JPH08243922A - パターン形成方法 - Google Patents

パターン形成方法

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JPH08243922A
JPH08243922A JP7045816A JP4581695A JPH08243922A JP H08243922 A JPH08243922 A JP H08243922A JP 7045816 A JP7045816 A JP 7045816A JP 4581695 A JP4581695 A JP 4581695A JP H08243922 A JPH08243922 A JP H08243922A
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Kyoko Kotani
恭子 小谷
Yoshitaka Terao
芳孝 寺尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サンドブラスト法を用いて、領域の広さや形
状が異なる除去対象部分を同時に切削するときに生じる
切削速度の差を埋めて、所定通りのパターンを形成す
る。 【構成】 背面基板11上にパターン形成用の被着層と
して誘電体層29を設け、その後誘電体層29上に第
1、第2および第3窓33、35および37を有するサ
ンドブラストマスク31を設ける。このうち、第1およ
び第2窓33および35と比較してはるかに広い領域に
わたる第3窓37に対応した誘電体層29の露出部分
を、この第3窓37よりも大きい寸法で、第3窓37を
介してサンドブラスト法により除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、サンドブラスト法を
用いた、パターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サンドブラスト法は、比重の大きい微粒
子と圧縮空気等とを混合させた切削材を、高速で被加工
物に噴射することにより、被加工物のエッチングを行う
方法であり、微細加工に適している。サンドブラスト法
を用いた加工例として、文献:サンドブラスト法による
カラーPDP蛍光面の試作、藤井英明他、1992年、電気
通信情報学会技術報告、EID91-104 、pp.53-56に開示さ
れているものがある。文献には、ガス放電表示パネルを
構成する、隔壁、蛍光体等の形成にサンドブラスト法を
用いた例が記載されている。この従来方法によれば、ま
ず、複数列の電極(文献では陰極)が設けられたガラス
基板上に、隔壁材料である被着層(文献ではガラスペー
ストの厚膜)を設ける。次に、被着層上に、隔壁パター
ンに対応した形状の、サンドブラストマスク(文献では
ドライフィルム)を設ける。このとき、被着層のうち残
存させる隔壁パターン上はマスクで覆われ、除去対象と
なる部分の表面はマスクの窓から露出している。その
後、除去対象部分を、電極の表面と、電極が設けられて
いる場所以外のガラス基板の表面とが見えるまで切削除
去し、隔壁パターンを得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、ガス放電パ
ネルは、以下に示すような構造となっている。図3の
(A)は、一般的な直流型ガス放電パネルの構造を概略
的に示す斜視図であり、一部を切り欠いて示してある。
また、図3の(B)は、パネルの放電が行われる部分
を、模式的に示した平面図であり、また、図3の(C)
は、図3の(B)のA部分を拡大して示した図である。
なお、図3の(B)および(C)において矢印aは縦方
向を示し、また、矢印bは横方向を示すものとする。
【0004】図3の(A)に示すように、ガス放電パネ
ルは例えば帯状の陽極13および補助陽極15が2列、
1列の順で平行配置されている背面基板11と、帯状の
陰極53が平行配置されている前面基板51とを、それ
ぞれの基板11および51に設けられている電極どうし
が交差するように対向させて貼り合わせた構造となって
いる。このうち、複数の陽極13と陰極53とが交差す
る部分で書き込み放電(表示放電)が起こり、パネルを
表示点灯させる仕組みになっている。また、補助陽極1
