JPH08246277A - 異収縮混繊糸 - Google Patents

異収縮混繊糸

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JPH08246277A
JPH08246277A JP5226995A JP5226995A JPH08246277A JP H08246277 A JPH08246277 A JP H08246277A JP 5226995 A JP5226995 A JP 5226995A JP 5226995 A JP5226995 A JP 5226995A JP H08246277 A JPH08246277 A JP H08246277A
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JP
Japan
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yarn
shrinkage
mixed
yarns
segment
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JP5226995A
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Norimichi Nagaoka
徳恭 長岡
Seiji Morita
精次 森田
Yoshiaki Sato
慶明 佐藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 低収縮成分である分割型複合糸と高収縮糸か
ら構成される異収縮混繊糸において、該分割型複合糸の
被分割セグメントの繊度が0.05〜0.5d、該高収
縮糸の単糸繊度が4〜10dであり、分割型複合糸が異
収縮混繊糸のより外側に高収縮糸がより内側に配列して
なり、該分割型複合糸のフィラメント数が該高収縮糸の
フィラメント数の4倍以上で、5〜80個/mの交絡数
を有し、かつ該被分割セグメント数が該高収縮糸のフィ
ラメント数の20倍以上であることを特徴とする異収縮
混繊糸。 【効果】 本発明の異収縮混繊糸は、織編物として極め
てソフトで染めイラツキ等の欠点がなく緻密感があり、
膨らみ、腰、反発性およびドレープ性等を兼ね備えた高
級感に富む織編物となる。また該混繊糸を構成するポリ
マ配列の高度化や高収縮糸の断面形状の高異型化によ
り、一層ソフトでかつさらっとした特有の風合等を備え
た高品位・高品質の織編物となる等、顕著な効果を奏す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は異収縮混繊糸に関するも
のである。詳しくは低収縮糸と高収縮糸とから構成さ
れ、低収縮糸は分割型複合糸であり、その分割型複合糸
の被分割セグメントが超極細かつ多セグメントである。
この異収縮混繊糸を用いて織編物となした際に、ソフト
感に富み、膨らみ、張り、腰およびドレープ感を有し、
かつ製織編性の安定した織編物が得られる異収縮混繊糸
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低収縮糸と高収縮糸を混繊した異収縮混
繊糸は、織編物となした後に熱処理すると、収縮率の差
による糸長差を発現して、膨らみを呈し、さらにドレー
プ感を有した織編物を得ることができるため、高級織編
物として広く活用されている。また織編物の用途により
要求される特徴に対応するため混繊糸を構成する低収縮
糸と高収縮糸について種々の繊度、フィラメント数、断
面形状、ポリマーさらには添加剤など多種多様なものが
用いられてきている。
【0003】かかる異収縮混繊糸に関しては、特開平2
−19528号公報や特開平3−59130号公報など
に低収縮糸と高収縮糸の収縮差を大きくすることにより
膨らみやドレープ感を有する織編物を得ることのできる
混繊糸について提案した。しかし、繊度構成において通
常衣料用フィラメントに用いられる1〜3d程度のもの
であり、ソフト感に富んだ緻密感のある風合を得ること
ができなかった。
【0004】また特公昭61−19730号公報には、
低収縮糸に1d未満、高収縮糸に1〜3dという繊度構
成の混繊糸が開示されているが、高収縮糸の繊度が小さ
