JPH082476B2 - 鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型の製造方法

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JPH082476B2
JPH082476B2 JP29544787A JP29544787A JPH082476B2 JP H082476 B2 JPH082476 B2 JP H082476B2 JP 29544787 A JP29544787 A JP 29544787A JP 29544787 A JP29544787 A JP 29544787A JP H082476 B2 JPH082476 B2 JP H082476B2
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通 出川
勤也 鎌田
保夫 米田
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鋳型の製造方法に係り、特に高融点、高活性
金属の鋳造に好適な、内面が電融カルシア(CaO)より
なる鋳型を製造する方法に関する。
[従来の技術] CaO質耐火物は熱力学的に高温でも安定であると共
に、特有の精錬作用を有することから、Ti,Zr等の高活
性金属、あるいはCr,V等の高融点金属の鋳造用鋳型材と
して有効であることが知られている。
例えば、「歯科材料・器械」Vol.6,No.4,437-440(19
87)には「カルシア系鋳型材を用いたチタン鋳造に関す
る研究」と題して、電融カルシア−メタノール系鋳型材
による純チタンの鋳造例が報告されている。また、特開
昭58-132345には、Ti族金属又はその合金用鋳型とし
て、鋳型側壁内面が石灰質耐火材で内張りされたものが
提案されている。
更に、本出願人より、CaO質耐火材で構成された鋳型
について、多数提案がなされている(特願昭61-7659,
同61-7661,同61-7662,同61-7663,同61-7664等)。
これら従来技術においては、全て電融カルシアよりな
る鋳型や、各種特性改善のために、鋳型組成、材質や用
いるバインダあるいはプレス法等の製造法についての検
討がなされてきた。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、従来提案がなされているCaO質鋳型
は、耐水和性が低く、保存安定性が悪い、強度が十分で
ない、等の問題点を有していた。また、複雑な形状のも
のを高精度にかつ効率的に製造することが難しく、鋳型
形状に制限があるなどの問題もあった。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記従来の問題点を解決し、高活性、高融点
金属の鋳造にも好適な鋳型であって、耐水和性、強度等
に優れた鋳型を、低コストで、かつ高率的に、精密に製
造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は、 ろう模型に電融CaO粉末をコーティングした後、生石
灰でバックアップした後脱ろうすることを特徴とする鋳
型の製造方法(以下、「第1の発明」という。)、 ろう模型に電融CaO粉末をコーティングした後、生石
灰でバックアップし、次いで、MgOを10〜70重量%含有
するCaO-MgO質耐火材で最外層を形成した後脱ろうする
ことを特徴とする鋳型の製造方法(以下、「第2の発
明」という。)、 ろう模型に電融CaO粉末をコーティングした後、これ
を型枠内に入れ、該型枠内にMgOを10〜70重量%含有す
るCaO-MgO質耐火材のスラリーを流し込み成型後脱ろう
することを特徴とする鋳型の製造方法(以下、「第3の
発明」という。)、 及び ろう模型以外の模型に電融CaO粉末をコーティング
し、更にこの周囲にMgOを10〜70重量%含有するCaO-MgO
質耐火材を充填してプレスした後、前記模型を脱型する
ことを特徴とする鋳型の製造方法(以下、「第4の発
明」という。)、 を要旨とするものである。
[作用] 本発明の方法によれば、模型の形状を選定することに
より、複雑異形状の鋳型であっても高精度に製造するこ
とができ、工業的大量生産も可能である。
製造された鋳型は、鋳型内壁面が電融CaOよりなるた
め、極めて耐熱安定性が高く、高活性、高融点金属の鋳
造にも有効である。また、この電融CaO層を生石灰又はC
aO-MgO質耐火材でバックアップしているため、耐水和