5と陰極53とが交差する部分で表示放電を助ける、補
助放電が起こる。そして、2つの基板の間隙に、表示放
電が起こる部分を取り囲むようにして設けたものが隔壁
(隔壁パターンともいう。)17であり、この隔壁17
は、表示放電が起こる部分を表示セル19として区分け
し、また、補助放電の起こる部分を表示セル間の所定の
位置に配置される補助セル21としている。隔壁17に
は、表示放電や補助放電を所定の位置で行わせ、誤放電
を防止する働きがある。
【0005】また、図3の(B)に示すように、上述し
たパネルにおける、放電が行われる部分、つまり隔壁1
7が形成される部分は、多数の表示セル19や補助セル
21が形成される、パネル全体の中央部23(図3の
(B)中、斜線を施して示してある。)である。
【0006】既に述べてあるように、隔壁17は、背面
基板11上に設けられている被着層(図示せず)を隔壁
パターン17と同じ大きさおよび平面形状を有するマス
ク(図示せず)で覆い、サンドブラスト法により加工成
形して設ける。ガラス基板上に被着層を形成したとき、
マスクの窓から露出している部分に対応している被着層
の被除去領域、すなわち隔壁パターン17として残存形
成されずに切削除去されてしまう部分は、このパネルの
場合、次の3つの部分である。 1)隔壁が形成される範囲であるパネルの中央部23の
周側部25。 2)表示セル19となる部分。 3)補助セル21となる部分。
【0007】このうち、表示セル19となる被除去領域
の部分および補助セルとなる被除去領域の部分21のそ
れぞれの領域の広さは、例えばパネルサイズが縦横80
mm×80mmであるパネルの場合、前者が縦横0.6
5mm×0.40mmであり、後者が縦横およそ50m
m×0.1mmである。これに対して、パネルの周側部
25は、隔壁形成範囲である中央部23の周りを15m
mの幅で取り囲む程の広さがあるため、表示セル部分1
9および補助セル部分21がそれぞれ形成される個別の
領域の広さよりもはるかに広い。このため、一つの表示
セル部分19およびまたは一つの補助セル部分21に対
応する被除去領域の広さは、パネル周側部25に対応す
る被除去領域よりもはるかに狭い領域となっている。こ
のように、除去されるべき狭い領域と広い領域とが混在
する、ある広がりのある領域に対し、同一のサンドブラ
スト条件で、サンドブラストを行うと、広い領域の方が
狭い領域よりも早く切削されることが知られている。し
たがって、表示パネルの場合を考えると、表示セル19
および補助セル21となる部分(被除去領域)を除去す
る速度と周側部25の被除去領域を除去する速度とで
は、サンドブラスト速度に差が生じ、その結果、周側部
25の方が早く切削が終了してしまう。このため、表示
セル19および補助セル21となる部分の切削が終了す
るまでさらに除去をすすめると、既に図3の(C)中に
破線25aで示す設計上の境界まで切削が終了して基板
11が露出している周側部25では、切削材が基板11
に衝突して跳ね返り、この跳ね返った切削材により、隔
壁の周側部25に面している中央部周縁27が25bで
示す位置まで必要以上に削られてしまう(余分に切削さ
れてしまう部分を図3の(C)に斜線を施して示す)。
したがって、表示セル19および補助セル21となる部
分の切削が終了したときには、中央部周縁27は本来の
隔壁の縦方向(a)および横方向(b)の厚みの半分程
度にまで達し、場合によっては隔壁17に穴が空いたり
することもあった。サンドブラストによるこのダメージ
は隔壁17の壁崩れを引き起こし、延てはパネルとして
完成させた後に、誤放電や放電漏れの原因となり、正常
な駆動ができなくなるおそれがある。
【0008】したがって、サンドブラスト法を用いるこ
とにより、領域の広さや形状が異なる除去対象部分を同
時に切削するときに生じる切削速度の差をできるだけ小
さくすることにより、所定通りのパターンを形成できる
ようなパターン形成方法の出現が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願に係る
発明者等は、種々の実験を試みたところ、同一のサンド
ブラスト工程で被着層を切削して大きさにばらつきがあ
る複数の穴や溝を設計通りまたはほぼ設計通りに形成す
