、d=(f1 +f2 +ΔL)で示す関係が成り立
つ(ΔLは、“d=(f1 +f2 +ΔL)”がビームウ
エスト位置を所定の位置にするためのdの初期値であ
り、即ちδが初期値からどの程度移動されたかを示
す)。そしてレーザ測量装置11からの投射ビームがガ
ウスビームである場合、ビームウエスト位置は、後群レ
ンズ32からXs離れたE点にあり、このときのビーム
ウエスト径はWxである。これらの関係を定義すると、
次式のようになる。すなわち、 Wx= m×Di/{ 1+( m4 ×α2 / f2 4) ×ΔL21/2 …(1) Xs=f2+〔( m×α)2/{( f2/m )2+(m×α/f2)2×ΔL2}〕×ΔL …(2) 但し、 λ:入射光の波長、 α:π×Di2 /4λ、 m:|f2/f1|、 である。このとき、レーザビーム投射口での波面の曲率
半径Rは、 R =Xs×{ 1 +( π×Wx2 / 4λ× Xs)2 } …(3) なる式で定義できる。
【0034】ここで、一方のレンズ(図7では前群レン
ズ31)を、初期設定間隔dからδだけ移動させたとす
ると、ビームウエスト位置は、E点から、後群レンズ3
2からXs′離れたF点に変化し、ビームウエスト径は
Wx′となる。ビームウエスト位置Xs′、Wx′は、
上記式(1)、(2) において、“ΔL”の代わりに“ΔL+
δ”を代入すれば求まる。このとき、前群レンズ31の
移動により変化した波面の曲率半径R′は、“Xs”、
“Wx”の代わりに“Xs′”、“Wx′”を(3) 式に
代入すれば求まる。
【0035】以上述べたことは即ち、次のように換言す
ることができる。つまり、ビームエキスパンダBの一方
のレンズをδだけ動かすことにより、波面の曲率半径を
“R”から“R′”に変化させ、その結果、ビームウエ
スト位置を“Xs”から“Xs′”に、及びビーム径を
“Wx”から“Wx′”に変化させる(調整する)こと
ができる。
【0036】一方、ここで、外乱の1つである、温度変
化量Δtが生じたときのビームウエスト位置及びビーム
ウエスト径の変化について、図8により説明する。
【0037】レーザ測量装置11は、レーザダイオード
23からの光束を、焦点距離fcのコリメートレンズ2
4により入射光束径Diの略平行な光ビームとして、ビ
ームエキスパンダBの前群レンズ31(焦点距離f1
に入射する。そして、この入射光束径Diを拡大した
後、後群レンズ32(焦点距離f2 )から投射する構成
となっている。上述のように、ビームエキスパンダBの
両レンズ群31、32間の間隔をdとして初期設定した
場合には、ビームウエスト位置は“Xs”となり、ビー
ムウエスト径は“Wx”となり、そのとき後群レンズ3
2から投射される光ビーム(レーザ光束)の波面の曲率
半径は“R”となる。
【0038】この状態において温度変化が生じると、レ
ンズ群を保持している鏡枠の伸縮、レンズ群の屈折率の
変化等によって、投射ビームのビームウエスト位置が変
化する。特に、レーザダイオード23とコリメートレン
ズ24を保持している鏡枠230の伸縮による両者の間
隔pの変化に伴う影響は大きく、このことが、温度変化
によって生じるビームウエスト位置変化の主要因となっ
ている。即ち、温度変化によって間隔pが変化すると、
コリメートレンズ24を射出した光ビームの波面の曲率
半径が変化し、その結果、ビームエキスパンダBの後群
レンズ32から射出される投射ビームの波面の曲率半径
Rも変化し、それに伴ってビームウエスト位置Xs及び
ビームウエスト径Wxが変化するのである(それらの例
は図13、図14で説明済)。
【0039】さてここで、上述したビームエキスパンダ
Bの一方のレンズ(図8では前群レンズ31)を所定量
移動させて、温度変化に伴うビームウエスト位置の変化
を相殺すれば、温度変化が生じても、ビームウエスト位
置Xs及びビームウエスト径Wxを変化させることな
く、安定した精度でレーザ光束を投射することができ
る。即ち、予め、温度変化に対するビームウエスト位置
の変化と、ビームエキスパンダBの一方のレンズの移動
量に対するビームウエスト位置の変化を対応させたデー
タを設けておけば、このデータに基づき、温度変化によ
る影響を容易に除去することができる。
【0040】これを実現させる具体例を挙げる。その第
1の例として、図8において、コリメートレンズ24の
焦点距離fcを6(mm)、コリメートレンズ24射出後
の光束径Diをφ6(mm)、ビームエキスパンダBの前