く、織編物となした際、張り・腰に乏しいという欠点が
ある。さらに特公昭61−40778号公報には、低収
縮糸に極細繊度、高収縮糸に太繊度という繊度構成の混
繊糸を用いて織編物となした後起毛処理をするという技
術が開示されている。ここで低収縮糸を分割型複合糸と
しても良いとの記載があるが、該公報の極細繊度糸のフ
ィラメント数は太繊度糸のフィラメント数の2倍という
例が記載されているのみであって、フィラメント数比が
2倍程度では、それぞれの繊度糸が群を形成してしまう
ため、ソフト感もまったく不充分なものである。また繊
度差により大きな染差が発現し、強いイラツキが生じて
しまう欠点がある。
【0005】さらに特開昭52−91962号公報には
極細繊度の島成分をもつ海島型複合糸を収縮差を付与し
て混繊し、織物となした後、海成分を除去するという技
術が開示されているが、この様な織物ではソフト感が非
常に強く、特殊な用途にしか用いることができない欠点
がある。
【0006】このように従来の技術では、織編物となし
た際に充分にソフト感を有し緻密感があり、かつ膨ら
み、張り・腰さらにドレープ感といった風合とイラツキ
のない高い外観品位のすべてを同時に満足するような織
編物は未だ得られていないのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点を解消し、ソフト感に富み、緻密感を有し、張
り、腰およびドレープ感は勿論のこと、イラツキのない
外観品位また製織、製編時の安定した工程安定性、これ
らすべてを同時に満足することができる織編物用として
の異収縮混繊糸を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
手段により達成できる。すなわち低収縮糸と高収縮糸と
からなる異収縮混繊糸において、低収縮糸は分割型複合
糸でかつ分割後のセグメントの繊度が0.05〜0.5
d、高収縮糸の単糸繊度が4〜10dであり、分割型複
合糸が異収縮混繊糸のより外側に、高収縮糸がより内側
に配列してなり、低収縮糸と高収縮糸を構成するそれぞ
れのフィラメントが相互に交絡し5〜80個/mの交絡
数を有し、かつ低収縮糸と高収縮糸のフィラメント数が
次式(1),(2)を同時に満足することを特徴とする
異収縮混繊糸により達成できる。 BF ≧ 4KF … (1) BS ≧20KF … (2) (但し、式中BFは低収縮糸のフィラメント数、KFは
高収縮糸のフィラメント数、BSは低収縮糸の分割後の
セグメント数を表わす。)
【0009】以下、本発明の構成の詳細を説明する。本
発明である異収縮混繊糸は低収縮糸と高収縮糸より構成
され、かつ低収縮糸が分割型複合糸であることを特徴と
している。ここでいう分割型複合糸とは分割成分ポリマ
ーによって被分割成分ポリマーが複数の分割セグメント
に分割された断面形状をもつ複合糸である。この分割型
複合糸に使用するポリマーは、分割成分ポリマーについ
ては分割処理を実施するという観点より易溶出性ポリマ
ーが好ましいが被分割成分ポリマーとの分割処理時の溶
出速度を有するものであれば良い。また分割型複合糸の
断面形状は分割セグメントを安定して超極細繊維とする
観点より海島型複合糸が好ましい。図1は海島型複合糸
の断面形状の1具体例を示す(但し図1において1は被
分割成分ポリマーを、2は分割成分ポリマーを示
す。)。
【0010】被分割成分ポリマーが形成する分割セグメ
ントの繊度は0.05〜0.5dであることが必要であ
る。分割処理後の分割セグメントは製織、製編した際、
織編物の表面を形成し、その織編物の風合、外観を決定
するものであり、その繊度はソフト感、緻密感を発現さ
せるものであり、0.05d以上0.5d以下が必要で
あり、好ましくは0.06d以上0.4d以下である 異収縮混繊糸を構成するもう一方の高収縮糸の単糸繊度
は4〜10dであることが必要である。この異収縮混繊
糸からなる織編物に十分な張り・腰、反発性を付与する
ためには高収縮糸の単糸繊度は4d以上が必要であり、
好ましく5d以上であることが必要である。一方、その
単糸繊度が大きくなり過ぎると織編物が粗硬な風合とな
り、豊かなソフト感を得ることができないため、その単
糸繊度は10d以下が必須であり、好ましくは9d以下
である。またその断面形状については丸、三角その他の