るためには、大きい方の穴や溝を切削するために用いる
マスクの窓(または開口部ともいう。)を、これら大き
い窓や溝の平面形状をそのまま縮小させた形状の窓にし
ておいて、この縮小窓を介して被着層を、小さい方の穴
や溝を掘るときのサンドブラスト条件でサンドブラスト
を行えば、このサンドブラストの終了時には、大きさの
大小ばらつきのある穴や溝をそれぞれ設計通りまたはそ
れに近い状態で、同時に、形成できることを発見した。
したがって、この発明のパターン形成方法によれば、高
さが均一な、パターン形成用被着層上にマスクを設け、
このマスクの複数の窓にそれぞれ対応した被着層の被除
去領域をサンドブラスト法で同時に除去して所定のパタ
ーンを残存形成するに当たり、ある窓を介して、この窓
の大きさおよび形状と同一または実質的に同一の大きさ
および形状の被除去領域を除去する処理と、この窓とは
異なる窓を介して異なる窓の大きさよりも大きいが形状
は同一または実質的に同一の被除去領域を除去する処理
とを、同じサンドブラスト工程で行うことを特徴とす
る。
【0010】なお、上述の例では、被着層の被除去領域
に対してマスクが開口している部分を窓と称している
が、例えば被除去領域の一部がマスクと隣り合うマスク
外に存在する場合であっても、本発明は適用されるた
め、マスクと隣り合うマスク外の被除去領域に対して
も、“マスクに覆われない部分”という意味においてマ
スク開口部の被除去領域と同様に考え、便宜的に窓と称
するものとする。
【0011】
【作用】上述したこの発明のパターン形成方法によれ
ば、パターン形成用の被着層上に、広がりの大きい被除
去領域と広がりの小さい被除去領域をそれぞれ切削する
ための窓を形成してあるマスクを設ける。ここで、この
広がりの大きい被除去領域用の窓を大きい窓と称し、こ
れに対し、広がりの小さい被除去領域用の窓を小さい窓
と称する。このマスクに設けられた大きい窓に対応した
被着層の露出した部分は、設計上の被除去領域よりも狭
く、すなわち、設計上の被除去領域と相似の縮小形状と
なっている。一方、小さい窓の方は、従来と同様に、広
がりの小さい設計上の被除去領域と同一または実質的に
同一の大きさおよび形状として作成してある。したがっ
て、小さい窓を介して露出している被着層の部分は、設
計上の被除去領域に実質的に対応しているため、この広
がりの小さい被除去領域に対しサンドブラスト法でのサ
ンドブラスト条件を定めて、大きい窓および小さい窓を
有するマスクを用いて被着層に対しサンドブラスト工程
を実施する。そうすると、大きい窓を介しての被着層の
切削は小さい窓を介しての被着層の切削よりも早く進む
ので、大きい窓に露出している部分が切削し終ったとき
には小さい窓に露出している部分の切削はまだ終わって
いない。したがって、さらにサンドブラストを続ける
と、大きい窓を介する切削は、この窓の輪郭を越えた、
すなわち窓よりも広がった部分をも切削し始める。そし
て、小さい窓を介する切削が、丁度小さい窓の大きさと
一致するところまで、すなわち小さい窓の輪郭まで完全
にまたはほぼ完全に切削し終ったとき、大きい窓を介し
て切削された領域が、丁度、設計上の被除去領域と一致
するように、大きい窓の大きさを予め縮小した縮小窓と
して形成しておけば、上述のサンドブラスト工程を終え
たとき、小さい窓を介する切削穴または切削溝と同時に
大きい窓を介する切削穴または切削溝を形成することが
できる。このように、この発明によれば、窓の寸法より
も大きな寸法で、この窓を介してサンドブラスト法で除
去する手法、すなわち、他の除去対象部分に比べて明ら
かに早く切削が終了してしまうような除去対象部分が存
在するパターンを残存形成するとき、予めこの部分が除
去する寸法よりも窓の寸法を小さくすることにより、他
の除去対象部分との切削速度の差を埋めて、切削が終了
する時間を同時にし、所定のパターンを形成する。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。各図は、発明が理解できる程度に各構
成成分の大きさや形状、および位置関係を概略的に示し
てあり、断面を表すハッチング等は一部分を除き省略し
てある。また、以下の説明において特定の材料および条