性、強度が改善される上に、コストダウンも図れる。更
に、バックアップ材の補強効果により、大型化も可能と
される。
[実施例] 以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明
する。
第1図〜第3図はそれぞれ本発明の第1及び第2の発
明、第3の発明並びに第4の発明の実施方法を説明す
る。
まず、第1図を参照して、本発明の第1及び第2の発
明の実施例について説明する。
第1図の発明においては、予め鋳造する製品形状に製
造したろう模型1を用い、この外表面に電融CaO粉末を
コーティングして電融CaO層2を形成する。
コーティングは、通常のシュルモールド法のコーティ
ングと同様に行なうことができ、ろう模型1を耐火性バ
インダとCaO微細粒子を混合したスラリー(泥漿)に浸
漬して、スラリーを付着させ(ディッピング)、次いで
このスラリーが乾燥する前に、この付着層面に電融CaO
粉末をまぶして(サンディング又はスタッコイング)乾
燥し、電融CaO層を形成する。このディッピング、サン
ディング及び乾燥操作は、必要に応じて1〜2回から5
〜10回繰り返して行ない、好ましくは厚み0.5〜4mmの電
融CaO層2を形成する。なお、乾燥はコーティング層に
割れ等が入るのを防ぐために、恒温恒湿の室内で行なう
のが好ましく、通常温度は常温、湿度は50〜60%程度と
する。また、乾燥と次のディッピングとの間は2〜4時
間おき、十分に乾燥してから次のコーティングに移るの
が好ましい。
このコーティングに用いる電融CaOは、純度98%以上
の高純度品とし、その粉末の平均粒径は40〜600μm程
度に粒度調整するのが好ましい。また、スラリー調整用
の耐火性バインダとしては、非水系バインダー等が好ま
しい。
次に、この電融CaO層2に生石灰のバックアップ層3
を形成し、第2の発明においては、更に、MgOを10〜70
重量%含有するCaO-MgO質耐火材層3の最外層を形成す
る。
即ち、まず、電融CaO層2を形成したろう模型12を、
型枠5の中に入れ、この型枠5内に生石灰粉末を流し込
み硬化させる(インベストメント)。この際、型枠5に
微小振動を加え、流し込み終了後は真空ポンプで型枠内
の気泡を除去する。
生石灰は粉末としては、SiO2、Fe2O3、Al2O3、TiO2
を多く、例えば0.5〜2重量%含む、比較的純度の低い
通常の生石灰の硬焼粉末を用いることができる。
一方、CaO-MgO質耐火材粉末の平均粒径は500〜2000μ
m程度とするのが好ましく、生石灰のバックアップ層3
及びCaO-MgO質耐火材層4の厚さは各々1〜5mm程度とす
るのが好ましく、適宜型枠の大きさを選定する。
なお、このCaO-MgO質耐火材層4は特に形成しなくて
も良く、第1の発明においては、これを省略する。
CaO-MgO質耐火材層4を形成する場合、そのMgO含有率
が10重量%未満であるとMgOによる補強効果、耐水性改
善効果が十分に得られない場合がある。また、MgO含有
率が70重量%を超えると、MgOが多過ぎて、十分な耐熱
安定性が得られず、また、生石灰のバックアップ層3と
CaO-MgO質耐火材層4との熱膨張係数の差が大きくなる
などの不具合を生じる場合がある。好ましいMgO含有率
は15〜60重量%である。
このようにして生石灰のバックアップ層3及び第2の
発明においては更にCaO-MgO質耐火材層4を形成した
後、これを型枠5から取り出し、ろう模型1を加熱溶出
させて脱ろうする。その後、鋳型に付着残存する模型材
料を完全に燃焼させるためあるいは、鋳型に強度を与え
るために、鋳型10を焼成して製品とする。この場合焼成
は含有される有機性物質が消失する程度、例えば250〜4
50℃程度で60〜240分程度行なう。
このような本発明の第1及び第2の発明により得られ
る鋳型10は、内壁面が電融CaO層2であるため、高活
性、高融点金属に対して安定である。また、第2の発明
においては、その外側を生石灰及びCaO-MgO質耐火材で
バックアップしているため、極めて高強度で耐水性等に
も優れる上に、コストダウンが図れる。
次に、第2図を参照して本発明の第3の発明の実施例
について説明する。
第3の発明においては、第1の発明と同様にして電融
CaO層2を形成したろう模型1を、型枠5aに入れ、MgOを
10〜70重量%含有するCaO-MgO質耐火材のアルコールス
ラリーを流し込み、通常の泥漿鋳込み成型を行なって、
CaO-MgO質耐火材層4aを形成する。このCaO-MgO質耐火材
層4aの厚さは5〜50mm程度とするのが好ましい。
