JPH08246942A - 多気筒内燃機関の制御量演算方法及び装置及びその内燃機関 - Google Patents

多気筒内燃機関の制御量演算方法及び装置及びその内燃機関

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JPH08246942A
JPH08246942A JP5385795A JP5385795A JPH08246942A JP H08246942 A JPH08246942 A JP H08246942A JP 5385795 A JP5385795 A JP 5385795A JP 5385795 A JP5385795 A JP 5385795A JP H08246942 A JPH08246942 A JP H08246942A
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cylinder
control amount
engine
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calculation
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JP5385795A
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Inventor
Yoshiaki Tsuino
義章 對野
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各気筒の制御量の演算を効率的に行い、演算
の高速化を図るとともに応答性を高めた多気筒内燃機関
の制御量演算方法を提供する。 【構成】 演算処置装置内に予め組込まれたプログラム
に従って、メモリに書込まれたスロットル開度情報およ
びエンジン回転数情報を含む各種運転状態情報に基づい
て複数の気筒の各気筒についてそれぞれ制御量を算出す
る多気筒内燃機関の制御量演算方法であって、上記プロ
グラムは、上記各種運転状態情報をメモリから読み出し
て制御量を演算するメインルーチンと、所定のクランク
角に対応して各気筒ごとに入力される気筒検出信号によ
り上記メインルーチンに割込む割込みルーチンとからな
り、上記複数の気筒の内1つを基準気筒として定め、こ
の基準気筒の制御量を演算してこれを基本制御量とし、
この基本制御量に対し各気筒に対応して補正演算を行っ
て各気筒別の制御量を算出する演算方法であって、上記
基本制御量の演算を上記メインルーチン内で行い、上記
気筒別の補正演算を上記割込みルーチン内で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多気筒内燃機関の制御量
演算方法に関し、特にスロットル開度およびエンジン回
転数に基づいて点火時期等の制御量をマップ演算する多
気筒内燃機関の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車を含む車両搭載エンジンや、
モーターボートその他の小型船舶用エンジンは、マイク
ロコンピュータ等からなる制御回路を備え、予めセット
されたプログラムに従って、運転状態に対応して最適な
点火時期や燃料噴射量あるいは噴射タイミングを演算
し、エンジンを最適な駆動状態で運転するように制御さ
れる。
【0003】このようなエンジン(内燃機関)の制御方
法において、2サイクルエンジンや4サイクルエンジン
あるいは単気筒エンジンと多気筒エンジンに対応してそ
れぞれに適合した制御を行う必要がある。2サイクルエ
ンジンは4サイクルエンジンに比べ、動弁機構を持たな
いため構造が簡単で小型となり、同一排気量、同一回転
速度の場合大きな出力が得られる反面、掃排気を行う機
構上ガス交換が完全に行われにくく、吹き抜け損失や燃
料消費およびシリンダ等の熱損失が大きくなる。このた
め2サイクルエンジンでは運転状態に対応した微妙な制
御がむつかしく、4サイクルエンジンでは実用化されて
いるO2 センサー等を用いたエンジン制御は2サイクル
エンジンでは実用化の段階に至ってない。
【0004】従来は、多気筒エンジンにおいても、点火
マップ、燃料噴射量マップも各々1枚づつを用意し、基
本点火時期データ及び基本燃料噴射量データの算出がさ
れ、さらにエンジン温度や大気圧等の各種検出データに
基づいて演算された補正値が加えられた全気筒共通の最
終的な点火時期データ及び燃料噴射量データが演算され
るようにしていた。
【0005】内燃機関の制御を行う場合、エンジン回転
速度、スロットル開度、吸気温度、排気ガス酸素濃度、
シフト位置等の各種運転状態を検出し、この検出情報に
基づいて、予め定めた制御プログラムに従って、そのと
きの最適空燃比や燃料噴射量、噴射タイミング、スロッ
トル開度等を演算し、この演算値を基にエンジンを駆動
制御している。この場合、制御プログラムは、検出情報
の読み込みルーチンと、読み込んだ検出情報に基づいて
各制御量を演算する複数の演算ルーチンを予め定めたシ
ーケンスに従って配置したメインルーチンを有し、この
メインルーチンに従って演算処理が行われる。演算ルー
チンにおいては、読み込んだ最新データに基づいて、各
種運転状態に対応して予め最適制御量を記憶させた2次
元マップあるいは3次元マップから、必要な読み込みデ
ータに対応して演算を行うようにしていた。
【0006】しかし、多気筒エンジンの場合は、各気筒
の配置状態の相違や気筒同士の影響により気筒ごとに運
転状態が異なってくるため、各気筒をそれぞれ別個に制
御する必要があり、制御方法も単気筒エンジンに比べ複
雑になる。即ち以下が考えられる。
【0007】マップ演算において、例えば多気筒エンジ
ンの点火時期演算処理の場合、スロットル開度データと
エンジン回転数データを縦横の座標軸として、所定のデ
ータ値ごとに3次元的に点火時期のデータを記録した点
火マップを気筒ごとに有し、この複数の点火マップを不
揮発性メモリに予め記憶させておく。読み込んだデータ
値、例えば検出した回転数データは、このマップの回転
数データ軸の値と低回転側から順次比較され、検出デー
タと一致するまで高回転側に進む。同様にスロットル開
度データのマップ値と検出値の一致点を検索し両データ
値の交点のマップ上に記録されている点火時期データを
読む。この場合、検出データがマップの座標軸上のデー
タの中間位置のときには、比例演算処理により記録され
たマップデータから検出データに対応した点火時期デー
タを算出する。これを全気筒について各気筒ごとの点火
マップに基づき順次実施し、全気筒の点火時期データを
算出する。
【0008】このようにして点火時期を各気筒ごとにマ
ップ演算した後、この演算値を基本点火時期として、さ
らにエンジン温度や大気圧等の各種検出データに基づい
て補正量を演算し、この補正を上記基本点火時期演算値
に加えて最終的な各気筒ごとの点火時期を算出する。同
様にして、燃料噴射量についても基本噴射量と補正量を
検出データに基づいて各気筒ごとにマップ演算により算
出し、運転状態に応じた各気筒ごとの最適燃料噴射量が
演算される。
【0009】このような演算処理において、検出データ
の読み込みは、メインルーチンの実行中に行われ、予め
定めた一定の時間間隔で一定の読み込み処理時間で最新
データが揮発性メモリに取込まれ、順次演算が行われ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】多気筒内燃機関におい
ては、気筒相互間の影響や気筒の配置状態により、各気
筒ごとに燃焼状態が変るため、これに応じて点火時期や
燃料噴射量等の制御量を変えることが望ましい。このた
め出願人は新たに例えば特定の気筒を基準気筒として定
め、この基準気筒に対し制御量を演算し、さらにこの基
準気筒および残りの気筒に対して、エンジン回転数に応
じて基準気筒の制御量に補正を加えることにより、各気
筒別の制御量を算出する方法を提案した。これを実現す
るため例えば以下が考えられる。各気筒の制御量は、前
述のようにメインルーチン内で演算される。このメイン
ルーチンには、所定のクランク角に対応して各気筒から
入力される気筒検出信号(TDC信号)に基づいてTD
C割込みルーチンが割込まれ、このTDC割込みルーチ
ン内でエンジン回転数が算出される。
【0011】しかし、上記基準気筒の制御量およびその
補正量を、前述のようにマップ演算により演算すると、
特に3次元マップを用いた場合、マップを構成するデー
タ量が多いため、各気筒全てに対し同じようにマップ演
算を行うとすれば、メモリ量が膨大になりコストの増大
を来すとともに、演算処理速度が遅くなり応答性低下の
懸念が起こる。
【0012】また、このようなマップ演算はメインルー
チン内で行われることになるため、各気筒の制御量補正
値を演算中にTDC割込みが発生すると、エンジン回転
数データが演算途中で書換えられることになる。このた
め、最新のエンジン回転数データに基づく演算処理が行
われず応答性低下の原因となる。
【0013】本発明は、多気筒内燃機関の各気筒制御に
ついて前記の様に考えられる方法について予想される問
題点に鑑みなされたものであって、各気筒の制御量の演
算を効率的に行い、演算の高速化を図るとともに応答性
を高めた多気筒内燃機関の制御量演算方法の提供を目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、演算処置装置内に予め組込まれたプロ
グラムに従って、メモリに書込まれたスロットル開度情
報およびエンジン回転数情報を含む各種運転状態情報に
基づいて複数の気筒の各気筒についてそれぞれ制御量を
算出する多気筒内燃機関の制御量演算方法であって、上
記プログラムは、上記各種運転状態情報をメモリから読
み出して制御量を演算するメインルーチンと、所定のク
ランク角に対応して各気筒ごとに入力される気筒検出信
号により上記メインルーチンに割込む割込みルーチンと