件等を用いるが、これらの材料および条件等は好適例の
一つにすぎず、したがって、この発明では何らこれに限
定されるものではない。また、図3で用いた構成成分と
同一の構成成分には同一の符号を付して示してある。な
お、この実施例では、ガス放電パネルの隔壁を形成する
場合につき説明し、実施例で用いたパネルは、既に構造
を説明してある縦横80mm×80mmの大きさの直流
型ガス放電パネルと同じタイプであるものとする。
【0013】図1の(A)は、この発明の実施例に係る
概略的な平面図であり、この図は基本的にはパネルの基
板に隔壁を形成するため、基板に隔壁パターン形成用の
被着層を設け、この被着層の上側にサンドブラスト法で
用いるマスクを位置決め配置した状態を示す。そしてこ
の図1の(A)は、このマスクを用いて、マスクの下側
の被着層をサンドブラスト法で切削するときの、切削の
状態を説明するための図でもあり、パターンを形成する
とき、被着層を覆うマスク31の被覆部31aおよび3
1bに相当する部分をハッチングで強調して示してい
る。図1の(A)において、マスク31の被覆部31a
は、パネルの基板の周辺部に対応して設けてあり、した
がって、この被覆部31aは、表示セルや補助セルを形
成する両域外に設けられているため、ここでは重要では
ない。しかし、マスク31の被覆部31bは、パネルの
表示の中心となる、表示セルや補助セルが形成される領
域であって、すでに説明した中央部に相当する部分を、
所要のパターン形状で覆っている。図1の(A)では詳
細なパターンを省略しているが、図1の(B)で、この
中央部の一部分の領域(図1の(A)に丸印Bで示して
ある辺りの領域に対応している)での被覆部31bのパ
ターンを拡大して模式的にかつ具体的に、斜線を施して
示してある。また、図2の(A)〜(E)は、図1の
(B)の平面図をX−X線で切って矢印の方向にみたと
きの断面に対応する部分での、パターンが形成されるま
での工程図を示している。なお、図2において、断面を
表すハッチング等は一部分を除き省略して示してある。
【0014】この発明のパターン形成方法によれば、高
さが均一な、パターン形成用被着層上に、大きさの異な
る複数の窓すなわち開口部を有するマスクを設け、それ
ぞれの窓に対応した被着層の被除去領域をサンドブラス
ト法で同時に除去して所定のパターンを残存形成する。
その場合、本質的にはある窓に対応した被着層の被除去
領域を、この被除去領域の大きさよりも小さな窓を介し
てこの窓の大きさよりも大きい領域にわたって除去す
る。
【0015】このため、この実施例では、まず、陽極1
3および補助陽極15を設けた背面基板11上に、被着
層として誘電体層29を均一な厚さ、例えば0.2mm
の厚さで積層し、図2の(A)に示すような構造体を得
る。誘電体層29の材料としては例えばGLP1606
2(商品名、住友金属鉱山社製)等が挙げられる。
【0016】次に、誘電体層29上に、サンドブラスト
マスク31として例えばドライフィルムレジスト(例え
ばORDYL:商品名、東京応化社製)を設け、図2の
(B)に示すような構造体を得る。ここで、図1を用い
てマスク31の形状について詳細に説明する。図1の
(A)は、図2の(B)の工程段階で得られた構造体
の、背面基板11を上から見た模式的な平面図である。
この図からも理解できるように、誘電体層29を覆うこ
の実施例のマスク31は、大きく考えて、基板周辺部
(前面基板51と貼り合わせる部分)31aと、中央部
23を覆う部分31b(以下、中央被覆部31bとす
る。)とに分かれる。さらに、図1の(B)に示すよう
に、中央被覆部31bにおいては、後に表示セル19お
よび補助セル21となる部分を形成するため、これらに
対応する部分に複数の窓を設ける。この中央被覆部31
bは、丁度、格子状窓ガラスの窓枠に似た構造をしてお
り、一番外側の、中央部の縁枠に相当する中央被覆部の
部分である縁被覆部31b1 と、縦(a)方向および横
(b)方向の枠に相当する内側被覆部31b2 とを有し
ている。なお、これらの領域31b1 と31b2 を図1
の(B)では斜線を施して示してある。そして、通常
は、この外枠に相当する縁被覆部31b1 は、例えば、
a方向(縦方向)に沿って連続的ではあるが、b方向