群レンズ31の焦点距離f1を−78.7(mm)、後群レン
ズ32の焦点距離f2 を 104.9(mm)、倍率m(|f2
f1|)を1.33、後群レンズ32からの射出光束の径Do
をφ8(mm) と設定し、さらに、両レンズ群31、32間
の初期設定間隔dを26.34(mm) 、前群レンズ31のΔL
を略0.14(mm)、波面の曲率半径Rを78(m) 、ビームウエ
スト位置Xsを39.6(m) 、及びビームウエスト径Wxを
φ5.7(mm) と設定したものを考える。
【0041】また第2の例として、上記第1の例におい
て焦点距離f1 を−43.2(mm)とし、焦点距離f2 を90.8
(mm)とし、倍率mを2.08とし、射出光束径Doをφ1
2.5(mm)とし、初期設定間隔dを47.64(m
m) とし、ΔLを略0.04(mm)とし、曲率半径Rを190
(m)とし、ビームウエスト位置Xsを96.6(m) とし、ビ
ームウエスト径Wxをφ8.8(mm) として設定したものを
考える。
【0042】図14は既に説明したように、倍率m=1.
33(射出径Do:φ8(mm) )の上記第1例の構成を用
い、レーザ測量装置11内の温度が20゜C のときを初期
設定(ビームウエスト位置Xs ≒39.578(m) )として、
温度が50゜C または−20゜C に変化したときの各々の投
射距離におけるビーム径を示している。同図において各
ビームウエスト位置は、それぞれの温度下で29.646(m)
及び−38.203(m) ( (−) は光の進行方向と逆向きを意
味する)となっている。
【0043】同様に、図13には、倍率m=2.08(射出
径Do:φ12.5(mm))の上記第2例の構成を用い、レー
ザ測量装置11内の温度が20゜C のときを初期設定(ビ
ームウエスト位置Xs=96.605(m) )として、温度が50
゜C または−20゜C に変化したときの各々のビームウエ
スト位置におけるビーム径を示している。同図において
各ビームウエスト位置は、それぞれの温度下で63.944
(m) 及び−94.255(m) となっている。
【0044】次に、図9と図10は、前群レンズ31及
び後群レンズ32の間隔を所定値に設定したときに、レ
ンズの移動量δを0(mm)とし、この移動量δをある値に
特定したとき、基準となる移動量0.00(mm)に対してビー
ム径が各々の投射距離でどのように変化するかを示した
ものである。横軸は、ビームの投射距離を示し、縦軸は
各投射距離におけるビーム径の大きさを示す。
【0045】図9は、ビーム拡大率1.33倍のビームエキ
スパンダBを用い、移動量δをそれぞれ-0.05(mm) 、+
0.05(mm) に変化させた場合における( (+) はレンズ
を遠ざける方向を意味する)、基準移動量による変化曲
線(カ) に対する変化の様子を示す。同図に示されるよう
に、各移動量δにおけるビーム径はいずれも、ビームウ
エスト位置が25〜50(m) の範囲内に集中している。移動
量δを0.05(mm)に変えると(変化曲線(ク) 参照)、ビー
ムウエスト位置は、基準時に比して射出側に近付き、遠
距離でのビーム径は変化曲線(カ) のそれを越える。また
移動量δを-0.05(mm) に変えると(変化曲線(キ) 参
照)、ビームウエスト位置は変化曲線(ク) 以上に射出側
に近付き、遠距離でのビーム径は変化曲線(カ) のそれを
下回る。
【0046】図10は、ビーム拡大率2.08倍のビームエ
キスパンダBを用い、移動量δを図9と同様に特定した
ときの変化の様子を示している。図10に示されるよう
に、移動量δを0.05(mm)に変えると(変化曲線(ス) 参
照)、ビームウエスト位置は、基準時に比して射出側に
近付き、遠距離でのビーム径は変化曲線(サ) のそれを越
える。また移動量δを-0.05(mm) に変えると(変化曲線
(シ) 参照)、ビームウエスト位置は、変化曲線(ス) 以上
に射出側に近付き、ビーム径は、略全距離に亘って変化
曲線(サ) のそれを上回る。
【0047】よって、前群レンズ31を後群レンズ32
に対して移動させて、移動量δを0.00(mm)から-0.05(m
m) に或は0.05(mm)に切替えれば、ビーム径の変化曲線
を(カ)、(サ) から(キ)、(シ) に、或は(キ)、(シ) から(ク)、(ス)
に変化させることができる。つまり、移動量δを種々変
えたときのビームウエスト位置の値をテーブルデータと
してマイコン82に記憶しておき、このテーブルデータ