からなり、上記複数の気筒の内1つを基準気筒として定
め、この基準気筒の制御量を演算してこれを基本制御量
とし、この基本制御量に対し各気筒に対応して補正演算
を行って各気筒別の制御量を算出する演算方法であっ
て、上記基本制御量の演算を上記メインルーチン内で行
い、上記気筒別の補正演算を上記割込みルーチン内で行
うことを特徴とする多気筒内燃機関の制御量演算方法を
提供する。
【0015】好ましい実施例においては、上記割込みル
ーチンにおいて、上記気筒検出信号に基づいてエンジン
回転数を算出するとともに、このエンジン回転数に基づ
いて各気筒ごとの補正値を算出して上記補正演算を行う
ことを特徴としている。
【0016】また、本発明においては、所定のクランク
角に対応して複数の気筒の各気筒ごとに検出信号を発す
る気筒検出手段と、スロットル開度検出手段を含む各種
運転状態検出手段と、上記スロットル開度情報および各
種運転状態情報を記憶するメモリと、上記気筒検出手段
が接続され、予め定めたプログラムを組込んだ演算処理
装置とからなり、この演算処理装置は、上記各気筒から
の気筒検出信号に基づいてエンジン回転数を算出するエ
ンジン回転数算出手段と、上記各種運転状態検出手段か
らの検出情報に基づいて各気筒ごとの制御量を算出する
制御量算出手段とを有し、上記プログラムは、上記スロ
ットル開度情報および各種運転状態情報をメモリから読
み出して制御量を演算するメインルーチンと、所定のク
ランク角に対応して各気筒ごとに入力される気筒検出信
号により上記メインルーチンに割込む割込みルーチンと
からなり、上記複数の気筒の内1つを基準気筒として定
め、この基準気筒の制御量を演算してこれを基本制御量
とし、この基本制御量に対し各気筒に対応して補正演算
を行って各気筒別の制御量を算出するように構成し、上
記基本制御量の演算を上記メインルーチン内で行い、上
記気筒別の補正演算を上記割込みルーチン内で行うよう
に構成したことを特徴とする多気筒内燃機関の制御量演
算装置を提供する。
【0017】さらに、本発明においては、複数の気筒
と、所定のクランク角に対応して上記複数の気筒の各気
筒ごとに検出信号を発する気筒検出手段と、スロットル
開度検出手段を含む各種運転状態検出手段と、上記スロ
ットル開度情報および各種運転状態情報を記憶するメモ
リと、上記気筒検出手段が接続され、予め定めたプログ
ラムを組込んだ演算処理装置とからなり、この演算処理
装置は、上記各気筒からの気筒検出信号に基づいてエン
ジン回転数を算出するエンジン回転数算出手段と、上記
各種運転状態検出手段からの検出情報に基づいて各気筒
ごとの制御量を算出する制御量算出手段とを有し、上記
プログラムは、上記スロットル開度情報および各種運転
状態情報をメモリから読み出して制御量を演算するメイ
ンルーチンと、所定のクランク角に対応して各気筒ごと
に入力される気筒検出信号により上記メインルーチンに
割込む割込みルーチンとからなり、上記複数の気筒の内
1つを基準気筒として定め、この基準気筒の制御量を演
算してこれを基本制御量とし、この基本制御量に対し各
気筒に対応して補正演算を行って各気筒別の制御量を算
出するように構成し、上記基本制御量の演算を上記メイ
ンルーチン内で行い、上記気筒別の補正演算を上記割込
みルーチン内で行うように構成したことを特徴とする多
気筒内燃機関を提供する。
【0018】
【作用】複数気筒の内の1つを基準気筒として定め、こ
の基準気筒に対する基本制御量の演算をメインルーチン
内で3次元基本マップ等を用いて行う。この基本制御量
に対し、例えば基本マップより簡単な補正マップを用い
て、TDC割込みルーチン内で、基本制御量に対する補
正値を算出することにより、各気筒別の制御量が演算さ
れる。これにより、演算処理の高速化とともにメモリ容
量を小さくすることができ、さらに割込みルーチンで算
出される最新のエンジン回転数データに基づいて演算さ
れるため、応答性が向上する。
【0019】
【実施例】まず、図1から図11を参照して本発明の実
施例が適用される船外機について説明する。なお、各図
において図を分かりやすくするために細部の省略や相違
点および縮尺の相違等があるが基本構成は同じである。
【0020】図1は本発明実施例に係る船外機の船尾側
からみた立面構成図であり、図2は平面図である。図2
のFは船の進行方向前方を示す。また、図3は上記船外
機エンジンの燃料系統を含む構成図であり、図4は船外
機の外観側面図である。なお図3においては、図の単純
化のため1気筒のみ示してある。
【0021】なおここで、本発明の実施例である点火制
御、燃料噴射制御方法および装置を搭載する船外機につ
いての特徴を以下のとおり要約する。
【0022】小型船舶用エンジンの場合、水上での使用
という異なる使用条件のため、陸上の車両搭載エンジン
に比べ構成や機能が異なってくる。特に船外機用エンジ
ンの場合、構成や機能が大きく異なってくる。
【0023】(1)エンジンのクランク軸が縦置き(鉛
直方向)に配置される。従って、多気筒エンジンの場
合、複数の気筒を縦に1列または2列に配設している。
【0024】(2)エンジンのシリンダが水平置きに配
置される。即ち、上記(1)の縦置きクランク軸に対応
してシリンダは横(水平)に設けられる。
【0025】(3)排気通路を構成する排気管が垂直方
向に延設され、この排気管端部がカウリング下部の膨張
室内に開口する。主排気通路はこの膨張室からさらに下
方に延び、水面下のプロペラボスの後端またはロアケー
シングの後端に設けた主排気口と連通する。この構成に
より、高速前進時に水流によりプロペラボスの後端(た
はロアケーシングの後端)の主排気口部分は負圧とな
り、排気ガスが吸出されるため、膨張室の圧力が下が
り、特に2サイクルエンジンの場合、エンジンからの排
気効率および掃気効率が促進され性能向上が図られてい
る。なお、4サイクルエンジンを使用する船外機でも排
気効率の向上、排気行程の終期と吸気行程の初期が重な
り合う動弁系をもつものでは、吸気効率の向上により、
性能向上を図ることができる。
【0026】このような排気通路の構成、機能上の特徴
に対応して、船速に応じた点火時期制御、燃料噴射量制
御および噴射タイミング制御を実施している。この場
合、船の重量、船底形状が定まれば、プロペラ性能によ
りプロペラ回転数(エンジン回転数に対し所定比で減
速)は、船速とほぼ一定の関係となる。従って、エンジ
ン回転数および/またはスロットル(アクセル)開度に
応じて上記各エンジン制御を行う。船外機においては、
自動車等の車両に比べ、このようなエンジン回転数やス
ロットル開度変化による加速や減速の影響が非常に大き
いため制御方法についてもこの点を充分考慮して実施し
ている。
【0027】また、後進時には、主排気口に水圧が作用
して膨張室の圧力が上昇する。このため前進時に比べ排
気効率が低下してエンジン性能が低下するとともに燃費
の低下や排気エミッションの悪化を来す。このような不
具合を防止するため、後進時には、前進航行時とは異な
る点火時期制御、燃料噴射量制御および燃料噴射タイミ
ング制御を実施している。
【0028】さらに、前進航行時には、船は船尾側の水
を引っ張りながら進行する。このためアクセル閉動作や
失火制御等の減速時に、船は先に減速されるが、船が引
っ張っている水は船尾側から船に押寄せる形となりいわ
ゆる追波が発生する。これにより、主排気口に水圧がか
かり排気効率が低下する。従って、この場合にも一定速
度の航行時とは異なる制御が必要となる。このために
は、排気膨張室の圧力を検出したりあるいは船外機の前
進、後進の切替を検知することにより、これらの検出情
報に基づいて各制御を行うことが有効であり、これを採
用している。
【0029】(4)船外機は、前述の膨張室から水面上
の排気口に連通する副排気通路を有している。低速運転
時には、エンジンからの排気圧力より水圧の方が大きい
ので、水面下の主排気口からの排気はできないため、水
面上の副排気口から大気中に排気ガスを放出する。この
場合、騒音対策のため副排気通路は迷路構造を採用して
いる。
【0030】(5)縦置きエンジン構造で、排気通路が
垂直方向配置で排気ガスが上から下に流れる構造のた
め、下の気筒程温度上昇しやすくまた排気管路長さが短
い。このため、下気筒の方が噴射燃料が気化しやすく、
また膨張室の負圧レベルの影響が上下の気筒で異なるた
め排気脈動の利用による性能向上は上下の気筒で一律で
はない。従って、これを配慮した制御を実施している。
【0031】(6)排気ガスの温度を下げるため、膨張
室内に冷却水を導入している。この冷却水ポンプはプロ
ペラ軸に取付けられ、エンジン回転数に応じて冷却水量
が増加する。従って、エンジン回転数に応じて膨張室の
温度や排気管温度が変化し排気脈動に影響する。従っ
て、膨張室の温度や排気管温度に応じて点火時期等を制
御することにより、排気脈動の有効利用を可能としてい
る。
【0032】(7)排気通路冷却のための冷却水がエン
ジン脈動によりエンジン近傍に逆流することがある。こ
の逆流に対する抵抗性が必要になる。
【0033】(8)船体の抵抗特性として、特に軽い船
やエンジン出力が大きい船の場合、船速が増加しても抵
抗は船速に伴って単純に増加するわけではない。これは
ある特定の船速で船全体が波の上に浮き上がるプレーニ
ング現象により抵抗が減少するためである。従って、船
速を検出して制御する場合、この船の抵抗特性を考慮し
て制御している。
【0034】(9)船外機は船体に対し取付け角度が調
整可能である。この船外機の鉛直線に対する相対角度
(船体に対する相対取付け角度)はトリム角と呼ばれ
る。トリム角の変化により、船体に対するプロペラ推力
の方向が変化し船速が変化する。プロペラ性能上、船速
に応じた最適トリム角がある。さらに、主排気口をプロ
ペラボス後端に設けた船外機においては、トリム角が背
圧に影響し、この点でもエンジン性能に影響する。
【0035】吸気管噴射の場合、トリム角変化により、