異形断面などがあげられるが三角断面であると、これを
用いてなる織編物に特有のキシミ感が発現して好まし
い。さらに、その表面に糸長手方向に連続した凹部を持
つことにより上記キシミ感がより好ましくなることに加
え、吸水性の機能を合せ持つこととなり、特に好まし
い。なおこの凹部は、易溶出成分を複合した後溶出処理
を実施することにより形成することができる。
【0011】低収縮糸である分割型複合糸のフィラメン
ト数(BF数)は高収縮糸のフィラメント数(KF数)
の4倍以上で、かつ分割後のセグメント数(BS数)が
前述KF数の20倍以上であることが必要である。BF
数およびBS数が小さくなるほど分割処理後のセグメン
トが織編物において表面に現われる比率(表面形成比
率)が低下し、織編物のソフト感や緻密感が低下する。
よって織編物のソフト感、緻密感を向上させ、同時に染
めイラツキ防止のため、BF数はKF数の4倍以上が必
要で、好ましくは5倍以上、かつBS数はKF数の20
倍以上が必要で、好ましくは25倍以上である。
【0012】異収縮混繊糸を構成する低収縮糸と高収縮
糸との沸水収縮率の差は、織編物の膨らみを発現させる
ために5%以上あることが好ましく、7%以上あること
がより好ましい。さらに織編物となした際、十分な膨ら
みを発現させるためには、高収縮糸の沸水収縮率を15
%以上、低収縮糸の沸水収縮率を10%以下とし、かつ
収縮率の差を7%以上であることがより好ましい。
【0013】次に本発明の異収縮混繊糸において、低収
縮糸である分割型複合糸は混繊糸のより外側に、高収縮
糸はより内側に配列することが必要である。本発明の低
収縮糸は分割処理し最終的には0.05d〜0.5dの
極細糸となり、該極細糸が織編物の表面に位置すること
によりソフト感、緻密感、微毛感等の好ましい風合を、
一方の高収縮糸は混繊糸の内側に位置することが必要で
張り・腰、反発性等の好ましい特性を与える役割を担っ
ている。かつ高収縮糸と低収縮糸では染差が異なりラン
ダムな混繊では染着差に起因したイラツキが目立ち製品
品位として劣り好ましくない。従って低収縮糸は混繊糸
のより外側に、高収縮糸は内側に配列することが必要
で、これは後述する複合口金の吐出孔配列を高収縮糸は
中央部分に、周辺部分に分割型複合糸を配置することに
よっても得られる。類似した製品を得る方法として高収
縮糸と低収縮糸を別々に紡糸、別々に延伸して後工程で
混繊する方法もあるが、別々に延伸するとドローツイス
ターでの撚りが入り、これが高収縮糸、低収縮糸それぞ
れが個々に撚りが入ることになり本発明の高収縮糸が混
繊糸のより内側、低収縮糸がより外側に配置することが
なりにくく好ましくない。
【0014】収縮差を有する高収縮糸と低収縮糸を混繊
した異収縮混繊糸は、その収縮差を有するがゆえに、タ
ルミを発現しやすく、製織、製編時の工程通過性の低下
を引き起こす一因となる。これを防止するために、該混
繊糸は低収縮糸と高収縮糸を構成するそれぞれのフィラ
メントが相互に交絡している必要がある。相互に交絡と
は、低収縮糸と高収縮糸は単独で撚りの入っていないこ
とが必要であり、これは低収縮糸と高収縮糸の各未延伸
糸の延伸時の混繊交絡、紡糸時混繊糸の延伸交絡などが
あるが、口金時混繊糸を延伸交絡するのが最も好まし
い。交絡数は5個/m〜80個/mが必要で、好ましく
は5個/m〜70個/mである。交絡数が80個/mを
越えると、これを用いてからなる織編物が粗硬な風合と
なり好ましくない。一方交絡数が5個/m未満となる
と、工程通過性が低下する。
【0015】異収縮混繊糸を構成する高収縮糸と低収縮
糸のうち、高収縮糸に用いるポリマーはポリエステルや
ポリアミドなどが用いられるが、ポリエステルが好まし
く、第3成分を共重合させた共重合ポリエステルがより
好ましい。この第3成分には例えばシュウ酸、フタル
酸、イソフタル酸などのジカルボン酸類、ジエチルグリ
コール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類、
ビスフェノールAやビスフェノールスルフォンなどがあ
るが、製糸性や収縮の発現性などからイソフタル酸やビ
スフェノールAが好ましい。この第3成分の共重合量
は、収縮の発現性を十分付与するために2モル%以上が
好ましい。一方共重合量が多くなりすぎると、織編物と