に基づき、温度変化によるビームウエスト位置の変化を
補正するように前群レンズ31を適宜移動させれば、ビ
ームウエスト位置を温度変化に拘わらず所望の位置に保
持することができる。
【0048】次に、温度検出手段90による温度検出信
号を入力したマイコン82により、前群レンズ31をど
のように駆動し、ビームウエスト位置をどのように制御
するかについて説明する。
【0049】マイコン82の図示しない記憶部に、温度
検出手段90による検出温度と、温度変化によって変化
するビームウエスト位置を補正すべき前群レンズ31の
移動量δとの関係を設定したテーブルデータを記憶して
おく。このテーブルデータには、基準温度20゜C での所
定のビームウエスト位置を満足させる前群レンズ31の
位置を移動量0とするときに各検出温度に応じてビーム
ウエスト位置を略一定位置に補正するのに必要な移動量
δと、各検出温度との関係が、1.33倍と2.08倍のビーム
エキスパンダ毎に表1のように設定されている。
【0050】
【表1】 50゜C 20゜C 0゜C -20゜C 1.33倍 δ(mm) -0.020 0.000 0.023 0.046 2.08倍 δ(mm) -0.022 0.000 0.016 0.035
【0051】したがって、マイコン82が、温度検出手
段90からの温度検出信号に基づき、検出温度に対応さ
せた移動量δだけ前群レンズ31を後群レンズ32に対
して移動させるべく、ビーム径調整モータ59に駆動信
号を出力すると、このモータ59の回転駆動により、温
度変化に伴ってずれたビームウエスト位置が移動され
て、所定位置に補正される。このように、温度変化に伴
い変化する投射レーザ光束L3 及びL4 のビームウエス
ト位置をマイコン82によって制御することにより、ビ
ーム径をできる限り変化させない、安定性がありかつ精
度の高いレーザ測量装置11を提供することができる。
【0052】上記構成を有する本レーザ測量装置11
は、次のように作動する。先ず、図1のように、レーザ
測量装置11を所望の位置に配置する。この状態におい
て、図示しないメインスイッチをオンすると、マイコン
82の信号に基づき、レーザダイオード23が発振を開
始させ、レーザ光束を照射する。このレーザ光束は、コ
リメータレンズ24によって楕円状の平行光束に変換さ
れた後アナモフィックプリズム25に入射され、このア
ナモフィックプリズム25と26によってその短軸径D
a(図5参照)を伸ばされて、図6に示すような径がD
bの円形状の光束に変換される。さらにこの円形状の光
束は、偏光ビームスプリッタ27によって上方に向かう
光束L1 と下方に向かう光束L2 とに分割される(図2
参照)。
【0053】この際、図2において、偏光ビームスプリ
ッタ27に対して入射するレーザ光束L0 が、偏光分離
面27aの法線nとレーザ光束L0 とを含む入射面に対
して垂直な振動方向を有する、S偏光成分を持ちかつP
偏光成分を持たない直線偏光である場合、このレーザ光
束L0 は、偏光分離面27aで全て反射されて90゜偏
向され、同図上方に向かう。このとき、1/4λ板28
は、その軸方位が入射光の振動方向に対して45゜とな
るように偏光ビームスプリッタ27に貼付けられている
ため、レーザ光束L0 は1/4λ板28を透過すると、
円偏光のレーザ光束L1 となってペンタプリズム35に
向かう。また半透膜28aで反射して偏光分離面27a
に戻されるレーザ光束L1 は、1/4λ板28を再び透
過することにより、入射時とは直交した振動方向を有す
る直線偏光に変換される。すなわち、S偏光成分の直線
偏光がP偏光成分の直線偏光に変換される。よって、こ
のP偏光成分の直線偏光であるレーザ光束は、レーザ光
束L2 として、偏光分離面27aで反射することなくこ
の面27aを透過して同図下方に向かい、さらにウェッ
ジプリズム29a、29bを透過した後、レーザ測量装
置11の下部外方に射出される。
【0054】他方、上方に向かう上記レーザ光束L1
は、前群レンズ31と後群レンズ32を透過し、ペンタ
プリズム35の入射面35cを透過後、第1、第2の反
射面35a、35bで順に反射されて進路を90゜偏向
され、レーザ光束L3 としてレーザ光束L1 と垂直な方
向、つまり水平方向に向けて光射出面35dから投光さ
れる。またレーザ光束L1 のうち、第1の反射面35a
で所定の割合で反射したもの以外は、ペンタプリズム3
5の該第1の反射面35aの上面部に貼着された楔型プ