吸気管路の水平面に対する姿勢が変化する。一方、噴射
直後の燃料は十分気化していないので、燃料の一部が液
膜流として吸気管壁に沿って流れる。トリム角が変化す
ると、この液膜流の流れが変化し、燃焼室の空燃比が変
化する。これは過渡応答的に発生する。従って、トリム
角に応じて点火時期や燃料噴射量および噴射タイミング
を制御することによりエンジン性能や燃費および排気エ
ミッションを向上あるいは維持可能としている。
【0036】(10)船は波浪中を高速で航行すると、
水面上にジャンプすることがある。プロペラは空中に出
ると抵抗がなくなり、エンジン負荷が極端に減少するた
めエンジンが過回転状態になり、エンジントラブルを起
こすおそれがある。従って、水面とプロペラの相対位置
を検知するか、エンジン回転数そのものを検知して過回
転状態にならないように、失火制御あるいは燃料噴射量
を絞る等により出力ダウンする必要がある。
【0037】また、船外機には水面上の流木等に衝突す
るとき、跳ね上がることにより衝撃を緩和するデバイス
が取付けられている。このような流木衝突時にもプロペ
ラは空中に出る。跳ね上げ後プロペラが水中に戻ると
き、出力が大であると急激に加速されることになってエ
ンジン燃焼が不安定になる。これに対処するための燃料
噴射制御も実施している。
【0038】(11)船は始動性を特に要求される。始
動悪化の原因は、自動車等の車両と同様に低いエンジン
温度、混合気(燃料)不足および火花低下等がある。特
に船外機の場合、火花電流が海水雰囲気のため漏電しや
すく火花低下を起こしやすい。また、制御装置等の電装
品の耐海水性が要求される。
【0039】(12)船速が遅いとき(エンジン回転数
が小さいとき)にはトリム角を小さくし、プレーニング
の後にはトリム角を大きくした方がエンジン性能が向上
する。従って、加速中この点を考慮してトリム角を制御
することにより、加速性能(時間当たりの加速割合)を
向上させている。
【0040】(13)吸気中に海水ミストが入りやすい
ため、噴射装置、燃料供給装置、クランク室圧力センサ
ー等の耐海水性が要求される。
【0041】(14)燃料の主タンクは船内に配置し、
副タンクを船外機のカウリング内に配置し、この2つの
燃料タンク間にクランク室の圧力変化を駆動源とする燃
料ポンプを設けている。
【0042】(15)2サイクルエンジンの船外機の場
合には、潤滑油(エンジンオイル)の供給も制御しなけ
ればならず、点火制御および燃料噴射制御と同時に実施
している。
【0043】(16)船は、風や潮流あるいは川の流れ
により位置が少しづつ移動する。魚釣り等においては、
漁場や釣りのポイントから船が移動しないように、長い
時間安定して船の位置を保持する必要がある。この場
合、アンカーでは海底が深い場所での船位置保持が困難
であり、また迅速に移動することが必要な場合の対応が
困難になる。従って、船位置保持のためには、アクセル
をほぼ最小あるいは任意の中間開度にほぼ保持した状態
でエンジンが停止することなく、安定して回転が持続す
ること、即ちエンジンに僅かの負荷がかかっている状態
で安定したエンジン回転が得られる低速安定性(トロー
リング性能)が要求される。
【0044】特に2サイクルエンジンは掃排気を実施し
ているため、低速において掃排気効率が低下し残留ガス
量が増加する。しかも各サイクルごとにこのガス量が変
化し、不整燃焼を引起こしてエンジン停止の原因となる
おそれがある。従って、低速での安定した回転のために
は、残留ガス量を減らしたりバラツキを押えることによ
り掃排気効率の向上を図ることが有効となる。この場
合、船外機特有の問題として、背圧が外部の波浪の影響
により変化し、その結果掃排気効率ひいては残留ガス量
のバラツキを引起こす原因になっている。
【0045】なお、船内に2サイクルあるいは4サイク
ルのエンジンを搭載する小型船舶用エンジンにおいて
は、上記(3)(4)(6)(7)(8)(10)(1
1)(13)(15)(16)の特徴を有する。また、
水噴射推進式小型艇において水噴射方向(これもトリム
角と呼ぶ)を変化させるものでは、水面に対して艇体の
傾きが変化し、これにより、水中の排気口に作用する水
圧即ち背圧が変化するので、(9)(12)の特徴をさ
らに有する。
【0046】小型船舶搭載エンジンについては、以上説
明したような点を踏まえて点火時期制御や燃料噴射量制
御および噴射タイミング制御を行っている。
【0047】また、本実施例の制御方法、装置を船内に
搭載される小型船舶用の2サイクルあるいは4サイクル
エンジン用に採用することも可能である。この場合、上
記(3)(4)(6)(7)(8)(10)(11)
(13)(15)の特徴をもつ。また、小型船舶として
水噴射推進式小型艇において、水噴射方向(トリム角)
を変化させるものでは、水面に対して艇体の傾きがトリ
ム角により大きく変化し、これによる水中の排気口に作
用する水圧即ち背圧が変化するので、(9)(12)の
特徴もさらに併せもつことになる。
【0048】この船外機のエンジン1は、V型バンク型
式の2サイクル6気筒エンジンである。このエンジン1
は、#1〜#6の気筒を有し、3気筒づつ2列の左バン
ク2と右バンク3に配置される。左バンク2には奇数番
号の気筒#1、#3および#5が配列され、右バンク3
には偶数番号の気筒#2、#4および#6が配列され
る。各気筒はシリンダ本体4内に設けられる。シリンダ
本体4には各気筒周囲や排気通路周囲等に水冷ジャケッ
ト(図示しない)が形成されている。この左右のバンク
2、3は、図2に示すように、クランクケース22に対
しV型に設けられる。各気筒頭部にはシリンダヘッド2
0が設けられ気筒内燃焼室77(図3)に向けて点火プ
ラグ19が装着される。各気筒内にはコンロッド17を
介してクランク軸21に連結されたピストン18が装着
される。クランク軸21は垂直方向に設けられ、これに
対し各気筒#1〜#6が水平に設けられる。クランク軸
21の上端部にはフライホイルマグネット71が設けら
れる。6個の気筒#1〜#6は、同じクランク軸21に
対しコンロッド17が干渉しないように、#1〜#6の
順に高さをずらせて配置してある(図1参照)。
【0049】各気筒には排気ポート5が開口し、排気管
6に連通している。また各気筒には掃気ポート29が開
口し掃気通路30を介して燃焼室77とクランク室31
とを連通させる。エンジン1はカウリング7内に収容さ
れ、カウリング7の下部にはアッパーケーシング8が装
着されその下部にロアケーシング9が設けられる。ロア
ケーシング9の下部にプロペラ10が装着される。プロ
ペラ10は、プロペラ軸35上に装着され図示しない伝
達機構を介してエンジン1のクランク軸21と連結され
ている。
【0050】排気管6の端部はアッパーケーシング8内
の主膨張室11に開口する。主膨張室11は、ロアケー
シング9内に設けた排気通路(図示しない)を介してプ
ロペラ10の後面に設けた主排気口13に連通する。主
膨張室11はさらに水面上のカウリング7内の副膨張室
12と連通する。この副膨張室12には図示しない副排
気口が形成される。
【0051】気筒#1には後述する排気センサー(O2
センサー)14が設けられる。この実施例ではこの気筒
#1が基準気筒となり、後述のようにこの気筒#1につ
いての酸素濃度および各制御量を演算し、これを基本制
御量として残りの気筒#2〜#6については、この酸素
濃度または基本制御量に対する補正量をマップ演算して
各気筒の制御量を算出する。
【0052】この船外機38(図4)は、船体36に対
しブラケット37を介して枢支軸41廻りに回転可能で
あり、取付け角度(トリム角)が調整可能に装着され
る。ブラケット37にはトリム角を検出するためのトリ
ム角センサー39が設けられる。また、カウリング7内
には後述のシフトセンサー40が設けられる。
【0053】各気筒にはノックセンサー34(図3)お
よびエンジン温度センサー301(図1)が設けられ
る。なお、ノックセンサーおよびエンジン温度センサー
は、排気センサー14と同様に基準気筒#1にのみ設け
て他の気筒#2〜#6については、基準気筒#1の検出
データを補正して制御量演算用のデータを算出してもよ
い。また、クランク軸21にはリングギヤ(図示しな
い)の回転に応じてパルスを発してクランク角を検出す
るクランク角センサー33が設けられる。
【0054】図3に示すように、クランク室22には、
吸気マニホルド24に連通する吸気ポート80が開口す
る。吸気ポート80にはリード弁23が設けられる。吸
気マニホルド24にはインジェクター26が設けられる
とともにスロットル弁25が備る。吸気マニホルド24
には吸気温度センサー32が設けられる。また、吸気マ
ニホルド24の外側において、スロットル弁25にはス
ロットル開度センサー15(図7参照)が設けられる。
【0055】インジェクター26に供給される燃料は燃
料タンク63内に溜められている。この燃料タンク63
内の燃料は低圧燃料ポンプ64により水分離およびゴミ
除去用フィルター66を介してサブタンク67に送られ
る。サブタンク67内の燃料は、高圧燃料ポンプ65に
よりインジェクター26に送られ、後述のように制御さ
れた噴射量および噴射タイミングで燃料が吸気マニホル
ド24内に噴射され所定空燃比の混合気を形成する。イ
ンジェクター26で噴射されなかった高圧燃料は、戻り
配管70を通してサブタンク67に回収される。戻り配
管70上には圧力レギュレータ69が設けられ、インジ
ェクター26の噴射圧力を一定に保つ。これにより、イ
ンジェクター26の開弁による噴射時間を制御すること
により燃料噴射量が制御できる。
【0056】図5は直列3気筒エンジンの詳細図であ
る。前述のV型6気筒エンジンと同様に、各気筒#1、
#2、#3のシリンダ壁には掃気ポート29および排気
ポート5が形成され、各排気ポート5は排気管6に連通
している。また、各気筒周囲のシリンダ本体4には水冷
ジャケット75が形成される。