(横方向)に沿っては不連続に形成してある。そして、
この発明で使用する中央被覆部31bではa方向および
b方向に延在する内側被覆部31b2 の延在方向を、横
断する方向の厚み(または幅ともいう。)よりも、縁被
覆部31b1 のそれぞれ対応する方向の厚み(または
幅)よりも大きくしてある。なお、図1の(B)におい
て、縁被覆部31b1 の領域であって、内側被覆部31
2 の厚み(幅)よりも広くしてある部分を拡幅部39
と称する。この拡幅部39にも細い間隔で斜線を施して
示してある。
【0017】窓は、中央被覆部31b以外の領域であ
り、このとき、表示セル19となる部分に対応する窓を
第1窓33、補助セル21となる部分に対応する窓を第
2窓35とする。これらの窓の平面形状は、設計に応じ
て任意の形状とし得るが、この実施例では、第1窓33
は正方形または長方形としてあり、第2窓35は上下
(a方向)の両端部で第3窓37とつながっている細長
い長方形としており、第3窓37はカタカナの“ロ”の
字状の形、すなわち中抜きした四角形状としている。こ
の窓の大きさは、一例として、第1窓33が縦横0.4
mm×0.65mmであり、第2窓35が縦横50mm
×0.1mmである。また、中央被覆部31bと基板周
辺部31aとの間に開口する窓を、第3窓37とする。
また、中央被覆部31bの縁被覆部31b1 を、周側部
25側に幅広くして拡幅部39を設けてあるが、具体的
には、一例として、パターン形成後、周側部25側に面
する隔壁パターンを覆うマスク幅を、本来の隔壁パター
ン幅である0.08mmに対して1.5倍である0.1
2mm程度に周側部25側に広げてある。この拡幅部3
9により、周側部25に対応する第3窓37が、本来除
去される領域よりも0.04mm程度幅狭になる。な
お、マスク31bは、図1の(B)からもわかるよう
に、補助セル21部分を形成するための第2窓35によ
って途切れているため、図1の(A)に示すように1枚
ではなく、実際には短冊状のマスクが複数枚並べられる
形となる。また、第2窓35と、第3窓37とは、連通
している(図1の(B))。
【0018】以上のようなマスク31が設けられた誘電
体層29のマスクの窓から露出した部分に対し、窓を介
してサンドブラスト法により除去処理を行う。サンドブ
ラスト装置としては例えばPD−1型微細用ショットブ
ラスト装置(商品名、アルプスエンジニアリング社製)
を用い(図示せず)、切削材としては例えばSiC#1
000(商品名、不二製作所社製)を用いる。このと
き、既に説明してあるように、第3窓37は、例えば1
5mm×(80〜90mm)程度の広がりを有してお
り、一方、第1および第2窓33および35は0.65
mm×0.40mm程度および50mm×0.1mm程
度の広がりであるので、第3窓37は、第1および第2
窓33および35と比較してはるかに除去される領域が
広い。このため、この広い領域はサンドブラストでの切
削が速く進み、表示セル19および補助セル21に対応
する部分の除去が終了する前に、第3窓37に丁度露出
しているすなわち拡幅部39と基板周辺被覆部31aと
で囲まれた範囲に露出した部分の誘電体層29の切削除
去は終了する(図2の(C))。
【0019】その後、第1および第2窓33および35
に露出した部分に対し更にサンドブラストによる除去を
続け、第1および第2窓33および35を介して表示セ
ル19および補助セル21となる空間が完全に形成され
たら、切削を終了する。このサンドブラストは、基板の
全面に対して行うので、すでに背面基板11が露出する
まで切削されている周側部25に面している隔壁の側面
は、周側部25の基板から跳ね返った切削材によりさら
に削られる。このため、表示セル19および補助セル2
1となる部分の切削除去が終了したときに、周側部25
に面した隔壁パターン17は、第3窓37よりも大きな
寸法で除去される。しかし、予め第3窓37の大きさ
を、中央被覆部31b1 の周囲に拡幅部39を設けるこ
とにより本来切削されるべき被着層の設計上の被除去領
域の広がりの大きさよりも小さくしてある。このため、
第3窓37に丁度露出している領域が切削されたときか
ら、第3窓37よりも小さい第1および第2窓33およ
び35、第3窓37に丁度露出している領域が切削し終