リズム34とでなすハーフミラー面を透過して上方に向
けて射出される。このようにして、レーザダイオード2
3から射出されたレーザ光束L0 は、図2の上下方向に
それぞれ投光されるレーザ光束L1 、L4 、L2 、及び
これらのレーザ光束L1 、L4 、L2 と直交する方向
(水平)に向けて投光されるレーザ光束L3 とに分割さ
れる。
【0055】またレーザ測量装置11は、回転用モータ
66が、メインスイッチのオンによって電力を供給され
ることにより所定速度で回転されると、該モータ66の
回転をピニオン67と伝達ギヤ69を介して回転投光部
15に伝え、これにより該回転投光部15を中空部材2
1に対して相対回転させる。よってレーザ測量装置11
は、後群レンズ32から照射されているレーザ光束L1
をペンタプリズム35によって90゜偏向させ、回転投
光部15を回転させながらレーザ光束L3 を水平方向に
射出し続けることができる。これにより、レーザ測量装
置11からは、断面円形状のレーザ光束L3 が一定のレ
ベルを維持して射出され続け、水平プレーン(水平基準
面)が形成される。
【0056】この場合、レーザ測量装置11内の温度変
化に伴い、投射レーザ光束L3 のビームウエスト位置が
所定の位置からずれようとしても、マイコン82が、温
度検出手段90からの温度検出信号に基づき、その検出
温度に対応させた移動量δだけ、前群レンズ31を後群
レンズ32に対して移動させるから、ビームウエスト位
置は所定位置に保持される。
【0057】またレーザ測量装置11の傾斜角を調整す
る場合には、図示しないスイッチを操作して、第1、第
2調整用モータ44、75を回転駆動する。例えば、第
1調整用モータ44を駆動する場合、その回転はピニオ
ン49、伝達ギヤ50を介して調整用スクリュー45に
伝達され、この調整用スクリュー45の回転によって調
整用ナット46が昇降する。その際、この調整用ナット
46の突起47には、引張りばね52によって所定の方
向に付勢されたローラ40が弾接されているため、この
ローラ40を介して中空部材20を膨出部21の球心を
中心として回動させることができる。また第2調整用モ
ータ75を駆動する場合、その回転はピニオン76、伝
達ギヤ77を介して調整用スクリュー79に伝達され、
この調整用スクリュー79の回転によって調整用ナット
80が昇降する。その際、この調整用ナット80の突起
81には、引張りばね52によって所定の方向に付勢さ
れたローラ41が弾接されているため、中空部材20を
このローラ41を介して、膨出部21の球心を中心とし
て回動させることができる。中空部材20は、これらの
回動調整によって、レーザ光束照射時の水平方向位置が
決定される。
【0058】照射されるレーザ光束の壁や柱等の照射対
象物に対して集光点を合わせる場合には、図示しないス
イッチの操作によってビーム径調整モータ59を回転駆
動する。この回転はピニオン60、伝達ギヤ61を介し
てビーム径調整スクリュー56に伝達される。すると、
ビーム径調整スクリュー56の回転によりビーム径調整
ナット57が昇降されるため、このビーム径調整ナット
57に固定されたリンク62を介して摺動円筒部材30
にこの昇降動が伝達される。そして、壁や柱等の照射対
象物に投影したレーザ光束のスポットを観察しながら、
集光点の位置を調整する。
【0059】また、本発明による別の実施例を、図11
と図12を基に説明する。両図はいずれも、マイコン8
2の制御時における、基準温度 ( +20゜C)から温度が変
化した場合のビームウエスト位置の変化量を補正すべ
く、前群レンズ31の移動量δと、温度検出手段90に
よって検出された温度Tとの関係を示している。図11
は、ビームエキスパンダBにビーム拡大率1.33倍のもの
を用いた場合であり、図12は、ビーム拡大率2.08倍の
ものを用いた場合である。両図において、移動量δと温
度Tとはリニアな関係にあり、1次関数で近似できる。
すなわち、両者の関係は、次式(4) のように定義するこ
とができる。 δ=aT+b ………(4) よって、1次関数である式における傾きa及び切片b
の値を、マイコン82の記憶部に記憶しておけば、この
記憶データと検出温度とから前群レンズ31の移動量δ
を求めることができる。
【0060】したがって、レーザ測量装置11内の温度
変化に伴い、投射レーザ光束L3 のビームウエスト位置
が所定の位置からずれようとしても、マイコン82が、