なした際、粗硬な風合となりやすく、20モル%以下と
することが好ましい。
【0016】また低収縮糸に用いるポリマーは、被分割
成分ポリマにはポリエステルが好ましい。一方分割成分
ポリマには織編物となした時、一般的にポリエステル織
編物の溶解処理として広くアルカリ処理が活用されてい
ることから、アルカリ易溶解性ポリエステルが好まし
い。このアルカリ易溶解性ポリエステルには、例えばポ
リエステルとポリアルキレングリコール類の共重合体も
しくはブレンド体、アニオン系界面活性剤を添加したポ
リエステル、金属スルフォネート基を含有したポリエス
テル、あるいはポリエステルと金属スルフォネート基含
有ポリエステルとのブレンド体などがあるが、このうち
金属スルフォネート基含有ポリエステル、具体的には5
−ソジウムスルフォイソフタレートおよびエチレンテレ
フタレートからなる共重合ポリエステルが非常に好まし
い。また易溶出性ポリマーとして熱水可溶性ポリエステ
ル、例えば5−ソジウムスルフォイソフタレート、イソ
フタル酸およびエチレンテレフタレートからなる共重合
ポリエステルを用いると溶解処理時の諸制約が著しく減
少し、特に混繊糸の溶解処理による強度低下が抑制され
非常に好ましい。
【0017】低収縮糸の分割セグメントおよび/または
高収縮糸を構成するポリマーには艶消し剤を添加すると
ドライ感に豊んだ風合の織編物が得られ、さらにはスケ
防止効果もあり非常に好ましい。艶消し剤の添加量につ
いてはドライ感やスケ防止効果を発現させるために1.
2重量%以上が好ましく、さらには1.4重量%以上が
好ましい。一方、製糸性の悪化や原糸強度低下による品
位低下を防ぐため、艶消し剤の添加量は10重量%以下
であることが好ましく、4重量%以下がさらに好まし
い。この艶消し剤には例えば酸化チタン、酸化ジルコニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化アンチモ
ン、酸化亜鉛、炭酸カルシウムなどがあるが、分散性や
安定性、価格などより酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜
鉛、および炭酸カルシウムなどが非常に好ましい。
【0018】本発明における異収縮混繊糸は、細繊度の
分割型複合糸が異収縮混繊糸のより外側に、太繊度の高
収縮糸がより内側に分布していることが、分割セグメン
トの細繊度の効果を十分発揮させる点および染めイラツ
キを軽減させる点等から必要である。このような混繊糸
の配列とするためには、後述する紡糸方法の如く分割型
複合糸と高収縮糸を同時に紡糸する方式が好ましく、さ
らに一つの口金装置において分割型複合糸の吐出孔をよ
り外側に、高収縮糸の吐出孔をより内側に配列させて紡
糸する方式がより好ましい。前記したが高収縮糸と低収
縮糸とが各々別々に紡糸し延伸され、実撚りの入った延
伸糸同士を後工程で混繊する方法は混繊糸のそれぞれの
役割効果を十分発揮しにくく、更には染めイラツキを十
分軽減されず好ましくない。次に、本発明の異収縮混繊
糸における分割型複合糸と複合高収縮糸を同時に紡糸す
る口金装置について、図3を参照しながら説明する。図
3に示す口金装置は上板11と下板12の2枚のプレー
トで構成され、左側半分が図1に示す如き海島型の分割
型複合糸用であり、右側半分が図2の如き三葉断面複合
高収縮糸用である。
【0019】先ず、海島型の分割型複合糸の複合紡糸部
分を説明する。被分割セグメント用成分ポリマAは導入
孔13、上板吐出孔14から開孔部17に導入される。
導入孔13、上板吐出孔14の孔数が被分割セグメント
(島)の数に対応する。分割成分ポリマBはポリマ溜1
5から突起部16を経て開孔部17に導入され、ここで
海島型の複合流を形成させて、吐出孔18より海島型の
分割型複合糸として吐出させる。
【0020】次に、三葉断面複合高収縮糸の複合紡糸部
分を説明する。高異型セグメント用成分ポリマCは開孔
部19、上板吐出孔20から開孔部24に導入される。
一方の先細り状セグメント用成分ポリマDはポリマ溜2
1から突起部22上の溝23を経て開孔部24に導入さ
れ、ここで複合流を形成させ吐出孔25から三葉断面複
合高収縮糸として吐出させる。上板吐出孔20、溝23
および吐出孔25の好ましい形状をそれぞれ図4〜6に