るまでの時間に被着層が第3窓37の拡幅部39の縁か
らどの程度内側へ切削されるかを予め調べておいて、こ
の窓の縮小の程度、すなわち拡幅部39のaおよびb方
向の幅の大きさを決めれば良い。このようにしておけ
ば、小さい第1および第2窓33および35に露出して
いる被除去領域が切削し終ったときには、大きい第3窓
37に対応する被除去領域も設計上予定していた広がり
で切削されるので、残存した被着層部分からなるパター
ンは、ほぼ所定のパターン17として得ることができる
(図2の(D))。
【0020】その後、マスク31を好適な方法で除去
し、隔壁パターン17が形成される(図2の(E))。
【0021】このように、被着層である誘電体層29上
にサンドブラストマスクを設けるとき、予めパネルの周
側部に対応するサンドブラストマスクの窓の寸法を、除
去したい範囲よりも小さくして設け、換言すれば、被覆
部の範囲を除去したい領域よりも大きくして設け、結果
的にこの窓よりも大きな寸法で除去したことにより、ほ
かに除去される部分である、表示セル19および補助セ
ル21となる部分との間に生じる切削速度の差を埋め
て、所定の隔壁パターンを形成することができる。
【0022】この発明は上述した実施例にのみ限定され
るものではないことは明らかである。例えば、他の除去
対象部分に比べてはるかに広域にわたり除去する必要が
あるために、早く切削が終了してしまい、その結果、除
去しないつもりの部分まで除去されてしまうおそれのあ
る除去対象部分が存在するパターンを残存形成するとき
に適用可能である。また、ここでは、被着層の被除去領
域に対してマスクが開口している部分を切削する場合に
つき例示してあるが、例えば被除去領域の一部がマスク
と隣り合うマスク外に存在する場合であっても、被着層
を覆わない部分を窓と見做すことにより、本発明の適用
が可能である。
【0023】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明のパターン形成方法によれば、パターン形成用の
被着層の上に設けるマスクに開口される窓のうち、他の
除去対象部分に比べて広域にわたり除去する必要があ
り、明らかに早く切削が終了してしまうような除去対象
部分に対応する窓の寸法を、この窓を介して除去したい
寸法よりも小さくする。そして、このようなマスクを用
いて、サンドブラスト法で窓を介して被着層をこの窓よ
りも大きな寸法で切削除去することにより、各除去対象
部分間に生じる切削速度の差を埋めて、切削が終了する
時間を同時にする。このことにより、所定のパターンを
ダメージなく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のマスクの概形を示す平面図である。
【図2】実施例のパターン形成工程を示す断面図であ
る。
【図3】(A)〜(C)は発明が解決しようとする課題
を説明するための概略図である。
【符号の説明】
11:背面基板 13:陽極 15:補助陽極 17:隔壁(隔壁パターン) 19:表示セル 21:補助セル 23:中央部 25:周側部 27:中央部周縁 29:誘電体層(被着層) 31:サンドブラストマスク 31a:基板周辺被覆部 31b:中央被覆部 31b1 :縁被覆部 31b2 :内側被覆部 33:第1窓 35:第2窓 37:第3窓 39:拡幅部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高さが均一な、パターン形成用被着層上
    にマスクを設け、該マスクの複数の窓にそれぞれ対応し
    た前記被着層の被除去領域をサンドブラスト法で同時に
    除去して所定のパターンを残存形成するに当たり、 ある窓を介して該窓の大きさおよび形状と同一または実
    質的に同一の大きさおよび形状の被除去領域を除去する
    処理と、前記窓とは異なる窓を介して該異なる窓の大き
    さよりも大きいが形状は同一または実質的に同一の被除
    去領域を除去する処理とを、同じサンドブラスト工程で
    行うことを特徴とするサンドブラスト法によるパターン
    形成方法。
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