温度検出手段90からの温度検出信号と記憶部のデータ
とに基づき、検出温度に対応する移動量δを演算し、こ
の移動量δだけ前群レンズ31を後群レンズ32に対し
て移動させるため、ビームウエスト位置は所定位置に保
持される。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、温度変化
に伴って変化する投射光束のビームウエスト位置を制御
して、ビーム径の変化が少なく、安定性があって精度の
高いビーム投射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ測量装置の全体を示す断面
図である。
【図2】同レーザ測量装置の投光光学系等を拡大して示
す側面図である
【図3】同レーザ測量装置の要部を拡大して示す平面図
である
【図4】同レーザ測量装置のレーザダイオードとコリメ
ータレンズとレーザ光束断面形状変換光学系を示す側面
図である。
【図5】同レーザ測量装置のレーザダイオードから射出
された断面楕円状のレーザ光束を示す図である。
【図6】同レーザ測量装置のレーザ光束断面形状変換光
学系によって断面形状を円形に変換されたレーザ光束を
示す図である。
【図7】同レーザ測量装置のビームエキスパンダによる
ビームウエスト位置の補正を説明するための図である。
【図8】同レーザ測量装置のビームエキスパンダによる
ビームウエスト位置の補正を説明するための図である。
【図9】前群レンズの移動量をある値に特定したとき投
射距離によってビーム径がどのように変化するかを示
す、本発明の実施例に係る図である。
【図10】前群レンズの移動量をある値に特定したとき
投射距離によってビーム径がどのように変化するかを示
す、本発明の実施例に係る図である。
【図11】ビーム拡大率1.33倍のビームエキスパンダを
用いたときの移動量と温度との相関関係を示す、本発明
の別の実施例に係る図である。
【図12】ビーム拡大率2.08倍のビームエキスパンダを
用いたときの移動量と温度との相関関係を示す、本発明
の別の実施例に係る図である。
【図13】温度変化時の投射距離とビーム径の変化との
相関関係を示す図である。
【図14】温度変化時の投射距離とビーム径の変化との
相関関係を示す図である。
【符号の説明】
11 レーザ測量装置(ビーム投射装置) 15 回転投光部(投光部) 23 レーザダイオード(光源) 30 摺動円筒部材 31 前群レンズ(可動レンズ群) 32 後群レンズ(固定レンズ群) 82 マイコン(記憶手段、制御手段) 90 温度検出手段 a 回転軸 B ビームエキスパンダ(ビームウエスト位置変更光学
系)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また投光装置13は、図1の上下方向に沿
う中空部を有する中空部材20と、この中空部材20の
上方に、ベアリング10を介して回転自在に支持された
上記回転投光部15とを有している。中空部材20が有
する膨出部21は、摺動孔19aにその球面部を当接さ
せた状態で、回転投光部15(投光装置13)を回転軸
a回りの全ての方向に傾け、投光レーザ光束L3 によっ
て形成される基準平面を水平面に対して自由に調整でき
るように支持されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】投光光学系22は、図2、図4に示すよう
に、アナモフィックプリズム26から射出されるレーザ
光束を受ける偏光ビームスプリッタ27を有している。
この偏光ビームスプリッタ27は、偏光分離面(偏光分
割面)27aを有し、その上部に1/4λ板28が貼着
されている。この1/4λ板28は、入射光の偏光方向
に対して該1/4λ板28の軸方位が45゜方向に向く
ように貼着されている。さらに、1/4λ板28の上面
には、レーザ光束を所定の割合でペンタプリズム35に
向けて透過し、かつ残りのレーザ光束を偏光ビームスプ
リッタ27の偏光分離面27aに向けて反射する、反射
率10〜20%程度の半透膜28aを有している。ここ
で、偏光ビームスプリッタ27と半透膜28aとの間に
設けられた上記1/4λ板28は、この偏光ビームスプ
リッタ27で反射し、ペンタプリズム35に向けて透過
する直線偏光のレーザ光束を、円偏光に変換した後、半
透膜28aにより大部分の光は円偏光のままペンタプリ
ズム35に向けて透過させる。残りの光は半透膜28a
で反射され、さらに1/4λ板28を再び透過すること