【0057】基準気筒#1のシリンダ壁には排気ガス検
出ポート78が開口し、ガイド通路73を介して排気セ
ンサー14の蓄圧室(図示しない)に連通する。一方、
この排気センサー14の蓄圧室は、図示しない他のガイ
ド通路を介して他の気筒または#1気筒のクランク室に
開口する補助ポートと連通している。この補助ポートの
開口位置の設定により、ピストンのサイクル運動に伴う
各気筒内の圧力変動に応じて、基準気筒#1の燃焼ガス
のみを排気センサー14の蓄圧室に導入し、他の気筒の
燃焼ガスや掃気時の新気の導入を阻止することができ
る。これにより基準気筒#1の排気ガス中の酸素濃度を
確実に検出することができる。
【0058】図6は、直列3気筒エンジンを搭載する船
外機のアッパーケーシング8およびロアケーシング9内
の排気通路の構成図である。排気管6の端部は主膨張室
11に開口する。主膨張室11は、ロアケーシング9内
の排気通路73を介してプロペラ軸35を通り主排気口
(図1の13と同様)と連通する。主膨張室11内の排
気ガスは、水冷ジャケット72内の冷却水とともに排気
通路73を通して主排気口から水中に放出される。
【0059】図7は上記エンジンの吸気部を示す平面構
成図である。クランク室22には、吸気マニホルド24
に連通する吸気ポート80が開口する。吸気マニホルド
24には吸気通路79を通してエアクリーナ(図示しな
い)からの外気(吸気)が点線矢印Gのように導入され
る。吸気通路79の途中にはサイレンサ28が設けられ
る。81はオイルタンクを示し、76はスタータを示し
ている。オイルタンク81にはオイルレベル検出センサ
ー(図示しない)が設けられる。オイル供給系統は、図
3で説明した燃料供給系統と同様に、船内にメインタン
クを有し、オイルタンク81内の量が少なくなるとメイ
ンタンクから補給する。また、メインタンク内のオイル
量が空になるとエンジンの高負荷運転をしないように制
御される。スタータ76にはスタータ検出センサー(図
示しない)が連結される。オイルタンク81のオイル
は、クランク軸21により駆動されるオイルポンプ30
2により不図示のエンジンの潤滑必要部に送られる。オ
イル供給量はエンジン回転数が増加する程増加するとと
もに、スロットル弁レバー304の動きが連結リンク3
03によりオイルポンプ302に伝えられ、スロットル
開度が大となる程増加する。なお、図は排気センサー1
4が取付けられた基準気筒#1を示している。図8は排
気センサー14の詳細図である。この実施例の排気セン
サー14は、円筒形の金属製保護スリーブ104を有
し、この保護スリーブ104の一端に締結具105が取
付けられている。この保護スリーブ104内にジルコニ
ア製の検出素子106が収容される。この検出素子10
6は、保護スリーブ104から突出しさらに締結具10
5からも突出している。締結具105から突出した検出
素子106の端部は複数の孔111を有する着脱自在な
プロテクタ109により覆われる。検出素子106の反
対側の端部にはリード線107が連結され、後述の演算
処理装置に接続される。検出素子106の先端部の内部
には空洞108が形成され、またこの先端部近傍の検出
素子内にセラミックヒータ112が設けられる。
【0060】排気ガスはプロテクタ109の孔111を
通して自由に流通し内部の検出素子106に接する。こ
の検出素子106の内外両表面には白金の電極がメッキ
され、この検出素子106の内外の酸素濃度差に応じて
発生する起電力によって、排気ガス中の酸素濃度が検出
される。また、セラミックヒータ112により検出素子
106を適宜加熱することにより、運転状態によらず活
性化することができ、安定した検出ができる。このよう
な排気センサー14は、図5および図7に示すように、
燃焼ガスのガイド通路73を介して基準気筒#1の燃焼
室内および必要に応じて他の気筒と連通し、前述のよう
に、この気筒#1の排気ガス中の酸素濃度を検出する。
V型6気筒エンジンにおいても、図1に示すように基準
気筒#1の排気ガス中の酸素濃度を検出する。
【0061】図9は、排気センサー14を別の位置に取
付けた構成例を示す。この例では、排気管6の途中にポ
ート83を開口し、このポート83を介して排気センサ
ー14側に排気ガスを導入する構成である。排気センサ
ー14は固定支持部82を介して排気管6の側面に保持
される。ポート83は、基準気筒(本実施例では#1)
に近い位置に設けて基準気筒からの排気ガス酸素濃度を
検出するように構成し、他の気筒についてはこの検出値
を補正演算することにより酸素濃度データまたは制御量
を求めるように構成する。なお、ポート83を排気管6
上の適当な位置に設け排気ガス中の酸素濃度を代表値と
して検出し、これを直列3気筒エンジンでは各気筒#1
〜#3、V型6気筒エンジンでは各気筒#1〜#6につ
いて補正演算して各気筒ごとの酸素濃度を求めてもよ
い。また、掃気サイクルでの新気がセンサー側に導入さ
れることを防止するために、この排気センサーの検出部
をさらに排気通路の下流側と連通させ、ピストンサイク
ルに伴う圧力変動を利用して排気行程時にのみポート8
3を介して排気ガスを導入するように構成してもよい。
【0062】図10はプロペラ軸への動力伝達機構の詳
細図である。前述のように、軸を鉛直方向に配置したク
ランク軸21にドライブシャフト42が連結され、その
下端部にピニオン43が固定される。このピニオン43
の前後に前進ギヤ44および後進ギヤ45がそれぞれ噛
み合い反対方向に回転する。前進ギヤ44および後進ギ
ヤ45の間にドッグクラッチ46が設けられる。このド
ッグクラッチ46はプロペラ軸35の軸に沿って摺動可
能であり、前進ギヤ44または後進ギヤ45のいずれか
一方と選択的に噛み合うことができる。図はいずれのギ
ヤとも噛み合っていない中立位置を示している。このド
ッグクラッチ46は、プロペラ軸35を構成する前方軸
35bおよび後方軸35aのうち前方軸35bに対して
スプライン結合しており、前後方向に摺動可能かつ回転
方向に前方軸35bと一体化しており、さらにクロスピ
ン47を介してプロペラ軸35の軸方向に摺動可能なス
ライダー48に連結される。スライダー48の前端頭部
はカムフォロア49に対し回転自在に連結される。この
カムフォロア49は、シフトレバー50の下端部に設け
たカム51により駆動される。即ち、シフトレバー50
をその軸廻りに回転させてカム51を回転させ、これに
応じてカムフォロア49を前(F)または後(R)に移
動させる。これにより、スライダー48が前後に摺動
し、ドッグクラッチ46が前進ギヤ44または後進ギヤ
45のいずれか一方と噛み合い、ピニオン43の回転を
前進方向または後進方向の回転力として前方軸35bに
伝え、前方軸35bと摩擦溶接により一体化された後方
軸35aに伝達する。
【0063】なお、図10において、73はロアケーシ
ング下部の排気通路を示し、排気ガスが冷却水とともに
矢印Cのように流れ、主排気口13から矢印Dのように
水中に放出される。
【0064】図11は、上記ギヤシフトの駆動操作系統
の構成図である。船外機38は、前述のように、ブラケ
ット37aおよびクランプブラケット37bを介して船
体36に対しチルト軸305廻りにトリム角θを変更可
能に取付けられる。306はトリム角可変アクチュエー
タ、39はトリム角センサーを表している。
【0065】カム51を端部に有するシフトレバー50
は、カウリング内でピボット片52を介してリンクバー
53に連結される。リンクバー53の端部にはピン55
が突出して設けられる。このピン55は、カウリング内
に固定した長孔ガイド54内で矢印Aのようにスライド
可能に装着される。
【0066】一方、船内にはギヤシフトおよびスロット
ル操作用のリモコンボックス56が設けられる。このリ
モコンボックス56は、船外機38に対しシフトケーブ
ル57、スロットルケーブル58および電気信号ケーブ
ル59の3本のケーブルを介して連結されている。シフ
トケーブル57はカウリング内で前述のリンクバー53
のピン55に結合されている。リモコンボックス56に
は操作レバー60が設けられ、これを中立位置(N)か
ら前進または後進側に駆動操作してシフトケーブル57
を介してピン55を長孔リング54内でスライドさせ
る。これにより、リンクバー53が平行移動するととも
に、その根元部のピボット片52を矢印Bのように回転
させる。これにより、シフトレバー50がその軸廻りに
回転し、カム51が回転して、前述のように、ドッグク
ラッチを介してクランク軸と前進用ギヤまたは後進用ギ
ヤとを連結する。操作レバー60を前進または後進のシ
フト操作完了位置即ちスロットル弁全閉位置からさらに
F方向(前進時)またはR方向(後進時)に移動させる
ことにより、スロットルケーブル58を介して船外機3
8内のエンジンのスロットル弁が全開方向に動作する。
このシフトケーブル57には、シフトカットスイッチ
(図示しない)が設けられている。これは、高負荷運転
時にドッグクラッチ46(図10)をギヤ44または4
5から切り離そうとする際、クラッチとギヤ間の噛み合
い面圧が非常に大きくなるため、ケーブルに大きな荷重
がかかる。シフトカットスイッチは、この荷重によるケ
ーブルの弾性変形量を検出することにより過大なクラッ
チ噛み合い圧力を検知し、エンジン回転を下げてクラッ
チの切り替えを楽に行うようにするためのものである。
このようなシフトカットスイッチはカウリング内に設け
てもよいし、あるいはリモコンボックス内に設けてもよ
い。
【0067】リモコンボックス56にはさらに落水検知
スイッチ(図示しない)が設けられている。この落水検
知スイッチは、例えば乗員の身体に結び付けたワイヤに
スイッチを連結し、落水事故等の緊急時にスイッチを動
作させてエンジンを停止させ直ちに船を停止させるため
のものである。また、リモコンボックス56には独立の
エンジン停止操作スイッチ(図示しない)も設けられて
いる。
【0068】次に上記構成の船外機の制御全般について