示した。なお、被分割セグメント用成分ポリマAと分割
成分ポリマBは仕切板26で区切ってあり、高異型セグ
メント用成分ポリマCと先細り状セグメント用成分ポリ
マDは仕切板27で区切ってある。
【0021】本発明の異収縮混繊糸は、製編織や染色仕
上して織編物とするが、その混繊糸は織編物の経糸また
は緯糸の少なくとも一方に用いることが好ましく、本発
明の効果を十分発揮させるためには経糸緯糸の全てに使
用するのがより好ましい。また織編物はその表面積の5
0%以上を該混繊糸で構成させるものが好ましく、表面
の全てを構成させるものがより好ましい。さらに該混繊
糸は本発明の効果を妨げない範囲で撚糸などの糸加工を
施すことができるのは勿論である。
【0022】そして、該混繊糸における易溶解成分ポリ
マは、通常の溶解処理を行うが、その処理は製編織後に
おいて行うのが最も効率的であり、また収縮差を発現さ
せる上でも効率的である。むろん、混繊糸のまま易溶解
成分の溶解処理を行うこともできる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 被分割セグメント用成分ポリマAとしてTiO2 を2.
0重量%添加したポリエチレンテレフタレート(固有粘
度0.65)、分割成分ポリマBおよび先細り状セグメ
ント用成分ポリマDとして5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸を13モル%、イソフタル酸を25モル%共重合
したポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.6
3)、高異型セグメント用成分Cとしてイソフタル酸を
10モル%共重合し、TiO2 を2.0重量%添加した
ポリエチレンテレフタレートをそれぞれ用意した。
【0024】図3〜6に示す複合口金を使用し、成分ポ
リマAと成分ポリマBからなる分割型複合糸と、成分ポ
リマCと成分ポリマDからなる複合高収縮糸を紡糸同時
混繊した。複合口金には中央部分に複合高収縮糸用吐出
孔を5個、周辺部分に分割型複合糸用吐出孔を36個配
置したものを用い、紡速1300m/minで紡糸し
た。成分ポリマAと成分ポリマBの比率は80/20
で、分割型複合糸の断面形状は図1に示す如きである。
一方、成分ポリマDと成分ポリマCの比率は20/80
で、複合高収縮糸の断面形状は図2の如きである。混繊
複合未延伸糸を800m/min、140℃で延伸し、
次いでエアー交絡ノズルにて交絡数が30個/mとなる
ようにエアー圧力を調整し異収縮混繊糸を得た。この時
の低収縮側は50D −36F の沸水収縮率9%の分割型
複合糸(フィラメント数=BF数36)と、高収縮側は
30D −5F の沸水収縮率18%の複合高収縮糸(フィ
ラメント数=KF数5)からなる異収縮混繊糸とした。
分割型複合糸の被分割セグメントの繊度は0.14d
(フィラメント数=BS数288)である。この混繊糸
は複合高収縮糸成分の方が相対的に中央側に分布してい
た。
【0025】上記の異収縮混繊糸に経糸、緯糸用ともに
200T/Mの撚りを施し、経緯使いで平織物とした。
その織物を98℃の熱水で成分ポリマBおよび成分ポリ
マDを溶解除去すると共に、収縮差を発現させ、次いで
180℃で乾熱処理してさらに収縮差を発現させ、通常
どおりポリエステル織物の染色仕上げを施した。
【0026】得られた平織物はソフトで緻密感に優れ、
膨らみ、腰、反発性およびドレープ性が良好であり、し
かもさらっとし、かつ特有のキシミ感や吸水性を兼ね備
えた高級感のある織物であった。その織物を構成する混
繊糸は高収縮糸成分が糸の中央部に、低収縮糸の被分割
セグメントが外周部に配置されており、染めイラツキの
少ない均斉な外観を呈していた。なお、高収縮糸の溝の
入口巾は6.2μmで、被分割セグメントの径の4.7
μmに対し1.3倍であった。
【0027】実施例2 実施例1で得た混繊複合未延伸糸を用い、交絡数を種々
変更以外は同一条件で延伸し80D −41F の異収縮混
繊糸を得た。この異収縮混繊糸の低収縮側は50D −3
6F の沸水収縮率9%の分割型複合糸(フィラメント数
=BF数36)、高収縮側は30D −5F の沸水収縮率
18%の複合高収縮糸(フィラメント数=KF数5)で
あった。分割型複合糸の被分割セグメントの繊度は0.