により、入射時とは逆方向の直線偏光となる。このた
め、偏光ビームスプリッタ27の偏光分離面27aに向
かった光は、この偏光分離面27aで反射されることな
く、即ちレーザ光束源であるレーザダイオード23に戻
ることなく、偏光分離面27aを全て透過する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、回転軸を中心に回転可能な投光
    部とを備え、 この投光部を回転させ、上記光源からの光束を回転軸と
    略直交する方向に回転投射して、基準平面を形成するビ
    ーム投射装置において、 上記光源から投光部に至る光路に設けられた、この投光
    部から投射される光ビームのビームウエスト位置を変化
    させるビームウエスト位置変更光学系;上記ビーム投射
    装置内の温度を検出する温度検出手段;上記ビーム投射
    装置内の温度変化と、上記投光部から投射される光ビー
    ムのビームウエスト位置との変化の関係を記憶した記憶
    手段;及び、 上記温度検出手段による検出温度、及び上記記憶手段に
    記憶された温度とビームウエスト位置とのデータに基づ
    き、上記ビームウエスト位置変更光学系によりビームウ
    エスト位置を変化させる制御手段;を備えたことを特徴
    とするビーム投射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ビームウエスト位置
    変更光学系は、光源から投光部に至る光路に固定された
    固定レンズ群と、該光路内をこの固定レンズ群に対して
    進退可能な可動レンズ群からなるビームエキスパンダで
    あるビーム投射装置。
  3. 【請求項3】 光源と、回転軸を中心に回転可能な投光
    部とを備え、 この投光部を回転させ、上記光源からの光束を回転軸と
    略直交する方向に回転投射して、基準平面を形成するビ
    ーム投射装置において、 上記光源から投光部に至る光路に設けられた、この投光
    部から投射される光ビームのビームウエスト位置を変化
    させる、少なくとも一対のレンズ群を有するビームウエ
    スト位置変更光学系;上記ビーム投射装置内の温度を検
    出する温度検出手段;上記ビーム投射装置内の温度変化
    と、上記一対のレンズ群の一方に対する他方の移動量と
    の変化の関係を記憶した記憶手段;及び、 上記温度検出手段による検出温度、及び上記記憶手段に
    記憶された温度とレンズ移動量とのデータに基づき、上
    記ビームウエスト位置変更光学系によりビームウエスト
    位置を変化させる制御手段;を備えたことを特徴とする
    ビーム投射装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または3において、制御手段
    は、ビームウエスト位置を、温度変化に拘わらず一定の
    位置に保持するようにビームウエスト位置変更光学系を
    制御するビーム投射装置。
JP4745095A 1994-11-25 1995-03-07 ビーム投射装置 Withdrawn JPH08247762A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4745095A JPH08247762A (ja) 1995-03-07 1995-03-07 ビーム投射装置
US08/562,827 US5991102A (en) 1994-11-25 1995-11-27 Beam protecting device
US09/207,508 US5978148A (en) 1994-11-25 1998-12-09 Beam projecting device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4745095A JPH08247762A (ja) 1995-03-07 1995-03-07 ビーム投射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08247762A true JPH08247762A (ja) 1996-09-27

Family