図12から図18を参照して説明する。図12は、本実
施例の制御系統全体を示すシステムブロック図である。
制御プログラムを格納したマイクロコンピュータ等から
なる演算処理装置の入力側(図の左側)に、エンジンの
各種運転状態を検出するためのセンサー等からなる各検
出手段が接続される。これらの検出手段について、以下
順次説明する。
【0069】気筒検出手段#1〜#6は、クランク軸廻
りに6個配置され、各気筒についての制御演算を実行す
る場合のイベント割込み(後述のTDC割込み)を実行
するためのトリガ信号を発生する。これは、例えば各気
筒のピストンが上死点またはそれより所定角度(クラン
ク角度)手前に位置する瞬間に信号を発するように構成
する。従って、本実施例ではクランク軸の1回転中に6
0度ごとに1つの気筒検出信号が各気筒#1〜#6から
順番に演算処理装置に送られる。
【0070】クランク角検出手段202は、点火時期制
御のベースとなる角度パルスを発するものであり、クラ
ンク軸に係合するリングギヤの歯数に対応してパルス信
号を発する。例えばギヤ歯数112歯に対応して1回転
中に448パルスを発するように構成すれば、1パルス
ごとにクランク軸が0.8度回転することになる。
【0071】スロットル開度検出手段は、吸気マニホル
ドに設けたスロットル弁の開度に応じてアナログ電圧信
号を発する。演算処理装置はこのアナログ信号をA/D
変換してマップ読取り等の演算処理を行う。
【0072】次のトリム角度検出手段から吸気温度検出
手段までは、エンジンの運転条件に対する環境変化があ
った場合にこの変化に応じて制御量を補正するためのも
のである。トリム角度検出手段は、前述のように、船外
機の取付け角度を検出するものである。E/G温度検出
手段は、各気筒(または基準気筒)のシリンダブロック
に温度センサーを取付けその気筒の温度を検出するもの
である。大気圧検出手段は、カウリング内の適当な位置
に設けられる。吸気温度検出手段は吸気通路上の適当な
位置に設けられる。大気圧および吸気温度は空気の体積
に直接影響するものであり、演算処理装置は、これらの
大気圧および吸気温度の検出値に応じて空燃比等の制御
量に対する補正演算を行う。
【0073】既燃ガス検出手段は、前述の排気センサー
14のことである。検出した酸素濃度に応じて燃料噴射
量等のフィードバック制御を行う。
【0074】ノック検出手段は、各気筒の異常燃焼を検
出するものであり、ノッキングがおきた場合に点火を遅
角側にシフトさせたりまたは燃料をリッチ側に設定して
ノッキングを解消し、エンジンの損傷発生を防止する。
【0075】オイルレベル検出手段は、カウリング内の
サブタンクおよび船内のメインタンクの両方にレベルセ
ンサーを設けたものである。
【0076】サーモスイッチは、バイメタル式温度セン
サー等の応答性の速いセンサーからなり、冷却系異常等
によるエンジンの温度上昇等を検出し焼き付きを防止す
るための失火制御を行う。なお、前述のエンジン温度検
出手段はシリンダブロックに設けられ燃料噴射の制御量
補正のために使用されるが、このサーモスイッチはエン
ジンの温度上昇に直ちに対処するため応答性が速いこと
が要求される。
【0077】シフトカットスイッチは、前述のように、
シフトケーブル57(図11)のテンションを検出して
ドッグクラッチ46(図10)の切り替えを容易にする
ためのものである。
【0078】DES検出手段は、船尾に船外機を2台並
列して備えた型式の船舶において、一方の船外機のエン
ジンがオイル不足、温度上昇等により失火制御を行って
いる場合にこの失火運転状態を検出するものである。こ
のDESの検出により、他方のエンジンも同様に失火制
御を行って、両方のエンジンの運転状態を同じにして走
行のバランスを保つ。
【0079】バッテリ電圧検出手段は、インジェクタの
駆動電源電圧の変化によりバルブの開閉動作の速さが変
り吐出量が変化するため、バッテリ電圧を検出してこの
電圧に基づいて噴射量を制御するために用いる。
【0080】スタータスイッチ検出手段は、エンジンが
始動運転中かどうかを検出するためのものである。始動
状態であれば、燃料のリッチ化等を行い始動運転用の制
御を行う。
【0081】2種類あるE/Gストップスイッチ検出手
段は、エンジン停止操作スイッチや落水検知スイッチの
ことであり、このうち落水検知スイッチは落水事故等の
緊急状態を検出するものであり、緊急時にエンジンを直
ちに停止するように制御する。
【0082】以上のような各検出手段からの入力信号に
基づいて、演算処理装置内で各制御量の演算を行い、演
算結果に基づいて出力側(図12の右側)の燃料噴射手
段#1〜#6、点火手段#1〜#6、燃料ポンプおよび
オイルポンプを駆動制御する。なお、燃料噴射手段およ
び点火手段はそれぞれ、前述のインジェクタおよび点火
プラグであり、各気筒ごとに独立して順番に制御され
る。
【0083】このような演算処理装置での演算を実行す
るために、図示したように、演算処理装置には、制御プ
ログラムやマップ等を格納したROM等からなる不揮発
性メモリおよび各検出信号やこれに基づく演算のための
一時的なデータを記憶するためのRAM等からなる揮発
性メモリが備る。
【0084】次に、図13を参照して、本発明が適用さ
れる船外機エンジンの点火時期制御および燃料噴射制御
について説明する。図13はこのような制御フローを実
行するための構成を示すブロック図である。各ブロック
は、前述の図12の演算処理装置内に演算処理回路とし
て組込まれている。
【0085】気筒判別手段201は、気筒検出手段#1
〜#6(図12)に対応するものであり、各気筒からの
入力信号に基づいてその気筒番号を判別する。周期計測
手段1000は、この気筒検出手段からの検出信号に基
づいて、各気筒からの入力信号の時間間隔を計測し、こ
れを6倍することにより1回転の時間(周期)を算出す
る。エンジン回転数算出手段203は、この周期の逆数
を演算して回転数を求める。スロットル開度読み込み手
段204は、スロットル開度に対応したアナログ電圧信
号により開度を読み込む。
【0086】スロットル開度読み込み手段204からの
スロットル開度信号はA/D変換され、E/G回転数算
出手段203からの回転数信号とともに、基本点火時期
算出手段210および基本燃料噴射算出手段211に送
られ、基準気筒である#1の気筒の点火時期および燃料
噴射量がそれぞれ3次元マップを用いて算出される。こ
のエンジン回転数信号およびスロットル開度信号は、さ
らに気筒別点火時期補正値演算手段208および気筒別
燃料噴射量補正値演算手段209に送られ、残りの気筒
#2〜#6についての基本点火時期および基本噴射量に
対する補正値を各気筒ごとにマップ演算して求める。
【0087】一方、トリム角度読み込み手段205、機
関温度読み込み手段206および大気圧読み込み手段2
07は、それぞれの検出手段(図12)からの検出信号
を読取り、これを点火時期補正値算出手段212および
燃料噴射量補正値算出手段213に送り、各運転状態に
応じた補正値を算出する。この場合、点火時期補正値に
ついては、基本点火進角の値に対して加算する補正進角
(あるいは遅角)の角度数を、各読み込みデータの種類
ごとに予め記憶させたマップにより求める。また、燃料
噴射量の補正値については、予め定めた比例係数を基本
噴射量に対し乗算することにより求める。
【0088】なお、点火時期補正および燃料噴射量補正
について、図示していないが、さらに吸気温度の検出デ
ータを各算出手段212、213に入力して吸気温度に
基づく補正を行ってもよい。
【0089】点火時期補正値算出手段212および燃料
噴射量補正値算出手段213の算出出力は、それぞれ点
火時期補正手段214および燃料噴射量補正手段215
に入力され、ここで基本点火時期および基本燃料噴射の
算出値に加算して#1気筒の点火時期および燃料噴射の
制御量が算出される。
【0090】この基準気筒#1の点火時期および燃料噴
射の制御量は気筒別点火時期補正手段216および気筒
別燃料噴射量補正手段217に入力され、ここで#1気
筒についての補正された基本点火時期および燃料噴射量
に対し、#2〜#6の気筒についての気筒別点火時期補
正量演算手段208および気筒別燃料噴射量補正値演算
手段209による制御補正量を加えることにより、#2
〜#6までの気筒の点火時期および燃料噴射量の制御量
が算出される。
【0091】このようにして算出された#1から#6ま
での各気筒に対する点火時期および燃料噴射の制御量に
基づいて、点火出力手段218は、各気筒ごとの点火進
角の角度の値で算出された制御量をタイマーセットし、
燃料出力手段219は開弁時間に相当するクランク角を
タイマーセットする。
【0092】次に、図14を参照して、本発明の実施例
に係る船外機の制御全体のフローについて説明する。図
14は、船外機エンジンの制御処理プロセス全体のシー
ケンスを示すメインルーチンのフローチャートである。
【0093】メインスイッチが投入され電源が立上がっ
てエンジン操作が開始されると、所定のリセット時間後
まず制御処理装置内の各処理回路が初期化される(ステ
ップS11)。次にステップS12において、運転状態
が判断され結果がメモリーに保持される。ここでは、図
12のスタータSW検出手段による始動判断、特定気筒
を休止させた気筒休止運転すべきかどうかの判断、酸素
濃度のフィードバック制御を行うべきかどうかの判断、
制御条件が変化したときにこれを記憶させる学習を行う
べきかどうかの判断、失火制御をさせるエンジンの過剰
回転、オーバーヒート、オイル不足、DES検知手段に
より分かるDES運転状態等のいずれかの状態にエンジ
ンがあるかの判断を行う。このような判断は、最初は始
動状態として判断され、以下のルーチンにおいて情報読
取り後は、読取ったセンサーからの検出情報や演算結果
等の各種情報に基づいて行われる。
【0094】次にステップS13において、ループ1の