14d(フィラメント数=BS数288)であった。続
いて実施例1と同様に織物に仕上げた。効果を表1にま
とめた。
【0028】
【表1】 水準No.2は製品風合は良好なものであったが、パー
ンに若干のタルミが認められ製織時に糸切れが多少みら
れた。No.3は製品風合、織物外観および製織性の全
てにおいて優れたものが得られた。No.4は織物外観
および製織性の良好なものであったが、製品風合にやや
硬さが見られた。No.5は織物外観の良好なものであ
ったが、製品風合にやや硬さが見られ、またパーンに単
糸毛羽が散見されるものであった。
【0029】No.1は交絡ナシでパーンに巻き上げた
結果大きなタルミが多発し製織時解舒不良による糸切れ
が多発した。No.6はパーンに単糸毛羽が散見され、
製品風合も粗硬感が強く劣悪なものであった。
【0030】比較例1 実施例1と同一な構成のポリマを用いて低収縮糸、高収
縮糸それぞれ別々の口金を用いて実施例1と同様な条件
別々に紡糸し別に延伸した後、それら各延伸糸を合糸す
る際に、交絡せずに200T/Mの撚りを施して異収縮
混繊糸としたもの(比較例1)を得、実施例1と同様の
平織物とした。比較例1は、混繊糸における高収縮糸と
分割セグメントが群をなしておりソフト感、緻密感が小
さく、染めイラツキも認められ風合・外観の品位の劣る
ものであった。さらにタルミも認められ、製織時の糸切
れが多発し工程通過性の低下をひきおこした。
【0031】実施例3 実施例1のポリマを用いて、高収縮糸及び低収縮糸であ
る分割型複合糸の被分割セグメントのデニール、高収縮
糸、低収縮糸及び分割型複合糸の被分割セグメントのフ
ィラメント数を諸条件を適宜に選択して表2、表3に示
すように変更した以外は、実施例1と同様に紡糸し延伸
して異収縮混繊糸を得た。続いて実施例1と同様に織物
に仕上げ効果を表2、表3にまとめた。
【0032】
【表2】
【表3】 水準No.2〜4及び7、8は、ソフトで緻密感に優
れ、ふくらみ、腰・反発性、ドレープ性が良好であるば
かりでなく、さらっとしており、かつキシミ感、吸水性
も優れた高級な織物であった。水準No.1は腰・反発
性が不充分で、水準No.5は粗硬感が強く、水準N
o.6はソフト過ぎてぬめり感があり、水準No.9は
ソフト感が不充分であった。
【0033】水準No.10〜13は芯部の太繊度異形
高収縮糸を鞘部の細繊度低収縮分割糸が十分覆い、染め
イラツキが軽減し外観品位が良好な織物であった。
【0034】実施例4 実施例1において低収縮糸である被分割セグメント用成
分ポリマA中のTiO2 量を、表4に示すように種々変
更した以外は同一条件にて製糸、製織した織物を得た。
【0035】
【表4】 水準No.1はソフトで緻密感に優れ、ふくらみ、腰・
反発性、ドレープ性が良好なものが得られたが、ドライ
タッチ風合がやや不足気味であった。水準No.2〜4
は良好な風合が得られた。水準No.5は製織時の若干
の毛羽発生や引き裂き強力の低下が軽微認められた。
【0036】
【発明の効果】本発明の異収縮混繊糸は、低収縮成分で
ある分割型複合糸と太繊度の高収縮糸との混繊糸であっ
て、分割型複合糸の被分割セグメントは超細繊度である
と共に多セグメント数であって、高次工程での工程安定
性に優れ織編物とした際に極めてソフトで染めイラツキ
等の欠点がなく緻密感があり、膨らみ、腰、反発性およ
びドレープ性等を兼ね備えた高級感に富む織編物とする
ことができる。
【0037】また、該混繊糸は構成するポリマ配列の高