ID=12775500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4745095A Withdrawn JPH08247762A (ja) 1994-11-25 1995-03-07 ビーム投射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08247762A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108474655A (zh) * 2015-12-15 2018-08-31 天宝公司 具有补偿温度变化的光学平台的测量仪器
JP2019523403A (ja) * 2016-07-29 2019-08-22 シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド 回折格子測定装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108474655A (zh) * 2015-12-15 2018-08-31 天宝公司 具有补偿温度变化的光学平台的测量仪器
CN108474655B (zh) * 2015-12-15 2020-08-28 天宝公司 具有补偿温度变化的光学平台的测量仪器
US11300409B2 (en) 2015-12-15 2022-04-12 Trimble Ab Surveying instrument with optical stage compensating for temperature variations
JP2019523403A (ja) * 2016-07-29 2019-08-22 シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド 回折格子測定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5825555A (en) Beam projecting apparatus
US5978148A (en) Beam projecting device
JP4819403B2 (ja) 距離測定装置
US3856409A (en) Laser alignment device
CN109219496B (zh) 激光加工时工艺监控的具有光学距离测量装置和棱镜偏转单元的装置及具有其的激光加工头
US3797908A (en) Optical arrangements and apparatus
US7330278B2 (en) Optical displacement measurement device
JP2002286450A (ja) レーザ照準装置
JPH1038571A (ja) 回転レーザ装置
JP3445491B2 (ja) 測量機
US5410398A (en) Automatic boresight compensation device
JPH083576B2 (ja) 光学式結像装置及びマスクパタ−ン結像装置
US6782015B1 (en) Laser survey instrument
JPH08247762A (ja) ビーム投射装置
EP0895057B1 (en) Optical axis tilt compensator
JP2003057032A (ja) 測量機の光軸自動調整装置
JP3120885B2 (ja) 鏡面の測定装置
JPH08159768A (ja) レーザ測量装置
JP3482011B2 (ja) レーザ測量装置
JPH0886650A (ja) レーザ測量装置
JPH08193832A (ja) ビーム投射装置
JPH08128826A (ja) レーザ測量装置
JPH08145676A (ja) 基準平面形成用レーザ投光装置
JPH0430492Y2 (ja)
US3552866A (en) Automatic leveling telescope including a reversible two-sided pendulum mirror

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20031208

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040106

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20040220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761