ルーチンワークを行うかどうかの判別が行われる。YE
Sであれば、ステップS14に進みスイッチ情報の読み
込みが行われる。ここではE/Gストップスイッチ、メ
インスイッチおよびスタータスイッチからの情報が読取
られる。続いてステップS15において、ノックセンサ
ーおよびスロットルセンサーからの情報が読取られる。
このループ1による情報読み込みの終了後ステップS1
6に進み、ループ2のルーチンワークを行うかどうかが
判別される。
【0095】演算処理装置はハード的あるいはソフト的
に4ms間隔でループ1の処理用フラグ1を1にセット
し、8ms間隔でループ2の処理用フラグ2を1にセッ
トする。
【0096】ステップS13において、フラグ1をチェ
ックし1であればステップS14、ステップS15を実
施する。なお、ステップS14に進むと同時にフラグ1
はクリアされ0となる。ステップS13において、フラ
グ1が0であることが確認されると、ステップS16に
進み、フラグ2が1であるかをチェックする。フラグ2
が1であればステップS17に進むと同時にフラグ2は
クリアされ0となる。ステップS16でフラグ2が0で
ある場合はステップS12に戻る。
【0097】ステップS17においては、オイルレベル
の検出、シフトケーブルのテンションの検出、およびD
ES検出によるエンジン2機掛け運転状態のときに片側
のエンジンが異常運転をしているかどうかの検出が行わ
れる。さらにステップS18において、大気圧情報、吸
気温度情報、トリム角情報、エンジン温度情報、および
バッテリ電圧情報が読取られる。
【0098】次に、ステップS19において、失火制御
が行われる。これは、読み込んだ情報から、前記ステッ
プS12の運転状態判断において、過回転、オーバーヒ
ート、オイルエンプティ、DES等の異常状態が検出さ
れたときに、特定気筒の失火を行うように燃料制御する
ものである。次に、エンジンが回転しているかどうかの
判断およびオイルタンクのレベルセンサーからの情報に
基づいて、燃料ポンプおよびオイルポンプが駆動制御さ
れる(ステップS20)。これは、燃料については、エ
ンジンが回転中ならば燃料ポンプを駆動し、エンジン停
止中ならば燃料ポンプを停止し、オイルについては、オ
イルタンク内の量が少ないときにポンプを駆動してオイ
ルを補給するものである。
【0099】次に、ステップS21において、気筒休止
運転の判断を行う。これは、前述の運転状態判断ステッ
プS12において、所定の低負荷低回転状態のときに休
筒運転を行う判断をした場合に、演算処理のマップを選
択するための判別ステップである。休筒運転でなければ
通常の全気筒運転によるマップを用いて点火時期および
噴射時間の基本演算およびこれに対する気筒別の補正演
算を行う(ステップS22)。休筒運転状態であれば、
特定の気筒を休止した休筒運転用のマップを用いて点火
時期および噴射時間の演算および気筒別の補正演算を行
う(ステップS24)。
【0100】次に、ステップS23において、大気圧や
トリム角等の運転状態に応じて、基本の点火時期や燃料
噴射に対する補正値が演算される。続いて、ステップS
25において、酸素濃度のフィードバック制御に伴う補
正値が演算される。このとき、演算情報の学習判定とO
2センサーの活性化の判定が行われる。さらに、ステッ
プS26において、ノックセンサーからの検出信号に基
づいて、エンジンの焼き付き防止等のために制御量の補
正値が演算される。
【0101】次にステップS27において、基本の点火
時期および燃料噴射の制御量に対し補正値を加えて最適
な点火時期、噴射時間および噴射時期を演算する。これ
によりループ2のルーチンを終了し、元の運転状態判断
ステップS12に戻る。
【0102】図15はTDC割込みルーチンのフローを
示す。クランク軸には各気筒検出手段近傍を順次通過す
る時各気筒においてピストンが上死点にあることを知ら
せる信号を各気筒検出手段から出力させるマーカが固着
されている。TDC割込みとは、#1から#6までの気
筒検出手段による各気筒からのTDC信号の入力に基づ
き、随時メインルーチンに割込まれるルーチンである。
【0103】まず、信号が入力された気筒の番号を判定
する(ステップS28)。次にその気筒番号を前回の入
力信号の気筒番号と比較することにより、運転すべき回
転方向に対するエンジンの正逆回転を判定する(ステッ
プS29)。逆転していればエンジンを直ちに停止する
(ステップS33)。エンジンが正転していれば、例え
ば#1と#2の気筒間の時間間隔をカウントしてこれを
6倍することによりエンジン回転の周期を算出する(ス
テップS30)。続いてこの周期の逆数を演算すること
により、回転数を算出する(ステップS31)。この回
転数が予め定めた所定の回転数よりも小さいときには、
エンジンを停止する(ステップS32、33)。
【0104】次に、ステップS34において、入力され
たTDC割込み信号が特定の基準気筒#1からのものか
どうかが判別される。基準気筒#1からの信号であれ
ば、休筒運転状態かどうかが判別され(ステップS3
5)、休筒運転中であれば、休止すべき気筒のパターン
を変更すべきかどうかが判別され(ステップS37)、
パターンを切り替え(ステップS38)または切り替え
ずにそのままステップS39に進み、点火制御による休
筒運転情報をセットする。割込み信号が#1からでない
場合(ステップS34)あるいは休筒運転中でない場合
(ステップS35)には、そのまま、あるいは休筒情報
をクリアして(ステップS36)ステップS39に進
み、点火制御による休筒運転情報をセットする。この点
火休筒情報に基づき点火すべき気筒の点火パルスをセッ
トする(ステップS40)。
【0105】この点火パルスセットの詳細を図16に示
す。演算により求められる点火時期は、V型6気筒エン
ジンにおいて、TDCより60度前のクランク角すなわ
ち基準に何度になるかに換算され、0.8で割ってパル
ス数にまるめられる。60度前にTDCとなる気筒のT
DC信号が入力されると、点火出力手段218を構成す
るタイマーにまるめられたパルス数のデータが保持され
ると同時に、以降クランク角検出手段からのパルスがタ
イマーに届くごとに、保持するパルス数を1づつ減じて
いき、保持パルス数が0となると、点火出力手段218
が点火プラグ19をスパークさせる。
【0106】本実施例は、図1に示したように、6気筒
のV型2バンク型式のエンジンを対象とし、奇数番号の
気筒(#1、3、5)を左バンクに配設し、偶数番号の
気筒(#2、4、6)を右バンクに配設している。これ
らの気筒をバンクごとに制御するために、バンクごとに
別のタイマーを有している。これらのタイマーに点火時
期に対応するクランク角パルス数をセットする場合、図
示したように、まず気筒番号が偶数か奇数かを判別し、
偶数か奇数かに応じてそれぞれ点火時期データを対応す
るバンクのタイマー(図では奇数バンクをタイマ3、偶
数バンクをタイマ4としている)にセットし、点火気筒
番号をセットする。
【0107】その後、点火制御において失火させる休止
気筒について燃料噴射制御における燃料噴射量を減少さ
せる気筒を燃料噴射制御による休筒情報としてセットし
(ステップS41)、該点火制御において失火させる休
止気筒について算出される燃料噴射の制御量より減少さ
せた燃料噴射量に対応する噴射時間と、その他の気筒に
ついて算出される燃料噴射の制御量に対応した噴射時間
に、それぞれ気筒ごとに対応した噴射パルスをセットす
る(ステップS42)。
【0108】前述のエンジン周期を計測する場合、1つ
の気筒からの入力信号(TDC信号)があると、これに
応じて図15のTDC割込みが行われるとともに、TD
C周期計測タイマーがTDC信号の入力時点で一定周波
数パルスのパルス数のカウントを開始し、次の気筒のT
DC信号が入力した時点でリセットされ次の気筒のカウ
ントを開始する。この場合、カウント値が所定値以上に
なると、オーバーフローとなりカウントがリセットされ
る。このオーバーフローが起きた時点、即ち、クランク
角60度の周期が所定以上の時間である低速回転である
ことが検知された時点でタイマーオーバーフロー割込み
が実行される。
【0109】図17は、このオーバーフロー割込みを示
す。オーバーフローが起きるとまずその回数を記憶する
とともに、エンジンの始動運転状態かどうかが判別され
る。始動状態の運転モードであればオーバーフローはエ
ンジン回転が低いためであり、そのまま運転を続ける。
始動モードでない場合には、TDC信号のパルスが抜け
た、即ち何等かのトラブルによりTDC信号パルスが伝
えられなかったためのオーバーフローかどうかが判別さ
れ、パルス抜けのない正常な信号伝達によるオーバーフ
ロー検出であればエンジンが低回転であるためエンジン
を停止する。パルス抜けがあった場合には、オーバーフ
ロー検出が2回目かどうかが判別され、2回目となった
場合も回転が低すぎるとしてエンジンを停止する。これ
により、低回転において信号発信系統に異常があるとき
には必ずエンジン停止することとなる。
【0110】図18は、各気筒の点火タイミングを設定
するための前述の各バンクに対応したタイマー3、4の
割込みルーチンを示す。エンジン回転信号(TDC信
号)が各気筒から入力されるとこのタイマー3、4の割
込みが行われる。まず、エンジンが所定の低回転以下の
状態のために点火休筒運転を行うかどうかの休筒情報お
よびオーバーヒートあるいはオーバーレボ(過回転)検
出により点火を失火させるかどうかの失火情報を読み込
む。この後気筒番号に応じたタイマー3あるいは4に点
火タイミングに応じたタイマー値をセットする。その後
休筒情報あるいは失火情報により失火させる場合には、
点火処理のルーチンは行わないためタイマーで設定され
たタイミングになっても点火プラグへの放電はさせない
ようにしてメインフローに戻る。失火させない場合に
は、点火すべき気筒の番号を読み込み、タイマーで設定
されたタイミングでその気筒の点火駆動回路の点火出力