度化、すなわち、例えば易溶解性成分ポリマを高収縮糸
の表面から糸内部方向に先細り状に配置させる等によ
り、ソフトでかつさらっとした特有の風合を備えること
ができる。さらに高収縮糸の断面形状を高異型化すれ
ば、キシミ感、吸水性を与えることもできる。さらにま
た易溶解性成分ポリマとして熱水可溶性ポリマを用いる
と、溶解処理時の制約が著しく減少し、特に織編物ない
しその原糸等の溶解処理による強度低下が大巾に抑制で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における分割型複合糸の断面形状例を示
す図である。
【図2】本発明における高収縮複合糸の断面形状例を示
す図である。
【図3】本発明における異収縮混繊糸製造用口金装置の
一例を示す概略図である。
【図4】図3の口金装置における高収縮複合糸用部分の
上板吐出孔形状を示す図である。
【図5】図3の口金装置における高収縮複合糸用部分の
下板上部に設けられたD成分流入用の溝形状を示す図で
ある。
【図6】図3の口金装置における高収縮複合糸用部分の
下板下部に設けられた複合糸の吐出孔形状を示す図であ
る。
【符号の説明】
1:被分割セグメント 2:分割成分 3:先細り状セグメント 4:高異形セグメント 11:上板 12:下板 13:導入孔 14:上板吐出孔 15:ポリマ溜 16:突起部 17:開孔部 18:下板吐出孔 19:開孔部 20:上板吐出孔 21:ポリマ溜 22:突起部 23:溝 24:開孔部 25:下板吐出孔 26:仕切板 27:仕切部 A:被分割セグメント用成分ポリマ B:分割成分ポリマ C:高異形セグメント用成分ポリ D:先細り状セグメント用成分ポリマ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低収縮糸と高収縮糸とからなる異収縮混繊
    糸において、低収縮糸は分割型複合糸でかつ分割後のセ
    グメントの繊度が0.05〜0.5d、高収縮糸の単糸
    繊度が4〜10dであり、分割型複合糸が異収縮混繊糸
    のより外側に、高収縮糸がより内側に配列してなり、低
    収縮糸と高収縮糸を構成するそれぞれのフィラメントが
    相互に交絡し5〜80個/mの交絡数を有し、かつ低収
    縮糸と高収縮糸のフィラメント数が次式(1),(2)
    を同時に満足することを特徴とする異収縮混繊糸。 BF ≧ 4KF … (1) BS ≧20KF … (2) (但し、式中BFは低収縮糸のフィラメント数、KFは
    高収縮糸のフィラメント数、BSは低収縮糸の分割後の
    セグメント数を表わす。)
  2. 【請求項2】異収縮混繊糸を構成する糸条がポリエステ
    ルである請求項1記載の異収縮混繊糸。
  3. 【請求項3】低収縮糸または高収縮糸、もしくはその両
    方が艶消し剤を1.2〜10重量%含有する請求項1ま
    たは2記載の異収縮混繊糸。
  4. 【請求項4】低収縮糸である分割型複合糸の分割成分ポ
    リマーが熱水可溶性ポリエステルである請求項1〜3の
    いずれか1項記載の異収縮混繊糸。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100458985B1 (ko) * 1997-09-12 2005-06-13 주식회사 휴비스 드레이프성이 우수한 이수축 혼섬사의 제조방법

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