CaO-MgO質耐火材層4aが硬化、成型した後は、これを
型枠5aから取り出し、第1の発明と同様にして脱ろう
し、焼成する。
次に、第3図を参照して本発明の第4の発明の実施例
について説明する。
第4の発明においては、ろう模型を使用せず、型枠6
内の凸状模型7に、第1の発明と同様にしてコーティン
グを行ない電融CaO層2を形成する。更にこの型枠6内
にMgOを10〜70重量%含有するCaO-MgO耐火材を充填して
プレスし、CaO-MgO耐火材層4bを形成した後、模型7及
び型枠6から脱型し、得られた鋳型10bを必要に応じて
焼成して製品とする。
この場合、CaO-MgO耐火材の充填、プレスには、CaO-M
gO耐火材粉末と必要に応じて適当な耐火性バインダを用
い、100〜800kgf/cm2程度でプレス成型する。形成するC
aO-MgO耐火材層4bの厚さは5〜50mm程度であることが好
ましい。
このような本発明の第3,4の発明により得られる鋳型1
0a,10bも、第1及び第2の発明による鋳型10と同様に、
内壁内は電融CaO層2であるため、高活性、高融点金属
に対して安定である。また、その外側をCaO-MgO質耐火
材でバックアップしているため、極めて高強度で耐水性
等にも優れる上に、コストダウンが図れる。
以下、実験例について説明する。
実験例1 第1図に示す本発明の第2の発明の方法により下記仕
様の鋳型を製造し、この鋳型を用いて、Ar雰囲気下純Ti
溶湯の鋳造を行なった。
鋳型仕様 形状:内径20mm 深さ150mm 電融CaO層:CaO純度98重量% 厚さ2mm 生石灰層:厚さ15mm 生石灰組成(重量%) CaO :97.5 SiO2 :0.8 FeO3 :0.2 Al2O3 :0.5 MgO :1.0 焼成条件900℃,15hr CaO-MgO層:MgO含有率40重量% 厚さ25mm その結果、鋳型はTiにより侵食されることもなく、良
好な鋳造を行なうことができた。
実験例2 第2図に示す本発明の第3の発明の方法により下記仕
様の鋳型を製造し、この鋳型を用いて、Ar雰囲気下純Ti
溶湯の鋳造を行なった。
鋳型仕様 形状:内径20mm 深さ150mm 電融CaO層:CaO純度98重量% 厚さ2mm CaO-MgO層:MgO含有率40重量% 厚さ30mm その結果、鋳型はTiにより侵食されることもなく、良
好な鋳造を行なうことができた。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の方法によれば、高活性、
高融点金属の鋳造にも有効に使用することができ、耐水
和性に優れ、高強度で耐久性に優れた高特性の内面電融
カルシア鋳型を製造することができ、次のような優れた
効果が奏される。
工業的大量生産が可能である。
大型化が可能である。
複雑異形状のものも容易に製造することができる。
製造精度が極めて高い。このため精鋳品の鋳造に好
適である。
材料コスト、製造コストが低く、製品の低価格化が
可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は各々本発明の鋳型の製造方法の実施例
を示す断面図である。 1……ろう模型、2……電融CaO層、3……生石灰のバ
ックアップ層、4,4a,4b……CaO-MgO質耐火材層、10,10
a,10b……鋳型。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ろう模型に電融CaO粉末をコーティングし
    た後、生石灰でバックアップした後脱ろうすることを特
    徴とする鋳型の製造方法。
  2. 【請求項2】ろう模型に電融CaO粉末をコーティングし
    た後、生石灰でバックアップし、次いで、MgOを10〜70
    重量%含有するCaO-MgO質耐火材で最外層を形成した後
    脱ろうすることを特徴とする鋳型の製造方法。
  3. 【請求項3】ろう模型に電融CaO粉末をコーティングし
    た後、これを型枠内に入れ、該型枠内にMgOを10〜70重
    量%含有するCaO-MgO質耐火材のスラリーを流し込み成
    型後脱ろうすることを特徴とする鋳型の製造方法。
  4. 【請求項4】ろう模型以外の模型に電融CaO粉末をコー
    ティングし、更にこの周囲にMgOを10〜70重量%含有す
    るCaO-MgO質耐火材を充填してプレスした後、前記模型
    を脱型することを特徴とする鋳型の製造方法。
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