ポートからパルス(HI)を出力して点火プラグを放電
させる。点火時間はパルス幅に対応しタイマにより設定
される。このタイマによる所定の点火時間が経過後点火
出力ポートからの信号はLOWとなり点火プラグの放電
が終了する。
【0111】以上が本発明が適用される船外機エンジン
の機構上の構成および制御系全体のシステム構成および
その作用のフローである。
【0112】本発明は前述のように、多気筒内燃機関の
点火時期や燃料噴射量を制御する場合において、各気筒
の制御量の演算を効率的に行い、演算の高速化を図ると
ともに応答性を高めた多気筒内燃機関の制御量演算方法
の提供を目的とする。
【0113】このような本発明の実施例について、図1
9〜図21を参照して以下にさらに説明する。この実施
例は、前述の船外機用6気筒V型バンクエンジンの気筒
#1〜#6の点火時期制御を行う例を示すものである。
【0114】図19は、3次元マップの概念を表す説明
図である。この図は、回転数データNとスロットル開度
データθTHに基づき、基準気筒#1の点火時期の基本制
御量θADBを演算するマップを表している。基準気筒の
設定は、この例では、O2センサを備えた#1気筒とし
たが、左右各バンクで排気ガスにより温度が最も高くな
る一番下の気筒(#3または#6気筒)あるいは中間の
気筒(#2または#5)等を制御の目的等に応じて適宜
選択することができる。N軸に沿った多数のエンジン回
転数データとθTH軸に沿った多数のスロットル開度デー
タの交点に#1気筒の点火時期の基本制御量θADBが基
準となる基本演算マップとして予め不揮発性メモリ(図
12参照)に書込まれている。このような3次元基本マ
ップは、基準気筒#1の点火時期を広い範囲のスロット
ル開度およびエンジン回転数の範囲で高精度に制御する
ために詳細な多数のデータをプロットして精密な3次元
データ群により構成されている。
【0115】図20は、上記3次元基本マップにより演
算した基本点火時期の制御量θADBに対しエンジン回転
数に基づいて各気筒(#1〜#6)に対応して補正演算
を行うための補正マップの例を示す。この例は、エンジ
ン回転数Nに基づいて、基準気筒#1の基本制御量θAD
Bに対する各気筒#1〜#6の補正量θADC1〜θADC6を
算出するための2次元マップを示すものである。エンジ
ン回転数Nに対応して、予め実験等により分かっている
基準気筒#1に対する基本制御量θADBに対する各気筒
#1〜#6の点火時期の相関関係に基づいて、エンジン
回転数に応じて基準気筒の基本制御量に対する補正量が
不揮発性メモリにマップとして書込まれている。このよ
うな2次元補正マップは、#1〜#6の各気筒に対応し
て準備されている。各補正マップは、図19の3次元基
本演算マップに比べデータ量は少なくてよい。このよう
な補正マップを用いて基準気筒#1の基本点火時期制御
量θADBに補正を加えることにより、各気筒ごとについ
て点火時期制御量が算出される。
【0116】この本願発明の実施例として図14のメイ
ンルーチンは、ステップS22及びステップS24にお
ける気筒別補正は抹消される。そして気筒別補正はステ
ップS39とステップS40との間に、下記する図21
(B)のステップS159からステップS161が挿入
され、ステップS40の替わりにステップS162が実
施されることにより達成される。
【0117】図21は、本実施例に係る点火時期制御量
の演算方法の一例を示すフローチャートであり、(A)
はメインルーチンにおけるフロー、(B)はTDC割込
みルーチンにおけるフローを示す。(A)に示すメイン
ルーチンのフローは、前述の図14で示したメインルー
チン内で行われるマップ演算ステップS22またはS2
4に対応するものであるが、本実施例においては、この
ステップS22またはS24における気筒別補正の演算
を図15に示したTDC割込みルーチン内で行ってい
る。即ち、メインルーチンにおいては、以下の(A)の
説明のように、基準気筒#1についての基本制御量を演
算し、この基本制御量に対する補正を含む各気筒別の制
御量の演算は、(B)の説明のようにTDC割込みルー
チン内で行われる。
【0118】まず、図21(A)を参照して、メインル
ーチンにおける基準気筒#1についての基本制御量の演
算処理について説明する。
【0119】まずステップS150で、揮発性メモリ内
に書込まれている最新のスロットル開度情報θTHを読込
む。このスロットル開度情報は、メインルーチンのステ
ップS15において、スロットル開度検出手段からの検
出情報を読取って揮発性メモリに書込んだデータであ
る。次に、ステップS151において、エンジン回転数
情報Nを読み出す。このエンジン回転数情報Nは、前述
のように(本実施例でも同様に)TDC割込みルーチン
(図15)において算出され揮発性メモリ内に書込まれ
たデータである。
【0120】次に、ステップS152において、これら
の各情報θTHおよびNに基づいて、基準気筒#1につい
ての点火時期の基本制御量θADBを、前記図19で説明
したように3次元マップを用いて算出する。続いて、ス
テップS153において、エンジン温度情報Twが読み
出される。このエンジン温度情報Twは、メインルーチ
ンのステップS18において、エンジン温度センサから
の検出情報を読取って揮発性メモリ内に書込まれた最新
のデータである。次に、このエンジン温度情報Twを含
みさらにトリム角情報、吸気温度情報、大気圧情報その
他の各種運転状態の検出情報に基づいて基準気筒の基本
制御量に対する補正量θADCが算出される(ステップS
154)。次にステップS155において、基本制御量
θADBに補正量θADCを加えて、θADB+θADCを算出する
ことにより、基準気筒#1についての点火時期の制御量
θADが得られる。
【0121】この基本点火時期制御量θADのデータは揮
発性メモリ内に保存される。
【0122】次に図21(B)を参照して本実施例に係
るTDC割込みルーチンについて説明する。この割込み
ルーチンは、前述のように、各気筒からのTDC信号の
入力をトリガとして、メインルーチンに割込んで実行さ
れるルーチンである。まず、クランク角に対応して気筒
検出手段(図12)のいずれかから、その気筒について
のTDC信号が入力されると、どの番号の気筒検出手段
からの信号かにより直ちに気筒番号が判別される(ステ
ップS156)。続いて、このTDC信号の時間間隔を
計測することにより、クランク軸の周期を算出する(ス
テップS157)。続いて、この周期に基づいてエンジ
ン回転数Nが算出される(ステップS158)。このエ
ンジン回転数Nのデータは、RAM等の揮発性メモリ内
に保存され、前述のメインルーチンにおける基準気筒#
1の基本点火時期制御量の演算処理に際し読み出される
(図21(A)のステップS151)。
【0123】次に、ステップS159において、点火出
力気筒番号mが算出される。これは、前述の図15で説
明したように、TDC割込みで行われるタイマーセット
すべき点火気筒の番号を算出するものである。即ち、T
DC信号の入力により気筒に応じたタイマがカウントダ
ウンを開始し、カウントゼロでタイマ割込みルーチンが
行われ、このタイマ割込みルーチンにおいて点火すべき
気筒の出力ポートに駆動パルス信号が送られ点火プラグ
がスパークする。この点火すべき気筒は、TDC信号の
気筒より所定の数だけ後の番号の気筒であり、TDC割
込みルーチン内でその気筒の点火時期データに対応した
カウント値がタイマにセットされる。上記ステップS1
59では、この点火時期データをセットすべき点火気筒
の番号をTDC信号の気筒番号から判別する。
【0124】次に、ステップS160において、ステッ
プS159で求めた点火出力すべき気筒の補正値を演算
する。これは、上記ステップS158で算出したエンジ
ン回転数Nのデータに基づいて、基本点火時期制御量に
対する補正値を前述の図20に示した補正マップを用い
て演算するものである。即ち、前述のように、メインル
ーチンにおいて、基準気筒#1についての基本点火時期
制御量θADが既に算出されメモリに格納されている(ス
テップS155)。このステップS160においては、
この点火時期データθADを読み出して、基準気筒#1を
含めて点火出力すべき気筒番号#1〜#6に応じて、こ
の割込みルーチンのステップS158で算出した最新の
エンジン回転数データNに基づいて、基本点火時期デー
タθADに対する補正値を算出するものである。
【0125】続いて、ステップS161において、基本
点火時期データθADに補正値θADCmを加えて、点火出力
すべき気筒の点火時期制御量データθADmを算出する。
なお、mは1〜6である。次に、この点火時期制御量デ
ータθADmが点火クランク角に対応したカウント値とし
て点火すべき気筒に対応したタイマにセットされる(ス
テップS162)。このように点火時期データがセット
されたタイマは、所定のTDC信号の入力をトリガとし
てカウントが開始される。セットされたカウント値に達
した時点でタイマ割込みが発生し点火系に駆動パルスが
送られその気筒の点火プラグがスパークする。
【0126】なお、上記実施例では、補正マップ(図2
0)はエンジン回転数Nのみに基づくデータ量の少ない
2次元マップを用いて演算したが、さらにスロットル開
度情報も考慮した3次元マップを用いて補正演算を行っ
てもよい。この場合においても、#1気筒用の基本3次
元マップ(図19)に比べ、少ないデータの補正3次元
マップを用いて演算処理を行い、高精度の制御量が短時
間で演算される。
【0127】また、上記実施例では、点火時期制御につ
いてのみ説明したが、燃料噴射量についても同様に基準
気筒#1の基本制御量を精密なマップ演算で最初に求
め、この基本制御量に対し、TDC割込みルーチン内
で、そのTDC信号に応じて噴射すべき気筒#1〜#6
のいずれかについて補正マップ演算を行って気筒別燃料
噴射量を求めることもできる。
【0128】なお、基準気筒の吸気マニホールド24の
スロットル弁25の下流側に配置される吸気温センサー
32の近傍に吸気負圧センサーを配置し(図3参照)、
図19のθTHの替わりに吸気負圧を用いた基本制御量マ
ップを不揮発メモリに記憶させる一方、図14のステッ
プS15で実施されるセンサ情報読込み1においてスロ
ットルセンサ情報の替わりに吸気負圧情報を読込み、図
21(A)の基本点火時期θADB算出を、上記吸気負圧
を用いた基本制御量マップを用いて演算させるようにし
ても良い。
【0129】また、吸気マニホールド24のスロットル
弁25の下流側に抵抗線、カルマン渦カウンター等によ
る空気量検知装置を配置し時間当たりの空気量を算出す
るか、クランク室31に圧力センサーを配置し、最大圧
力と最小圧力の差圧から時間当たりの空気量を算出する
ようにしても良い。この場合は、図19のθTHの替わり
に時間当たりの空気量を用いた基本制御量マップを不揮
発メモリに記憶させる一方、図14のステップS15で
実施されるセンサ情報読込み1においてスロットルセン
サ情報の替わりに空気量情報を読込み、図21の基本点
火時期θADB算出を、上記空気量を用いた基本制御量マ
ップを用いて演算させるようにしても良い。なお、燃料
噴射量は空気量に基づく2次元マップに基づいて算出す
るようにしても良い。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、多気
筒内燃機関において、基準気筒を定めて、この基準気筒
に対しメインルーチン内で基本制御量を高精度のマップ
演算により求め、この基準の基本制御量に対しTDC割
込みルーチン内で補正値を演算して、各気筒の制御量を
求めている。従って、TDC割込みルーチンで算出され
る最新のデータに基づいて各気筒の補正値が算出される
ため、応答性の向上が図られる。また、データ量の少な
い補正マップを用いて短い処理時間で効率よく高精度の
制御量の演算が行われるため、演算処理の高速化が図ら
れるとともに、演算に必要なマップを記憶するメモリ容
量の低下によりコストの低減を図ることができ、かつ補
正マップの構成を各種データに基づいて変更することに
より、演算処理プログラム作成の自由度を高めることが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される船外機の要部構成図であ
る。
【図2】 図1のエンジンの平面図である。
【図3】 図1の船外機の燃料系統を含む構成図であ
る。
【図4】 図1の船外機の側面外観図である。
【図5】 図1のエンジンの左バンクの詳細図である。
【図6】 図1のエンジンの排気通路の説明図である。
【図7】 図1のエンジンの吸気系を含む構成図であ
る。
【図8】 図1のエンジン制御に用いる排気センサーの
構成図である。
【図9】 排気センサーの別の取付け例の説明図であ
る。
【図10】 船外機プロペラ軸への伝達機構の構成図で
ある。
【図11】 船外機のシフト機構の要部構成図である。
【図12】 本発明実施例に係るシステムブロック図で
ある。
【図13】 本発明実施例に係る制御手段のブロック図
である。
【図14】 本発明実施例に係るメインルーチンのフロ
ー図である。
【図15】 図14のメインルーチンにおけるTDC割
込みのフロー図である。
【図16】 図16の点火パルスセットの詳細フロー図
である。
【図17】 図14のルーチンにおけるタイマーオーバ
ーフローの詳細フロー図である。
【図18】 図14のルーチンにおける点火時期制御用
タイマーの割込みフロー図である。
【図19】 本発明の実施例に係る基準気筒の基本点火
時期制御量を演算するための3次元マップの概念図であ
る。
【図20】 本発明の実施例に係る気筒別補正マップの
説明図である。
【図21】 本発明の実施例に係る点火時期制御方法の
フロー図である。
【符号の説明】
1:エンジン 2:左バンク 3:右バンク 4:シリンダ本体 5:排気ポート 6:排気管 7:カウリング 8:アッパーケーシング 9:ロアケーシング 13:主排気口 14:排気センサー 21:クランク軸 25:スロットル弁 26:インジェクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02P 5/152 G05B 19/02 T 5/153 F02P 5/15 D G05B 19/02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演算処置装置内に予め組込まれたプログ
    ラムに従って、メモリに書込まれた負荷情報及びエンジ
    ン回転数情報、あるいは時間当たりの空気量情報、ある
    いは負荷情報及びエンジン回転数情報により算出される
    時間当たりの空気量情報、あるいは時間当たりの空気量
    情報及びエンジン回転数情報、を含む運転検知状態検出
    情報に基づいて複数の気筒の各気筒についてそれぞれ制
    御量を算出する多気筒内燃機関の制御量演算方法であっ
    て、 上記プログラムは、上記各種運転状態情報をメモリから
    読み出して制御量を演算するメインルーチンと、所定の
    クランク角に対応して各気筒ごとに入力される気筒検出
    信号により上記メインルーチンに割込む割込みルーチン
    とからなり、 上記複数の気筒の内1つを基準気筒として定め、この基
    準気筒の制御量を演算してこれを基本制御量とし、この
    基本制御量に対し各気筒に対応して補正演算を行って各
    気筒別の制御量を算出する演算方法であって、 上記基本制御量の演算を上記メインルーチン内で行い、
    上記気筒別の補正演算を上記割込みルーチン内で行うこ
    とを特徴とする多気筒内燃機関の制御量演算方法。
  2. 【請求項2】 上記割込みルーチンにおいて、上記気筒
    検出信号に基づいてエンジン回転数を算出するととも
    に、このエンジン回転数に基づいて各気筒ごとの補正値
    を算出して上記補正演算を行うことを特徴とする請求項
    1に記載の多気筒内燃機関の制御量演算方法。
  3. 【請求項3】 所定のクランク角に対応して複数の気筒
    の各気筒ごとに検出信号を発する気筒検出手段と、 スロットル開度検出手段を含む各種運転状態検出手段
    と、 上記スロットル開度情報および各種運転状態情報を記憶
    するメモリと、 上記気筒検出手段が接続され、予め定めたプログラムを
    組込んだ演算処理装置とからなり、 この演算処理装置は、上記各気筒からの気筒検出信号に
    基づいてエンジン回転数を算出するエンジン回転数算出
    手段と、上記各種運転状態検出手段からの検出情報に基
    づいて各気筒ごとの制御量を算出する制御量算出手段と
    を有し、 上記プログラムは、上記スロットル開度情報および各種
    運転状態情報をメモリから読み出して制御量を演算する
    メインルーチンと、所定のクランク角に対応して各気筒
    ごとに入力される気筒検出信号により上記メインルーチ
    ンに割込む割込みルーチンとからなり、 上記複数の気筒の内1つを基準気筒として定め、この基
    準気筒の制御量を演算してこれを基本制御量とし、この
    基本制御量に対し各気筒に対応して補正演算を行って各
    気筒別の制御量を算出するように構成し、 上記基本制御量の演算を上記メインルーチン内で行い、
    上記気筒別の補正演算を上記割込みルーチン内で行うよ
    うに構成したことを特徴とする多気筒内燃機関の制御量
    演算装置。
  4. 【請求項4】 複数の気筒と、 所定のクランク角に対応して上記複数の気筒の各気筒ご
    とに検出信号を発する気筒検出手段と、 スロットル開度検出手段を含む各種運転状態検出手段
    と、 上記スロットル開度情報および各種運転状態情報を記憶
    するメモリと、 上記気筒検出手段が接続され、予め定めたプログラムを
    組込んだ演算処理装置とからなり、 この演算処理装置は、上記各気筒からの気筒検出信号に
    基づいてエンジン回転数を算出するエンジン回転数算出
    手段と、上記各種運転状態検出手段からの検出情報に基
    づいて各気筒ごとの制御量を算出する制御量算出手段と
    を有し、 上記プログラムは、上記スロットル開度情報および各種
    運転状態情報をメモリから読み出して制御量を演算する
    メインルーチンと、所定のクランク角に対応して各気筒
    ごとに入力される気筒検出信号により上記メインルーチ
    ンに割込む割込みルーチンとからなり、 上記複数の気筒の内1つを基準気筒として定め、この基
    準気筒の制御量を演算してこれを基本制御量とし、この
    基本制御量に対し各気筒に対応して補正演算を行って各
    気筒別の制御量を算出するように構成し、 上記基本制御量の演算を上記メインルーチン内で行い、
    上記気筒別の補正演算を上記割込みルーチン内で行うよ
    うに構成したことを特徴とする多気筒内燃機関。
  5. 【請求項5】 上記内燃機関は各気筒ごとに燃料供給装
    置を配置したものであって、上記制御量は気筒ごとの燃
    料供給量であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の多気筒内燃機関の制御方法。
  6. 【請求項6】 上記内燃機関は各気筒ごとに複数の燃料
    供給装置と点火プラグを配置したものであって、上記制
    御量は気筒ごとの燃料供給量及び点火時期であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の多気筒内燃機関の
    制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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